勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その2)
関連作品
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その1)
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その2)
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その3)
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その1)
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その2)
勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」(その3)
405: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:31:43.87:/5lKw8xG0 (13/27)
勇者『な、なんでここにいるのさ!!?お城は!?』
遊び人『ふ......ふーんだ!!ぬけだしてきたの!』
勇者母『あらあら、可愛いお客さんね?』
盗賊『......というか、お城?......』
僧侶『ぬけだして来たって......?』
勇者『ああ、えっとね......』
――――――――
勇者母『へえー、賢者様の妹さんねえ』
盗賊『......どうりで、見た事無いと思った......』
勇者『お姉さんが厳しくてさ。ずっとお城から出して貰えなかったんだよ』
遊び人『だからぬけだしてきてやったの!だしぬいてやったのよ!』
僧侶『だめですよー?心配かけちゃ』
遊び人『......しんぱいなんて、だれも』
僧侶『え?』
遊び人『............なんでもない』
勇者『とりあえず!送っていくから帰ろう遊び人さん!』
遊び人『やだもーん!いえでならぬ、しろでしてやるんだから!』
勇者『はぁぁぁ......この子はもう......』
遊び人『どうせかえったって、わたしは』
スタスタ
勇者母『遊び人ちゃん、だったかしら』
遊び人『えっ?は、あ、うん』
遊び人『......このひと、だれ?勇者ちゃん』
勇者『ぼくの母さんだよ』
遊び人『そ、そうなんだ』
勇者母『......』
遊び人『......う......』
遊び人『(どうしよ......おこられるのかな......)』
ニコッ
勇者母『夕飯はもう食べた?』
遊び人『えっ?』
勇者母『夕ご飯よ。まだ食べてない?』
遊び人『あ、う、うん。まだ......』
勇者母『そ。じゃあ食べておいきなさいな』
遊び人『えっ!?』
勇者『母さん!?』
勇者母『盗賊ちゃんと僧侶ちゃんはどうする?食べてく?』
僧侶『あ、私達はお遣いの途中なので』
盗賊『......またご馳走になりますね......』
勇者母『あらそう、それじゃ仕方ないわね』
僧侶『それじゃ、勇者くん......この子の事頼んで大丈夫ですか?』
勇者『あ、う、うん。ありがとね二人共』
盗賊『......ううん。それじゃね......』
勇者『な、なんでここにいるのさ!!?お城は!?』
遊び人『ふ......ふーんだ!!ぬけだしてきたの!』
勇者母『あらあら、可愛いお客さんね?』
盗賊『......というか、お城?......』
僧侶『ぬけだして来たって......?』
勇者『ああ、えっとね......』
――――――――
勇者母『へえー、賢者様の妹さんねえ』
盗賊『......どうりで、見た事無いと思った......』
勇者『お姉さんが厳しくてさ。ずっとお城から出して貰えなかったんだよ』
遊び人『だからぬけだしてきてやったの!だしぬいてやったのよ!』
僧侶『だめですよー?心配かけちゃ』
遊び人『......しんぱいなんて、だれも』
僧侶『え?』
遊び人『............なんでもない』
勇者『とりあえず!送っていくから帰ろう遊び人さん!』
遊び人『やだもーん!いえでならぬ、しろでしてやるんだから!』
勇者『はぁぁぁ......この子はもう......』
遊び人『どうせかえったって、わたしは』
スタスタ
勇者母『遊び人ちゃん、だったかしら』
遊び人『えっ?は、あ、うん』
遊び人『......このひと、だれ?勇者ちゃん』
勇者『ぼくの母さんだよ』
遊び人『そ、そうなんだ』
勇者母『......』
遊び人『......う......』
遊び人『(どうしよ......おこられるのかな......)』
ニコッ
勇者母『夕飯はもう食べた?』
遊び人『えっ?』
勇者母『夕ご飯よ。まだ食べてない?』
遊び人『あ、う、うん。まだ......』
勇者母『そ。じゃあ食べておいきなさいな』
遊び人『えっ!?』
勇者『母さん!?』
勇者母『盗賊ちゃんと僧侶ちゃんはどうする?食べてく?』
僧侶『あ、私達はお遣いの途中なので』
盗賊『......またご馳走になりますね......』
勇者母『あらそう、それじゃ仕方ないわね』
僧侶『それじゃ、勇者くん......この子の事頼んで大丈夫ですか?』
勇者『あ、う、うん。ありがとね二人共』
盗賊『......ううん。それじゃね......』
画像 画像 画像 画像 画像
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ...」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
406: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:32:58.86:/5lKw8xG0 (14/27)
バタン
勇者母『よし、それじゃお皿を多く用意しなきゃ』
勇者『いやいや母さん!?』
............
コトン
勇者母『ん。これで全部ね』
遊び人『......』
遊び人『(おしろのごはんより、ごうかじゃないけど......なんだか、あんしんする)』
勇者『それじゃ』
『『『『いただきまーす』』』』
遊び人『......いただきます』
ヒョイ
遊び人『......』
パクッ
遊び人『......!』
バクバクッ!
遊び人『むぐっ!むう』モグモグ
勇者母『ふふ、そんなにかき込むと詰まらせるわ』
遊び人『むうっ!?』
勇者『ああもう、ほら。水だよ』
遊び人『んっ......はあ』
遊び人『もっ、もふっ』モグモグ
勇者祖父『はは、言ったそばからこの子は』
勇者『僕の言う事本当に聞いてくれないんだよね......』
......
カラン
遊び人『はふぅ......』
勇者母『あら、もう食べ終わったの?』
勇者『どう?うちの母さんの料理は。すごく美味しかったでしょ』
遊び人『ぐむ......!』
勇者『前まではお城で料理長をやっててさ。もしかしたらこの街で一番料理が』
遊び人『ふ、ふーんだ!べつにっ!べつにだもん!』
勇者『なっ!』カチン!
勇者母『あらごめんなさい、嫌いな物があったかしら?』
遊び人『え?あ!!その、えっと......ふ、ふーん!こ、こんなのぜんぜんおいしくないんだからっ』
『いってくれるねこのちんちくりん』
遊び人『!?』
勇者『こら、女勇者!』
女勇者『お義兄ちゃんはちょっとだまっててくれるかな。わたしはこのちんちくりんにようがあるんだ』
遊び人『ち、ちんちくりんってなによー!』
女勇者『さっきからだまってればしつれいきわまりないこむすめだね。あいてどるよわたしは』
遊び人『ゆ、勇者ちゃん!なによこいつ!』
バタン
勇者母『よし、それじゃお皿を多く用意しなきゃ』
勇者『いやいや母さん!?』
............
コトン
勇者母『ん。これで全部ね』
遊び人『......』
遊び人『(おしろのごはんより、ごうかじゃないけど......なんだか、あんしんする)』
勇者『それじゃ』
『『『『いただきまーす』』』』
遊び人『......いただきます』
ヒョイ
遊び人『......』
パクッ
遊び人『......!』
バクバクッ!
遊び人『むぐっ!むう』モグモグ
勇者母『ふふ、そんなにかき込むと詰まらせるわ』
遊び人『むうっ!?』
勇者『ああもう、ほら。水だよ』
遊び人『んっ......はあ』
遊び人『もっ、もふっ』モグモグ
勇者祖父『はは、言ったそばからこの子は』
勇者『僕の言う事本当に聞いてくれないんだよね......』
......
カラン
遊び人『はふぅ......』
勇者母『あら、もう食べ終わったの?』
勇者『どう?うちの母さんの料理は。すごく美味しかったでしょ』
遊び人『ぐむ......!』
勇者『前まではお城で料理長をやっててさ。もしかしたらこの街で一番料理が』
遊び人『ふ、ふーんだ!べつにっ!べつにだもん!』
勇者『なっ!』カチン!
勇者母『あらごめんなさい、嫌いな物があったかしら?』
遊び人『え?あ!!その、えっと......ふ、ふーん!こ、こんなのぜんぜんおいしくないんだからっ』
『いってくれるねこのちんちくりん』
遊び人『!?』
勇者『こら、女勇者!』
女勇者『お義兄ちゃんはちょっとだまっててくれるかな。わたしはこのちんちくりんにようがあるんだ』
遊び人『ち、ちんちくりんってなによー!』
女勇者『さっきからだまってればしつれいきわまりないこむすめだね。あいてどるよわたしは』
遊び人『ゆ、勇者ちゃん!なによこいつ!』
407: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:35:19.97:/5lKw8xG0 (15/27)
勇者『ほら、まえに言ってた義妹だよ』
遊び人『はぁぁ!?わたしとこいつがにてるっていったの!?』
女勇者『なんだいそれはお義兄ちゃん?どういうことかなくわしくきかせてくれる?』
勇者『うおぉ怖ぇこいつら』
――勇者の部屋――
コトン
遊び人『ふっふーん!またわたしのかちー!』
女勇者『ぐぬぬ......もういっかい』
遊び人『いいよー?どうせまたわたしがかつけどね!』
勇者『まさか女勇者に勝つなんて......僕、一回も勝った事ないよ』
女勇者『いやそれはお義兄ちゃんが弱すぎるんだよ』
遊び人『うん。勇者ちゃんかんがえてることかおにですぎ』
勇者『怖ぇなあ、怖ぇよ』
ガチャッ
勇者母『勇者?遊び人ちゃん?そろそろお城に行かないと皆心配するんじゃないかしら?』
勇者・遊び人『『あっ』』
勇者母『遊び人ちゃんやお城の人達が良ければ泊まっていっても――......』
遊び人『えっ!』
勇者『だめだよ母さん。ちゃんとお城に帰さなきゃ』
遊び人『あ......う』
勇者母『そう?......それじゃ支度して降りてらっしゃい?』
勇者『うん、わかった』
バタン
遊び人『......』
勇者『遊び人さん?じゃあ先に一階に降りててもらえるかな。準備してくから』
遊び人『......うん』
スタスタ バタン
勇者『よしそれじゃ――......うん?』
女勇者『......』ジーッ
勇者『女勇者?どしたのさ』
女勇者『お義兄ちゃんてほんとうにどんかんだよね』
勇者『なんでさ!?』
――――――
遊び人『......』
勇者母『ちょっと待っててね。勇者が支度を終えたら送っていくわね』チクチク
遊び人『うん』
勇者母『......』チクチク
遊び人『......ねえ』
勇者母『んー?なあに』チクチク
遊び人『それ、なにしてるの?』
勇者母『これ?これはね、勇者の服を縫ってるのよ』チクチク
遊び人『ふくを?』
勇者母『そう。もうそろそろルビス祭があるし、寒くなってきたからね』
勇者『ほら、まえに言ってた義妹だよ』
遊び人『はぁぁ!?わたしとこいつがにてるっていったの!?』
女勇者『なんだいそれはお義兄ちゃん?どういうことかなくわしくきかせてくれる?』
勇者『うおぉ怖ぇこいつら』
――勇者の部屋――
コトン
遊び人『ふっふーん!またわたしのかちー!』
女勇者『ぐぬぬ......もういっかい』
遊び人『いいよー?どうせまたわたしがかつけどね!』
勇者『まさか女勇者に勝つなんて......僕、一回も勝った事ないよ』
女勇者『いやそれはお義兄ちゃんが弱すぎるんだよ』
遊び人『うん。勇者ちゃんかんがえてることかおにですぎ』
勇者『怖ぇなあ、怖ぇよ』
ガチャッ
勇者母『勇者?遊び人ちゃん?そろそろお城に行かないと皆心配するんじゃないかしら?』
勇者・遊び人『『あっ』』
勇者母『遊び人ちゃんやお城の人達が良ければ泊まっていっても――......』
遊び人『えっ!』
勇者『だめだよ母さん。ちゃんとお城に帰さなきゃ』
遊び人『あ......う』
勇者母『そう?......それじゃ支度して降りてらっしゃい?』
勇者『うん、わかった』
バタン
遊び人『......』
勇者『遊び人さん?じゃあ先に一階に降りててもらえるかな。準備してくから』
遊び人『......うん』
スタスタ バタン
勇者『よしそれじゃ――......うん?』
女勇者『......』ジーッ
勇者『女勇者?どしたのさ』
女勇者『お義兄ちゃんてほんとうにどんかんだよね』
勇者『なんでさ!?』
――――――
遊び人『......』
勇者母『ちょっと待っててね。勇者が支度を終えたら送っていくわね』チクチク
遊び人『うん』
勇者母『......』チクチク
遊び人『......ねえ』
勇者母『んー?なあに』チクチク
遊び人『それ、なにしてるの?』
勇者母『これ?これはね、勇者の服を縫ってるのよ』チクチク
遊び人『ふくを?』
勇者母『そう。もうそろそろルビス祭があるし、寒くなってきたからね』
408: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:35:54.03:/5lKw8xG0 (16/27)
遊び人『......』
勇者母『......』チクチク
遊び人『なんでおばさんがぬうの?』
勇者母『え?』
遊び人『だって、さっきのごはんつくったのおばさんなんでしょ?』
遊び人『ごはんだけじゃなくてふくもつくるの?おかしいよ』
勇者母『......ふふっ!』
遊び人『ふぇ?』
勇者母『あははっ、あははは』
遊び人『え!?なんでわらうの!?』
勇者母『ふふっ、ごめんなさいね。でも初めて聞く意見だったから』
勇者母『......なんで服もご飯も作るのか、だったかしら』
遊び人『うん』
勇者母『うんとね......それは、家族だからよ』
遊び人『かぞくだから?』
勇者母『そ』
カタン
勇者母『私はね。勇者も女勇者もお義父さんも......――そして、夫のオルテガも愛してるわ』
遊び人『オルテガのおじさんも?』
勇者母『ああ、そういえば知り合いだったわね。......そう。家族みんな愛してる』
勇者母『だから、私は私ができる事を皆にしてあげたい。だからご飯も、服も作るし。掃除やお洗濯もする』
遊び人『......じゃあ、あいつら......勇者ちゃんたちはなにをするの?なにかしごとをしてるの?』
勇者母『......』
遊び人『......?』
勇者母『......"私の子供でいてくれてる"』
遊び人『?』
勇者母『"私の元で育ってくれてる"......"私をかあさんって呼んでくれてる"』
勇者母『......それだけで、もう私はいっぱい、幸せで。なんだってできるの』
遊び人『............』
勇者母『......ふふ、わかったかしら?』
遊び人『......よく......わかんない』
勇者母『あはは、いずれわかる時があなたにもくるわ』
スタスタ
勇者『遊び人さんお待たせー。行こうか』
勇者母『あ、来たわね』ガタッ
勇者『母さんはいいよ。僕一人で行くから』
勇者母『何を言ってるの。駄目よ危ないわ』
遊び人『......』
遊び人『......』
勇者母『......』チクチク
遊び人『なんでおばさんがぬうの?』
勇者母『え?』
遊び人『だって、さっきのごはんつくったのおばさんなんでしょ?』
遊び人『ごはんだけじゃなくてふくもつくるの?おかしいよ』
勇者母『......ふふっ!』
遊び人『ふぇ?』
勇者母『あははっ、あははは』
遊び人『え!?なんでわらうの!?』
勇者母『ふふっ、ごめんなさいね。でも初めて聞く意見だったから』
勇者母『......なんで服もご飯も作るのか、だったかしら』
遊び人『うん』
勇者母『うんとね......それは、家族だからよ』
遊び人『かぞくだから?』
勇者母『そ』
カタン
勇者母『私はね。勇者も女勇者もお義父さんも......――そして、夫のオルテガも愛してるわ』
遊び人『オルテガのおじさんも?』
勇者母『ああ、そういえば知り合いだったわね。......そう。家族みんな愛してる』
勇者母『だから、私は私ができる事を皆にしてあげたい。だからご飯も、服も作るし。掃除やお洗濯もする』
遊び人『......じゃあ、あいつら......勇者ちゃんたちはなにをするの?なにかしごとをしてるの?』
勇者母『......』
遊び人『......?』
勇者母『......"私の子供でいてくれてる"』
遊び人『?』
勇者母『"私の元で育ってくれてる"......"私をかあさんって呼んでくれてる"』
勇者母『......それだけで、もう私はいっぱい、幸せで。なんだってできるの』
遊び人『............』
勇者母『......ふふ、わかったかしら?』
遊び人『......よく......わかんない』
勇者母『あはは、いずれわかる時があなたにもくるわ』
スタスタ
勇者『遊び人さんお待たせー。行こうか』
勇者母『あ、来たわね』ガタッ
勇者『母さんはいいよ。僕一人で行くから』
勇者母『何を言ってるの。駄目よ危ないわ』
遊び人『......』
409: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:36:27.28:/5lKw8xG0 (17/27)
............
――アリアハン城・城門――
スタスタ
勇者『あ、よかったまだ門をあげてないや』
勇者母『あら本当ね』
遊び人『............』
勇者母『ほら、遊び人ちゃん。きっと皆心配してるわ』
遊び人『......うん』
勇者『じゃあちょっと遊び人を中まで送ってくるから母さんはここで少し待ってて』
勇者母『ん。遊び人ちゃん、それじゃあね』
遊び人『......』
勇者『?遊び人さん?行くよ』
スタスタ
遊び人『......お、おばさん!』
勇者母『?』
勇者『?』ピタ
遊び人『......あ......』
遊び人『......』
遊び人『......なんでも、ない』
スタスタ...
勇者母『......?』
............
――アリアハン城・入り口――
門番『お?なんだ勇者じゃないか』
門番2『どうした、もう夜だぞ?』
勇者『いえ、多分お騒がせしたと思うんですけど』
門番『お騒がせ?』
門番2『なにがだ?』
勇者『いえ、ですから......』スッ
遊び人『......』
勇者『遊び人様がお城を抜け出されてたみたいで』
門番2『え?』
勇者『ですから、あの』
門番『"居なくなってたのか?"』
勇者『......――は?』
遊び人『............』
............
――アリアハン城・城門――
スタスタ
勇者『あ、よかったまだ門をあげてないや』
勇者母『あら本当ね』
遊び人『............』
勇者母『ほら、遊び人ちゃん。きっと皆心配してるわ』
遊び人『......うん』
勇者『じゃあちょっと遊び人を中まで送ってくるから母さんはここで少し待ってて』
勇者母『ん。遊び人ちゃん、それじゃあね』
遊び人『......』
勇者『?遊び人さん?行くよ』
スタスタ
遊び人『......お、おばさん!』
勇者母『?』
勇者『?』ピタ
遊び人『......あ......』
遊び人『......』
遊び人『......なんでも、ない』
スタスタ...
勇者母『......?』
............
――アリアハン城・入り口――
門番『お?なんだ勇者じゃないか』
門番2『どうした、もう夜だぞ?』
勇者『いえ、多分お騒がせしたと思うんですけど』
門番『お騒がせ?』
門番2『なにがだ?』
勇者『いえ、ですから......』スッ
遊び人『......』
勇者『遊び人様がお城を抜け出されてたみたいで』
門番2『え?』
勇者『ですから、あの』
門番『"居なくなってたのか?"』
勇者『......――は?』
遊び人『............』
410: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:37:57.20:/5lKw8xG0 (18/27)
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
門番2『遊び人様!申し訳御座いません、ご無事だったようで......さあ、入られて下さい』
勇者『......』
遊び人『......』
スタスタ
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『......』スタスタ
ピタ
遊び人『勇者ちゃん』
勇者『?』
遊び人『......また、あしたね』
勇者『......うん』
勇者『うん!また明日来るからね!』
スタスタ
遊び人『......』
門番2『全く、勝手に抜け出されては困ります!』
遊び人『......ごめんなさい......』
遊び人『(......ほら)』
遊び人『(だれも、わたしのしんぱいなんかしてなかった)』
............
――アリアハン城・中庭――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん!?』
シーン
勇者『......はぁ、よし』
ピタ
勇者『っ』すぅぅ
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
ガサッ
遊び人『だからそればかみたいだからやめてくれる!!?ほんとにさ!!!』
勇者『あ、遊び人さんいた』
スタスタ
勇者『よっと、あれ?本読んでたの?』
遊び人『うん』
勇者『何の本?』
遊び人『んもー!なんでもいいでしょ!』
遊び人『それよりも、なにかようじあったんでしょ?おひるにわたしをさがしてるってことは』
勇者『ああ、そうなんだよ。今から一週間後にルビス祭があるのは聞いたでしょ?』
遊び人『うん。みんなじゅんびでばたばたしてるしね。それがどうしたの?』
勇者『そう、その準備に僕も参加しなくちゃいけなくて......しばらく来れないんだ』
遊び人『......え』
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
門番2『遊び人様!申し訳御座いません、ご無事だったようで......さあ、入られて下さい』
勇者『......』
遊び人『......』
スタスタ
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『......』スタスタ
ピタ
遊び人『勇者ちゃん』
勇者『?』
遊び人『......また、あしたね』
勇者『......うん』
勇者『うん!また明日来るからね!』
スタスタ
遊び人『......』
門番2『全く、勝手に抜け出されては困ります!』
遊び人『......ごめんなさい......』
遊び人『(......ほら)』
遊び人『(だれも、わたしのしんぱいなんかしてなかった)』
............
――アリアハン城・中庭――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん!?』
シーン
勇者『......はぁ、よし』
ピタ
勇者『っ』すぅぅ
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
ガサッ
遊び人『だからそればかみたいだからやめてくれる!!?ほんとにさ!!!』
勇者『あ、遊び人さんいた』
スタスタ
勇者『よっと、あれ?本読んでたの?』
遊び人『うん』
勇者『何の本?』
遊び人『んもー!なんでもいいでしょ!』
遊び人『それよりも、なにかようじあったんでしょ?おひるにわたしをさがしてるってことは』
勇者『ああ、そうなんだよ。今から一週間後にルビス祭があるのは聞いたでしょ?』
遊び人『うん。みんなじゅんびでばたばたしてるしね。それがどうしたの?』
勇者『そう、その準備に僕も参加しなくちゃいけなくて......しばらく来れないんだ』
遊び人『......え』
411: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:40:54.09:/5lKw8xG0 (19/27)
勇者『だから悪いんだけど、側近の仕事はメイドさんたちにいろいろお願いしてるんだ。それを伝えたくて』
遊び人『......そう、なんだ』
勇者『うん。ごめんなさい遊び人さん』
遊び人『......』
遊び人『......!?』ハッ
遊び人『なっ、なにいってんの!?こっちにしたらあんたがいなくなってばんばんざいでーす!』
勇者『なっ、なんだとう』
遊び人『ふふふ!うるさいひっつきむしがいなくなってせいせいするもん!』
勇者『ぐむむ......!』
遊び人『あははは!』
遊び人『(......そっか、勇者ちゃん......しばらくこないんだ)』
........................
――アリアハン城・城壁の展望席――
ビュォォォ......
遊び人『............』
<トントン カンカン
<キャハハハ
遊び人『......』
遊び人『(まちのみんなも、たのしそうにじゅんびしてる)』
遊び人『(......うらやましいな)』
........................
............
......
...
・
ドオン!ドオン!!
――アリアハン・ルビス祭――
『ルビス祭のはじまりだ!!』
『今日は皆飲め!歌え!!ルビス様を讃えろ!!』
『ねえはやくいこうパパ!!ママ!!』
ガヤガヤ
――勇者の家――
勇者母『さ、始まったわね。勇者もお城のお手伝いがあるんでしょ?』
勇者『うん!早く行かなきゃ』
勇者母『終わるのはどのくらいになるの?』
勇者『たぶん、夕方にはおわるから......あ、でもその後に』
勇者母『ふふ、まあいいわ。私は中央広場の料理場に居るから、何かあればいらっしゃいな』
勇者『うん!行ってきます!』
――――――――
勇者『だから悪いんだけど、側近の仕事はメイドさんたちにいろいろお願いしてるんだ。それを伝えたくて』
遊び人『......そう、なんだ』
勇者『うん。ごめんなさい遊び人さん』
遊び人『......』
遊び人『......!?』ハッ
遊び人『なっ、なにいってんの!?こっちにしたらあんたがいなくなってばんばんざいでーす!』
勇者『なっ、なんだとう』
遊び人『ふふふ!うるさいひっつきむしがいなくなってせいせいするもん!』
勇者『ぐむむ......!』
遊び人『あははは!』
遊び人『(......そっか、勇者ちゃん......しばらくこないんだ)』
........................
――アリアハン城・城壁の展望席――
ビュォォォ......
遊び人『............』
<トントン カンカン
<キャハハハ
遊び人『......』
遊び人『(まちのみんなも、たのしそうにじゅんびしてる)』
遊び人『(......うらやましいな)』
........................
............
......
...
・
ドオン!ドオン!!
――アリアハン・ルビス祭――
『ルビス祭のはじまりだ!!』
『今日は皆飲め!歌え!!ルビス様を讃えろ!!』
『ねえはやくいこうパパ!!ママ!!』
ガヤガヤ
――勇者の家――
勇者母『さ、始まったわね。勇者もお城のお手伝いがあるんでしょ?』
勇者『うん!早く行かなきゃ』
勇者母『終わるのはどのくらいになるの?』
勇者『たぶん、夕方にはおわるから......あ、でもその後に』
勇者母『ふふ、まあいいわ。私は中央広場の料理場に居るから、何かあればいらっしゃいな』
勇者『うん!行ってきます!』
――――――――
412: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:41:39.45:/5lKw8xG0 (20/27)
遊び人『わぁぁぁぁ......!!』
――アリアハン城・遊び人の客室のバルコニー――
<ガヤガヤ
遊び人『なにこれ、すごいひと......!どれくらいいるんだろ......!』
遊び人『おまつりってすごい......!すごいすごい!!』
――賢者の客室――
タッタッタ
バタン!!
遊び人『おねえちゃん!あの、ね......?』
メイド『あら、遊び人様』
メイド2『どうかされましたか?』
賢者『......何か用かしら』
遊び人『......』
遊び人『(すごくきれーなどれす......)』
メイド『それではガルナ様、着付けは終わりましたので』
メイド2『時間になりましたらまた呼びに伺います。その前に王が式の打ち合わせをしたいとの事でしたが......』
賢者『はい。では今から王のもとへ参ります。ご苦労様です』
バタン
遊び人『......』
賢者『......だから、遊び人。何か用かしら』
遊び人『......なに、そのふく』
賢者『聖法衣よ。夕方に祝詞を皆の前であげないとならないの』
遊び人『え!?なにそれ!』
賢者『あなたの許可が必要だったかしら』
遊び人『う、ううん......でも!その』
賢者『何』
遊び人『わぁぁぁぁ......!!』
――アリアハン城・遊び人の客室のバルコニー――
<ガヤガヤ
遊び人『なにこれ、すごいひと......!どれくらいいるんだろ......!』
遊び人『おまつりってすごい......!すごいすごい!!』
――賢者の客室――
タッタッタ
バタン!!
遊び人『おねえちゃん!あの、ね......?』
メイド『あら、遊び人様』
メイド2『どうかされましたか?』
賢者『......何か用かしら』
遊び人『......』
遊び人『(すごくきれーなどれす......)』
メイド『それではガルナ様、着付けは終わりましたので』
メイド2『時間になりましたらまた呼びに伺います。その前に王が式の打ち合わせをしたいとの事でしたが......』
賢者『はい。では今から王のもとへ参ります。ご苦労様です』
バタン
遊び人『......』
賢者『......だから、遊び人。何か用かしら』
遊び人『......なに、そのふく』
賢者『聖法衣よ。夕方に祝詞を皆の前であげないとならないの』
遊び人『え!?なにそれ!』
賢者『あなたの許可が必要だったかしら』
遊び人『う、ううん......でも!その』
賢者『何』
413: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:42:50.70:/5lKw8xG0 (21/27)
遊び人『けんじゃであるおねえちゃんが、そういうしごとをしなきゃならないなら』
賢者『!』
遊び人『わたしも、なにかけんじゃのいちぞくとして――......』
賢者『あなたは今日一日、部屋で大人しくしていなさい』
遊び人『......――え?』
賢者『今日は各国から色んな首脳や高僧が集まる......迷惑はかけられないの』
遊び人『や、やだ!!やだやだやだ!!!』
賢者『言う事を聞きなさい』
遊び人『そんなのぜったいやだよ!!こんなおまつりなんだよ!?うるさくしない!なにもめいわくは』
賢者『遊び人』
遊び人『っ』ゾクッ
賢者『私の言う事が分からないのかしら?あなたはそれ程に愚かなの?』
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
遊び人『......』
賢者『......』
スッ
スタスタ
賢者『......式の打ち合わせに行ってくるわ』
賢者『あなたは今日一日、部屋に居る事。いいわね』
遊び人『......』
賢者『......返事は?』
遊び人『............だいっきらい』
賢者『......』
遊び人『おねえちゃんなんか......!!あんたなんかだいっきらい......!!!!』
賢者『知ってるわ......いい返事ね』
バタン
遊び人『......』
............
