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最終更新:
咲-Saki- SS 0
だいやまーくpyIN0e.HV2 さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16789623.html

457:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年08月28日(金) 23:51:16.80:cvdMVC8Po (1/1)

乙です


458:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年08月29日(土) 00:39:30.64:YbxE0GS4O (1/1)

マージャヌですか。よくあるよくある


459:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年08月29日(土) 02:55:08.44:O6W1xS9GO (1/1)

セブンセンシズに目覚めれば無問題


460:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年08月29日(土) 03:46:42.83:BHC8UE7XO (1/1)

七仙女に目覚めた穏乃?(難読)


461: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:42:45.17:TrqSSRhlo (1/14)

こんばんわ
グランドキリン 十六夜の月、美味しいです
ニュージーランドのホップを使ったKIWI IPAというスタイルのビールなんですってよエイちゃん!
国旗のデザイン変更とかで色々話題のNZですが、飲酒は18歳かららしいです

前回の最後ですけど
念のため言っておくと、別に相手に何かされてイップスってるわけでなく、京太郎が勝手に変になってるだけです。
五感とか余計な事書いちゃいました
ちなみにテニプリ原作でもちょっとタイムリーな展開でしたね

投下します


462: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:44:17.50:TrqSSRhlo (2/14)

1年前 9月 清澄高校


同級生a「まさかウチの学校が準優勝しちまうなんてなー」

同級生b「僕は風越に勝った時点で、いいとこまで行くって確信していたよ」

同級生c「いやいや、それは言い過ぎじゃね?」

同級生b「そう? なぁ、須賀君もそう思うだろ?」

京太郎「えっなに? 聞いてなかった」


同級生a「だからー、麻雀部すっげーって話しだって」

京太郎「そうだな。ホントすげぇよ」

同級生b「なんせ風越と龍門渕を下しての県予選突破だからね」

同級生c「でも最後ギリギリの逆転だったし。正直言って、俺は全国ちょっと厳しいかと思ってた」


京太郎「あいつらは最初から優勝するつもりでいたぜ」

同級生c「マジか」

京太郎「もちろん。そのために決勝四校で合同合宿したりして......オレは行けなかったけど」

同級生a「なんで? もったいねー」

京太郎「はぁ!? オレだって行きたかったよ! でも女子の合宿だから無理なんだよ!」

京太郎「こっちは全然オッケーでもあっちは女子高の人達だし、そこに男は入れないんだよ!」


京太郎「オレだって行きたかったよ......!」

同級生a「京太郎、心の叫びである」


463: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:45:58.03:TrqSSRhlo (3/14)

同級生c「しかも宮永がチャンピオンの妹で新チャンピオンって、すごいよな。ドラマティックだよ」

同級生a「昔はここに住んでたんだろ? いやー、全然知らなかったわ」

同級生b「でも急な転校だよね」

京太郎「そうだな」


京太郎「まぁ、家族が一緒ってのはいいことだよ、うん」

同級生a「幼なじみ的にはどーよ」

京太郎「どうよってなにが?」

同級生a「ひとり地元に残されて、さみしいんじゃねーのか?」


京太郎「ねーよ」



京太郎(......この頃はまだ、インターハイの熱に浮かされていたけれど)

京太郎(それが冷めるにしたがって、だんだんと浮き彫りになっていった)


京太郎(部のメンバーとの格差......)


京太郎(学校ではもちろん、自宅にいても皆を目に、耳にする)

京太郎(雑誌で。テレビで。新聞で。ネットで)

京太郎(あらゆるメディアで彼女達を見かけた)


京太郎(そこに映る『清澄高校麻雀部』には、何かがあって......誰かが居なかった)


464: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:46:41.70:TrqSSRhlo (4/14)

インターハイ 3日目
男子個人戦 最終日 昼休み


まこ「無茶しすぎじゃ!」

ムロ「先輩、大丈夫......じゃないですよね」

京太郎「へいきさ......このくらい」

ムロ「嘘......」

トシ「明らかに疲労の色が見えるわ。これ以上は......」

京太郎「すこし、やすめばだいじょうぶ、ですから」


まこ「そうじゃな、とにかく今は休むのが最優先じゃけぇ」

ムロ「先輩......」

京太郎「はぁ......はぁ......」


ムロ(昨日、あれだけ冷静に判断しなきゃって言ってたのに)

ムロ(なんで、こんな無茶なペースで......判断ミスどころの騒ぎじゃない)

ムロ(プレッシャー? どうして......)


ムロ「......なにか、嫌な事とか考えちゃったんですか?」

京太郎「え......」

ムロ「問診です」


ムロ「話すとスッキリしますから、ね? あ、そのまま寝てていいですよ」


465: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:47:29.21:TrqSSRhlo (5/14)

ムロ「前半の方は安定してトップ獲れてました。よかったですよ」

京太郎「ああ」

ムロ「途中から、ちょっと無理しちゃいました?」

京太郎「ああ」

ムロ「そんなに相手は強かったですか?」

京太郎「ああ」

ムロ「すこしは引いても、よかったんですよ?」

京太郎「それは......いやだ」

ムロ「嫌なんですか?」


京太郎「これいじょうは......はなされたくない」

まこ「そがぁ焦るほど離れとらんよ」

トシ「そうだよ、まだまだ挽回できる順位内だわ」

京太郎「まけたら、おいつけない......」

まこ「なにを......」


ムロ「それは、和先輩達のことですか?」

まこ「なんっ......そうなん?」

京太郎「............」


京太郎「おれは......あいつらといっしょにいたいんです」


466: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:48:19.52:TrqSSRhlo (6/14)

京太郎「ここにあいつらはいないから、おれががんばらないと、いなくなっちゃうんです」

まこ「京太郎......そこまで背負い込まんでもええんよ?」

京太郎「でも、それで、ここまでやってこれたんです。だから、このまま......」


京太郎「行けるとこまで行きます」

まこ「......わしゃあ、なんも言えんわ」


まこ「ここでやめろっちゅーても、遺恨を残すじゃろうし」

まこ「そもそも、聞かんじゃろ」

京太郎「すみません」

まこ「しゃーないのう、まったく。わしにできることは......」


まこ「......わしは待っとることしかできんけぇ」

トシ「京太郎」

京太郎「すみません、熊倉先生......なんかもう、ペース配分とか滅茶苦茶で」

トシ「それが、あんたの選んだ道なんだね」


トシ「自分で選択したんだもの。できる限り応援するわ」

京太郎「ありがとうございます」

トシ「でも、全部の試合に勝つのは無理よ。ただでさえ疲弊してるのに」

京太郎「それは......」


467: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:49:12.96:TrqSSRhlo (7/14)

京太郎「それでも、オレは勝ち続けたいです。アイツらみたいに」

トシ「その為には最高状態を維持しないといけない」

ムロ「それは、無理ですよ」

京太郎「わかってる。だから......」

ムロ「なにか考えが?」


京太郎「無い」

ムロ「はぁ?」


京太郎「だからいいアイディアください! お願いします!」ペッコリン


まこ「えぇ......」

トシ「呆れた......考えナシかい」

京太郎「すみません......」

トシ「いいよ。それを考えるのが顧問である私の仕事だからね」

京太郎「ありがとうございます!」


トシ「その間、ごはん食べときなさい」

京太郎「言われてみれば......腹減った」グゥゥゥゥ

ムロ「もう食べても大丈夫なんですか?」

まこ「あんま時間無いけぇ、食うならはよせんと」


468: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:50:24.26:TrqSSRhlo (8/14)

京太郎「今日のお昼はタコスです」

ムロ「これって優希先輩の手作りですね」

京太郎「っぽいな。どれどれ......あむっ」


京太郎「むむっ」

まこ「どうじゃ? 優希のタコスは」


京太郎「オレが作ってやった味に似てるけど」

京太郎「辛さや肉のボリューム、レタスの刻み方、細かいところがアレンジされてる」

京太郎「特にソースが、辛さの中にも旨味と甘味があって......なに入ってんだろ」

ムロ「美味しそうですねぇ......じゅるり」

京太郎「うん、美味いぞ。優希のやつ腕を上げたな」

トシ「食べながらでいいから聞いてちょうだい」


トシ「今までは強い選手との対決を避けて、稼げる局で稼いできたけど」

トシ「午後からは逆に強い選手にぶつかっていって、相手に点を取らせない」

トシ「ゾーンに入っても入っていなくても、攻めの姿勢で対局する方針を取ります」


トシ「これでいい?」

京太郎「ふぁい」モグモグ

トシ「ある程度なら、素の京太郎でも通用するから頑張りなさい。これ要注意選手リストよ」


469: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:51:04.84:TrqSSRhlo (9/14)

『まもなく、男子個人戦、午後の試合の開始時刻になります。選手は――』


京太郎「え、もう......?」

ムロ「はい、頑張ってください!」

まこ「きばってけぇ」

トシ「落ち着いてね」

京太郎「はい、行ってきます」


まこ「大丈夫かのう」

ムロ「先輩を信じましょ」


トシ「そうだね」


トシ「なるべく、京太郎の願いに沿った方針を提案したけど」

まこ「なんとかならんかったんかのう」

トシ「突き放すようだけど、結局はコンプレックスの問題だから。自分で克服するしかないわ」

まこ「わしは......」


まこ「部長として、あいつを引っ張ることをせんと、なんもしてやれんかった」

ムロ「そんなことないですよ」


トシ「まこは十分、京太郎の道しるべになってるよ」


470: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:51:57.34:TrqSSRhlo (10/14)

トシ「あの子は最初から進むべき道を見据えていた」

トシ「だから、それをサポートしてやるだけでよかったんだよ」

まこ「そうですか......」

ムロ「はい、染谷部長は私達をよく支えてくれてます。私が保証します!」

まこ「......そか、ムロにそう言ってもらえんなら、ええことじゃわ」

トシ「私達は、私達でやれる事をやった」


トシ「あとは京太郎が見せてくれるさ」


京太郎(さぁ、最後の追い込みだ)

京太郎(ここで踏ん張って、絶対に決勝に進むんだ)

京太郎(一戦一戦、気を抜かずに、今度こそ冷静に......)

ガチャ


カッ

京太郎「うっ?」クラッ


京太郎(めまいが......まだ疲れが抜けきってないのか。それとも照明が眩しすぎ......)

ズゥゥゥゥン

京太郎(なっ!? 抜けてないどころか、これ、ずっとゾーンに入り続けてた後みたいに)

京太郎(身体が......重い......!)


471: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:52:45.42:TrqSSRhlo (11/14)

京太郎(と、とにかく、卓に着かないと......)

カツン カツン

京太郎(卓が、遠い......)

カツン カツン

京太郎(あれ、こんなに階段って長かったっけ......?)

カツン

京太郎(あれ、ここって......)


「早くめくりなよ」

京太郎「あ、はい」

京太郎(場決め......)


タン

京太郎(北......ラス親か)

「やっと決まったな」

「では、始めましょうか」

京太郎(!? この人達、よく見たら全員要注意選手じゃん!)

京太郎(ってゆうか、ここ......)


京太郎『ステージも立派だけど、部屋のつくりもすごいですよね』

トシ『そうだね。防音に電波遮断の強化、他にもいろいろあるみたい』


京太郎(......決勝戦用の対局室)

京太郎(え?)


472: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:54:08.13:TrqSSRhlo (12/14)

第二観戦室


和「ようやく席に着きましたね」

優希「なんだかボーっとしてる感じだったじぇ」

咲「京ちゃん、大丈夫なのかな......?」



第一観戦室


ムロ「先輩......」

まこ「やっぱ止めといたほうが......」

トシ「送りだしたものは仕方ないさ。なにかあったら私が責任取るわ」



決勝戦用特別対局室
男子個人戦 決勝卓


京太郎(オレ、いつの間に、なんで、こんなところに居るんだ......?)

京太郎(午後の対局って、もう終わったのか......?)

京太郎(ちょっと、待ってくれよ......こんな、急に放り出されたみたいな)


「そんじゃ、よろしゅうなー」

「よろしくお願いしやーす」

「宜しくお願い致します」

京太郎「あ......」


京太郎「よろしく、おねがいします」

ドクン

京太郎(待ってくれ)


473: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:55:33.26:TrqSSRhlo (13/14)

京太郎(一体なんなんだ、記憶があいまいだ......)


京太郎(まずこの状況......気付いたら予選終わってて、決勝戦で)

京太郎(疲労感もマックスで......)ズゥゥン


京太郎(今ここに座っている人は、どれも本当に強い人ばかり)

京太郎(そりゃそうだ。だってここは、インターハイの決勝戦)

京太郎(それが......オレの対戦相手)


京太郎(そんな人達に、こんな状態で、勝てるのか......?)


474: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月05日(土) 22:56:06.50:TrqSSRhlo (14/14)

今回はここまで

次回で決着つけたいなー


475:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月05日(土) 23:16:04.89:5koWA8odO (1/1)

乙です


476:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月06日(日) 00:44:04.79:+fl9e4TOo (1/1)

乙です


477:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月06日(日) 06:34:19.23:3IgIF/zaO (1/1)

乙です
飯テロはタコス
記憶がなくなる程、疲弊してるって事か...


478:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月06日(日) 07:24:25.39:0UN7WQPSO (1/1)

おつおつ
3人娘の思い出は平等なのかね


479:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月06日(日) 08:32:05.94:Y3YJsBjbo (1/1)


面白いな


480: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月08日(火) 22:07:11.18:XUTulMgKo (1/2)

こんばんわ

最近、咲関連のブログを見ていると、SSの書き方についての記事をよく目にします。
それを見て、自分もSS書きたい人に、なんかアドバイスできたらいいなぁと思いました。
影響されやすいのです。

しかし、ストーリーやキャラクターの解説しちゃうと、これはいけません。
つい、先の展開をポロリしちゃったり、予見されてしまう恐れがあるからです。
ネタバレ怖い。

なので、それとは別に、自分がいつもSSを書くときに気をつけている事を、ひとつ紹介します。



『ウェイトの高い情報を後ろに置く』


この場合のウェイトとは、情報の重要度や言葉の厳格さ。みたいな、自分なりの意味です。
自分でも明確な定義なんて無くて、あいまいなんですけど。

低いウェイトから高いウェイトへ持っていくと、会話も展開もスムーズに進む気がします。


>>472 を例にしてみましょう。

場面は「第二観戦室」「第一観戦室」「決勝戦用特別対局室」
と、順に決勝戦の舞台に移っていきます。

第二観戦室の会話も
和(姿の確認)、優希(体調の異常に気付く)、咲(心配する)
と、キャラの心情が京太郎に寄っていきます。

第一観戦室では
ムロ(部員)、まこ(部長)、トシ(顧問)
と、会話の順番が部内ヒエラルキーの高い方へ向かっていきます。
トシのセリフも「責任」という重みを持った言葉を使います。

決勝卓では
対局者が、カジュアルな言葉づかいの人からフォーマルな言葉づかいの人の順に発言します。
「よろしく」も「宜しく」にし、文字面を硬くすると、その場の雰囲気が引きしまった感じになります。


481: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月08日(火) 22:09:40.31:XUTulMgKo (2/2)

どうして、こんな事するのかいうと「その方が読みやすい」と思うからです。
(注記)あくまで個人の感想で、感じ方には個人差があります

逆に、ウェイトの高い方から置いていったらどうなるか。

インパクトは大きいですが、後に続く展開が尻下がりになってしまいます。
先に出した情報のフォローをしなくてはいけませんからね。
でないと、置いてけぼりになっちゃいます。


〜逆に置いてみた例〜


咲「京ちゃん、大丈夫なのかな......?」

優希「なんだかボーっとしてる感じだったじぇ」

和「ようやく席に着きましたね」


咲と優希は自然に会話できてますけど、これだと和がクールすぎますね。
突き放した感があって、それが流れを途切れさせてしまい、テンポが悪くなってしまいました。

でもまぁ、何事もケースバイケース。時と場合によりけりです。
キャッチーな展開にしたい時などには、変えちゃってもいいんです。



SSを書くのに、とても役に立つとは思えないテクニックを紹介してしまいました。
ふーん、こんなこと考えて書くヤツもいるんだなぁ、くらいに思ってください。
別に作品が面白くなるわけでもないし、労力の割に効果は薄いですが、けっこうな自己満足感が得られます。


じゃあ、書きたいこと書いたので、おしまいです。
SS作者志望者がこのスレ見てるか知らんけど。作者人口増えるといいなー。


482:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月09日(水) 00:23:25.15:u4rloZPjo (1/1)

乙です
参考になるね


483:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月10日(木) 02:18:01.28:ENKOiRzEO (1/2)

おつおつ


484:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月10日(木) 02:18:53.52:ENKOiRzEO (2/2)

誤爆ageすまない......


485: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:29:44.34:fBWal94uo (1/23)

おはようございます

前回からずいぶん時間がかかってしましました
今回で男子個人戦は最後です

投下します


486: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:30:51.35:fBWal94uo (2/23)

インターハイ 男子個人戦決勝
東三局 親:対局者C


対局者A「ロン、1300!」

対局者C「はい......」

京太郎(......なんとか、この局も凌げた)


優希「京太郎のやつ、全然に前に出ていかないじょ。なにをやってるんだ!」

咲「調子悪そうだけど、打ち方もなんだか予選と違うよね」

優希「アイツ、ちゃんとタコス食べたのか? タコスぢからが足りてないじぇ」

和「そんな優希じゃあるまいし......」


『決勝戦も東四局となりました。現在の点数状況は......』

1位:対局者A......40100
2位:須賀京太郎...22700
3位:対局者B......20800
4位:対局者C......16400


『A選手が一人浮き! 圧倒的リードです!』

『意外なのは清澄高校の須賀選手』

『予選ではかなり攻撃的なプレイスタイルでしたが、この試合ではそれが感じられませんね』

『やっぱり、決勝の相手ともなると手強いんでしょうね』


まこ「まだ動かんのか......もどかしいのう」

ムロ「動かない、というより動けないんですよ、きっと......」

トシ「でもまだ逆転可能な点差だよ。これからさ」


京太郎(東場は......とにかく防御に徹する)


487:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月16日(水) 06:30:52.79:KjSM1jaQo (1/1)

きたー


488: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:31:44.77:fBWal94uo (3/23)

東四局
親:須賀京太郎


対局者B「ロン。8000です」

対局者A「げっ......マジで」

『満貫直撃ーッ! 着実にトップとの差を詰めていく!』

『この和了でB選手が2位に浮上しました』

京太郎(勝手にしろ......次からだ。次はオレが和了る)

『さぁ、ついに決勝戦も折り返し。南入です!』

優希「なんもできないうちに東場が終わってしまったじぇ......」

和「南場でどれだけ稼げるか、ですね」


京太郎(優希的には面白くないだろうけど......悪いな。でも、オレにも考えがあるんだ)

京太郎(体力を少しでも回復させて、南場でゾーンに入って巻き返す......!)


京太郎(序盤は、危険牌を察知するのも一苦労だったけど)

京太郎(今なら深く集中できる気がする)

京太郎(それが何分、何局維持できるかはわからない)


京太郎(その間に持てる限りの力を尽くす)

京太郎(ゾーンに入れば勝てるんだから!)


京太郎「すぅ......はぁ......」


489: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:32:39.45:fBWal94uo (4/23)

ムロ「きた......!」

まこ「おお、やっと入ったんか!」


京太郎「............」キィィィィ



20分前

インターハイ 2日目
男子個人戦 予選終了後


京太郎「はぁ、はぁ......」

ムロ「結局、ずっとゾーンに入りっぱなしでしたね」

京太郎「......ああ」


ムロ「つらくないですか?」

京太郎「おれは、これがないと、だめだめだから......」

京太郎「みんなのまえで、だらしないかっこみせらんないだろ?」

まこ「じゃが、そんな状態でまともに打てんじゃろうに」

京太郎「なんとかなりますよ」

ムロ「先輩......」


京太郎「だからさ、ちゃんとみてろよ?」

ムロ「はい。見てます」


ムロ「なにがあっても、見届けますから」


490: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:34:24.84:fBWal94uo (5/23)

ムロ(......もどかしい)

ムロ(ただ見てるだけなんて、なにもできないなんて......辛い、切ない、歯痒い、苦しい)

ムロ(私、先輩になにもしてあげれないなんて)


対局者A「ツモ!」

京太郎「え......」


『またまたA選手の和了! 他の相手に隙をあたえず突き放すー!』

京太郎(......なに、言ってんだ?)

京太郎(今は、オレが)


対局者A「2000オールっす!」

京太郎(ふざけんなよ、なに......なんで、テメェ......)

京太郎(クソがッ......!)

対局者A「1本場!」

『そして親の連荘です!』

京太郎(いい加減に......もう、勘弁しろ......!)


ムロ「そ、そんなぁ......」

まこ「せっかく良い手じゃったんに......」


和「須賀君......?」

咲「へこたれちゃダメだよ......京ちゃん」

優希「コラーッ! なにうつむいてんだ京太郎ー!」


京太郎「っ......」キィィ...ン


491: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:35:07.85:fBWal94uo (6/23)

京太郎(もう......無理かな)


京太郎(チャンピオンには......咲、お前みたいにはなれそうもない)

京太郎(ゾーンに入れば勝てるって思ってた)

京太郎(そんな保障なんてあるわけないよな。そりゃそうだ、何を勘違いしてたんだ)


京太郎(でも、頼らなくちゃいけなかった。オレが勝つには、こうするしかなくて)

京太郎(じゃなきゃ、ここまで来れなかった。だけど、それも......)


トシ「やっぱりもう、体力的にも......精神的にも限界なのね」

まこ「そんなん、わかっとったんに......」


京太郎(......どうしようか)

京太郎(ここでオレは、なにをしたらいいんだろう......)

京太郎(なにかしなくちゃ......)

京太郎(なにかしないと、動かないと......でも......)


京太郎(勝てる気がしない)


京太郎(とっておきの、伝家の宝刀もポッキリ折れちまった)

京太郎(足元が揺れて......崩れた)

京太郎(また、追いつけないのか?)


京太郎(また......置いてかれるのか?)


492: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:36:08.36:fBWal94uo (7/23)

対局者C「ツモ、1300・2600の1本場は1400・2700です」

『連荘を阻止してC選手が追い上げる! このまま流れに乗ることができるのか!?』

京太郎(もう、いいだろう......)

京太郎(結局、オレはあいつらみたいには、なれない......なれっこないんだ)


対局者C「ロン、1000・2000です」

『連続和了! そして迎えた親番、怒涛の攻勢はまだまだ継続中!』


京太郎(こんな立派なステージに立てただけでも、ありがたい)

京太郎(決勝戦まで来れてさ。それで十分じゃないか)

京太郎(......決勝戦、か)


京太郎(みんなは、どんな気持ちで座ってたのかな?)


咲「京ちゃん、つらそう......」

優希「時には、何事も上手くいかない......そんな場面もあるじぇ」

咲「うん......」

優希「この私だって、いつも順風満帆なわけじゃない」


優希「麻雀でも、東場でトバさなきゃ必ず南場がやってくる......憂鬱だじぇ」

優希「もっとああすれば、こうすればとか思っちゃうけど、愚痴っても後悔してもなんにもならない」

優希「その時の自分の精一杯を出してかなきゃなんないじぇ」

和「そうですね」


和「それは、須賀君も知っているはずです」

咲「うん」


493: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:37:38.66:fBWal94uo (8/23)

和「最後まで諦めずに、最善を尽くして勝利を目指していた......」

咲「清澄高校麻雀部のみんなを」

優希「京太郎は一番近くで見てたんだじぇ」


咲「私、団体戦で優勝できなかった時、イヤな気持ちに押しつぶされそうになった」

咲「でも、それでも頑張って麻雀を打ったら優勝して、お姉ちゃんとも仲直りできた」


咲「だから、京ちゃんにも諦めないでほしい。今より先に、もっといい未来があるはずだから」


咲「そもそも、京ちゃんが誘ったんだよ。麻雀部」

優希「そういえばそうだったじぇ」

和「今でも、咲さんが部活に来たときの事は、よーく覚えてますよ」

咲「う、うん。私も、覚えてる」


和「忘れるもんですか。3連続プラマイゼロなんてやってのけて」

咲「あはは......」


咲「まぁ、それは置いといて」

優希「置いとくのか......私的にもけっこうショッキングな事件だったんだじょ?」


494: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:38:38.54:fBWal94uo (9/23)

咲「麻雀から離れていた私を呼び戻したのは、京ちゃんが元凶なの」

和「元凶って......」


咲「その張本人が、麻雀を諦めるなんて許さない」


咲「麻雀に関してはどんな状況、点差があろうが配牌やツモが悪かろうが」

咲「相手が格上だろうが......逃げたりなんかしたら、絶対に許さないよ」

咲「私だって......辛い時は本当に辛かったんだもん......!」


京太郎(そうだ。あいつらだって、苦しい時があった)

京太郎(でもそれを耐えて、乗り越えたんだ)

京太郎(あいつらが離れちまうって? ......違うだろ!)


京太郎(離れていったのはオレの方だ!)

京太郎(頭のどこかで違うもんだと決めつけて、時期とか才能とか言い訳にして)

京太郎(なんだ......同じじゃないか)


京太郎(一緒だ。同じ舞台に立ってる......)


京太郎(じゃあ、もうちょっと、がんばってみようかな)キィィィ


ムロ「あれ、先輩?」

まこ「なんじゃ、なんかあったんか?」

ムロ「先輩の雰囲気......すごく辛そうだったのに、今は」


495: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:39:38.16:fBWal94uo (10/23)

京太郎(くまくらせんせいがいってた、おれのまーじゃんは、じぶんじしんとのたたかいだって)

京太郎(じぶんにまけるとか、くそだっせーよ。それに......)

京太郎(みんなのまえで、だらしないとこなんか、みせらんねぇ!)

ムロ「なんだか、楽しそう?」



南三局
親:対局者C


京太郎(このはいぱい、すーしゃんてんか)
一一二五(五)六八28837中

京太郎(なんとかかたちにしたいところだけど)

チャッ

京太郎(!? いや、これは......)
一一二五(五)六八28837中:六


和「チートイ二向聴!」

優希「うおおっ、コレは逃がしたくない手だじぇ!」

京太郎(こい......)チャッ
一一二五(五)六六八28837:2


まこ「入った!」

トシ「七対子は一向聴から進みにくいけど、テンパイすれば......!」

京太郎(こい......!)チャッ
一一二五(五)六六228837:7

まこ「よっしゃ!」

ムロ「テンパイ!」


496: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:40:36.96:fBWal94uo (11/23)

京太郎(めのまえがぼやけて、あいてのかわもよくみえないけど......)
一一五(五)六六2288377

咲「いけるよ京ちゃん!」

優希「そのままリーチぶちかましだじぇ!」

和「須賀君......!」


京太郎「りーち!」ドッ

京太郎(かまうもんか。つもればいいんだろ......!)

『須賀選手のリーチ宣言! この試合の初の和了となるのか!?』


京太郎(ずっとやられっぱなしだったぶん......)

京太郎(おかえしさせてもらうぜ)

バシィッ

京太郎「ツモ!」


京太郎「リーチ・一発・ツモ・七対子・赤1」

京太郎「3000・6000!」


『跳満炸裂ーッ!!』

ワアァァァァ

まこ「よっしゃよっしゃよっしゃあっ!」

トシ「やればできるじゃない!」

ムロ「やったぁ! 先輩、最っ高です!」


497: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:41:36.57:fBWal94uo (12/23)

優希「うおぉぉぉっイェェェーイ! 京太郎やったじぇーーッ!」

和「あはっもう優希、はしゃぎすぎです! アハハッ!」

咲「京ちゃん......! うぅ、やっと和了れたよぉ」

『須賀選手、この和了で最下位から一気に2位に浮上!』

『順位が大きく入れ替わりましたね。現在の順位は......』

1位:対局者A......31400
2位:須賀京太郎...30300
3位:対局者B......20400
4位:対局者C......17900


『このようになってます。1位・2位が3位以下に大きく差をつけています』

『B選手は跳満、C選手は倍満での直撃が必要』

『トップと2位の差は、わずか1100点。僅差でオーラスを迎えます』

京太郎「ふぅ......」

京太郎(もうちょっと、あとちょっとで)

『泣いても笑っても、最後の一局! 運命の最終決戦!』

『南四局。オーラスの開始です!』


インターハイ 男子個人戦決勝
南四局 オーラス
親:須賀京太郎
ドラ:1


京太郎(おーらす。いがいとおちついてる......うん、それでいい)

チャッ チャッ

京太郎(じたばたしてもしょうがない)

京太郎(いつもどおりに、うつ。ただそれだけだ)


498: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:42:59.63:fBWal94uo (13/23)

京太郎(とにもかくにも、てんぱいしなくちゃ)
一五六677456788白白

京太郎(2い3いは、たかいてをくむから、おそくならざるをえない)

京太郎(もんだいはとっぷ)


対局者A「............」チャッ

京太郎(このひと、このじょうきょうでだまってるようなたいぷじゃない)

京太郎(おれだって)


京太郎「ぽん!」
五六67745688/白白白

『特急券だぁーッ! 須賀選手が優勝に大きく近づく!』

京太郎(まもりにはいるきなんて、さらさらない!)


対局者A「チー!」

『しかし、A選手も負けてない! このまま逃げ切れるのか!?』

京太郎「ぽん!」
五六45688/白白白/777

京太郎(まにあえ......!)


対局者B「リーチ」

ドッ
『あーっと! ここでB選手が大逆転をかけたリーチがはいる!』


京太郎(なに!? つーか、はえぇぞ......!)

対局者C「通らば、リーチ」ドッ

『追っかけリーチ! 決勝戦のオーラスにふさわしい、激しいチャンピオン争い!』

京太郎(こっちも......!?)


499: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:44:54.31:fBWal94uo (14/23)

5巡後


京太郎(Aせんしゅはずっとつもぎり。たぶん、てんぱいしてる)

京太郎(このままいけば、りゅうきょくもありえるかも......)


京太郎(む......)チャッ
五六45688/白白白/777:1


京太郎(また、はずれか......はぁ)


ムロ「......あ」

まこ「マズ」


京太郎(あれ......?)

京太郎(ぼやけて、よくみえないけれど)

京太郎(このふうけい、どこかでみたことあるような......)

スッ

優希「ああっ!?」

咲「危な!」

ゾクン

京太郎「っ!? ちょ、ちょっとしつれい......すみません」

京太郎(こ、これって......)

『須賀選手、長考のようです』

優希「ふぃ〜ギリギリセーフだじぇ......」


500: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:46:51.59:fBWal94uo (15/23)

『いやぁ須賀選手、よくふみとどまりましたね』

対局者A「ふぅん」
一二三九九23中中中/789(待ち:14)

対局者B「............」
四五六14(5)6234456(待ち:1)


京太郎(このじゅんめで......どらのいーぴんだって?)

京太郎(それに、よくみたらこのすてはい......)

京太郎(めっちゃあぶないきがする)


京太郎(どうしよう)


京太郎(このままかかえて、てがわりは......まにあわない)

京太郎(なにより、これいじょうあいてのりーちはよけきれない)

京太郎(でも、ここでおりたら......おりる?)

京太郎(おーらすだぞ?)

京太郎(さいごまでつっぱるしか......いやいや、それでふりこんだら、おしまいだ)


京太郎(どうしよう)

京太郎(こういうとき、ふつうはどうするんだ......どうすればいい?)


京太郎(のどかは......なんていってたっけ?)


501: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:47:57.46:fBWal94uo (16/23)

咲「......そう簡単にはオリれないよね」

優希「テンパイしておけば、流局でも親だから連荘できる......」

和「その考えはあるでしょう」


優希「私だったら......うぅ〜、悩むじぇ。オリるかなぁ?」

咲「わ、意外」

優希「南場では徹頭徹尾、防御モードなんだじぇ」

咲「デジタルだと、どうするの?」

和「一般的にはオリでしょうね」


和「自分が和了れなくても、他家の和了でトップになれる可能性もありますから」

優希「なるほどなー」


咲「じゃあ、京ちゃんもオリ......」


和「そうとは限りませんよ?」

咲「え、なんで?」


和「麻雀の打ち方には、その人の性格がよく表れます」

和「私は須賀君に、デジタルの打ち方は教えても、須賀君なりの打ち方は教えていません」

和「それは、彼自身が見つけるものですから」


502: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:48:52.35:fBWal94uo (17/23)

京太郎(おりたら、まけたら......ここでおわり......)

京太郎(......なんてな)

キィィ...ン

京太郎(終わらないさ。ここで、どんな決着になっても)

京太郎(だから......)チャッ

まこ「おおっ」

ムロ「............」

バシィッ

京太郎(じゃあな)


『放銃回避! 須賀選手、テンパイにとらず!』

『これはよく耐えましたね。さぁ、残り少ない巡目で挽回できるのか』


和「それが、須賀君の......」

京太郎(どんな結果になろうと、オレの麻雀は続いてくってわかったから)

京太郎(今は、自信を持って)


京太郎(先に進むために......!)


503: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:50:03.58:fBWal94uo (18/23)


タンッ

「ロン」


京太郎「!?」ビクッ

京太郎(ちが......オレじゃない......?)


対局者A「げ......」

対局者C「............」ジャラ
一二二三三四五六七七七七八:九

京太郎(和了られた......! 点数は?)

対局者B「ん?」

『トップに直撃ーッ! しかし......!?』

対局者C「リーチ・メンチン......」

『役は7飜で跳満止まり! 1位になるにはもう1飜プラスで倍満が必要となります! つまり』

対局者C「裏は......」スッ

『裏ドラ! 1個でも乗れば、その瞬間にC選手がチャンピオンに決定!』

対局者A「あ、あぁ......」

ドクン

京太郎(......乗るな)

京太郎(乗らなかったら、そのままオレが1位だ......)



対局者C「ッ......!」

チャッ

京太郎(乗るな......!)


504: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:51:12.11:fBWal94uo (19/23)

インターハイ 男子個人戦
授賞式 終了後



ムロ「惜しかったですね」

京太郎「そうだな。でも裏4とか、逆にせいせいするわ」

ムロ「まさか最後の六萬が、あんなところに隠れていたとは」

京太郎「ロマンがあるよな。六萬だけに」

ムロ「はぁ?」

京太郎「......お気に召しませんでしたか」


ムロ「なんか、あんまり落ち込んでなさそうで、よかったです」

京太郎「え? そりゃまあ悔しいけどさ。そんな落ち込むまではいかないって」

ムロ「へこんでたら、思いっきり慰めてあげようかと思ってたんですけど、杞憂でしたね」

京太郎「思いっきり......それはちょっと興味あるかも」


ムロ「ねぇ先輩、最後の打牌で迷ってたじゃないですか」

京太郎「ああ」

ムロ「結果的に一筒を抱えるのが正解だったわけですけど、なんでそうしたんです?」


ムロ「判断の決め手っていうか」

京太郎「うーん、そうだなぁ......」


505: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:52:21.27:fBWal94uo (20/23)

京太郎「オレ最初、今までの努力の成果の有無が、この試合で決まるって思ってた」

ムロ「この大会のために、いっぱい練習してきましたからね」

京太郎「それこそ0か100。結果出せなかったら全部水の泡......みたいな」

京太郎「でも、それは違うって気付いたんだ」


京太郎「どんな結果でも先に繋がるって。だって、今のオレがそうだから」


ムロ「それで負けてしまっても?」

京太郎「うん。去年なんて散々だったろ? 大会は予選落ち、他の部員は次々と居なくなって」

京太郎「でもさ、そんなことがあってもオレはここまできた」

ムロ「はい」

京太郎「逆に、そんなことがあったから頑張ってこれたのかも」

ムロ「リベンジしてやるー、ってかんじですか」

京太郎「それに、一人じゃなかったからな」


京太郎「すぐそばで、一緒に頑張ってたやつもいたから」

ムロ「そ、それって」

京太郎「本当に、一人じゃダメだったかもしれない......」


506: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:53:01.40:fBWal94uo (21/23)

京太郎「ありがとう、ムロ」

ムロ「え、ええ!?」

京太郎「お前がいてくれたからだよ。あの時つっぱらずにいれたのは」

ムロ「そうなんですか?」

京太郎「ああ」

ムロ「ホントに?」

京太郎「あそこで立ち止まっても、ムロとならまた歩ける気がしたんだ」


京太郎「じゃなかったら、怖くてオリられなかったよ」

ムロ「そっかぁ......私、先輩の役に立ってたんですね!」

京太郎「ムロのおかげだよ。だから、ありがとう」

ムロ「ふふふ、でもここまで来たのは、やっぱり先輩の力です」


ムロ「おめでとうございます」

京太郎「うん、ありがとう」


507: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:54:06.36:fBWal94uo (22/23)

ムロ「それじゃ行きましょうか」

京太郎「おう。それにしても、わるいなあ」


ムロ「なに言ってるんですか、こんなめでたい日はありませんよ!」

京太郎「だって長野の人達が祝ってくれるって、それ龍門渕さんもいるんだろ?」

京太郎「なんか......すごい豪奢なパーティとか用意してそうで恐縮してしまう......」


ムロ「大丈夫ですよ、私達のような一般庶民レベルでお祝いしますから」

京太郎「なんだ、心配してたオレが恥ずかしい」

ムロ「ですから心おきなく、はしゃいじゃいましょうね!」


508: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月16日(水) 06:54:55.11:fBWal94uo (23/23)

今日はここまで

点数調整がめんどかったです。間違ってないといいなあ


509:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月16日(水) 07:12:56.09:AY3wQSuSO (1/1)

おつおつ
こういう時ってドラいくつ残ってたらデジタル的に正解なのかね難しい判断だ


510:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月16日(水) 12:01:35.78:Bt7OkIM0o (1/1)

乙です
面白かった


511:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月16日(水) 12:49:05.20:rtz64/0do (1/1)

乙です


512:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月19日(土) 19:24:20.90:N5TlVqDpO (1/1)


それもまた青春


513:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月20日(日) 16:18:46.73:GrE3AOPNo (1/1)

乙です


514:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月21日(月) 23:37:54.73:iq99OXCb0 (1/1)

ツッパる勇気はよく聞くけどオリる勇気の話は珍しいな


515: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:31:37.47:TKScsvx7o (1/14)

こんばんわ
最近のコーヒーゼリーってば、ほぼクリーム乗ってるやつばかり
プレーンなコーヒーゼリーはいずこへ......

