第4章 書店の法則
2.立ち読みがジャマ
皆様のなかにも、これから買おうと思った本のところで立ち読み客が強烈にブロックしていて、本を取るどころか入る隙間もありゃしない、また、これはいやがらせか、今まさに買おうとしている本の上に立ち読みのそやつはデーンとバッグを置いていやがる、という不幸なシチュエーションに遭遇されたお方も多々いらっしゃるのではないかと思います。
お客様のみならず我々書店員も、立ち読みの皆様もうすこし何とかならんのか? と思わずにいられない局面が多々ございます。
入荷した本の売場への商品陳列というものは、往々にして営業時間中に行われております。で、立ち読み客の合間をぬって棚に本を詰めていくのでありますが、ここにも書店の法則がっ!
それは、今まさに手にもっている本を棚に詰めようとしている時、こともあろうにカナリの高確率で立ち読み客がしっかりとその棚の前をガードしているのでございます。しかも! そういうお客様は立ち読みに没頭し、こちらの気配に気づく様子もございません。
立ち読み客の右から回り込もうにも、左から回り込もうにも、全くもって隙間も無い完璧なガード。あなたきっと「カバディ」やったらインド人もビックリですよ、とでも言いたくもなるのでございます。
でありますからして、ここの棚は後回しにして別の棚から、と思って移動するも、またしても立ち読みの壁が......。
しかも下手に場所を空けて頂こうとしようものなら、「チッ」という舌打ちが返ってくるのを覚悟する必要アリでございます。
また、雑誌の陳列整理をする際も、同様にブロック・ブロック・壁・壁・カベで、整理ひとつにも困難を極めるジャンルが存在するのでございます。
車雑誌と男性ファッション誌、そして月曜日のコミック誌コーナー(北海道地区の場合)は、3大立ち読み障壁キングでありましょう。少年ジャンプの発売日は、コミック誌の平台を立ち読み客が一周して取り囲み、いや、取り囲むに留まらず、後ろとか縦方向にまで並ぶ始末で......。
車雑誌コーナーは言うに及ばず。立ち読みどころか座り読みの無法地帯。あなたたちそのままですと荷物満載の台車に轢かれますぞ。
ま、立ち読みが多いということは、人気が高いドル箱ジャンルに他ならないワケで、売れては入れて売れては入れての連続でございますから、こんなことを感じる場面が多いのでしょう。
そういうワケですので、横に本を出したげな書店員の気配を感じたら、場所をば空けていただけると幸いでございます。切にお願いもうしあげます。