遊び人『けんじゃであるおねえちゃんが、そういうしごとをしなきゃならないなら』
賢者『!』
遊び人『わたしも、なにかけんじゃのいちぞくとして――......』
賢者『あなたは今日一日、部屋で大人しくしていなさい』
遊び人『......――え?』
賢者『今日は各国から色んな首脳や高僧が集まる......迷惑はかけられないの』
遊び人『や、やだ!!やだやだやだ!!!』
賢者『言う事を聞きなさい』
遊び人『そんなのぜったいやだよ!!こんなおまつりなんだよ!?うるさくしない!なにもめいわくは』
賢者『遊び人』
遊び人『っ』ゾクッ
賢者『私の言う事が分からないのかしら?あなたはそれ程に愚かなの?』
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
遊び人『......』
賢者『......』
スッ
スタスタ
賢者『......式の打ち合わせに行ってくるわ』
賢者『あなたは今日一日、部屋に居る事。いいわね』
遊び人『......』
賢者『......返事は?』
遊び人『............だいっきらい』
賢者『......』
遊び人『おねえちゃんなんか......!!あんたなんかだいっきらい......!!!!』
賢者『知ってるわ......いい返事ね』
バタン
遊び人『......』
............
414: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:44:09.94:/5lKw8xG0 (22/27)
――遊び人の客室・夕方――
<ワー!! ガヤガヤ
遊び人『..................』
ギュ...
遊び人『............』
........................
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
........................
遊び人『......』
遊び人『(なんで、わたし)』
........................
料理長『ここに遊びで入ってくるんじゃない。邪魔だわ』
........................
遊び人『(ここにいるんだろ)』
........................
メイド『誰にも懐かないし、悪さばかりするし』
メイド2『ちょっと大変よねぇ......』
メイド『お姉さんのガルナ様は大忙しだっていうのに......』
........................
遊び人『(おねえちゃんのおまけみたいに)』
遊び人『(ひっつきむしみたいに)』
........................
門番『"居なくなってたのか?"』
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
........................
遊び人『(じゃまものなら)』
........................
ガルナ『賢者......話がある』
賢者『遊び人......部屋からでなさい』
ガルナ『......お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ』
........................
―――お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ―――
遊び人『(わたしなんか、いなくたって)』
――遊び人さん!―――
遊び人『......!!』
――遊び人の客室・夕方――
<ワー!! ガヤガヤ
遊び人『..................』
ギュ...
遊び人『............』
........................
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
........................
遊び人『......』
遊び人『(なんで、わたし)』
........................
料理長『ここに遊びで入ってくるんじゃない。邪魔だわ』
........................
遊び人『(ここにいるんだろ)』
........................
メイド『誰にも懐かないし、悪さばかりするし』
メイド2『ちょっと大変よねぇ......』
メイド『お姉さんのガルナ様は大忙しだっていうのに......』
........................
遊び人『(おねえちゃんのおまけみたいに)』
遊び人『(ひっつきむしみたいに)』
........................
門番『"居なくなってたのか?"』
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
........................
遊び人『(じゃまものなら)』
........................
ガルナ『賢者......話がある』
賢者『遊び人......部屋からでなさい』
ガルナ『......お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ』
........................
―――お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ―――
遊び人『(わたしなんか、いなくたって)』
――遊び人さん!―――
遊び人『......!!』
415: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:44:49.39:/5lKw8xG0 (23/27)
ガバッ!!
タッタッタ
ガチャッ!
遊び人『っ......!』
タッタッタ
遊び人『はっ、はっ......!』
遊び人『(勇者ちゃん......!)』
遊び人『(勇者ちゃんなら、わたしを)』
遊び人『(あいつなら......!)』
タッタッタ......
............
――アリアハン・中央広場――
ガヤガヤ!!
タッタッタ...
遊び人『はっ!はぁ!』タッタッタ
『さっきのって本当かよ?ガルナ様があんな小さな......』
『でもすごく綺麗な祝詞だったな』
遊び人『はぁっ!はぁっ!』タッタッタ
『確かに凄い風格だったぞ。賢者様ってのは凄いな』
『ええ、見入っちゃったわ』
遊び人『はぁっ!!はぁっ!!』タッタッタ
『賢者様万歳!!!』
『賢者様!!もう一度祝詞を!!!!』
『賢者様!!』
『賢者様!!!』
『賢者様!!!!!』
遊び人『はぁっ!!!はぁっ!!!』タッタッタ
遊び人『(勇者ちゃん......!勇者ちゃん!)』
遊び人『(おまつりをあんないしてよ......!いつもみたいにさがしてよ)』
遊び人『(わたしといっしょに......!)』
ガバッ!!
タッタッタ
ガチャッ!
遊び人『っ......!』
タッタッタ
遊び人『はっ、はっ......!』
遊び人『(勇者ちゃん......!)』
遊び人『(勇者ちゃんなら、わたしを)』
遊び人『(あいつなら......!)』
タッタッタ......
............
――アリアハン・中央広場――
ガヤガヤ!!
タッタッタ...
遊び人『はっ!はぁ!』タッタッタ
『さっきのって本当かよ?ガルナ様があんな小さな......』
『でもすごく綺麗な祝詞だったな』
遊び人『はぁっ!はぁっ!』タッタッタ
『確かに凄い風格だったぞ。賢者様ってのは凄いな』
『ええ、見入っちゃったわ』
遊び人『はぁっ!!はぁっ!!』タッタッタ
『賢者様万歳!!!』
『賢者様!!もう一度祝詞を!!!!』
『賢者様!!』
『賢者様!!!』
『賢者様!!!!!』
遊び人『はぁっ!!!はぁっ!!!』タッタッタ
遊び人『(勇者ちゃん......!勇者ちゃん!)』
遊び人『(おまつりをあんないしてよ......!いつもみたいにさがしてよ)』
遊び人『(わたしといっしょに......!)』
416: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:46:30.87:/5lKw8xG0 (24/27)
............
――アリアハン・街の裏道――
ガヤガヤ
タッタッタ
ズザッ
遊び人『はぁ、はぁ』キョロキョロ
遊び人『(こっちには......いない)』
スタスタ
遊び人『(もしかして、おしろでしごとしてるのかな......)』スタスタ
遊び人『(しごとでいそがしくて......もしかしたら)』スタスタ
遊び人『(それがおわったら、わたしのところにも)』スタスタ
『勇者ー!こっちこっち!』
遊び人『(きて......)』
ピタ
遊び人『......』
勇者『ごめん皆!仕事がちょっと色々あって』
戦士『遅いっての!待ちくたびれたぞー』
武道家『悪いわね、急がせちゃって』
魔法使い『これでみんなそろったねぇ』
僧侶『はい!どこにいきましょうか?』
盗賊『......ルイーダさんが屋台出してるから、そこにまず行ってみない?......』
遊び人『............』
............
――アリアハン・街の裏道――
ガヤガヤ
タッタッタ
ズザッ
遊び人『はぁ、はぁ』キョロキョロ
遊び人『(こっちには......いない)』
スタスタ
遊び人『(もしかして、おしろでしごとしてるのかな......)』スタスタ
遊び人『(しごとでいそがしくて......もしかしたら)』スタスタ
遊び人『(それがおわったら、わたしのところにも)』スタスタ
『勇者ー!こっちこっち!』
遊び人『(きて......)』
ピタ
遊び人『......』
勇者『ごめん皆!仕事がちょっと色々あって』
戦士『遅いっての!待ちくたびれたぞー』
武道家『悪いわね、急がせちゃって』
魔法使い『これでみんなそろったねぇ』
僧侶『はい!どこにいきましょうか?』
盗賊『......ルイーダさんが屋台出してるから、そこにまず行ってみない?......』
遊び人『............』
417: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:47:02.53:/5lKw8xG0 (25/27)
勇者『あれ?おねえちゃんはルイーダさんの屋台を手伝わなくても大丈夫なの?』
盗賊『......うん、さっきまで手伝ってたし。他にも雇ってるから......』
戦士『とにかくもう腹減ったよー!早く行こう!』
武道家『アンタは本当に食い気しかないわね』
僧侶『じゃあ向かいましょうか』
魔法使い『うん!れっつらごーだよ!』
<......!...!
遊び人『......』
遊び人『(あ、そうか)』
遊び人『(ばかだ、わたし)』
遊び人『(わたしはひとりでも)』
遊び人『(勇者ちゃんにはいっぱいいるんだ)』
遊び人『(わたしとはなしてくれるのは、やっぱり、しごとだからで)』
遊び人『......』
遊び人『............』
スタスタ...
遊び人『............』
遊び人『(かえろう)』
............
......
...
・
勇者『あれ?おねえちゃんはルイーダさんの屋台を手伝わなくても大丈夫なの?』
盗賊『......うん、さっきまで手伝ってたし。他にも雇ってるから......』
戦士『とにかくもう腹減ったよー!早く行こう!』
武道家『アンタは本当に食い気しかないわね』
僧侶『じゃあ向かいましょうか』
魔法使い『うん!れっつらごーだよ!』
<......!...!
遊び人『......』
遊び人『(あ、そうか)』
遊び人『(ばかだ、わたし)』
遊び人『(わたしはひとりでも)』
遊び人『(勇者ちゃんにはいっぱいいるんだ)』
遊び人『(わたしとはなしてくれるのは、やっぱり、しごとだからで)』
遊び人『......』
遊び人『............』
スタスタ...
遊び人『............』
遊び人『(かえろう)』
............
......
...
・
418: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:47:36.22:/5lKw8xG0 (26/27)
――アリアハン城・エントランス――
スタスタ...
遊び人『......』
遊び人『(おしろ、ぜんぜんひとがいない)』
遊び人『(あしおとがいつもよりひびく)』
遊び人『(みんなまちのほうにいってるんだ)』
遊び人『......』
ザッ
賢者『......遊び人』
遊び人『......』
賢者『......どこに行っていたのかしら』
遊び人『......おわったんだ?けんじゃのおしごと』
賢者『どこに行っていたのと聞いているの。質問も返せないの?』
遊び人『もう、せいほういはぬいだんだ?』
賢者『......っ』
スタスタ
ガシッ!
賢者『あなた、いい加減になさい』
賢者『自分の立場を理解しなさい。それくらいも――......』
遊び人『わかんないよ』
賢者『......え』
遊び人『わかんないよ......』
遊び人『わたしってなに?おねえちゃんの、けんじゃのいもうと、それだけ?』
遊び人『なんでわたしここにいるの?なんでわたしは』
ポロポロ
賢者『......――っ』
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
バッ!!
賢者『!!あ、遊び人!!!』
タッタッタ
遊び人『......っ!!』タッタッタ
賢者『待ちなさい!!遊び人!!』ダッ
タッタッタ
............
――アリアハン城・エントランス――
スタスタ...
遊び人『......』
遊び人『(おしろ、ぜんぜんひとがいない)』
遊び人『(あしおとがいつもよりひびく)』
遊び人『(みんなまちのほうにいってるんだ)』
遊び人『......』
ザッ
賢者『......遊び人』
遊び人『......』
賢者『......どこに行っていたのかしら』
遊び人『......おわったんだ?けんじゃのおしごと』
賢者『どこに行っていたのと聞いているの。質問も返せないの?』
遊び人『もう、せいほういはぬいだんだ?』
賢者『......っ』
スタスタ
ガシッ!
賢者『あなた、いい加減になさい』
賢者『自分の立場を理解しなさい。それくらいも――......』
遊び人『わかんないよ』
賢者『......え』
遊び人『わかんないよ......』
遊び人『わたしってなに?おねえちゃんの、けんじゃのいもうと、それだけ?』
遊び人『なんでわたしここにいるの?なんでわたしは』
ポロポロ
賢者『......――っ』
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
バッ!!
賢者『!!あ、遊び人!!!』
タッタッタ
遊び人『......っ!!』タッタッタ
賢者『待ちなさい!!遊び人!!』ダッ
タッタッタ
............
419: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月28日(木) 00:48:18.32:/5lKw8xG0 (27/27)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
420:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月28日(木) 00:53:17.11:3D/EcAsz0 (1/1)
乙です
乙です
421:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月28日(木) 00:55:52.83:songmR6DO (1/1)
おつ
おつ
422:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月29日(金) 02:09:23.48:o//o81Rt0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
423: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:10:43.29:9Mzqzqrb0 (1/24)
――アリアハン城・入り口――
スタスタ
メイド『はぁ、もう本当に忙しいわね』
メイド2『勇者母さんが手伝ってくれても間に合わないなんてね......料理長も目を回してたわ』
メイド3『ほら二人とも!食材庫の中の鶏肉と根菜をはやくもって行かないと』
タッタッタ
ドン!!
メイド『きゃっ!?』
遊び人『っ!』
タッタッタ...
メイド『あたた......今のって』
メイド2『遊び人さまだったわね?どうしたのかしら』
タッタッタ
賢者『遊び人!』
メイド3『あら......?あっ!ガルナ様!』
メイド2『どうかされたんですか!?』
賢者『いえ、遊び人はどちらへ行きましたか?』
メイド『今、城の門を出て行かれましたけど......』
賢者『......っ、あの子......!』
メイド2『何か御手伝いいたしましょうか?』
賢者『......』
ダッ
賢者『あまり大事にしたくありませんので......だれか手の空いた大人二、三人に遊び人を探すよう伝えて下さい!』
メイド2『は、はい!かしこまりました!』
タッタッタ
賢者『......』
――――――――
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
――――――――
賢者『(......ばかっ......!)』
――アリアハン城・入り口――
スタスタ
メイド『はぁ、もう本当に忙しいわね』
メイド2『勇者母さんが手伝ってくれても間に合わないなんてね......料理長も目を回してたわ』
メイド3『ほら二人とも!食材庫の中の鶏肉と根菜をはやくもって行かないと』
タッタッタ
ドン!!
メイド『きゃっ!?』
遊び人『っ!』
タッタッタ...
メイド『あたた......今のって』
メイド2『遊び人さまだったわね?どうしたのかしら』
タッタッタ
賢者『遊び人!』
メイド3『あら......?あっ!ガルナ様!』
メイド2『どうかされたんですか!?』
賢者『いえ、遊び人はどちらへ行きましたか?』
メイド『今、城の門を出て行かれましたけど......』
賢者『......っ、あの子......!』
メイド2『何か御手伝いいたしましょうか?』
賢者『......』
ダッ
賢者『あまり大事にしたくありませんので......だれか手の空いた大人二、三人に遊び人を探すよう伝えて下さい!』
メイド2『は、はい!かしこまりました!』
タッタッタ
賢者『......』
――――――――
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
――――――――
賢者『(......ばかっ......!)』
424: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:12:35.26:9Mzqzqrb0 (2/24)
―――アリアハンの外れ・森の深く―――
チリリリリ...
ギャッ ギャッ
タッタッタ
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(こんなところ、でてってやる!)』
遊び人『(わたしのこと、いらないんなら!こんなところでてってやる!)』
<遊び人!!遊び人!!
遊び人『!』
遊び人『(こんなとこまでおいかけてきて......!!)』
遊び人『だれが』
ギリッ
遊び人『だれがあんたのところにもどるもんか......っ!!』タッタッタ
――――――――
タッタッタ
賢者『はぁっ!はぁっ!』
賢者『(足跡がこっちに続いてる......!こっちにいるのね)』
賢者『(季節や霧の湿気のお陰で土が軟らかくなっているから足跡がつきやすくなってる)』
賢者『(これを辿っていけば)』
タッタッタ
ズ
賢者『......?』
ズズ
賢者『(何......?この感触は)』
ズ...
......――ゴオッ!!!!
賢者『っ......!!!!』
賢者『(地崩れっ!!?土が軟らかくなりすぎて......!?)』
賢者『(しまっ......!逃げられ)』
―――――――――
ズズゥン!!!
遊び人『!!?』バッ
シーン...
遊び人『......?』
遊び人『(......なに、いまのおと)』
―――アリアハンの外れ・森の深く―――
チリリリリ...
ギャッ ギャッ
タッタッタ
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(こんなところ、でてってやる!)』
遊び人『(わたしのこと、いらないんなら!こんなところでてってやる!)』
<遊び人!!遊び人!!
遊び人『!』
遊び人『(こんなとこまでおいかけてきて......!!)』
遊び人『だれが』
ギリッ
遊び人『だれがあんたのところにもどるもんか......っ!!』タッタッタ
――――――――
タッタッタ
賢者『はぁっ!はぁっ!』
賢者『(足跡がこっちに続いてる......!こっちにいるのね)』
賢者『(季節や霧の湿気のお陰で土が軟らかくなっているから足跡がつきやすくなってる)』
賢者『(これを辿っていけば)』
タッタッタ
ズ
賢者『......?』
ズズ
賢者『(何......?この感触は)』
ズ...
......――ゴオッ!!!!
賢者『っ......!!!!』
賢者『(地崩れっ!!?土が軟らかくなりすぎて......!?)』
賢者『(しまっ......!逃げられ)』
―――――――――
ズズゥン!!!
遊び人『!!?』バッ
シーン...
遊び人『......?』
遊び人『(......なに、いまのおと)』
425: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:13:56.44:9Mzqzqrb0 (3/24)
シーン...
遊び人『......』
遊び人『......おねえちゃん......?』
遊び人『(さっきまできこえてた、おねえちゃんのこえがきこえない)』
遊び人『......』
ダッ!
遊び人『......っ、まさか』
―――――――
タッタッタ!
遊び人『......――!!』
パラパラ...
遊び人『(じめんがくずれてる......!)』
遊び人『(ふようどがもりあがっててきづかなかったけど、ほんとうはこんなきゅうしゃめんだったんだ......)』
遊び人『......おねえちゃん......?』
シーン...
遊び人『おねえちゃん......』
遊び人『......おねえちゃん!おねえちゃん!?』
『......う......』
遊び人『!!』
賢者『......』
遊び人『おねえちゃん!!』
ダッ
遊び人『おねえちゃん!!だいじょーぶ!?しっかりして!!』
賢者『......』
遊び人『......!』
遊び人『(きぜつしてる......!たすけにいかなきゃ!!)』
スタ...
パラパラ...
遊び人『(あんなにしたのほうにおちちゃってる......!!)』
遊び人『(きをつけないと、わたしまでいっしょにおちちゃう!)』
遊び人『(すこしずつ......!すこしずつ......!)』
......
スタッ!
遊び人『おねえちゃん!』
賢者『う......』
遊び人『......!あたまからちがでてる......!』
遊び人『......っ』チラッ
ビュオォォ...
遊び人『(......ひとりで......おねえちゃんをはこぶには、たかすぎる......)』
シーン...
遊び人『......』
遊び人『......おねえちゃん......?』
遊び人『(さっきまできこえてた、おねえちゃんのこえがきこえない)』
遊び人『......』
ダッ!
遊び人『......っ、まさか』
―――――――
タッタッタ!
遊び人『......――!!』
パラパラ...
遊び人『(じめんがくずれてる......!)』
遊び人『(ふようどがもりあがっててきづかなかったけど、ほんとうはこんなきゅうしゃめんだったんだ......)』
遊び人『......おねえちゃん......?』
シーン...
遊び人『おねえちゃん......』
遊び人『......おねえちゃん!おねえちゃん!?』
『......う......』
遊び人『!!』
賢者『......』
遊び人『おねえちゃん!!』
ダッ
遊び人『おねえちゃん!!だいじょーぶ!?しっかりして!!』
賢者『......』
遊び人『......!』
遊び人『(きぜつしてる......!たすけにいかなきゃ!!)』
スタ...
パラパラ...
遊び人『(あんなにしたのほうにおちちゃってる......!!)』
遊び人『(きをつけないと、わたしまでいっしょにおちちゃう!)』
遊び人『(すこしずつ......!すこしずつ......!)』
......
スタッ!
遊び人『おねえちゃん!』
賢者『う......』
遊び人『......!あたまからちがでてる......!』
遊び人『......っ』チラッ
ビュオォォ...
遊び人『(......ひとりで......おねえちゃんをはこぶには、たかすぎる......)』
426: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:14:54.34:9Mzqzqrb0 (4/24)
ズ...
パラパラ...
遊び人『!』
遊び人『(でも、だれかをよびにいってるじかんはない......!ここもまたすぐくずれちゃうかも......)』
遊び人『......』
賢者『......う......』
遊び人『......――!』
ガシッ!!
遊び人『(わたし、ひとりでも......!はこばなきゃ......!!)』
............
――――――――
――アリアハン城・エントランス――
ガヤガヤ
王『しかし、大事にしたくないと言われたのなら......』
メイド『でももう日が沈んでしばらく経つんですよ?ちゃんと大人数で』
門番『とにかく、来賓の方々に情報が漏れないように捜索隊を......』
スタスタ
勇者『こんばんはー』
王『ん?ああ、勇者か!どこにおったんだ、探したぞ』
勇者『えっと、仕事が終わってからはお祭りを見て回っていました。なので屋台で買ったこれを――......』
王『時にガルナ様を見ていないか?』
勇者『賢者様ですか?いえ......どうかしたんですか?』
メイド『それがね......』
勇者『?』
ズ...
パラパラ...
遊び人『!』
遊び人『(でも、だれかをよびにいってるじかんはない......!ここもまたすぐくずれちゃうかも......)』
遊び人『......』
賢者『......う......』
遊び人『......――!』
ガシッ!!
遊び人『(わたし、ひとりでも......!はこばなきゃ......!!)』
............
――――――――
――アリアハン城・エントランス――
ガヤガヤ
王『しかし、大事にしたくないと言われたのなら......』
メイド『でももう日が沈んでしばらく経つんですよ?ちゃんと大人数で』
門番『とにかく、来賓の方々に情報が漏れないように捜索隊を......』
スタスタ
勇者『こんばんはー』
王『ん?ああ、勇者か!どこにおったんだ、探したぞ』
勇者『えっと、仕事が終わってからはお祭りを見て回っていました。なので屋台で買ったこれを――......』
王『時にガルナ様を見ていないか?』
勇者『賢者様ですか?いえ......どうかしたんですか?』
メイド『それがね......』
勇者『?』
427: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:15:27.33:9Mzqzqrb0 (5/24)
............
―――――――――
ズッ......ズッ...!!
遊び人『ふぐっ......!ふくっ......!!』
賢者『............』
遊び人『(はやく、はやくうえにのぼらなきゃ......)』
遊び人『(またくずれてくるかも、しれないし......!きりもでてくるかもしれない)』
ズ...ズ
ズゥン!!
遊び人『ひっ!?』
パラ...
遊び人『......』
遊び人『(よかった、べつのばしょのじくずれみたい......!でもあんしんしてられない......!)』チラッ
賢者『......』
遊び人『......』
ズッ...!
パラパラ......
ズッ!ズッ!
遊び人『(おねえちゃんのことは、きらい......だいきらいだけど)』
遊び人『(だいきらいだけど......!わたしのおねえちゃんなんだっ)』
............
―――――――――
ズッ......ズッ...!!
遊び人『ふぐっ......!ふくっ......!!』
賢者『............』
遊び人『(はやく、はやくうえにのぼらなきゃ......)』
遊び人『(またくずれてくるかも、しれないし......!きりもでてくるかもしれない)』
ズ...ズ
ズゥン!!
遊び人『ひっ!?』
パラ...
遊び人『......』
遊び人『(よかった、べつのばしょのじくずれみたい......!でもあんしんしてられない......!)』チラッ
賢者『......』
遊び人『......』
ズッ...!
パラパラ......
ズッ!ズッ!
遊び人『(おねえちゃんのことは、きらい......だいきらいだけど)』
遊び人『(だいきらいだけど......!わたしのおねえちゃんなんだっ)』
428: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:16:15.96:9Mzqzqrb0 (6/24)
......
ズッ...!ズッ!!
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(もうすこし......もうすこしでうえにつく!)』
賢者『......う......』
遊び人『おねえちゃん!しっかりして!』
ズッ...!ズッ...!!
遊び人『......っ......!!やっ』
ドサッ!!
遊び人『......った......!』
遊び人『(なんとか、うえまでこれ)』
ズッ
遊び人『......!!!』
遊び人『(くずれる)』
遊び人『っ......!おねえちゃんっ!!』
ドンッ
賢者『っ......!』ドサァッ!
ズズゥン!!!!
............
......
...
・
・
...
......
............
ホー ホー
遊び人『......』
遊び人『(あれ......?わたし)』
遊び人『(......あ、そっか......じくずれにまきこまれたんだ)』
遊び人『(おねえちゃんは......なんとか、まきこまれなかったみたい)』
遊び人『(......)』
ビュゥゥゥ......
遊び人『(......さっきより、ふかく、おちてる)』
遊び人『(もう、ほとんど......うえがみえないや......)』
遊び人『(くちのなか、ちのあじがする)』
遊び人『(からだがはんぶん、ふようどにうまってるから......ふしぎとさむくないや)』
遊び人『(からだじゅうが......いたい)』
遊び人『(てあしが、うごかない)』
遊び人『(......こえが、でない)』
......
ズッ...!ズッ!!
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(もうすこし......もうすこしでうえにつく!)』
賢者『......う......』
遊び人『おねえちゃん!しっかりして!』
ズッ...!ズッ...!!
遊び人『......っ......!!やっ』
ドサッ!!
遊び人『......った......!』
遊び人『(なんとか、うえまでこれ)』
ズッ
遊び人『......!!!』
遊び人『(くずれる)』
遊び人『っ......!おねえちゃんっ!!』
ドンッ
賢者『っ......!』ドサァッ!
ズズゥン!!!!
............
......
...
・
・
...
......
............
ホー ホー
遊び人『......』
遊び人『(あれ......?わたし)』
遊び人『(......あ、そっか......じくずれにまきこまれたんだ)』
遊び人『(おねえちゃんは......なんとか、まきこまれなかったみたい)』
遊び人『(......)』
ビュゥゥゥ......
遊び人『(......さっきより、ふかく、おちてる)』
遊び人『(もう、ほとんど......うえがみえないや......)』
遊び人『(くちのなか、ちのあじがする)』
遊び人『(からだがはんぶん、ふようどにうまってるから......ふしぎとさむくないや)』
遊び人『(からだじゅうが......いたい)』
遊び人『(てあしが、うごかない)』
遊び人『(......こえが、でない)』
429: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:16:58.85:9Mzqzqrb0 (7/24)
遊び人『(このままたすけがこなかったら、どうなっちゃうのかな......)』
遊び人『(わたし、しんじゃうのかな)』
遊び人『(......やだな)』
遊び人『(......いらないこでも、なんにもできなくても)』
遊び人『(しにたくない......しにたくない)』
遊び人『(だれか、たすけて)』
遊び人『(だれか......だれか)』
遊び人『(............おじい、ちゃん......)』
チリリリリ...
ホー ホー
......
イ......
オーイ......
オーイ!オーイ!
遊び人『......!』
<賢者様ー!賢者様ー!
遊び人『(おとなたちの、こえだ......)』
遊び人『(さがしにきてくれたんだ......!たすかるんだ)』
<賢者様ー!いらっしゃいますかー!?
<お前そっち探せ!
遊び人『(ちかづいてきた......!しらせ、ないと)』
遊び人『っ......あ』
ズキィッ!!
遊び人『ふぁ、くぅっ......!!?』
遊び人『(こえが、だせない......からだに、ちからがはいらない)』
遊び人『(きづいて......きづいてよ......!!)』
遊び人『(このままたすけがこなかったら、どうなっちゃうのかな......)』
遊び人『(わたし、しんじゃうのかな)』
遊び人『(......やだな)』
遊び人『(......いらないこでも、なんにもできなくても)』
遊び人『(しにたくない......しにたくない)』
遊び人『(だれか、たすけて)』
遊び人『(だれか......だれか)』
遊び人『(............おじい、ちゃん......)』
チリリリリ...
ホー ホー
......
イ......
オーイ......
オーイ!オーイ!
遊び人『......!』
<賢者様ー!賢者様ー!
遊び人『(おとなたちの、こえだ......)』
遊び人『(さがしにきてくれたんだ......!たすかるんだ)』
<賢者様ー!いらっしゃいますかー!?
<お前そっち探せ!
遊び人『(ちかづいてきた......!しらせ、ないと)』
遊び人『っ......あ』
ズキィッ!!