ノートに理想の牌譜を描くのにも限界を感じてきました
そろそろ慕ちゃんみたいに紙で麻雀牌でも作ろうかとか思っちゃいます

投下します。短いです


516: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:32:54.29:TKScsvx7o (2/14)

ホテル 宴会場


「「「須賀君、インターハイ準優勝おめでとう!!」」」

パーン パーン

京太郎「うわぁ、みな(パーン)、あり(パーン)ござ(パーン)す!」

パーン パパーン

京太郎「こ(パーン)ひとえに、熊(パーン)生や(パーン)......」

パパパパーン

京太郎「ス、スト(パーン)トップ! み(パーン)んちょっ(パーン)」


京太郎「多いわ!」


一「ちょっと準備しすぎたね」

純「だな」パーン

透華「クラッカーの扱いも、だいぶ上達しましたわ!」


和「扱いもなにも、ひもを引っ張るだけでは......?」

衣「みんなの誕生日のときは、いつも使っているからな」

透華「私のことは、クラッカー人間......いえ、クラッ......ええと」

透華「クラ......クラック、クラッカー......クラッケ」


透華「クラッキストとお呼びくださいまし!」

まこ「なんじゃそりゃあ......?」


517: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:33:56.72:TKScsvx7o (3/14)

京太郎「でもまぁ、こんな大勢の人に祝っていただけるなんて......よいしょっと」


京太郎「ホント、嬉しいもんですよ」ガサガサ

ムロ「先輩、具の処理は私達でやっておきますから!」

咲「京ちゃんは主役なんだから、席につきなよ!」


京太郎「あ、ああそうだな。無意識に片付けなきゃいけない衝動に駆られて」

優希「雑用根性が骨の髄まで染み込んでるじぇ......」


華菜「いやぁ、こんなにいっぱいのクラッカー用意するのもすごいけどさ」

華菜「バズーカ型のクラッカーは、さすがに持ち込まないかー」

透華「......バズーカ型? そんなのもあるんですの!?」


純(池田ァ!)

智紀(空前絶後の)

一(不用意な発言を!)


和「では、あらためて。須賀君、おめでとうございます」

咲「おめでとう、京ちゃん!」

優希「おめでただじぇ!」


518: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:35:06.73:TKScsvx7o (4/14)

まこ「おめでとさん」

ムロ「おめでとうございます!」

京太郎「ありがてぇ......ありがてぇ......」


トシ「岩手の子達からもお祝いきてるよ」

京太郎「おお、見ててくれたんですね。うれしいなぁ」

トシ「写真送りたいから、ちょっとポーズとってくれる?」

京太郎「はい。じゃあトロフィーとか持ってっと......」


和「私も阿知賀のみんなに見せたいです」

咲「あ、私も」

優希「それじゃあ、私もパシャるじぇ」

ムロ「マホに送っておこうかな。ミカと花田先輩にも」


トシ「はい、チーズ」パシャ

咲「京ちゃん、次こっちね。はい笑ってー」

和「目線ください」

優希「いいねいいねー。そろそろ脱いでみようか」

京太郎「なんでだよ!?」

ムロ「ああ、変な顔しないでくださいよ」

京太郎「してない!」


透華「......目立ってますわね」ソワソワ

一「今日は我慢だよ、透華」


519: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:36:20.91:TKScsvx7o (5/14)

まこ「久に送っとくか」ピロリン

京太郎「あー恥ずかしかった......」


咲「きっとこの後も取材とかで写真いっぱい撮ると思うから、慣れておいた方がいいよ?」

京太郎「そうなのか」

和「ですね。雑誌や新聞、テレビにネットメディアなんかも」

京太郎「大変そうだ......あ、でも取材はWeekly麻雀TODAY独占だった気が......ですよね?」

トシ「そうだけど、他のマスコミには一切しゃべりませんってわけにはいかないからね」


トシ「ふつうにインタビューは受けるよ。特に地元メディア。コメント、ちゃんと考えときなさい」

ムロ「あっちは他のインタビューとなにが違うんですか?」

トシ「うーん、そうねぇ」


トシ「根掘り葉掘り聞いてくるかどうかよ」


京太郎「えぇ......」


トシ「それが彼女のスタイルだからね。たしか、ニュージャーナリズムっていったかしら」

ムロ「なんですかソレ?」

トシ「一般的なインタビューってのは、言ってみれば質疑応答のようなものでしょう?」

トシ「取材対象に、あらかじめ用意した質問を答えてもらう形式の」

京太郎「はい」

トシ「よくある一問一答のやりとりじゃなくて、その人の仕草や行動の中から本質に迫る」


トシ「そうやって、取材対象の人間性を書きだすのがニュージャーナリズムなのよ」


520: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:37:15.51:TKScsvx7o (6/14)

京太郎「わかるような、わからないような?」

トシ「例えば、最近どうですか? なんて質問よりも......」


トシ「ぬいぐるみを抱かないと寝られないって本当ですか? の方が興味をそそられるだろう?」

和「なぁっ!?」

京太郎「よーくわかりました」


咲「納得しちゃったよ」

トシ「こっちの方が、なんだか人となりが見えてくるじゃない」

まこ「なるほどのう」

華菜「あっはっは、ウチの妹達だってぬいぐるみなんてなくても寝れるぞー」

優希「言われてるじょ?」

和「え? あの、もしかして......知られちゃってるんですか? 全国的に......」

衣(......たまに透華に絵本を読み聞かせてもらってるのはナイショだ)


透華「原村和っ! 寝てる時でさえも目立っているなんて......!」

智紀「そんなトコまで張り合わなくても......」


京太郎「やべぇな。オレもうっかりしてたら、変な事までポロっと言っちゃいそう」

和「変な事......!?」


521: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:38:21.90:TKScsvx7o (7/14)

ムロ「そういえば、インタビューで思い出したんですけど、この間の......」

まこ「アレのう......おったまげたわ」

咲「なにかあったんですか?」

京太郎「ああ、何日か前の話なんだけど」


京太郎「テレビでさ、咲にめっちゃそっくりな人が満面の笑みでしゃべってる姿が映ってて......」

咲「うん。たぶんそれ、私かも」


咲「っていうか私だね」

京太郎「お前だったのか」

和「その会見、私も見てました。阿知賀のみんなと一緒に」

咲「へぇ、なにか言ってたかな?」

和「え、えーと......」


咲『一生懸命がんばります! 応援よろしくお願いします!』キラキラ

穏乃『え......』

憧『な......』

玄『うわわ......』

灼『............』


522: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:39:45.25:TKScsvx7o (8/14)

和「......その」

咲「ん?」


和「お姉さんに、似てるねって......」

咲「ええ〜そうかなぁ? でもぉ、白糸台の人からもね、最近似てきたねって言われるんだー!」

京太郎「そこ照れるトコなのか」

咲「お姉ちゃんといっぱい練習したんだー」


優希「たしかその日は海外合宿で、日本に居なくて見れなかったじぇ」

華菜「うわっ、マジで」

優希「ふっふっふ、今や世界をまたにかけるユウキ・カタオカだからな!」

華菜「何キャラだお前。で、どこ行ってきたんだ?」

優希「ドイツ行ってきたじぇ」


純「なんだドイツか! 言ってくれれば美味い店のひとつでも教えてやったのに」

優希「あ......そ、そうか。教えてもらえばよかったな。忘れてたじぇ......」

まこ華菜「ど、どうしたん?」

優希「さすがの私でも......」


優希「豚肉を生では......ムリ......」

純「ムリだったかぁ」


523: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:41:06.05:TKScsvx7o (9/14)

優希「ほかにも美味しい料理はあったけど、なんだかんだ言って和食が一番落ち着くじぇ」

優希「日本人ならお茶漬けやろが!」


ムロ「いいですね。私の場合はカレーかな」

衣「衣はエビフライがいい! タルタルマシマシで!」

一「マシマシって、そんな言葉どこで覚えてくるのさ」

華菜「ってか、どっちも和食じゃないし」


透華「でも日本独自の料理に昇華されてますから、日本食といえるのでは?」

智紀「魔改造」

まこ「アレンジ大好きな国民性じゃけぇの」


京太郎「優希のことだから、またタコス言うと思ったけど」

優希「タコスは勝負前とか、ここぞという時に食べるものなんだじぇ!」


優希「日常的に大量摂取してると、身体の中に抗体ができてしまうからな」

和「カフェインかなにかですか」

ムロ「それって、もはやドーピングじゃ......」


524: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:42:29.65:TKScsvx7o (10/14)

京太郎「しっかし、ドイツかぁ。世界でも麻雀の盛んな国だよな」

優希「うむ。あのレベルと意識の高さは日本も見習うべきだじぇ!」


優希「そして私も文化交流を経て、少し成長したような気がする。いや、した」

衣「文化交流(生肉)」

ムロ「私達もこの夏はいろんなとこ行きましたけど、そういうのいいですよね」

優希「おいおい、いつまでこの狭い日本におさまってるんだ? んん?」

京太郎「あ、ウザ」


華菜「コイツ......かぶれてやがる」

優希「かぁーっ! 時差ボケで2時間しか寝れないじぇ〜、かぁーっ!」

まこ「ほんの数日滞在しただけじゃろうに......よくもまぁここまで」


ムロ「ずっと長野から出なかった反動なんですかね......」

優希「ムロ、海外はいいぞー。人生の先輩として、アドヴァイスしてやろう!」

京太郎「発音ウゼー!」

和「ふむ。人生の先輩、ですか。でも......」


525: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:43:27.26:TKScsvx7o (11/14)


和「彼氏のいる、ムロの方が人生の先輩って感じ、しますけどね」


優希「......はいぃ!?」

咲「そ、そうなの? え、もしかして......?」


透華「あら、やっと進展しましたのね」

優希「ご存知あるのですか!?」

透華「ええ、もちろん。存じ上げておりますわ!」

一「透華がみんなの前で問いただしちゃったからね」


咲「和ちゃんは知ってたの!?」

和「知ってるもなにも、二人の様子を見ればわかるじゃないですか」

咲「二人の......って、じゃあ聞くけど」


咲「ムロちゃんの彼氏って......京ちゃんなの?」


ムロ「............」


ムロ「どうなんですか、先輩?」

京太郎「うぇ?」

咲「んん?」

和「あれ?」


526: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:44:33.05:TKScsvx7o (12/14)

透華「って、なんですの! まだハッキリしないんですの!?」

優希「つまり、どういうことなんだ? 説明......説明を求めるじぇ!」


和「まさか、あんな空気を出しておいて付き合ってないと? いえ、そんなわけないですよね」

京太郎「どんな空気だよ......」

純「たしか、室橋が須賀に告ったんだっけ?」

優希「なにぃ!? マジか、おい!」ユサユサ

ムロ「あぅ」ガクガク


一「そう、夏祭りの時にだったよね」

咲「夏祭り! 学校の先輩への憧れの告白シチュエーションランキング第2位の!?」

まこ「えらい具体的じゃのう」

和「ほら、ほら! やっぱりそうなんですよね!」


智紀「でも、二人は付き合ってはいない」

和「え?」

咲「それは......」

優希「まさか......」

京太郎「あー」


優希「......強く生きろよ」ナデナデ

ムロ「ど、どうも......」


527: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:45:46.41:TKScsvx7o (13/14)

まこ「いや、べつにフられたわけじゃないけぇ」

優希「おいぃぃ! だからつまりどういうことなんだァ!?」ユッサユッサ

ムロ「あうぅ」ガックンガックン

衣「おお、ヒロコが歌舞伎の連獅子が如く!」


ムロ「な、なんもかんも先輩が悪い......うぅ......」

純「そういうやつなんだよ。釣った魚にエサをやらないタイプ」

華菜「うわぁ」

京太郎「引かないでください......これには理由があって。あと、言い方に悪意が......」

咲「............」パーン パーン

京太郎「うわっ、ちょ、無言でクラッカー打つな! 人に向かって使用してはいけません!」

和「では、その理由とやらを聞かせてもらいましょうか。ん?」


528: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年09月24日(木) 23:49:45.60:TKScsvx7o (14/14)

今日はここまで


529:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月24日(木) 23:55:24.28:N/ZsvXGTO (1/1)

乙です


530:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 01:26:47.33:W2pHr5saO (1/1)

乙です
生豚肉は「日本も魚を生で食べるじゃないか」って言われて何も言い返せなかったな


531:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 02:54:26.19:DaRUSAeC0 (1/1)

おつー


532:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 07:33:29.31:/AMQOzcSO (1/1)

乙乙
インタビューについて咲ちゃんがアドバイスしてることに突っ込もうと思ったら作中で突っ込まれてたでござる


533:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 11:50:58.27:MlDHOcWvo (1/1)

乙です


534:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 21:15:30.56:rbenNpu9O (1/1)


いいところで切るなぁ

>>530
豚肉は寄生虫その他が怖い


535:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月25日(金) 23:15:00.29:gSxmwgyPo (1/1)


>>534
アニキサス「俺を忘れるな」


536:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月28日(月) 20:00:09.89:q0DjFPYDo (1/1)

ようやっと追い付いた
めっちゃ面白いですー


537::以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月01日(木) 22:41:03.33:6laZodqw0 (1/1)

ハギヨシならクラッカー(バズーカタイプ)用意できると思うんだ



538: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:00:46.15:CLINi/I8o (1/14)

こんばんわ
褒めてもらえるとうれしくなります
更新ペース落ちてきて申し訳ないです
生肉は馬しか食べたことないです

>>522
まちがい
まこ華菜「ど、どうしたん?」
ただしい
まこ「ど、どうしたん?」
池田ァ!なんでそんなトコいるんだ!?

投下します


539:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月03日(土) 23:01:48.08:NXZ3tt2mo (1/1)

来たか


540: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:03:00.17:CLINi/I8o (2/14)

透華「夜空にきらめく打ち上げ花火。誰もが見上げる中、二人はお互いを見つめていた......」

透華「そこに雑踏の喧騒は届かない。静かな、二人だけの世界があった」


透華「ずっと続けばいいと思った。このまま胸に秘めたままで、近すぎず遠すぎない心地いい距離で」

透華「......裏腹に、日を増すごとに膨れ上がる気持ちを抑えきれずにいた」

優希「おお......」


透華「伝われば、たった一言でもこぼれてしまえば崩れてしまう。この空気も、曖昧だった二人の関係も」

透華「それが恐ろしかった......」

透華「今まで積み重ねてきた関係や、明日からの何気ないおしゃべりが無くなってしまうかもしれない」

咲「ゴクリ......」


透華「でも、もう止められない! 激しい脈動に押し出された感情がすぐ喉元にまで迫ってきてる!」

透華「言った方がいいとかよくないとか、後悔するとかしないとか、掛ける天秤なんてすでに壊れてる!」

透華「今は激情に身をゆだね、ただ万感の思いを言葉に込めるだけ!」


透華「私は......貴方が欲しい!!」


優希「うおおぉぉぉ!」
咲「きゃああぁぁぁ!」

和「どこかで聞いたようなセリフですけど」

京太郎「なにこの龍門渕劇場......」


541: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:03:44.89:CLINi/I8o (3/14)

純「透華のやつ、ノリノリじゃねぇか」

一「まるで朗読劇だね」

まこ「で、ホンマはなんちゅーとったんけ?」

ムロ「......知りません」


華菜「でもこの後フるんだよな?」

京太郎「べつに、そういうわけじゃ」

華菜「ああ、キープだっけ」

京太郎「言い方......」

和「私もてっきり、ここでオーケーしたものだと......」


透華「オレもだよムロ。さぁ、ひとつになろう!」

和「しちゃいましたよ」


純「おいおい、元の話と違うじゃねーか」

一「最近の映画やドラマでも、よくあるよね。こういうの」

まこ「上手くせんと荒れるパターンじゃのう」

智紀「特にマンガが原作のとかは改変されまくり。はぁ......」


透華「......こうして、愛し合う二人は結ばれたのですわ」

華菜「終わったっぽいな」


542: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:04:59.00:CLINi/I8o (4/14)

衣「めでたしめでたし」

咲「あー、おもしろかった」

優希「第二回公演も見にいきたいじぇ」

一「観客の満足度は高いみたいだよ」


ムロ「それはなにより......」

京太郎「人にアレコレ言われるのって......めっちゃ恥ずかしい」

衣「なんで結末が違うの?」

透華「まどろっこしいのは趣味じゃありませんわ!」

咲「これで、大体の流れは理解できたよ」


和「でも、実際はそうじゃないんですよねぇ」

優希「そうだじぇ! 女の子に告白されて断るとか......お前はモテ男か!?」

京太郎「いや、違うけどさ......」


咲「京ちゃんにも、きっと理由があるんだと思うよ。ね?」

優希「それなりのがあるんだろうな」

京太郎「ああ......」


京太郎「結論から言ってしまえば、インハイで勝つためだ」


543: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:05:57.70:CLINi/I8o (5/14)

京太郎「オレみたいなのが全国で勝つためには、練習に練習を重ねて」

京太郎「さらに練習して、実力をつけなくちゃならない」

京太郎「自分の事で精一杯だから、ムロのことまで見てやれないと思ったんだ」


京太郎「仮にあの時オーケーしても、ちゃんとムロを恋人扱いできない」

京太郎「してやれる自信がなかった」


京太郎「それじゃ、せっかく恋人同士になれたのに味気ないっていうか、さみしいだろ?」

咲「バカだなぁ」

京太郎「えぇー」

和「想いを伝えるのは、なにも恋人扱いしてほしいから......だけではありません」


和「気持ちの問題なんです」

優希「お前、ちゃんとムロに返事したか?」

京太郎「あ、いや......」

まこ「もうええじゃろ」

京太郎「染谷部長」


まこ「もうあんたの大会は終わったけぇ。先延ばしの理由も無くなった」

まこ「ずっと待っとったんじゃ。はよう言うてやりんさい」

ポン

ムロ「あ」


京太郎「ムロ......」

ムロ「先輩、えと......」


544: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:06:38.63:CLINi/I8o (6/14)

京太郎「ゴメン!」

ムロ「え......」

京太郎「オレ、自分のことばっかで......本当にムロのこと、ムロの立場で考えてなくて」

ムロ「いえいえ、そんな!」


京太郎「なにもインターハイで頑張らなくちゃいけないのは、オレだけじゃないよな」

京太郎「ムロも同じで......それなのに」

ムロ「いや、先輩は、その、人一倍プレッシャーもありましたし......」

ムロ「えっと、私はそんな気にしてないです。ちゃんと、約束もしてくれましたし」

ムロ「絶対、返事してくれるって」


京太郎「うん」

ムロ「だから、いいですよね......?」


ムロ「もう、待たなくても......いいんですよね?」


545: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:08:41.34:CLINi/I8o (7/14)

京太郎「ムロには、いつも支えてもらってたな」

ムロ「そうですか?」


京太郎「ああ。最初に清澄に遊び来た日も、お茶汲むの手伝ってくれてさ」

ムロ「別に、ふつうです。てか、よく覚えてますねそんな事」

京太郎「それで、いい子だなーって思って」

ムロ「ええー、ホントに?」


京太郎「マジで。あと、一緒に麻雀の練習に付き合ってくれたり」

ムロ「あたりまえですよ。なに? わざわざお茶するために、清澄に通ってたとお思いでした?」

京太郎「まさか。そのあたりまえが、オレには無かったんだよ」


京太郎「教えてくれる人は居たけど、同じの立場の人間はいなかったし」

ムロ「ああ、そうですね。他の部員の人は、全国レベルの人達ばかりでしたから」

京太郎「けっこう周りとの差を気にしてた時期でさ。そこにムロがやってきて、なんか楽になって」


京太郎「うん。やっぱ、一緒っていいよな」

ムロ「はい」

京太郎「それで、だから......」


546: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:09:17.60:CLINi/I8o (8/14)


京太郎「よかったら、これからも、ずっと一緒にいてくれないか?」


ムロ「......ふふっ」

ムロ「あはは......!」

京太郎「いいかな?」


ムロ「うああぁぁぁんん!」ポロポロ

京太郎「お、おい......?」

ムロ「やっと、やっと言ってくれて......えへへ、えへ」

ムロ「うええぇぇぇん!」ポロポロ

優希「ム、ムロ......泣くか笑うか、どっちかに......」

ムロ「だ、だって......くくっ」

ムロ「あっはははは!」


ムロ「ううえぇぇぇ......!」ボロボロ

まこ「ちょう、見てて怖いわ!?」

咲「泣くのと笑うの繰り返す人、はじめて見たよ......」

和「な、泣き笑いって、できませんか?」


ムロ「うふふっ、ふはは、あーなんか嬉しすぎて......」


ムロ「えぐっうぅ、壊れちゃったもぉぉぉん!」

京太郎「おーよしよし、大丈夫か?」ナデナデ


547: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:10:36.19:CLINi/I8o (9/14)

京太郎「もう、おさまったか?」

ムロ「はい......すみません」


ムロ「お恥ずかしいところをお見せしてしまって」

優希「......まぁ、しょうがないじぇ」

咲「う、うん。しょうがない、よね?」

和「正直、予想外なリアクションでしたけど......」

ムロ「自分、不器用ですから」


透華「そ、それで返事の方は......」

ムロ「オッケーでーす」

華菜「ノリ軽いな!?」

純「これで一件落着ってか」

トシ「収まるトコに収まった感じだね」

一「お祝いしよっか」

智紀「二次会的な」

まこ「ほんじゃ、もっかいやったるかのう」

衣「この先、二人に上に幸あれかし!」

パーン

ムロ「わぁ、ありがとうござ(パーン)」

パパパパーン

ムロ「多い!(パーン)っぱり多(パーン)すって!?」


548: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:11:25.62:CLINi/I8o (10/14)

優希「おい京太郎! ムロを泣かせたら承知しないからな!」

京太郎「いや、すでにめっちゃ泣いてたんだけど......」

優希「............」


優希「あ、明日から! 明日からだぞ!」

京太郎「はは、わかってるよ」

和「またベタな......須賀君、私達の後輩をよろしくお願いしますね。私からもありきたりですけど」

京太郎「おう!」

咲「京ちゃん」

京太郎「咲?」


咲「京ちゃん......なんか、オトナになったみたい」

京太郎「そうか?」

咲「そうだよ」

咲「私からしたら、遠くに行っちゃった感じするなぁ」

京太郎「オレは、今日やっとお前達に追いついた感じだよ」


咲「そうなの?」

京太郎「そうだよ」

咲「......ちょっと、さみしいね」

京太郎「だろ?」


549: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:12:32.62:CLINi/I8o (11/14)

ホテル ロビー


一「片岡さんは、明後日の5日目から出番だっけ」

優希「うむ。臨海女子から、超大型新人全国デビューだじぇ」

まこ「気張ってけよ」

優希「はい! 臨海でも、ババーンってやってやるじぇ!」

和「その翌日は阿知賀と......」

咲「白糸台」


咲「思ったよりも早くぶつかったね」

和「そうですね。去年、決勝に進んだとはいえ、阿知賀はまだまだ常連校とは言えませんから」

透華「6日目は私達、龍門渕高校の出番もありますのよ!」

純「明日の試合結果次第だが、間違いなく姫松が来るだろうな」

京太郎「となると、順当に行けばBブロック準決勝は......」


ムロ「白糸台・阿知賀・龍門渕・姫松......ですか」

透華「その時は......よろしくお願い致しますわ!」

咲「はい。こちらこそ」

和「ウチも、準決勝で止まる気はありませんから」


優希「フッ......決勝で待ってるじぇ!」

純「すでに行ってる前提かよ」


550: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:13:21.65:CLINi/I8o (12/14)

衣「ふわぁ......んにゅ......」

智紀「おねむ?」

透華「あらあら。では、今日はもうお開きにしましょうか」


ハギヨシ「お送りいたします。こちらに車を用意しておりますので、どうぞ」

和「ありがとうございます」

優希「次は私の番! ちゃんとモニターの前で正座して見ろよ?」

京太郎「ぜひ、拝見させていただきます。正座はしないけどな!」


ムロ「宮永先輩も、頑張ってください」

咲「うん。これでも一応、ムロちゃんの先輩でもあるからね」

ムロ「はい、清澄の大先輩です!」

咲「......ムロちゃんでよかったかな」

ムロ「え?」

咲「顔も名前も知らない人よりは......」


咲「京ちゃんとなかよくね」

ムロ「は、はい!」


551: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:14:01.52:CLINi/I8o (13/14)

バタン ブロロン

京太郎「オレ達も戻ろうか」

ムロ「そうですね」


京太郎「あ、そういやもう一つ、約束してたっけ」

ムロ「なんかありました?」

京太郎「デートの」

ムロ「ああ! そうそう。してましたね」


京太郎「お前から誘ったんだろ」

ムロ「アハハ、すみません」

京太郎「で、どこ行くか決めた?」

ムロ「まだです」


京太郎「しょうがないな。じゃあ、一緒に考えようか」

ムロ「はい。一緒に......」


552: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月03日(土) 23:18:26.13:CLINi/I8o (14/14)

今日はここまで

次回からは女子団体戦編(予定)です
京ムロはしばらくおやすみ

今回は細かいところにこだわり過ぎてちょっと全体のメリハリが弱かったかな?


553:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月03日(土) 23:28:05.73:JDcLMugso (1/1)


ようやく結ばれましたな
ドラマだとここからまた一波乱あるんだけど


554:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月03日(土) 23:36:10.80:jea6gEcyO (1/1)

乙です


555:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月04日(日) 02:46:13.96:tuLpGxfOo (1/1)

おつおつ


556:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月04日(日) 07:45:20.21:bmR8fWgSO (1/1)


意外にあっさり受け入れたな
和についての言及も期待してたがなかったし


557:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月04日(日) 09:46:23.07:PXE+dS2f0 (1/1)

読んでて最終回に見えたww


558:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月04日(日) 13:05:02.69:xIgF+E+So (1/1)

乙です
続き楽しみだ


559: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:27:52.69:lb3ILPUMo (1/17)

こんばんわ
サークルKサンクス無くなるとかマジか......
コンビニで一番使ってるのでショック

>>556
ココ分かりにくいよ!とか、どうなってんだよコレ!とか
あったら具体的に書いてくれればフォローなり説明できるかもしれません

投下します。団体戦です


560: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:29:19.57:lb3ILPUMo (2/17)

インターハイ7日目
控室 臨海女子高校


アレクサンドラ「おーい、準備できたかーって......」

優希「モグモグ......ゴックン。ふぅ、いま食べ終わったところだじぇ」

コポコポ

ハオ「......さ、どうぞ」

優希「ありがと。くんくん......」

ハオ「監督もいかがですか?」

アレクサンドラ「いただこう」

ネリー「今日もよいおてまえで」

ハオ「ありがとうございます。あとそれは、日本式のお茶の時に使う言葉ですよ」

ガチャ

明華「おはようございます〜」

アレクサンドラ「直らんなー、キミの時差ボケは」

明華「あ、私にもいただけますか?」

ハオ「はい。では、もうすこし待っていてください」

アレクサンドラ「すまないね。いつも淹れてもらって」


ハオ「かまいませんよ。茶を点てる事で、適度な緊張状態にもなれますから」

優希「うっし、それじゃ行ってくるじぇ!」


561: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:30:17.36:lb3ILPUMo (3/17)

ハオ「忘れ物はありませんか?」

優希「バッチシ抜かりないじぇ!」バッサァ

明華「ご機嫌みたいですね」


優希「なんなら、先鋒戦で終わらせてこようか?」

ネリー「やめろ......!」

アレクサンドラ「まだ準決勝だ。キミのプレイスタイルは分かりやすいけどね」


アレクサンドラ「だからといって、開き直って手の内を見せる必要はないんだ。わかるな?」

優希「わかってるじょ。そのくらい気合入ってるってこと!」

明華「そんなに倒したい相手なのですか?」

優希「まぁ、結果的には勝たせてもらっちゃうんだけど......そうじゃなくって」


優希「私がどれだけ成長したのか、実際に見せてあげたいんだじぇ」



準決勝対局室


煌「どうぞ」

泉「ほな、お先......北やん」タン

明星「では......私は西ですね」タン

煌「私は南家ですから残りは......」


煌「ま、そんな気はしていましたよ」


562: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:31:53.10:lb3ILPUMo (4/17)

優希「やぁやぁ、待たせてしまったようだな」

煌「優希!」

優希「お久しぶりです、花田先輩!」


煌「福岡にも優希の噂は届いてますよ......すばらです!」

優希「すばらだじぇ!」

煌「すばら!」

優希「すばら!」

泉(なんやコイツら......)


煌「本当に......立派になりましたね」

優希「そんなことあるじぇ! つって!」

優希「でも、未だ修行の身。もっと高みに登らなくちゃいけないじょ」

優希「全国には、まだまだ強いヤツがいる。世界にも......」


佐藤『まもなく、Aブロック準決勝先鋒戦が始まろうとしています』

佐藤『昨年の優勝校、臨海女子と対戦するのは、同じくシード校の北大阪代表、千里山女子』

佐藤『鹿児島県代表、永水女子。そして福岡県代表の新道寺女子です』

佐藤『どこが決勝に駒を進めてもおかしくない学校ばかりですね』

良子『イエス。北九州最強と呼び声が高い新道寺に、永水は去年はシード校でしたから』


佐藤『しかし、なんといっても注目は臨海女子!』

良子『唯一の日本人である彼女ですが、ご存知の方も多いと思います』


563: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:33:00.38:lb3ILPUMo (5/17)

佐藤『はい。臨海女子の片岡選手は、去年まで長野の清澄高校に在籍』

佐藤『初出場の団体戦では先鋒として活躍。準優勝を飾ります』


良子『個人戦だと歴代スコア1位のレコードホルダーなんです。アンオフィシャルですけど』

佐藤『地区予選の東風戦のみでの記録ですからね』

良子『その頃から頭角を現していたと言えるでしょう』


煌「その志の高さ、すばらです。が、私も今日は負っけませんよー!」

優希「いいじぇ。ならば......」チャッ

バシィ

優希「この東風王者片岡優希が受けて立つ! さぁ、私の起親で始めるじぇ!」



インターハイ女子団体戦 Aブロック準決勝
東一局 親:片岡優希


優希「リーチ!」ドッ

泉(早速かい......!?)

明星(これは......)


佐藤『片岡選手、開幕でいきなりダブルリーチ!』

良子『さすがですね』


564: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:34:16.10:lb3ILPUMo (6/17)

優希「............」

オ オ オ オ オ オ

煌(このプレッシャー、本当に成長しましたね......!?)

煌(まるで、あの日のチャンピオンのよう......!)

チャッ

優希「ツモ!」


優希「ダブリー・一発・ツモ・ピンフ・ドラ2! 6000オール!」バンッ

ワアアァァァァ

佐藤『跳満炸裂! 王者の貫録を見せつけるオープニングとなりました!』

良子『エクセレント。火力もさることながら相手に隙を与えないクイックリィな和了、がよいですね』


泉(ダブリー・一発とか......なんもできひん)

泉(園城寺先輩やったら、コレ防げとったんやろか......)

泉(って、アカンアカン! 卓着いてんのに、なに弱気しとんねん)


泉(今は私が千里山のエース任されて、ここ座ってんねやろが!)

煌(この速度この火力......とても敵うものではありません、しかし)

煌(私も、私なりのやりかたで)


優希「1本場......私の連荘を開始する」


565: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:35:10.15:lb3ILPUMo (7/17)

控室 千里山女子高校


雅枝「んー、これは?」

浩子「火力重視のスタイルやと思います」

浩子「めっちゃ速いですけど、速度重視ではあんなん出ません」


雅枝「せやけど、たまらんわ」

浩子「いくら片岡でも、ダブリーなんてそうそうないですよ」

雅枝「泉は対処できんのか?」

浩子「一応、対策......みたいなんは言っときましたけど......」


『またまた片岡選手の和了、4100オール満貫です!』

ワアアァァァァ

雅枝「あー」

浩子「あー」



東一局 2本場
親:片岡優希


泉(ある程度の被害は織り込み済みとして......しててもこれはキツイ)

泉(私のやるべき事......なんとしても片岡の親を流す)


566: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:36:14.40:lb3ILPUMo (8/17)

泉(私にできる事......ひたすら鳴いて速攻)

泉「チー!」カシャッ

泉(待ちもわかりやすくしとる。振り込んでこいやぁ!)


優希「ロン! 7700の2本場は8300!」

煌「は、はい......」

泉(って、そっちかい!?)

煌(うーん、臨海に振り込んでしまいましたか。でも、やることは同じ)

煌(それは千里山も分かってるようですし、今は耐えるしかありませんね)


優希「ロン! 12000の3本場は12900!」

明星「はい」

明星(うわぁ、もうマイナス23000点......)


泉(これは......狙われとるんか?)

泉(新道寺、永水ときて次はウチの番かな。ここは守りに......いや)

泉(まだまだ速攻! 避けきったる!)


東一局 4本場
親:片岡優希


優希「ロン! 3900の4本場は5100!」

泉「はい」

泉(あかんかった......けど、思ったより安手ですんだし、ええか)

ゾクッ

泉(......いや)


567: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:36:53.59:lb3ILPUMo (9/17)

優希「............」

オ オ オ オ オ オ

泉(これだけじゃ足りひんみたいやな......)

優希「5本場......私の東場は継続する」

ダンッ


佐藤『怒涛の5連続和了。これは、一方的ですね』

良子『他の3校も手を早くして、対応しています。追いつくのも時間の問題でしょう』



東一局 5本場
親:片岡優希


泉(またコッチ狙いか。次も安手とは限らんし......)チャッ

泉(もしかしたら、ごっついの喰らうかもしれへん)

泉(どないしよ......)

タン


浩子「守りに入りよったな」


568: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:38:01.07:lb3ILPUMo (10/17)

煌「ポン!」カシャ

明星「チー」チャッ

泉(ここでどっちか和了ってくれれば......)


優希「リーチ!」

泉(っべぇ......!?)

