prrrr...

ヴィーネ「......」ドキドキ

サターニャ『もしもしヴィネット?』ピッ

ヴィーネ「あ、サターニャ?おはよう!」

サターニャ『おはよう、で、どうしたのよ?こんな朝から電話なんて』

ヴィーネ「新元号って、あるじゃない?」

サターニャ『あー、なんかニュースでやってたわね』

ヴィーネ「天真」

サターニャ『ガヴリールがどうしたの?』

ヴィーネ「えっと、さっきテレビで発表されたんだけど、新しい新元号が、天真になったのよ!」バーン

はよ

サターニャ『......』

ヴィーネ「あれ?サターニャ?」

サターニャ『な、ななな、なんですってー!!!!?』

ヴィーネ「!」

サターニャ『そ、それってつまり、今日からガヴリールの時代ってこと!?』

ヴィーネ「え、あ、違う違う!天真元年は来月からよ!」

サターニャ『こうしちゃいられないわ!教えてくれてありがとうヴィネット!』ピッ

ヴィーネ「あ、サターニャ!......切れちゃった」

ヴィーネ「......ふふ、でもサターニャ、すっごく良い反応してくれたわね」

ヴィーネ「って、いけないいけない!早く嘘だってネタバラシしないと!」

prrrr...

ヴィーネ「......」

ヴィーネ「......出ないわね」

ヴィーネ「仕方ない、直接会って謝ろっと」

サターニャの部屋

サターニャ「えーと、どうしようかしら!そう、まずはガヴリールね!」

サターニャ「ガヴリールに平成の次は天真だって知らせないと!」

ラフィエル「ガヴちゃんに伝えるのは私に任せてください!」

サターニャ「ってラフィエル!?いつからそこに!?」ビクッ

ラフィエル「きのうの夜からいました!」

サターニャ「そ、そんなの今更驚かないわよ!」

ラフィエル「ビクッてしてましたよ〜」

サターニャ「うるさい!」

サターニャ「まぁいいわ!ガヴリールの方は任せたわよ!」

ラフィエル「了解しました〜」

サターニャ「私は......とりあえず出かけるわ!」

ラフィエル「はーい、いってらっしゃいませ〜」

ドア「ガチャ!バタン!」

ラフィエル「......」

ラフィエル「さてと、どうなりますかね〜」ニヤニヤ

外

サターニャ「勢いで出てきたけど、どうしようかしら」ソワソワ

サターニャ「あー!次の元号が『天真』なんて、なんか、なんか......むずかゆいわ!」

サターニャ「だって来月から天真元年で、来年は天真2年なのよ!?」

サターニャ「......」ソワソワ

サターニャ「変なの!!!!!!!!!!」

タプリス「うわぁっ!?」ビクッ

サターニャ「あら、タプリスじゃないの」

タプリス「胡桃沢先輩!こんな道端で大声出さないでください!ビクッてしましたよ!」

サターニャ「......くくく」

タプリス「な、なんです?」

サターニャ「大声程度でビクッてするなんて、あんたもまだまだね」

タプリス「だ、だってビックリしたんですもん!しょうがないですよぅ!」

サターニャ「それじゃあ、この重大ニュースを聞いたらあんた、どうなっちゃうのかしらね?」

タプリス「じゅ、重大ニュース......?」

タプリス「いったい何のニュースだって言うんですか!」

サターニャ「天真、って言ったらあんた何を思い浮かべる?」

タプリス「そんなの天真先輩に決まってるじゃないですか」

サターニャ「そうよね、あんたはその程度よね」

タプリス「ほ、他に何かあるんです......?」ビクビク

サターニャ「来るのよ......天真時代が」

タプリス「天真、時代......?」

サターニャ「平成が終わりを告げ......天真が始まるの」

タプリス「そ、それはつまり......?」

サターニャ「新元号が、天真に決まったのよ」

タプリス「しん、げんごう......とは」

サターニャ「新しい元号よ」

タプリス「すみません、げんごうってなんですか......?」

サターニャ「......平成とか昭和とか、そういうアレよ」

タプリス「......重大ニュースじゃないですか!!!!!」

サターニャ「重大ニュースって言ってるのよ!!!!!」

サターニャ「私はもう行くわ......次に会う時は天真元年ね」

タプリス「天真、元年......!?」

タプリス「はわわ、はわわわ、どうしましょう......どうしましょう!!!!!」プルプル

タプリス「そんな急に天真先輩の時代なんて、私、ついて行けるでしょうか!」

タプリス「いえ、ついて行きます!私は天真時代を生き抜きます!!!!!!」

千秋「あれ、千咲?」

メイ「こんな道端で何してる?」

タプリス「篠原さん!黒奈さん!」

タプリス「そうだ!2人は知ってますか!しんげんごうの話!」

メイ「新元号?」

千秋「あー、そういや今日発表だっけ?あれ?もう発表されちゃったの?」

タプリス「そうなんです!天真なんです!」

千秋「天真って確か、千咲がお世話になってる先輩だっけ?