遊び人『ふぁ、くぅっ......!!?』
遊び人『(こえが、だせない......からだに、ちからがはいらない)』
遊び人『(きづいて......きづいてよ......!!)』
430: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:17:32.61:9Mzqzqrb0 (8/24)
『おい、あれ』
『ん?......賢者様!!!!』
遊び人『!』
遊び人『(きづいてくれた......!)』
『賢者様!!お気を確かに!!』
『頭から血を流してる......!おい早く連れてくぞ!!魔物に襲われたんだ!』
遊び人『......!?』
遊び人『(くらいから......じくずれに、きづいてない?)』
『運ぶぞ!!ゆっくりだ!』
『あまり揺らすな!!』
遊び人『(まって)』
遊び人『(まって、まってよ)』
遊び人『(わたしも、わたしもいるよ)』
遊び人『(わたしもいる、たすけて)』
遊び人『た、す......だ、れか』
遊び人『(こえが、でない)』
<おい!見つかったぞ!
<王に報告してくれ!
<......
遊び人『......』
遊び人『(......だれか)』
............
......
...
・
『おい、あれ』
『ん?......賢者様!!!!』
遊び人『!』
遊び人『(きづいてくれた......!)』
『賢者様!!お気を確かに!!』
『頭から血を流してる......!おい早く連れてくぞ!!魔物に襲われたんだ!』
遊び人『......!?』
遊び人『(くらいから......じくずれに、きづいてない?)』
『運ぶぞ!!ゆっくりだ!』
『あまり揺らすな!!』
遊び人『(まって)』
遊び人『(まって、まってよ)』
遊び人『(わたしも、わたしもいるよ)』
遊び人『(わたしもいる、たすけて)』
遊び人『た、す......だ、れか』
遊び人『(こえが、でない)』
<おい!見つかったぞ!
<王に報告してくれ!
<......
遊び人『......』
遊び人『(......だれか)』
............
......
...
・
431: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:19:08.39:9Mzqzqrb0 (9/24)
ホー ホー
チリリリリ
ビュオォォ...
遊び人『............』
遊び人『(あれから、どれくらいたったんだろ)』
遊び人『(だれもこない)』
遊び人『(よるのもりって......すごくさむくなるんだ)』
遊び人『(だんだん......きりもかかってきた......からだじゅうがつめたくなってきた)』
遊び人『(......だれも、こない)』
遊び人『......』
遊び人『(わたし、ばかだ)』
遊び人『(わたしが、にげだしたから)』
遊び人『(おねえちゃんをあんなめにあわせて、みんなにめいわくかけて)』
遊び人『(わたし、ほんとうにいらないこだ)』
ジャリ...
グルルル
ギャッ ギャッ
遊び人『......』
遊び人『(だんだん、まもののけはいがふえてきた)』
遊び人『(たべられちゃうかな......このまま、しんじゃうのかな)』
遊び人『(だれもたすけにこないまま)』
遊び人『(......やだな)』
遊び人『(やだ、やだよ)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『(おねがい......いいこにします)』
遊び人『(もう、わがままいいません)』
遊び人『(だれかたすけて)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『............―――――勇者、ちゃん』
・
イ
遊び人『......?』
オーイ!オーイ!!
遊び人『......!』
<おい!おーい!!!!
<遊び人さん!!!! 遊び人さん!!!!
遊び人『(......勇者ちゃん......!!)』
勇者『返事してくれ!!!!!遊び人さん!!!!』
ホー ホー
チリリリリ
ビュオォォ...
遊び人『............』
遊び人『(あれから、どれくらいたったんだろ)』
遊び人『(だれもこない)』
遊び人『(よるのもりって......すごくさむくなるんだ)』
遊び人『(だんだん......きりもかかってきた......からだじゅうがつめたくなってきた)』
遊び人『(......だれも、こない)』
遊び人『......』
遊び人『(わたし、ばかだ)』
遊び人『(わたしが、にげだしたから)』
遊び人『(おねえちゃんをあんなめにあわせて、みんなにめいわくかけて)』
遊び人『(わたし、ほんとうにいらないこだ)』
ジャリ...
グルルル
ギャッ ギャッ
遊び人『......』
遊び人『(だんだん、まもののけはいがふえてきた)』
遊び人『(たべられちゃうかな......このまま、しんじゃうのかな)』
遊び人『(だれもたすけにこないまま)』
遊び人『(......やだな)』
遊び人『(やだ、やだよ)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『(おねがい......いいこにします)』
遊び人『(もう、わがままいいません)』
遊び人『(だれかたすけて)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『............―――――勇者、ちゃん』
・
イ
遊び人『......?』
オーイ!オーイ!!
遊び人『......!』
<おい!おーい!!!!
<遊び人さん!!!! 遊び人さん!!!!
遊び人『(......勇者ちゃん......!!)』
勇者『返事してくれ!!!!!遊び人さん!!!!』
432: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:20:03.05:9Mzqzqrb0 (10/24)
遊び人『(勇者ちゃん......!勇者ちゃん!)』
タッタッタ
門番『勇者!!』
門番2『そっちはどうだ?』
勇者『いえ......!そっちは!?』
門番『全然だ......なんの返答もないし、足跡を追って行ったんだが、土がグズグズで途中で分からなくなっちまってる』
門番2『おおかた獣や魔物の足跡に掻き消されてるんだ』
勇者『とにかくこの辺りにいるのは間違いないと思うんです!!早く探さないと』
遊び人『(勇者ちゃん、わたしは......ここだよ......!)』
遊び人『あ、くっ......』
遊び人『(こえ、ださなきゃ......!うえにとどくように、おおきい、こえ、で)』
勇者『遊び人さーん!!!遊び人さん!!!!』
門番2『......霧が濃くなってきたぞ』
勇者『......っ、くそっ!遊び人さーん!!!!』
門番『......おい、勇者』
勇者『なんですか!!?』
門番『一旦、捜索を止めよう』
遊び人『......』
遊び人『(え......?)』
遊び人『(勇者ちゃん......!勇者ちゃん!)』
タッタッタ
門番『勇者!!』
門番2『そっちはどうだ?』
勇者『いえ......!そっちは!?』
門番『全然だ......なんの返答もないし、足跡を追って行ったんだが、土がグズグズで途中で分からなくなっちまってる』
門番2『おおかた獣や魔物の足跡に掻き消されてるんだ』
勇者『とにかくこの辺りにいるのは間違いないと思うんです!!早く探さないと』
遊び人『(勇者ちゃん、わたしは......ここだよ......!)』
遊び人『あ、くっ......』
遊び人『(こえ、ださなきゃ......!うえにとどくように、おおきい、こえ、で)』
勇者『遊び人さーん!!!遊び人さん!!!!』
門番2『......霧が濃くなってきたぞ』
勇者『......っ、くそっ!遊び人さーん!!!!』
門番『......おい、勇者』
勇者『なんですか!!?』
門番『一旦、捜索を止めよう』
遊び人『......』
遊び人『(え......?)』
433: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:20:29.01:9Mzqzqrb0 (11/24)
勇者『......え?』
門番2『もう随分探してこれだ。このままじゃ朝になるぞ』
門番『魔物は増えるし霧は深くなる。お前は子供だし、俺たちもこのままじゃ危ない』
門番2『松明の火も心許無くなってきた。捜索は日が明けたら再開しろって兵士団長も言っているんだ』
勇者『なっ、なにを』
門番『第一』
門番2『"賢者様は見つかったんだ。まずは一安心だろう"』
勇者『..................』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『(ああ)』
遊び人『(......そっか)』
遊び人『(そうだよ、ね)』
遊び人『(わたしは)』
遊び人『(わたしは、なんでもないんだ)』
遊び人『(わたしは)』
勇者『......――だったら、帰れよ』
遊び人『(......え?)』
勇者『......え?』
門番2『もう随分探してこれだ。このままじゃ朝になるぞ』
門番『魔物は増えるし霧は深くなる。お前は子供だし、俺たちもこのままじゃ危ない』
門番2『松明の火も心許無くなってきた。捜索は日が明けたら再開しろって兵士団長も言っているんだ』
勇者『なっ、なにを』
門番『第一』
門番2『"賢者様は見つかったんだ。まずは一安心だろう"』
勇者『..................』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『(ああ)』
遊び人『(......そっか)』
遊び人『(そうだよ、ね)』
遊び人『(わたしは)』
遊び人『(わたしは、なんでもないんだ)』
遊び人『(わたしは)』
勇者『......――だったら、帰れよ』
遊び人『(......え?)』
434: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:21:20.80:9Mzqzqrb0 (12/24)
門番『は?』
勇者『安心なら、帰れよ。あんたたちだけで』
勇者『僕は一人で探す。帰れよ』
門番2『何を言って――......』
勇者『あんたちこそ何言ってんだよ!!!!』
門番・門番2『『!?』』
勇者『魔物が増えるから危ない!?霧が深くなるから危ない!?』
勇者『子供だから危ない!!?』
勇者『全部全部遊び人さんにだって言える事じゃんか!!!!』
門番『......!』
勇者『賢者様だったら探すのか!!賢者様が無事なら安心なのかよ!!!』
勇者『遊び人さんが危ないんだよ!!!』
勇者『賢者様とか、そんなんで探してるんじゃないんだよ!!!』
勇者『あの子は!!!遊び人さんはまだ7歳で!!!!僕の友達なんだよ!!!!!』
遊び人『......』
勇者『見つけられるまで帰れるもんか!!!あんたたちだけで帰れよ!!!!』
門番『......』
門番2『......』
勇者『......っ......遊び人さん!!遊び人さーん!!!!』
門番『......門番2』
門番2『......ああ』
ダッ
門番2『追加で応援を呼んでくる!!松明も新しいのを持ってくるよ!!』
勇者『!』
門番『......勇者。悪かった』
勇者『門番さん......』
門番『探そう。土が崩れやすくなってる。足元に気をつけろ』
勇者『......うん!!ありがとう!!』
門番『は?』
勇者『安心なら、帰れよ。あんたたちだけで』
勇者『僕は一人で探す。帰れよ』
門番2『何を言って――......』
勇者『あんたちこそ何言ってんだよ!!!!』
門番・門番2『『!?』』
勇者『魔物が増えるから危ない!?霧が深くなるから危ない!?』
勇者『子供だから危ない!!?』
勇者『全部全部遊び人さんにだって言える事じゃんか!!!!』
門番『......!』
勇者『賢者様だったら探すのか!!賢者様が無事なら安心なのかよ!!!』
勇者『遊び人さんが危ないんだよ!!!』
勇者『賢者様とか、そんなんで探してるんじゃないんだよ!!!』
勇者『あの子は!!!遊び人さんはまだ7歳で!!!!僕の友達なんだよ!!!!!』
遊び人『......』
勇者『見つけられるまで帰れるもんか!!!あんたたちだけで帰れよ!!!!』
門番『......』
門番2『......』
勇者『......っ......遊び人さん!!遊び人さーん!!!!』
門番『......門番2』
門番2『......ああ』
ダッ
門番2『追加で応援を呼んでくる!!松明も新しいのを持ってくるよ!!』
勇者『!』
門番『......勇者。悪かった』
勇者『門番さん......』
門番『探そう。土が崩れやすくなってる。足元に気をつけろ』
勇者『......うん!!ありがとう!!』
435: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:21:49.59:9Mzqzqrb0 (13/24)
<遊び人さーん!!遊び人さーん!!
<遊び人様ー!!遊び人様ー!!
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......っ』
ポロ
遊び人『......〜〜っ......!』ポロポロ
遊び人『ふ、くっ......!......ーっ!!』ポロポロ
遊び人『(勇者、ちゃん)』
ギリッ
遊び人『............ぅ、しゃ、ちゃぁん』
遊び人『ゆ、しゃ、ちゃぁん!......――ゆうしゃ、ちゃあんっ!!!』
勇者『!!!』
門番『どうした勇者?』
勇者『今、下から......!』
勇者『!!ここ!わかりにくいけど地崩れが起きてる!』
門番『!!!下か!!よし降りるぞ!!』
勇者『待ってて!!遊び人さん!』
............
......
...
・
<遊び人さーん!!遊び人さーん!!
<遊び人様ー!!遊び人様ー!!
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......っ』
ポロ
遊び人『......〜〜っ......!』ポロポロ
遊び人『ふ、くっ......!......ーっ!!』ポロポロ
遊び人『(勇者、ちゃん)』
ギリッ
遊び人『............ぅ、しゃ、ちゃぁん』
遊び人『ゆ、しゃ、ちゃぁん!......――ゆうしゃ、ちゃあんっ!!!』
勇者『!!!』
門番『どうした勇者?』
勇者『今、下から......!』
勇者『!!ここ!わかりにくいけど地崩れが起きてる!』
門番『!!!下か!!よし降りるぞ!!』
勇者『待ってて!!遊び人さん!』
............
......
...
・
436: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:23:19.71:9Mzqzqrb0 (14/24)
・
...
......
............
―――翌日・アリアハン城・遊び人の客室―――
ガチャッ
勇者『失礼します』
メイド『あら、勇者くん』
遊び人『......!』
勇者『......あの、どうですか?』
メイド『ええ。大丈夫。神父様と僧侶ちゃんのおかげで外傷もないわ』
勇者『そうですか!......よかった』
遊び人『......勇者ちゃん』
勇者『............遊び人さん』
遊び人『あの......その』
勇者『......』
遊び人『............ご、ごめんなさい』
勇者・メイド『『!』』
遊び人『めいわく、かけて......ごめんなさい』
遊び人『ごめんなさい......!ごめんなさい......!』
勇者・メイド『『......』』
メイド『(あの遊び人様が謝ってるなんて......)』
勇者『......』
ナデナデ
遊び人『!』
勇者『......言いたい事も、文句も色々あるけど』
勇者『まあ......とにかく無事でよかったよ』
遊び人『......』
遊び人『......〜っ!』
ダキッ!
勇者『うおっ!?』
遊び人『っ......!!ごべんなさい......!!』ポロポロ
遊び人『ごべんだざいっ......!!うぁぁっ......!!!』ギュゥゥ
勇者『............うん、うん』ナデナデ
メイド『......ふふ』
ガチャッ
勇者・メイド『『!』』
遊び人『!』
賢者『......』
勇者『......賢者様』
・
...
......
............
―――翌日・アリアハン城・遊び人の客室―――
ガチャッ
勇者『失礼します』
メイド『あら、勇者くん』
遊び人『......!』
勇者『......あの、どうですか?』
メイド『ええ。大丈夫。神父様と僧侶ちゃんのおかげで外傷もないわ』
勇者『そうですか!......よかった』
遊び人『......勇者ちゃん』
勇者『............遊び人さん』
遊び人『あの......その』
勇者『......』
遊び人『............ご、ごめんなさい』
勇者・メイド『『!』』
遊び人『めいわく、かけて......ごめんなさい』
遊び人『ごめんなさい......!ごめんなさい......!』
勇者・メイド『『......』』
メイド『(あの遊び人様が謝ってるなんて......)』
勇者『......』
ナデナデ
遊び人『!』
勇者『......言いたい事も、文句も色々あるけど』
勇者『まあ......とにかく無事でよかったよ』
遊び人『......』
遊び人『......〜っ!』
ダキッ!
勇者『うおっ!?』
遊び人『っ......!!ごべんなさい......!!』ポロポロ
遊び人『ごべんだざいっ......!!うぁぁっ......!!!』ギュゥゥ
勇者『............うん、うん』ナデナデ
メイド『......ふふ』
ガチャッ
勇者・メイド『『!』』
遊び人『!』
賢者『......』
勇者『......賢者様』
437: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:23:56.00:9Mzqzqrb0 (15/24)
ゾロゾロ
兵士『失礼する』
メイド『あのっ、そんな大勢入ってこられたら』
兵士2『少し黙っていろ。賢者様が遊び人様に話があるとの事だ。終わればすぐに出て行く』
メイド『......はい』
メイド『(......あの心配性の王様の事だから、賢者様のガードを固くするつもりなんだろうなぁ......これから)』
スタスタ
賢者『......遊び人』
遊び人『......はい』
賢者『私は言ったわ。大人しくしておけと』
遊び人『............はい』
賢者『理解できなかったのかしら?私の言葉が』
遊び人『......』
賢者『......』
賢者『......どこまで貴女は愚かなのかしら』
遊び人『......ごめん、なさい』
賢者『............』
クルッ
スタスタ
賢者『......戻ります。メイドさん、勇者。その子の世話をお願いします』
メイド『えっ?』
兵士『もうよろしいのですか?』
賢者『ええ。まだ仕事も残っていますので』チラッ
遊び人『......』
賢者『......――――バカに構っている暇はありません』
遊び人『っ......』
賢者『......』
スタスタ
賢者『さあ、いきまs――......』
勇者『バカはお前のほうだろ』
賢者『......え?』ピタ
ゾロゾロ
兵士『失礼する』
メイド『あのっ、そんな大勢入ってこられたら』
兵士2『少し黙っていろ。賢者様が遊び人様に話があるとの事だ。終わればすぐに出て行く』
メイド『......はい』
メイド『(......あの心配性の王様の事だから、賢者様のガードを固くするつもりなんだろうなぁ......これから)』
スタスタ
賢者『......遊び人』
遊び人『......はい』
賢者『私は言ったわ。大人しくしておけと』
遊び人『............はい』
賢者『理解できなかったのかしら?私の言葉が』
遊び人『......』
賢者『......』
賢者『......どこまで貴女は愚かなのかしら』
遊び人『......ごめん、なさい』
賢者『............』
クルッ
スタスタ
賢者『......戻ります。メイドさん、勇者。その子の世話をお願いします』
メイド『えっ?』
兵士『もうよろしいのですか?』
賢者『ええ。まだ仕事も残っていますので』チラッ
遊び人『......』
賢者『......――――バカに構っている暇はありません』
遊び人『っ......』
賢者『......』
スタスタ
賢者『さあ、いきまs――......』
勇者『バカはお前のほうだろ』
賢者『......え?』ピタ
438: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:24:36.92:9Mzqzqrb0 (16/24)
一同『『『!!!!?』』』
メイド『ちょっ!!!?勇者くっ......!?』
兵士『なっ......!!?』
遊び人『......』
ピタ...
賢者『......何、を』
勇者『バカはお前だって言ったんだ』
スタスタ!!
ガシッ!
賢者『!?』ビクッ
勇者『お前この子のお姉ちゃんだろ......!』
勇者『前から黙ってれば、そんな言葉しかこの子に言えないのかよ......!』
賢者『......っ』
遊び人『......!』
勇者『今回のことも、なんでこの子が逃げ出したか!考えないのか!!』
勇者『いっつも突き放して......!ろくに喋りもせず分からせようとして』
勇者『遊び人さんはお前の人形じゃないんだ!!!!それくらいもわかんないのかお前!!!』
シュッ!!!
バキィッ!!!
勇者『がっ......!!』
メイド『!』
遊び人『勇者ちゃん!!』
ドサッ!!ギリッ!!
兵士『勇者、貴様ぁ!!気でも狂ったか!!!』ギリィッ!
兵士2『自分が今誰に物を言っているのか理解してるのか!!!?』
勇者『ぐっ......わかるよ......っ!そのくらいっ』
勇者『バカに言ってやってるんだ!!!そこの!!賢者っていうバカに!!!!』
兵士3『お、前っ......!!』
勇者『今年九歳になる僕にだって分かる事を、そいつはわかってないんだ!!!』
勇者『遊び人さんがどんな思いしてるか、ろくにわかってないんだ!!!』
遊び人『......!』
賢者『............』
勇者『お前が誰だって!僕は言ってやるぞ!!』
勇者『バカはお前だ!!!』
一同『『『!!!!?』』』
メイド『ちょっ!!!?勇者くっ......!?』
兵士『なっ......!!?』
遊び人『......』
ピタ...
賢者『......何、を』
勇者『バカはお前だって言ったんだ』
スタスタ!!
ガシッ!
賢者『!?』ビクッ
勇者『お前この子のお姉ちゃんだろ......!』
勇者『前から黙ってれば、そんな言葉しかこの子に言えないのかよ......!』
賢者『......っ』
遊び人『......!』
勇者『今回のことも、なんでこの子が逃げ出したか!考えないのか!!』
勇者『いっつも突き放して......!ろくに喋りもせず分からせようとして』
勇者『遊び人さんはお前の人形じゃないんだ!!!!それくらいもわかんないのかお前!!!』
シュッ!!!
バキィッ!!!
勇者『がっ......!!』
メイド『!』
遊び人『勇者ちゃん!!』
ドサッ!!ギリッ!!
兵士『勇者、貴様ぁ!!気でも狂ったか!!!』ギリィッ!
兵士2『自分が今誰に物を言っているのか理解してるのか!!!?』
勇者『ぐっ......わかるよ......っ!そのくらいっ』
勇者『バカに言ってやってるんだ!!!そこの!!賢者っていうバカに!!!!』
兵士3『お、前っ......!!』
勇者『今年九歳になる僕にだって分かる事を、そいつはわかってないんだ!!!』
勇者『遊び人さんがどんな思いしてるか、ろくにわかってないんだ!!!』
遊び人『......!』
賢者『............』
勇者『お前が誰だって!僕は言ってやるぞ!!』
勇者『バカはお前だ!!!』
439: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:25:29.42:9Mzqzqrb0 (17/24)
兵士『こいつ!!!』ヒュッ!!
勇者『っ!』ギュッ
賢者『手を上げないで下さい!!!!』
兵士『っ!!?』
兵士2『賢者様!?』
遊び人『おねえちゃん......?』
賢者『............』
勇者『......?』
賢者『......』
賢者『......兵士の方々。もう参りましょう』
兵士3『し、しかし』
賢者『それ以上、勇者に手をあげる事は許可しません』
兵士『!』
兵士2『は、はい!』
兵士『......勇者、この事は王に報告させてもらうぞ』ボソッ
兵士2『後で覚えておけよ......お前が一番のバカだって事思い知らせてやる』ボソッ
バッ
スタスタ
ガチャッ
賢者『......』
クルッ
賢者『............勇者』
勇者『......なんですか』
賢者『......』
賢者『............ありがとう』
勇者『......!』
賢者『......失礼します』
兵士『こいつ!!!』ヒュッ!!
勇者『っ!』ギュッ
賢者『手を上げないで下さい!!!!』
兵士『っ!!?』
兵士2『賢者様!?』
遊び人『おねえちゃん......?』
賢者『............』
勇者『......?』
賢者『......』
賢者『......兵士の方々。もう参りましょう』
兵士3『し、しかし』
賢者『それ以上、勇者に手をあげる事は許可しません』
兵士『!』
兵士2『は、はい!』
兵士『......勇者、この事は王に報告させてもらうぞ』ボソッ
兵士2『後で覚えておけよ......お前が一番のバカだって事思い知らせてやる』ボソッ
バッ
スタスタ
ガチャッ
賢者『......』
クルッ
賢者『............勇者』
勇者『......なんですか』
賢者『......』
賢者『............ありがとう』
勇者『......!』
賢者『......失礼します』
440: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:26:22.19:9Mzqzqrb0 (18/24)
バタン
シーン...
勇者『......』
遊び人『......』
メイド『......ゆ』
ヘナヘナ
メイド『......勇者くん......あなた、本当に何考えてるのよ......こっちが疲れたわ』
勇者『はは......ごめんなさい、なんかカッとなっちゃって』
メイド『あの様子じゃこってり絞られるわよ?』
勇者『うぐ......ま、まま、まあ、だ、だいじょう、ぶだとおもいます......た、たぶん、ですけどもほほぉ』ガクガク
メイド『......ヘタレなのかそうじゃないのか分からないわね、本当に』
遊び人『......』
ダッ
ギュッ!!
勇者『うおっ!?』
メイド『あらま』
遊び人『......』ギュゥゥゥ
勇者『遊び人さん?えっと、ごめんね。ひとりでかってに怒っちゃって......』アセアセ
遊び人『......っ』スンッ
勇者『って泣いてる!?あのっえっと、ごめんっ?』
メイド『ふふ、またさっきみたいになっちゃってるわね』
勇者『あ!そうだそうだ!これを渡しに来たんだよ忘れてた!』
遊び人『......?』
勇者『ほら!これ!』
キラ...
メイド『それは......髪飾り?』
勇者『はい、昨日友達とルビス祭の店を回ってたら見つけて......遊び人さんにおみやげにって』
勇者『だから......あげるよ、遊び人さん!』
遊び人『......』
勇者『......あれ、なんかだめなやつだった?』
遊び人『......っ』スンッ
遊び人『んーん......』
ギュッ
遊び人『ありがとうっ......勇者ちゃん!』
............
......
...
・
バタン
シーン...
勇者『......』
遊び人『......』
メイド『......ゆ』
ヘナヘナ
メイド『......勇者くん......あなた、本当に何考えてるのよ......こっちが疲れたわ』
勇者『はは......ごめんなさい、なんかカッとなっちゃって』
メイド『あの様子じゃこってり絞られるわよ?』
勇者『うぐ......ま、まま、まあ、だ、だいじょう、ぶだとおもいます......た、たぶん、ですけどもほほぉ』ガクガク
メイド『......ヘタレなのかそうじゃないのか分からないわね、本当に』
遊び人『......』
ダッ
ギュッ!!
勇者『うおっ!?』
メイド『あらま』
遊び人『......』ギュゥゥゥ
勇者『遊び人さん?えっと、ごめんね。ひとりでかってに怒っちゃって......』アセアセ
遊び人『......っ』スンッ
勇者『って泣いてる!?あのっえっと、ごめんっ?』
メイド『ふふ、またさっきみたいになっちゃってるわね』
勇者『あ!そうだそうだ!これを渡しに来たんだよ忘れてた!』
遊び人『......?』
勇者『ほら!これ!』
キラ...
メイド『それは......髪飾り?』
勇者『はい、昨日友達とルビス祭の店を回ってたら見つけて......遊び人さんにおみやげにって』
勇者『だから......あげるよ、遊び人さん!』
遊び人『......』
勇者『......あれ、なんかだめなやつだった?』
遊び人『......っ』スンッ
遊び人『んーん......』
ギュッ
遊び人『ありがとうっ......勇者ちゃん!』
............
......
...
・
441: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:27:55.86:9Mzqzqrb0 (19/24)
・
...
......
............
―――アリアハン城・厨房――
料理長『......――で』
遊び人『......』
料理長『なんで厨房に入った瞬間にこの子は正座してるんだい』
メイド『それが、料理長にお願いがあるって......』
料理長『お願い?何さ?』
遊び人『りょうりちょうさん!』
料理長『うおぉっ!?なんだいなんだい!?』
遊び人『わたしをここではたらかせてくださいっ!』
料理長『......はい?』
遊び人『おねがいします!』
料理長『はぁ......アンタねぇ。私達は遊びでやってるんじゃ』
遊び人『しってます!』
料理長『......』
遊び人『おねがいします!』
料理長『......どういう風の吹き回しかしら』
遊び人『......』
遊び人『......です』
料理長『?』
遊び人『わたしは、いま、なにもできないです。ごくつぶしです』
料理長『ごくつぶして』
遊び人『はたらかざるもの、くうべからず!!はたらかせてください!!』
料理長『......』
遊び人『......!』
料理長『......メシを作って食わせたい奴でもできたかい?』
遊び人『!?』ドキッ
料理長『......ぷ、ははっ!!』
料理長『今までアンタがつまみ食いしてきた物はしばらくのお給金の前借だと思いな!』
遊び人『!』
料理長『それと!厨房ではアンタの身分なんて知らないからね!ビシバシいくから覚悟しときなよ!』
メイド2『ちょっと料理長!?』
メイド3『いいんですか勝手に決めて!!賢者様の一族ですよ!?』
料理長『知った事じゃあないわよ。ここじゃあ、私が法よ』
ザッ
料理長『それじゃあ手始めに皿洗いから叩き込んであげるわ!用意しな!!』
遊び人『......!!』
ビシッ!!
遊び人『はいっ!よろしくおねがいします!』
・
...
......
............
―――アリアハン城・厨房――
料理長『......――で』
遊び人『......』
料理長『なんで厨房に入った瞬間にこの子は正座してるんだい』
メイド『それが、料理長にお願いがあるって......』
料理長『お願い?何さ?』
遊び人『りょうりちょうさん!』
料理長『うおぉっ!?なんだいなんだい!?』
遊び人『わたしをここではたらかせてくださいっ!』
料理長『......はい?』
遊び人『おねがいします!』
料理長『はぁ......アンタねぇ。私達は遊びでやってるんじゃ』
遊び人『しってます!』
料理長『......』
遊び人『おねがいします!』
料理長『......どういう風の吹き回しかしら』
遊び人『......』
遊び人『......です』
料理長『?』
遊び人『わたしは、いま、なにもできないです。ごくつぶしです』
料理長『ごくつぶして』
遊び人『はたらかざるもの、くうべからず!!はたらかせてください!!』
料理長『......』
遊び人『......!』
料理長『......メシを作って食わせたい奴でもできたかい?』
遊び人『!?』ドキッ
料理長『......ぷ、ははっ!!』
料理長『今までアンタがつまみ食いしてきた物はしばらくのお給金の前借だと思いな!』
遊び人『!』
料理長『それと!厨房ではアンタの身分なんて知らないからね!ビシバシいくから覚悟しときなよ!』
メイド2『ちょっと料理長!?』
メイド3『いいんですか勝手に決めて!!賢者様の一族ですよ!?』
料理長『知った事じゃあないわよ。ここじゃあ、私が法よ』
ザッ
料理長『それじゃあ手始めに皿洗いから叩き込んであげるわ!用意しな!!』
遊び人『......!!』
ビシッ!!