煌(ここで千里山が振り込んでくれれば、ウチが2位浮上)

煌(それはとても都合のいい事。ですが......)


煌「またポン!」

カシャッ

煌(ただ傍観しているだけでは、おもしろくない!)


煌(それにこれ以上の連荘は見過ごせません!)

明星(これかな?)

タン

煌「それロンです!」

優希「む......」

泉(助かった......?)

煌「1300の5本場は2800! 積み棒もバカにならないですね!」


569: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:39:10.69:lb3ILPUMo (11/17)

東4局
親:二条泉


優希「ツモ! 2000・3900!」


佐藤『長かった東場が終わりを迎えまして、ようやく南場に突入』

佐藤『東場での和了が、ほぼ全てが片岡選手という圧倒的な展開でした』

良子『他の3校はここからの立ち回りが重要ですね。注目です』



南一局
親:片岡優希


泉(こっからや......挽回したる!)

泉(南場ですこしでも多く稼いで、後続につなげたい)


煌「ツモ!」

泉(なっ......はや)

煌「500・1000!」

泉(はぁ?)


泉(やっす......って、なんでそんな安手やねん)

泉(この点差やぞ? わかってんのか新道寺!?)


佐藤『新道寺花田選手、わずか4巡での素早い和了......しかし』

佐藤『これは......この巡目だともっと高い手を狙えるのではないでしょうか?』

良子『そうですね。でも、これが彼女のスタイルなのでしょう』


570: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:40:20.74:lb3ILPUMo (12/17)

良子『花田選手のあくまで失点を抑えるという、その点においてはブレていないと思います』

良子『この状況ではどの選手も高い手を組む......組まざるをえない』

良子『その隙をついた見事なプレイですね』


泉(なんか今日は......相手に振り回されっぱなしやな......)


ビイイイィィィィッ


佐藤『前半戦終了ーッ!』

佐藤『ここまで臨海女子が大量リード。2位以下に大きく差を付けて前半を終えました』

佐藤『現在の点数状況です』


1位 臨海女子......173600
2位 千里山女子......85200
3位 新道寺女子......71300
4位 永水女子.........69900


佐藤『さて、戒能プロはどの様にご覧になりましたか?』

良子『オフェンシブなプレイとディフェンシブなプレイのコントラストが明確に出ていた試合でした』

佐藤『え、えーと......攻守の切り替えができていたと?』

良子『そういうことですね』


良子『後半戦、2位争いがますます苛烈になってくるでしょう』

佐藤『そうですね。では、このあとは前半戦のハイライトを......』


571: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:41:43.69:lb3ILPUMo (13/17)

自販機コーナー前 休憩スペース


ピッ ガコン

泉「はぁ......」

カシュッ

泉「......アカンなぁ」

浩子「なにへこたれとんねん」

泉「ふ、船久保先輩!? きてたんですか」

浩子「まぁな」

泉「すみません......全然稼げんで......」


浩子「だいじょぶだいじょぶ」

泉「でも、千里山は常にトップを狙わんといけないのに......これじゃ最終2位も危ういです」

泉「正直、重たいですわ......」

浩子「チャンピオン相手に、よくやっとる方や思うで」

泉「そうですか。つか、同学年にチャンピオン多すぎなんすよ」


泉「思えば中3の頃から全中で原村がおって、インハイでは宮永咲で、春は大星」

浩子「春は曙みたいに言うたな」

泉「なんか知らんと片岡も東風フリースタイルで優勝しよるし」

泉「ホンマ、かなわんですよ......」


572: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:42:50.20:lb3ILPUMo (14/17)

浩子「泉なぁ、ちょっと周り気にしすぎなんやって」

泉「でも......」

泉「去年からレギュラー入れさせてもらってんのに、結果出せなくて」

泉「2回戦まではうまくやれてんのに、そっから上行くと......」

浩子「泉なぁ」


浩子「一回、背負っとるもん全部おろしたら?」

泉「はい?」


泉「なんですって?」

浩子「せやから、千里山のレギュラーだの相手がチャンピオンだのとか」

浩子「余計なもん取っ払ってやってみたらええわ」

泉「そ、そんな!? せやったら、私どうしたら......」

浩子「自分のやりたいようにしたらええよ」

泉「急に言われても......」


『まもなく、準決勝先鋒戦の後半戦を開始したします。選手はすみやかに......』


浩子「時間やな。じゃ、そういうわけで頑張り」

泉「どういうわけですか!」

浩子「せや、あんま点数表示見んようにな」

泉「ええー!?」


573: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:43:42.39:lb3ILPUMo (15/17)

浩子「ただいまです」

雅枝「おかえりー」

浩子「一応、好きなようにやれとは言ってきましたけど」

雅枝「ん、サンキュ」

浩子「よかったんですか?」


雅枝「アイツはなぁ、色々と考えすぎんねん」

浩子「まあ、そういうトコありますね」

雅枝「選手がいちいち後援会受けとか、そんなん考えんでもええっちゅーねん!」

浩子「あっはは......」


雅枝「麻雀の実力もあって、それでヘタに頭も回るから卓の外にまで思考がハミ出てまうねんな」

雅枝「目の前に集中せんとアカンねや」

浩子「そうですね」


『選手達が戻ってきました。後半戦が始まります』


雅枝「こんなとこで潰れてもろたら困る」


574: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:44:30.57:lb3ILPUMo (16/17)

雅枝「来年はもっと成長して、千里山を背負ってもらうんやから」


佐藤『後半戦も、起親は片岡選手。また連続和了が始まってしまうのか?』

良子『見どころですね』


泉(もし、私がレギュラーじゃなくなって)

泉(千里山でもなくて)

泉(2年生でもなくて......)


泉(そしたら私は、ただの二条泉はどんな麻雀打ってるんやろ?)


575: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月12日(月) 22:45:48.26:lb3ILPUMo (17/17)

今日はここまで

なんだか泉が主人公みたいだ


576:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月12日(月) 23:02:26.00:61Bs/tELO (1/1)

乙です


577:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月13日(火) 07:09:06.92:iEKQzVHSO (1/1)

おつー

>>559
けっこう和引き摺ってたみたいだし、そのことムロも知ってた雰囲気だったから
でもまあいいや


578:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月13日(火) 13:49:28.94:TsiKryA2o (1/1)

乙です



579:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月14日(水) 00:20:15.70:o0ZvxmLeo (1/1)


がんばれ泉


580:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月14日(水) 19:52:54.53:yTjDjdzE0 (1/1)

他校キャラが主人公に見えるのは咲ではよくあるから問題ないw


581: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月24日(土) 23:59:53.88:QT02aAPEo (1/1)

こんばんわ
投下ペースが原作並になってきました
体調不良とかモンハンにハマったりとかで

ちなみに3G→4→3rdとやってまして
区切りとしてスタッフロールまでって決めてたから
次回はもっと早く更新できそうです

投下します


582: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:00:50.36:l98XgMEFo (1/14)

泉「さて......」

泉(船久保先輩は、なんて言ってたっけ)

泉(気にスンナって?)


優希「............」

オ オ オ オ オ オ

泉(目の前のコレを......っすか)


煌「チー!」

カシャ

泉(走ってんなぁ新道寺)

明星「ポン」

チャッ

泉(永水もきとる......無視できんけど、せやからって有効な策もあらへんし)

泉(自由に、私の好きなように、か)

泉(つっても......)


泉(千里山入ってからの私、ずっとインハイに向けて麻雀してきとんねん)


583: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:02:09.04:l98XgMEFo (2/14)

泉(いや、インターミドル終わった頃からや。高校入った見返してやろう思て)

泉(そんで千里山でも頑張ってレギュラーなって、去年は......)

泉(あ〜アカンアカン! ちょっと考え事したらすぐおかしなる)


泉(でもそれが私を構成しとる、いわば主成分やんな)

泉(ずっとそうやって打ってきた。そんなん関係無しに打ってたんって、いつの話やったっけ......?)


優希「ツモ! 2600オールだじぇ!」

煌「すばらぁ......」

ワアアァァァァ


佐藤「後半戦も勢い止まらず! 片岡選手の和了で始まりました!」

良子「片岡選手は、東場でのみ攻撃的で南場は防御に徹する傾向がありますね」

佐藤「東場で大量得点できるのなら、南場で多少の失点覚悟で攻めてもいいと思うんですが......」

良子「京都大会後からこのような打ち方ですね」


良子「優勝した事で考えが変わったのでしょう」

佐藤「と、言いますと?」


良子「チャンピオンという名の威力」


584: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:04:10.52:l98XgMEFo (3/14)

良子「彼女の場合、動くべき時とそうでない時、ホームとアウェイがハッキリしています」

良子「通常、特殊なプレイスタイルというのは対策されやすいデメリットがあります」

佐藤「東場では早い手で流して南場で稼ぐ、と言う対策ですね」

良子「そこが片岡選手の狙いです」

良子「対策を取らせる事で逆にコントロールしている」

佐藤「極端なプレイスタイルは相手を縛るためのもの?」


良子「どうでしょう? おのずと東場では片岡選手から逃げようと躍起になりますし。あるいは......」

良子「ただ、自分の狩り場を主張しているのかも」


優希「ロン! 7700の1本場は8000!」

明星「は、はい」

明星(残り66500点......うわわ、これ本当に......)

泉(コイツまさか、先鋒戦で決着つけるつもりなんか?)


優希(んー、前半にくらべて火力が出ないじょ)

優希(テンパイ速度も落ちてる)

煌「チー!」

カシャ

優希(しっちゃかめっちゃかに鳴くから、卓に意識が通りにくくなってるんだ)


585: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:04:51.09:l98XgMEFo (4/14)

煌「ポン!」

明星「チー」

優希(手を進めるため、じゃなくてのクソ鳴き......)

優希(全国の試合とは思えないじょ、コレ)

泉「チー!」

カシャ

優希(また......でも、それを受けて立つのがチャンピオンってもんだじぇ!)

優希「リーチ!」チャッ


優希(防御が薄くなってるところにコレは効くじぇ!)

優希(さぁ、せいぜい逃げ惑うがいい!)



優希「テンパイ」

煌「ノーテン」

明星「ノーテン」

泉「ノーテン」


優希(むむむ......フルパワーじゃないとはいえ、ここまで効果があるとは)

優希(あなどれぬ)


586: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:06:58.79:l98XgMEFo (5/14)

泉(なんか前半よりも、やりやすぅなった気が)

泉(基本的な打ち方してみたら上手くいった。公式試合でこんな気分で打つのって初めてかも)

泉(この感覚......)


泉(家でネット麻雀してる時とおんなじや)


泉(ネト麻は学校や合宿で打っとるのと違って、相手の顔が見えん)

泉(目の前の勝負に集中しとる)

泉(名前や肩書きやない)

泉(......船久保先輩の言うてたん、コレか!?)



東一局 3本場
親:片岡優希


優希「チー!」

カシャ

煌(鳴いてきた!? これはスピード重視のですね!)

明星(このうえ、さらに加速するの?)

優希(自分で鳴いて流れを引き戻すじぇ)


泉「............」タン


587: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:07:42.66:l98XgMEFo (6/14)

優希「テンパイ」

煌「ノーテン」

明星「ノーテン」

泉「テンパイ」


佐藤「またもや流局。しかし、親のテンパイで東一局は続行です!」

良子「ふむ」


優希(コイツ......千里山の)

優希(場が荒れてるとはいえ、東場の私に追いつくとは)

泉(気分が軽くなったら手も軽くなったてか)

泉「ふぅ......」


泉(次もこの調子をキープや)

泉(相手に縛られんな、好きにやれ、周りに流されんよう)



東一局 4本場
親:片岡優希


煌(なんだかよくわかりませんが、勢いが収まってきているようですね)

煌(もしかして......ワンチャンある!?)

煌(連続流局なんて今までありませんでしたし、ここは攻めていきましょー!)


588: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:08:26.46:l98XgMEFo (7/14)

泉(いつもやっとる事や)

泉(一人で居る時、ネット麻雀してる時、学校から帰ってきて、ディスプレイの前)

泉(牌構築、河読み、確率、デジタル......やってきたやん)

泉(思い出せ、思い出せ、思い出せ)


煌「リーチ!」

チャ

泉(新道寺の花田......!)


佐藤「花田選手のリーチが入りました。これが反撃の嚆矢となるか!?」

良子「東場でのリーチは、片岡選手以外では初めてですね」


優希(曲げてきたじぇ)

優希(ソレが私に刺さるとは思えない、けど......)

優希(この状況じゃ他家のフォローできない。連荘ストップしちゃうじぇ)


泉「ポン」

チャッ

煌(むむ、一発消しされちゃいましたか)

優希(くんくん......テンパイの匂いがするじぇ)


泉(役牌バックと一発消し、おまけにポンテン)


589: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:09:07.11:l98XgMEFo (8/14)

明星「............」

タン

優希(永水は手出し。テンパイ、もしくは一向聴)

チャッ

泉(待ちも良形や。来い!)

優希(押さえつけ......れない、流れが)

泉「ッ......!」


バシィ

泉「ツモ! 500・1000の4本場は900・1400!」

泉(キタァァァァ!)

煌「リー棒......グッバイです......」

ワァァァァ


雅枝「キター!!」グッ

浩子「キター!!」グッ


佐藤『千里山の二条選手が連荘を阻止!』


雅枝「やるやん泉!」

浩子「いけるでしかし!」


590: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:10:24.50:l98XgMEFo (9/14)

優希(私の支配を......!)


優希(決勝に備えて、様子を見ておくべきか? でも)

泉(今、ここは全国大会じゃない、私は千里山のレギュラーでもない)

優希(東風王者は......)

泉(ただ一人の雀士として......!)


ザワ


優希「ッ......!?」

煌「おや?」

泉「あん?」


明星(これ以上は失点できないし、それに親だし......いいよね)



数時間前 控室 永水女子


霞『いい? 貴女達の使命は、大将である姫様まで繋げる事』

明星『はい』

湧『はい!』

春『わかった』


霞『大量失点したところで、最後に小蒔ちゃんが何とかしてくれる手筈だけど』

小蒔『お任せ下さい!』

霞『でも、減り過ぎても困るから......』


591: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:11:43.35:l98XgMEFo (10/14)

霞『そうねぇ、先鋒戦の時点で4......5万点。半分も無くなっちゃうようなら』

湧『さすがに先鋒戦でそこまで......』

巴『いや、それはわからないよ?』

初美『先鋒はヤッバイ選手うじゃうじゃ居ますからねー』


霞『油断はできないわ』

明星『うぅ、プレッシャーが......』

霞『頑張ってね。もしもの時は......』



東二局
親:石戸明星


明星(はい、お従姉様)

オ オ オ オ オ オ

明星(今、それを使います)


良子「むむ」

佐藤「?」


明華「おやぁ?」

アレクサンドラ「おっと、これは......」

ハオ「ツェーイーメン」


ネリー「たしか、中国麻将だと役がつくんだよね?」

ハオ「ええ、1点役です」

アレクサンドラ「やはり出たな。去年のデータと見比べて、じっくり観察させてもらいましょうか」


592: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:12:53.54:l98XgMEFo (11/14)

浩子「なんか隠し玉あるんちゃう思ってたけど......あったー!」

雅枝「絶一門なぁ......これ、見た事あるわ」

浩子「姉の石戸霞、顔も乳も似とる似とる思っとったら、ここまでソックリとはな!?」

浩子「泉わっかるかなー? ああもう......出すんやったら前半のうちに出しとけっちゅー話や!」


優希(この配牌......去年、2回戦の大将戦で見た。そして、雰囲気が変わった永水の1年)

優希(もし、データに無い異常が発生した場合は......)

優希「ぐぬぬ......」


優希(......言いつけは守るじぇ)



ビイイイィィィィッ

佐藤「先鋒戦、終了ーッ!!」


明星「お疲れ様でした」

泉「お疲れさん」

煌「お疲れ様でした」

優希「お疲れ様でした」


佐藤「後半は永水女子の大逆襲! といった試合内容でした」

良子「ついてましたね」


593: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:14:19.52:l98XgMEFo (12/14)

佐藤「東一局では、片岡選手が前半に引き続き、圧倒的な展開を見せていました」

良子「それも4本場までという、長い時間の親番でした」

佐藤「はい。しかし東二局から永水の石戸選手が大活躍!」

佐藤「順位が4位から2位に浮上。大量リードしていた臨海女子を捉えるか!? と言うほど」

良子「これは千里山と新道寺には厳しい追い風、ですね」

佐藤「ええ、そうですね。では休憩をはさみまして、次鋒戦を――」



泉「すいませんでした!」ペッコリン

雅枝「ちょーっと削られ過ぎやな」

泉「うう......」

雅枝「まぁ、片岡相手にようやってたわ。永水の1年に関しては予想外やったけど」

浩子「牌譜見る?」

泉「ちょい見してもらっていいですか? うわぁ......」


浩子「3人ともこうなっててな。ヒドイやろこれ?」

泉「はい。あ、いや、でも......すいませんでした......」

雅枝「いつまで謝ってん」

浩子「そんでなんか掴めた?」

泉「え?」


浩子「ホレ見てみぃ、東一局の4本場。これええツモやったで」

泉「あ、ここ......そうですね」


泉「なんか、自分の居る場所を理解したって感じですかね。あ、そこか、みたいな」


594: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:14:50.04:l98XgMEFo (13/14)

優希「あーあーあー」

アレクサンドラ「まぁそう腐らないでよ」

明華「どうでしたか?」

優希「やりやがったじぇ、あの1年坊! よりにもよって東場で......!」


ハオ「では、行ってきます」

優希「よーし、ブチかましてこい! なんならどっかトバしてこい!」

ネリー「やめろ......!」


595: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年10月25日(日) 00:17:10.82:l98XgMEFo (14/14)

今日はここまで
泉「麻雀を打つ時はな、誰にも邪魔されず自由で、なんちゅうか救われとらんとアカンねや」
だいぶ雰囲気変わってたけど、2も面白かったです


596:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月25日(日) 00:31:22.10:T4Z7VpolO (1/1)

乙です


597:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月25日(日) 00:35:29.88:3UVY+8Oqo (1/1)



明星ちゃんは従姉妹っすよ


598:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月25日(日) 01:15:33.99:DIULFzY3o (1/1)

乙ー
グッバイですで不覚にもふいたわー


599:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月25日(日) 07:28:10.04:2FPXHW69o (1/1)

乙です


600: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 22:56:15.41:L/qL9BPmo (1/17)

こんばんわ
早く更新できると言ったな。あれは嘘だ
普通に体調不良だったりビール飲んだり
ちゃちゃのん役の松来さんの訃報にショックを受けてました

>>592
まちがい
浩子「姉の石戸霞、顔も乳も似とる似とる思っとったら、ここまでソックリとはな!?」
ただしい
浩子「従姉の石戸霞、顔も乳も似とる似とる思っとったら、ここまでソックリとはな!?」
明星のセリフではちゃんとなってるのに。油断した......

投下します。団体戦は巻きで進行します


601: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 22:57:12.71:L/qL9BPmo (2/17)

半年前 3月 霧島神境


小蒔「すぅすぅ......」

春「ロン」バラッ

湧「あっ......やっちゃったー!」


明星「ふぅ。なんとか2位を維持できました」

初音「また私の1位ですよー!」

巴「うーん、最後ちょっと突っ張りすぎかな?」

湧「せっかくいい形だったのに......」

初音「いくら配牌やツモがよくっても、和了れなきゃ意味ありません」


湧「4局に1回、役満和了る人に言われてもなー」

明星「あはは......」

春「............」ポリポリ


霞「あらあら、頑張っているようね」

湧「はい!」

明星「今年は私達が、姫様を支える番ですから」

霞「ええ、それはいんだけど......」


602: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 22:58:18.03:L/qL9BPmo (3/17)

霞「何やってるのよ、初美ちゃん」

春「............」ポリポリ

初音「よーし、次も勝ちますよー」

霞「初美ちゃん?」

初音「あ、私のことですか?」

霞「当たり前でしょ。どうしたの、永水の制服なんて着て......」


霞「私達、卒業式したばかりじゃないの」

初音「違います」

霞「え?」


初音「私は今年入学する、新1年生の薄墨初音ですよー!」

霞「ええ!?」


巴「先程から、そう言って聞かないんです」

初音「今年は春......先輩と私達、新1年生トリオが姫様をばっちりサポートしちゃいますよー!」

湧「ますよー!」

明星「いやぁ、それは......」

霞「それは無理があるわよ、さすがに」

初音「最初は、普通に入り直せばいいと思ってたんですけどねー」


603: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 22:59:12.38:L/qL9BPmo (4/17)

初音「実はインターハイの出場条件に、生年月日の問題があったのです......」

霞「ああ、実年齢に差が出ちゃうものね」


初音「ですから、別の人間になって入学すればいいのです!」

霞「いやいや」


巴「すぐバレますよね、コレ」

湧「でも、一緒に試合できたら心強いですよ!」

初音「まっかせなさい!」

明星「もう、二人とも......」


小蒔「すぅすぅ......ハッ」

初音「姫様、お目覚めですかー?」

巴「おはようございます」

霞「おはよう、小蒔ちゃん」

小蒔「おはようございます。あれ......初美ちゃん、制服?」

初音「違います」

小蒔「え?」


初音「私は新入生、永水女子1年の薄墨初音ですよー!」

小蒔「ええ!?」


604: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:01:24.94:L/qL9BPmo (5/17)

霞「あのね、小蒔ちゃん......」

小蒔「えっと、薄墨で初音という方は存じ上げないのですが?」

初音「それが居たのです! 神境の奥深く、さらにその奥の奥に......」

巴「UMAですか」

霞「藤岡弘探検隊じゃあるまいし」


小蒔「また永水に入学するんですか?」

初音「はい。つよくてニューゲームです!」

小蒔「ど、どうしてでしょう?」

初音「去年の団体戦では、あまり活躍できずに終わってしまって、それが心残りなのです......」


初音「ですから、今年こそ姫様をしっかりサポートしてさしあげたいのですよ!」

小蒔「初美......初音ちゃん......」

巴「いやいや、無理ですからね?」


巴「だいたい戸籍は? どうするんですか」

初音「そこは......ちょいちょいっと」

霞「まあ、出来ないことはないと思うけど」

湧「えっ」


605: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:02:47.05:L/qL9BPmo (6/17)

明星「いけるんだ......」

初音「それに、姫様が不発だった場合に備えて誰かがカバーしなくちゃですよー」

霞「うーん......確かに、今年のメンバーだと火力に不安があるわね」

春「............」ポリポリ

巴「そこをなんとかするのが、私達の仕事じゃないですか?」


霞「作戦の一つとして、アレを降ろす......というのもあるけれど、制御が難しいのよ」

明星「頑張ります! これでも、予備として修行していますので!」

霞「実戦レベルの使用には調整が必要だけれど」

巴「お祓いするのは別にいいんですけどね、やっぱり使いこなせるかどうかが」

霞「そうねぇ......大将戦時点での点数差を考慮して、使用条件を設定して......」

小蒔「あのぅ」

霞「ん? なにかしら小蒔ちゃん」


小蒔「私、今年は大将がいいです」


606: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:04:18.36:L/qL9BPmo (7/17)

霞「あら、そう?」

巴「そのようにローテーションとかオーダーも組みますけど」

初音「なにか思うところがあるのですか?」

小蒔「はい。そうですね」


小蒔「今年、私は3年生で、最後のインターハイです」

小蒔「霧島神境の姫として、永水女子麻雀部部長として」


小蒔「いつも、みんなに支えられています」

小蒔「団体戦でも私が先鋒にいて、失敗してしまった時はみんなでカバーしてくれる」

巴「それが私達、六女仙ですから」

小蒔「でも今年は、私が最年長として引っ張っていきたいんです」


霞「ふふ、そうね。今年は小蒔ちゃんが一番お姉さんだものね」

小蒔「はい!」


初音「......わかりました」


607: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:05:41.24:L/qL9BPmo (8/17)

初美「私、普通の巫女に戻ります!」

巴「わかってくれましたか」

初美「ここは姫様にとって、晴れの舞台なのですね」


初美「ならば退きましょう。私は年齢も、やはり外見的にもオトナですから!」

巴「いや、そこは......」

霞「新入生でも、見た目には問題無いわね。むしろ......」

初美「ガーン!?」

小蒔「最後のインターハイ、悔いの残らないようにしたい」


小蒔「だから、全力を尽くします!」



ビイイィィィィッ

佐藤「決着ーッ!!」

佐藤「Aブロック準決勝を制して決勝に進出したのは......」


小蒔「ありがとうございました」

ネリー「お疲れさまでした」


608: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:06:49.07:L/qL9BPmo (9/17)

佐藤『臨海女子! 永水女子! この2校がファイナリストに決定しました!』

良子『コングラッチュレーション』パチパチ

佐藤『明後日の決勝戦は、この2校と――』


淡「サキー、なに見てるの?」

咲「ん? 昨日の試合、いま見終わったトコだよ」

誠子「大星もチェックしといたらどうだ?」



インターハイ8日目
控室 白糸台高校


淡「私は昨日見たよ?」

誠子「中継をな。みんなと一緒の時の」

尭深「これは色んなカメラからの映像もあるから」

淡「まぁ、大将戦が始まる前には見とこうかな」

尭深「うん。それがいいと思う」


誠子「咲、今日の対戦相手なんだけど......」

咲「はい」

誠子「よく知ってる相手だと思うんだ」

咲「そうですね」


609: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:08:23.08:L/qL9BPmo (10/17)

咲「龍門渕も姫松も阿知賀も、去年の団体戦で対決しましたし。実際には優希ちゃんが、ですけど」

咲「あ、井上さんとは合同合宿で同卓したことあります」

誠子「そうなんだ。でも、ここはインターハイだ」

誠子「なにが起こるかわからない」


誠子「特に準決勝は......」カタカタ

咲「そ、そうですね」

尭深「誠子ちゃん、まだトラウマが......」

淡「あー」

誠子「と、言うわけで」

淡「ん?」


誠子「今日は私、本気(マジ)でいくから」

淡「え、アレは? 決勝に備えて相手を研究ーって、しないんですか?」

誠子「たまには最初からクライマックスでも......いいんじゃないかな」

咲「もう準決勝ですけどね......」

尭深「それでもいいけど」

尭深(私はどっちでも、やること変わらないし)


誠子「べ、別に、個人的な理由で本気出すわけじゃないぞ!?」

淡「いや、聞いてないから」

誠子「実を言うとな......」


610: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:10:04.49:L/qL9BPmo (11/17)

誠子「私達、ナメられてる」

淡「は?」

尭深「............」ズズ

咲「どういう意味ですか?」


誠子「今の白糸台の地位は宮永先輩が築き上げたんだよ」

誠子「宮永先輩が入学する以前の白糸台麻雀部って、それほど強くなくってさ」

誠子「チャンピオンになって、部員全体の質も底上げされて」

誠子「そして色んな大会で優勝して現在、強豪校と呼ばれるに至った、と」

淡「ふーん。じゃ、テルが居なくなった白糸台なんか大した事ないやーみたいな?」

尭深「............」ズズ


誠子「誠に遺憾ながら」

咲「政治家みたいに言いますね」

誠子「いやいや、他人事とは思ってないよ!?」


誠子「だから、ここらで強いところ出してもいいかなって」


淡「そっか」

咲「......つまり」


611: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:10:48.82:L/qL9BPmo (12/17)


咲「見せつけれくればいいんですね」

誠子「っ......!」

『まもなく、準決勝先鋒戦を開始します――』


淡「時間だよサキー!」

咲「うん」

ヌギヌギ

咲「よし。じゃ、行ってきます」


誠子「お、おう」

尭深「がんばって」

淡「いってらしゃーい!」

咲「うん」グッ

ガチャ

誠子「............」


612: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:12:32.58:L/qL9BPmo (13/17)

準決勝対局室


純「よう」

咲「どうも」

純「同郷ってことで、因縁感でも出しとく?」

咲「それは、決勝で待ってる優希ちゃんにとっておいた方がよくないですか」

純「ま、それもそうだな」


純「それで、なに? 宮永的にはオレらで決まりって思ってんの?」

咲「どうでしょう。どこが来ても、私はかまいませんよ」


えり「さぁ、対局室には選手の姿が見えはじめました」

えり「インターハイ決勝の席は、残り2つ」

咏「いったい、どこが勝ち抜くんだろうかね?」

えり「どの高校も十分可能性があります」

えり「三尋木プロは、注目している選手はいらっしゃいますか?」

咏「ん〜? そうだねぃ」


咏「やっぱ、リンシャンちゃんかな」

えり「白糸台高校の先鋒、宮永咲選手」

えり「前回インターハイの個人戦チャンピオンです」


613: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:14:32.43:L/qL9BPmo (14/17)

えり「姉は今年プロ入りした宮永照。これは有名ですね」

咏「あの子とはよく会うんだよ。試合でもプライベートでも」

咏「だからって、それでひいきしてるわけじゃないよ? 妹は妹で見どころあるし」

えり「それは、どんなところでしょうか?」


咏「見てりゃわかるんじゃねーの? 知らんけど」

えり「......白糸台宮永選手以外の選手をご紹介します」イラッ


えり「第4シード、龍門渕高校からは3年の井上純」

えり「地区大会では、先鋒戦で対戦校をトばすという活躍をみせています」

えり「2年前のインターハイにも出場していますね」

咏「あれはちょっと話題になってたよ」


えり「そうですね。龍門渕高校は当時とメンバーは同じ」

えり「つまり全員1年生での全国出場という、他の選手もすごい実力を持っている学校なんです」

咏「まぁ、去年はちょっと相手が悪かったねー」


えり「おっと、ただいま姫松の上重漫選手と阿知賀の松実玄選手が入場してきました」


614: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:16:11.84:L/qL9BPmo (15/17)

玄「お先にどうぞ」

漫「ほんじゃ失礼します」


えり「姫松高校は大阪の強豪校。先鋒は去年に引き続き上重選手」

えり「そして去年のファイナリスト阿知賀女子。これも同じく、先鋒は松実玄が務めます」

咏「ドラゴンロードちゃんの高火力は見てて面白いんだよ」

咏「姫松の子も不安定だけど、やる時はやるって感じだから期待しちゃうねぃ」

えり「選手達が揃い、場決めも終わりました」


玄「よろしくお願いします!」

純「ヨロシク」

玄(うむ)

漫「よろしゅうお願いします」

玄(うむ!)

咲「よろしくお願いします」

玄(はぁ......)


咲「............」

ゴッ


615: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:16:51.98:L/qL9BPmo (16/17)

ビリビリ

誠子「これは」

淡「サキが本気になったったー!」

尭深「............」チャポ

誠子「それにしてもさ」

淡「ん?」


誠子「咲のやつ、ホント似てきたよな」

尭深「うん」

淡「ねー」


616: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月04日(水) 23:19:56.18:L/qL9BPmo (17/17)

今日はここまで

立先生のサイト更新されてましたね
もうね、「ムロ」の文字を見るだけでテンションあがりますよ
内容はともかくとして。アゲアゲ


617:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月04日(水) 23:26:32.94:0sHb5638O (1/1)

乙です


618:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月04日(水) 23:36:08.94:PHcSqx/jO (1/1)

乙です
今日は飯テロ無しか
自らフラグを立てにいく流石クロチャーこの後涙目ですね
松来さんは最近?、下セカで声を聞いてたから自分もビックリした


619:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月04日(水) 23:37:09.46:GVT0u1WIo (1/1)




620:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月05日(木) 07:41:02.11:StpUHY8SO (1/1)

乙乙
蹂躙が......始まる!!


621:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月05日(木) 15:42:27.99:K16eWvHho (1/1)

乙です


622: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月12日(木) 23:58:33.68:RUW6L1aVo (1/2)

こんばんわ
未読の本を9冊も積んでしまった
読書の秋にも限度があるわ。確実に冬に持ち越す......

>>604
まちがい
霞「藤岡弘探検隊じゃあるまいし」
ただしい
霞「藤岡弘、探検隊じゃあるまいし」
>>611
まちがい
咲「見せつけれくればいいんですね」
ただしい
咲「見せつけてくればいいんですね」
まちがい
淡「いってらしゃーい!」
ただしい
淡「いってらっしゃーい!」

投下します。短いです


623: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月12日(木) 23:59:11.59:RUW6L1aVo (2/2)

えり「前半戦終了ー!」

ビイイィィィィッ

えり「これは......意外な展開になりましたが......」

咏「うーん。まだ前半だし、わっかんねー」


えり「一体、誰が予想できたでしょうか? チャンピオン宮永咲、まさかの一人沈み!」


1位:阿知賀......120000
2位:姫松.........101400
3位:龍門渕......100500
4位:白糸台.........78100


えり「先鋒戦の前半が終わって、このような順位になっております」

えり「三尋木プロ、この後どのような展開になると思われますか?」

咏「さすがにね。このままじゃ終われないよねぇ、チャンピオン」


咏「とはいえ、相手は全国でも屈指の火力自慢の雀士達」

咏「一筋縄ではいかない相手に、どう立ち回るかな?」



自販機前 休憩スペース


淡「ほい。水分補給」

咲「ありがとう、淡ちゃん」


624: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:00:35.45:hsgTn47qo (1/11)

咲「いただきます」プシュッ

淡「私のおごりだ。飲みねぃ」

咲「ふふ、なにそれ」

淡「......どっちかってーとサキの方がナニソレだよ」


淡「様子見だとしてもさ、気前よすぎじゃない?」

咲「............」ゴクゴク


淡「アイツらって、そんな強いの?」

咲「強いよ。火力だけで言うなら全国でもトップクラスじゃないかな?」

淡「でも、サキは私と同じくらいチャンピオンで一番じゃん」


咲「そうだね」


咲「悪い事があっても、その後に必ず良い事がやってくる」


咲「人生そういうものだよ。だから、大丈夫」

淡「えー、テキトーすぎない?」

咲「あはは......まぁ、自分でもちょっと楽観的かなって思うけど」


咲「昔ね、私とお姉ちゃんとケンカして、そのまま離れ離れになっちゃったの」

淡「......うん」


625: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:01:54.04:hsgTn47qo (2/11)

咲「ずっと麻雀からも離れてて、でも偶然、麻雀部に入部する事になって」

咲「インターハイにはお姉ちゃんも出る。しかも、これが最後のチャンス」

淡「テルは3年で、サキは1年だもんね」

咲「うん。それで必死になって頑張ったら、お姉ちゃんと仲直りできました」

淡「めでたしめでたしっと。じゃあ今、サキにはイイコトが来てるんだ?」

咲「うーん、どうだろう? それって、長くは続かないものなんだと思う」

淡「ダメじゃん!」

咲「でもね......」


咲「たとえ、幸不幸は交互にやってくるサイクルなんだとしても」

咲「待ってるだけじゃ変わらない」


咲「私はあの日の私を知ってるから、そう信じられるんだ」


『インターバルは残り5分です。選手は対局室に戻ってください』


咲「相当の対価を払わないと、何も手に入らない」

咲「もちろん、私だけの力じゃないけどね。色んな人に支えてもらったし」

咲「小さい歯車がかみ合って、大きな力を生み出すみたいに」


淡「これからサキは、どうするの?」

咲「一人じゃ大変だけど、流れに乗ってくれそうな人がいるから」


626: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:02:36.25:hsgTn47qo (3/11)

淡「イイコト、来るといいね」

咲「ありがとう。前半戦は、たくさん悪い事かぶっちゃったから......」


咲「その分、がんばって帳消しにしてくるよ」



控室 白糸台高校


ガチャ

淡「ただいまー」

誠子「おかえり」

尭深「おかえりなさい......咲ちゃん、どうだった?」


淡「大丈夫そうだったよ。はいお釣り」

誠子「あいよ。それならいいんだけどさ......」

淡「あれれ? 亦野先輩ってば、実は気が気じゃなかったりしてますぅ?」

誠子「ん、そんな事ないぞ? どんな状況でも、どっしり構えてないと」


誠子「白糸台麻雀部の部長は務まらないんだよ」

淡「へー」


627: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:03:47.39:hsgTn47qo (4/11)

淡「余裕あるんなら、お茶でも飲んだらどうですか?」

誠子「そうだな。じゃあ尭深、悪いけど......」

淡「いや、あるじゃないですか」


淡「すっかりぬるくなっちゃったやつが」

誠子「あ」


誠子「忘れてた......ズズ......」

淡「さめててもすするんだ」

誠子「日本人だもん。大目に見てよ」

淡「責めてないけどね。口付けないくらい焦ってたんだ?」

尭深「ずっとソワソワしてたよね」


誠子「た、尭深......気付かれないようにしてたんだけどなぁ」

尭深「それくらい、わかるよ」


えり『前半戦では、跳満倍満が飛び交う激戦が繰り広げられました』

咏『取ったら取り返す、クロスレンジで殴り合いって感じで熱かったねぃ』

えり『あるいは、早い手で流すといった駆け引きもあり、見ごたえのある試合でしたが』

えり『一方で、チャンピオン擁する白糸台が振るわなかった前半戦でもあります』


628: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:04:44.35:hsgTn47qo (5/11)

咏『大きく振り込むってことは無かったけど、ツモで削られすぎたな』

えり『そうですね。後半戦の巻き返しに期待がかかります』

咏『でもまぁ、私だったらピンチは燃えるシチュエーションなんだけど』

えり『プロでもそういう選手は多いですね。例えば、佐久フェレッターズの藤田プロとか』

咏『まくりの女王なんて言われてるしね』


咏『だから、逆境に身を置いてこそ発揮される強さもあるんじゃねーの? 知らんけど』



控室 阿知賀女子


憧「うーん、様子見なのかな?」

穏乃「それにしては静かすぎる気もするけど」

憧「和はどう思ってる?」


和「たしかに、いつもの咲さんと比べると動きがありませんね」

灼「そうなんだ」

和「それに、表情からも不安な様子は見てとれませんし」

憧「しず的にはどうよ?」


穏乃「そんなに対局経験あるわけじゃないんだけど」

憧「いいからいいから」


629: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:05:47.33:hsgTn47qo (6/11)

穏乃「......このままじゃ終わらないと思う」

穏乃「仕掛けてくるんじゃないかな。相手を見極めろって指示があったとしてもね」

穏乃「春の山みたく、急に豹変するんだ」

憧「やっぱなんかしてくる予想かー」


灼「点差もあるし」

憧「トップだけど油断できないよ、玄」

和「姫松の人も、玄さんみたいに高い手を組みたがりますし」

憧「龍門渕の井上さんは、厄介な鳴きするのよねぇ」

穏乃「玄さんがんばれーっ!」



Bブロック準決勝 後半戦
南三局
親:松実玄
ドラ:94東


玄(もう、溢れちゃう......)


