何でもクオリティ合戦に陥るとつらいという話です。
私が最初にプレイしたファイナルファンタジーは7ですが、それまでスーファミで遊んでた私は友達の家でFF7見せてもらって「とんでもねえゲームが出てきやがった...」と大興奮しました。
冒頭のミッドガルのプリレンダ動画だけでご飯何杯もいける感じあったな、当時は。 #FF7 pic.twitter.com/6cVlxWtjzo
— ゲーテ (@goete1) April 16, 2018
その後も8、9、10...とシリーズを重ねる毎に凄まじいクオリティ向上を重ねてテンションブチ上がってました。
ところが10の次の12、12の次に13の発表を見ても、7を見た時のような驚きは感じなかった気がします。
いや、実際には物凄いクオリティ向上してるんですが、その向上が体感としてあまり感じられない。
PS1の次にPS2が出た時は凄い!と思いましたが、PS3の後のPS4とかはあんま変わんない...みたいな。
どうしてでしょう?
ヴェーバーの法則というものをご存知でしょうか。
100gの物を持ってる人の手に10g追加して初めて「重くなった」と気付くとしましょう。そうしたら200gの物を持ってる人には10gじゃなくて20g追加しないと重くなったことに気付かないという話です。
つまり、クオリティが10点のコンテンツは11点にするだけで凄くなった!と気付きますが、50点のコンテンツは55点まで向上させないと違いに気付かれない。絶対クオリティが上がるほどにクオリティアップのコスパは悪くなるという事です。
ゲームのクオリティが上がれば開発費は当然高騰していきます。
ゲーム開発費→「ファミコン500-2000万円、スーファミ5000-8000万円、プレステ2で3億円、プレステ3で5億円〜10億円。」/ファミコンって"自作ゲーム"みたいだったよね――元ファミ通編集長・浜村弘一が目撃したゲーム業界の「カhttp://t.co/B3OjG1X1Pa
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) September 21, 2014
ファミコン時代(1983年〜)でソフト開発費およそ1000万円
スーファミ時代(1990年〜)で5000万円(ファミコンの5倍)
プレステ2時代(2000年〜)で3億円(ファミコンの30倍)
プレステ3時代(2006年〜)で5億円(ファミコンの50倍)
プレステ4時代(2013年〜)で10億円(ファミコンの100倍)
とすごい勢いで開発費が増えています。
それに比べて売り上げの方は
FFI 84万本
FFII 76万本(国内)
FFIII 140万本
FFIV 144万本
FFV 245万本
FFVI 255万本
FFVII 400万本(開発費40億)
FFVIII 800万本
FFIX 530万本
FFX 832万本
FFXII 606万本
FFXIII 754万本
FFXV 700万本
(ソースはウィキペディア)
かなりの勢いで売り上げが伸びてますが、それでも開発費の凄まじい上がり方に比べると伸びは鈍いですね。
開発費が100倍になったのに対して売り上げは10倍、コスパは1/10になってます。
コンシューマゲーム開発はどんどんコスパが悪くなっていると言えそうです。
現在トップで走ってるゲーム会社はどれもファミコン時代にガッツリ儲けて体力が付いてるから今でもやれているのであって、今さら新規参入しよういう気になりにくい業界と言えなくもないですね。
クオリティ合戦に走った結果、業界全体として苦しくなっていった例かもしれません。
同じような事はソシャゲでも起きています。
グリーやモバゲーが主流のガラケー時代(2008年頃)はゲームの開発費は3000〜5000万円程度だったそうですが、2015年にはスマホ、ネイティブアプリ化で1億、そして急激なクオリティ合戦で今では10億〜20億かかってしまうそうです。
FGOなど一部の人気ゲームは恐ろしく儲かっているようですが、失敗した時のリスクも大きくなっており、業界全体としては苦しくなっている感じではないでしょうか。
国内のスマホゲームメーカー12社の四半期売上高の推移です。合計すると、2000億円弱の規模となっていることがわかります。https://t.co/Z6fZ5cznUZ pic.twitter.com/rWlqZd0Lll
— Stockclip (@stoclip) November 15, 2017
このような流れは歴史上あらゆる業界で繰り返されてきた事なのかもしれません。
クオリティ合戦はやめたくてもやめられない、市場の性(さが)のようなものなのでしょうか。
最初の頃は新ネタや工夫で新しい魅力を出していても、いずれネタ切れするとコストが上がると分かっててもクオリティアップで差別化を図らざるをえなくなってきます。
言えるのは、すでにレッドオーシャン化してる業界よりもまだ黎明期の業界に飛び込んだ方がチャンスが大きいという事です。
例えば商業漫画の世界は熾烈な競争になってますが、それを尻目にtwitterに漫画を投稿して大ヒットして書籍化されたカメントツさんの「こぐまのケーキ屋さん」の事例があったりします。
twitter漫画の界隈ではまだそれほど熾烈な競争は起きてなくて(そもそもtwitter漫画はタイアップでもしない限り売り上げが出ない)チャンスが多いのかもしれません。
累計100万RT!発売後4日で大増刷が決定!超話題の『こぐまのケーキ屋さん』のTVCMが完成!!こぐまの店長の声を務めたのは、声優初挑戦のSKY-HI(AAA 日高光啓)!店員さん役は、人気声優・花江夏樹!人気エピソードのスペシャル動画も近日公開!!https://t.co/Mp6A3jOVLC pic.twitter.com/tXrKw5HeVg
— 小学館コミック (@ShogakukanComic) April 3, 2018
vTuberはソシャゲの次に来る戦場と言われています。
非常に低コスト化した全身トラッキング技術が出現した事、誰でもスマホを所持してYoutubeの視聴環境が整った事などがキッカケでvTuberが生まれました。
今はまだ黎明期でコンシューマゲームで言えばファミコンの段階かもしれませんが、色んな企業が急激な勢いで参入してきているのであっという間にレッドオーシャンになるかもしれません。
グリー、投資総額40億円の「VTuberファンド」開始 イラストレーターや声優も積極的に支援 https://t.co/u7fhVDtkHm pic.twitter.com/L4ZuEoXouB
— PANORA (@panoravr) April 17, 2018
かいたお
【速報】ドワンゴ、VTuber配信ソフト「Virtual Cast(β)」公開 他人のVR配信にアバターで「凸」も https://t.co/VVkRjBN4kR
— Minoru Hirota@GDC (@kawauso3) April 13, 2018
本日バーチャルYouTuber事務所「ENTUM」をOPENいたしました!https://t.co/4Nz5HQx5cD
所属クリエイターは以下の通りです。
・ミライアカリ
・猫宮ひなた
・もちひよこ
・届木ウカ
・ヨメミクリエイターの活動を最大限サポートすべく活動して参ります!
— ENTUM(エンタム)- バーチャルYouTuber事務所 (@entum_info) April 9, 2018
もしvTuberをやってみたいと思ってる人がいるなら、急いで始めた方がよさそうですね。
今やっぱりさ、絵でも音楽でも世界中の一番うまい奴といきなり競争になっちゃうじゃない。そんな中で「拙いこと」を強みに出来る表現形態が何か一つぐらいなくちゃ息苦しいじゃんと思うのよ。Vチューバー界隈が今後そうであるかは分からないけど、拙さが希望である場所は世界のどこかにあって欲しい。
— 雨山電信単行本3/17発売 (@ameyamadenshin) April 22, 2018
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