遊び人『はいっ!よろしくおねがいします!』
442: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:28:56.43:9Mzqzqrb0 (20/24)
............
―――勇者の家―――
コンコン
女勇者『!おきゃくさんだ』
勇者母『ほんと?はいはーい』
スタスタ
ガチャ
勇者母『どなた――......あら?』
遊び人『......こ、こんにちはっ』
勇者母『遊び人ちゃんじゃない』
............
コトッ
勇者母『はい、ミルク』
遊び人『あ......ありがとう』
勇者母『またお城を抜け出してきたの?』
遊び人『ううんっ、おひるのあいだだけって、ゆるしてもらったの......すぐかえらなきゃ』
女勇者『すぐかえるの?』
遊び人『うん』
勇者母『それで?お話って?』
遊び人『......あ、あの』
勇者母『?』
遊び人『このまえの......ごはん、ごちそうさまでした』
遊び人『すごく、おいしかったです......』
勇者母『!』
女勇者『え、それをいいにきたのかい』
遊び人『ん......』
女勇者『そこまでさせるおかあさんのりょうりがおそろしい......おそれいったかいこむすめ』ハン
遊び人『あんたほんとうにむかつく』
勇者母『えへへ、でもありがとう。嬉しいわ』
............
―――勇者の家―――
コンコン
女勇者『!おきゃくさんだ』
勇者母『ほんと?はいはーい』
スタスタ
ガチャ
勇者母『どなた――......あら?』
遊び人『......こ、こんにちはっ』
勇者母『遊び人ちゃんじゃない』
............
コトッ
勇者母『はい、ミルク』
遊び人『あ......ありがとう』
勇者母『またお城を抜け出してきたの?』
遊び人『ううんっ、おひるのあいだだけって、ゆるしてもらったの......すぐかえらなきゃ』
女勇者『すぐかえるの?』
遊び人『うん』
勇者母『それで?お話って?』
遊び人『......あ、あの』
勇者母『?』
遊び人『このまえの......ごはん、ごちそうさまでした』
遊び人『すごく、おいしかったです......』
勇者母『!』
女勇者『え、それをいいにきたのかい』
遊び人『ん......』
女勇者『そこまでさせるおかあさんのりょうりがおそろしい......おそれいったかいこむすめ』ハン
遊び人『あんたほんとうにむかつく』
勇者母『えへへ、でもありがとう。嬉しいわ』
443: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:29:34.93:9Mzqzqrb0 (21/24)
遊び人『......――そ、それでね』
勇者母『ん?』
............
勇者母『あらあら、厨房で働くことになったの!』
遊び人『うん......!まだおさらとか、やさいをあらったりするだけなんだけど』
勇者母『そっか......ふふ!良い事よ!応援するわ』
遊び人『そ、それでね?あの......』
勇者母『?』
遊び人『......勇者ちゃんのおかあさんにも、おしえてもらいたいなって......』
勇者母『私にも?』
遊び人『うん、えっと、りょうりだけじゃなくて......ふくとか、そうじとかも!』
女勇者『よくばりだね、よくばりすぎるよ。どれだけごうよくなの?』
遊び人『あんたはちょっとしずかにしててよ!!』
勇者母『......』
遊び人『......だめ、かな』
勇者母『............悪いけど、今夕飯の下拵え中なの』
遊び人『......!』
遊び人『......ご、ごめんなさ』
勇者母『だから』
スクッ
勇者母『昼の間、ちょっと手伝ってもらえるかしら?遊び人ちゃんっ』ニコッ
遊び人『!』
遊び人『うんっ!ありがとうっ!おば』
勇者母『ん?』ゴォッ...!
遊び人『お、おばけがじょうぶつするくらいがんばります!』
女勇者『それはいったいどんな』
............
......
...
・
遊び人『......――そ、それでね』
勇者母『ん?』
............
勇者母『あらあら、厨房で働くことになったの!』
遊び人『うん......!まだおさらとか、やさいをあらったりするだけなんだけど』
勇者母『そっか......ふふ!良い事よ!応援するわ』
遊び人『そ、それでね?あの......』
勇者母『?』
遊び人『......勇者ちゃんのおかあさんにも、おしえてもらいたいなって......』
勇者母『私にも?』
遊び人『うん、えっと、りょうりだけじゃなくて......ふくとか、そうじとかも!』
女勇者『よくばりだね、よくばりすぎるよ。どれだけごうよくなの?』
遊び人『あんたはちょっとしずかにしててよ!!』
勇者母『......』
遊び人『......だめ、かな』
勇者母『............悪いけど、今夕飯の下拵え中なの』
遊び人『......!』
遊び人『......ご、ごめんなさ』
勇者母『だから』
スクッ
勇者母『昼の間、ちょっと手伝ってもらえるかしら?遊び人ちゃんっ』ニコッ
遊び人『!』
遊び人『うんっ!ありがとうっ!おば』
勇者母『ん?』ゴォッ...!
遊び人『お、おばけがじょうぶつするくらいがんばります!』
女勇者『それはいったいどんな』
............
......
...
・
444: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:30:16.56:9Mzqzqrb0 (22/24)
・
...
......
―――アリアハン城・中庭―――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん?』
勇者『(あれぇ?......どこに行ったんだろ。最近は突然居なくなるなんてなかったのに......)』
勇者『......』
ザッ スッ!
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
勇者『(......なーんて、来るわけないか)』
ギュッ
勇者『!?』
遊び人『......』
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『ほら、とまったよ。まんぞく?』
勇者『え?あ、うん。まんざらではないです』
遊び人『......こっちきて』
勇者『へ?』
―――木々の間―――
勇者『ああ、ずっとここに居たんだ?......ってあれ?』
勇者『なに?このバスケットは......遊び人さん?』
遊び人『すわって』
勇者『え?うん』ストッ
遊び人『......』
勇者『?遊び人さん?』
・
...
......
―――アリアハン城・中庭―――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん?』
勇者『(あれぇ?......どこに行ったんだろ。最近は突然居なくなるなんてなかったのに......)』
勇者『......』
ザッ スッ!
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
勇者『(......なーんて、来るわけないか)』
ギュッ
勇者『!?』
遊び人『......』
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『ほら、とまったよ。まんぞく?』
勇者『え?あ、うん。まんざらではないです』
遊び人『......こっちきて』
勇者『へ?』
―――木々の間―――
勇者『ああ、ずっとここに居たんだ?......ってあれ?』
勇者『なに?このバスケットは......遊び人さん?』
遊び人『すわって』
勇者『え?うん』ストッ
遊び人『......』
勇者『?遊び人さん?』
445: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:31:16.38:9Mzqzqrb0 (23/24)
パカッ
勇者『......!』
遊び人『......つくってきたの』
勇者『(これ、母さんが良く作る......僕の好きなやつだ)』
遊び人『えっと......このまえのるびすさいのときは......ごめんね』
遊び人『おわびと、おれいです』
遊び人『......――たべて、くれる?』
勇者『いいのっ!?』
遊び人『......うん。食べて』
勇者『ありがとう!いただきますっ!』
ガツガツ ムシャムシャ!
勇者『うおっ!おいしいっ!これおいしいよ!』
遊び人『えへへ......そっかな』
勇者『うんっ!ありがとう遊び人さん!』
遊び人『......さん』
勇者『うん?え?』
遊び人『さんはいらない!遊び人ってよんで!』
勇者『え、でも』
遊び人『いいからっ!』
勇者『......』
遊び人『......〜っ!』
勇者『......わかった』
勇者『ありがとね、遊び人!』
遊び人『......うんっ!えへへへっ!』
勇者『あ、だったら僕の事もちゃん付けはさ......』
遊び人『それはだめー♪勇者ちゃんは勇者ちゃんだもーん』
勇者『くそう』
............
......
...
・
パカッ
勇者『......!』
遊び人『......つくってきたの』
勇者『(これ、母さんが良く作る......僕の好きなやつだ)』
遊び人『えっと......このまえのるびすさいのときは......ごめんね』
遊び人『おわびと、おれいです』
遊び人『......――たべて、くれる?』
勇者『いいのっ!?』
遊び人『......うん。食べて』
勇者『ありがとう!いただきますっ!』
ガツガツ ムシャムシャ!
勇者『うおっ!おいしいっ!これおいしいよ!』
遊び人『えへへ......そっかな』
勇者『うんっ!ありがとう遊び人さん!』
遊び人『......さん』
勇者『うん?え?』
遊び人『さんはいらない!遊び人ってよんで!』
勇者『え、でも』
遊び人『いいからっ!』
勇者『......』
遊び人『......〜っ!』
勇者『......わかった』
勇者『ありがとね、遊び人!』
遊び人『......うんっ!えへへへっ!』
勇者『あ、だったら僕の事もちゃん付けはさ......』
遊び人『それはだめー♪勇者ちゃんは勇者ちゃんだもーん』
勇者『くそう』
............
......
...
・
446: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年05月29日(金) 21:31:46.69:9Mzqzqrb0 (24/24)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
447:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月29日(金) 21:33:07.47:EEEMXd4HO (1/1)
乙です!
乙です!
448:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月29日(金) 21:50:43.75:R2QSAOeHo (1/1)
おつんつん!
おつんつん!
449:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月30日(土) 00:06:47.05:DQ9BoJoDO (1/1)
乙!!
乙!!
450:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年05月30日(土) 03:51:38.99:LEDA+due0 (1/1)
おぉ...乙でございます
おぉ...乙でございます
451:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年06月06日(土) 03:16:48.51:bE5yr2XAO (1/1)
乙!
なんかニマニマするね
乙!
なんかニマニマするね
452:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年06月14日(日) 20:53:13.61:5MnZR9V50 (1/1)
追いついた・・・乙!
追いついた・・・乙!
453:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年06月15日(月) 01:32:18.09:V06iUaq0o (1/1)
sageなよ
俺も追いついた乙
sageなよ
俺も追いついた乙
454:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月07日(火) 23:58:40.98:WV6LoJDjo (1/1)
早めだけど一ヶ月保守
早めだけど一ヶ月保守
455: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:35:39.58:JnAx6myY0 (1/28)
・
...
......
............
――アリアハン城・王の食卓――
王『はぁ......朝っぱらから疲れた......昼飯はよ』
メイド『御疲れ様でございます』
大臣『疲れたってほど何かしましたか?』
王『そら......したよ。耕地見回ったりしたよ。何故か王の私が耕しもしたよ。っていうかお前が耕させたんだろうよわしに』
大臣『御疲れ様でございます』
王『お前ほんっとむかつくわ......頭沸いてんじゃねえの?』
ガラガラ
メイド2『食事をお持ちしました』
王『ああ、すまんな』
カパッ
王『......おお?』
大臣『どうされました?』
王『む、いつもと趣向が違うなと思ってな。いや、頂くよ』
パクッ
王『っ!なんだ、これは美味いな!?』
大臣『見たところいつもより食材が質素な......ちょっとすんません』ヒョイッ
王『お前何さりげなく手掴みでわしのメシ取ってんの?』
大臣『んん!こりゃ美味い!』
王『だろう、いや、昨日までも勿論美味かったがこのような味も好みだ。料理長に伝えておいてくれ』
メイド『かしこまりました!......ふふ』チラッ
メイド2『うふふ』チラッ
メイド・メイド2『『えへへー』』
王『?』
――厨房――
メイド『......――だって!二人共すごく美味しいって!』
メイド2『褒めてたよー!やっぱり気付くんだね』
料理長『そういうこったよ。これからもちょくちょく献立を任せてもいいかい?』
遊び人『はいっ!ありがとうございます料理長!』
・
...
......
............
――アリアハン城・王の食卓――
王『はぁ......朝っぱらから疲れた......昼飯はよ』
メイド『御疲れ様でございます』
大臣『疲れたってほど何かしましたか?』
王『そら......したよ。耕地見回ったりしたよ。何故か王の私が耕しもしたよ。っていうかお前が耕させたんだろうよわしに』
大臣『御疲れ様でございます』
王『お前ほんっとむかつくわ......頭沸いてんじゃねえの?』
ガラガラ
メイド2『食事をお持ちしました』
王『ああ、すまんな』
カパッ
王『......おお?』
大臣『どうされました?』
王『む、いつもと趣向が違うなと思ってな。いや、頂くよ』
パクッ
王『っ!なんだ、これは美味いな!?』
大臣『見たところいつもより食材が質素な......ちょっとすんません』ヒョイッ
王『お前何さりげなく手掴みでわしのメシ取ってんの?』
大臣『んん!こりゃ美味い!』
王『だろう、いや、昨日までも勿論美味かったがこのような味も好みだ。料理長に伝えておいてくれ』
メイド『かしこまりました!......ふふ』チラッ
メイド2『うふふ』チラッ
メイド・メイド2『『えへへー』』
王『?』
――厨房――
メイド『......――だって!二人共すごく美味しいって!』
メイド2『褒めてたよー!やっぱり気付くんだね』
料理長『そういうこったよ。これからもちょくちょく献立を任せてもいいかい?』
遊び人『はいっ!ありがとうございます料理長!』
456:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月08日(水) 23:36:20.80:JnAx6myY0 (2/28)
バシャバシャ カチャカチャ
遊び人『食材が質素なら質素なりに濃い味付けだけじゃなくて素材の味で勝負しようと思ったの』
遊び人『ほら、お城から少し南の方の耕地で作ってるヒヨドリカブは煮込むと凄く甘くなるけどすぐにドロドロになっちゃうでしょ』
遊び人『その解けたカブを濾した汁で次は原型が留まる程度にまたカブを煮込むの。さらっと塩をまぶせばさっぱりとした深いコクの甘いカブの煮込みの出来上がり』
メイド『手間かけてるわねー』
料理長『筋が良すぎるとは思ってたけどここまでとはぁね。もうすぐ10歳になるかどうかの子が......』
遊び人『えへへ!師匠が二人共凄い人だからね!』
料理長『ああ、勇者母さんにも教えて貰ってるんだってね。あの人は伝説だから』
遊び人『後のもう一人は勿論料理長だよ』
料理長『あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。前の生意気なアンタからは考えられないね』
遊び人『一言よーけーい!』
カチャッ
遊び人『っよし!それじゃ夕飯の仕込みまでには戻ってくるね!』
メイド2『勇者母さんの所に行くの?』
料理長『気を付けて行ってきなよ』
遊び人『はい!お疲れ様です!』
――勇者宅――
勇者母『それは......そう、そこで編み棒をそこに通すの。そこで切ってみて?』
遊び人『ん、......できたっ』
勇者母『出来上がりね。上手いわ遊び人ちゃん』
遊び人『えへへ!お義母さん、ありがと!』
スタスタ
女勇者『あれ、すごいね。遊び人ちゃんが作ったのかい?』
遊び人『あ、女勇者。こんにちは。そだよ、私が作った』
女勇者『きれいだね、しかし遊び人ちゃんは女子力高いね』
遊び人『そうかなぁーえへへー、そうかなぁー?』
女勇者『(顔すごい緩んでる......)』
勇者母『これでいつでもお嫁にいけるわね?ふふ』
遊び人『そっ!そんなっ、お義母さん!およめさんにいつでもこいなんて、そんなっ、あはっ、あはは!やだもー!』
勇者母『?』ニコニコ
女勇者『ねえ、"おかあさん"って呼ぶのは別にいいけどなんかイントネーションおかしくないかい』
バシャバシャ カチャカチャ
遊び人『食材が質素なら質素なりに濃い味付けだけじゃなくて素材の味で勝負しようと思ったの』
遊び人『ほら、お城から少し南の方の耕地で作ってるヒヨドリカブは煮込むと凄く甘くなるけどすぐにドロドロになっちゃうでしょ』
遊び人『その解けたカブを濾した汁で次は原型が留まる程度にまたカブを煮込むの。さらっと塩をまぶせばさっぱりとした深いコクの甘いカブの煮込みの出来上がり』
メイド『手間かけてるわねー』
料理長『筋が良すぎるとは思ってたけどここまでとはぁね。もうすぐ10歳になるかどうかの子が......』
遊び人『えへへ!師匠が二人共凄い人だからね!』
料理長『ああ、勇者母さんにも教えて貰ってるんだってね。あの人は伝説だから』
遊び人『後のもう一人は勿論料理長だよ』
料理長『あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。前の生意気なアンタからは考えられないね』
遊び人『一言よーけーい!』
カチャッ
遊び人『っよし!それじゃ夕飯の仕込みまでには戻ってくるね!』
メイド2『勇者母さんの所に行くの?』
料理長『気を付けて行ってきなよ』
遊び人『はい!お疲れ様です!』
――勇者宅――
勇者母『それは......そう、そこで編み棒をそこに通すの。そこで切ってみて?』
遊び人『ん、......できたっ』
勇者母『出来上がりね。上手いわ遊び人ちゃん』
遊び人『えへへ!お義母さん、ありがと!』
スタスタ
女勇者『あれ、すごいね。遊び人ちゃんが作ったのかい?』
遊び人『あ、女勇者。こんにちは。そだよ、私が作った』
女勇者『きれいだね、しかし遊び人ちゃんは女子力高いね』
遊び人『そうかなぁーえへへー、そうかなぁー?』
女勇者『(顔すごい緩んでる......)』
勇者母『これでいつでもお嫁にいけるわね?ふふ』
遊び人『そっ!そんなっ、お義母さん!およめさんにいつでもこいなんて、そんなっ、あはっ、あはは!やだもー!』
勇者母『?』ニコニコ
女勇者『ねえ、"おかあさん"って呼ぶのは別にいいけどなんかイントネーションおかしくないかい』
457:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月08日(水) 23:36:50.43:JnAx6myY0 (3/28)
勇者母『そういえば遊び人ちゃん、遊び人ちゃんももうそろそろ"火贈りの儀式"じゃない?』
遊び人『うん!あと半月くらいかな』
女勇者『もう何の職を祈るか決めた?』
遊び人『そうだねー。やっぱり神使かな?』
女勇者『あら、神使?って事は僧侶職かい?なんでまた』
遊び人『え?なんで?』
女勇者『いや、てっきり賢者職を目指すか、火贈りの儀式を受けずに料理人として生きるかどっちかだと思ってたからさ』
遊び人『うーん、それもいいんだけどね。だって勇者ちゃんは旅に出るんでしょ?』
遊び人『だったら私もついていきたいし。賢者はお姉ちゃんと一緒だから絶対嫌だし』
遊び人『そうすると何かなって思ったんだけど、治療をできる神使は何人居てもいいかなって思って』
女勇者『うーん、そっかあ』
遊び人『それに勇者ちゃんに回復呪文を使えるのが僧侶だけなのも悔しいしね!』
勇者母『ふふ、それじゃあ勇者の怪我は僧侶ちゃんと遊び人ちゃんにお願いするわね?』
遊び人『うん!任せてお義母さん!』
・
...
......
............
――アリアハン・ルビス聖堂――
神父『火贈りの儀式とは......最初に説明しなければなりませんね』
神父『ここに集まった皆さんも、ルビス様が火を司る神様である事はご存知でしょう』
神父『ルビス様はこの大地を創られた際に、人間達に内なる炎......職業を与えました』
神父『その意思を継ぎ、秩序を守る者......神使――通称・僧侶』
神父『大地を切り開く豪腕を持つ者......闘士――通称・戦士、武闘家』
神父『人と人を繋ぐ才覚を持つ者......理人――通称・商人』
神父『これらの職業以外にも、陰の職業として』
神父『万象を操る者......魔術師――通称・魔法使い』
神父『影に忍び生きる者......夜歩人――通称・盗賊』
神父『世を忘れ、現を生きる者......快楽者――通称・遊び人』
神父『これらの中から、あなた達自身が選んだ職業を与える儀式です』
神父『望まぬのなら、火贈りの儀式を受けず、ありのままの人として生きるのも良いでしょう』
神父『ここに集められた春の下月に生まれた子らよ。あなた達はもう10の齢をくぐります』
神父『自分の意思で決め、そして今日から自分の足で歩き出すように。私は祈りましょう』
勇者母『そういえば遊び人ちゃん、遊び人ちゃんももうそろそろ"火贈りの儀式"じゃない?』
遊び人『うん!あと半月くらいかな』
女勇者『もう何の職を祈るか決めた?』
遊び人『そうだねー。やっぱり神使かな?』
女勇者『あら、神使?って事は僧侶職かい?なんでまた』
遊び人『え?なんで?』
女勇者『いや、てっきり賢者職を目指すか、火贈りの儀式を受けずに料理人として生きるかどっちかだと思ってたからさ』
遊び人『うーん、それもいいんだけどね。だって勇者ちゃんは旅に出るんでしょ?』
遊び人『だったら私もついていきたいし。賢者はお姉ちゃんと一緒だから絶対嫌だし』
遊び人『そうすると何かなって思ったんだけど、治療をできる神使は何人居てもいいかなって思って』
女勇者『うーん、そっかあ』
遊び人『それに勇者ちゃんに回復呪文を使えるのが僧侶だけなのも悔しいしね!』
勇者母『ふふ、それじゃあ勇者の怪我は僧侶ちゃんと遊び人ちゃんにお願いするわね?』
遊び人『うん!任せてお義母さん!』
・
...
......
............
――アリアハン・ルビス聖堂――
神父『火贈りの儀式とは......最初に説明しなければなりませんね』
神父『ここに集まった皆さんも、ルビス様が火を司る神様である事はご存知でしょう』
神父『ルビス様はこの大地を創られた際に、人間達に内なる炎......職業を与えました』
神父『その意思を継ぎ、秩序を守る者......神使――通称・僧侶』
神父『大地を切り開く豪腕を持つ者......闘士――通称・戦士、武闘家』
神父『人と人を繋ぐ才覚を持つ者......理人――通称・商人』
神父『これらの職業以外にも、陰の職業として』
神父『万象を操る者......魔術師――通称・魔法使い』
神父『影に忍び生きる者......夜歩人――通称・盗賊』
神父『世を忘れ、現を生きる者......快楽者――通称・遊び人』
神父『これらの中から、あなた達自身が選んだ職業を与える儀式です』
神父『望まぬのなら、火贈りの儀式を受けず、ありのままの人として生きるのも良いでしょう』
神父『ここに集められた春の下月に生まれた子らよ。あなた達はもう10の齢をくぐります』
神父『自分の意思で決め、そして今日から自分の足で歩き出すように。私は祈りましょう』
458: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:38:04.54:JnAx6myY0 (4/28)
神父『それでは名を呼ばれたものは聖堂の前へ』
ガヤガヤ
遊び人『〜♪』
町娘『ねえ、もう何の職にするか決めた?』
遊び人『うん!神使にするの!』
町娘『そうなんだ!私はね――......』
神父『次、町娘さん』
町娘『あ!私だ!行ってくるね!』
遊び人『うん!頑張って!』
神父『それでは......聖・ルビスに祈りを』
町娘『はい』
神父『あなたは、何を祈りますか?』
町娘『............――"理人"を』
町娘『私は、家の商いを継ぎたいです。ルビス様、お願いします』
神父『それでは私に続いて詠唱を』
<......。......。
遊び人『(こんな儀式なんだ......)』
神父『......最後に。もう一度お祈りを』
町娘『......』
フッ......
町娘『......!』
神父『......お疲れ様でした。あなたは今日これから理人です』
町娘『すごい......!なんか生まれ変わったみたい......!』
神父『ふふ、ご両親に報告してくると良いでしょう』
町娘『はいっ!ありがとうございました!』
タッタッタ......
神父『さて......次の方、遊び人さん!』
遊び人『(きた!私の番!)』
スタスタ... ザッ
遊び人『お、お願いします!』
神父『はい。それでは......』
ピタ
神父『......おや?』
遊び人『え?』
神父『............遊び人さん、あなたは――』
神父『それでは名を呼ばれたものは聖堂の前へ』
ガヤガヤ
遊び人『〜♪』
町娘『ねえ、もう何の職にするか決めた?』
遊び人『うん!神使にするの!』
町娘『そうなんだ!私はね――......』
神父『次、町娘さん』
町娘『あ!私だ!行ってくるね!』
遊び人『うん!頑張って!』
神父『それでは......聖・ルビスに祈りを』
町娘『はい』
神父『あなたは、何を祈りますか?』
町娘『............――"理人"を』
町娘『私は、家の商いを継ぎたいです。ルビス様、お願いします』
神父『それでは私に続いて詠唱を』
<......。......。
遊び人『(こんな儀式なんだ......)』
神父『......最後に。もう一度お祈りを』
町娘『......』
フッ......
町娘『......!』
神父『......お疲れ様でした。あなたは今日これから理人です』
町娘『すごい......!なんか生まれ変わったみたい......!』
神父『ふふ、ご両親に報告してくると良いでしょう』
町娘『はいっ!ありがとうございました!』
タッタッタ......
神父『さて......次の方、遊び人さん!』
遊び人『(きた!私の番!)』
スタスタ... ザッ
遊び人『お、お願いします!』
神父『はい。それでは......』
ピタ
神父『......おや?』
遊び人『え?』
神父『............遊び人さん、あなたは――』
459: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:38:46.85:JnAx6myY0 (5/28)
............
―――アリアハン城・賢者の部屋―――
勇者『この羊皮紙であってる?』
賢者『ええ。そうね......ありがとう、次はこの文献を探してもらえるかしら』
勇者『うん分かった』
賢者『......そろそろかしら』
勇者『え?なにが?』
バタァン!!
遊び人『お姉ちゃん!!!!』
勇者『うわぁっ!!!?遊び人!?』ビクーン!!
賢者『......騒がしいわ、遊び人』
遊び人『っ......!!お姉ちゃん!!』
ヅカヅカ
ガシッ!!
遊び人『お姉ちゃん......!!どういうことよ!!』
賢者『痛いわ、離してもらえるかしら』
勇者『あ、遊び人どうしたのさ、だめだよ、喧嘩はだめだよ』オロオロ
遊び人『あんた、私の職業を勝手に"快楽者"にしたでしょ!!!!』
勇者『えっ』
賢者『......』
遊び人『神父様に言われたの!もう私は快楽者の炎を宿してるって......!!』
遊び人『あんた私が寝てる間に勝手に儀式したでしょ!!!神職だからって!!!』
賢者『......』
遊び人『なんとか言ってよ!!どういうことなの!!』
賢者『......』
勇者『け、賢者......?』
賢者『......ええ』
遊び人『!』
賢者『確かに、私があなたの火贈りの儀式を執り行ったわ』
賢者『ただ、文句は言わせないわ』
遊び人『なっ......!?』
賢者『あなた、勇者の旅に付いて行くつもりと言っていたわね?』
遊び人『それが何よ!あんたと何の関係があるの!?』
賢者『思い上がりすぎよ。中途半端な力を持ったあなたが旅に出て何になるの?』
勇者『ちょっと、賢者......!』
............
―――アリアハン城・賢者の部屋―――
勇者『この羊皮紙であってる?』
賢者『ええ。そうね......ありがとう、次はこの文献を探してもらえるかしら』
勇者『うん分かった』
賢者『......そろそろかしら』
勇者『え?なにが?』
バタァン!!
遊び人『お姉ちゃん!!!!』
勇者『うわぁっ!!!?遊び人!?』ビクーン!!
賢者『......騒がしいわ、遊び人』
遊び人『っ......!!お姉ちゃん!!』
ヅカヅカ
ガシッ!!