玄(宮永さんが2回もカンするから......)
(五)六(5)999344(5)東東東

玄(これ以上、受け入れられない)

玄(東・9が来れば四槓流れも狙えるけど......連続で引ける保証なんて無いし)


玄(どうしよう......)


630: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:06:33.51:hsgTn47qo (7/11)

チャッ

玄「うぅ......」
ツモ:4

タン

咲「カン」カシャッ

玄(大明槓......!?)

ドッ


咲「ツモ。嶺上開花」

咲「8000です」

玄「は、はい」


えり「宮永選手の嶺上開花が決まりました!」

咏「調子イイ〜」

えり「あれは嵐の前の静けさと言うものだったのでしょうか」

えり「前半戦とは打って変わっての大攻勢! そして勝負はオーラスへと突入します!」


咲(うーん。思ってたより、防御に徹した姫松の人は固いなぁ)

咲(この人と松実さんの支配で、山の圧縮がヒドイ事になってるし......)

咲(絶一門よりマシだけど)


631: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:07:43.46:hsgTn47qo (8/11)

Bブロック準決勝 後半戦
南四局 オーラス
親:上重漫


漫(最後の親番。ここで連荘しとかんと)

漫(宮永......)


漫(末原先輩と違って、偏りのある私の手じゃ撹乱なんかできひん)

漫(せやから、スピードで真っ向勝負! 火力を速度に! )

漫「ポン!」カシャッ

咲「ロン」

漫「え」


咲「タンヤオのみ、1000点です。ありがとうございました」
五六66222233334:四


ビイイィィィィッ

えり「先鋒戦、終了ー!」

えり「終わってみれば白糸台が大差で圧勝!」

咏「やるねぇ」

えり「チャンピオンの貫録を見せつける展開となりました」


632: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:09:17.83:hsgTn47qo (9/11)

漫(普通にやられてもうた......)

漫「ありがとうございました」
姫松:84700

玄「ありがとうございました」

玄(私が稼がなきゃいけないのに、負けこんじゃった......)
阿知賀:93900

純「おつかれさん」

純(つーか、オレが最下位かよ......ダッセ)
龍門渕:84400


咲「ふぅ」
白糸台:137000


えり『白糸台高校の大逆転劇という形で幕を下ろした先鋒戦』

えり『つづく次鋒戦、果たして3校は追いつくことができるのか――』


ガチャ

純「ただいま......ゲッ」

透華「じゅ〜ん〜?」ゴゴゴゴ

純「あー」

透華「なんですの、あのザマは!?」


633: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:10:37.22:hsgTn47qo (10/11)

純「途中までは悪くなかったろ」

透華「最後失速しては意味無いではありませんの!」

純「松実と上重に削り合いさせようと思ってたのに、アイツらツモばっかしやがって」


純「おかげで直撃してねーのに点数ごっそり減るし!」

透華「それはアナタの見極めが甘かったからでしょう」

一「言い訳は男らしくないよ、純くん?」

純「オレは女だっつーの!」


純「ああそうだよしくったよ! でもな、次は絶っ対に勝ってやるからな!」

透華「当ったり前ですわ!」

智紀「時間。行ってくる」

一「頑張ってね」

透華「智紀! 龍門渕の実力を見せつけてやりなさい!」

純「頼んだぜともきー!」

智紀「ん......」


純「がんばれよー! ......ところで、まだ衣は寝てんのか?」

一「まだお昼前だし、そうかもしれないね」

透華「出番までに起きてくれば問題ナッシング! ですわ」


634: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月13日(金) 00:13:16.58:hsgTn47qo (11/11)

今日はここまで

最新話の咲さんカッコイイでしたね
あと最後の末原ちゃんのポーズが面白かったです


635:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月13日(金) 00:31:53.28:4fv+1SM1O (1/1)

乙です


636:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月13日(金) 00:32:45.09:BPLSCQriO (1/1)

乙です


637:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月13日(金) 06:54:59.65:Dx9w1X2SO (1/1)

おつ
集合絵、ムロ『も』居なかったね...


638: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月14日(土) 00:32:20.05:L4OROf5Po (1/1)

むろたんイェイ〜♪

ムロスレなのに1ヶ月も出番無い......
これからも1ヶ月くらいは出る予定ないかも
>>637
単行本に備えよう

去年のむろたんにスレ立てたんですよね
1年かかっても終わらんとか考慮しとらんよ
もうしばらく時間かかると思いますが、ちゃんと最後まで書こうと思います

とりあえず今日は、ちょっと値の張るビールで祝杯をあげたいです


639:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月14日(土) 00:40:34.99:ROtiiFs6O (1/1)

主役が出ないとかよくある話


640:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月14日(土) 15:47:31.30:LGTS5Kcw0 (1/1)

保守


641:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月14日(土) 16:38:19.79:9zQCwUIuo (1/1)

おつだよー


642:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月17日(火) 01:40:59.05:uF0WV/mro (1/1)

IDにムロが居たので


643:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月20日(金) 17:59:04.90:Y0rI/Zc0o (1/1)

乙です


644: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:36:34.78:q3OyWb+0o (1/18)

こんばんわ

寒くなってきましたね。最近、カフェオレにハチミツ入れるのがマイブームになってます
>>642
うらやましい

投下します


645: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:37:44.18:q3OyWb+0o (2/18)

えり「副将戦、終了ーッ!」


灼「ありがとうございました」

絹恵「ありがとうございました」

誠子「ありがとうございました」


えり「この試合も熾烈な戦いでした。各校部長対決を制したのは......」


ヒュオォォォォ

透華「ありがとうございました」


えり「龍門渕高校、龍門渕透華!」

咏「後半からの追い上げ、凄かったねぇ。まるで人が変わったみたいだったよ」

えり「そうですね。圧倒的な和了率でトップに躍り出ました」


えり「前半は、阿知賀の鷺森選手、白糸台の亦野選手の活躍に隠れ気味でしたが」

咏「龍門渕自身は目立った和了とかないんだけど、他の選手が揃ってトリッキーなスタイルだ」

咏「それが後半戦、打って変わって静まり返ったもんだから、そこを上手く突いたって感じ?」

えり「ペースをものにして相手にチャンスを与えない。そんな試合展開でした」



淡「亦野せーんぱいっ」

誠子「大星......」


646: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:38:47.81:q3OyWb+0o (3/18)

淡「サキが言ってましたよ。あの状態のりゅーもんぶち相手に大健闘だって!」

誠子「健闘、か」


淡「亦野先輩?」

誠子「集中して臨んだつもりだけど、上手くいかないな」

淡「麻雀って、そういうもんじゃないですか?」


誠子「準決勝本気でいくって言ったのは実は、学校のためだけじゃなくて自分のためでもあるんだ」

淡「そうなんだ?」

誠子「今年最後のインターハイ。私は個人戦に出場しないから、残りはあと半荘2回」

誠子「数少ないチャンスでベストを尽くせなかった。次こそは......」

誠子「いや、下手したらこれで終わりかも......」

淡「それは大丈夫でしょ」


淡「私がちゃんと、決勝に連れて行ってあげますよ」

誠子「......そうだな」


誠子「残された対局数はあとわずか。私はその一局一局を、精一杯頑張りたい」

誠子「だから......頼んだぞ、大星」

淡「まっかせなさい!」



灼「点、減らして申し訳な......」

穏乃「灼さん。あとは、私がなんとかします」


647: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:39:46.78:q3OyWb+0o (4/18)

灼「うん......でも、相手には」

穏乃「大星さんと天江さん......」

灼「二人とも高火力で攻めてくるから、気を付けて」

穏乃「はい」


灼「天江さんは海底狙いだと思......」

穏乃「そしたら、早い局から発揮できるかもしれませんね」

灼「序盤は耐えて」

穏乃「はい」


灼「ゴメン......もうちょっと、点差に余裕あれば」

穏乃「大丈夫です。今日のために、和のスパルタに耐えてきたんですから!」

灼「うん」


穏乃「ここで終わらせません。また今年も一緒に行きましょう!」

灼「うん。任せたよ、大将」

穏乃「はい! 行ってきます!」



衣「透華が目覚めるまでに終わらせてこよう」

純「あいよー」


648: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:40:33.72:q3OyWb+0o (5/18)

一「いってらっしゃい」

智紀「がんばれー」

衣「............」


衣「もっと、こう......他に掛けるべき言葉はないのか?」

純「つってもなぁ、もう勝ち確じゃん。こっから負けねーだろ?」

衣「無論!」

智紀「でも油断はしないように。そういって去年......」

衣「わ、わかってる!」

衣「努めて克己的に。余計な演出などせず、最善を尽くす」


衣「その上で、楽しんでこよう」

純「おう」

衣「それじゃあ、行ってくるね。ハギヨシ!」

ハギヨシ「ここに」

衣「人払いを頼む」

ハギヨシ「かしこまりました。対局室までのマスコミを撤去します」



えり「ついにBブロック準決勝も、大将戦が始まろうとしています」

えり「決勝戦に進むのはどの学校なのか」


649: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:41:36.08:q3OyWb+0o (6/18)

えり「対局室の映像です。先に着席しているのは姫松高校」

えり「次にやってきたのは、大星淡。春季大会では個人戦で1位」

えり「白糸台高校から、二人目のチャンピオンがやってきました」

咏「そういやさぁ、大星淡って宮永照の後継者って言われてたじゃん?」

えり「たしかに、そう呼ばれてましたね」

咏「でも今年は妹の宮永咲がやってきた。実力も申し分ない」


咏「噂だと後継者問題で揉めてるらしいよ?」

えり「へぇ、そんなポジション争いがあるんですか」

咏「部長とかエースだったりとかは、他の学校や部活にもあるけどさ」

咏「やっぱ思い入れってのがあるんだろうね。知らんけど」

えり「そうでしょう。宮永姉妹は、複雑な家庭事情もありましたから」


咏「でさ、聞いてみたんだよね」

えり「なにを......え、まさか本人に」

咏「そうそう。どっちが本命なんだい? ってね」


えり「ちょっと、それここで言っちゃってもいいんですか?」

咏「いいのいいの。快く答えてくれたし」

えり「白糸台の控室がざわついてないでしょうか......」

咏「知らんし」


650: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:42:27.58:q3OyWb+0o (7/18)

咏「んで、聞いたのね?」

えり「はい」

咏「そしたら......いや、それは、ちょっと私には、えーと、あの......分かんないです。って」

えり「ものすごく困惑してるじゃないですか」


えり「快さのカケラもありませんよ」

咏「それがさ、アレってマスコミが勝手に付けたものだから、本人はそういうふうに考えてないみたい」

咏「でも、大星淡が気に入っちゃってるらしいんだ」

えり「宮永咲も、妹としてそこは譲れないと」

咏「らしいよー? 知らんけど」


咏「夏に宮永咲、春に大星淡がチャンピオンになったけど、それぞれ1勝1敗とも言えるわけで」

咏「それで今回の大会で、優勝した方が後継者に選ばれるみたい」

えり「二人には嬉しい優勝賞品ですね」


咏「日本一よりもそっちの方が重要だったりして」

えり「それは無い、とは言いきれませんね......おっと」


えり「来ました、3人目」

咏「ふーん、今日はジャージじゃないんだ」


651: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:43:33.11:q3OyWb+0o (8/18)

えり「続いて阿知賀女子から高鴨穏乃。2回戦まではジャージ姿でしたが」

えり「準決勝からは制服を着用。これは、去年も同じでしたね」

咏「ゲン担ぎみたいなもんなのかな」

えり「普通は逆なんじゃないんでしょうか......」


咏「逆にいつもはジャージ着てんじゃね?」

えり「逆に?」

咏「逆にね」


咏「いつも着てる服じゃあ、気分が締まらないってのはあるんじゃない? 知らんけど」

えり「わからなくはないですけど」

咏「そういやアナウンサーの人って毎回違う服装で、同じ服着てなくね?」

えり「あれは、スタイリストさんが用意してくれる衣装ですから」


えり「たまに気に入った服とか、買い取りしたくなるんですけど......」

咏「いいじゃん。買い取れば」

えり「プライベートで、となると着にくいデザインだったりするんですよ」

咏「ははぁん、なるほどねぃ」


えり「三尋木プロは、いつも着物で」

咏「そだね」

えり「トレードマークというか」

咏「私と言ったら着物、着物と言ったら私だよ」


咏「なんたって、生まれてきた時も着物着てたくらいだからね」

えり「また、いくらなんでもテキトーすぎるでしょ......」


652: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:44:30.34:q3OyWb+0o (9/18)

咏「まぁ着物は着物なんだけど、勝負服ってのはあるよ」

えり「へぇ」

咏「大事な試合とかに着てくんだけど、帯とか帯留も全部特注でさ」

えり「それはまた凄いですね......って」


えり「さっきから何の話してるんですか!?」

咏「ほっほっほ」


えり「で、では気をとりなおして......あ、最後の選手が来ましたね」

咏「龍門渕の天江衣。一昨年のMVPだ」

えり「当時は団体戦でのみ出場。龍門渕は準決勝で、大将に回ることなく惜しくも敗退。しかし......」

えり「それでMVPに選ばれるというのは」

咏「破格だよねぇ。ま、それも納得できるくらいのインパクトがあったんだけど」


えり「この天江選手、1・2回戦ではそれぞれ2校・3校を同時にトバしているんですね」

咏「そうそう。今年の地区大会決勝でもトバしてたんだよ、この子」

えり「その強さは健在ということでしょうか......それでは」


えり「運命の大将戦、間もなくスタートとなります」




透華「ん......」

一「透華! 気分はどう?」

透華「はじめ......」


653: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:45:14.78:q3OyWb+0o (10/18)

透華「わたくし......また......」

一「後半戦が始まってから、すぐに......」

透華「そうですの」

純「自覚は無いと思うけど、大活躍だったぜ?」

透華「......牌譜を」

一「え、うん。すぐに持ってくる」


透華「試合は......?」

智紀「さっき終わった」

透華「今回は、長く寝ていたんですのね」

純「そうでもないぞ」

透華「え?」


一「はい、透華。副将戦の牌譜」

透華「ありがとう、衣の姿が見えないのだけど?」

一「もうすぐに帰ってくると思うよ」

透華「そう、それで結果は?」

一「透華......?」


一「もしかして......怒ってる?」

透華「............」


654: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:47:08.44:q3OyWb+0o (11/18)

智紀「前半の南2局で白糸台が姫松をトバして終了」

智紀「1位のウチと2位の白糸台、それと臨海と永水が明日の決勝で闘う」

衣「衣はもっと打っていたかったがな」

純「おう、おかえりー」


衣「ただいま!」

智紀「おかえりなさい」

一「おかえり、衣。試合どうだった?」

衣「姫松の点数が少なかったとはいえ、もうちょっと時間があれば穏乃の真価を見れたのに」

純「阿知賀の大将の?」

衣「うん。去年とは比べ物にならないくらい早く、狭霧のかかった景色が見えた。ところで......」


衣「トーカは何をむくれているんだ?」

透華「むくれてなんて......いますわ!」

一「やっぱり怒ってたんだ」

透華「これは......こんなの私じゃありませんわ!」


透華「私の麻雀はもっと理性的、かつ情熱的なデジタル!」

純「なに情熱的って」


655: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:47:56.94:q3OyWb+0o (12/18)

透華「それに、この大会には原村和がいません」

智紀「レギュレーション」

透華「つまり、私が一番目立なければいけないという事ですわ!」

一「は?」


透華「私の颯爽としたデジタル麻雀を、観客は、求めているのですわ!」

衣「そうかなぁ」

透華「それをお見せできないのが残念でなりませんの」

一「ま、まぁ透華も一応、注目選手ではあるよね?」

透華「ライバル不在とはいえ、この様な姿を......」

智紀「むしろ注目度は上がってると思う」

純「そんな理由も、透華らしいっちゃらしいけどな」

透華「それに......やっぱり5人で一緒にいたいのですわ」


透華「2年前に、毎年夏には東京に通いましょうと言ったのを覚えていますか?」

衣「無論」

一「みんなでファミレスに行った帰りだよね」

透華「ええ」


656: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:49:21.08:q3OyWb+0o (13/18)

透華「あれから2年。私達も3年生ですわ」

純「時が経つのは早ぇな」

透華「私達が集まったきっかけは、衣と一緒に遊ぶ事ですけど」


透華「言っておきますが、この大会が終わったらとか結果がどうだったとかで」

透華「この関係は変わらない」

一「そうだね」

智紀「もちろん」

純「ああ」

衣「み、みんな......衣は感に堪えない!」


透華「そしてそこに居るのは、あの様な私ではありえませんわ」

一「うん。ボクも、いつもの透華がいいな」

透華「みんなでこのお祭りを楽しみましょう!」

純「祭りだな。じゃあ楽しまなくちゃ損だ」

智紀「明日が楽しみ」

衣「衣も楽しみだ!」


透華「この家族旅行で、最高の思い出をつくるのですわ!」


657: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:51:33.92:q3OyWb+0o (14/18)




カポーン

穏乃「終わったね」

憧「うん」

チャプン

穏乃「なんもできなかった」

和「まさかの前半で終わっちゃいましたからね」

憧「点差もあったし、しょうがない」

灼「申し訳な......」ブクブク

憧「灼さんだけのせいじゃないよ。ホラ、沈まない沈まない」

玄「みんなで出した結果だもん」


穏乃「すぐ終わったから、なのかなぁ......なんか不完全燃焼って言うか」

玄「穏乃ちゃんだけフルでやってないからね」

穏乃
「正直、実感が湧いてこないです」

憧「変にヘコむよりかマシだよ」

和「溜まったうっぷんは個人戦で晴らしましょう」

玄「私も頑張るよー」


658: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:54:08.12:q3OyWb+0o (15/18)

灼「溶けそ......」ブクブク

玄「もう上がろっか?」

ドタドタ

和「そうですねぇ......ん?」

ガララッ


晴絵「みんな!」バンッ


灼「ハルちゃん!?」

憧「ハルエッ!?」

穏乃「赤土先生! なんでここに!?」

晴絵「来たよ......!」


和「奈良でお仕事してたんじゃ?」

玄「というか服着たまま入ってきちゃダメですよ!」

灼「ハルちゃん......ゴメ、私......」ザバァ

晴絵「ううん、頑張ってた......頑張ってたよ、灼......」パシャ


憧「ああもう、ダメだって入ってきちゃ」

穏乃「服濡れちゃいますよ」


659: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:54:53.91:q3OyWb+0o (16/18)

灼「わ、私、阿知賀の部長として......」

晴絵「ありがとね」

灼「え......?」

晴絵「また今年も、阿知賀を全国まで連れてってくれて」


晴絵「立派だよ、灼......!」

灼「は、はるちゃ......」

ギュウウゥゥゥゥ

灼「はるちゃああぁぁぁぁ!」

晴絵「あらたああぁぁぁぁ!」


和「あーあー」

玄「びっしょびしょ......」



淡「ついに明日かー」

咲「うん」


660: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:56:03.06:q3OyWb+0o (17/18)


ヒュウゥゥゥゥ

咲「風、つよくなってきたね」

淡「そろそろ戻る?」

咲「そうだね」


淡「お菓子これくらい買ってけば大丈夫かな」ドッチャリ

咲「十分すぎるよ......」

淡「甘いもの大事だって」

咲「いやでも、多いよ。ちゃんと消費できるかなぁ?」


淡「余ったらテルにあげよう」

咲「人のお姉ちゃんをそんなふうに使わないでくれる?」


咲「絶対喜んじゃうからダメ。もう大人なのに」

淡「いいよね」

咲「いいの?」

淡「いいよ! プロになっても変にエラぶらないで」

咲「たまに学校にも顔出してくるしね」



淡「いいよねー。なりたいもん」

咲「なりたいんだ」


661: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月27日(金) 23:56:35.98:q3OyWb+0o (18/18)

淡「明日、なるよ」

咲「なれるかな?」

淡「なるね」

咲「じゃあ、私も」

淡「負けないよ」

咲「うん」


淡「よーし、はやく帰ろー! 寝よー! 起きよー!」

咲「うん。あっ」

咲(月がおおきい)


咲「............」

咲(明日、満月か......)


662: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年11月28日(土) 00:04:58.63:8UwywYSdo (1/1)

今日はここまで
ムロたん記念にこんなSS書いてました
よかったらどうぞ

京太郎「高遠原の学園祭?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447513111/


一応言っておくと、このSSとはまた別世界の京ムロの話です
突発で書いたので反省点の多い......
でも書いてて楽しかったです。ムロ分補給出来たし


663:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月28日(土) 00:51:14.66:XFOSl8amo (1/1)



そっちも良かった


664:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月28日(土) 01:01:39.16:gyNLh941o (1/1)

乙です


665:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月28日(土) 08:12:38.84:yTfdd3OSO (1/1)

おつ
決勝ではころたん更にパワーうpかあ...得点負けてるから今日以上に稼がなきゃってプレッシャーかかるの大丈夫かな


666:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月29日(日) 03:26:59.34:IdUZWAnIo (1/1)


頑張ったなアラチャー


667:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月01日(火) 13:33:21.91:6gS+0W66o (1/1)

乙です


668: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:43:25.80:WRqR40/vo (1/12)

こんばんわ
ハンターランク4になりました

原作ではついに準決勝が終局
これから悲喜交々、決勝戦に向けてのなんやかんやがあって
対局開始まで、実際にはもうすこしかかるんでしょうけど
やっと、というか、もう?って気持ちが強いですね

阿知賀編の続編を予告されたような気分です


投下します。こちらはもう決勝戦はじまります


669: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:44:24.58:WRqR40/vo (2/12)

インターハイ会場 実況席


『まもなく本番でーす!』

恒子「はーい」


健夜「ふぅ......」

恒子「すこやん、緊張してる?」

健夜「少しだけ。いよいよ今日が決勝戦......」

恒子「夜には日本一の高校が決まってるんだね」

健夜「うん。私達も選手に負けないくらい、頑張らないと」

恒子「そうだね」


恒子「今日もよろしくお願いします」

健夜「はい、よろしくお願いします」


『本番参ります! 5秒前......』

恒子「そういえば知ってる? すこやん」

健夜「なに?」

恒子「女子プロ赤土選手の女子風呂闖入事件」

健夜「えっナニソレ?」

恒子「だから、女子プロと女子風呂がかかってるっていう......」

健夜「そこじゃなくて......え? ホントの話?」

『2......1......』

恒子「すこやん、始まるよ!」

健夜「あっ......んん」


670: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:45:51.87:WRqR40/vo (3/12)

健夜「おはようございます」キリッ


恒子「............」

健夜「あの......ふ、福与アナ?」

恒子「んー?」


恒子「今アバンだよ?」

健夜「うわぁ、ひさしぶりに引っかかった......」


恒子「もう、しっかりしなよ」

健夜「だって、こーこちゃんが本番直前に変なことを......なに言ってるのさ!?」

恒子「いや、すこやん緊張してるって言うからさ」

恒子「楽しい話題で緊張ほぐそうかと思って」

健夜「脱力したよ......」


健夜「タイミングも最悪にバッチリだし」

恒子「これが現場で鍛え上げられた時間感覚ってやつですよ」

健夜「発揮する場所がおかしいでしょ」


健夜「あとさ、赤土さんなにしてるの......」


恒子「ねー。私もビックリしたよ」

健夜「阿知賀女子、昨日敗退したから......ヤケになっちゃったんだ」

恒子「たぶん、すこやんの考えてるのと違うと思うよ」


671: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:46:58.18:WRqR40/vo (4/12)

健夜「そうなの? 赤土さん捕まってない?」

恒子「あはは、大丈夫だって。そういうのじゃないし」

健夜「そっかぁ」


健夜「略式で済んだんだ」

恒子「たぶん、違うと思うよ」


『映像あけまーす』

恒子「よし、ホントのホントに本番だよ」

健夜「今度こそね、お願いね?」

『3、2、1......』


恒子「おはようございます!」

健夜「おはようございます」

恒子「インターハイ女子団体戦、ついについに決勝戦!」

恒子「全国の猛者達が鎬を削った8日間。出場校52校のうち、残ったのはわずか4校!」

恒子「その頂点に立てるのはたった1校のみ! 勝利の栄冠を手にするのは、一体どこなのか!?」


恒子「実況は私、福与恒子。解説は小鍛冶健夜プロです、よろしくお願いします」

健夜「よろしくお願いします」


672: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:48:02.65:WRqR40/vo (5/12)

決勝戦専用対局室


優希「こうして咲ちゃんと対戦するとは思ってもなかったじぇ」

咲「私は転校した時から、優希ちゃんと闘うビジョンってあったけど」

咲「そのイメージとは、ちょっと違うトコもあるかな。制服とか」

優希「これは、さすがの私も予想外だったじぇ」

咲「そうなの?」

優希「キッカケなんて突然やってきたんだ」


優希「考える時間もあんま無くて、勢い任せで飛び乗ってみたけど」

優希「今ここにいると、それで良かったって思うじぇ」


咲「お互い、立場も変わったしね。私は白糸台、優希ちゃんは臨海のために」

優希「ウチはみんなスタンドプレイに走ってるから学校のために、とかないなぁ」

咲「うわ、さすが世界ランカー集めてるトコは違うね」

優希「......って言うと、すごいストイックな感じするじぇ」


優希「でも、みんなが一番を目指してるから、それでシンパシーみたいなのはあるんだじぇ」

咲「意識高そう」

純「あっちでも上手くやってるようで、安心したよ」


673: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:49:13.87:WRqR40/vo (6/12)

優希「ノッポ」

純「送り出した側としてはな。しかし......」

純「年上に対する礼儀は、あいかわらず仕込まれてないみたいだな」


優希「ノッポさん」

純「違う、そうじゃない」


明星「お待たせいたしました。私が最後ですね」

純「よし、揃ったな。じゃあ......」

優希「始めようか」

咲「うん」


恒子「各校、先鋒の選手が席に着きました」

恒子「起親は臨海女子の片岡優希」

健夜「片岡選手は、起親になる確率が非常に多いですね」

恒子「先行逃げ切りが得意な片岡選手。スタートダッシュでどこまでいけるのか」

健夜「......時間です」


恒子「日本一強い高校を決める戦いの火蓋が今......」

ビイィィィィッ

恒子「切って落とされました!」


674: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:49:56.47:WRqR40/vo (7/12)

インターハイ女子団体戦 決勝戦
先鋒戦 前半
東一局 親:片岡優希(臨海)


優希(む......)

咲(へぇ)

オ オ オ オ オ オ

明星「............」

純(いきなりかよ!?)


純(片岡は想定内だが、コイツ......永水の、初っ端から出してくるのか)

純(すこしは出し惜しみとかしないもんかね)

チャッ チャッ

純(ほいきた。実際にやられるとウゼェな)


恒子『石戸選手の手には索子が、他の選手には筒子と萬子が集まっています!』

恒子『絶一門状態!』


優希(まずは字牌を整理して)
打:發

明星「ポン」

優希「!?」


恒子『門前を捨てて鳴いた! これはまさか......?』


675: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:51:29.33:WRqR40/vo (8/12)

優希(索子で染めて發ポンって)

タン

純「ポン!」

純(わかりやすいぜ。流れを変えたいとこだが......)

明星(よし、これで)タン

咲(索子があふれた......しかも赤五)

純(無理かよ)


明星(もうちょっと......)

純(そろそろ一向聴、ってとこか?)

純(永水の動きも気になるが......どうした?)

優希「............」

咲(優希ちゃんがここで様子見、なんてないよね)


咲(カン材......)チラ

咲(次巡でカンして嶺上ツモ)

明星「............」タン

ゾクッ

純(ッ!? 今ので張ったか......!)


恒子『キター! これは、とんでもないことになりました!』

恒子『決勝戦最初の局で役満、緑一色テンパイーッ!』


676: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:52:36.50:WRqR40/vo (9/12)

純(間に合うか......?)タン

咲(ギリギリだったね。その前に、私が和了るんだから)


優希「ツモ」


明星「えっ?」

パラッ

優希「1300オール」


咲(張ってたの? いつから......)

優希「まずは1本」チャッ

純(テンパイの色が全然見えなかった。役満のオーラに当てられてたってか?)

明星(潰されちゃったかぁ......惜しい!)


恒子『これは臨海の片岡選手が阻止! 親番を簡単には譲りません!』

健夜『片岡選手にしてはおとなしい立ち上がりですね』

恒子『そうなんですか?』

健夜『門前での高火力と鳴きの速攻、この2つのスタイルを使い分けるのが有名ですね』


恒子『そのわりには、そんなに高い点数ではありませんが』

健夜『今の和了は、石戸選手の役満を警戒した和了だと思います』

健夜『リーチをかけなかったのも、待ちを寄せたり柔軟に対応できますし』

恒子『へえ。さァ、始まりました。東風王者の連荘!』


677: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:54:35.26:WRqR40/vo (10/12)

東一局 1本場
親:片岡優希(臨海)


優希「ロン。3900の1本場は4200」

咲「はい」

純(まただ。一切の気配を察知させずに和了った)

咲(臨海に行って、新しいスタイルを身につけたのかな?)

優希「2本場」ダン

咲(そっか。今は東場......)

咲(優希ちゃんのテリトリーだ)


明星(リーチをかけずに安手で和了り続けるならば)

明星(毎局メンチンツモを狙える私は一撃で追いつける)

明星(連荘してくれるだけチャンスが増えて、ありがたいよ)



東一局 2本場
親:片岡優希(臨海)


優希「ロン」

咲「はい」

純(リーチせず、鳴きもせずにダマで通す......)


恒子『またまた片岡選手の和了、これで3連荘!』

恒子『王者の快進撃はまだまだ継続中!』


アレクサンドラ「調子イイようで安心したわ」

ハオ「しかし何故、優希はリーチしないのでしょうか」

ネリー「ハオみたい」

ハオ「リーチに制限をかける事で、なにかしらの能力が?」


678: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:56:31.20:WRqR40/vo (11/12)

アレクサンドラ「東場でのユーキの火力は非常に強力だけど」

アレクサンドラ「ソレも通用しない相手が、上には居る」

アレクサンドラ「そういう相手に対抗するための新しいスタイルさ」

ハオ「やはり」

明華「連荘してますし、これも攻撃的なスタイル?」

ネリー「どっちつかずに見えるけどね」


明華「監督はそのへん、なにか知りませんか?」

アレクサンドラ「あぁ......うーん」

ネリー「シュヒギムってやつ?」

アレクサンドラ「アレはユーキが自主的に開発したやつだから、私も詳しくは知らんのよ」

ネリー「なーんだ」


アレクサンドラ「聞いたところによると、サトハに色々と仕込まれたらしいわ」

明華「ああ」

ハオ「たまにお邪魔しているらしいです」


ネリー「お茶菓子食べれるし、おみやげもらえるもんね」

ハオ「アナタもですか」


679: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月14日(月) 23:58:04.99:WRqR40/vo (12/12)

咲(カン材......タイミングが顔に出てるのかと思ったけど)

優希「チー」カシャ

咲(ズラされる)


咲(山はノールックでツモってるのに......表情で判断してるんじゃなくて?)

咲(別のナニカを見てる、見えてるのかな)

明星「リーチ」

チャ

明星(リーヅモメンチンドラで倍満確定!)

優希(曲げた、か......)


優希(自分だけは、確立された支配の中で麻雀を打ってると、そう思ってるんだろう?)

優希(ひとつの色で染め上げられて、他の色の余地もなく)

優希(だが)

チャッ

明星(あ......)
ツモ:東


タン

優希「ロン」

明星(掴まされた......!)


680: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月15日(火) 00:00:04.43:6rb7mt31o (1/5)

恒子『4連続和了ーッ! この勢いは誰も止められない!』

健夜『派手さはありませんが、着実に相手の和了を潰していますね』

健夜『親ですから、堅実な和了を重視しているのでしょう』


明華「今のは」

アレクサンドラ「そういうこと」

ハオ「どことなく、ネリーにも似ていますね」

ネリー「そう?」


咲(卓に意識が通らないわけでもなく、妨害されているわけでもない)

咲(かといって、普通に打っても追いつけない)

咲(だったら......)



東一局 4本場
親:片岡優希(臨海)


咲「ポン」

純「ポン」

咲「チー」

純「ポン」

咲「チー」

純「ポン」

咲「ポン」


優希(またコレぇ!?)


681: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月15日(火) 00:01:16.48:6rb7mt31o (2/5)

恒子『おぉーっと! ここでチャンピオン宮永咲、裸単騎!』

恒子『龍門渕の井上選手も3副露で追いかける! これは速攻で親を流す作戦か!?』


純「チー」カシャ


恒子『追いついた! これで3人テンパイ、誰が先に和了るのか!?』

恒子『あ、でも宮永選手は役無しですね』

健夜『そうですね』


純(こんだけやりゃ十分だろ)
5/六六六//八八八888/678
待ち:5

優希(むむむ......)
一二三七八九23444中中
待ち:中・1・4

明星(うっわ、ツモ飛ばされすぎ。手が全然進まないよ)
1123445(5)7999南

咲(............)
1/二二二/三四五/三四(五)/999
待ち:1


明星(......裸単騎)

明星(わざわざ防御薄くしてまで鳴く意味なんてあるのかな)

チャッ

明星(ん......)
ツモ:中


682: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月15日(火) 00:02:51.66:6rb7mt31o (3/5)

明星(一応、ね)タンッ
打:1


恒子『おっと、ここは離しませんでした』

健夜『いい判断です』


純(これだけ撹乱すれば、変な真似できないだろ)

純(ま、普通に打って当たるって可能性もあるが......)

