- portal:2864980 ( 01 Jun 2018 04:33 )
SCP-949-JP
アイテム番号: SCP-949-JP
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-949-JPはサイト-8116に設けられた車両収容施設に保管されます。SCP-949-JPが発生させた人形はサンプルとして保存する物を除いて処分されます。現在200体のサンプルが同サイトに保管されています。
説明: SCP-949-JPは███社製の大型のブルドーザーです。構造や機能は同機種の物と差異はありません。
SCP-949-JPは運転によって前進している間、後方に非異常性の人形を秒間約███体の勢いで発生させる異常性を有していました。発生する人形は石粉粘土製で、サイズは高さ4cm前後とごく小型です。人形はヒトを精巧に模した外見を有しており、複数のヒトが組み合わさったような外見の人形も少ないながら確認されています。人形の見かけ上の性別、年齢、人種は一定していません。
2001年4月4日、建設現場から「ブルドーザーから大量の人形が出てきた」との通報を傍受した財団によりSCP-949-JPは回収されました。現場に居合わせた作業員の証言から、SCP-949-JPは作業中に突如として異常性を発現させたと見られています。その後の調査によりSCP-949-JPの製造元である███社は一切の関与が無い事が確認されており、SCP-949-JPが異常性を有するようになった原因は未だ不明です。
異常性の検証の為SCP-949-JPを前進させる試みの最中に、SCP-949-JPの異常性は予期せず失われました。詳細はSCP-949-JP無力化記録を参照してください。
2001年4月6日に、SCP-949-JPのオブジェクトクラスの判定や発生する人形の分析を目的とした稼働実験が行われました。以下に実験の経過記録の転写を記載します。
<00:00:00> SCP-949-JPが前進を開始し、同時に人形の発生が始まる。発生した人形のほとんどは現代によく見られる服装をしている。
<00:00:43> 発生する人形に、全身を武装した男性が増え始める。本来2分で終了する予定だった実験は、更なる変化の観察の為継続される事となった。これ以降、SCP-949-JPのブレード部分に僅かな損傷の発生が確認されるようになる。
<00:09:03> 発生する人形の内、ほとんどの男性に何らかの武装が確認できるようになる。全身を武装している個体はこの頃から減り始める。
<00:15:06> 宗教的な服装をした人形が、男女問わず発生するようになる。以降この人形の発生量が増加し始める。
<00:20:45> 全身を武装した個体は発生しなくなった。これ以降SCP-949-JPのブレード部分への損傷の発生が止まる。
<00:35:47> 宗教的な服装をした人形の発生量はこの時ピークを迎え、以降減少の傾向を見せる。貧相な服装をした個体、痩せ細った人形が増え始める。
<00:53:50> 発生する人形の全てが貧相な服装の物に変化。以降人形の発生量が急激に減少し始める。
<01:01:00> 最後の人形が発生。以降人形の発生が途絶える。
これ以降の実験においてもSCP-949-JPからの人形の発生は確認されず、SCP-949-JPの異常性は失われたと判断されました。
回収されたサンプルの記録抜粋:
実験開始から発生までの時刻 | サンプルの概要 | 補足 |
---|---|---|
00:00:23 | 車を運転するような姿勢を取る、コーカソイド系の成人男性。 | 焦燥の表情を浮かべている。同様の姿勢をした人形を多数確認。 |
00:00:52 | 向かって前方に銃器を構える、全身を武装した男性。 | 同様の武装をした人形がこれに纏まって発生。 |
00:01:32 | うつ伏せになったコーカソイド系の男子児童。 | 右膝に擦り傷が見られ、恐怖の表情を浮かべている。 |
00:02:03 | 乳児を抱きかかえたネグロイド系の成人女性。 | 乳児を守るように蹲った体勢を取っている。 |
00:05:08 | 現代的な服装をしたコーカソイド系の壮年の男女。 | お互いを抱きしめ合うような形で組み合わさっている。 |
00:20:25 | 宗教的な服装をしたコーカソイド系の成人女性。 | 祈るような姿勢を取り、衣服の背中には未知のシンボルが見られる。同様の服装及び姿勢をした人形を多数確認。 |
00:34:56 | 腹部に赤い塗料で上記と同一のシンボルが刻まれた、全裸のモンゴロイド系女性。 | 四肢が切除されている。同様のシンボルが刻まれた全裸の人形を多数確認。 |
00:40:33 | 宗教的な服装をした成人男性。 | 衣服の前面に「STOP」の文字が手書きで書かれている。 |
00:53:10 | 極めて簡素な衣服を着ている、痩せ細ったコーカソイド系の女子児童。 | 笑顔を浮かべている。 |
01:01:00 | 汚れた白衣を着たモンゴロイド系の壮年男性。 | 最後に発生した人形。顔を真上に向け、放心したような表情を浮かべている。 |
補遺: SCP-XXX-JPの無力化から翌日、SCP-XXX-JPの運転席に手紙が残されているのが発見されました。手紙には以下の文章が手書きで書かれていました。
ご協力、ありがとうございました!
SCP-XXX-JPが保管されていた車両収容施設にはいかなる侵入の痕跡も確認できず、この手紙は運転席内に未知の手段でもたらされた物と見られています。筆跡から手紙を作成した人物を特定する試みは失敗に終わっています。
SCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8116に設けられた車両収容施設に保管されます。SCP-XXX-JPが発生させた死体は検体に用いられる物を除いて焼却処分してください。
説明: SCP-XXX-JPは███社製の物と同一の外見を有する大型のブルドーザーです。その機能は同機種のブルドーザーと変わりませんが、損壊に対して異常な耐性を持ち破壊が不可能と見られています。調査により███社はSCP-XXX-JPに関する一切の関与が無い事が判明しています。
運転によって前進している間、SCP-XXX-JPは後方に膨大な量の轢死体を発生させます。発生した死体はヒトを含む既知の動物がほとんどですが、稀に絶滅した動物や地球上に確認されていない未知の生物が発生する場合があります。発生したヒトの死体の遺伝子は、既知のどの人物の物とも適合しません。
以下はSCP-XXX-JPが発生させた死体の実例です。
- もんぺを着た男子児童。胎児のように蹲る姿勢を取っている。
- 大量のドードー(Raphus cucullatus)。
- 爬虫類の特徴を持つ武装した人型実体。
- アウストラロピテクス(Australopithecus)と酷似した外見を持つ人型実体。右手は何かを指し示すように握られている。
- 現代的な学生服を着た男性。右手にはカメラモードが起動したままのスマートフォン(詳細は後述)が掲げられている。
- 天然の布と染料のみで作られた衣服を着た成人女性。顔の前で手を組み、祈るような姿勢を取っている。
- お互いを抱きしめ合っている壮年の男女。
- 白衣を着た壮年の男性。背中には「STOP」という文字が手書きで書き込まれている。この命と引き換えに、どうか伝わってくれ。世界を蹂躙するのはもうやめてくれ。
上述の死体が身に着けていたスマートフォンの記録を参照した結果、保存されていた画像の内直近の1枚は明らかに異常な状況が収められており、倒壊するビル群とその奥に位置する茶色の壁のような巨大な実体を見上げるように写す物でした。実体は空を覆いつくす程の大きさを有し、金属のような材質である事が目視により確認されています。この画像の他に異常な記録は見られませんでした。