遊び人『お姉ちゃん......!!どういうことよ!!』
賢者『痛いわ、離してもらえるかしら』
勇者『あ、遊び人どうしたのさ、だめだよ、喧嘩はだめだよ』オロオロ
遊び人『あんた、私の職業を勝手に"快楽者"にしたでしょ!!!!』
勇者『えっ』
賢者『......』
遊び人『神父様に言われたの!もう私は快楽者の炎を宿してるって......!!』
遊び人『あんた私が寝てる間に勝手に儀式したでしょ!!!神職だからって!!!』
賢者『......』
遊び人『なんとか言ってよ!!どういうことなの!!』
賢者『......』
勇者『け、賢者......?』
賢者『......ええ』
遊び人『!』
賢者『確かに、私があなたの火贈りの儀式を執り行ったわ』
賢者『ただ、文句は言わせないわ』
遊び人『なっ......!?』
賢者『あなた、勇者の旅に付いて行くつもりと言っていたわね?』
遊び人『それが何よ!あんたと何の関係があるの!?』
賢者『思い上がりすぎよ。中途半端な力を持ったあなたが旅に出て何になるの?』
勇者『ちょっと、賢者......!』
460: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:39:30.36:JnAx6myY0 (6/28)
賢者『前から火贈りの儀式で力を願わずに普通の人間として生きなさいと言っていたはずよ』
賢者『それを無視して力を願うから、戦いようの無い快楽者の職業に就かせたの』
遊び人『あっ......!!あんたに、あんたに何の権利があってそんな事するのよ!!!!』
賢者『賢者の一族の驕りに身を任せて自身を過信するあなたの姉。それを制する権利がある』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......』
勇者『あの、その、二人共......』オロオロ
ガタッ
賢者『勇者、さっきの文献探していてもらえるかしら。私は蔵書室で他の文献を探してみるわ』
勇者『いや......賢者、だからさあ!』
ガタッ
勇者『え?』
カタカタカタ......
勇者『......?なんだろ、地震?......少し揺れて』
賢者『っ!』
勇者『......――って、え?』
カタカタカタ
ズズズズズズズズ
遊び人『っ............!』
勇者『遊び人!?』
賢者『遊び人!!"それ"を治めなさい!!!』
遊び人『私だって......!!私だって!!』
遊び人『私だって魔法を使える......!!呪文も唱えられる!!!』
遊び人『あんただけが賢者の一族じゃないっ......!!』
ゴオオ!!!
賢者『遊び人!!』
遊び人『あんただけが』
ズオォォッ!!!!
遊び人『おじいちゃんの孫じゃない!!!!!!!』
賢者『前から火贈りの儀式で力を願わずに普通の人間として生きなさいと言っていたはずよ』
賢者『それを無視して力を願うから、戦いようの無い快楽者の職業に就かせたの』
遊び人『あっ......!!あんたに、あんたに何の権利があってそんな事するのよ!!!!』
賢者『賢者の一族の驕りに身を任せて自身を過信するあなたの姉。それを制する権利がある』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......』
勇者『あの、その、二人共......』オロオロ
ガタッ
賢者『勇者、さっきの文献探していてもらえるかしら。私は蔵書室で他の文献を探してみるわ』
勇者『いや......賢者、だからさあ!』
ガタッ
勇者『え?』
カタカタカタ......
勇者『......?なんだろ、地震?......少し揺れて』
賢者『っ!』
勇者『......――って、え?』
カタカタカタ
ズズズズズズズズ
遊び人『っ............!』
勇者『遊び人!?』
賢者『遊び人!!"それ"を治めなさい!!!』
遊び人『私だって......!!私だって!!』
遊び人『私だって魔法を使える......!!呪文も唱えられる!!!』
遊び人『あんただけが賢者の一族じゃないっ......!!』
ゴオオ!!!
賢者『遊び人!!』
遊び人『あんただけが』
ズオォォッ!!!!
遊び人『おじいちゃんの孫じゃない!!!!!!!』
461: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:40:03.17:JnAx6myY0 (7/28)
ガシィッ!!
賢者『遊び人!!勇者もいるの!!治めなさい!!』
遊び人『っ!』ハッ
ズズズズ
ズズ
ズ...
...
勇者『(......治まった......?)』
遊び人『......』
賢者『......遊び人』
賢者『今、自分がどうなったか理解はできたかしら......っ?』
遊び人『......』
賢者『あなたは確かに多少の力は持っているかもしれない』
賢者『でも制する事はできないの。今の様に』
賢者『今あなたは感情に任せて中途半端な力を使って勇者を危険な目に合わせたわ』
賢者『"快楽者"の職についていても、余る力を制御さえできない......その体たらくなのよ』
遊び人『......!!』
勇者『......』
遊び人『......っ』
ペタン
遊び人『うっ、っ』ポロ
遊び人『ふくっ......ふぇぁ......うぁぁあっ......!!』ポロポロ
賢者『泣けば済むとも思わないで頂戴』
賢者『......勇者』
勇者『な、なに?』
賢者『今見た事は絶対口外しては駄目』
賢者『わかった?』
勇者『......う、うん』
クルッ スタスタ
賢者『......それじゃ、私は蔵書室に行くからこの子をお願い』
勇者『え!?ちょっと賢者!!何言ってんだよ!遊び人が』
賢者『説教なら後で聞くわ。今もう私が何を言っても無駄よ。貴方だってわかるでしょ』
ガチャッ
賢者『私だって......わかってる』
バタン
ガシィッ!!
賢者『遊び人!!勇者もいるの!!治めなさい!!』
遊び人『っ!』ハッ
ズズズズ
ズズ
ズ...
...
勇者『(......治まった......?)』
遊び人『......』
賢者『......遊び人』
賢者『今、自分がどうなったか理解はできたかしら......っ?』
遊び人『......』
賢者『あなたは確かに多少の力は持っているかもしれない』
賢者『でも制する事はできないの。今の様に』
賢者『今あなたは感情に任せて中途半端な力を使って勇者を危険な目に合わせたわ』
賢者『"快楽者"の職についていても、余る力を制御さえできない......その体たらくなのよ』
遊び人『......!!』
勇者『......』
遊び人『......っ』
ペタン
遊び人『うっ、っ』ポロ
遊び人『ふくっ......ふぇぁ......うぁぁあっ......!!』ポロポロ
賢者『泣けば済むとも思わないで頂戴』
賢者『......勇者』
勇者『な、なに?』
賢者『今見た事は絶対口外しては駄目』
賢者『わかった?』
勇者『......う、うん』
クルッ スタスタ
賢者『......それじゃ、私は蔵書室に行くからこの子をお願い』
勇者『え!?ちょっと賢者!!何言ってんだよ!遊び人が』
賢者『説教なら後で聞くわ。今もう私が何を言っても無駄よ。貴方だってわかるでしょ』
ガチャッ
賢者『私だって......わかってる』
バタン
462: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:40:55.61:JnAx6myY0 (8/28)
勇者『......』
遊び人『だってっ......!!だって......!!』ポロポロ
遊び人『こんなの、ひどいっ......!!ひどいよ......!!』ポロポロ
勇者『............』
勇者『......っ!遊び人!』
ガシッ
勇者『別にいいじゃない!快楽者でも!』
遊び人『ぐすっ......っ......?』
勇者『そんなに強い力も持ってるし、遊び人は頭いいしさ!』
勇者『家事もすごいし、快楽者でも遊び人は凄い子だよ!』
遊び人『勇者ちゃん......』グスッ
勇者『だから、泣き止んでよ......ね?』オロオロ
遊び人『......』
勇者『ね?』
遊び人『......っ。わたしが』
勇者『ん?』
遊び人『わたしが、快楽者でも......旅、つれてってくれる......?』
勇者『もっちろんだよ!!遊び人がよかったらこっちからお願いしたいくらいだもん!』
遊び人『......』
グシグシ
遊び人『っ、勇者ちゃん』
勇者『なに?』
遊び人『......ありがと』
遊び人『約束......破らないでね』
勇者『ん!絶対!』
――ドアの前――
<............!......!
賢者『......』
............
......
...
・
勇者『......』
遊び人『だってっ......!!だって......!!』ポロポロ
遊び人『こんなの、ひどいっ......!!ひどいよ......!!』ポロポロ
勇者『............』
勇者『......っ!遊び人!』
ガシッ
勇者『別にいいじゃない!快楽者でも!』
遊び人『ぐすっ......っ......?』
勇者『そんなに強い力も持ってるし、遊び人は頭いいしさ!』
勇者『家事もすごいし、快楽者でも遊び人は凄い子だよ!』
遊び人『勇者ちゃん......』グスッ
勇者『だから、泣き止んでよ......ね?』オロオロ
遊び人『......』
勇者『ね?』
遊び人『......っ。わたしが』
勇者『ん?』
遊び人『わたしが、快楽者でも......旅、つれてってくれる......?』
勇者『もっちろんだよ!!遊び人がよかったらこっちからお願いしたいくらいだもん!』
遊び人『......』
グシグシ
遊び人『っ、勇者ちゃん』
勇者『なに?』
遊び人『......ありがと』
遊び人『約束......破らないでね』
勇者『ん!絶対!』
――ドアの前――
<............!......!
賢者『......』
............
......
...
・
463: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:42:05.00:JnAx6myY0 (9/28)
・
...
.........
――アリアハン城・厨房裏・戸口――
スタスタ
遊び人『いしょっと』
ドサッ
遊び人『(ん、これで全部捨て終わった)』
スタスタ
『こんにちはー。毎度ありがとうございまーす』
遊び人『ん?あっ、商人』
商人『あれ、遊び人ちゃんじゃないですか』
遊び人『どうしたの、そんな荷物抱えて』
商人『こないだ注文された調味料、遅れて入ってきた分を持ってきたんですよ』
遊び人『そんなに沢山?』
商人『いえ、調味料はこれだけです。はい』
遊び人『はいありがと。......その残りの荷物は?』
商人『賢者ちゃんです』
遊び人『え?』
商人『賢者ちゃんから頼まれたものを持ってきたんですよ』
遊び人『あいつが?めずらしいね』
商人『多分、来月必要なものなんでしょうね』
遊び人『来月?何かあるの?』
商人『え?賢者ちゃんか勇くんから何か聞いていないんですか?』
遊び人『何かって......何を?』
商人『いえ、来月――――......』
・
...
.........
――アリアハン城・厨房裏・戸口――
スタスタ
遊び人『いしょっと』
ドサッ
遊び人『(ん、これで全部捨て終わった)』
スタスタ
『こんにちはー。毎度ありがとうございまーす』
遊び人『ん?あっ、商人』
商人『あれ、遊び人ちゃんじゃないですか』
遊び人『どうしたの、そんな荷物抱えて』
商人『こないだ注文された調味料、遅れて入ってきた分を持ってきたんですよ』
遊び人『そんなに沢山?』
商人『いえ、調味料はこれだけです。はい』
遊び人『はいありがと。......その残りの荷物は?』
商人『賢者ちゃんです』
遊び人『え?』
商人『賢者ちゃんから頼まれたものを持ってきたんですよ』
遊び人『あいつが?めずらしいね』
商人『多分、来月必要なものなんでしょうね』
遊び人『来月?何かあるの?』
商人『え?賢者ちゃんか勇くんから何か聞いていないんですか?』
遊び人『何かって......何を?』
商人『いえ、来月――――......』
464: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:42:38.72:JnAx6myY0 (10/28)
............
――アリアハン城・廊下――
スタスタ
遊び人『......』
『どういうことなのですか!』
遊び人『!』
兵『納得がいきません!大臣様からも何か講義を!』
大臣『そう言われても困る。君から直に言えばいいだろう』
兵『もう申し上げました!しかし』
大臣『とにかく、私からはもうどうしようもない。もう一度賢者様と勇者殿と話すがよかろう』
兵『大臣様!大臣さm』
バタン
兵『......ちっ!』
クルッ
兵『!』
遊び人『......』
兵『......遊び人さん』
............
――アリアハン城・廊下――
スタスタ
遊び人『......』
『どういうことなのですか!』
遊び人『!』
兵『納得がいきません!大臣様からも何か講義を!』
大臣『そう言われても困る。君から直に言えばいいだろう』
兵『もう申し上げました!しかし』
大臣『とにかく、私からはもうどうしようもない。もう一度賢者様と勇者殿と話すがよかろう』
兵『大臣様!大臣さm』
バタン
兵『......ちっ!』
クルッ
兵『!』
遊び人『......』
兵『......遊び人さん』
465: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:43:22.86:JnAx6myY0 (11/28)
遊び人『......ん』
スタスタ
兵『無視をせずともよいではないですか?』
遊び人『返事したでしょ......んじゃね』
兵『来月の事はもうご存知なんでしょう?』
ピタッ
遊び人『......』
兵『......あなたは確か勇者君をだいぶ御気に召されていたと思うのですが』
遊び人『あんたには関係ないでしょっ......!』
兵『あなた、これでいいのですか?』
遊び人『......』
兵『明らかに彼の身の程を過ぎた計画です......遊び人さん』
遊び人『......なによ』
兵『あなたからも、賢者様になにか言われた方がよろしいのでは?』
遊び人『......っ』
ギリッ
遊び人『あんたには関係ないでしょ!!』
ダッ
タッタッタ
兵『......ふふ』
兵『(扱い易い事この上無い......)』
スタスタ
兵『(......あの男、どれほど調子に乗れば気が済むのか)』
兵『(......いつか)』
ギリィ...
兵『(いつか、思い知らせてやる)』
――遊び人の客室――
コンコン
賢者『遊び人?居るかしら?』
<......
賢者『......入るわよ』
ガチャッ バタン
遊び人『......』
賢者『やっぱり居た。居るのなら返事なさい』
遊び人『......何の用よ』
賢者『すぐに終わるわ。聞きなさい』
賢者『来月のはじめから二ヶ月ほどかしら......少し出かけなくてはならないの』
賢者『その間あなた、大人しくしているのよ。迷惑はかけないように。分かったかしら?』
遊び人『......』
賢者『......返事が聞こえないのだけれど』
遊び人『......ん』
スタスタ
兵『無視をせずともよいではないですか?』
遊び人『返事したでしょ......んじゃね』
兵『来月の事はもうご存知なんでしょう?』
ピタッ
遊び人『......』
兵『......あなたは確か勇者君をだいぶ御気に召されていたと思うのですが』
遊び人『あんたには関係ないでしょっ......!』
兵『あなた、これでいいのですか?』
遊び人『......』
兵『明らかに彼の身の程を過ぎた計画です......遊び人さん』
遊び人『......なによ』
兵『あなたからも、賢者様になにか言われた方がよろしいのでは?』
遊び人『......っ』
ギリッ
遊び人『あんたには関係ないでしょ!!』
ダッ
タッタッタ
兵『......ふふ』
兵『(扱い易い事この上無い......)』
スタスタ
兵『(......あの男、どれほど調子に乗れば気が済むのか)』
兵『(......いつか)』
ギリィ...
兵『(いつか、思い知らせてやる)』
――遊び人の客室――
コンコン
賢者『遊び人?居るかしら?』
<......
賢者『......入るわよ』
ガチャッ バタン
遊び人『......』
賢者『やっぱり居た。居るのなら返事なさい』
遊び人『......何の用よ』
賢者『すぐに終わるわ。聞きなさい』
賢者『来月のはじめから二ヶ月ほどかしら......少し出かけなくてはならないの』
賢者『その間あなた、大人しくしているのよ。迷惑はかけないように。分かったかしら?』
遊び人『......』
賢者『......返事が聞こえないのだけれど』
466: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:44:04.19:JnAx6myY0 (12/28)
賢者『まあいいわ。それで、帰ってきたら――』
遊び人『......ねえ』
賢者『何かしら』
遊び人『それ、勇者ちゃんも一緒なんでしょ?』
賢者『......ええ。勇者も連れて行くつもり』
遊び人『......聞いたよ』
遊び人『二人きりなんだってね』
賢者『!』
遊び人『......二人なんだってね』
賢者『......ええ。一応二人で行くわ』
遊び人『......ふふっ』
賢者『何を笑っているの』
遊び人『ううん?あはは、二人で行くんだ』
賢者『別に勝手でしょう。あなたがそれに何かをとやかく言っても』
遊び人『愛しの勇者ちゃんと二人で行きたかったんだ?』
賢者『......――なっ......!!!!』
遊び人『......』
賢者『な、何を言ってるの遊び人っ』
賢者『冗談が過ぎるわ。そんな、そんな不純な動機では無くて必要な事なの』
遊び人『............ふっ』
賢者『ちょっと、何を笑っているの!』
賢者『本当に、彼自身にも関係があって――』
遊び人『ふふっ、あははっ、顔真っ赤っ、あはははっ』
賢者『っ......!違う、これは』
遊び人『あはははっ、あははは』
賢者『いつまで笑ってるのっ、いい加減に』
遊び人『あはは、図星なんだっ、ははは』
賢者『遊び人、だから』
遊び人『また、またなんだ、あははっ』
賢者『......遊び人?』
遊び人『また、また』
ポロ...
賢者『......――!!!!』
遊び人『......また、そうやって、私のほしいもの、したいこと、持ってっちゃうんだ?』ポロポロ
遊び人『おじいちゃんも、賢者の仕事も......――次は、立場を利用して、勇者ちゃんを』ポロポロ
遊び人『私の、好きな人も、奪ってくんだ?』ポロポロ
賢者『まあいいわ。それで、帰ってきたら――』
遊び人『......ねえ』
賢者『何かしら』
遊び人『それ、勇者ちゃんも一緒なんでしょ?』
賢者『......ええ。勇者も連れて行くつもり』
遊び人『......聞いたよ』
遊び人『二人きりなんだってね』
賢者『!』
遊び人『......二人なんだってね』
賢者『......ええ。一応二人で行くわ』
遊び人『......ふふっ』
賢者『何を笑っているの』
遊び人『ううん?あはは、二人で行くんだ』
賢者『別に勝手でしょう。あなたがそれに何かをとやかく言っても』
遊び人『愛しの勇者ちゃんと二人で行きたかったんだ?』
賢者『......――なっ......!!!!』
遊び人『......』
賢者『な、何を言ってるの遊び人っ』
賢者『冗談が過ぎるわ。そんな、そんな不純な動機では無くて必要な事なの』
遊び人『............ふっ』
賢者『ちょっと、何を笑っているの!』
賢者『本当に、彼自身にも関係があって――』
遊び人『ふふっ、あははっ、顔真っ赤っ、あはははっ』
賢者『っ......!違う、これは』
遊び人『あはははっ、あははは』
賢者『いつまで笑ってるのっ、いい加減に』
遊び人『あはは、図星なんだっ、ははは』
賢者『遊び人、だから』
遊び人『また、またなんだ、あははっ』
賢者『......遊び人?』
遊び人『また、また』
ポロ...
賢者『......――!!!!』
遊び人『......また、そうやって、私のほしいもの、したいこと、持ってっちゃうんだ?』ポロポロ
遊び人『おじいちゃんも、賢者の仕事も......――次は、立場を利用して、勇者ちゃんを』ポロポロ
遊び人『私の、好きな人も、奪ってくんだ?』ポロポロ
467: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:45:04.57:JnAx6myY0 (13/28)
賢者『......!!!あ、遊び人っ』ザッ
遊び人『入ってくるなぁ!!!!!』
賢者『!!』ビクッ
遊び人『なによっ、なんなのよあんたっ!!本当に!!!!なんなのよあんた!!!!』
遊び人『勇者ちゃんは、勇者ちゃんは私が好きになったのにっ!!!!ずっと好きだったのに!!!!』
賢者『遊び人っ、私は』
遊び人『うるさいうるさいうるさい!!!!私はあんたの一体なんなのよ!!!!あんたに縛られて!!!!あんたに好きな人達持ってかれて!!!!』
賢者『......』
遊び人『今、お城でどんな噂が流れてるか知ってる!!!?勇者ちゃんがあんたを好きって......あんたの事好きだって噂が流れてるの!!!!』
賢者『......!!』
遊び人『なに......!?本当に私どうすればいいの!!?勇者ちゃんは、勇者ちゃんは私が先に好きだったの!!!!なんであんたはっ......!!』
ペタン
遊び人『っ......!!!だい、きらい......っ!!』
賢者『......』
遊び人『きえて......!!わたしの前からきえてよっ!!!!』
賢者『......』
遊び人『あんたなんか――......あんたなんか!!』
ギリィッ!!
遊び人『あんたなんか!!!!!死んじゃえばいいんだ!!!!』
賢者『......――!!!』
遊び人『っ......!!』ポロポロ
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......ごめんなさい』
クルッ
スタスタ
バタン
遊び人『っ......!!うあっ』
遊び人『うあああっ......!!うあああああん......!!!』
............
......
...
・
賢者『......!!!あ、遊び人っ』ザッ
遊び人『入ってくるなぁ!!!!!』
賢者『!!』ビクッ
遊び人『なによっ、なんなのよあんたっ!!本当に!!!!なんなのよあんた!!!!』
遊び人『勇者ちゃんは、勇者ちゃんは私が好きになったのにっ!!!!ずっと好きだったのに!!!!』
賢者『遊び人っ、私は』
遊び人『うるさいうるさいうるさい!!!!私はあんたの一体なんなのよ!!!!あんたに縛られて!!!!あんたに好きな人達持ってかれて!!!!』
賢者『......』
遊び人『今、お城でどんな噂が流れてるか知ってる!!!?勇者ちゃんがあんたを好きって......あんたの事好きだって噂が流れてるの!!!!』
賢者『......!!』
遊び人『なに......!?本当に私どうすればいいの!!?勇者ちゃんは、勇者ちゃんは私が先に好きだったの!!!!なんであんたはっ......!!』
ペタン
遊び人『っ......!!!だい、きらい......っ!!』
賢者『......』
遊び人『きえて......!!わたしの前からきえてよっ!!!!』
賢者『......』
遊び人『あんたなんか――......あんたなんか!!』
ギリィッ!!
遊び人『あんたなんか!!!!!死んじゃえばいいんだ!!!!』
賢者『......――!!!』
遊び人『っ......!!』ポロポロ
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......』
賢者『......ごめんなさい』
クルッ
スタスタ
バタン
遊び人『っ......!!うあっ』
遊び人『うあああっ......!!うあああああん......!!!』
............
......
...
・
468: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:45:56.52:JnAx6myY0 (14/28)
・
...
......
............
――アリアハン城・厨房――
メイド『そういえば、遊び人ちゃん』
遊び人『んー?なあに?グヤーシュの釜はさっき見てきたけどまだ沸々してなかったよ』
メイド『ううん、そうじゃなくて。賢者様と勇者くんが帰ってくる予定の日ってもう過ぎてるよね?まだ帰って来ないの?』
遊び人『......しらない』
メイド2『あら?なになに?なんだか不機嫌?』
遊び人『もういいでしょ。ほんとうざったいよ二人共』
メイド『わあ怖い』
メイド2『でも二人が行ってからなんだか心ここにあらずって感じよ?』
遊び人『もう!いいでしょ!!ちょっと外のグヤーシュの釜見てくる!』
スタスタ
メイド『あら、怒らせちゃった』
メイド2『あはは、釜はさっき見たばかりって言ってたのにね』
――厨房裏――
カパッ
遊び人『......』
遊び人『(......まだ全然、火が通ってない)』
<......!......!
遊び人『?』
遊び人『(なんだろ......?なんかお城の入り口の方が騒がしい?)』
――厨房――
ガチャッ
遊び人『ねえ、なんだか入り口の方が――......』
メイド『あ......遊び人ちゃん』
メイド2『......』
料理長『......釜を見てたのかい』
遊び人『料理長?おはようございます。どしたの?』
料理長『......や、ちょっとね』
遊び人『?......あ、それよりなんだか入り口が騒がしいみたいなんだけど――......』
<......!
遊び人『......?』
遊び人『なんか、お城の中が騒がしい?』
・
...
......
............
――アリアハン城・厨房――
メイド『そういえば、遊び人ちゃん』
遊び人『んー?なあに?グヤーシュの釜はさっき見てきたけどまだ沸々してなかったよ』
メイド『ううん、そうじゃなくて。賢者様と勇者くんが帰ってくる予定の日ってもう過ぎてるよね?まだ帰って来ないの?』
遊び人『......しらない』
メイド2『あら?なになに?なんだか不機嫌?』
遊び人『もういいでしょ。ほんとうざったいよ二人共』
メイド『わあ怖い』
メイド2『でも二人が行ってからなんだか心ここにあらずって感じよ?』
遊び人『もう!いいでしょ!!ちょっと外のグヤーシュの釜見てくる!』
スタスタ
メイド『あら、怒らせちゃった』
メイド2『あはは、釜はさっき見たばかりって言ってたのにね』
――厨房裏――
カパッ
遊び人『......』
遊び人『(......まだ全然、火が通ってない)』
<......!......!
遊び人『?』
遊び人『(なんだろ......?なんかお城の入り口の方が騒がしい?)』
――厨房――
ガチャッ
遊び人『ねえ、なんだか入り口の方が――......』
メイド『あ......遊び人ちゃん』
メイド2『......』
料理長『......釜を見てたのかい』
遊び人『料理長?おはようございます。どしたの?』
料理長『......や、ちょっとね』
遊び人『?......あ、それよりなんだか入り口が騒がしいみたいなんだけど――......』
<......!
遊び人『......?』
遊び人『なんか、お城の中が騒がしい?』
469: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:46:58.19:JnAx6myY0 (15/28)
料理長『......!』
メイド『......』
メイド2『......』
遊び人『......?ちょっと様子見てくる』
ザッ
料理長『遊び人、駄目よ』
遊び人『え?な、なんで?』
料理長『二人共、頼むわね』
メイド『はいっ』
料理長『すぐ戻るわ』
スタスタ......
遊び人『え?何?何があったの?』
メイド2『......』
遊び人『......――ねえ』
遊び人『何なの?』
遊び人『教えてよ、二人共』
メイド『あとで、後でわかるから』
メイド2『っ......』
遊び人『......』
<おい!!勇者が帰って来たぞ!!!
遊び人『!』
メイド『!!』
メイド2『......声張り上げるなよバカっ......!』
遊び人『ねえ、今勇者ちゃんが帰って来たって』
メイド『それは、その』
メイド2『......っ』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『............ねえ』
料理長『......!』
メイド『......』
メイド2『......』
遊び人『......?ちょっと様子見てくる』
ザッ
料理長『遊び人、駄目よ』
遊び人『え?な、なんで?』
料理長『二人共、頼むわね』
メイド『はいっ』
料理長『すぐ戻るわ』
スタスタ......
遊び人『え?何?何があったの?』
メイド2『......』
遊び人『......――ねえ』
遊び人『何なの?』
遊び人『教えてよ、二人共』
メイド『あとで、後でわかるから』
メイド2『っ......』
遊び人『......』
<おい!!勇者が帰って来たぞ!!!
遊び人『!』
メイド『!!』
メイド2『......声張り上げるなよバカっ......!』
遊び人『ねえ、今勇者ちゃんが帰って来たって』
メイド『それは、その』
メイド2『......っ』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『......』
遊び人『............ねえ』
470: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:47:56.74:JnAx6myY0 (16/28)
遊び人『お姉ちゃんは?』
遊び人『お姉ちゃんは?』
471: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:48:28.63:JnAx6myY0 (17/28)
・
...
......
............
――勇者の家――
コンコン
勇者母『はい......』
勇者母『......!』
遊び人『......』
勇者母『遊び人ちゃん』
兵士団長『少しよろしいか』
勇者母『......なんでしょうか』
兵士『遊び人様が勇者に会いたいとの事です』
兵士2『少し失礼します』
兵『......失礼します』
勇者母『遊び人ちゃんだけなら、歓迎しますが......さすがにこう大人数は』
スタスタ
兵士団長『失礼する。さあ、遊び人様』
勇者母『っ!ちょっと!』
グイッ
勇者母『勇者は怪我人なんです!!そんな――......』
兵士団長『同時に、容疑者でもあります』
勇者母『......!!!!』
兵『......』
兵士団長『......失礼』
スタスタ...
勇者母『......』
――勇者の部屋――
勇者『......』
ガチャッ
勇者『......』
勇者『......』
勇者『......』
遊び人『......』
勇者『......あ、遊び、人』
・
...
......
............
――勇者の家――
コンコン
勇者母『はい......』
勇者母『......!』
遊び人『......』
勇者母『遊び人ちゃん』
兵士団長『少しよろしいか』
勇者母『......なんでしょうか』
兵士『遊び人様が勇者に会いたいとの事です』
兵士2『少し失礼します』
兵『......失礼します』
勇者母『遊び人ちゃんだけなら、歓迎しますが......さすがにこう大人数は』
スタスタ
兵士団長『失礼する。さあ、遊び人様』
勇者母『っ!ちょっと!』
グイッ
勇者母『勇者は怪我人なんです!!そんな――......』
兵士団長『同時に、容疑者でもあります』
勇者母『......!!!!』
兵『......』
兵士団長『......失礼』
スタスタ...