咲「カン」

純「お」


ドッ

咲「ツモ。嶺上開花・赤1」

咲「800・1600の4本場は1200・2000です」


恒子『決まったーッ! 嶺上開花!』

恒子『臨海片岡の連荘にストップをかけたのは、インハイチャンプ宮永咲!』

健夜『ようやく東二局に進めますね。臨海以外には、この局は長く感じたと思います』


純(普通なんて無かった......)


683: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月15日(火) 00:03:58.75:6rb7mt31o (4/5)

東4局
親:井上純(龍門渕)


優希「ツモだじぇ! 2000・4000!」

純「ほらよ」


恒子『さぁ、ついに南場に突入!』

恒子『3局続けて片岡選手の和了。臨海の圧倒的リードで迎えます』

健夜『ここからの活躍で、どこまで追いつけるかがポイントですね』

恒子『トップを狙う3校の逆襲がいま......』

恒子『............』


健夜『......?』

恒子『............』


恒子『......はじまる!!』

健夜『溜めたねぇ』


684: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月15日(火) 00:05:44.54:6rb7mt31o (5/5)

今日はここまで
アニメ4期やんないかなぁ
咲日和でもいい


685:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月15日(火) 00:09:29.52:jugL51YRo (1/1)

おつよー

熱い戦いが始まるのか...?


686:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月15日(火) 00:17:30.20:l3N9Zy+LO (1/1)

乙です


687:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月15日(火) 05:58:26.07:4A7Mdm0no (1/1)


咲さんだもんな
どこからでもリンシャン出来るよなそりゃ
......普通なんてなかった


688:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月15日(火) 07:09:26.83:gRzUrfuSO (1/1)

乙ー
咲日和のアニメ確かに見たい


689:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月15日(火) 22:32:32.97:2jwEzdeBo (1/1)

乙です


690: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:34:16.04:e5gyZl26o (1/13)

こんばんわ

パウチカムイもいいけど、ムロの出番あってびっくりしました。わーい
なんか丸くなってたです


短いですが投下します。今年最後


691: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:35:10.56:e5gyZl26o (2/13)

純「ツモ。2000・4000」


恒子『南場、最初の和了は龍門渕井上選手』

恒子『あっさり親番、流されちゃいましたね』

健夜『南場は防御に徹するのが、片岡選手の方針ですから』



前半 南二局
親:石戸明星(永水)


明星(それじゃあ、この南場でガッツリ稼いじゃおうか!)

純(さっきはずいぶん素直に和了らせてくれたな......なら、もっと高い手狙っときゃよかったわ)

明星(ってか私、いまだ和了れてないじゃん!?)

明星(いつでも倍満を狙える......けども)

ダンッ

咲「カン」

明星(なぁっ!?)

ドッ


咲「ツモ。嶺上開花のみ、400・700」


ワアァァァァ

恒子『決ィまったー! 嶺上開花! インハイチャンピオンの反撃が始まる!』


明星(暗槓かぁ、びっくりした......あ)

明星(親......)


692: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:36:04.89:e5gyZl26o (3/13)

前半 南三局
親:宮永咲(白糸台)


優希(咲ちゃんの親番......)

優希(永水は、きっと字牌に過敏だろうし期待できない)

純(ふーん、合わせて動いてくれるの?)

純(オレが南家だったら、もうちょっとアシストしやすいんだけどな)

純(でも西家よりマシか)

優希(いや、油断せずガードを固めよう)


優希(5順目。まだ誰もテンパイ気配は無い)タン

咲「カン」

優希(なに!?)

カシャッ


咲「ツモ。嶺上開花、2400です」ドッ

優希(うあ......考慮してなかったじぇ)

咲「1本場」


純(この絶一門状態......なにをしても、発揮したら最後まで続いていたな)

優希(さらに生牌の危険度は激高ときたもんだ。これはキビシーじょ)


693: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:37:15.12:e5gyZl26o (4/13)

純(孤立しててもなかなか切れない牌が多い......)

明星「............」タン

純(それは、相手も同じか)


明星(うーん、守りに徹すれば最強なんだけど)

明星(そう何度も責任払いなんて無いと思うし......無いよね)

咲「カン」バンッ

明星(また暗槓!?)

ドッ

咲「ツモ。嶺上開花」

咲「1600オールの1本場は1700オールです」

明星(こっちがツモに影響を与えているせいで槓子が集まりやすくなってる、とか?)



前半 南三局 2本場
親:宮永咲(白糸台)


咲「リーチ」チャッ

明星(曲げた......)

純(攻めてくるじゃねえの)

優希(打点上げてきたじぇ)


純「チー」カシャ

優希(一発消し、ご苦労さまです)


694: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:38:16.77:e5gyZl26o (5/13)

誠子「咲がリーチなんて珍しいな」

淡「飜数上げてかないとだもんね」

尭深「打点を高くするため?」

淡「だろうね。テルは符で調整してたけど」

誠子「咲の場合、ほとんどの和了が嶺上開花だからアガリ符が......」


誠子「それに、永水のせいで三色つくれないし」

淡「ドラは臨海に持ってかれるし」

尭深「龍門渕の人も、染め手を意識させる鳴きするから」

誠子「なかなかに縛りのキツイ卓だな。でも」


誠子「そんなまでして、宮永先輩の真似しなくてもいいと思うんだけど」

尭深「すこし、気負ってるのかな?」

淡「どうだろ」



咲(一発消しが入るのは予測してたよ)

咲(その読みの上を行く。嶺上開花だと一発付かないもん)

咲(次巡でカンして......)


優希「カン!」

咲「えっ!?」


優希(鳴いてコースを変えてもゴールに着いちゃう。ならば......)

優希(ゴール自体を潰せばいい)


695: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:39:29.03:e5gyZl26o (6/13)

恒子『なんと、防御一辺倒だった片岡選手が南場で動きを見せた!』

健夜『めずらしいですね』

恒子『あれだけ嶺上開花でてるし、自分も乗るしかない。みたいな感じですかね?』

健夜『いやいや......だとしたらノリ軽すぎでしょ』


恒子『では、この鳴きはどういう事なのでしょうか?』

健夜『相手の当たり牌を先に掴もうという考えだと思います』

恒子『宮永選手は嶺上開花をよく決めますが、第二、第三嶺上牌でも和了ってきますよ?』

健夜『それは、最初に自分でカンした場合ですね』


咲(......とられた)

純(2人の手牌が大人しくなった)

優希(きっと、もう咲ちゃんは動けない......私も役無しになっちゃったけど)

咲(あとは、普通に打ってくしかないのかな)

咲(もしくはカンして警戒させてみたりとか)


咲(それでオリさせる事、できるかな?)

純(さっきカンされた時の表情、ありゃガチで不意打ち喰らったっぽいな)

純(つーか『えっ!?』って言ってたし)

純(チャンスみたいだがここが攻め時? いや、それでも親リー相手だ)

純(それに、永水は......)チラ


明星(チャンピオンがリーチで臨海がカン!? ど、どっちも高そう......)アタフタ

純(あ、いけるっぽい)


696: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:41:31.83:e5gyZl26o (7/13)

誠子「これはちょっと......」

淡「あーあ、慣れない事するからだよ」



純「ポン」

カシャッ

咲(止められない? カンすればズラせる?)

明星(染め手を狙ってるみたい......こっちも高そう)

優希(............)

チャッ

咲(あ......)

純(ほいきた)


純「ツモ! チンイツ・ドラ3、2本場で4200・8200!」

明星(倍満......!)

優希(カンドラくらい、くれてやるじぇ)


恒子『倍満炸裂! チャンピオンの連荘をストップしたのは龍門渕、井上純!』

健夜『各選手の思惑が交差した局でしたが、上手く流れに乗りましたね』


咲(通用しなかったかぁ......)

咲(お姉ちゃんの真似してみたけど、本質は、そう変わらないや)


697: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:42:46.71:e5gyZl26o (8/13)

後半 南二局
親:石戸明星(永水)


恒子『さぁ、後半戦も南場に入りまして、先鋒戦も終盤に差し掛かりました』

恒子『親は永水女子の石戸明星選手。片岡選手と宮永選手に押され気味なのでしょうか』

恒子『後半戦では、未だ動きがありません』



3巡目


純(さて、ここらで追い込みかけないとな)

明星(あらかた字牌は処理してるかな? よし)


明星(......今だ!)ゴォッ

オ オ オ オ オ オ

優希(え、ここで?)

咲(って事は、次のツモからは......)


明星(休憩時間に祓ってもらってよかった。こうかはばつぐん!)

純(クッソ、どれか一色は捨てないといけなくなった)


純(面子になってない搭子なんかは、完全に死んだ。対子なら雀頭にできるが......)

優希(まずはどの色に偏ってるか、見極めないと)

咲(筒子......じゃあ、どっちを捨てようか)チャッ

タン

純(宮永は索子切りか)チャッ

純(おっと、残念だったな)タン

優希(正解は筒子・索子か)

咲(裏目......)


698: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:44:48.03:e5gyZl26o (9/13)

恒子『石戸選手の手には、萬子が集まっています!』


明星(ふんふむ)

明星(チンイツ・ピンフ・イーペーコー、おまけにドラが3つで11飜)

明星(という事はつまり......)


明星「リーチ!」

明星(こういう事よね!)


恒子『石戸選手リーチ! ツモで数え役満!』

恒子『本日2回目の役満チャンスだー! ツモるのか、ツモらないのか......?』


純(まーたヤバそうなのが......)

咲(うぅ、まだ萬子処理しきれてないよ)

優希(よりによって親番でなんて)


明星(役満和了ってもまだマイナスだけど)

明星(姫様に繋げるために、少しでも多く点を残したい)

チャッ

明星(わぁ)


明星「ツモ! 16000オールです!」バンッ


ワアアァァァァ

恒子『どっちなんだい!? ツモったー!!』


明星(よっし! これで差が縮まった)

優希(鳴いてもズラせなかったのか?)

咲(絶一門は崩せないんだよね)

純(2〜3巡は延命できたかもな)


699: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:46:37.76:e5gyZl26o (10/13)


ビイイィィィィッ

恒子『先鋒戦終了ーッ!』

恒子『インハイチャンプと東風王者が激突した、実に激しい戦いでした』


恒子『結果は、臨海女子が1位で通過。僅差で白糸台高校が2位に着きました』

恒子『3位龍門渕高校、4位が永水女子。どちらもまだまだ逆転のチャンスはあります』

恒子『それでは、小鍛冶プロ。振り返ってみていかがでしたか?』

健夜『そうですね。前後半を通して、片岡選手は自分らしい打ち方をしていました』


健夜『ペースを保って安定していましたが、やはり隙が大きいですね』

健夜『宮永選手は前半すこし乱れていて、そこを他の選手にもっていかれた印象です』

健夜『石戸選手の役満には驚かされましたが、挽回には及ばず』

健夜『龍門渕の井上選手は、地味ながらも堅実に点を稼いでましたね』


恒子『日本の高校生へ、世界の小鍛冶プロからでした。ありがとうございました!』

健夜『な、なんかいやらしいし、嫌味クサイからやめてー!?』



優希「咲ちゃん」

咲「あ、優希ちゃん。お疲れ様サマ」

優希「おつー。なんか最初の方、様子違ったみたいだったじょ?」

咲「あはは......ちょっとね」


700: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:48:37.03:e5gyZl26o (11/13)

優希「チーム的にはかまわないんだけど」

優希「どうせなら絶好調のコンディションでやり合いたかったじぇ」

咲「ゴメンね、変なトコ見せちゃった」


咲「なんか最近、自分に自信持てなくて。だから自分らしくない事してみようかなって」

優希「クヨクヨしちゃイカンじぇ! なんだ、男の一人や二人!」

咲「でも、やっぱり気にしちゃうよ......」

優希「............」

咲「な、なに?」


優希「こんなに見事にカマに引っかかるとはな」

咲「ええっ!?」


咲「ちょま......ええ......」

優希「咲ちゃんって、けっこう引きずるタイプ?」

咲「うぅ......そうかも。自分でも思ってもいなかったよ」

咲「ゆ、優希ちゃんこそ、どうなの?」

優希「私か? 私は清澄を離れる時に全て覚悟を決めてケリつけたからな!」


咲「そっか。すごいね」


咲「私は、いろいろ整理してこないで来ちゃったから」

咲「っていうか、全然自覚とか無かったし」

優希「おおう、それはそれで......」

咲「別に、気付かないフリ出来ないわけじゃないけど」


咲「それは変に遠慮してるみたいで、イヤ」


701: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:49:37.37:e5gyZl26o (12/13)

咲「一方で、納得できてない自分もイヤだ」

優希「うーむ......わからなくもないじぇ」

咲「まぁ、結局は私のワガママなんだけどね」


優希「そっか。しょうがないから全力咲ちゃんは個人戦に期待するじぇ」

咲「うん」


優希「さて、それじゃあマスコミの出待ちもあるし、さっさと行きますか!」

咲「そうだね。どうしよ、絶対なんか言われるよ......」

優希「いつもの営業スマイルでいけばいいじぇ」


咲「苦しい試合でしたけど、皆さんの応援のおかげで頑張れました! ありがとうございます!」キラキラ

優希「うわぁ......」

咲「............」キラキラ

優希「わぁ......」


咲「自分で言っておいて!」キラキラ

優希「ご、ごめんなさい」


702: だいやまーくpyIN0e.HV2:2015年12月31日(木) 21:50:39.33:e5gyZl26o (13/13)

今年はここまで
よいお年を


703:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月31日(木) 21:58:37.61:uM/SjcFco (1/1)

乙です


704:以下、2016年まであと418秒。。。:2015年12月31日(木) 23:53:02.85:LuoBAKybo (1/1)

乙ー


705:以下、2016年まであと236秒。。。:2015年12月31日(木) 23:56:04.72:E5/cmMOio (1/1)




706:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月01日(金) 06:50:27.12:405MgzJKo (1/1)

おつー

そこらへんは姉譲りか...


707:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月05日(火) 20:26:43.95:Wg76+q/UO (1/1)


咲さんの猫被りすごい


708:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月07日(木) 00:27:20.15:gKUMwDfZ0 (1/1)

保守


709:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月07日(木) 08:25:53.53:7a6q+aiwo (1/1)

乙です


710: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:10:54.05:8i7P+keCo (1/12)

こんばんわ

お気に入りのマグカップ割れるとへこむよ
マジでろくでもない

投下します。短いです


711: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:12:17.62:8i7P+keCo (2/12)

インターハイ女子団体戦 決勝
副将戦 後半
東一局
親:亦野誠子(白糸台)


誠子「ポン」カシャッ

透華(3副露......ですか)


透華(おそらくテンパイもしているはず。普通であれば、警戒レベルを上げてオリも考慮しますが)

透華(抱える牌が少なければ、そのぶん事故る確率も高いのですわ!)

透華(さぁ、お出しなさい!)

誠子「............」

チャッ


誠子「ツモ。1300オール」バシッ

透華(くっ......)

誠子「1本場」


誠子(準決勝のような、あの異様な雰囲気は......まだ出てこないか)

誠子(アレ、やりにくいんだよなぁ)



咲「亦野先輩、私と違って調子いいみたい」

淡「先に自分で言っといてガードするの無しだよサキー?」

尭深「不安なのが、準決勝でみせた......」

咲「冷えたりゅーもんさん。まだ出てきませんね」


712: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:13:12.59:8i7P+keCo (3/12)

淡「ま、今のところ圏内だし、すこしくらい失点しても私がなんとかするけど」

咲「決勝だよ?」

淡「決勝だからだよ」


淡「昨日の準決は2位確でキメちゃって、全然いいとこ見せらんなかったし」

尭深「淡ちゃんにしては、めずらしかったよね」

咲「天敵がいましたから」

淡「べ、べつにそんなんじゃないし、お腹へってたから早く終わらせたかっただけだし!」


淡「今日も最初からクライマックスで。トバせるならトバす」

淡「邪魔する奴もいないしね」

咲「強気だ」

淡「挑戦者の気持ちで挑みたいと思います」

尭深「謙虚だ」



恒子『連続ツモー! またまた白糸台の亦野選手! 次々と当たり牌を釣り上げていきます!』

健夜『さすが鳴いてから速いですね。ただ、打点が低さが目立ちますけど』


純「透華のやつ、めっちゃイライラしてんな」

一「うん、思いどおりに運べないみたい......」

智紀「デジタルと相性、最悪」

純「白糸台?」

智紀「そう」


713: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:14:03.31:8i7P+keCo (4/12)

純「3副露したら5巡以内に当たり牌を引くんだっけ?」

智紀「たとえどんなに確率が低くても、純カラでない限りは」

一「竹井さんみたいだね」

智紀「あれも相性が悪い」


純「だが、発動させるには鳴かなきゃいけない」

一「それである程度、欲しい牌は見当つくけど」

智紀「止められるかどうかは別」

純「3副露する前に、オリさせればいいんだろ?」

一「この人、オリる時の放銃率が高かったよね」

智紀「あとは」


純「そもそも鳴かせない、とかか」

一「うん......」


智紀「やっぱりイヤ?」

一「まあね」

純「つっても、こうなったら止めらねえぞ? 白糸台も、透華が冷えるのも」

一「わかってる。これはボクのワガママだから」

智紀「大丈夫。まだそうなると決まったわけじゃない」

純「透華だって、自分のスタイルで打って勝ちたいって思ってるからな」


恒子『3連続ツモーッ!』

ワアアァァァァ


一「透華......!」


714: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:14:46.56:8i7P+keCo (5/12)

後半 東一局 2本場
親:亦野誠子(白糸台)


透華(ダマで6飜、裏ドラ期待で倍満ですが待ちは良くない。でも......)

透華(決勝が始まってから、未だいいとこ無し)

透華(ここで攻めないのは私じゃありませんわ......!)

透華「リーチ!」チャッ


湧「ロンです!」

透華「なぁッ!?」


恒子『親の連荘をストップをかけたのは、永水の十曾選手』

恒子『龍門渕選手は、やや無謀なリーチだったか?』


透華「ぐぬぬ......」

透華「............」

ピシッ

誠子(っ......!? このカンジ......)



一「あ......」

純「スイッチ入っちゃった」

一「あぁ......」

智紀(控室も冷えてきた)


715: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:15:54.90:8i7P+keCo (6/12)

後半 東二局
親:十曾湧(永水)


湧(これが、巴さんが言ってたやつ)

誠子(きたか......)

湧(場の空気が変わった。まるで、神様を降ろした時みたいな)

湧(圧倒的な支配......!)


透華「............」

ヒュオオォォォォ

誠子(前半では、アドバンテージ持ってたから稼げたけど)

誠子(龍門渕がこうなると厄介だ)

誠子(せめて鳴けたら......)


タン

透華「リーチですわ!」ドォッ

誠子「!?」



一「透華......?」

純「へぇ、アイツ」

智紀「自分を保ててる」


恒子『龍門渕選手またもやリーチ! 果敢に攻めていきます!』

誠子『ポン!』カシャッ

恒子『ここは一発消しが入りました』

健夜『上手くカットできましたね』


716: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:16:44.64:8i7P+keCo (7/12)

誠子(これは、あの時とは違う......のかな?)

透華「ふふん」ドヤァ

誠子(龍門渕もなんか自信ありげというか、冷たい感じがしない)

誠子(まだ何かあるのか? でも、動けるんだったら......)


誠子「ポン!」

誠子(自分のスタイルを曲げる理由は無い!)

透華(よろしくてよ......)

湧(あれ? さっきまでの緊張感が......雲散した? )


恒子『亦野選手2副露! まだまだ攻める手を休めません!』


透華(好きなだけ、せいぜいお鳴きなさいな)

誠子「ポン!」

カシャッ

誠子(追いついた!)

湧(うわっ......速い。注意が龍門渕に向いてる隙にもう3副露)


透華(相手の準備を出来あがらせて)

チャッ

透華(なおかつ和了る!)カッ


透華「ツモ!」


717: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:19:05.94:8i7P+keCo (8/12)

透華「3000・6000!」

ワアアァァァァ

誠子「くっ......」


恒子『二度目の正直! 跳満ツモで取り返した―!』

恒子『前半ではあまり動きのなかった龍門渕選手、後半では積極的な姿勢を見せています』

恒子『そして迎えた親番です!』


透華「ふふふ」

透華(私......サイッコーに目立ってますわ!)

透華「さァ、私の親番を開始しますわよ!」




ハギヨシ「衣様、そろそろ時間でございます」

衣「......ん」

ハギヨシ「どうかされましたか?」

衣「刹那に感じた波動......今はもう感じないが、トーカではないのか?」


衣「試合の状況はどうなっている」

ハギヨシ「現在トップは白糸台、次いで臨海女子、龍門渕、永水」

ハギヨシ「東三局、透華様の親番です」

衣「ふーん......」ヒョイ


衣「トーカ、楽しそうだ」


718: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:19:58.67:8i7P+keCo (9/12)

ガチャ

透華「ただいま戻りましたわ!」

一「透華!」

ギュウ

透華「あらあら」

純「お疲れさん」

智紀「おかえり」


透華「申し訳ありません。あまり稼げませんでしたわ」

一「ううん、そんなことない」

純「透華らしいプレイングでよかったんじゃね?」

智紀「アレはちょっと驚いた」

純「そのまま冷たい透華になるのかと思ったわ」

一「ボク、すっごい心配したよ」

透華「私達5人で一緒にって、言ったでしょう?」


透華「勝ち負けより自分らしさを優先いたしましたの!」

一「さすが透華だね!」

透華「そうでもありますわ!」


純「しっかし、差ぁ開いたな」

透華「うっ......あ、あとは衣に託しますわ」


719: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:20:47.65:8i7P+keCo (10/12)

決勝戦専用特別対局室


小蒔「みんなと一緒は最後のインターハイ」

小蒔「全力以上で当たらせてもらいます」

衣「強き者と麻雀を打つ。衣のこの願いは既に果たされている」

衣「あとは、土産を貰っていくだけだ」

淡「ま、誰にでも負けらんない理由ってあるよね」


淡「そもそも負ける気なんてさらさら無いし」

淡「ココまできたら勝つしかないんだ」

ネリー「まーね」


ネリー「相手がどんな覚悟で参加してるとか関係ないもん」

ネリー「なんにしろ潰すし」

衣「然もありなん」


衣「舌戦はここまで。あとは......」

淡「麻雀で決着付けようか」



恒子「インターハイ女子団体戦決勝、大将戦が開始されます」

恒子「泣いても笑っても、残された局数は半荘2回」

恒子「まもなく決着です!」


720: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:21:58.45:8i7P+keCo (11/12)

恒子『王座奪還を狙う白糸台!』

恒子『前大会覇者、臨海女子は防衛できるのか!?』

恒子『永水女子、龍門渕高校も諦めていません。誰もが優勝を狙っています!』


霞「さて、ついに小蒔ちゃんの出番ね」

巴「ローテの調整もバッチリです」

初美「ちょーっと点差がありますけど、姫様なら大丈夫ですよー!」

明星「申し訳ないです......」

湧「右に同じく......」

春「............」ポリポリ


ゴゴゴォ


湧「おっと」

巴「寝ましたね」

霞「寝たわね」

初音「ではでは、見守るとしましょうか」


721: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年01月15日(金) 22:26:40.52:8i7P+keCo (12/12)

今日はここまで

次で団体戦終わらせたいです


722:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月15日(金) 22:45:51.33:h0efkjtYo (1/1)

乙ー


723:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月15日(金) 23:08:01.00:eoJHL76DO (1/1)

乙です


724:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月15日(金) 23:58:18.58:ozmi+tOfo (1/1)

オツカレー


725:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月16日(土) 00:38:46.76:NR6uMyOfo (1/1)

乙です
面白かった


726:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月18日(月) 11:16:48.34:dP2ICHr/O (1/1)


龍門渕が主人公に見えてきた


727: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:40:42.31:jOIW9fBJo (1/20)

こんばんわ
立-Ritz-単行本化とか考慮しとらんよ

シノハユは中学編に入りましたが
咲日和ではまだ小学生のシノハユメンバーが見れるっぽいので安心です

投下します



728: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:42:03.07:jOIW9fBJo (2/20)

インターハイ女子団体戦 決勝
大将戦 後半 南一局
親:大星淡(白糸台)


小蒔「ツモ。6000・12000」

淡「むっ......」


恒子『3倍満ーッ! 永水女子が3位に浮上! そして......』

恒子『この和了で、トップが白糸台から臨海女子に入れ変わりました!』

恒子『2位以下との差が詰まりました! 気が抜けない優勝争いは、ますます加熱!』

恒子『デッドヒートの様相を呈しています!』


ネリー(できれば、ネリーの和了でトップになりたかったなぁ)

ネリー(その方がエンタメ性高いし)


恒子『そして迎えた親番! 臨海女子大将、ネリー・ヴィルサラーゼ!』

恒子『ここで一気に突き放すチャンス!』



大将戦 後半 南二局
親:ネリー・ヴィルサラーゼ(臨海)


ネリー「サイコロ回すよー」ポチ

衣「楽しいな」

ネリー「ん?」

衣「こんなに強い者と麻雀が打てて、衣はとっても楽しい!」


淡「そう。いい思い出できた?」

衣「うむ! だが、それも終焉を迎える。衣が終わらせる」


729: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:43:17.66:jOIW9fBJo (3/20)

ネリー「なに、今からトップ獲るつもりでいるの?」

衣「月が......」

淡「ん? 満月の日は能力が強くなる、だっけ」

衣「ああ、潮の満ち引きの如し。昼より夜、月が昇ればますますだ」

小蒔「............」

衣「衣の真骨頂が見られるんだぞ。何時まで寝ている?」


衣「起きろ」ゴォッ


小蒔「ハッ......!? あ、えっ?」ビクッ

淡(永水の雰囲気が......!?)


小蒔(アレ? まだ試合終わってない......)

ネリー(やってくれたな)

淡「ホラ、早く配牌とってよ」

小蒔「は、はい。ごめんなさい」チャッ

淡(ふーん。シラフでいるのなら敵じゃないね)


小蒔(ローテーションは精密に組まれたはず。それが解かれたという事は、外部からの影響)

小蒔(それほどの脅威。震源地は......)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

衣「ふふん」

小蒔(龍門渕......天江衣さん)


730: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:44:55.57:jOIW9fBJo (4/20)

淡(一向聴地獄のせいで、私の絶対安全圏の意味が薄れちゃって損だよね)

ネリー(拮抗していた支配に穴ができた)

ネリー(パワーバランスが崩れる。勢いを押さえられない......!)

ドッ

衣「ロン! 8000!」

小蒔「は、はい」

淡(当然、そこを狙い撃つか)

ネリー(ネリーの親が......)


恒子『永水女子、神代選手が放銃! 一歩後退してしまった!』

恒子『そして後半南三局、最後の親番!』

恒子『最下位の龍門渕はもちろん、永水女子も攻める以外の選択肢はありません』

恒子『邁進あるのみ!』



大将戦 後半 南三局
親:神代小蒔(永水)


小蒔(このままじゃ逆転できなく、手遅れになっちゃう。どうしよう、いえ......)

小蒔(やるしかない。もう一度......!)スヤァ

オ オ オ オ オ オ

ネリー(またか。でも)


淡(さっきほどの威圧感は無いかな)

衣(まだ抵抗できるのか。ならば......)


衣(さらに足掻いて、もっと衣を楽しませろ!)ゴッ


731: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:48:33.00:jOIW9fBJo (5/20)

湧「姫様、また眠っちゃいましたよ?」

初美「それよりも先程の目覚め、不自然でしたね」

巴「祓われた様な感じがしました」

明星「意図的に起こされた、という事ですか?」

霞「小蒔ちゃん......」



淡(......配牌一向聴)

淡(向こうの支配のが上回ってるってわけ)

淡(リーチできないわけじゃないだろうけど、和了れるかな)

小蒔「............」

淡(永水は親だし、火力よりも安く速く和了れる手を組んでるはず)

ネリー「ポン」カシャッ

淡(臨海も速い。私はどうする?)


衣「リーチ!」

ネリー(ラスト1巡リーチ......)

淡(来る......!)


衣「ツモ、海底撈月」バシィッ


恒子『決まったーッ! 伝家の宝刀、炸裂!』

恒子『他の選手達は、ただただ見守るばかりです!』

健夜『鳴いてズラしてもまた鳴かれて、コースを修正されるのが怖いですね』


恒子『いよいよ、インターハイ団体戦も最終局面!』

恒子『果たして栄冠は誰の手に!? 運命のオーラス、開始です!』


732: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:51:58.39:jOIW9fBJo (6/20)

大将戦 後半 南四局 オーラス
親:天江衣(龍門渕)


衣「海底撈月......!」ドッ


恒子『3連続和了ー! 龍門渕高校、最下位を脱出だーっ!』

恒子『まさに飛ぶ鳥落とす勢いです!』


純「よっし!」

一「やったね衣!」

透華「こうなったらもう、誰もあの子を止められませんわ!」

智紀「油断は禁物」


恒子『勢いを保ちたい天江選手ですが、誰が和了ってもノーテンでもそこで終了です』

恒子『ギリギリの綱渡り状態』

恒子『この細い道を無事に渡りきれるのか?』


ネリー(また和了は海底ツモ。得意技強いな)

淡(うー、リー棒もってかれるとこだった......って)

淡(なにナチュラルに弱気になってんの、私)

衣「1本場!」


恒子『臨海女子は2連覇達成をかけて闘います。白糸台は昨年の無念を晴らすために』

恒子『永水女子もまだまだ諦めていません』

恒子『高い打点の逆転手を狙っています!』


733: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:54:00.63:jOIW9fBJo (7/20)

巴「よりによって、高火力重視の神様ですか」

春「ただでさえ手が遅くなるのに、白糸台の子の影響も......」

初美「でも、ハンパな火力じゃ逆転できませんよー」

霞「むしろこの神様が降りてきてくれて、ラッキーだと思いましょう」

明星「うぅ......早くしないと、トップとの差が開くばかりです」



淡(また配牌が......でも)

淡(リーチできないと和了れない? カンして裏ドラ乗らないと逆転できない?)

淡(他のやつに邪魔されるならまだしも、自分を自分に縛られてたまるか!)

ゴォッ

衣(ふむ、良い気概だ)

ネリー(来るか?)


淡「............」

タン

衣(む......一瞬、煌いたようだが所詮、星屑程度の輝きにすぎなかったか)

ネリー(肩すかしだよ。じゃあ)

ネリー(ネリーが行かせてもらうよ)

ネリー「ポン」


恒子『ヴィルサラーゼ選手、ドラの五萬をポン』

恒子『そして次巡ツモは、またも五萬しかも赤。ドラが集まります!』


ネリー「カン」カシャッ


734: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:55:54.37:jOIW9fBJo (8/20)

恒子『加槓! さぁ、カンドラは......な、なんと!?』


衣「おおー」

淡(ふんっ)

小蒔「............」


恒子『カンドラはまたもや五萬!』

健夜『ドラが重なりましたね。結果的には良い判断でした』

恒子『これでヴィルサラーゼ選手はドラ9! 倍満確定!』

恒子『トップの臨海は、安手でも和了れば優勝です』

恒子『引導を渡すには十分すぎるぞー!』


淡(カンドラ......私への当てつけってわけ?)

淡(私の場合はカン裏だけど)

衣「ポン!」


恒子『鳴き返す!』

健夜『コースイン、ですね』


衣(見せつけてくれるなぁ臨海!)

ネリー(差し込みや安手で終わらせる方法もあるけど)

淡(ドラなんて関係ないとこに、私は居る)

ネリー(そんなシナリオじゃあ面白味ないでしょ)

衣(だが、燦然と輝く月にまで辿り着けるかな?)


小蒔「............」

チャッ


735: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 22:59:58.48:jOIW9fBJo (9/20)

小蒔「リーチ」ドッ

衣(ほう!)


恒子『神代選手リーチ!』

恒子『ツモで逆転できる手です!』

健夜『はたして間に合うんでしょうか』


衣(こちらも高い)

ネリー(思ってたより早く仕上がってたね)



(配牌やツモで、ヤオチュー牌の対子がいくつかあったから、上手く偽装できた)

淡(それにしても、ホントに集まりやすいんだ)

淡(逆か。集まりにくいのか......普通に打ってたらね)

淡(少し前の私だったら、意固地になって張り合うんだろうな)


淡(あれから少しは成長したんだ)

ネリー(......コレじゃない)チャッ

タン

淡(上手くいかない事もあって、負けも味わって)

衣(さぁ、ラスト1巡!)チャッ

タン

淡(泣いたり泣かせたりもして)

小蒔「............」チャッ


健夜『あっ!』

恒子『一発ならず! そしてコレは......!』


タン

淡「ロン!」


淡(それでまた......淡ちゃんはレベルアップ!)