メイ「駄目天使」

千秋「その天真さんがどうかしたの?」

タプリス「違うんですよ!平成の次のげんごうが天真になったんですよ!」

千秋「......ははーん」

メイ「?」

千秋(なるほどねぇ、今日はエイプリルフールだもんねぇ)

千秋(千咲って嘘つくの苦手そうだもんなぁ)

千秋(一生懸命考えた嘘なんだろうなぁ......かわいい奴め)

タプリス「し、篠原さん?聞いてます?」

千秋「え、えぇー!?そうなの!?」

タプリス「そうなんですよ!今日から天真元年なんですよ!」

千秋「それは一大事だね!天真さんはそれ知ってるの!?」

タプリス「たぶんまだ寝てるので知らないと思います!」

千秋「それじゃ早く教えてあげないとだね!」

タプリス「そうですね!私ちょっと天真先輩の家に行ってきます!」

千秋「うん!いってらっしゃい!」

メイ「いってらっしゃい」

街中

サターニャ「何も考えずにここまで来てしまったわ!」

サターニャ「......ふぅ、ちょっと落ち着いたかしら」

記者「し、しまった!新元号が発表される大事な日に限って寝坊してしまうなんて!」

記者「新元号が発表されるまであと1時間ちょっと......今からじゃあ記者会見の会場には絶対間に合わない!」

記者「このままじゃ新元号元年から早々に無職になっちまうよぉ〜〜!!!!!」

サターニャ「いやー、でもまさか新元号が天真だなんてねぇ」

記者「!」ピクッ

記者「今あの子、新元号がどうのって言ってなかったか?」

記者「まだ新元号は発表されてないはずなのに......ちょっと話を聞いてみるか」

記者「ねぇ、そこのお嬢さん」

サターニャ「なにあんた?不審者?」

記者「いやいや!僕は怪しい者じゃない!記者をやっている者だよ」

サターニャ「記者?その記者が私に何の用かしら?あ、私が将来大物になりそうだから今の内にインタビューしたいのね!」

記者「あ、あはは、キミへのインタビューはまた今度にさせてもらうとして......キミさっき、新元号がどうのって言ってなかったかい?」

サターニャ「新元号!そうなのよ、まさか新元号が天真だなんてね!」

記者「!?」

記者(やっぱりそうだ!)

記者(いやでも、今日はエイプリルフールだ......嘘をついてる可能性もあるぞ)

記者「ねぇ、それって確かな情報なのかい?」

サターニャ「間違いないわ!確かなスジからの情報よ!」

記者(一点の曇りもない瞳だ!彼女は嘘なんてついてない!)

記者(俺はツイてるぞ!これで仕事をクビにならずに済む!)

記者(いや、それどころか発表前の新元号をスクープした英雄になれるぞ!)

記者「その話、もっと詳しく聞きたいんだけどいいかな?『てんま』って、どんな字を書くんだい?」

サターニャ「えっとね、天ぷらの天に......」

ーーー
ーー
ー

ーーこうして記者の男が少女Sから聞き出した新元号のリーク情報は、瞬く間に日本中を駆け巡った。

そしてその情報は、ある現象を引き起こす事となるーー!

「聞いたか?新しい元号は『天真』だってよ」

「うわダッサw天真ってw」

「そうか?俺は悪くないと思うぞ?」

「つーか天真ってどこかで聞いたことないか?」

「天真、天真......あー、あれだわ」

「アレってなんだよ」

「ほら、昔やってたアニメの」

「あぁ、はいはい、ガヴリールドロップアウトの主人公の名前ね」

「ガヴリール?なにそれ?どんなアニメ?」

「アニメも良いけど原作の漫画も面白いぞ」

「天真元年記念にちょっと買って来るわ」

「あ、それいいな!俺も買ってくるわ!もう本屋開いてるよな?」

ーーー
ーー
ー

平成31年4月1日 午前11時30分

ーーその時点でネット通販を含む日本中のありとあらゆる書店、及び本を取り扱う全ての店から『ガヴリールドロップアウト』は姿を消した。

それは日本中の老若男女、全ての民が『ガヴリールドロップアウト』を買い求めた結果だったーー。

全ての日本国民が『ガヴドロ』を手にしたのとほぼ同時に、新元号発表の時が訪れた。

「発表します......新しい元号はーー」

ーーー
ーー
ー

80年後 日本

俺「それが平成最後の大事件、世に言う『ガヴドロの乱』じゃよ」

孫「へぇ、そんなことがあったんだ!」

俺「良くも悪くも、その日ガヴドロは世界の中心じゃった......ほほ、懐かしいのぉ」

娘「またお父さんったらガヴドロの乱の話して、本当にガヴドロが好きなのね」

孫「僕もガヴドロ好きだよ!」

娘「ほらほら、早くしないとガヴドロのアニメ31期が始まっちゃうわよ!」

俺「そうじゃった!ガヴドロの31期を見るまでは死ねん!」

孫「31期の次は32期だよ!お爺ちゃん!」

俺「よぉ〜し、ワシもまだまだ長生きするぞい!」

例え時代が変わったとしても、いつまでも変わらない物もある......いつまでも愛され続ける不朽の名作『ガヴリールドロップアウト』よ永遠にーー!

おわり

イイハナシカナー?

素敵じゃん

ちなみにガヴドロが31期やってるのは嘘で俺は1期を80年ずっと見てる

あと孫がいるのは嘘で娘がいるのも嘘

でもガヴリールドロップアウトが永遠なのは本当

https://i.imgur.com/Gl9wh7M.jpg

32期はよ