勇者母『......』
――勇者の部屋――
勇者『......』
ガチャッ
勇者『......』
勇者『......』
勇者『......』
遊び人『......』
勇者『......あ、遊び、人』
472: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:49:05.62:JnAx6myY0 (18/28)
遊び人『......勇者......ちゃん』
言いたい事は、沢山あった
勇者『......遊び人』
『大丈夫だった?』とか
『命が無事でよかった』とか
『帰って来てくれて、うれしい』とか
勇者『僕は、......僕』
『お帰りなさい』、とか
会う前は、沢山考えてた、勇者ちゃんの帰りを迎える言葉
無事を、嬉しく思う言葉
優しい、言葉
考えてた、筈だった
勇者『............』
でも
真っ先に、私の、暗渠みたいな、淀んだ迷路みたいな体内から出てきた言葉は
遊び人『なんで......お姉ちゃん、死んだの?』
勇者『..........................................あ.........』
遊び人『......勇者......ちゃん』
言いたい事は、沢山あった
勇者『......遊び人』
『大丈夫だった?』とか
『命が無事でよかった』とか
『帰って来てくれて、うれしい』とか
勇者『僕は、......僕』
『お帰りなさい』、とか
会う前は、沢山考えてた、勇者ちゃんの帰りを迎える言葉
無事を、嬉しく思う言葉
優しい、言葉
考えてた、筈だった
勇者『............』
でも
真っ先に、私の、暗渠みたいな、淀んだ迷路みたいな体内から出てきた言葉は
遊び人『なんで......お姉ちゃん、死んだの?』
勇者『..........................................あ.........』
473: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:49:50.35:JnAx6myY0 (19/28)
遊び人『お姉ちゃん、なんで、帰って来ないの』
やめろ
遊び人『ねえ、お姉ちゃんを、どうして』
やめろ
やめろ
遊び人『なんで、勇者ちゃん、なんで』
やめろ
やめろ
やめろ
それだけは言うな
それだけは絶対、言うな
遊び人『なんで、勇者ちゃん』
言うな!!!!!!
遊び人『なんで......――お姉ちゃんを殺したのぉ......?』ポロポロ
ああ
ああ
ああ、私は
私は、賢者なんかには、なれない
私は、本当に
愚かだ
遊び人『お姉ちゃん、なんで、帰って来ないの』
やめろ
遊び人『ねえ、お姉ちゃんを、どうして』
やめろ
やめろ
遊び人『なんで、勇者ちゃん、なんで』
やめろ
やめろ
やめろ
それだけは言うな
それだけは絶対、言うな
遊び人『なんで、勇者ちゃん』
言うな!!!!!!
遊び人『なんで......――お姉ちゃんを殺したのぉ......?』ポロポロ
ああ
ああ
ああ、私は
私は、賢者なんかには、なれない
私は、本当に
愚かだ
474: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:50:40.34:JnAx6myY0 (20/28)
・
...
......
............
――ダーマ・別塔・貴賓室――
命名官「......」
遊び人「......」
遊び人「結局ね」
ギュッ
遊び人「私は、甘えてたんだ」
遊び人「勇者ちゃんや、お姉ちゃんに」
遊び人「......自分の事しか考えられてなかったんだよ」
遊び人「そんな私が、今さらお姉ちゃんの残り香に縋りつけられない」
命名官「......そうかい」
ギシッ
命名官「それで、あんたはどうするんだい。これから」
遊び人「......」
命名官「あんた気付いてるんだろう?今回のこの件の計画者はあんたを――......」
遊び人「......私さ」
命名官「ん?」
遊び人「勇者ちゃんに、許してもらえるなんて思ってないんだ」
命名官「......」
遊び人「あんな事言った後も、勇者ちゃんはまた普通に接しようとする私を受け入れてくれた」
遊び人「受け入れてくれたんだよ」
命名官「......うん」
遊び人「......それに、それにさ」
遊び人「私......やっぱり、勇者ちゃんが、好きなの」
命名官「......」
遊び人「......この気持ちが、もう実らないって事も分かってる。そんな資格もない」
遊び人「でも、やっぱり......勇者ちゃんが居てくれるだけで、私は十分」
遊び人「だから、私は勇者ちゃんが助かる確率があるなら、私はそれに縋る」
遊び人「......例えそれが、騎士団長の嘘だったとしてもね」
命名官「......あの騎士団長の嘘を信じる事にして、騎士団長の嘘に乗っかるってわけかい?」
命名官「勇者って子の命を助けるって方便を信じたふりして、賢者として魔物達の囮になるってわけかい」
遊び人「馬鹿でしょ?」
命名官「ああ、馬鹿で、愚かだ」
遊び人「でも、それしかないの」
命名官「......」
遊び人「............もう、それしかないの」
命名官「......どうしようもない、馬鹿だよ」
・
...
......
............
――ダーマ・別塔・貴賓室――
命名官「......」
遊び人「......」
遊び人「結局ね」
ギュッ
遊び人「私は、甘えてたんだ」
遊び人「勇者ちゃんや、お姉ちゃんに」
遊び人「......自分の事しか考えられてなかったんだよ」
遊び人「そんな私が、今さらお姉ちゃんの残り香に縋りつけられない」
命名官「......そうかい」
ギシッ
命名官「それで、あんたはどうするんだい。これから」
遊び人「......」
命名官「あんた気付いてるんだろう?今回のこの件の計画者はあんたを――......」
遊び人「......私さ」
命名官「ん?」
遊び人「勇者ちゃんに、許してもらえるなんて思ってないんだ」
命名官「......」
遊び人「あんな事言った後も、勇者ちゃんはまた普通に接しようとする私を受け入れてくれた」
遊び人「受け入れてくれたんだよ」
命名官「......うん」
遊び人「......それに、それにさ」
遊び人「私......やっぱり、勇者ちゃんが、好きなの」
命名官「......」
遊び人「......この気持ちが、もう実らないって事も分かってる。そんな資格もない」
遊び人「でも、やっぱり......勇者ちゃんが居てくれるだけで、私は十分」
遊び人「だから、私は勇者ちゃんが助かる確率があるなら、私はそれに縋る」
遊び人「......例えそれが、騎士団長の嘘だったとしてもね」
命名官「......あの騎士団長の嘘を信じる事にして、騎士団長の嘘に乗っかるってわけかい?」
命名官「勇者って子の命を助けるって方便を信じたふりして、賢者として魔物達の囮になるってわけかい」
遊び人「馬鹿でしょ?」
命名官「ああ、馬鹿で、愚かだ」
遊び人「でも、それしかないの」
命名官「......」
遊び人「............もう、それしかないの」
命名官「......どうしようもない、馬鹿だよ」
475: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:51:17.56:JnAx6myY0 (21/28)
ガタッ
命名官「私は帰るよ。あんたの陰気に中てられて眠くなってきた」
命名官「おまけに苛々するよ。馬鹿すぎて」
遊び人「はは、ごめんね。話してくれてありがとう」
命名官「別にいいさ。もう勘弁願いたいけれどね」
遊び人「でも、もう随分遅くになっちゃって......」
命名官「儀式は明日の昼らしいから、まだ時間がある」
命名官「寝る時間はたっぷりあるじゃろ......それじゃ」
バタン
遊び人「......ありがとう」
――廊下――
神官「あっ!」
命名官「ふぁぁ、話の長い事長い事......」コキコキ
神官「命名官様!」
命名官「え?アンタずっと待ってたの?」
神官「酷いこのクソババア!!!」
命名官「アンタも大概酷いわ」
スタスタ
命名官「もう謁見はないんじゃろ?あの子、だいぶ参ってたから世話して早く寝せてやりな」
神官「はい!命名官様はもうお休みで?」
命名官「適当にするさ。ほら、もう遅いんだ。あの子の世話を急ぎな」
命名官「あの子だって賢者の一族と言えど、まだガキ......女の子なんだ。あの服は窮屈そうだったよ」
神官「は、はい!すみません!それではお休みなさい!」
スタスタ バタン
命名官「......ふう、さて、と」
スタスタ
命名官「(明日の昼までには時間がある)」
命名官「(......寝る時間はたっぷりある)」
命名官「(悪い奴ほどよく眠る)」
命名官「......年寄る体にに夜更かしはキツイね」
............
......
...
・
ガタッ
命名官「私は帰るよ。あんたの陰気に中てられて眠くなってきた」
命名官「おまけに苛々するよ。馬鹿すぎて」
遊び人「はは、ごめんね。話してくれてありがとう」
命名官「別にいいさ。もう勘弁願いたいけれどね」
遊び人「でも、もう随分遅くになっちゃって......」
命名官「儀式は明日の昼らしいから、まだ時間がある」
命名官「寝る時間はたっぷりあるじゃろ......それじゃ」
バタン
遊び人「......ありがとう」
――廊下――
神官「あっ!」
命名官「ふぁぁ、話の長い事長い事......」コキコキ
神官「命名官様!」
命名官「え?アンタずっと待ってたの?」
神官「酷いこのクソババア!!!」
命名官「アンタも大概酷いわ」
スタスタ
命名官「もう謁見はないんじゃろ?あの子、だいぶ参ってたから世話して早く寝せてやりな」
神官「はい!命名官様はもうお休みで?」
命名官「適当にするさ。ほら、もう遅いんだ。あの子の世話を急ぎな」
命名官「あの子だって賢者の一族と言えど、まだガキ......女の子なんだ。あの服は窮屈そうだったよ」
神官「は、はい!すみません!それではお休みなさい!」
スタスタ バタン
命名官「......ふう、さて、と」
スタスタ
命名官「(明日の昼までには時間がある)」
命名官「(......寝る時間はたっぷりある)」
命名官「(悪い奴ほどよく眠る)」
命名官「......年寄る体にに夜更かしはキツイね」
............
......
...
・
476: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:53:25.30:JnAx6myY0 (22/28)
・
...
......
............
――ダーマ神殿前――
ザワザワ
旅人「今日は再火贈りの儀式は駄目なのか?」
ダーマ兵「ええ。また後日お願いします」
旅人「そうか......しかし、凄い人間だな。何かあるのか」
ダーマ兵「はい......ここだけの話なんですが、賢者様が復活されるとか」
旅人「へえ、そりゃすごい。しかしこんな厳重に兵が入り口に集まるもんかい?」
ダーマ兵「まあ賢者様の復活とあればこれくらいは......中にも相当な兵が警備にあたっていますよ」
旅人「ふうん。そんなに魔物が怖いのかね」
ダーマ兵「まあそれもありますが......最近ではこのバハラタ付近で盗賊団が出没しているらしく、それもあってね」
ダーマ兵「でも何より......あの落日の七日間を手引きした男が襲いに来る可能性が高いらしく」ヒソヒソ
旅人「ええ、なんだいそりゃあ!?」
ダーマ兵「......そのせいか」チラッ
ガヤガヤ
ダーマ兵「ポルトガ兵もサマンオサ兵も入り乱れて、相当な警備になっていますよ」
・
...
......
............
――ダーマ神殿前――
ザワザワ
旅人「今日は再火贈りの儀式は駄目なのか?」
ダーマ兵「ええ。また後日お願いします」
旅人「そうか......しかし、凄い人間だな。何かあるのか」
ダーマ兵「はい......ここだけの話なんですが、賢者様が復活されるとか」
旅人「へえ、そりゃすごい。しかしこんな厳重に兵が入り口に集まるもんかい?」
ダーマ兵「まあ賢者様の復活とあればこれくらいは......中にも相当な兵が警備にあたっていますよ」
旅人「ふうん。そんなに魔物が怖いのかね」
ダーマ兵「まあそれもありますが......最近ではこのバハラタ付近で盗賊団が出没しているらしく、それもあってね」
ダーマ兵「でも何より......あの落日の七日間を手引きした男が襲いに来る可能性が高いらしく」ヒソヒソ
旅人「ええ、なんだいそりゃあ!?」
ダーマ兵「......そのせいか」チラッ
ガヤガヤ
ダーマ兵「ポルトガ兵もサマンオサ兵も入り乱れて、相当な警備になっていますよ」
477: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:53:59.46:JnAx6myY0 (23/28)
............
――ダーマ・別塔・貴賓室――
ガチャッ
騎士団長「失礼します」
神官「あ、騎士団長様」
遊び人「......」
騎士団長「......おはようございます。遊び人さん」
騎士団長「大変お似合いですよ」
神官「それでは、私は失礼します」
遊び人「......はい」
神官「では」ペコリ
バタン
騎士団長「......」
遊び人「......何よ」
騎士団長「いえ、本当によくお似合いだなと思いまして」
遊び人「ああそう......で、何の用?」
騎士団長「......今日は、儀式を拒否する事のないようにお願いしますね」
騎士団長「もし土壇場でダーマ神官様の祝福を拒絶するような事があれば――......」
遊び人「勇者ちゃんの命は無いんでしょ?」
騎士団長「......お分かり頂けているのなら良かったです」ニコ
ザッ
騎士団長「それでは、参りましょうか」
騎士団長「儀式が......始まります」
............
――ダーマ・別塔・貴賓室――
ガチャッ
騎士団長「失礼します」
神官「あ、騎士団長様」
遊び人「......」
騎士団長「......おはようございます。遊び人さん」
騎士団長「大変お似合いですよ」
神官「それでは、私は失礼します」
遊び人「......はい」
神官「では」ペコリ
バタン
騎士団長「......」
遊び人「......何よ」
騎士団長「いえ、本当によくお似合いだなと思いまして」
遊び人「ああそう......で、何の用?」
騎士団長「......今日は、儀式を拒否する事のないようにお願いしますね」
騎士団長「もし土壇場でダーマ神官様の祝福を拒絶するような事があれば――......」
遊び人「勇者ちゃんの命は無いんでしょ?」
騎士団長「......お分かり頂けているのなら良かったです」ニコ
ザッ
騎士団長「それでは、参りましょうか」
騎士団長「儀式が......始まります」
478: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:54:35.83:JnAx6myY0 (24/28)
―――ダーマ神殿・大聖堂―――
ダーマ神官「......皆の者」
ダーマ神官「我々はこれまで、魔の存在に脅かされていた」
ダーマ神官「あの七日間から、これまで」
ダーマ神官「しかし、これからは違う」
ダーマ神官「我々の眼前には、希望の灯火が点ろうとしている」
ダーマ神官「その瞬間を、見守り、祝福して頂きたい」
騎士団長「......それでは、ガルナ様の妹君......賢者の末裔を迎えましょう」
騎士団長「賢者様、どうぞ神壇へ」
ガチャ
ギィィ...
遊び人「......」
ザワザワ
「あの方が賢者の末裔......」
「美しい......」
「まるで女神を見ているようだ......!」
――二階・貴賓席――
命名官「ぐう......ぐぅ......」zzz
神官「ちょっと命名官様!起きて下さいよ!!」ヒソヒソ!!
命名官「ん......あと半刻......」zzz
神官「半刻眠ってたら儀式終わっちゃいますよ!!」ヒソヒソ!!
―――
エジンベア勇者「おお、美しい......」ウットリ
スー勇者「......」
ランシール勇者「......スー勇者?大丈夫ですの?顔色が......」ヒソヒソ
スー勇者「......はい、わたしは、大丈夫......思います」
ランシール勇者「......無理はなさらずに、ね」
スー勇者「......はい」
―――ダーマ神殿・大聖堂―――
ダーマ神官「......皆の者」
ダーマ神官「我々はこれまで、魔の存在に脅かされていた」
ダーマ神官「あの七日間から、これまで」
ダーマ神官「しかし、これからは違う」
ダーマ神官「我々の眼前には、希望の灯火が点ろうとしている」
ダーマ神官「その瞬間を、見守り、祝福して頂きたい」
騎士団長「......それでは、ガルナ様の妹君......賢者の末裔を迎えましょう」
騎士団長「賢者様、どうぞ神壇へ」
ガチャ
ギィィ...
遊び人「......」
ザワザワ
「あの方が賢者の末裔......」
「美しい......」
「まるで女神を見ているようだ......!」
――二階・貴賓席――
命名官「ぐう......ぐぅ......」zzz
神官「ちょっと命名官様!起きて下さいよ!!」ヒソヒソ!!
命名官「ん......あと半刻......」zzz
神官「半刻眠ってたら儀式終わっちゃいますよ!!」ヒソヒソ!!
―――
エジンベア勇者「おお、美しい......」ウットリ
スー勇者「......」
ランシール勇者「......スー勇者?大丈夫ですの?顔色が......」ヒソヒソ
スー勇者「......はい、わたしは、大丈夫......思います」
ランシール勇者「......無理はなさらずに、ね」
スー勇者「......はい」
479: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:55:15.56:JnAx6myY0 (25/28)
カツ... カツ...
ザッ
ダーマ神官「......その場にお願いします」
遊び人「......」
ダーマ神官「貴女は、現在快楽者の火を宿しておりますね」
遊び人「......はい」
ダーマ神官「その火を消し、貴女は賢者の火を宿すことになります」
遊び人「......はい」
ダーマ神官「その事について、何か異論はございますか?」
騎士団長「......」
遊び人「......」
ダーマ神官「......」
遊び人「............ありません」
騎士団長「......」
騎士団長「......」ニヤ
ダーマ神官「......それでは、始めましょう」
ダーマ神官「再火贈りの儀式を」
遊び人「......」
遊び人「(......これで、いいんだ)」
カツ... カツ...
ザッ
ダーマ神官「......その場にお願いします」
遊び人「......」
ダーマ神官「貴女は、現在快楽者の火を宿しておりますね」
遊び人「......はい」
ダーマ神官「その火を消し、貴女は賢者の火を宿すことになります」
遊び人「......はい」
ダーマ神官「その事について、何か異論はございますか?」
騎士団長「......」
遊び人「......」
ダーマ神官「......」
遊び人「............ありません」
騎士団長「......」
騎士団長「......」ニヤ
ダーマ神官「......それでは、始めましょう」
ダーマ神官「再火贈りの儀式を」
遊び人「......」
遊び人「(......これで、いいんだ)」
480: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:55:50.50:JnAx6myY0 (26/28)
――ダーマ神殿・入り口――
ダーマ兵「......もう儀式が始まった頃ですかね」
ポルトガ兵「ですね。できれば中の警護がよかったなあ」
サマンオサ兵「そんな事を言われてはこちらも士気が下がる。少し黙っていろ」
ダーマ兵「す、すみません!」
ポルトガ兵「......はいはい。でも神殿前の警備にいきなり借り出されるとはなあ。さすがに」チラッ
ズラッ...
ポルトガ兵「......こんな大勢が警備に当たらなくてもよかないか」
サマンオサ兵「だから黙っていろと言っている。世界の変革の守り人だという自覚が足らん」
ダーマ兵「すみません......」
ポルトガ兵「大仰に言うねえ......」
...
ポルトガ兵「......ん?」
パカラッ... パカラッ...
ダーマ兵「?」
ダーマ兵「(蹄の音......?)」
パカラッ パカラッ
ポルトガ兵「......こちらに向かっている」
パカラッ パカラッ!!
「伝令!!!伝令――!!!!」
サマンオサ兵「止まれ!!!止まれと言っている!!!」
ザァッ!!
ガシャン!!
伝達兵「はぁっ!!はぁっ!!で、伝令っ!!」
――ダーマ神殿・入り口――
ダーマ兵「......もう儀式が始まった頃ですかね」
ポルトガ兵「ですね。できれば中の警護がよかったなあ」
サマンオサ兵「そんな事を言われてはこちらも士気が下がる。少し黙っていろ」
ダーマ兵「す、すみません!」
ポルトガ兵「......はいはい。でも神殿前の警備にいきなり借り出されるとはなあ。さすがに」チラッ
ズラッ...
ポルトガ兵「......こんな大勢が警備に当たらなくてもよかないか」
サマンオサ兵「だから黙っていろと言っている。世界の変革の守り人だという自覚が足らん」
ダーマ兵「すみません......」
ポルトガ兵「大仰に言うねえ......」
...
ポルトガ兵「......ん?」
パカラッ... パカラッ...
ダーマ兵「?」
ダーマ兵「(蹄の音......?)」
パカラッ パカラッ
ポルトガ兵「......こちらに向かっている」
パカラッ パカラッ!!
「伝令!!!伝令――!!!!」
サマンオサ兵「止まれ!!!止まれと言っている!!!」
ザァッ!!
ガシャン!!
伝達兵「はぁっ!!はぁっ!!で、伝令っ!!」
481: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:58:35.34:JnAx6myY0 (27/28)
ポルトガ兵「伝令!?って、アンタ大丈夫か!?」
ダーマ兵「顔、どうしたんですか!?包帯ですごい事になっていますよ!?」
ポルトガ兵「というか全身傷だらけじゃないか!!一体何が――」
サマンオサ兵「それよりも!伝令とは何だ!!答えろ!!」
伝達兵「賢者様に!!直接伝えなければならない事があります!!すぐに通してください!!」
サマンオサ兵「ならん!!今は儀式中だ!!!後にしろ!!」
ダーマ兵「い、一応私が内部の上官へ伝達しましょうか?」
伝達兵「なりません!!!火急の用件なのです!!!賢者様だけに!直接口上しろとの事です!!」
ポルトガ兵「一体誰の命だよ!?」
スッ
一同「「「!!!!」」」
ダーマ兵「そ、それは......!」
サマンオサ兵「国連の勇者の勲章......!!?」
ポルトガ勇者「それも、三つも......!!!!」
伝達兵「どうぞご覧を!!本物です!!」
ダーマ兵「......三つとも本物です!!」
伝達兵「ポルトガにおられる御三方からの命です!!!」
伝達兵「今、賢者様に危機が迫っております!!!!!」
伝達兵「迅速に......――迅速に許可を!!!!」
ポルトガ兵「伝令!?って、アンタ大丈夫か!?」
ダーマ兵「顔、どうしたんですか!?包帯ですごい事になっていますよ!?」
ポルトガ兵「というか全身傷だらけじゃないか!!一体何が――」
サマンオサ兵「それよりも!伝令とは何だ!!答えろ!!」
伝達兵「賢者様に!!直接伝えなければならない事があります!!すぐに通してください!!」
サマンオサ兵「ならん!!今は儀式中だ!!!後にしろ!!」
ダーマ兵「い、一応私が内部の上官へ伝達しましょうか?」
伝達兵「なりません!!!火急の用件なのです!!!賢者様だけに!直接口上しろとの事です!!」
ポルトガ兵「一体誰の命だよ!?」
スッ
一同「「「!!!!」」」
ダーマ兵「そ、それは......!」
サマンオサ兵「国連の勇者の勲章......!!?」
ポルトガ勇者「それも、三つも......!!!!」
伝達兵「どうぞご覧を!!本物です!!」
ダーマ兵「......三つとも本物です!!」
伝達兵「ポルトガにおられる御三方からの命です!!!」
伝達兵「今、賢者様に危機が迫っております!!!!!」
伝達兵「迅速に......――迅速に許可を!!!!」
482: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月08日(水) 23:59:40.95:JnAx6myY0 (28/28)
――大聖堂内――
ダーマ神官「そして大地を創ったルビス様は、闇に立ち向かう意志を、我らに与えた」
ダーマ神官「生まれ落ちた子らは、火を宿し、そしてその火を絶やさぬように――......」
<我々は............。そのルビス様の意思を......。
遊び人「......」
遊び人(私が、この職になってから、五年か)
遊び人(いろいろあったなあ)
遊び人(皆、こんな職になった私に普通に接してくれて)
遊び人(......皆、無事かな)
遊び人(女勇者、戦士、武道家)
遊び人(魔法使い、盗賊、僧侶、商人)
遊び人(......――勇者、ちゃん)
ダーマ神官「そしてロトの聖剣を象った十字に――......」
遊び人(皆と、まだ旅していたかったな)
遊び人(下らない事で笑って、泣いて)
遊び人(冗談言い合って、喧嘩して)
遊び人(......皆と、一緒に、居たかった)
遊び人(女勇者の軽口がもっと聞きたかった)
遊び人(戦士の食べっぷりをもっと見ていたかった)
遊び人(武道家の説教を聞いていたかった)
遊び人(魔法使いと勉強の話をしてたかった)
遊び人(盗賊にお茶の淹れ方をまだ教わってなかった)
遊び人(僧侶の優しい歌声を、もっと聞きたかった)
遊び人(商人の商売の話も、もっち聞きたかった)
遊び人(......勇者ちゃんを、好きでいたかった)
遊び人(そばに居たかった。ずっと見ていたかった)
――大聖堂内――
ダーマ神官「そして大地を創ったルビス様は、闇に立ち向かう意志を、我らに与えた」
ダーマ神官「生まれ落ちた子らは、火を宿し、そしてその火を絶やさぬように――......」
<我々は............。そのルビス様の意思を......。
遊び人「......」
遊び人(私が、この職になってから、五年か)
遊び人(いろいろあったなあ)
遊び人(皆、こんな職になった私に普通に接してくれて)
遊び人(......皆、無事かな)
遊び人(女勇者、戦士、武道家)
遊び人(魔法使い、盗賊、僧侶、商人)
遊び人(......――勇者、ちゃん)
ダーマ神官「そしてロトの聖剣を象った十字に――......」
遊び人(皆と、まだ旅していたかったな)
遊び人(下らない事で笑って、泣いて)
遊び人(冗談言い合って、喧嘩して)
遊び人(......皆と、一緒に、居たかった)
遊び人(女勇者の軽口がもっと聞きたかった)
遊び人(戦士の食べっぷりをもっと見ていたかった)
遊び人(武道家の説教を聞いていたかった)
遊び人(魔法使いと勉強の話をしてたかった)
遊び人(盗賊にお茶の淹れ方をまだ教わってなかった)
遊び人(僧侶の優しい歌声を、もっと聞きたかった)
遊び人(商人の商売の話も、もっち聞きたかった)
遊び人(......勇者ちゃんを、好きでいたかった)
遊び人(そばに居たかった。ずっと見ていたかった)
483: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:00:57.90:vM6uT7mt0 (1/14)
ダーマ神官「......――以上が、ルビス様の祝詞となります」
遊び人(でも、もういい)
ダーマ神官「それでは、今一度問います。最後の問いです」
遊び人(私は、賢者にはなれない)
ダーマ神官「賢者として生きることを......――望みますか?」
遊び人「......」
騎士団長「......」
ダーマ神官「......」
でも
賢者になれなくても
遊び人「......はい」
囮くらいには
遊び人「望みま――......」
バタァン!!!!
伝達兵「伝令!!!伝令!!!!」
遊び人「っ!!!?」
ダーマ神官「なっ!!?」
騎士団長「何事です!!!儀式の最中ですよ!!!!」
ダーマ神官「......――以上が、ルビス様の祝詞となります」
遊び人(でも、もういい)
ダーマ神官「それでは、今一度問います。最後の問いです」
遊び人(私は、賢者にはなれない)
ダーマ神官「賢者として生きることを......――望みますか?」
遊び人「......」
騎士団長「......」
ダーマ神官「......」
でも
賢者になれなくても
遊び人「......はい」
囮くらいには
遊び人「望みま――......」
バタァン!!!!
伝達兵「伝令!!!伝令!!!!」
遊び人「っ!!!?」
ダーマ神官「なっ!!?」
騎士団長「何事です!!!儀式の最中ですよ!!!!」
484: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:01:43.73:vM6uT7mt0 (2/14)
ザワザワ!!
「なんだ!?」
「伝達兵?」
「この儀式の最中にか?」
ダーマ神官「静粛に!!静粛に!!!」
騎士団長「警備の兵達は何をしているのです!!!何人たりとも通すなと言った筈です!!!!」
伝達兵「儀式の最中である事は承知しております!!!しかし」
ジャラッ
伝達兵「火急の用件にて!!!!賢者様に報告をお許し下さい!!!!」
騎士団長「!!?それは!」
エジンベア勇者「あれは......」
ランシール勇者「国連勇者の勲章!?」
スー勇者「む、ムオルさんたちに、なにかっ!!?」
神官「ええ!?何か大変な事に......ねえ命名官様!!起きて下さいよ!!!」ユサユサ
命名官「......」
騎士団長「では早く済ませなさい!!何事です!!!」
伝達兵「有難く、瞬刻を頂戴します!!!!」
タッタッタ
ズザッ
伝達兵「賢者様!!!」
遊び人「は、はい!」
伝達兵「たった今、承った伝言を述べます!!」
遊び人「伝、言?」
伝達兵「はい!!アリアハンの者からの伝言です!!!!」
遊び人「......アリアハンから?」
騎士団長「アリアハン......?」
騎士団長「......」
騎士団長(......待て)
騎士団長「......――っ!!」
伝達兵「申し上げます!!!!」
ザワザワ!!