736: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:01:59.63:jOIW9fBJo (10/20)

シュウゥゥゥ

小蒔「......はい」

淡「う、うぅ......」


小蒔(今度こそ決着、ですか)

ネリー「なん......だと......?」

衣「おおぅ!?」

淡「ううぅぅ......よっしゃああああ!!」


第72回全国高校麻雀選手権大会
女子団体戦 結果

優勝:白糸台高校
2位:臨海女子高校
3位:龍門渕高校
4位:永水女子高校


小蒔「ふぅ......優勝、おめでとうございます。ありがとうございました」

ネリー「ありがとうございました」

衣「ありがとうございました」

淡「ありがとうございます。お疲れ様サマでしたー」


ネリー「あーあ、次のツモで和了ってネリーの勝ちだったのに」

衣「右に同じく。しかし、そんな手を張っていたとは......」

衣「お前の手牌、星の瞬き程にしか思えなかったぞ」

淡「ん?」


淡「小さく見える星でもさ、近くに行ったら結構大きかったりするじゃん?」

衣「............」


衣「それもそうだ」

淡「うん」


737: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:02:55.55:jOIW9fBJo (11/20)

衣「でも、もっと打ってたかったなー」

小蒔「楽しい時間というのは短く感じてしまうものです」

淡「いやいや、何連荘する気だっつーの」

衣「行けるとこまで! オーラスで衣がトップになっても和了止めする気なんて無かったし」

淡「やばいねソレ」

小蒔「気持ちはわかります」

ネリー「わかるのコレ」


小蒔「この時間がずっと続けばよかったという想いが、大切な思い出になるんです」

小蒔「惜しい気持ちはありますけど、それがより一層引き立ててくれるんです」

ネリー「ふーん。ワビサビってやつ?」

小蒔「そうですね」


ネリー「それよりも、これでスポンサーにアピールできたのかネリー心配だよ」

ネリー「個人戦は出れないしさ......はぁ」

小蒔「留学生の方は出場できないのでしたね」

衣「衣も出ないがな」

淡「ああ、マスコミとか嫌いらしいね」


738: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:04:13.49:jOIW9fBJo (12/20)

衣「言っておくが、衣が居ないからって長野の代表は決して弱くは無いぞ」

小蒔「鹿児島代表は全員手強いです!」

淡「へぇー、期待しておくよ」


小蒔「では、そろそろ戻りましょうか。みなさん待っていると思いますよ」

衣「おー!」

淡「おー!」

ネリー「お、おー?」



控室 永水女子高校


小蒔「ただいま戻りました」

霞「おかえりなさい、小蒔ちゃん」

巴「お疲れさまでした」

初美「お疲れ様ですよー」

春「......おつかれさま」


小蒔「申し訳ありません。不甲斐ない結果で終わってしまいました」

湧「そんな、私もあまり点数を残せないまま姫様にお任せしてしまって......」

明星「私達がもっと頑張っていたら......」

小蒔「いいえ。どの学校も、本当に強い人ばかりが揃っていました」


小蒔「むしろ決勝戦まで連れて行ってくれて、ありがとうございます」


739: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:05:32.80:jOIW9fBJo (13/20)

湧「うう......姫様ぁぁ」

明星「こちらこそ、ありがとうございます!」


霞「ところで小蒔ちゃん、二度寝したけど大丈夫?」

小蒔「はい。特に、体調に問題はないと思いますけど」

春「明日から個人戦」

巴「念のため、今日のところは早くお休みになられた方がいいでしょう」

小蒔「わかりました」



控室 臨海女子高校


ネリー「ただいま」

アレクサンドラ「おう、お疲れさん」

明華「おつかれさま」

ハオ「お疲れ様です」


優希「お帰りだじぇ。ラスト、ギリギリだったな」

ネリー「最後の最後にやられちゃったよ」

ハオ「それまではペース作ってて良かったですよ?」

ネリー「いい感じにリードできてたんだけどねー」


明華「でも、まさかあんな隠し玉があったなんて......」

アレクサンドラ「特殊な状況だったから個人戦では出ないだろうけど」

明華「そうなんですか?」


740: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:07:04.14:jOIW9fBJo (14/20)

アレクサンドラ「ああ、どうもアマエ以外の手には国士が入りやすくなるらしい」

ハオ「オーラスまで、そのような兆候は見られませんでしたが」

ネリー「エイスイが起きたから、場の流れがおかしくなったんだよ」

ネリー「それまでリュウモンブチの支配を押さえつけてたのが急になくなって」

ハオ「でも、アナタなら上手く対応できたんじゃないんですか?」

ネリー「まあね」


アレクサンドラ「どうせ、逆転勝ちした方がおいしいとか考えて点差抑えてたんだろ」

明華「また悪いクセですか」

ネリー「うっ......」


優希「おまえはスポンサーを意識しすぎだじぇ!」

ネリー「だ、だって」

優希「それで負けちゃったら元も子もないだろ!」

ネリー「ゴメン」

優希「でもまぁ、安心しろ。個人戦でカタキはとってやるじぇ」キリッ

ネリー「ユーキ......」


ネリー「別にユーキが勝ってもネリーの評価が上がるわけじゃ......」

優希「全然反省してないな!」


明華「世界ランクに関わってない大会だからよかったものの」

ハオ「足元をおろそかにしていい理由にはなりませんよ」

アレクサンドラ「こっちはこの大会が本業なんだけどねぇ......」


741: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:08:00.21:jOIW9fBJo (15/20)

控室 龍門渕高校


衣「いま戻ったぞー!」

透華「お帰りなさい」

一「おかえり、衣」

智紀「お帰りなさい」

純「お帰り。惜しかったな」

衣「うん。でも、衣はすっごく満足してる!」

純「そっか」

一「モニターで見ててもわかったよ」

透華「楽しめたのならば、なによりですわ」


智紀「私達の夏も、これで終わり」

一「だね」

衣「長かったような短かったような......走馬灯のように巡り巡る」

純「つい十数分前のことだけど」

透華「今は、余韻に浸るのも悪くないのでは?」


純「それは戻ってからにしようぜ。オレもう腹減っちまった」

智紀「賛成」

一「打ち上げだね」

透華「そうと決まればパーッとやりますわよ!」


742: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:08:52.88:jOIW9fBJo (16/20)

衣「ハミレス行きたい!」

純「いいのか? ファミレスで」

衣「ハンバーグエビフライが食べたいの!」

純「はいはい。タルタルたっぷり盛ってやんよ」


智紀「完成......これで全員分」カタカタ

透華「あら、決勝戦の牌譜を作ってくれてましたの?」

智紀「今日の試合、いろいろと課題ができた」

透華「そうですわね。改善点もまだまだありそうですわ」


透華「では、打ち上げは反省会も兼ねることにしましょう」

純「メシ食ったあとでならいいけど」

透華「食事中に持ち込むなんてヤボな真似はいたしません」


衣「はやく行こうよー」

一「ボクもすっかりお腹ペコペコだよ」

透華「ふふっ。そんなに急がなくとも、エビフライは逃げたりしませんわよ」



控室 白糸台高校


ガチャ

照「みんな! 優勝おめで......」

シーン

照「............」


照「いない......」


743: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:09:45.62:jOIW9fBJo (17/20)

決勝戦専用特別対局室


誠子「ホラ、そろそろ泣きやみなよ」

尭深「うん......うん、ヒック......」


咲「インタビューの方は、もうないかな?」

淡「今日の分はおしまい! 写真撮影はもうすこし後になるっぽいね」

咲「渋谷先輩待ちだ」


淡「尭深があんなボロボロ泣くなんて、ちょっとビックリかも」

咲「いつもは物静かだからギャップあるよね」

淡「ギャップ萌え?」

咲「正直かわいいと思うよ。あ、ギャップと言えば亦野先輩もリアクションすごかったよ」

淡「へぇー」


咲「淡ちゃんが和了ったり他の人が和了った時とか『うわあああ!』って叫んだり」

淡「アハハ、実質毎局じゃんか」

咲「まあ、そうなんだけどね」

照「それは見てみたかったなー」


咲「うわ、お、お姉ちゃん!?」

淡「テルー!?」

照「まだ控え室に戻ってないと思ったら」


744: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:11:50.10:jOIW9fBJo (18/20)

誠子「宮永先輩!?」

尭深「ぐしゅ......?」

照「みんなを祝福しに来た」


照「誠子、よく部員をまとめてくれたね。誠子が部長になってくれてよかった」

誠子「みんないい子ですからね。私なんか逆に支えられっぱなしでしたよ」

照「優勝おめでとう」

誠子「はい! ありがとうございます!」

照「尭深も、よく頑張ったね。個人戦も期待してる」

尭深「あい......ありがとござましゅ」


照「咲はもうちょっと自分のやり方に自信を持った方がいい」

咲「はい......」

照「チーム最多獲得点で、優勝に多大な貢献をしたのは評価します」

咲「わぁい」

淡「私は私は?」

照「終始押され気味だったけど、最後よく落ち着いて打ててた」


照「あのメンバー相手に大健闘。はなまるあげる」

淡「えへへへへ。やったー!」


745: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:13:10.78:jOIW9fBJo (19/20)

照「それじゃ、行くね」

咲「え、もう?」

照「うん。まだやる事あるから」


照「それじゃみんな、あらためて優勝おめでとう。個人戦もがんばってね」

淡「まっかせて!」

咲「次こそしっかりやるよ」

尭深「頑張ります」

照「バイバイ」


淡「じゃあねー!」

誠子「それにしても......」


誠子「地区代表が全員ウチのメンバーから輩出されたのが、嬉しいやら悲しいやら」

尭深「誠子ちゃんの分も頑張るから......」


746: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月01日(月) 23:16:47.52:jOIW9fBJo (20/20)

今回はここまで

思いのほか時間かかった団体戦
次からは個人戦です
4カ月ぶりにムロが出てくる......かもしれない


747:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月01日(月) 23:29:02.43:q2I5nSb2O (1/1)

乙です


748:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月01日(月) 23:34:03.14:+rhQCU42o (1/1)


確かに久しくムロ見てなかった...


749:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 00:52:18.73:1IZLQUS3o (1/1)

乙。個人戦スタートかー
ネリーや誠子が見られないのは寂しいが楽しみだぜ


750:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 07:44:12.14:Z/mCMeASO (1/1)

おつー


751:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 21:27:16.50:gSjlj4GH0 (1/1)

乙〜
ムロと京太郎はブラウザから見えないところにいるんだよ......きっと


752:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月13日(土) 02:39:23.07:PpxpXrZK0 (1/1)

乙です。


753:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月14日(日) 17:56:50.59:YWbNmW+mo (1/1)

乙です
面白かった


754: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:16:36.00:CwQ1SB3Ao (1/21)

こんばんわ

5位決定戦楽しみです
真っ先に頭に思い浮かんだのが、揺杏がんばれ超がんばれって事
あと泉にもがんばってほしいです

投下します


755: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:17:58.50:CwQ1SB3Ao (2/21)

インターハイ7日目
宿泊所


ムロ「ただいまです」

京太郎「おじゃましまーす」

まこ「おう、おかえり」

華菜「会場どう? 混んでた?」

京太郎「そうですね。4校とも強豪で有名なとこが揃ってますから」

まこ「優希には会えたんか?」

ムロ「はい。ちょっとだけ、話もできました」


ムロ「花田先輩の方にも挨拶行ってきたんで、本当に一言二言でしたけど」

まこ「ほうか」

ムロ「ちゃんとタコスも渡してきましたよ」

まこ「こっちでもテレビで見とったが、調子ええみたいじゃのう」

京太郎「朝早く作った甲斐があります」


まこ「じゃが、相手も手強いわ。特に永水なんかは」

京太郎「絶一門......」

ムロ「ああ......会場に居たので直に感じたんですけど、かなり強力ですねアレ」

華菜「へぇ、わかるのか」

ムロ「はい。山全体に効果がある能力には、特に」


756: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:19:24.23:CwQ1SB3Ao (3/21)

ムロ「そういう能力とは相性よくないから苦手なんですよ」

華菜「相性?」

ムロ「私の能力だと、せいぜい自分のツモ牌と相手の当たり牌が分かる程度です」

華菜「いや、十分だし......」

ムロ「観測するのは得意だけど、ツモや配牌には影響を与えられないので」


華菜「そういや、文堂もそんな感じの持ってたなぁ」

星夏「はい? 呼びました?」

華菜「呼んでないけど、いいところに来たし」



星夏「はぁ......相手から支配を受けているかどうか、ですか? わかりますよ」

まこ「ほう、こんなとこにも能力持ちがおったんか」

華菜「これでも風越の次期部長だからな!」

星夏「でも、最近気付いたんですけど、コレあんまり意味無いですよ」

ムロ「え?」


星夏「分かるのは能力が発動したタイミングだけで、それがどんな能力かまでは分からないんです」

ムロ「そうなんですか」

星夏「というか大抵の場合、事前に牌譜を見れば分かりますよね」

まこ「ヤツら打ち筋が特殊じぇけぇのう」

星夏「天江さんにしろ南浦さんにしろ、逆に何してるか分からない人の方が少ないですし」


星夏「ホント、室橋さんが羨ましい......」

ムロ「そ、そんなテンション下がらないでください」

華菜「きっとどこかで威力を発揮できるトコがあるって」


757: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:20:59.67:CwQ1SB3Ao (4/21)

京太郎「マジで強い人ほど支配力持ってる気がする」

ムロ「そういう人達の対処って難しいですよね」

華菜「分かっててもやられちゃうしなぁ」

ムロ「やっぱり、同じ全体効果系で対応するとかしないとダメなのかな」

華菜「やられる前にやる。コレしかないし!」


まこ「ほうじゃのう、アガリそうなったら鳴くか差し込むとかすりゃええ」

星夏「普通はアガリそうなタイミングって分かんないですけどね......」

京太郎「集中してゾーンに入れば?」

ムロ「入れません!」


純「流れを読んだりとかは?」

ムロ「それも読めないですよって、来てたんですね」

一「こんにちわ。何の話してたの?」

まこ「アンタんトコの大将みたいなんを、どうやって倒すかっちゅーハナシじゃ」

衣「それはまた興味深い! それでそれで?」

京太郎「実は、これと言って対策が思い浮かばなくて......」


衣「なーんだ」

華菜「露骨にガッカリしたな......じゃあ正解を教えてくれよ」

衣「うーん、そんなこと言われても」

ムロ「やっぱり弱点は教えられないですよね」


衣「衣に弱点なんて無いから教えたくても教えられないんだ。すまない!」

まこ「ようゆうわ」

華菜「ここまでくると、いっそ気持ちがいいし」


758: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:22:09.32:CwQ1SB3Ao (5/21)

智紀「ピーマン食べれないのは弱点じゃないの?」

衣「うっ......!?」

透華「まったく......いい加減、好き嫌いはおやめなさいな」

衣「そ、その話は今は関係ない!」


京太郎「子供の舌って苦味に敏感なんですよね」

衣「子供じゃない!」

ムロ「大きくなれば食べられるようになりますよ」

衣「年上だぞ!」


一「美味しいのに」

まこ「夏の今が一番美味い季節、旬じゃのう」

ムロ「いいですね。私、ピーマンの揚げびたし好きです」

京太郎「渋いな。オレはやっぱ肉詰めがいいなぁ」

透華「以前、香港で食べたチンジャオロースが美味でしたわね」

純「オレはアレかな、ピザかな」

華菜「それはトッピングだし」


智紀「衣がありえないモノを見るような目をしてる」

衣「し、信じられない......」

京太郎「こんな話してたら、ますます腹減ってきた」

ムロ「そうですね」

まこ「なんじゃ、まだ昼食うとらんかったんか」


759: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:24:21.52:CwQ1SB3Ao (6/21)

ムロ「会場付近のお店は軒並み混んでて、どこも入れずじまいで帰ってきちゃいました」

京太郎「というわけで、リベンジ行ってきます!」

一「はやく済まさないと試合始まっちゃうよ」

ムロ「はい、それじゃ行ってきます」


まこ「気ぃつけよー」




『というわけで、この後は女子団体戦準決勝、中堅戦が始まります』

『この中で注目している選手はいらっしゃいますか?』

『いる!』

『それを教えてほしいんですけど』

『か、風......!』

『臨海女子の雀明華選手ですね。世界ランカーでヴァントゥール、風神の異名を持っています』

『っ......!』コクコク


まこ「あ。そういや、天江に聞いときたい事あったんじゃが」

衣「なんだ?」

まこ「あんたぁ、海底狙う時とそうでない時で支配力って変わるもんなんか?」

衣「......そうだな」


一「そうなの?」

透華「あら、私も初耳ですわ」

衣「衣も意識したことはないけど、言われてみれば確かにそうかもしれない」

智紀「新発見」

華菜「本人も自覚ないのに、よくわかったな」

まこ「白糸台の大星淡な、アイツがダブリーする時は能力が強うなるらしいわ」


760: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:25:34.75:CwQ1SB3Ao (7/21)

透華「それは有益な情報ですわ!」

衣「確かに、海底を目指した方がやりやすいというか、安定感はある」

純「キャッチボールでも、自分の得意な投げかたの方がコントロールしやすいしな」

一「なんでキャッチボール?」

純「最近投げてないなーって思って」

透華「でも、わかりやすい例えですわね」


まこ「この情報がどんだけ役に立つかはわからんが、戦術の足しにしてくれ」

衣「ふむ。つまり、相手を自分の領域に引き摺り込めばいいんだろう?」

まこ「結局ゴリ押しかい」



京太郎「さてと、なんか食べたいものある?」

ムロ「なんでもいいですよ」

京太郎「一番困るパターンだ」

ムロ「先輩におまかせ。エスコートさせてあげます」


京太郎「さりげなくオレのセンス、器量と甲斐性を量るようなマネを......」

ムロ「ごはんも楽しみたいしー、試合も見たいしー」

京太郎「そうだな。始まるまであんまり時間も無いから」


京太郎「いっそ買って帰るという選択肢もありえる」

ムロ「えないです」

京太郎「えないか」


761: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:27:23.62:CwQ1SB3Ao (8/21)

ムロ「せっかく東京にいるんですから、色んなお店行きたいです」

京太郎「うん」

ムロ「それに、戻ると宿泊所には、ホラ、他の先輩方もいますし......」

京太郎「あー......」

ムロ「はい......」


京太郎「まぁ、ごはん食べる時くらい、別に急がなくてもいいかもな」

ムロ「はい!」




京太郎「......なんて言ってたものの」

ムロ「なかなかいいお店見つかりませんね」

京太郎「決め手に欠けるというか、やっぱ食べたいものとか設定しないと」

ムロ「ズルズルしちゃいますね」

京太郎「しかも駅前から離れていって、ちょっと閑散としてきたぞ」

ムロ「住宅街まで見えてきましたよ。どうしましょう」

京太郎「焦るんじゃない。迷子になったわけじゃあるまいし」


京太郎「オレ達はただ腹が減っているだけなんだ」

ムロ「あっ」

京太郎「どうした?」

ムロ「KEY COFFEE」

京太郎「良い発音、グッドだ。あの、妙に安心感のある青い看板は......」


762: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:28:15.31:CwQ1SB3Ao (9/21)

ムロ「喫茶店ですね」

京太郎「喫茶店だな。カフェじゃない、喫茶店だ」


京太郎「ここでいい?」

ムロ「いいですよ。って、最初から言ってましたよ。先輩におまかせだと」

京太郎「時間かかって申し訳ない。どこも初めての店だし、ハズレ引きたくなさすぎて......」

ムロ「引いたら引いたで、その時はその時です」


ムロ「愚痴を肴に飲むのも、いいものですよ?」

京太郎「アハハ。でも、二人でならそれもいいかもな」

ムロ「ええ、何事も楽しもうという気持ちが大事なんです」

京太郎「そうだな。よし、これで何が出ても怖くない。入るぞ!」


ガチャ カランコローン

『......さぁ、まもなく中堅戦スタートです』

京太郎「おっ?」

ムロ「この音は......」

『ここまでの順位は、臨海女子の独走状態。次いで千里山、新道寺......』

京太郎「テレビ置いてあるんだ。しかもインハイやってるチャンネル」

ムロ「二兎を得ましたね」


763: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:29:28.39:CwQ1SB3Ao (10/21)

店員「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」

京太郎「ふう。歩きまわった甲斐はあったかな」

ムロ「急がば回れってやつですね」


京太郎「結果オーライ。なんだ、いざ入ってみれば結構いい雰囲気じゃん」

ムロ「やーい、先輩のビビリー」

京太郎「ムロのイビリー」

ムロ「どんな返しですか」


京太郎「オレはとりあえずアイスコーヒー頼むとして......」

ムロ「待って待って。私にもメニュー見せてください」

京太郎「ほれ。オレもまだドリンクしか決めてない」

ムロ「見にく......お嬢様見せしてください」

京太郎「お嬢様切りみたいに言うな。オレも見たいし......となり座る?」


ムロ「と、となり......だとう......?」

京太郎「ん? その方が見やすいだろ?」

ムロ「いや全くその通りです」


ムロ「では、失礼して......」

京太郎「はい、いらっしゃい」


764: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:31:18.77:CwQ1SB3Ao (11/21)

ムロ「ふーむ。カレーのセットでドリンクは......ミルクティーにしようかな」

京太郎「決まった? じゃあ注文するぞ」

ムロ「お願いします」


京太郎「すみませーん」

店員「はーい。ご注文、お伺いします」

ムロ「あ、はじまった」

『親は永水女子2年、滝見春。手堅い打ち方を得意とする選手です』


京太郎「永水は今年もこの人か、安い手ですぐ流すから稼ぎにくいんだよ。部長もそれで苦労してた」

ムロ「部長呼びに戻ってますよ」

京太郎「おお、つい。竹井先輩な」

ムロ「気持ち、戻っちゃいました?」

京太郎「そうかも。ずっと観戦してる立場だったからなぁ」


京太郎「あそこで試合してた自分はもしかして、別人みたいに思えるんだ」


京太郎「実感が追いついてこない......夢みたいな感じで、今も」

ムロ「夢見ごこちですか?」

京太郎「っていうか実際、試合中は半分寝てたようなもんだよ」

ムロ「後半、ちょっと様子おかしかったですもんね......」

京太郎「後で映像見たけど、全然身に覚えのない自分が映ってて......怖いぞアレは」


京太郎「酒に酔って記憶失くす人の気持ちがわかったよ」

ムロ「わかっちゃったよ」


765: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:32:21.86:CwQ1SB3Ao (12/21)

京太郎「あーあ、もったいない。気が付いたら、せっかくの晴れ舞台がもうフィナーレなんだぜ?」

ムロ「ホントですね。でも、無茶しなかったら決勝行けなかったかもしれませんし」

京太郎「ままならないなぁ」

ムロ「かなり無理してましたよね」

京太郎「我が事ながら、満身創痍というか、よくあんなボロボロの状態で打ってたよ」

ムロ「でも、最後の方は本当に楽しそうに打っていました......けどッ!」

京太郎「うぉっ!?」ビクン


ムロ「見てる方は、気が気じゃなかったんですからね!」

京太郎「はい......ゴメンナサイ......」

ムロ「まったくですよ!」

京太郎「その節はご心配をおかけしまして......」

ムロ「私がどれだけハラハラドキドキワクワクしたのか、本当にわかって......」


店員「おまたせいたしましたー。こちらカレーセットになります」

ムロ「あ、はーい!」

京太郎「......ナイスタイミング」


ムロ「セットだと、サラダにスープ付いてけっこうボリュームある」

京太郎「大丈夫か?」

ムロ「大丈夫ですよ、ペコペコですから」


766: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:34:07.81:CwQ1SB3Ao (13/21)

京太郎「それじゃ、いただきますか」

ムロ「はい。ん? コーヒーとチーズケーキ、だけ? 先輩、これだけですか?」

京太郎「朝、ちょっと食べ過ぎてな」

ムロ「そんな時間あったっけ」

京太郎「まぁ、朝食というか味見と言うか」


ムロ「タコス?」

京太郎「正解。久しぶりで感覚を思い出しながら作ってたんだけど、これがなかなか」

京太郎「ブランクあったとはいえ、全盛期の味を出すのが難しくて」

京太郎「そういうわけだから、遠慮せずにおあがりなさい」

ムロ「もとより遠慮する気なんてありませんけどね。いただきまーす」


『またまた臨海女子、雀明華選手が和了!』

『さすが!』

ワアアァァァァ


京太郎「さすがは世界レヴェル」

ムロ「やっぱり、桁違いですよね。あの人達が個人戦で出ないのはありがたいです」

京太郎「まさに世界が違うというか、そんな人達と打って骨身に染みたよな」


ムロ「正直、あの日の事は、あまり思い出したくないです......」

京太郎「ボッコボコだったもんな......でも、いい経験になったろ?」


767: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:36:34.39:CwQ1SB3Ao (14/21)

ムロ「それは否定しません」

京太郎「ムロは打たれ強くないけどその分、立ち直る時にもっと強くなってる」

ムロ「な、なんですか」

京太郎「立ち止まる事があっても、最後は必ず前に進もうとする人間だ」

ムロ「なんですかー!?」


京太郎「それがムロの良いトコ、長所、ストロングポイントだ」

ムロ「ど、どうもです。って、急になんなんですか......」

京太郎「オレの試合はもう終わったし、これからはムロに注力しようかと思って」

ムロ「思って?」

京太郎「褒めて伸ばす方針にしようかと。その方がオレも楽しいし」

ムロ「......ちょっとからかい入ってません?」


京太郎「ムロは良い子だなー、こんな良い子めったに居ないぜ」

ムロ「ソレですソレ! もうっ!」

京太郎「どうした、赤くなってきてんぞ?」

ムロ「むぅ......」


ムロ「あー、辛。辛いなぁ、このカレーめっちゃ辛いわー」ガツガツ

京太郎「ハッハッハ、照れんな照れんな」


768: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:38:04.80:CwQ1SB3Ao (15/21)

ムロ「もぐもぐ」モグモグ

京太郎「がっつくのはいいけど、よく噛んで食べるんだぞ」

ムロ「お母さんみたいなことを......」

京太郎「おっ、チーズケーキ美味しい。自家製かな?」

ムロ「............」


ムロ「コレあげます、先輩」

京太郎「......ピーマンじゃん、サラダの。なんで?」

ムロ「宿泊所でピーマンの話してたから、食べたいかなぁって思って」

京太郎「じゃあ、いただきます」

ムロ「はい、あーん」スッ

京太郎「は?」


ムロ「ですから、あーん」ススッ

京太郎「ですからの意味がわからんが......マジで?」

ムロ「マジです。腕疲れるんで、ホラはやく」

京太郎「あ、ああ」

ムロ「照れんな照れんな、はい」


京太郎「くっ......やるしかないか。あ、あーん......あむっ」

ムロ「はーい、よくできました」


769: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:40:12.70:CwQ1SB3Ao (16/21)

京太郎「ハズイ......」

ムロ「ふっふっふ。道連れです」


京太郎「こうゆうのって、もっと甘ったるいもんだと思ってたけど、さすがに苦いな」モグモグ

ムロ「ピーマンだし。それより......食べましたね?」

京太郎「むぐっ?」

ムロ「それじゃ、チーズケーキもらっていきますねー」

京太郎「なにごとだ」


ムロ「一口は一口、やられたらやり返す、ギブアンドテイクってやつです」

京太郎「割に合わねぇよ、等価交換って知ってるか?」

ムロ「知りません。錬金術師じゃあるまいし」

京太郎「わかってんじゃん」


ビイイィィィィッ

『中堅戦終了ー! トップの臨海女子が2位以下に差をつける結果となりました』

『すごい!』


京太郎「中堅戦終わったか。まぁだいぶ予想通りの試合展開だったな」

京太郎「そろそろオレ達も戻るか?」

ムロ「あ、まだすこし残ってます」

京太郎「無理するなよ?」


770: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:41:31.80:CwQ1SB3Ao (17/21)

京太郎「量多かったもんな。手伝う?」

ムロ「じゃあ、お言葉に甘えて。すみません」

京太郎「いいっていいって、ケーキ食べたら逆に食欲でてきちゃってさ」

ムロ「糖分ですか」


京太郎「ケーキがいい腹ごしらえになったぜ。今なら何杯でもいける気がする」

ムロ「別に大食いにチャレンジするわけじゃないんですけどもね。お願いします」

京太郎「まかせとけ。えっと、スプーンは......」

ムロ「............」

スッ

ムロ「あ、あーん......」

京太郎「えっ......」

ムロ「............」

京太郎「............」


京太郎「あーん......」



宿泊所 夕方


ムロ「ただいま戻りました」

京太郎「おじゃましまーす」

まこ「おかえりんさい」


771: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:43:20.10:CwQ1SB3Ao (18/21)

ムロ「臨海、無事決勝進出でホッとしました。新道寺は残念でしたけど」

京太郎「あれでも、まだ全力じゃないって怖いですね」

まこ「ほんにのう」

衣「なーに、丁度いいくらいだ」


透華「明日は私達の番ですわ。抜かりのないよう」

智紀「白糸台と阿知賀。どちらも手強い」

透華「阿知賀......はぁ、原村が居ないのが残念でなりません」

一「まだ言ってる......」

純「オレの相手には宮永か、相手にとって不足は無い」

透華「私はいつも通り、相手がどなたであろうと一番に目立ってみせますわ!」

一「透華はブレないなぁ」


智紀「それでもリサーチは重要」

透華「わかってますわよ。さぁ、対瀬相手のデータをお見せなさいな」

純「先鋒はわかりやすい奴らが揃ってるし、実際に場の流れを感じないとわかんねー事が多いし」

純「オレはパスだ。おーい、誰かやろうぜ!」

ムロ「お相手します」


華菜「室橋が入るならしょうがない。文堂いってこい」

星夏「えっ、私ですか?」


華菜「私は個人代表だから入れないし。存分に揉まれてこい」

星夏「わ、わかりました」

京太郎「よし、オレも入ります」


772: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:44:12.25:CwQ1SB3Ao (19/21)

ムロ「ツモ。1000・2000です」

京太郎「はいよ」

ムロ「ん......?」

純「どうした?」

ムロ「今の、一発ツモでした。リーチしとけばよかったー」

まこ「わからんかったんか?」

ムロ「ちょっと視てませんでした」


純「オレはなんもしてないぞ?」

星夏「私も、何も感じませんでしたけど」

京太郎「気ぃ抜いてたのか? ダメだぞ」

ムロ「そうですね、すみません......ふぅ、集中集中!」



ムロ「......まただ」

京太郎「視えなかった?」

ムロ「はい。おかしいな......」

星夏「調子悪いんですか?」

ムロ「いや、そんなつもりないんですけど......」

まこ「ふむ......一応、熊倉先生呼んでくるわ」


京太郎「お願いします」

ムロ「あれ......あれれ......?」


773: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:46:01.63:CwQ1SB3Ao (20/21)

トシ「ムロが不調と聞いたけど、どんな感じなんだい?」

ムロ「一巡先のツモが視えなくなっちゃったんです」


トシ「ムロの能力は、現在のツモ筋で作れる和了形と危険牌の察知、それと次巡ツモの予測」

ムロ「はい。特訓して一巡先がわかるようになったのに、これじゃ......」

京太郎「一発ツモができないってなると、かなり火力下がっちゃうな」

まこ「そりゃこまったのう」

トシ「何か、原因があるのかしら......?」

ムロ「も、もうすこし打ってみましょう! もしかしたら治ってるかも」



30分後


ムロ「み、視えない......」ガクリ

京太郎「こ、これはちょっと......」

トシ「まずいね」


774: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年02月16日(火) 23:48:07.88:CwQ1SB3Ao (21/21)

今日はここまで

今回は少し時間戻って決勝戦の2日前の話となっております
って最初に書いておくの忘れてました


775:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月16日(火) 23:50:02.12:e/JiMXlqo (1/1)




776:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月16日(火) 23:54:41.89:s9qyHninO (1/1)

乙です


777:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月17日(水) 01:42:26.92:LBlsSpl2o (1/1)

久しぶりすぎて話の流れを全部忘れた


778:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月21日(日) 11:37:13.27:2vA832R2o (1/1)

すばら!


779: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月01日(火) 23:59:14.34:uCUjoJ1Ro (1/1)

こんばんわ

シノハユ最新話の悠彗ちゃんに衝撃を受けて震える
>>777
今度からあらすじとかつけてみましょうか

〜前回のあらすじ〜
男子個人戦で準優勝した夜、京太郎はムロに告白
二人は結ばれて、イチャイチャしてたと思ったらムロのオカルト無くなってた

大体こんな感じですかね。投下します


780: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:01:18.14:CuGFZUyZo (1/13)

インターハイ 8日目


トシ「宮永照の言うには、ムロの現在の能力は本来のモノではない、のよね?」

京太郎「はい。なにか、外部的影響を受けていると」

まこ「そのなにかが今後無くなるとか、変化するとも言っとりました」

トシ「ふむ......やっぱり心理的なものかしらね」

まこ「わしが聞いたところによると、これはムロが言っとったらしいんじゃが」


まこ「あの能力が表れたキッカケは、どうやら和が原因みたいじゃのう」

京太郎「和が?」

まこ「ほれ、卒業するまでビシバシ鍛えられとったじゃろ」

京太郎「ビシバシ、なんて生ぬるい......あれはもっと、バキボキとかボコスカっていうレベルです」

まこ「その反動かなんかしらんが、居なくなってから寂しかったようでの」

京太郎「言われてみれば、そのくらいの時期でしたね。ムロが能力を手に入れたのって」

まこ「じゃけぇ、その影響で今の能力になったみたいじゃ」


まこ「もっと教えてほしい、先を示してほしいと」

トシ「なるほどね。納得だわ」

京太郎「能力の成り立ちはわかりましたけど」


京太郎「ここにきて、それが無くなってしまったのって?」

トシ「ムロの関心が原村さんから離れたということかしら」


781: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:02:31.00:CuGFZUyZo (2/13)

まこ「全国出場できたけぇ、もう心残りが無くなったとかか?」

京太郎「それだけじゃ、ムロのおさまりはつかないと思いますけど」

トシ「だったら地区予選が終わった時に無くなるはず。今このタイミングの説明はつかないよ」

まこ「そうじゃのう。このタイミングでか......ん?」

トシ「このタイミングでよ......あら?」


京太郎「うむむ、ムロに一体なにがあったってんだ......?」

まこ「............」

トシ「............」


まこ「あぁ、そゆことかい」

トシ「みたいだね」

京太郎「二人とも、心当たりがあるんですか!?」

まこ「心当たりっちゅうか、目の当たりにしとるわ」

トシ「思い当たるのはコレしかないわよね」

京太郎「えっ、ま、まさか......」

トシ「そのまさかだよ」


京太郎「オ、オレですかー!?」

まこ「そんくらいしか可能性として考えられん」


782: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:03:37.47:CuGFZUyZo (3/13)

京太郎「マジすか」

トシ「今のところ最有力候補」

京太郎「くっ......オレのせいでムロが......!」

まこ「ああなったんはしゃあない事じゃけぇ、そんな落ち込まんでも......」


京太郎「......でもちょっと嬉しいかも」

まこ「おい」


トシ「このおバカは置いといて、現実問題ムロの処置だけど」

まこ「どうしましょうかねぇ」

トシ「根本的解決は望めないのだけど、付け焼刃の対処ならできるハズよ」

まこ「ホントですか!?」

トシ「うん。能力が不安定という事はある程度、矯正できると思うの」

まこ「矯正とな?」

トシ「外部からの影響で変質したというのなら、同じように影響を与えて形作ればいい」


京太郎「大丈夫ですかね......」

トシ「鉄は熱いうちに打てって言うでしょ? 不安定な今こそやるべきだわ」

まこ「なるほどのう。そんで、特訓でもしますか?」

トシ「そうだね。ある意味、タイミングが良かったよ」

京太郎「へ?」

トシ「実はね......」


783: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:05:15.04:CuGFZUyZo (4/13)

宿泊所


華菜「そろそろ会場行った方がいいんじゃないのか?」

衣「おー、そーだなぁ」

華菜「試合の日だってのに、寝坊して遅刻なんてすんなよ?」

衣「むにゃ......衣は大将だから午睡に微睡む余裕はある」


華菜「いくらなんでも寝すぎだっての。あと、そこのタオルケットお化けはいつまでいじけてんだ」

ムロ「......お化けじゃないですもん」

華菜「じゃあ、妖怪生春巻きだし」

ムロ「むぅ、人をベトナムの美味しい食べ物みたいに」


衣「ふわああぁぁぁ......」

華菜「顔でも洗ってこいよ」

衣「そーする」

華菜「一人で大丈夫か? 洗面台届く?」

衣「全くの杞憂だな!」

ガララッ


衣「もう、それくらい一人でできるもん!」

衣「ええと、洗面所は......」

ドン

「わわっ」

衣「あうっ」ドテ


784: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:06:17.27:CuGFZUyZo (5/13)

衣「うう、すまない」

「こちらこそ前方不注意だったよー。ごめんねー? 立てるかな?」

衣「仔細ない。衣はこれしきの事、で......」

「アレ? あなた、もしかして」


豊音「あ、天江衣さんですか!?」ズオオオオ

衣「......はい」



京太郎「じゃあ、宮守のみなさんが?」

トシ「ええ。ちょうど東京観光に来てるって言うのよ」

まこ「そりゃあええわ。心強いのう」

トシ「せっかくだから頼りにしちゃいましょう」

京太郎「うわぁ、会うのいつぶりだろう」

まこ「大体3ヶ月くらいかの」

トシ「さて、もう着いてると思うけど......」


塞「熊倉先生!」

トシ「やあ、よく来てくれたわね」

胡桃「お久しぶりです。須賀君も久しぶり、それと準優勝おめでとう」

京太郎「ありがとうございます。これも指導してくれた先生と先輩のおかげなんですけどね」ドヤァ

まこ「はいはい謙遜謙遜」

塞「セリフと表情が一致してないよ......って、なんにしろおめでとう」


トシ「ところで、豊音とシロは?」

胡桃「ああ、あの二人なら......」


785: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:07:41.96:CuGFZUyZo (6/13)

豊音「えへへ、天江さんにサインもらっちゃったー!」

衣「喜んでもらえてなによりだ」


まこ「ミーハーなんは相変わらずじゃのう」

京太郎「すごい組み合わせですね、身長差的な意味で......70cmくらい?」

豊音「あっ、京太郎君!」

京太郎「ども、おひさしぶりです」

豊音「サインください! それと準優勝おめでとう!」


塞「いきなりサインおねだりか。あと、シロはリラックスしすぎ」

胡桃「コラ、寝っころがるな!」

白望「腰がダルい......」

塞「まぁ、ずっとバス移動だったしね。でもお腹丸出しは良くないよ」

胡桃「じゃあ、そこのタオルケット使わせてもらえば?」

白望「お借りします」


ズルズル

ムロ「うぅ......剥がされるぅ」

胡桃「わぁっ、具が出てきた!?」


塞「話は聞いてたけど、こりゃ重症だ」

トシ「昨日からあんな感じでね。なんとかしたいのよ」


786: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:09:01.31:CuGFZUyZo (7/13)

