水道技術情報,狸の水呑場
コスト縮減 Cost
Reduction
ここでは,水道という視点でみたコスト縮減策について収集します。
【参考】
コスト縮減方策についてとりまとめた文です。まだ噛み砕いてはおりませんので少々お待ちを。
水道におけるコスト縮減
水道事業の効果を維持しながら,必要なコストを減らす(Reduce),コスト縮減の取組みについて掲載します。このための手法としては,公共事業コストの削減,規制緩和による競争の促進,効率的な経営,などがある,とされています。
1)公共事業のコスト縮減策
- 技術基準の見直し
浅層埋管や監視設備標準化,保安規定や耐震規定の合理化など,行政側の動きを見逃さず,過剰仕様を排除します。また,資機材の絞込みなど,他の業界におけるコストの低減事例を応用することも考えるべきでしょう。
- 計画手法の見直し
現状のサービス水準が過大になったり,部分的なばらつきを生じていないか,事業計画は適正かなどを検証します。また,規模の効率を追求することが効果的な場合は,事業の広域化を進めることも必要でしょう。
- 設計方法の見直し
CBR(費用対効果)などによる設計比較,VE(バリューエンジニアリング)などの方法により効果を定量化します。また,定量化によって改善提案に対して効果に比例した見かえりを用意することが可能になります。
- 技術開発の推進
新技術の積極的な導入,費用縮減技術の開発,最新技術に関する学際的な情報交換への積極参加などにより,費用の低減につなげます。新しい技術の導入には,これに伴うリスクの増大を吸収できる技術力が必要です。
- 積算の合理化
積算基準や歩掛を整備,統一,公開します,新技術への対応も迅速でなければなりません。見積についても個別見積りから制度変更が必要になります。外材の導入や単価調査の充実も必要でしょう。
- 公共工事発注の制度改善
発注時期を平滑化し工事量の年間の変動を解消することで,過剰設備を抑制できます。また,適正なロットの設定や,他事業との同時施工工事についても積極的に行いやすい方法を考えるべきでしょう。
- 入札・契約制度改善
民間からの技術提案を活用しやすい環境を整備するほか,諸手続の電子化や様式の統一などにより,余計な手間を削減します。
2)規制緩和による競争の促進
平成8年3月,規制緩和推進計画が示され,水道に関する規制緩和措置が決定され,以下の2つの方針が打ち出されました。
- 水道工事店制度を全国統一的なものに見直すこと。
- 水道協会が独占的に行っている給水装置の検査基準を明確化し,第3者機関の検査によるよう変更すること。
これらの施策はすでに実行されていますが,このような規制緩和は国際的な流れでもありますので,ISO9000シリーズなど国際化に成功した基準類との整合についても今後大きなテーマになるものと思われます。
ただ,コスト削減には必ず某かの性能の制限を伴います。技術提案型,性能発注型の競争を導入したり,エンジニアリングフィー(技術検討費)の導入などによる技術的な検証を行う,などして,必要な性能と無駄を峻別していくことがますます必要になるでしょう。
3)効率的な経営について
自立的な経営効率化の要因を料金設定プロセスに組込むことをインセンティブ規制といいます。そのための方法には主として2つあります。
- プライスキャップ制
上限のみを設定して,自由に料金を設定できる規制の方法。プライスキャップの見なおしが課題になりますが,制度が単純なので議論が容易です。
- ヤードスティック規制
標準コストを設定し,比較査定による競争を期待する方法。査定能力をもつ調整者が必要です。
水道事業体は簡易水道を含めて日本全国に1万2千,料金格差も10倍以上になっていますので,某かの競争導入が必要ではあるでしょう。(もちろん,水源や給水人口など,格差を生ずる原因は基本的に不可避なものなのですが)
また,公営事業が法的な存在であるのに対し,民間企業は経済的な存在ですので,コストに関する意識は否が応にも高くなります。民間資本の参入により競争を促進し,コスト意識の徹底を図ることも考慮に値する戦略でしょう。
【参考】
試験勉強用に取りまとめた資料から。たしか,水道公論をソースにしたと思います。
コスト縮減関連サイト
公共工事の効率を上げるためのコスト縮減策について,公的サイトを中心に事例を紹介します。
省エネ@【(財)省エネルギーセンター】
測ってみました!
省エネ行動の効果。
【備考】