「なんだ!?」
「伝達兵?」
「この儀式の最中にか?」
ダーマ神官「静粛に!!静粛に!!!」
騎士団長「警備の兵達は何をしているのです!!!何人たりとも通すなと言った筈です!!!!」
伝達兵「儀式の最中である事は承知しております!!!しかし」
ジャラッ
伝達兵「火急の用件にて!!!!賢者様に報告をお許し下さい!!!!」
騎士団長「!!?それは!」
エジンベア勇者「あれは......」
ランシール勇者「国連勇者の勲章!?」
スー勇者「む、ムオルさんたちに、なにかっ!!?」
神官「ええ!?何か大変な事に......ねえ命名官様!!起きて下さいよ!!!」ユサユサ
命名官「......」
騎士団長「では早く済ませなさい!!何事です!!!」
伝達兵「有難く、瞬刻を頂戴します!!!!」
タッタッタ
ズザッ
伝達兵「賢者様!!!」
遊び人「は、はい!」
伝達兵「たった今、承った伝言を述べます!!」
遊び人「伝、言?」
伝達兵「はい!!アリアハンの者からの伝言です!!!!」
遊び人「......アリアハンから?」
騎士団長「アリアハン......?」
騎士団長「......」
騎士団長(......待て)
騎士団長「......――っ!!」
伝達兵「申し上げます!!!!」
485: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:02:42.08:vM6uT7mt0 (3/14)
スッ
伝達兵「......――『言う事聞く人、この指止まれ』」
遊び人「......」
遊び人「............」
遊び人「..................」
タッ
ダーマ神官「!?賢者様!?」
騎士団長「警備兵!!!!警備兵!!!!!」
ダーマ神官「えっ!?」
騎士団長「この男を――!!!!いやっ」
ギュッ
遊び人「......」
「......ありがとう、遊び人」
シュルッ
遊び人「............ゆ」ポロ
騎士団長「この魔物を取り押さえろ―――――――ッッ!!!!!!!!」
勇者「ありがとう、覚えていてくれて」
遊び人「..................勇者......ちゃん......!!!!!」ポロポロ
スッ
伝達兵「......――『言う事聞く人、この指止まれ』」
遊び人「......」
遊び人「............」
遊び人「..................」
タッ
ダーマ神官「!?賢者様!?」
騎士団長「警備兵!!!!警備兵!!!!!」
ダーマ神官「えっ!?」
騎士団長「この男を――!!!!いやっ」
ギュッ
遊び人「......」
「......ありがとう、遊び人」
シュルッ
遊び人「............ゆ」ポロ
騎士団長「この魔物を取り押さえろ―――――――ッッ!!!!!!!!」
勇者「ありがとう、覚えていてくれて」
遊び人「..................勇者......ちゃん......!!!!!」ポロポロ
486: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:03:43.74:vM6uT7mt0 (4/14)
「取り抑えろ!!!」
「逃がすな!!!!」
「賢者様を取り戻せ!!!」
ダッ!!!
勇者「っ!!遊び人!!!」ギュッ!
遊び人「えっ!!」
勇者「つかまってて!!!」ゴソッ
フワッ
騎士団長「!!!!」
勇者はキメラの翼を使った!!
ゴォォ!!!
「ぐおぉ!?」
「馬鹿なっ!!上は」
命名官「......そう」ボソッ
命名官「大聖堂の上は」
勇者「遊び人!!!僕の陰に!!」ギュッ!!
遊び人「えっ!?」
勇者「下の人間達!!!避けてろ!!!!」
ガッシャアアアアン!!!!!
命名官「ガラス張りなんさね」
ガッシャン!! バリィン!!
ガシャァァァァン!!
「破片が落ちてくる!!避けろ!!!」
「でも賢者様を受け止めなくては!!」
「おい見ろ!!」
パラ...
「しがみ付いて屋上の方に逃げたぞ!!!」
「屋上だ!!!!急げ!!!!」
「取り抑えろ!!!」
「逃がすな!!!!」
「賢者様を取り戻せ!!!」
ダッ!!!
勇者「っ!!遊び人!!!」ギュッ!
遊び人「えっ!!」
勇者「つかまってて!!!」ゴソッ
フワッ
騎士団長「!!!!」
勇者はキメラの翼を使った!!
ゴォォ!!!
「ぐおぉ!?」
「馬鹿なっ!!上は」
命名官「......そう」ボソッ
命名官「大聖堂の上は」
勇者「遊び人!!!僕の陰に!!」ギュッ!!
遊び人「えっ!?」
勇者「下の人間達!!!避けてろ!!!!」
ガッシャアアアアン!!!!!
命名官「ガラス張りなんさね」
ガッシャン!! バリィン!!
ガシャァァァァン!!
「破片が落ちてくる!!避けろ!!!」
「でも賢者様を受け止めなくては!!」
「おい見ろ!!」
パラ...
「しがみ付いて屋上の方に逃げたぞ!!!」
「屋上だ!!!!急げ!!!!」
487: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:04:29.99:vM6uT7mt0 (5/14)
ザワザワ!!!
騎士団長「......」
ダーマ神官「騎士団長殿!!い、一体どうすれば」
騎士団長「く」
ダーマ神官「え?」
騎士団長「失礼」クルッ
ダーマ神官「騎士団長殿?」
騎士団長「っ、くふっ」
騎士団長「んふっ、ぎゅふふ、ぎゅふふふ、」
騎士団長(やってくれます、やってくれますね勇者くんやってくれます、やってくれます)
騎士団長(殺します、殺します、ああ、楽しませてくれる。憎しみが尽かない。殺しましょう)
騎士団長(そうです、ただ処刑するだけじゃつまらない、魔族裁判にかけるだけではつまらない)
騎士団長(ああ、楽しい、楽しい程殺したい)
騎士団長(楽しい、ああ、楽しい)
クルッ
騎士団長「......ランシール勇者さん!!!」
ランシール勇者「......大丈夫。今、追いかけていきましたわ」
スー勇者「わたしたちも、向かう、です!」
騎士団長「おお、さすが最速の勇者」
クルッ
騎士団長「......魔法兵を集めて下さい!!!」
騎士団長「奴はキメラの翼を使い逃亡を図りましたがキメラの翼は障害に当たると効力を失います!!」
騎士団長「しかし奴は屋上に登りました!!そこからまた翼を使い移動するでしょう!!」
騎士団長「ですので、魔力場の強い場所へ移動魔法で先回りしてください!!!戦闘兵も同行するように!!!!」
「「「「はっ!!!!」」」」
騎士団長「......さて」
騎士団長(後は任せてみますかね......)
ザワザワ!!!
騎士団長「......」
ダーマ神官「騎士団長殿!!い、一体どうすれば」
騎士団長「く」
ダーマ神官「え?」
騎士団長「失礼」クルッ
ダーマ神官「騎士団長殿?」
騎士団長「っ、くふっ」
騎士団長「んふっ、ぎゅふふ、ぎゅふふふ、」
騎士団長(やってくれます、やってくれますね勇者くんやってくれます、やってくれます)
騎士団長(殺します、殺します、ああ、楽しませてくれる。憎しみが尽かない。殺しましょう)
騎士団長(そうです、ただ処刑するだけじゃつまらない、魔族裁判にかけるだけではつまらない)
騎士団長(ああ、楽しい、楽しい程殺したい)
騎士団長(楽しい、ああ、楽しい)
クルッ
騎士団長「......ランシール勇者さん!!!」
ランシール勇者「......大丈夫。今、追いかけていきましたわ」
スー勇者「わたしたちも、向かう、です!」
騎士団長「おお、さすが最速の勇者」
クルッ
騎士団長「......魔法兵を集めて下さい!!!」
騎士団長「奴はキメラの翼を使い逃亡を図りましたがキメラの翼は障害に当たると効力を失います!!」
騎士団長「しかし奴は屋上に登りました!!そこからまた翼を使い移動するでしょう!!」
騎士団長「ですので、魔力場の強い場所へ移動魔法で先回りしてください!!!戦闘兵も同行するように!!!!」
「「「「はっ!!!!」」」」
騎士団長「......さて」
騎士団長(後は任せてみますかね......)
488: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:05:33.47:vM6uT7mt0 (6/14)
――ダーマ神殿・屋上――
ビュオォォォッ......
勇者「っぎぎぎ!!!よいしょおっ!!!!」
ドサッ!
遊び人「っ!」
勇者「はぁっ、はぁっ、遊び人、大丈夫!?怪我は無い!?」
遊び人「ゆ」
ギュウウウ!!!
遊び人「勇者ちゃんっ......!!勇者ちゃん......!!!!」
勇者「......遊び人」
遊び人「よかっ......!わたし、勇者ちゃんが......!!!」
遊び人「裁判に............かけられたとっ......!!!!」
勇者「......」
ナデ
勇者「......心配かけて、ごめん」
勇者「でも、今は急がなきゃ。まだ逃げないと――......」
「逃げるったって、どこにだい?」
遊び人「!!」
勇者「......――!」
ザッ
「やれやれ、屋上によじ登る事になるなんて思わなかったよ」
勇者(今の短時間で追いかけてきたなんて――...)
「......始めまして、賢者様と勇者クン?だっけ」
エジンベア勇者「僕はエジンベア勇者。賢者様には覚えておいて頂きたいですねぇ」
ジャキッ
エジンベア勇者「勇者クンの方は......忘れていいよ」
勇者「......」
ジャキン
勇者「......」
エジンベア勇者「お?やる気かい?」
ヒュンッ!!
勇者「!!?」
ガキィン!!!!
エジンベア勇者「その弱さでかい?」
――ダーマ神殿・屋上――
ビュオォォォッ......
勇者「っぎぎぎ!!!よいしょおっ!!!!」
ドサッ!
遊び人「っ!」
勇者「はぁっ、はぁっ、遊び人、大丈夫!?怪我は無い!?」
遊び人「ゆ」
ギュウウウ!!!
遊び人「勇者ちゃんっ......!!勇者ちゃん......!!!!」
勇者「......遊び人」
遊び人「よかっ......!わたし、勇者ちゃんが......!!!」
遊び人「裁判に............かけられたとっ......!!!!」
勇者「......」
ナデ
勇者「......心配かけて、ごめん」
勇者「でも、今は急がなきゃ。まだ逃げないと――......」
「逃げるったって、どこにだい?」
遊び人「!!」
勇者「......――!」
ザッ
「やれやれ、屋上によじ登る事になるなんて思わなかったよ」
勇者(今の短時間で追いかけてきたなんて――...)
「......始めまして、賢者様と勇者クン?だっけ」
エジンベア勇者「僕はエジンベア勇者。賢者様には覚えておいて頂きたいですねぇ」
ジャキッ
エジンベア勇者「勇者クンの方は......忘れていいよ」
勇者「......」
ジャキン
勇者「......」
エジンベア勇者「お?やる気かい?」
ヒュンッ!!
勇者「!!?」
ガキィン!!!!
エジンベア勇者「その弱さでかい?」
489: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:06:31.70:vM6uT7mt0 (7/14)
バッ!!
勇者「くっ......!」
勇者(とんでもなく速い!!受け止めるのも難しいくらいに......!)
エジンベア勇者「ねえ、観念してお縄に付きなよ。僕は別に君を斬りたいわけじゃないんだよねえ」
ジリ...
エジンベア勇者「それに君もこの状況わかってるだろ?騎士団長は魔力場の強い土地に魔法兵を先回りさせて」
ジリ...
エジンベア勇者「賢者様は魔法制御・魔力瓦解の呪文がかけられた手枷をされ、それを守るのは弱っちい君だ」
ジリ...
エジンベア勇者「もう諦めなって。これ以上は何もしないからさぁ」
勇者「......」
遊び人「ねえ、私達、今......!」
勇者「うん......」チラッ
オォォォオォ...
勇者(どんどん追いやられてる......)
エジンベア勇者「......おや、気付いたかい?」
エジンベア勇者「さすがにこの高さからは逃げられないだろぉ?監視者の塔みたく、落ちたら無傷ってわけにもいかない」
エジンベア勇者「ぼくら加護のある人間でさえ致命傷を負う高ささ......本当にキミ、逃げ場無いんだって」
勇者「......」
エジンベア勇者「分かったんなら、賢者様を解放して素直にお縄に――......」
勇者「じゃあ、聞くけどさ」
エジンベア勇者「え?」
勇者「遊び人をお前らに手渡して......そしてどうなる?」
遊び人「勇者ちゃん......?」
エジンベア勇者「どうなるって......そりゃあ」
勇者「魔物が遊び人を狙いに来る」
エジンベア勇者「......まあそうだろうね」
勇者「......わかってるんだろ」
エジンベア勇者「でもそのためにサマンオサが軍をあげて――......」
勇者「ねえ、冷静に考えた事ある?」
エジンベア勇者「は?」
勇者「大賢者が三人も集まって、あのテドンの民が大勢居ても......倒せなかった魔族達から、サマンオサの軍が遊び人を守る事ができるか」
勇者「考えた事――......あるか?」
バッ!!
勇者「くっ......!」
勇者(とんでもなく速い!!受け止めるのも難しいくらいに......!)
エジンベア勇者「ねえ、観念してお縄に付きなよ。僕は別に君を斬りたいわけじゃないんだよねえ」
ジリ...
エジンベア勇者「それに君もこの状況わかってるだろ?騎士団長は魔力場の強い土地に魔法兵を先回りさせて」
ジリ...
エジンベア勇者「賢者様は魔法制御・魔力瓦解の呪文がかけられた手枷をされ、それを守るのは弱っちい君だ」
ジリ...
エジンベア勇者「もう諦めなって。これ以上は何もしないからさぁ」
勇者「......」
遊び人「ねえ、私達、今......!」
勇者「うん......」チラッ
オォォォオォ...
勇者(どんどん追いやられてる......)
エジンベア勇者「......おや、気付いたかい?」
エジンベア勇者「さすがにこの高さからは逃げられないだろぉ?監視者の塔みたく、落ちたら無傷ってわけにもいかない」
エジンベア勇者「ぼくら加護のある人間でさえ致命傷を負う高ささ......本当にキミ、逃げ場無いんだって」
勇者「......」
エジンベア勇者「分かったんなら、賢者様を解放して素直にお縄に――......」
勇者「じゃあ、聞くけどさ」
エジンベア勇者「え?」
勇者「遊び人をお前らに手渡して......そしてどうなる?」
遊び人「勇者ちゃん......?」
エジンベア勇者「どうなるって......そりゃあ」
勇者「魔物が遊び人を狙いに来る」
エジンベア勇者「......まあそうだろうね」
勇者「......わかってるんだろ」
エジンベア勇者「でもそのためにサマンオサが軍をあげて――......」
勇者「ねえ、冷静に考えた事ある?」
エジンベア勇者「は?」
勇者「大賢者が三人も集まって、あのテドンの民が大勢居ても......倒せなかった魔族達から、サマンオサの軍が遊び人を守る事ができるか」
勇者「考えた事――......あるか?」
490: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:07:11.15:vM6uT7mt0 (8/14)
エジンベア勇者「......」
勇者「......なかったんだろ」
ギリッ
勇者「目先の、どうでもいい不確かな情報に踊らされて」
勇者「遊び人の事も、これから先、戦う事になる人達の事も」
ギリィィッ!!
勇者「考えた事......!!!!無かったんだろ......!!!!」
エジンベア勇者「......」
ジリッ
エジンベア勇者「............何が言いたいんだい」
勇者「......お前達に、遊び人は任せられないって事だよ!!!!」
遊び人「勇者ちゃん......!」
エジンベア勇者「この状況でよくそんなに吼えられるねぇ」
勇者「......遊び人」
遊び人「え?」
勇者「掴まってて」
遊び人「何――......」
勇者「......信じて」
遊び人「......」
ギュッ
遊び人「......――うん」
エジンベア勇者「って、ちょっと待ちなって」
勇者「......せーので、いくよ」
遊び人「......うんっ」ギュッ
エジンベア勇者「え?さっきの話聞いてた?ここから落ちたらマジで死ぬ――......」
勇者「せーのっ!!!!」
バッ!!!!
エジンベア勇者「......――っ!!!!?」
エジンベア勇者「......」
勇者「......なかったんだろ」
ギリッ
勇者「目先の、どうでもいい不確かな情報に踊らされて」
勇者「遊び人の事も、これから先、戦う事になる人達の事も」
ギリィィッ!!
勇者「考えた事......!!!!無かったんだろ......!!!!」
エジンベア勇者「......」
ジリッ
エジンベア勇者「............何が言いたいんだい」
勇者「......お前達に、遊び人は任せられないって事だよ!!!!」
遊び人「勇者ちゃん......!」
エジンベア勇者「この状況でよくそんなに吼えられるねぇ」
勇者「......遊び人」
遊び人「え?」
勇者「掴まってて」
遊び人「何――......」
勇者「......信じて」
遊び人「......」
ギュッ
遊び人「......――うん」
エジンベア勇者「って、ちょっと待ちなって」
勇者「......せーので、いくよ」
遊び人「......うんっ」ギュッ
エジンベア勇者「え?さっきの話聞いてた?ここから落ちたらマジで死ぬ――......」
勇者「せーのっ!!!!」
バッ!!!!
エジンベア勇者「......――っ!!!!?」
491: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:07:58.78:vM6uT7mt0 (9/14)
ダッ!!!!
エジンベア勇者「賢者様ぁ!!!!」
エジンベア勇者(マジで飛び降りて逃げるヤツがあるか!!!!)
エジンベア勇者(まずい!!!賢者様を受け止めるにしても、二人が落ちたのは神殿の後方......!!!!)
エジンベア勇者(後方は警備の人間なんて殆どいない!!!!)
エジンベア勇者(まずいまずいまずいまずい!!!!!!)
ヒュウゥゥゥゥ
遊び人「っ......!!!」ギュゥゥ
勇者「......!」
勇者(落ちる方向も、場所も、大丈夫)
勇者(......――頼むよ)
勇者「っ......」スゥゥゥゥ
ダッ!!!!
エジンベア勇者「賢者様ぁ!!!!」
エジンベア勇者(マジで飛び降りて逃げるヤツがあるか!!!!)
エジンベア勇者(まずい!!!賢者様を受け止めるにしても、二人が落ちたのは神殿の後方......!!!!)
エジンベア勇者(後方は警備の人間なんて殆どいない!!!!)
エジンベア勇者(まずいまずいまずいまずい!!!!!!)
ヒュウゥゥゥゥ
遊び人「っ......!!!」ギュゥゥ
勇者「......!」
勇者(落ちる方向も、場所も、大丈夫)
勇者(......――頼むよ)
勇者「っ......」スゥゥゥゥ
492: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:08:40.64:vM6uT7mt0 (10/14)
勇者「カンダタァ――――!!!!!!!!!!!!!!!」
カンダタ「応よォクソガキィ!!!!!!!!!!!」
勇者「カンダタァ――――!!!!!!!!!!!!!!!」
カンダタ「応よォクソガキィ!!!!!!!!!!!」
493: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:09:45.29:vM6uT7mt0 (11/14)
遊び人「!!!?」
エジンベア勇者「なはっ!!!?」
カンダタ「お前ら!!!!作戦通りだ!!!!左右に引っ張れ!!!!」
カンダタ子分「お前ら!!!今だ!!!!」
カンダタ子分B「よっしゃあ!!!!」
カンダタ子分C「受け止めろォ!!!!」
シュルルルルル!!!
バァッ!!!
遊び人「あれは......!!?」
勇者「落ちるよ!舌に気をつけて遊び人!!」
遊び人「っ......!」
ドサァッ!!
グインッ グイングイン
遊び人「......っ!?......なんとも、ない?」
勇者「キャタピラーの糸で作った布だよ!!」
遊び人「!!!?」
エジンベア勇者「なはっ!!!?」
カンダタ「お前ら!!!!作戦通りだ!!!!左右に引っ張れ!!!!」
カンダタ子分「お前ら!!!今だ!!!!」
カンダタ子分B「よっしゃあ!!!!」
カンダタ子分C「受け止めろォ!!!!」
シュルルルルル!!!
バァッ!!!
遊び人「あれは......!!?」
勇者「落ちるよ!舌に気をつけて遊び人!!」
遊び人「っ......!」
ドサァッ!!
グインッ グイングイン
遊び人「......っ!?......なんとも、ない?」
勇者「キャタピラーの糸で作った布だよ!!」
494: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:10:53.89:vM6uT7mt0 (12/14)
ガバッ!!
勇者「そんな事より、急ぐよ!!」
遊び人「えっ――......」
パカラッ
カンダタ子分「勇者!!お前の馬だ!!乗れ!!!」
カンダタ「ボサッとしてんな!!!!ずらかるぜ!!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「カンダタ......!!!?なんでっ」
ギュッ
勇者「説明は後でする!!!今は逃げるよ遊び人!!!!」
遊び人「......――うんっ!!!!」
ヒュォォォォゥ......
エジンベア勇者「......あっちゃあ」
エジンベア勇者(逃げられちゃったかぁ......こりゃ面倒くさい事になりそうだ)
エジンベア勇者(......しかし)
勇者『......お前達に、遊び人は任せられないって事だよ!!!!』
エジンベア勇者「......あれが、魔物ねぇ」
............
......
...
・
ガバッ!!
勇者「そんな事より、急ぐよ!!」
遊び人「えっ――......」
パカラッ
カンダタ子分「勇者!!お前の馬だ!!乗れ!!!」
カンダタ「ボサッとしてんな!!!!ずらかるぜ!!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「カンダタ......!!!?なんでっ」
ギュッ
勇者「説明は後でする!!!今は逃げるよ遊び人!!!!」
遊び人「......――うんっ!!!!」
ヒュォォォォゥ......
エジンベア勇者「......あっちゃあ」
エジンベア勇者(逃げられちゃったかぁ......こりゃ面倒くさい事になりそうだ)
エジンベア勇者(......しかし)
勇者『......お前達に、遊び人は任せられないって事だよ!!!!』
エジンベア勇者「......あれが、魔物ねぇ」
............
......
...
・
495: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:11:42.39:vM6uT7mt0 (13/14)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
496: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年07月09日(木) 00:12:48.83:vM6uT7mt0 (14/14)
>>482
×ばつ遊び人(商人の商売の話も、もっち聞きたかった)
○しろまる遊び人(商人の商売の話も、もっと聞きたかった)
>>482
×ばつ遊び人(商人の商売の話も、もっち聞きたかった)
○しろまる遊び人(商人の商売の話も、もっと聞きたかった)
497:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月09日(木) 02:07:28.17:6OIVqAWMO (1/1)
おつ
おつ
498:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月09日(木) 06:41:34.13:J7jaQbvWO (1/1)
きた!乙
きた!乙
499:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月09日(木) 21:25:02.26:Dv9dW+HB0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
500:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月09日(木) 23:58:03.50:KxaGlTGDO (1/1)
乙!!待ってたよ!!
乙!!待ってたよ!!
501:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月10日(金) 11:49:24.97:5dko7W/IO (1/1)
待ってたよおおおおお勇者かっこいいよおおおお
待ってたよおおおおお勇者かっこいいよおおおお
502:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月10日(金) 21:26:40.63:UPdq4WPAO (1/1)
乙!
待ってたかいがあったぞ!
乙!
待ってたかいがあったぞ!
503:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月11日(土) 15:58:43.59:3vI9O0+Oo (1/1)
おつ!
うれしいなぁ
おつ!
うれしいなぁ
504:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月12日(日) 02:34:59.47:Bje6Yv8co (1/1)
乙
頑張ってくれ
乙
頑張ってくれ
505:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年07月30日(木) 11:05:06.01:i+W+P3nh0 (1/1)
カンダタが助けてくれるとは
カンダタが助けてくれるとは
506:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年08月12日(水) 23:15:04.40:aqpUhaiDO (1/1)
ほす
ほす
507:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月02日(水) 22:40:06.07:0nrQW9vqo (1/1)
そろそろ
そろそろ
508: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月03日(木) 23:56:47.21:g+DBUBFN0 (1/3)
――アリアハン城・城門前――
ザワザワ
「勇者母さんはここにいるんだろう!?」
「何か一言あってもいいんじゃないのか!!」
「勇者って子は魔の使いだったの!?説明させなさいよ!」
門兵「皆さん!!落ち着いて下さい!!」
門兵2「その件については王から近々説明を――......」
「その王があいつの存在を他国に隠していたんだろう!!」
「アリアハンの名を貶める気かよ!」
<......!......!
スタスタ
料理長「......」
――厨房――
ガチャッ
料理長「ただいまっと」
メイド「料理長!おかえりなさい」
メイド2「一応、柔らかい麦粥を作っておきました」
料理長「すまないね。任せちゃって」
メイド「......どうですか?勇者母さんの様子......」
料理長「ああ......相変わらずだよ」
メイド2「......そうですか」
料理長「......」
コンコン
三人「「「!」」」
料理長「......なんだい、裏口に誰か来たのかね?」
メイド「でも一体誰が......」
コンコン
メイド2「はいはい、行きますよ」
スタスタ ガチャ
メイド2「どなた――......って」
女勇者「......や」
メイド2「女勇者様!!?」
――アリアハン城・城門前――
ザワザワ
「勇者母さんはここにいるんだろう!?」
「何か一言あってもいいんじゃないのか!!」
「勇者って子は魔の使いだったの!?説明させなさいよ!」
門兵「皆さん!!落ち着いて下さい!!」
門兵2「その件については王から近々説明を――......」
「その王があいつの存在を他国に隠していたんだろう!!」
「アリアハンの名を貶める気かよ!」
<......!......!
スタスタ
料理長「......」
――厨房――
ガチャッ
料理長「ただいまっと」
メイド「料理長!おかえりなさい」
メイド2「一応、柔らかい麦粥を作っておきました」
料理長「すまないね。任せちゃって」
メイド「......どうですか?勇者母さんの様子......」
料理長「ああ......相変わらずだよ」
メイド2「......そうですか」
料理長「......」
コンコン
三人「「「!」」」
料理長「......なんだい、裏口に誰か来たのかね?」
メイド「でも一体誰が......」
コンコン
メイド2「はいはい、行きますよ」
スタスタ ガチャ
メイド2「どなた――......って」
女勇者「......や」
メイド2「女勇者様!!?」
509: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月03日(木) 23:59:00.47:g+DBUBFN0 (2/3)
メイド「女勇者様!」ガタ
料理長「女勇者ちゃんかい!?」ガタッ
バタン
女勇者「裏口から失礼するよ。みんなごめんね」
女勇者「城門からは入れそうになくてさ」
料理長「......!あたしらに詫びはいらないのさ!あんた今までどこほっつき歩いてたの!」
メイド2「あのね女勇者様。実は、えっと、その」
女勇者「お母さんがお城に匿われているんだよね?戦士ちゃんのお父さんから聞いたよ」
女勇者「......直ぐに会いに行きたいんだ。場所は?」
――客間――
勇者母「......」
ルイーダ「......」
ルイーダ「(勇者母さん......)」
コンコン
ルイーダ「......はい、どなた?」
ガチャ
料理長「ここだよ」
女勇者「......」
ルイーダ「!!女勇者ちゃん!!」ガタッ
女勇者「ルイーダさん......ごめんね、色々」
ルイーダ「私はいいの......!早く、傍に来てあげて」
スタスタ
勇者母「......」
女勇者「......」
女勇者(目が、真っ赤に腫れてる)
女勇者(お義兄ちゃんの事心配して、ずっと泣いてたんだ)
ルイーダ「......勇者くんの報せを聴いたら、だいぶ参っちゃったみたい」
料理長「それでもあんたらの家に押しかけるバカな輩も少し居たからね。ここで安静にさせてたのさ」
料理長「今は寝ているが、起きてる間はずっと泣き通しだったよ」
女勇者「......」
スッ ギュッ
勇者母「......」
女勇者「......もう泣かないで、お母さん」
クルッ
女勇者「......」スタスタ
料理長「ちょっとアンタ!またどっか行く気なの!?」
ルイーダ「女勇者ちゃん......?」
女勇者「......門の所に居る、2、30人の人達の所に行ってくる」
料理長「はあ?」
女勇者「......魔物が、お義兄ちゃんが」
女勇者「私達や、アリアハンを騙してた事を自供したって......伝えてくる」
メイド「女勇者様!」ガタ
料理長「女勇者ちゃんかい!?」ガタッ
バタン
女勇者「裏口から失礼するよ。みんなごめんね」
女勇者「城門からは入れそうになくてさ」
料理長「......!あたしらに詫びはいらないのさ!あんた今までどこほっつき歩いてたの!」
メイド2「あのね女勇者様。実は、えっと、その」
女勇者「お母さんがお城に匿われているんだよね?戦士ちゃんのお父さんから聞いたよ」
女勇者「......直ぐに会いに行きたいんだ。場所は?」
――客間――
勇者母「......」
ルイーダ「......」
ルイーダ「(勇者母さん......)」
コンコン
ルイーダ「......はい、どなた?」
ガチャ
料理長「ここだよ」
女勇者「......」
ルイーダ「!!女勇者ちゃん!!」ガタッ
女勇者「ルイーダさん......ごめんね、色々」
ルイーダ「私はいいの......!早く、傍に来てあげて」
スタスタ
勇者母「......」
女勇者「......」
女勇者(目が、真っ赤に腫れてる)
女勇者(お義兄ちゃんの事心配して、ずっと泣いてたんだ)
ルイーダ「......勇者くんの報せを聴いたら、だいぶ参っちゃったみたい」
料理長「それでもあんたらの家に押しかけるバカな輩も少し居たからね。ここで安静にさせてたのさ」
料理長「今は寝ているが、起きてる間はずっと泣き通しだったよ」
女勇者「......」
スッ ギュッ
勇者母「......」
女勇者「......もう泣かないで、お母さん」
クルッ
女勇者「......」スタスタ
料理長「ちょっとアンタ!またどっか行く気なの!?」
ルイーダ「女勇者ちゃん......?」
女勇者「......門の所に居る、2、30人の人達の所に行ってくる」
料理長「はあ?」
女勇者「......魔物が、お義兄ちゃんが」
女勇者「私達や、アリアハンを騙してた事を自供したって......伝えてくる」
510: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月03日(木) 23:59:29.61:g+DBUBFN0 (3/3)
・
...