豊音「なんとかしましょう! でも、私達はどうしたらいいんですか?」

胡桃「この状況を改善する方法なんて知らないですよ」

トシ「それは大丈夫」


トシ「いつもどおり麻雀でボコボコにすればいいから」

ムロ「え?」


塞「そ、そんなのでいいんですか?」

トシ「色々考えた結果よ」

ムロ「え、ちょ」

豊音「それなら得意だけどー」

まこ「案ずるより産むが易しって言うけぇ」

京太郎「そうそう。時間もないし、いつまでもグズってるわけにもいかないだろ?」


衣「そういう事なら、衣もすこし手伝ってやろう」

豊音「わぁ! 天江さんと打てるなんて、ちょー感動だよー!」

まこ「ほんなら、あと一人どうする。わしが入ろうかの」

京太郎「お願いします。それじゃ、オレはなんか飲み物買ってきますね」

ムロ「あ、じゃ私も......」


塞「はいはい、ムロちゃんはこっち」グイッ


ムロ「いやああぁぁぁ......」


787: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:10:43.36:CuGFZUyZo (8/13)

胡桃「ホラ、こっちくる!」

ムロ「あー」ズルズル

京太郎「スイマセン」

塞「いいっていいって。こういう手合いには慣れてるし」

京太郎「というわけで、頑張れよー」

ムロ「せんぱぁい......」



30分後


豊音「ツモ! 2000オールで私の勝ち!」

衣「やるなぁ」

塞「赤口で逃げ切ったね」

豊音「えへへ。天江さん相手だと、後半は不利だからね」

まこ「トリッキーな打ち筋は見てて、わしも勉強になるわ」

ムロ「うーん」

トシ「どう? なにか掴めた?」

ムロ「まだなんとも。今まで通りにやろうと思っても、上手くできないですし......」


トシ「まだまだ足りないみたいだね。よし、私も入るよ」

豊音「おおー!」

白望「なら、私も」

ムロ「......これはこれは」


788: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:11:37.28:CuGFZUyZo (9/13)

ガララッ

京太郎「もどりました。一息いれたい人は手ぇ挙げてください」

白望「はい」ビシッ

胡桃「わざわざゴメンね」


ムロ「全っ然勝てなーい!」

京太郎「おっ、やってるな。調子どう?」

ムロ「2位3位を行ったり来たり。で、トータルで負け越してます」

京太郎「ラスは引いてないんだ」

ムロ「今のところは。振り込み回避機能は健在みたいです」


ムロ「でも、それだけじゃ......とても個人戦は勝ち抜けそうにないですよ」

トシ「じゃあ次は京太郎、はいんなさい」

京太郎「いいですけど......えーと、いいんですか?」

トシ「ええ、やってみなさい」

ムロ「?」

トシ「さて、これでどんな化学反応が起こるのかしらね」

塞「シロ交代」

白望「ダル......」


789: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:13:19.11:CuGFZUyZo (10/13)

京太郎「そういえばさ、ムロが能力に目覚めた時ってどんな感じだった?」

ムロ「んー? そうですねぇ......」

京太郎「一巡先がわかる感覚とか、オレには理解できないしちょっと興味ある」

ムロ「園城寺さんは、未来の映像が視えるらしいですね」

塞「なにそれ便利」


ムロ「私の場合『この牌は最後まで残るな』とか『これ切ると当たるな』って予感があったんです」

ムロ「最初はデジタル的にありえない選択肢にも反応しちゃって、違和感覚えたんですけど」

ムロ「それが強くなって、予感になって、確信に変わりました。今はわかりませんけどね」

衣「衣もそんな感じかな。なんとなくわかるんだ」

華菜「まだ居たのか天江」

衣「ひどいな」

京太郎「いやマジでそろそろ行った方がいいですって、マジで」


衣「2回も言なくても。じゃ、向かうとしようか」

ムロ「頑張ってください」

豊音「がんばってねー!」

華菜「油断すんなよ」

衣「みんな応援ありがとう! 行ってきまーす!」


京太郎「いってらっしゃーい。さて、続きやりましょうか」

豊音「それじゃ、サイコロ回すよー」

胡桃「ん? ......なんだか外が騒がしいような?」


790: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:15:30.87:CuGFZUyZo (11/13)

ムロ「ホントですね......アレ?」

京太郎「この声、いや、まさか......」

まこ「知っとる声が聞こえたような気ぃしたが......気のせいじゃろ」


ガララッ

久「みんな! おひさ――」

胡桃「うるさいそこ!」

久「ゴ、ゴメンナサイ......! え? なんで?」ビクッ

美穂子「あらあら、騒がしくてごめんなさいね」

華菜「福路先輩!」ダッ

美穂子「わっ、もう、華菜ったら」


華菜「んにゃ〜」

美穂子「ふふふ」ナデナデ

胡桃「まったく、そういうところは変わってないんだから!」

久「はぁ、すいません。って、なんで宮守......いや今は違うか、の人達がここに居るの?」

塞「東京旅行のついでに寄ったんだよ」

久「そ、そうだったのね」

まこ「他の人に迷惑じゃけぇ。突っ立っとらんと、はよ入ってきぃ」

久「愛想ないわね......まこも飛び込んできてもいいのよ。さぁ!」


京太郎「竹井先輩なにしに来たんですか?」

久「応援に来てあげたのよぅ......後輩の育て方間違ったかしら、私」


791: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:17:40.17:CuGFZUyZo (12/13)

トシ「間違ってたら個人戦で準優勝なんてできやしないよ」

久「く、熊倉さん?」

トシ「胸を張りなさい。あんたの指導は間違ってなんかなかった」

久「うう、熊倉さん......私は、私は......!」


ゆみ「そうか、能力が」

ムロ「はい。それで今、みなさんに協力してもらってるんです」

智子「大変だなー」

久「置いてかないで。私を置いていかないで」


久「なになに、能力無くなっちゃったのムロちゃん? 大変じゃない!」

ムロ「そうなんです。ですから個人戦、竹井先輩のご期待には添えられないかも......」

久「なに言ってるの、ここまで来ただけで十分立派よ。それに結果だけが全てじゃないわ」


久「でもね、やる前から諦めるのはダメ。私がなんとか解決してみせるわ!」

ムロ「あ、ありがとうございます」


792: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月02日(水) 00:19:21.09:CuGFZUyZo (13/13)

今日はここまで
描写してないだけでちゃんとモモも居ます


793:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月02日(水) 09:58:31.31:n+oZxH/jo (1/1)

乙です


794:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月02日(水) 21:35:45.45:DADtqeE30 (1/1)

あげ


795:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月03日(木) 00:14:35.02:+NY1L2qHo (1/1)

豊音にビビったころたんの......はい で笑う


796:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月03日(木) 13:42:53.29:TYMHnFHOo (1/1)

乙です
良かった


797:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月03日(木) 13:54:05.83:DzjWgDyco (1/1)

面白いなあ


798:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月04日(金) 00:02:12.20:NCj7dCaa0 (1/1)

乙〜


799:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月07日(月) 11:44:22.87:HYCS2Bkmo (1/1)

乙です


800: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:23:27.83:MBXru4oFo (1/13)

こんばんわ
今日は福島のお酒、奥の松 純米吟醸原酒を飲みつつ
メロンじみたフルーティさがある。美味

>>791
『智子』って誰だよ。『智美』の間違いでした
前もともきーで間違ったし、智って字に弱いのかしら......

個人戦やる......やるが、今回 まだその時と場所の指定まではしていない
そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい
今回は短め。投下します


801: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:25:42.07:MBXru4oFo (2/13)

インターハイ 9日目
会場 ロビーギャラリー


京太郎「おや?」

和「あ、須賀君?」

京太郎「おう。おはよう、和」

和「おはようございます。こんな朝早くに、ということは5位決定戦の観戦ですか?」

京太郎「そういうこと。和こそどうしたんだよ? こんなところで」

和「私は、みんなのために飲み物などを買ってこようかと」

京太郎「まるでマネージャーだな」

和「実際、そんな感じですよ。私は試合に出られませんから」

京太郎「ふーん。まだ試合開始まで時間あるし手伝うよ。必要だろ? 荷物持ち」


和「いいんですか?」

京太郎「そのくらいお安い御用だって」

和「ありがとうございます」

京太郎「飲み物も人数分となると重いだろうしな」


京太郎「ってか、誰か連れてこなかったの? 一年の子とかさ」

和「あの子達には、できるかぎり大会の空気に触れてもらいたいので」

京太郎「ああ、同じモニター観戦でも、会場の控室で見ると雰囲気って全然違うもんな」


京太郎「緊張感が伝わってくるというか」

和「そういえば、ムロは一緒じゃないんですか?」


802: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:27:24.46:MBXru4oFo (3/13)

京太郎「アイツはまだ寝てるよ。昨日の特訓でだいぶ疲れたみたいでさ」

和「特訓ですか。明日から個人戦ですからね。でも、あまり根をつめてはいけませんよ?」

京太郎「相手する方も気合入っちゃって。去年宮守と戦っただろ? あのメンバーが来てくれたんだ」

和「そうだったんですか。それは、顧問の熊倉さんが呼んで?」

京太郎「いや、コッチ来たのはたまたま。東京観光だってさ。で、さらに竹井先輩達も来たんだけど」


京太郎「これは知ってた?」

和「いえ、知りませんでした。竹井先輩はどうして?」

京太郎「先輩達は応援に来てくれたって。他にも福路さんや加治木さ......あー」

和「どうかしました?」


京太郎「もし竹井先輩に会ったら驚いてやってくれない? 今のは聞かなかった事にして」

和「わかりました。ふふっ、なにかサプライズがありそうですね」

京太郎「頼むぞ」

和「ええ、上手く驚くための心の準備はしておきます」


京太郎「それじゃ行こっか。ファミマだろ?」

和「はい」



会場内 コンビニ


京太郎「けっこう混んでるなぁ。朝早いってのに」

和「試合前ですからね」


803: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:28:28.83:MBXru4oFo (4/13)

和「決勝戦前ともなれば、さらに混むと思いますよ」

京太郎「だろうな」

和「さて、なにを買って帰ればよいのやら......」


京太郎「お茶はセルフのがあるし、ジュースとか?」

和「あと、お茶請けなんかも必要ですね」

京太郎「カゴ持つよ」

和「ありがとうございます」


京太郎「ん? コレ見たことないな、新商品?」

京太郎「ああ、コンビニ限定のやつか。こんなの発売されてたんだ」

京太郎「うわっ、これはちょっと挑戦的な味付けの......」

和「須賀君?」

京太郎「おっと、悪い悪い。つい目移りしちゃって」

和「へぇ、こんな商品があるんですか。買っていきましょう」

京太郎「いいのか?」

和「いいんです。限定品という肩書きは、気分を高揚させますから」

和「これで、ちょっとでもテンションを上げて試合に臨めたら、もうけものです」

京太郎「一理ある。でも......」


京太郎「甘い系のポテチはやめとこうか」

和「ですね......ハズレた時がこわいですし」


京太郎「チョコレートなら安定だろう」

和「そうしましょう」


804: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:30:28.04:MBXru4oFo (5/13)

店員「ありがとうございましたー」


和「んしょ。思えば、須賀君はいつもこういうことしてたんですね」

京太郎「まぁ、オレの仕事といったら買い出しとかか。男だし、力仕事は当然だな」

和「大変なんですね」


和「いつも部員のみんなをサポートしてくれて、改めて、ありがとうございます」

京太郎「よせやい。自分にできることをしたまでだよ」


京太郎「オレはそうでもないけど、和の方だって大変だろ?」

京太郎「あ、でも阿知賀には後輩も居るし、普段はその子達に頼んだりしてるのか?」

京太郎「運動部だと1年は球拾いだけ、とかよくある話だし」

和「分担したりして、お願いする事もありますよ」


和「言っても、阿知賀の部員数もそう多くありませんから。各自でやれる事はやる」

和「それと、何かにつけて上級生優先という場面はありませんね」

和「基本的に学年関係なく、卓に入る機会はありますし」

京太郎「そっか」

和「ただ、今はインターハイで、私はマネージャー寄りの立場になっているだけです」


京太郎「じゃあ、秋からは選手モードになるんだ」

和「そうなりますね。やっぱりそっちの方が落ち着きます」

京太郎「落ち着くって?」


805: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:31:57.10:MBXru4oFo (6/13)

和「......咲さんや優希、ムロがあの場所に居るのに私が居ない」

和「それがなんだか妙に違和感、というかおさまりが悪いというか......」

京太郎「マネージャーとか監督なんかも似合ってると思うけど」

和「確かに、そういう事もしてきましたけど」


和「選手として、あの場所に立ちたいと思う。私は......そうなんです」

和「ずっとモヤモヤしてるんです」


京太郎「ああ、それはきっと......いや、なんでもない」

和「えぇ......なおさらモヤモヤするんですが。なんですか? 教えてくださいよ」

京太郎「それは和が自分で考えて、自分で気付いて、自分で解決するものなのだよ、きっと」

和「そういうものですか......」


京太郎「そういうものです。そして悩み、苦しみ、あぐねるがいい」

和「本当になんなんですか!?」



控室前


和「ここまでで結構です。ありがとうございました」

京太郎「うん。大丈夫か? 重いぞ」

和「このくらい、全然平気ですよ」


806: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:33:46.38:MBXru4oFo (7/13)

和「おっとっと......」フラフラ

京太郎「おっとっと」

和「......だ、大丈夫ですから。このくらい」

京太郎「気をつけてくれよ、マジで」


和「では、行きますね」

京太郎「じゃあな。みんなにも頑張れって、伝えといてください」

和「はい。承りました」

京太郎「............」

京太郎(大きな袋を2つ......いや、4つも。大変だなぁ)



門前仲町 蒲原祖母宅


智美「みんな起きたかー?」

桃子「......なんとか起きてるっすよー、うあぁー」

智美「まだ寝ボケまなこだな、モモ」

久「寝不足かしら?」


ゆみ「ちゃんと睡眠をとっておかないと、体調が悪くなるぞ」

桃子「うぅ......だって、寝てるのがもったいないっす」

ゆみ「なに?」

桃子「加治木先輩が卒業してから、会える機会がめっきり減ってしまって」

桃子「こんな風に、一緒にいれる時間を大切にしたいから......」


桃子「先輩との時間をちょっとでも増やしたくて、ずっと起きてたんすよ?」

ゆみ「モ、モモ......」


智美「ワハハ、設定温度下げるぞー」

久「はい、リモコン」


807: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:35:04.08:MBXru4oFo (8/13)

美穂子「みなさん朝食できました......この部屋、ちょっと寒くないかしら?」

久「ありがとう、美穂子」


ゆみ「すまないな、任せっきりで」

美穂子「いいのよ。料理は好きだし得意だもの」

久「そのうえ美味しいしね。美穂子さまさまだわ」

美穂子「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいわ」

桃子「この朝食も、すごく美味しそうっす」

ゆみ「そうだな」

智美「ワハハ。それじゃさっそく食べようか」


久「いただきまーす!」

美穂子「はい、めしあがれ」


久(さて、まずはお味噌汁。具はみょうがとタマネギ)

久「ズズ......ふぅ、あったまるわ」

久(味付けもあっさりしていて飲みやすい。寝起きにちょうどいいわね)


久(そしてご飯。これは......)

久「枝豆! うーん、いい香り」

美穂子「炊く時に、さやごと入れるのがポイントなのよ」

久「へぇ、そうなの」


808: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:36:05.66:MBXru4oFo (9/13)

智美「もぐもぐ。これだけでイケるな」

桃子「そうっすね。美味しいしカワイイし、枝豆ごはん最強っすね」

ゆみ(カワイイ......?)


久「さて、夏らしさ全開ね。ゴーヤチャンプルー、いただこうかしら」

桃子「うっ、ゴーヤっすか......」

ゆみ「なんだモモ、苦いのはキライか?」

桃子「ゴーヤはコレ、苦いのレベルが違うっすよ! 明らかに神様ステ振りミスってるっす!」

美穂子「心配しないで東横さん。苦味は下処理でなるべく取り除いておいたから」

桃子「ホントっすか......?」


久「あむっ」

久「モグモグ......あら、ホントだわ。苦いは苦いけど、優しくてやんわりしてる」

智美「これなら、きっとモモでも食べれるぞ」

ゆみ「せっかく美穂子が作ってくれたんだ。それに、好き嫌いはよくないぞ」

桃子「そういう加治木先輩も手ぇつけてないっすけど」



ゆみ「............」

桃子「............」


智美「ゆみちん」

ゆみ「ああ......」

久「ん〜、漬物もいい感じに漬かってて美味しい」

美穂子「やっぱり野沢菜よね」


809: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:37:57.61:MBXru4oFo (10/13)

ゆみ「じゃあ、せーので」

桃子「わかったっす」

ゆみ「いくぞ......せーのっ」


桃子「あむっ......」モグモグ

ゆみ「もぐっ......」モグモグ


桃子「......おお」

ゆみ「イケる......イケるぞ!」

美穂子「それなら良かったわ」

久「マヨネーズでまろやかになってるから、食べやすいわ」

智美「でも、ぼやけないで味がしっかりしてるのはミッポの腕だな」


久「で、さっきから気になってたんだけど、なにかしら? このカラフルなのは」

ゆみ「刻んだ野菜と、これはサーモンか?」

美穂子「ロミロミサーモンよ」


智美「ろ、ロミロミ?」

美穂子「そう、ロミロミサーモン。ハワイの料理なの」

久「ワイハ! これまた夏っぽいわね」

ゆみ「マリネのようなものなのか?」

美穂子「そうね。ハワイ風マリネってところかしら。こっちの方が作り方はシンプルなんだけど」


美穂子「ちなみに、ロミは揉むって意味らしいわ」

久「揉み揉み」


810: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:39:47.36:MBXru4oFo (11/13)

久「ふぅ、ごちそうさまでした」

美穂子「おそまつさまでした」


ゆみ「5位決定戦はここで観るとして、決勝戦はどうする?」


久「試合前に咲と優希に会いたいんだけど、無理かしらね。時間もそんなに無いし」

ゆみ「決勝は取材するマスコミも多くなるからな。難しいだろう」

久「しょうがない、諦めて大人しく観戦に徹するか」

智美「きっと観戦客も多いぞ?」

久「そうなのよねぇ。そうだ、まこ達はどうするのかしら」



まこ『わしらは宿泊所で観ることにするわ』

久「あ、そうなの」


まこ『京太郎が言うには、まだ少し席に余裕あるようじゃけぇ。行くんならはよせい、今のうちじゃ』

久「ふーん、須賀君は会場に居るのかー。ムロちゃんも?」

まこ『いんや、まだ寝ちょる』

久「相変わらず朝弱いみたいね。じゃあ一人で?」

まこ『そうじゃの。わしも行きたかったが、昨日の今日でさすがに疲れたわ......』


久「ふふ、お疲れ様。アレは大変だったわね」

まこ『他人事のように言う......アンタも共犯じゃろが』


811: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:41:15.11:MBXru4oFo (12/13)

久「あら? そうだったかしら」

まこ『ハァ......まぁええわ。おかげでムロもまた強うなったし、感謝しとるよ』

久「どういたしまして。うーん、まだ空きがあるなら行ってみようかな」

まこ『行くんなら気ぃ付けよ。迷子なんかならんようにな』

久「咲じゃあるまいし、大丈夫よ。それじゃね」

まこ『ん、じゃあの』


久「今ならまだ空席あるみたい」

美穂子「でも、すぐに埋まっちゃいそうね」

ゆみ「それも踏まえて、出るなら早めに出た方がよさそうだ」

桃子「なら、今のうちに準備しといた方がいいっすかね?」


智美「んー? 急ぐなら乗ってくか?」


久「いやいや大丈夫よ!? メトロあるし!」

ゆみ「これも踏まえて早めの準備だ!」

桃子「ラジャっす!」

美穂子「あらあら、まだそんなに焦らなくても」


812: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月12日(土) 01:45:34.31:MBXru4oFo (13/13)

今日はここまで

15卷カバーのネリー智葉が姉妹みたいで可愛いと思いました


813:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月12日(土) 06:27:29.78:t4jRx/nXo (1/1)




814:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月12日(土) 10:11:21.06:g9ePJzD0o (1/1)

乙です


815:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月12日(土) 16:51:52.11:uIrLD4m/o (1/1)

良かった


816:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月12日(土) 17:04:04.05:JuwFv08So (1/1)

乙です
毎回楽しみにしてます


817:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月12日(土) 19:52:50.22:y0BxYsD3o (1/1)




818:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月17日(木) 06:52:23.37:z7T2eMs/0 (1/1)

乙〜


819: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:21:30.25:5htDoxHfo (1/24)

こんばんわ

原作やシノハユや咲日和について色々と書きたい事はありますけど
まずなにより単行本15巻で例の扉絵にムロが追加されてて嬉しかったです
やったー!見切れてたけどね!
ちゃんと国広君もいました
あと臨海や白糸台みたいに夏服と冬服で意匠が違うのって見る分にはお得だと思いました

投下します。今回はちょっと長めだけどあんまし話は進んでない。というおはなし


820: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:23:05.04:5htDoxHfo (2/24)

インターハイ 9日目
会場 観戦室


久「とうちゃーっく!」

ゆみ「やはり人が多いな」

智美「さすが、今大会メインイベントなだけはある」

美穂子「どこか空いている場所あるかしら?」

「パッと見、満席っすね」

久「んん? あの、後ろの座席に座る人の観戦の妨げになりかねない高身長で金髪の男の子は......」



京太郎(......どうしてこうなったんだろう)


京太郎(オレは、自分の試合が終わったことによる解放感に浸りすぎていたのかもしれない)

京太郎(これから試合があるムロに対してちょっと悪いかな、なんて思いながら会場に向かっていた)

京太郎(着くと、まだ試合開始の40分前だというのに観戦室はかなり混んでいる)

京太郎(予想以上の混雑具合にオレは、焦りを覚えながら空席を探す)

京太郎(だが、前列も後列も、良い席もそうでない席もお構いなしに埋まっていた)


京太郎(これは立ち見になるかな、と思っていたところに、ふいと空白地帯に出くわした)

京太郎(何故 ここに/ここだけに 人が居ないんだ、なんて思う前に身体が動いていた)

京太郎(しばらく歩いたから疲れてたし、この機を逃す手はない、という思いに急かされてたんだろう)

京太郎(だから、あの場に流れる不穏な空気に気がつかなかったんだ)



菫「おい、聞いてるのか? 須賀」

智葉「それで、お前はどっちの肩を持つんだ? 言ってみろ」

京太郎「ええぇぇ......」


821: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:25:56.21:5htDoxHfo (3/24)

1時間前 会場 地上広場


優希『さっき、ムロから応援メールきてたじぇ』

京太郎「そうなんだ。オレは文面とか考えるのメンドイし、直接電話した方が楽だけど」

優希『それ知ってる、筆無精って言うんだじぇ』


京太郎「優希のクセに小難しい言葉を......そんなことより、今日の調子はどうなんだ?」

優希『もちろんバッチシだじぇ。ここぞという時にハズさないのが私だ!』

京太郎「ははぁ、まったく頼もしい返事だぜ」

優希『あ、タコス美味しかったじょ。サンキュー京太郎』

京太郎「お口に合ってなによりでございます。昨日渡したの、つまみ食いしなかったんだな」

優希『当たり前だ! そんな事して、当日タコスぢからを補充できなかったなんて大変だじぇ』

京太郎「敗因はタコスの食べ忘れですぅ、とかシャレになんねーからな」


優希『お間抜けにも限度があるじぇ。そういうのは咲ちゃんに任せるとして......』

京太郎「お前がふだん、咲をどんな目で見てるのか分かっちゃったよ」


優希『もちろん冗談冗談。本番前の緊張をほぐす世界レベルのジョークだじぇ。ロンオブモチ!』

京太郎「はいはい、そういう事にしておくよ。そんじゃ、決勝戦がんばれよ!」

優希『おう! 見事、期待に応えてやろうではないか!』

京太郎「楽しみにしてるよ。それじゃあな、はーい......」


京太郎「相変わらず、元気があり余ってる様子だったな」

京太郎「まぁ、優希が本番前カチコチに固まってるのなんて想像できねーし」

京太郎「さてと、次は咲に電話だ」


822: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:27:39.35:5htDoxHfo (4/24)

プルルルル

京太郎「......つか、出れるか? アイツ」

プルル

咲『はい、もしもし。京ちゃん?』

京太郎「おっ、ちゃんと着信ボタン押せたんだ。えらいえらい」

咲『もう、私だって電話に出るくらいはできるってば!』


京太郎「さすがだな。次は頑張ってメール打ってみようか」

咲『そ、それは、そのうちね。やってみるよ......』

京太郎「待ってまーす。それはそうと、今日の試合がんばれな」

咲『うん、がんばる。白糸台のエースだもん。かっこわるいトコ見せられないよ』

京太郎「気合十分ってかんじだな」

咲『当然だね。だって、その為に私はここにいるんだから』


咲『エースポジション、お姉ちゃんの代わりを任されて責任重大だよ』

京太郎「でも、気負い過ぎはよくないぞ」

咲『それに長野の、地元の人もやっぱり見てると思うし』

京太郎「まぁな」


咲『清澄を出てったのは私のワガママだから、その、なんて言うんだろ......償い、じゃないけど』

咲『後悔はしてないけどちょっと、ほんのちょっとね、悪い事したかなって思ってるの』

京太郎「いいよ、気にすんな」

咲『ありがと。それでも気にしちゃうから、ここにいる意味があるんだとしたら』


咲『私は、この場所で、立派にやってますってところを見せたいんだ』


京太郎「ちゃんと見てるよ。きっとそれなりの意味はあると思うぜ。って、なんか竹井先輩みたいだな」

咲『あはは、実を言うと竹井先輩からもメール来てたんだ。無意識に影響されちゃったみたい』


823: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:28:55.16:5htDoxHfo (5/24)

京太郎「......くれぐれも、ツモった牌は打ち上げるなよ?」

咲『しーまーせーん! ただでさえウチには手牌回しちゃう子がいるんだから。どんな曲芸集団?』

京太郎「それはさておき、決勝戦しっかりやれよ。チャンピオンらしい戦いを期待してます」

咲『はい。王者の打ち筋をお見せしちゃいましょう』


京太郎「おう、じゃあなー。っと......咲も調子よさそうだったな」

京太郎「時間は......もう会場向かった方がいいかも」



観戦室


京太郎「くっそ、レジめっちゃ混んでたし......先に買い物しときゃよかった」

京太郎「ああ、やっぱな、やっぱりだ。空きなんて無いかぁ決勝戦......」

京太郎「ここで昼飯が最善策なんだろうけど、荷物持ちたくないしなぁ、一人だし」

京太郎「ムロも来ればよかったのに。基礎体力がなっとらん、長野に戻ったらターザンでも読ませて鍛えるか」

京太郎「いやマジで空いてる席は無いのか? ここまで来て引き返したくないぜ......お?」


京太郎「あ、あった......!」


京太郎「はぁ、よかった......セーフだよ、ラッキーだよ、日頃の行いだよ」

京太郎「今日の運勢、みずがめ座1位ってホントだったんだ」

京太郎「べつに信じてなかったけどね。よっこらしょっと」ドサッ


「メンバーの変更も少ないから、今年は......ん?」

「それはこちらも同じ......どうした? ほう......おい須賀!」


京太郎「は、はい!? あ......?」ビクッ

智葉「よう、久しぶりじゃないか」


824: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:29:47.94:5htDoxHfo (6/24)

京太郎「辻垣内さん! それに......」

菫「なんだ、お前も須賀と面識があるのか」

京太郎「弘世さんも! 二人ともお久しぶりです!」

智葉「須賀、こっちだ。ここ座れ」トントン

京太郎「アッハイ」


智葉「まずは個人戦準優勝おめでとう」

菫「おめでとう、正直おどろいたよ」

京太郎「ありがとうございます! まさかオレが準優勝だなんて、自分でもビックリです」

智葉「見事だった。が、次は観ていて安心できるような麻雀を打ってくれ。色んな意味でな」

京太郎「あはは......善処します」


京太郎「ところで、お二人はよく一緒に出掛けたりするんですか?」

菫「いや?」

智葉「しないな」

京太郎「じゃ、今日はたまたま鉢合わせたと」

智葉「そうだ」

菫「もともと一人で観戦するつもりだったんだがな」


菫「あいにくと、空いてる席がここしかなかったんだ」

智葉「この混雑だ。他をあたれなんて言えないだろ?」

京太郎「......そうですね」


825: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:31:00.52:5htDoxHfo (7/24)

京太郎「そ、それにしても、決勝戦ともなると凄い人ですよね」

菫「ああ、ほとんどが5位決定戦からいた人達だろう」

智葉「まるで花見の場所取りだ」

菫「今年の桜は、1日遅れだったな」

智葉「一場春夢の花ではないところを見ると、また来年も期待できそうだ」

京太郎「来年かぁ。来年はきっと和も......」


智葉「ほう? これから旧友が打ち合うというのに、そっちの方が気になるか?」

京太郎「えっ、いや......」

菫「ああいうのが好みなのか、須賀は」

京太郎「き、嫌い......ではないですけど。そ、そういう意味で言ってないですから!」


京太郎「それだけは声を大にしたい! じゃないと後で怖い気がする......」

菫「なにをムキになってるんだ?」

智葉「まあ、それはどうでもいい。聞きたいことがある」

京太郎「なんでしょう?」


智葉「この試合、どこを応援している? 言え」

京太郎「はい?」


菫「キミが最も期待を寄せている学校の名前を聞かせてくれ」

京太郎「ええと......」

智葉「あるんだろう? 教えてくれてもいいじゃないか、なにも博打しようってわけじゃない」

京太郎「ですよね」


826: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:31:37.10:5htDoxHfo (8/24)

智葉「お互いの学校について話し合ってたんだが」

菫「ハァ......」

智葉「これがなかなかに分からず屋でな」

菫「なんだと?」

京太郎「ま、まあまあ」


智葉「いい加減飽きて......じゃなく、話しが平行線になってきたところに現れたのがお前だ」

菫「おい」

京太郎「オレになにをしろと」

智葉「これじゃあ埒が明かないから、第三者からハッキリ言ってやってくれ」


智葉「優勝するのは今年も臨「白糸台」」


智葉「............」

京太郎「............」

菫「白糸台だ」


智葉「な?」

京太郎「察しました......」


827: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:33:05.73:5htDoxHfo (9/24)

京太郎「そりゃあ母校が優勝争いで、それぞれに因縁もあるでしょうけど」

京太郎「わざわざ険悪ムードにならんでも。仲良くやりましょうよ」

智葉「私にそんなつもりはない。努めて友好的に話しかけていたぞ」


智葉「そっちが突っかかってくるんだよ」

菫「されるような事を言うからだろう」

京太郎(突っかかるのは否定しないのね......納得した)


京太郎(そりゃ、まわりに人が寄ってこないわけだよ......)



10分前 観戦室


菫「ん?」

智葉「おや、珍しい顔だ」


菫「辻垣内」

智葉「お前がわざわざ会場まで観に来るなんてな」

菫「どういう意味だ、それは」

智葉「いや、こういう人の多い場所は苦手なんじゃないかと、勝手に思っていただけだ」

菫「ああ、好き好んで喧騒の中に入りたいとは思わないよ、間違ってない。でも今日は特別だ」

智葉「なるほど。まぁ、座れよ」

菫「遠慮なく」


智葉「意外と暇なのか?」

菫「なんだ、さっきから」


828: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:33:59.92:5htDoxHfo (10/24)

智葉「試合開始までまだ1時間弱あるぞ? こういう時間をもったいないと思わないか?」

菫「人が入るからしょうがないだろう。それにお互い様だ」

智葉「私は嫌いじゃないぞ。だんだんと賑やかになっていく様子は、見ていて楽しい」

菫「物見高いやつ」

智葉「ああ、それこそお互い様だろ」


菫「暇人め」

智葉「持て余し過ぎてな、お裾分けだ」


菫「気前のいいことだ」

智葉「実際、お中元なんかはよく周りに配ったりしているよ」

菫「その年齢でもうデビューしているのか」

智葉「いや、家に送られてくるやつ。これが多いのなんの」

菫「なるほど」

智葉「食品とかは、とてもじゃないが腹に収まりきらない」

菫「食べ物は喜ばれるだろう」

智葉「ああ、メグにカップラーメンを段ボールでやったら、とても喜んでいた」

菫「メガン・ダヴァン。去年の副将か」


菫「そういえば、よく野外で食べているのをウチの生徒に目撃されていたな」

智葉「なにをしてるんだ、アイツは」


829: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:35:02.41:5htDoxHfo (11/24)

菫「大会期間中だけで。5回」

智葉「あきれるな......」


菫「しかし、想像していたよりもずいぶん仲が良さげというか」

智葉「意外か?」

菫「海外で活躍している選手を招集したチームだから、もっとストイックなのかと思っていたよ」

智葉「たしかにお前が考えているような一面も、もちろんある」

智葉「だが、卓から離れれば普通の娘だ」


智葉「他の人間よりも、麻雀が強いってだけのな」

菫「まあ、そんなものか。照も麻雀以外は......わりと普通だし」

智葉「麻雀を打っている時とそうでない時とでは、まるで別人だよな」

菫「人より口数が少なくて、本を読むのが好きで、お菓子が好きで、あとは......」


菫「営業スマイルがひどすぎる」

智葉「ああ......」


智葉「あれこそはまさに別人......本当の意味で人が変わっていたりは?」

菫「残念ながら同一人物だ」

菫「しかも驚く事に、アレは遺伝するものらしい」

智葉「血は争えないか」


830: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:36:36.19:5htDoxHfo (12/24)

菫「離れて暮らしていても、姉妹というわけだ」

智葉「その宮永妹だが、どうだ? 元部長の目から見て」

菫「そうだな」


菫「まず、実力は申し分ない。なんといっても、照を破ってのインハイチャンピオンだ」

菫「嶺上開花での火力アップは言わずもがな、ツモだけでなく大明槓での直撃も可能」

菫「さらに、相手をコントロールして被害をプラマイゼロに抑える事もできる」

智葉「しかし、去年の宮永咲はダークホースだった。今年は研究し尽くされていると思うが?」

菫「だからといって咲の支配に対応できる選手は、そういないだろう」


智葉「一理ある......助かったな、今年は先鋒に配置されて」

菫「なに......?」


菫「どういう意味だ」

智葉「そのままの意味だよ。数少ない、対応できる相手と当たらずに済んで良かったじゃないか」

菫「咲が大将だったら、ネリー・ヴィルサラーゼには敵わないとでも言いたいのか」

智葉「断言はしない。しかし結果はどうなるか、お前も見ていただろ?」

菫「それは1年前の話であって、今年は違う」


菫「咲だけじゃない。淡だって、あの頃よりさらに強くなっている」

智葉「成長速度でいえば、うちの新入りも負けてない」


831: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:37:46.12:5htDoxHfo (13/24)

智葉「東風フリースタイルのタイトルを手土産に持ってくるレベルだぞ」

菫「肩書きだけで優勝できるのなら苦労しないさ」

智葉「実力の証明だ」

菫「なら、うちには全国1位が二人もいる」


智葉「はぁ......視野が狭いというか、目の付けどころがシャープシューターだな」

菫「シャ......!?」

智葉「こっちは世界レベルで活躍してるやつらが揃ってるんだ。中には世界ランカーだっている」

菫「日本には日本のルールがある。実力を出せなければ、匕首に鍔だ」


智葉「匕首と思って見縊ると真っ二つだぞ。かつてのメグのようにな」

菫(メガン・ダヴァン......一体なにをやらかしたんだ?)


京太郎「よっこらしょっと」ドサッ

菫「メンバーの変更も少ないから、今年は......ん?」

智葉「それはこちらも同じ......どうした? ほう......おい須賀!」

京太郎「は、はい!? あ......?」ビクッ



京太郎(......ホント、どうしてこうなった。みずがめ座1位とは一体)

智葉「それで、もう答えは出せるか?」

京太郎「あ、いや......うーん、ちょっと難しい質問ですね」


832: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:38:54.37:5htDoxHfo (14/24)

智葉「まだ答えられないか」

菫「じゃあ、質問を限定して答えやすくしてみよう」

京太郎「すみません」


菫「先鋒戦では、誰を贔屓している?」

京太郎「むしろ答えにくくなったです」


智葉「誰推しなんだ? ん?」

京太郎「推しって......」

菫「しょうがない。じゃあ、他の選手の評価から聞いてみようじゃないか」

京太郎「評価するんですか? オレなんかが」

智葉「個人戦2位の実力者がなにを気兼ねする必要がある」

京太郎「それはそれでハードルが上がっちゃうと思うんですけど」


智葉「当然だ」

菫「自己評価が低いようだが、世間ではすでに全国トッププレイヤーという認識が通っている」

京太郎「みたいですね」

菫「ならば、相応の立ち振る舞いを求められるというものだ」

京太郎「......大変だ」


菫「あの姉妹を見習え、とまでは言わないがね」

京太郎「アレは勘弁して下さい」


833: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:39:56.04:5htDoxHfo (15/24)

智葉「まずは龍門渕の井上純。どう思う?」

京太郎「この中では一番お世話になってる人です。あの、オレ評論家みたいな事は言えませんよ?」

菫「かまわない。むしろ自分の思うまま、気取らずに話してくれ」

京太郎「わかりました。そうですね、流れを重視するスタイルです」


智葉「ネリーのようなタイプか」

京太郎「天江さんの支配も突破する時があるんで、勢いづいくと怖いですね」

菫「2年前のインハイで、2校3校を同時にトバした選手......天江衣」

智葉「メグが合浦女子をトバしていなかったら、あるいは......」

京太郎「それと、よく鳴くのが特徴で、それで相手の当たり牌を逸らすのが厄介です」

智葉「鳴きが多いと宮永咲は苦労すると思うな」

菫「その程度で咲のペースは乱されないさ」


京太郎「ちなみに、優希の速攻スタイルの先生でもあります」

菫「つまり、片岡の手の内は把握されているわけだ」

智葉「知らないのか? 優希の戦法はそれだけじゃないんだよ」

京太郎「一言でいうと、スコアにムラが出るけど油断できないプレイヤーです。って事で」


京太郎「こんな感じで、どうでしょう?」

菫「大丈夫、おもしろい情報だった」

智葉「では次、永水女子の石戸明星」


834: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:40:47.43:5htDoxHfo (16/24)

京太郎「巫女さんですか」

智葉「巫女だ」

菫「巫女だな」

京太郎「ヴィジュアルも特徴的ですけど、能力もユニークですよね」


京太郎「高火力で組めて、字牌以外では振り込まない。攻守に優れた能力だと思います」

菫「改めて考えるとヒドイ能力だ」

智葉「この絶一門を突破できるのは、今のところ誰もいない」

京太郎「あんまりデータ無いんで、よくわからないところも多いですけど」

菫「なにせ、おとといの準決勝で初めて見せたからな」


菫「県予選では至って普通の打ち筋だったらしい。個人戦も出てないから、とっておきのようだ」

智葉「いや、去年見せてただろう?」

京太郎「え? でもそれって、お姉さんの方の......」

智葉「ところが、アレは彼女ら固有の能力ではない」

京太郎「どういうことですか?」


智葉「戒能プロの噂を聞いた事はないか?」

京太郎「ソロモン王の力を借りてるって......まさか、あの人達にも何か憑いてたり!?」

智葉「実に巫女らしいじゃないか」


835: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:41:52.41:5htDoxHfo (17/24)

京太郎「らしいっちゃらしいですけど」

菫「そういう手合いには複数の打ち筋が確認されるものだが、彼女はどうだろう?」

智葉「チームメイトの神代がそうだし、さらに奥の手が存在するかもしれん」

京太郎「おっかない話だなぁ。でも、あの絶一門だけで言えば、咲はうまくやってましたね」

菫「槓材が集まるのが大きいな。それは制限されないから、むしろ状況は良いと思う」


菫「もしかしたら、意外と亦野も対応できたりするのかな」

京太郎「鳴きやすい場だし、速いですもんね」

智葉「石戸明星が同卓の場合、手が読みやすくなるから防御面が重要だな」

京太郎「あ、そっか。うーん、色々と難儀な試合になりそうだ」


菫「まぁ、咲ならば一度経験しているし、大丈夫だろう」

智葉「その時の試合、区間1位は石戸霞だったと記憶しているが?」

菫「経験というのは大きいものだ。データや数字でしか知らないのとは雲泥の差がある」

智葉「それが油断に繋がるというものだ。ハナから決めてかかると足を掬われる」

京太郎「............」


京太郎「あ......そういや、お菓子買ってきたんだっけ」ゴソゴソ

京太郎「これこれ。クリームたい焼きカスタード」

京太郎「生地がもっちりしてて、中のクリームが美味しいんだよなぁ。いただきま......」


菫「おい、聞いてるのか? 須賀」

智葉「それで、お前はどっちの肩を持つんだ? 言ってみろ」

京太郎「ええぇぇ......」


836: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:43:13.20:5htDoxHfo (18/24)

菫「というか、何食べようとしてるんだ」

京太郎「食べます?」

智葉「頂戴する」

菫「ちょ......おい、辻垣内」

京太郎「弘世さんもいかがですか?」

菫「いただこう」


京太郎「そうだ、たい焼きってどこから食べます?」

菫「考えたことなかった。言われて、無意識に尻尾から食べようとしていたよ」

京太郎「オレは頭からなんですよ。辻垣内さんは......」


智葉「おお。想像していたよりも、もちもちしてるな」

京太郎「割った......だと?」


智葉「なんだよ」

京太郎「いや、割る人はじめて見たので」

菫「他の人に分けたりする時は割るだろうけども」

智葉「このほうが口に入れた時、ダイレクトにクリームの味を楽しめるだろ?」


京太郎「もぐもぐ。んで、さっきの話ですけど、オレはどっちも応援してますよ」


837: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:45:04.43:5htDoxHfo (19/24)

京太郎「二人とも大事な友人ですからね」


「あら、同じ地元の井上さんは応援してあげないの?」

京太郎「いや、井上さんも応援してますってば......竹井先輩」


智葉「これはこれは、インターハイ出禁になった竹井久」

菫「そうなのか?」

久「......ソレ言ってるの愛宕さんでしょ?」


久「まったく。プロなんだから、発言の影響力ってもんを考えてほしいわ」

久「弘世さんもちょっと信じちゃってるじゃない。根も葉もない噂よ」

京太郎「あんなツモやってりゃ信憑性も出てきますって、そりゃあ」

久「言ってる本人だって相当マナー悪いわよ?」

菫「信じてないぞ、本当だぞ。ところで、竹井は龍門渕を応援するのか?」

久「そうね。先鋒戦じゃあ咲も優希もいるけど、そこで活躍されると困るのよね」


久「地元龍門渕が優勝できるなら、二人は負けてくれてかまわない」


菫「後輩相手にずいぶんと辛辣なんだな」

久「そうかしら?」

美穂子「これも、久なりの愛情なのよね。こんにちわ」

ゆみ「ふぅ。空いていて助かった」

「ラッキーっす」

智葉「福路も、長野のメンバーも一緒だったか」


838: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:46:36.41:5htDoxHfo (20/24)

久「言っとくけど、二人がキライなわけじゃないのよ? むしろ好きよ?」

京太郎「そうそう。ただ、愛情表現が歪んでるだけで」

久「少しくらい変化球な方が、気付いた時により大きな喜びが得られるってものよ」

ゆみ「否定しないのか」

美穂子「久らしいわね」

智葉「だったら仕方がないな。優希もさぞ嬉しかろう」

久「本当に、咲も優希も立派になったわ」


久「すっかり一人前なんだから、そんな二人には相応の態度を示さなきゃ失礼よね?」

智葉「確かに。しかし、いまだに後輩離れできないのがいるようだ」

菫「まさかとは思うが私の事か? お前の方こそ、片岡が心配でたまらないと見える」

「加治木先輩は後輩離れしなくってもいいっすからね?」

ゆみ「わかったよ、モモがそう言うのなら」

京太郎「まーたはじまったよ......」

久「あらあら、二人とも愛されちゃって。果報者ねぇ」

智美「ワハハ。みんな仲がいいな」



京太郎「......って感じで、大変だったんだぞ」

ムロ「へぇ」


839: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:48:31.43:5htDoxHfo (21/24)

宿泊所


ムロ「お疲れ様でしたね、先輩」

京太郎「ムロにも見せたかったなぁ。先鋒戦前半の、辻垣内さんの煽りっぷり」

ムロ「反対方向からはプレッシャーが凄かったんでしょうね......」

京太郎「そして後半の弘世さんのはしゃぎっぷり」

ムロ「それはちょっと見たかったです」


ムロ「白糸台が優勝決まった時なんて、どうなっちゃったんです?」

京太郎「逆に静かになって震えてた」

ムロ「感無量ってやつですか。無理もないですよね、王座奪還ですから」

京太郎「そんでまた、竹井先輩がささやくんだよ」


久『見て、大星さんの顔、すごく嬉しそう』

久『王者白糸台陥落、なんて言われた1年間。辛かったわよね......』

久『それでも部員達が団結して、みんなで頑張ってきて、やっと悲願を果たすことができた』

久『きっと他のメンバーも凄く喜んでるはずよ。ほら、想像してみて?』

菫『ッ......うっ......く、くぅ......ううぅぅぅぅ!』プルプル


京太郎「男泣きを見た」

ムロ「女ですよ」


840: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:50:38.02:5htDoxHfo (22/24)

京太郎「とまぁ、会場はこんな感じだったわけだけど」

京太郎「ムロ......ついに明日から個人戦が始まる」

ムロ「はい」

京太郎「相手が誰であっても油断しない。遠慮もいらない」


京太郎「チャンピオンだろうがなんだろうが、ボッコボコにしていいからな」

ムロ「できるならしたいですけどね」


京太郎「できるよ」

ムロ「だといいんですけど......先輩?」

京太郎「ん?」

ムロ「先輩は、もし私が優勝したら、泣いてくれます?」

京太郎「うーん、どうだろ。その時になってみないとわからん」

ムロ「おーい? そこは嘘でも泣くって言ってくれないと」

京太郎「正直者でスマン」


京太郎「自分の時は実感わかなかったけど、ムロの時はもしかしたら泣いちゃうかも」

ムロ「そっかそっかぁ」

京太郎「そんなに泣かせたいか、オレを」

ムロ「どちらかといえば、イエス」


841: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:51:33.55:5htDoxHfo (23/24)

京太郎「なんでだよ」

ムロ「思いだしたら、今まで私が泣き顔見られても先輩のは見た事なかったし、ズルイです」

京太郎「別にズルかねーよ」

ムロ「というわけでこの大会の目標は、先輩泣かすに決定しました!」

京太郎「やれやれ、男はそんな簡単に泣かないもんなの」

ムロ「ホントに?」

京太郎「ホントホント」


ムロ「青い猫型ロボットが未来に帰っちゃっても?」

京太郎「おい、それは卑怯だぞ」


京太郎「まぁなんにせよ、頑張ってくれ。まずは自分が後悔しないように」

ムロ「はい」

京太郎「それが第一義。結果や評価は後からついてくる。ついでにご褒美もつけとくよ」

ムロ「わぁい!」



京太郎「モノにもよるけどな。それで優勝してくれるなら安いもんだ」

ムロ「ちょっと楽しみ増えてきました!」


842: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年03月27日(日) 03:55:45.29:5htDoxHfo (24/24)

今日はここまで
最近自分の中で臨海女子ブームきてます


843:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月27日(日) 05:35:48.66:dBMxxHWVo (1/1)

乙です


844:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月27日(日) 17:48:27.22:0uTy5RAao (1/1)

おつー
久泣かせにいったな?


845:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月28日(月) 16:14:19.13:O/NPEpojo (1/1)

乙です


846:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月28日(月) 16:57:06.34:s0iEhdlVo (1/1)




847:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月29日(火) 11:33:25.70:Icopw78Go (1/1)

乙です


848:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年03月29日(火) 14:36:03.63:FKXfR5h9o (1/1)

乙です


849: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:29:30.49:SUwNhuwYo (1/16)

こんばんわ

第157局を読んで思ったんですけど
竜華はひとつの関心に傾倒する性格なんでしょうかね
末原さんに対しても世話焼きと合わさって独特の距離感を生み出したり
それが天然さんと言われる所以なのかと思いました
咲日和のゾンビ映画の話でも「あっ!怖い!」ってやってたし

投下します


850: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:30:40.22:SUwNhuwYo (2/16)

ムロ「ツモ。リーチ一発ツモ三暗刻、2000・4000です。ありがとうございました」


「......はい」

「ありがとうございました......」

ビイイィィィィッ

ムロ「ふぅ......全試合日程終了」

ムロ「これで本選いける、かな?」



インターハイ11日目 女子個人戦
予選2日目


京太郎「おつかれさん、ムロ」

ムロ「はい。ただいまです、先輩」

トシ「お疲れ様、いい調子だったよ」

ムロ「ホントですか?」

まこ「ほんまじゃ。自分でやっとってどうじゃった?」


ムロ「以前よりも考える要素は多くなったけど、そのぶん、思い通りにいきました」

ムロ「できる事も増えましたし」

まこ「そりゃあええわ」

トシ「ムロ自身に、特に問題はないようだね」

まこ「んで、今日当たった相手で気になったやつはおったか?」

ムロ「えーと、そうですねぇ......」


851: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:32:34.86:SUwNhuwYo (3/16)

ムロ「白糸台の渋谷さんと対戦しましたけど、オーラスまでいかなかったんですよ。今日は」

ムロ「本選でも、早めに切り上げられればいいんですけど」

京太郎「その時って、他の選手をトバしたんだっけ? 明日は相手のレベルも上がってるから」

まこ「同じ作戦は難しいかもしれんのう」

ムロ「姫松の上重さんも、私との時は爆発しなかったんでラッキーでした」


ムロ「あと、気になるのが真屋さん......」

トシ「彼女がどうかした?」

ムロ「左手の事なんですけど」

京太郎「アレって、1日に何度も使用できるモノじゃないんだろ?」

まこ「じゃが、それでなんも対策せんのは心許ないのう」

ムロ「真屋さんって、通常は右手でツモるんですけど、ここぞという時は左手なんです」

ムロ「その時、左手でツモっていいか許可を求めてくるんですけど......」


ムロ「拒否したら使わないでくれるんですかね?」

京太郎「鬼かよ」


京太郎「あれは、一種のお約束ってヤツだろ」

ムロ「お約束?」

京太郎「たとえば、ヒーローが名乗りの最中に攻撃されないとか」

まこ「両親は長期の海外出張で留守にしとるとか」

トシ「犯人は最終的に崖の上に追い込まれたりとかね」

ムロ「ああ、なるほど。パンを咥えて遅刻遅刻〜のやつですね」


852: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:33:41.24:SUwNhuwYo (4/16)

ムロ「それと、宮永先輩はいつも通り......というか、全力で打ってる感じではなかったように思います」

京太郎「本番は明日だからな。もしかして、本気をムロに見せたくなかったのかも」

まこ「ほんなら、咲に認められたっちゅう事かのう」

ムロ「おおぅ、それはそれは......」

まこ「次は手加減無しでくるけぇ」


ムロ「宮永先輩の本気、かぁ。わかっちゃいるけど怖いです」

京太郎「それもこれも予選の結果次第だけど、まぁ」



『まもなく、女子個人戦の、本選出場者を発表いたします』


トシ「いよいよだね」

ムロ「はい......!」

京太郎「だいじょうぶだよ、絶対通ってる」


まこ「おっ、アンタらも見に来たんか」

穏乃「はい! 緊張しますね!」

ムロ「松実さん達は1日目でしたよね」

玄「うん。1日目での結果は出たけど、明日行けるかは今日の結果次第だから、ドキドキ」

憧「そろそろ結果発表だよー」


ワアアァァァァ


ムロ「......!」

京太郎「きたっ」


853: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:35:11.39:SUwNhuwYo (5/16)

友香「うっし! 予選突破でー!」

莉子「わあ、友香ちゃんすごーい」


藍子「名前......あった!」

憩「ウチもや。モコちゃんのもあったわー、よかったなぁ」

もこ「............」ブツブツ


ムロ「......あった、ありました先輩!」ピョンッ

京太郎「やったな!」

トシ「よしよし。ひとまずおめでとう、ムロ」

ムロ「ありがとうございます」

まこ「池田も南浦もおるけぇ。長野勢は全員、本選出場じゃな」


灼「あ、あそこ......」


玄「わあ、ホントだー!」

穏乃「やったああああ!」

和「優希と咲さんも。よかった」


優希「ふふん、順当な結果だじぇ!」

和「あら、優希」

ムロ「優希先輩、お互い頑張りましょうね。明日は私も全力です!」


優希「おう! 咲ちゃんも勝ち進んで、清澄で決勝卓を囲むのも面白そうだじぇ」

ムロ「いいですね!」

ワイワイ

和「......私は仲間ハズレですか」

まこ「安心せぇ、わしがおるよ」

京太郎「オレもいるぜ」


854: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:36:13.71:SUwNhuwYo (6/16)

誠子「いやぁ、よかった。3人とも出れてよかったー!」

淡「トーゼンっしょ」

尭深「なんとか進出できて、ほっとしたかな」

咲「私もです」

淡「団体戦でも個人戦でも、目指すところはテッペンなんだから!」

誠子「ああ、明日もこの勢いで頑張れよ」


誠子「それを見届けるまで、私の夏は終われない」

淡「そーなの?」

誠子「そうだよ。部長としての責務もあるし、なにより応援してる側の身として」

誠子「勝ち進んだからには、そういった人達の想いを背負ってるって事、知っといてくれ」

尭深「自分にできる事を、精一杯やればいいと思う」

淡「わかってる。カッコ悪いとこ見せらんないもんね!」



漫「まずは予選突破や」

絹恵「せやね」

漫「明日は正念場、むっちゃ集中せんと」

絹恵「大変やなぁ漫ちゃん、常時爆発しとかなアカンやん」

漫「うち、個人戦終わったら燃えカスなっとるかも......」


絹恵「アハハ」


漫「でも、そんくらいの気合で行かなな!」

絹恵「その意気やで!」


855: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:37:20.06:SUwNhuwYo (7/16)

爽『わるいね、現地で応援できなくて』

由暉子「そんな、応援してくれるだけでもありがたいですよ」

爽『なに言ってんだ、当たり前じゃん』

揺杏『そうそう。ユキは私達の後輩で、アイドルなんだから』

由暉子「アイドル関係あります?」

誓子『あるの?』

爽『あるでしょ』


爽『ユキは、昔っから他人の助けになりたがる性分だったけど、今も変わらないよね』

由暉子「そう、だと思います」

成香『素敵です』

爽『うんうん。それがアイドル真屋由暉子の魅力の1つだ』

爽『でも、アイドルってそれだけじゃないと思うんだよ』


爽『頑張ってる人を応援したいって思わせるチカラが、アイドルの本質だと思うんだ』


揺杏『出たな、爽のアイドル論』

由暉子「思わせる......思う、ではなく?」

爽『やっぱり、人の心に感情を引き起こさせるのって特別な能力だからね』

誓子『そうね。ユキを見てると、こっちもがんばれーってなるもん』

揺杏『なんて言うか、庇護欲をそそられるっつーか』

成香『支えてあげたくなります』

由暉子「見ていて頼りないという事でしょうか。まだまだ未熟ですね、私」

爽『いや、それでいいんだよ』


856: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:38:21.80:SUwNhuwYo (8/16)

由暉子「それに、そんなスキルが私にあるんでしょうか」

揺杏『あるよー。あるある』

爽『あの時、あのユキを見出した私を信じなさい』

由暉子「......はい。そうですね」


爽『だからさ、ユキはもっと自分本位になってもいいと思うんだ』

由暉子「自分本位......」

揺杏『ワガママになれってこと。ちょっとくらい、いいんじゃね?』


誓子『ユキは今、やりたい事とかないの?』

由暉子「うーん、そう言われても。やりたい事......あっ」

揺杏『お、なんか見っけた?』

由暉子「私、ミステリーハンター......に、なってみたいです」


揺杏『へぇ、ユキにピッタリかも』

誓子『ユキ、そういうの好きだからね』

由暉子「ビュガラッシュとか、エリア51とか行ってみたいです」

爽『いいねいいね』

成香『あ、そういえば』


成香『アレって、たしか年齢制限あった気がします。20歳以上の』


由暉子「............」

誓子『............』

揺杏『............』

成香『えっ?』

爽『つ、つまり、今は目の前のインハイに集中しとけって事だな、うん!』


857: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:40:03.11:SUwNhuwYo (9/16)

初美「姫様、本選進出おめでとうございます」

明星「おめでとうございます」

湧「おめでとうございます」

小蒔「ありがとうございます。明日もがんばります」



霞「さぁ、戻って食事にしましょう」

小蒔「はい」

巴「食事が済みましたら、ローテーションを組みます」


小蒔「わかりました」

初美「姫様は明日のために早く寝なきゃですね」

霞「予選は、それほど強くない神様でも凌げたから良かったけど」


霞「明日の本選では総合順位4位以内を目指して、なおかつ決勝戦に備えないといけないから」

巴「調整がシビアですね」

小蒔「お手数をおかけします」

巴「いえ、お気になさらないで下さい」

初音「姫様はいつも通りで大丈夫ですよー」



浩子「おつかれさん、泉」

泉「お疲れ様です」


浩子「もうちょい喜んでもええんやで?」

泉「まだ早いですよ。まだ、こんなトコで満足できません」

浩子「気ぃ抜いたらエンジン止まるってか。そんじゃ、ガソリン入れとく?」

泉「コレなんですか?」

浩子「さっきのミーティングでは出さんかった、個人的にチェックしとる選手のデータ」


858: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:42:18.88:SUwNhuwYo (10/16)

泉「へぇ、なんで出さんかったんです?」

浩子「グループで検証するんが、ためらわれるくらいのデータしか無くてな」

泉「ありがたく見させてもらいますわ」

浩子「おう」


泉「ようさんありますねぇ。やっぱ1年生が多いか」

浩子「逆に言うと、少ないデータでも見どころのある選手って事や」

泉「ほうほうっと......」


泉「あ、清澄の室橋ですね。コレも保留ですか」

浩子「んー、そうやな」

泉「アイツなら先輩達で打って、園城寺先輩と似たような能力だって分かってるんじゃ?」

浩子「そうやねんけど......どうもそれだけじゃないっぽい」

泉「じゃあ、なんか不審な点でもあったり?」

浩子「無い」

泉「えー」


浩子「つーか、無いのがおかしい。自然すぎるんや」

怜「自然すぎって、なにが?」ヌッ


浩子「うわっ!?」

泉「お、園城寺先輩!?」

怜「うわーて、ヒドイわぁ」

竜華「いや、急に現れたらビックリするやろ」


859: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:44:50.37:SUwNhuwYo (11/16)

怜「それは申し訳ない」

泉「あれ? 二人して、団体戦終わったら大阪戻ったんちゃいますの?」

怜「うん。ちゅうか、もともと大会の最後までおるつもりやってん」

竜華「でも、昨日は怜の病院行く予定入っててな。一旦、大阪戻っただけや」

泉「そやったんですね」

浩子(軽くお嬢様発言しとうなぁ......)


怜「せや、泉に差し入れあるんやった。竜華」

泉「マジすか!」

竜華「阪急でな、いろいろスイーツとか買うてきたで。食べてなぁ」

泉「ありがとうございます! めっちゃうれしいです」

浩子「じゃあ、お茶淹れてきますわ」

怜「んー、たのむわー」


怜「そんで? 何話してたん?」

泉「船久保先輩のですね、気になる選手のデータ見てたんですけど」

怜「そういうのって、もっと大人数で検証せぇへんかったっけ?」

泉「情報量すくなくてミーティングで出すには至らないやつ、らしいです」

怜「ほっ、なるほど」


泉「そんで、先輩が気になる選手ってのが居まして。ええと......コレですね」

竜華「浩子が目ぇ付けるのって大概おかしい打ち手がーって、清澄のムロちゃんやん」

怜「おー、弟子がんばっとるなぁ」


浩子「はーい、お茶でございます」

竜華「ありがとう、浩子」

浩子「んで、さっき話ししてたんですけど、ちょっと見てもらえます?」

怜「どれどれ」


860: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:45:53.10:SUwNhuwYo (12/16)

竜華「んー......これは、最終形が分かっとる打ち筋や」

怜「それは、ムロも視えとるって言うてたやん、ひっかかるトコか?」

竜華「分かるのは今の自分のツモ筋で、やろ?」

怜「ああ、そやったね」


竜華「この牌譜やと、鳴いてツモ筋はズラしても有効牌ツモっとる」

怜「ふんふん」

竜華「って事は、その鳴きも織り込み済みで構築しとったんやな」

怜「ふーむ」

竜華「いやでも、この手やったらデジタル的に不自然じゃない? こともない......?」

浩子「そこです」


竜華「浩子はどう思ってんの?」

浩子「まず、場を支配しているという感じはありませんね」

浩子「偏った配牌やツモは、あっても他の選手によるものです」

浩子「ですから、和了れない局もそこそこあります」


浩子「逆に、和了る時はとにかくスムーズ」

泉「裏目とかありませんね」

浩子「その通り。これはまるで......」

竜華「やっぱり怜ちゃんや!」


861: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:47:43.25:SUwNhuwYo (13/16)

怜「やっぱりって、わかってたん?」

竜華「見たときからそんな気はしとった」

泉「えっと、怜ちゃんが教えてくれるのって和了れる局だけでしたよね?」

竜華「せや。和了れん局は、ヤレヤレ......みたいな顔して帰ってくんや」

泉「一応は来てくれるんですね」

竜華「まあ、そういうトコも可愛いんやけどな!」

浩子「さようですか。で、泉はなに気になっとう?」


泉「この局、室橋が和了らない局なんですけど、これって相手の当たり牌ズラしてますよね?」

竜華「どれどれ。あ、ホンマや」

浩子「ふーん。つまり、園城寺先輩に怜ちゃん付いた感じなんかな?」

竜華「なぁっ......!?」

泉「えぇ、そんなん......」


竜華「そんなん、最高やーん!」

怜「竜華だけやで」

泉「清水谷先輩はおいといて......そんなん厄介すぎますて」

浩子「もともと似たようなモノやったし、能力が変化した可能性は無きにしも非ずや」

怜「すくなくとも、前までのムロとは一味ちゃうみたいやな」

泉「この数ヶ月間で、異常な成長スピードですよ」

怜「ま、そんな事もあるやろな」


怜「無名の新人が化け物とか、インハイやと毎年恒例やったりするし」

泉「はぁ......」


862: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:49:19.39:SUwNhuwYo (14/16)

怜「てか、これだけで判断できん情報量やろ」

浩子「そもそもミーティングで出せんデータですからね」

怜「せやから、あんま考えすぎもあかんやろ?」

泉「そうですね」

怜「ちゅうわけで、お菓子食べよお菓子」


浩子「どうする泉?」

泉「いいと思います。せっかく先輩方が買ってくれはったんですし」

怜「よっしゃ」


泉「それにしても、ずいぶん種類ありますねぇ」

竜華「あっはは。ちょーっと買いすぎたかも。まぁ、余ったら監督とか、みんなにも分けたげて」

怜「なにから食べようかなー」

竜華「怜のおやつに買うてきたんちゃうやろ? わかっとる?」

怜「ちゃうねん、泉の好きそうなの選んどるだけや」


泉「おまかせしますよ」

怜「ほんならな......コレや。このハッピーターンがヤバイんやって」

竜華「もう、しゃーないなぁ怜は。泉も、あんま怜を甘やかしたらアカンで?」

泉「......なんですと」

浩子「......自分がそれ言うんかい」


怜「バニラミルクとな、あとキャラメル味おすすめ......あ、キャラメルもう1個しかあらへん」

竜華「はあ? なにつまんで......とーきー!?」

浩子「さわがしい人達やな」

泉「あはは、試合前日ですのに。なんか緊張感ないわぁ」

泉「............」


863: だいやまーくpyIN0e.HV2:2016年04月10日(日) 23:51:29.95:SUwNhuwYo (15/16)


『無名の新人が化け物とか、インハイやと毎年恒例やったりするし』

泉(......まさか、なんて思えへんよな)


泉(そういう選手達を、自分も見てきた)

泉(園城寺先輩がそうやし、3年には神代小蒔が。同学年では大星淡、そんで宮永咲......)

泉(毎年、参加者に一人や二人、おかしいのが混ざっとる)

泉(ハンパな異能やったら打ち負かす自信はある。けど、アレは)


泉(......規格外。並大抵の打ち手なんかじゃ対抗できん、言うなれば脅威)



バシィッ

「ツモ。嶺上開花のみ」

泉(それが......)


ムロ「800・1600です」

泉(今、目の前に居る――!)



だいやまーくpyIN0e.HV2 さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16789623.html

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P「ん?」;33,16652148;【解読困難】 シンジ「なんたらや、鶴が罠っこさ引っかがってだ...」;40,17019451;【モバマス】唯「それが大人になることの代償」;25,16987033;男「ポエムノート?」幼馴染「やっやめてっ///」;51,45829255;元太「美味ッ!博士が作ったうな重美味ッ!」モグモグ;4,16811602;クレーマー「その接客態度はなんだぁ!」;30,19325063;いぬ耳幼女「わう〜?」 俺「翻訳機だってよ」;41,44906122;【安価進行注意】提督「高校野球部の監督になった」羽黒「5スレ目です。」;147,17037954;勇気出してこっちから告白してなんとか付き合えたけど今では落ちぶれて堕落した無職ちゃん「ねえ、お金」;27,16890389;【安価】京太郎「スパロボ学園!」真佑子「鬱憤を晴らさせていただく!」【part12】;1002,16943117;【艦これ】瑞鳳「卵焼きに飽きた」;69,16753915;モバP「3サイズ詐称?」;27,16940348;卯月「島村卯月、>>5がんばります!」;78,21439635;悟空「オラオラオラオラ!!」俺「シュンシュンシュン」全てをするりと回避する俺;15,27551564;【シャニマス】はづき「いつもの皆さんの新年の光景」;19,16810124;艦これSS雑談スレ☆35;1002,22301746;女の子「さっさとしろよ」;36,16843580;P「765プロに来い、響」響「うんっ」;21,16823176;【艦これ】艦娘は、命がけより心がけ;34,16646027;【暴力注意】きらり「にょわー!」 幸子「うぐぅ......」;46,16806272;クロウ「遊星!ボマーが無差別にフェラチオしてるぞ!」 遊星「何!?」;19,16810772;暁「響が髪を洗わないから臭い・・・」;46,45554403;【劇場版安価】佐天「Alive A」鴻野江「Life is Beautiful」【禁書】;999,45777700;【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2025秋;41,16830464;カイザー『俺とデュエルだと』 カイト『受けてもらうぞ』;8,22774902;仮面悪騎士(♀)「フフフ......見苦しいですねぇ。」;18,16815859;提督「安価で艦娘を壊したい」;313,16891074;卯月「プロデューサーさんの車の中でスイカ割りしましょう!」;78,16606622;男「朝起きたら女だった」;192,23497365;犬のおまわりさん「迷子の迷子の子猫ちゃん......可愛いね、ぐへへへ......」子猫「イヤーッ!!!」;29,16955671;天海蘭太郎 「好きな人がいそうな人にイタズラしてみるっす」;59,17002869;【モバマス】藍ほた、猫を拾う。;19,16832917;P「仕事で雪歩、千早の二人と福岡へ行くことになった」;158,16730955;凛「ラブライブ! μ's広報部」;1002,24841213;男「友よ」 友「なんだ男よ」;93,44229862;イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」;985,16867365;タカヒロ「チノから弁当を忘れたと電話をもらった」メグ「あっチノちゃんのお父さん」;34,16795524;徳川家康「今川義元が殺されたwwwwwwww」;83,16813457;絵里「あの子達なら、私達が居なくても大丈夫そうね」 希「せやな〜」;53,45681139;主人公「あるヒロインとのひとつの結末のカタチ」微安価;24,16748535;希「えーりち、セックスしよ?」;325,16644591;魔法少女まどか☆マギカSS談義スレその52;1002,41392984;俺「この悪魔め!」ぷにろり淫魔「ゆ、ゆるしてくださぃ......」;19,17035613;俺「チノちゃん元気ー?」チノ「お、俺さん」;40,16790714;男「僕っ娘はいいよな」女幼馴染「まったくね」;13,17036446;女武闘魂家「ゴブリンスレイヤーさん、弟子にしてください!」;122,16609726;「ここは天国......なのか?」;44,16987614;【ゆるゆり】向日葵「これは、密室殺人ですわ!」;90,27352834;チノ「ココアさん、コロナゲームをしましょう」;15,29106969;若者がよく持ってる手持ち扇風機とかいう道具wwwwwwwwwwwwwwwww;55,16989272;サターニャ「ウルトラハッピーバースデー」;29,38764018;【安価・コンマ】転生したらサトシだった その4;179,16979280;【安価】イき残りサバイバル;194,16708794;真美「りっちゃんを」亜美「くすぐりの刑DA!」;26,16839148;安価で彡(゚)(゚)とRPG;842,22060219;輿水幸子「電気...」白坂小梅「あんま...」;39,29031726;シャミ子「国民投票法改正案について」🍑「......」;23,44704673;タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part8;944,25395441;シャロ「千夜お誕生日おめでとう」 千夜「え、誕生日昨日なんだけど...」;16,32072493;加賀「......何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」;621,16833158;冬馬「765プロのアイドルを全員犯すぜ!!」;31,16896590;千夜「バレてしまったのね...私が悪の組織の一員だと・・・」;95,16718028;P「雪歩の体に書初めする」;26,16962368;テレビ『サターニャ「サタニキアショッピングの時間よ!!」』;28,16986938;男「まな板が好きなんだよ〜」幼馴染「!?」ピクッ;27,23527790;シャミ子「(最近桃のことばっかり考えすぎて頭がグラグラします...)」 桃「...?」;117,29372436;メスガキ「ざぁこ♡ねっ♡ちゅーしよ♡」;22,16721071;モバP「飯の時間だあああああああああああ!!!!」;24,16770964;川島、再会っ!?;28,16867223;穂乃果「絵里ちゃん!!!」;34,27152955;貴子「プロジェクトしろまる?」;2,16916536;少女「豆腐マンですって!?」;8,23828791;【シャニマス】果穂「Pさん! 催眠をかけてもいいですか?」;13,28688579;ゴルシ「とりゃー!」キック トレーナー「ぎゃあああああ!」;11,16995622;荒木比奈「STOPした意識」;9,16993805;【艦これ】みんなで一行ずつ壮大?なストーリーを書き上げる【参加型】part34;1001,16955249;モバP「森久保乃々で遊ぶ」;21,16688062;【Fate/stay night】桜「ライダーの馬、変わった名前ね」;504,16950438;キャンディアイランドの案の定毒にも薬にもならないおしゃべり;19,45437674;【安価】魔女に実験と称してエッチなことをしたりされたり;812,16938908;島村卯月「駄菓子屋さん」;33,16984703;海未「もしも私が姉で」果南「私が妹なら!」 代行;399,24147541;【ミリマス】育「ドラマ こんじき雛」;65,24635023;幼女淫魔「んやぁー! えっちしゅるのぉ!」;168,16735609;女騎士「オークとは200回以上性交しています」;15,16738545;海未「ほのかふれいばー」;82,17048697;ワイ「転生したら?やった件」;34,16639947;エルフ「......そ〜っ」 男「こらっ!」;1002,45426789;鑑定士「あなたの職能はエロ魔導士です」;815,16849318;裕子「サイキック紅葉風呂!」ヘレン「その一言が始まりだったわ」;26,16677169;エレン「仕事見つかんねぇな」 ×ばつBLEACH斬魄刀異聞篇】宝多六花と灰猫の戦闘日記;142,16948953;喜多見柚「ナイショのお願いゴト」;11,17020183;姉「ねね、弟くん手空いたらでいいんだけど...」;24,16958881;凛「誰に、なんと言われようとも、友チョコ」;43,44738188;【安価とコンマ】異世界転移したかもしれない人の話;603,16988271;ブルー「ジュラシックワールドの続編が公開されるらしい」;17,16902359;モバP「うちのアイドルは変わり者」;35,
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