......
.........
――ダーマ付近の森――
ダカダッ ダカダッ!!
カンダタ「おい!後ろァどうだ!?」
カンダタ子分A「............最後尾のヤツが『何も追って来ない』って言ってます!!」
カンダタ子分B「......」
カンダタ子分C「......や」
「「「やったぁ―――――!!!!」」」
カンダタ子分D「マジかよ!!本当に国連相手にやりやがったぁー!!うはほほーっ!!」
カンダタ子分E「っひゅー!今マジで俺らワルっぽい!!」
カンダタ「え、今までワルっぽくないって思ってたの?」
カンダタ子分A「おい!勇者!お嬢ちゃんは!?」
勇者「うん!ありがとう!!怪我は無いみたいだ!!」
カンダタ子分B「やったなぁ!!」
カンダタ子分C「おいおいお姫様抱っこで馬に乗って王子様みたいじゃないのぉ!」
カンダタ子分D「盗賊団を率いて王子もクソもあるかぁよ!」
カンダタ子分E「けははは!違いない!!」
カンダタ「まだ気ィ抜くんじゃあねえぞ!!ちゃんと逃げ切るまでなぁ!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「ゆ、勇者ちゃん」
勇者「なに!?どっか痛む!?」
遊び人「ううん!じゃなくて......その、この現状は......!?」
勇者「え......?ああ、カンダタ達の事?」
カンダタ「いいか!昨日作ったルートを外れんなよ!!」
カンダタ子分達「「「「おうっ!!!!」」」」
勇者「......昨日、色々あってね」
............
......
...
・
・
...
......
.........
――ダーマ付近の森――
ダカダッ ダカダッ!!
カンダタ「おい!後ろァどうだ!?」
カンダタ子分A「............最後尾のヤツが『何も追って来ない』って言ってます!!」
カンダタ子分B「......」
カンダタ子分C「......や」
「「「やったぁ―――――!!!!」」」
カンダタ子分D「マジかよ!!本当に国連相手にやりやがったぁー!!うはほほーっ!!」
カンダタ子分E「っひゅー!今マジで俺らワルっぽい!!」
カンダタ「え、今までワルっぽくないって思ってたの?」
カンダタ子分A「おい!勇者!お嬢ちゃんは!?」
勇者「うん!ありがとう!!怪我は無いみたいだ!!」
カンダタ子分B「やったなぁ!!」
カンダタ子分C「おいおいお姫様抱っこで馬に乗って王子様みたいじゃないのぉ!」
カンダタ子分D「盗賊団を率いて王子もクソもあるかぁよ!」
カンダタ子分E「けははは!違いない!!」
カンダタ「まだ気ィ抜くんじゃあねえぞ!!ちゃんと逃げ切るまでなぁ!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「ゆ、勇者ちゃん」
勇者「なに!?どっか痛む!?」
遊び人「ううん!じゃなくて......その、この現状は......!?」
勇者「え......?ああ、カンダタ達の事?」
カンダタ「いいか!昨日作ったルートを外れんなよ!!」
カンダタ子分達「「「「おうっ!!!!」」」」
勇者「......昨日、色々あってね」
............
......
...
・
511: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:00:35.28:2vd8IxII0 (1/12)
............
――昨夕・ダーマ付近の森――
ザァァァァァ
バシャッ
バシャッ
バシャッ
勇者『(とりあえず......歩かなきゃ......!)』
勇者『(途中まで乗ってきた、馬の所までは、戻らないと)』
勇者『(......ん?)』
ピタ
勇者『......』
勇者『(あれ......?見間違いか?)』
<......!
勇者『(あの、大きい木の下......馬が何頭も繋がれて......)』
勇者『(集団が、野営を)』
勇者『......っ!!』
ジリッ
勇者『(まずい......!多分、国連の息のかかった連中だ......!)』
勇者『(きっと森の警備に就かされて......!)』
ジリッ
勇者『(とりあえず、逃げ)』
ジャキッ
『動くな』
勇者『......――――!!!』ピタ
『手ぇ組んで武器捨てろ。ゆっくりこっち向け』
............
――昨夕・ダーマ付近の森――
ザァァァァァ
バシャッ
バシャッ
バシャッ
勇者『(とりあえず......歩かなきゃ......!)』
勇者『(途中まで乗ってきた、馬の所までは、戻らないと)』
勇者『(......ん?)』
ピタ
勇者『......』
勇者『(あれ......?見間違いか?)』
<......!
勇者『(あの、大きい木の下......馬が何頭も繋がれて......)』
勇者『(集団が、野営を)』
勇者『......っ!!』
ジリッ
勇者『(まずい......!多分、国連の息のかかった連中だ......!)』
勇者『(きっと森の警備に就かされて......!)』
ジリッ
勇者『(とりあえず、逃げ)』
ジャキッ
『動くな』
勇者『......――――!!!』ピタ
『手ぇ組んで武器捨てろ。ゆっくりこっち向け』
512: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:01:12.49:2vd8IxII0 (2/12)
............
――カンダタ一味の野営地――
カンダタ子分B『親分!テントから雨漏りする!』
カンダタ『もうだいぶ古くなっちまってるからなぁ』
カンダタ子分C『あれ?カンダタ子分Aは?』キョロキョロ
カンダタ『さっき乾いた薪を探しに行かせた。もうじき帰ってくんだろ』
バシャバシャ
カンダタ子分A『親分!』
カンダタ『お、ほら見ろ......って』
カンダタ『..................は?』
勇者『............』
カンダタ子分A『......そこらをうろついてやがりました』
カンダタ子分A『騒がれると面倒なんで、一応連れて来たんすけど』
カンダタ子分D『お前ぇっ!?』ズザッ
カンダタ子分E『またお前かよぉ!?』
カンダタ子分F『どんだけ俺らの事好きなの!?』
............
――カンダタ一味の野営地――
カンダタ子分B『親分!テントから雨漏りする!』
カンダタ『もうだいぶ古くなっちまってるからなぁ』
カンダタ子分C『あれ?カンダタ子分Aは?』キョロキョロ
カンダタ『さっき乾いた薪を探しに行かせた。もうじき帰ってくんだろ』
バシャバシャ
カンダタ子分A『親分!』
カンダタ『お、ほら見ろ......って』
カンダタ『..................は?』
勇者『............』
カンダタ子分A『......そこらをうろついてやがりました』
カンダタ子分A『騒がれると面倒なんで、一応連れて来たんすけど』
カンダタ子分D『お前ぇっ!?』ズザッ
カンダタ子分E『またお前かよぉ!?』
カンダタ子分F『どんだけ俺らの事好きなの!?』
513: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:01:39.27:2vd8IxII0 (3/12)
勇者『......』
カンダタ『......っく』
カンダタ『くっ、くはっ!』
カンダタ『あっはっはっはっはっは!!!っんとによく会うなクソガキ!!』
カンダタ『今度はなんだどうした!?本当に一味に入りに来たかよ!』
勇者『......』
カンダタ『......お?どうした?だんまりか?』
カンダタ『ってか、あの他のガキどもはどうしたよ?』
勇者『......カンダタ』
カンダタ『あ?』
ズザァッ!! ドチャァッ!!
カンダタ子分達『『『『!!!?』』』』
カンダタ『......』
カンダタ『......おい、ガキ』
カンダタ『そりゃ何のマネだ?』
勇者『......』
カンダタ『なんで俺に土下座なんぞしてんだ?お前』
勇者『お前に』
カンダタ『あ?』
勇者『お前に......頼みがある』
カンダタ『......は?』
ギリィッ...!
勇者『......僕にっ......!!力を貸してくれ......!!』
カンダタ『......』
カンダタ子分A『はぁぁ?お前何言ってやが』
カンダタ『お前ら、少し黙ってろ』
カンダタ子分A『へ?親分?』
カンダタ『......おい、クソガキ』
カンダタ『顔上げて、一から説明してみろ』
勇者『......』
カンダタ『......っく』
カンダタ『くっ、くはっ!』
カンダタ『あっはっはっはっはっは!!!っんとによく会うなクソガキ!!』
カンダタ『今度はなんだどうした!?本当に一味に入りに来たかよ!』
勇者『......』
カンダタ『......お?どうした?だんまりか?』
カンダタ『ってか、あの他のガキどもはどうしたよ?』
勇者『......カンダタ』
カンダタ『あ?』
ズザァッ!! ドチャァッ!!
カンダタ子分達『『『『!!!?』』』』
カンダタ『......』
カンダタ『......おい、ガキ』
カンダタ『そりゃ何のマネだ?』
勇者『......』
カンダタ『なんで俺に土下座なんぞしてんだ?お前』
勇者『お前に』
カンダタ『あ?』
勇者『お前に......頼みがある』
カンダタ『......は?』
ギリィッ...!
勇者『......僕にっ......!!力を貸してくれ......!!』
カンダタ『......』
カンダタ子分A『はぁぁ?お前何言ってやが』
カンダタ『お前ら、少し黙ってろ』
カンダタ子分A『へ?親分?』
カンダタ『......おい、クソガキ』
カンダタ『顔上げて、一から説明してみろ』
514: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:02:06.52:2vd8IxII0 (4/12)
............
ザァァァァ...
勇者『......』
カンダタ『......!』
カンダタ子分A『......は』
カンダタ子分B『なんだ、そりゃ』
カンダタ子分C『つうことは、お前』
カンダタ子分D『てめえは今、国連に追われてるって事か!!?』
勇者『......簡単に言えば、そうなる』
カンダタ子分E『はぁ〜......なんつうか、あれだな』
カンダタ子分F『てめえも結構厄介なヤツなんだなぁ』
カンダタ子分G『で?その賢者サマとやらの嬢ちゃんを助けるために』
カンダタ子分H『俺達に力を?貸して欲しいって?そういう事かよ』
勇者『......ああ、そうだ』
『『『............』』』
カンダタ『......てめえ、正気かよ?』
勇者『正気だ』
カンダタ『女一人だぞ』
勇者『遊び人一人の問題じゃなくなってくる』
勇者『多分、沢山の人間が死ぬことになる。大きい争いが起こることになる』
カンダタ『それは俺が与り知ることか?てめえが与り知る事か?』
勇者『知ってるから見過ごせない』
カンダタ『てめえの言ってる事が正しい保証もねえだろう』
勇者『でもどの道』
カンダタ『......』
勇者『......遊び人が危険な目に遭う』
勇者『それだけは、確実だ』
勇者『魔物達は確実にあいつを狙いに来る。遅かれ早かれ』
カンダタ『......もう一回言うぜ?女一人だぞ』
カンダタ『女一人のために国連を敵にまわして馬鹿みてえに戦うっつうのか?』
勇者『そうだ』
カンダタ『女一人だぞ』
勇者『女一人の運命がかかってんだ』
勇者『一人の運命がかかってるんだよ』
カンダタ『......』
............
ザァァァァ...
勇者『......』
カンダタ『......!』
カンダタ子分A『......は』
カンダタ子分B『なんだ、そりゃ』
カンダタ子分C『つうことは、お前』
カンダタ子分D『てめえは今、国連に追われてるって事か!!?』
勇者『......簡単に言えば、そうなる』
カンダタ子分E『はぁ〜......なんつうか、あれだな』
カンダタ子分F『てめえも結構厄介なヤツなんだなぁ』
カンダタ子分G『で?その賢者サマとやらの嬢ちゃんを助けるために』
カンダタ子分H『俺達に力を?貸して欲しいって?そういう事かよ』
勇者『......ああ、そうだ』
『『『............』』』
カンダタ『......てめえ、正気かよ?』
勇者『正気だ』
カンダタ『女一人だぞ』
勇者『遊び人一人の問題じゃなくなってくる』
勇者『多分、沢山の人間が死ぬことになる。大きい争いが起こることになる』
カンダタ『それは俺が与り知ることか?てめえが与り知る事か?』
勇者『知ってるから見過ごせない』
カンダタ『てめえの言ってる事が正しい保証もねえだろう』
勇者『でもどの道』
カンダタ『......』
勇者『......遊び人が危険な目に遭う』
勇者『それだけは、確実だ』
勇者『魔物達は確実にあいつを狙いに来る。遅かれ早かれ』
カンダタ『......もう一回言うぜ?女一人だぞ』
カンダタ『女一人のために国連を敵にまわして馬鹿みてえに戦うっつうのか?』
勇者『そうだ』
カンダタ『女一人だぞ』
勇者『女一人の運命がかかってんだ』
勇者『一人の運命がかかってるんだよ』
カンダタ『......』
515: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:02:34.51:2vd8IxII0 (5/12)
カンダタ『......だが、さっきも言ったが、そりゃあ俺にぁ関係ねえよな?』
カンダタ『なんでてめえは俺がただでホイホイ誘いに乗ると思ったんだ?馬鹿か?』
勇者『タダじゃない』
カンダタ『......ん?』
ドジャッ!!
カンダタ子分A『なんだその袋』
勇者『......ゴールド金貨が入ってる』
カンダタ子分B『は?』
ジャラジャラ
カンダタ子分C『っ......んだ、アレ』
カンダタ子分D『ちょ、っと待てどんだけ入って......』
カンダタ『......』
ジャラ......
勇者『......これが、僕の全財産の3分の2だ』
勇者『これで、あんたらを。盗賊団を雇いたい』
カンダタ子分達『『『はぁぁ!!?』』』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......なあ』
カンダタ『俺が首を縦に振ると思ったのか?てめえは』
勇者『ああ』
勇者『前にバハラタのお前らのアジトで......そこの三人に聞いたんだ』チラッ
カンダタ子分E『......え?』
カンダタ子分F『俺達?何か言ったっけ?』
カンダタ子分G『えっと............あ』
――――――――
〜〜〜〜〜〜〜〜
勇者『......あのさ、あの女の人を攫った理由ってなんなの?』
カンダタ子分E『理由、ですか?』
勇者『うん。正直ホッとしたけど、攫った上で何もしないなんて、目的がよくわからないなぁと思ってさ』
カンダタ子分E『あぁ、まぁごもっともっすねぇ』
カンダタ子分F『これは実は――......依頼なんすよ』
ピタ......
勇者『......え?依頼?』
カンダタ子分E『はい。詳しくは知らないんすけど、親分が誰かに頼まれたらしくて』
カンダタ子分G『結構な纏まった金貰ったらしくてね。"あの女を夕方まで一切手を出さずに監禁。そして無傷で夕刻に村に帰す"って依頼』
〜〜〜〜〜〜〜〜
――――――――
カンダタ子分E『......あー......』
カンダタ子分G『言ったなあ......』
勇者『......あれを思い出したんだ』
カンダタ『......だが、さっきも言ったが、そりゃあ俺にぁ関係ねえよな?』
カンダタ『なんでてめえは俺がただでホイホイ誘いに乗ると思ったんだ?馬鹿か?』
勇者『タダじゃない』
カンダタ『......ん?』
ドジャッ!!
カンダタ子分A『なんだその袋』
勇者『......ゴールド金貨が入ってる』
カンダタ子分B『は?』
ジャラジャラ
カンダタ子分C『っ......んだ、アレ』
カンダタ子分D『ちょ、っと待てどんだけ入って......』
カンダタ『......』
ジャラ......
勇者『......これが、僕の全財産の3分の2だ』
勇者『これで、あんたらを。盗賊団を雇いたい』
カンダタ子分達『『『はぁぁ!!?』』』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......なあ』
カンダタ『俺が首を縦に振ると思ったのか?てめえは』
勇者『ああ』
勇者『前にバハラタのお前らのアジトで......そこの三人に聞いたんだ』チラッ
カンダタ子分E『......え?』
カンダタ子分F『俺達?何か言ったっけ?』
カンダタ子分G『えっと............あ』
――――――――
〜〜〜〜〜〜〜〜
勇者『......あのさ、あの女の人を攫った理由ってなんなの?』
カンダタ子分E『理由、ですか?』
勇者『うん。正直ホッとしたけど、攫った上で何もしないなんて、目的がよくわからないなぁと思ってさ』
カンダタ子分E『あぁ、まぁごもっともっすねぇ』
カンダタ子分F『これは実は――......依頼なんすよ』
ピタ......
勇者『......え?依頼?』
カンダタ子分E『はい。詳しくは知らないんすけど、親分が誰かに頼まれたらしくて』
カンダタ子分G『結構な纏まった金貰ったらしくてね。"あの女を夕方まで一切手を出さずに監禁。そして無傷で夕刻に村に帰す"って依頼』
〜〜〜〜〜〜〜〜
――――――――
カンダタ子分E『......あー......』
カンダタ子分G『言ったなあ......』
勇者『......あれを思い出したんだ』
516: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:03:10.25:2vd8IxII0 (6/12)
勇者『あの時お前は少なくともタニアさんには何の危害も加えてなかった』
勇者『だから、依頼は絶対守るんじゃないかって......そう思ったんだ』
カンダタ『......』
勇者『カンダタ、アンタらに依頼をしたい』
勇者『この金で、僕に協力して......遊び人を攫い出してくれ』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......払うのは、全財産じゃあねえのか?』
勇者『遊び人を連れ戻したら、まだ旅を続けなきゃいけない』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......』
カンダタ『っく』
カンダタ『あっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!』
カンダタ子分A『親分!?』
カンダタ『馬鹿だぜお前!!本当に馬鹿だ!!』
カンダタ『女一人のために、散々な目に遭わせてきた俺に頭下げて国連を敵にまわすかよ!!』
ザッ!!
カンダタ『おいお前ら!!全員よおく聞け!!』
カンダタ『今からこいつらは依頼主だ!!気張って国連のクソカス共を出し抜いてやろうぜ!!』
カンダタ子分B『親分、って事は』
勇者『......じゃ、じゃあ!』
カンダタ『ああ、付き合ってやろうじゃねえか』
カンダタ『やるからにはとことんだ!!泣き言は吐かさねえぜ!覚悟しろよガキィ!!』
勇者『......っ』
ギュッ...
勇者『ありがとう......!』
勇者『あの時お前は少なくともタニアさんには何の危害も加えてなかった』
勇者『だから、依頼は絶対守るんじゃないかって......そう思ったんだ』
カンダタ『......』
勇者『カンダタ、アンタらに依頼をしたい』
勇者『この金で、僕に協力して......遊び人を攫い出してくれ』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......払うのは、全財産じゃあねえのか?』
勇者『遊び人を連れ戻したら、まだ旅を続けなきゃいけない』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ『......』
カンダタ『っく』
カンダタ『あっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!』
カンダタ子分A『親分!?』
カンダタ『馬鹿だぜお前!!本当に馬鹿だ!!』
カンダタ『女一人のために、散々な目に遭わせてきた俺に頭下げて国連を敵にまわすかよ!!』
ザッ!!
カンダタ『おいお前ら!!全員よおく聞け!!』
カンダタ『今からこいつらは依頼主だ!!気張って国連のクソカス共を出し抜いてやろうぜ!!』
カンダタ子分B『親分、って事は』
勇者『......じゃ、じゃあ!』
カンダタ『ああ、付き合ってやろうじゃねえか』
カンダタ『やるからにはとことんだ!!泣き言は吐かさねえぜ!覚悟しろよガキィ!!』
勇者『......っ』
ギュッ...
勇者『ありがとう......!』
517: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:04:09.28:2vd8IxII0 (7/12)
............
ザァァァァァ......
カンダタ『......とまあ、もし奪還成功した後の森の中の逃げ道はこんな感じだな』
勇者『うん!これだったら......!』
カンダタ『......で、だ。問題の奪還なんだが......』
カンダタ子分A『明日の儀式の時間になりゃ高確率でその嬢ちゃんが大聖堂に来る』
カンダタ子分B『そこが狙い目だと』
勇者『ああ、多分中には祭壇があると思うんだけど、儀式の最中はその祭壇上には祭司と遊び人だけになると思うんだ』
勇者『その一瞬はあらゆる警備から解放されると思うんだけど......』
カンダタ『しかし、どうすんだ。そこに割り入るつもりかよ』
勇者『......うーん......それが問題なんだよね......』
カンダタ子分C『親分、勇者。火薬なら多少持ち合わせがあるぜ』
カンダタ子分C『神殿の一部で爆発起こして混乱に乗じて......なんてどうだ?』
カンダタ『......いや、それだと奴らは余計に警戒して再度嬢ちゃんの周りに集まるだろうな』
勇者『それに、もし遊び人を奪取できても、どうやって神殿の外まで連れ出すかが......』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ子分A『......手詰まり?』
勇者『い、いやっ!まだ何か、何かあるはず......!』
カンダタ子分B『他の子分達の知恵も合わせてなんとか捻りだそうぜ』
カンダタ子分C『ってか、あれ?他の奴らは?』
カンダタ『さっき、逃げ道の経路と罠の仕込みの確認に行かせた。そろそろ戻って来るだろうよ』
カンダタ子分A『しかし日が暮れてもうだいぶ経つ......雨のせいで暗くなるのが早かったとはいえ、時間は無くなってきてんぞ』
カンダタ子分C『まず神殿にどうやって入って、どうやって隙をついて嬢ちゃんを連れ出すか』
カンダタ子分B『それを確実にしねえと逃げ道の意味も無くなるしなあ』
............
ザァァァァァ......
カンダタ『......とまあ、もし奪還成功した後の森の中の逃げ道はこんな感じだな』
勇者『うん!これだったら......!』
カンダタ『......で、だ。問題の奪還なんだが......』
カンダタ子分A『明日の儀式の時間になりゃ高確率でその嬢ちゃんが大聖堂に来る』
カンダタ子分B『そこが狙い目だと』
勇者『ああ、多分中には祭壇があると思うんだけど、儀式の最中はその祭壇上には祭司と遊び人だけになると思うんだ』
勇者『その一瞬はあらゆる警備から解放されると思うんだけど......』
カンダタ『しかし、どうすんだ。そこに割り入るつもりかよ』
勇者『......うーん......それが問題なんだよね......』
カンダタ子分C『親分、勇者。火薬なら多少持ち合わせがあるぜ』
カンダタ子分C『神殿の一部で爆発起こして混乱に乗じて......なんてどうだ?』
カンダタ『......いや、それだと奴らは余計に警戒して再度嬢ちゃんの周りに集まるだろうな』
勇者『それに、もし遊び人を奪取できても、どうやって神殿の外まで連れ出すかが......』
カンダタ『......』
勇者『......』
カンダタ子分A『......手詰まり?』
勇者『い、いやっ!まだ何か、何かあるはず......!』
カンダタ子分B『他の子分達の知恵も合わせてなんとか捻りだそうぜ』
カンダタ子分C『ってか、あれ?他の奴らは?』
カンダタ『さっき、逃げ道の経路と罠の仕込みの確認に行かせた。そろそろ戻って来るだろうよ』
カンダタ子分A『しかし日が暮れてもうだいぶ経つ......雨のせいで暗くなるのが早かったとはいえ、時間は無くなってきてんぞ』
カンダタ子分C『まず神殿にどうやって入って、どうやって隙をついて嬢ちゃんを連れ出すか』
カンダタ子分B『それを確実にしねえと逃げ道の意味も無くなるしなあ』
518: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:04:35.23:2vd8IxII0 (8/12)
カンダタ『......』
勇者『......何か』
勇者『きっと何か、方法があるはず』
勇者『何か......』
『なかなかに悪い話をしておるね』
一同『『『!!?』』』
カンダタ子分A『誰だっ!!』ジャキッ!!
カンダタ子分B『そこの暗がりから......!』ジャキッ
カンダタ『......おい、どこのどいつだ』
ジャキンッ!!
カンダタ『面ァ見せろ』
勇者『......!』
バシャ バシャ
『私もまぜてくれないかねぇ』
勇者『......』
『丁度私も』
勇者『......あなたは』
ザッ
命名官『......悪い事をしたい気分なんじゃよ』
カンダタ『......』
勇者『......何か』
勇者『きっと何か、方法があるはず』
勇者『何か......』
『なかなかに悪い話をしておるね』
一同『『『!!?』』』
カンダタ子分A『誰だっ!!』ジャキッ!!
カンダタ子分B『そこの暗がりから......!』ジャキッ
カンダタ『......おい、どこのどいつだ』
ジャキンッ!!
カンダタ『面ァ見せろ』
勇者『......!』
バシャ バシャ
『私もまぜてくれないかねぇ』
勇者『......』
『丁度私も』
勇者『......あなたは』
ザッ
命名官『......悪い事をしたい気分なんじゃよ』
519: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:05:02.05:2vd8IxII0 (9/12)
――――――――――
遊び人「おばあちゃんが!?」
勇者「うん。神殿の内部の構造や儀式の手順を全部教えてくれたんだ」
遊び人(......名前のおばあちゃん......)
勇者「カンダタや、命名官様が居なかったら......どうなってたか考えるだけで恐ろしいよ」
カンダタ「けっ!!おいガキ、まだ気ィ抜くなつってんだろうがよ」
カンダタ「どうなってたかとか言ってんじゃねえ。まだどうなるか分かんねえんだぜオイ!」
勇者「ああ!ちゃんと気は張っておくよ!」
カンダタ「どうだかなぁ!」
遊び人「で、でも勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「あの勲章は......?国連の勇者の勲章は、誰から......?」
勇者「ああ......」チラ
カンダタ「おい!次ァそっちだ!!枝が低くなってくるから気ぃつけろ野郎共!」
カンダタ子分A「親分に言われずとも気ィつけてますよ」
勇者「......カンダタが持ってたんだ」
遊び人「え......!?」
勇者「理由までは僕も分からない......ただ」
―――――――――
ジャラッ
カンダタ『......これを奴らに見せれば、ちったあ有利になんじゃねえのか』
勇者『!?それっ、国連の勇者の勲章!?三つも!?』
命名官『おや、こりゃ驚いたね』
命名官『確かに、それが三つもあれば只事じゃないと皆理解するじゃろうから、遊び人ちゃんに近づく事はできるかもしれないね』
カンダタ子分A『親分っ......それは』
カンダタ『うるせえ黙ってろ。どう使おうが俺の勝手だろうがよ』
カンダタ子分B『......うす』
勇者『......?』
カンダタ『......ガキ。これ、使え』
―――――――――
勇者「......何か、言いたくない理由がありそうだったよ」
遊び人「......」
カンダタ「前から思ってたけどお前ら結構反抗期よな?」
カンダタ子分D「え、デレ期っすよ。馬鹿じゃねえの?」
カンダタ「それデレなの?」
――――――――――
遊び人「おばあちゃんが!?」
勇者「うん。神殿の内部の構造や儀式の手順を全部教えてくれたんだ」
遊び人(......名前のおばあちゃん......)
勇者「カンダタや、命名官様が居なかったら......どうなってたか考えるだけで恐ろしいよ」
カンダタ「けっ!!おいガキ、まだ気ィ抜くなつってんだろうがよ」
カンダタ「どうなってたかとか言ってんじゃねえ。まだどうなるか分かんねえんだぜオイ!」
勇者「ああ!ちゃんと気は張っておくよ!」
カンダタ「どうだかなぁ!」
遊び人「で、でも勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「あの勲章は......?国連の勇者の勲章は、誰から......?」
勇者「ああ......」チラ
カンダタ「おい!次ァそっちだ!!枝が低くなってくるから気ぃつけろ野郎共!」
カンダタ子分A「親分に言われずとも気ィつけてますよ」
勇者「......カンダタが持ってたんだ」
遊び人「え......!?」
勇者「理由までは僕も分からない......ただ」
―――――――――
ジャラッ
カンダタ『......これを奴らに見せれば、ちったあ有利になんじゃねえのか』
勇者『!?それっ、国連の勇者の勲章!?三つも!?』
命名官『おや、こりゃ驚いたね』
命名官『確かに、それが三つもあれば只事じゃないと皆理解するじゃろうから、遊び人ちゃんに近づく事はできるかもしれないね』
カンダタ子分A『親分っ......それは』
カンダタ『うるせえ黙ってろ。どう使おうが俺の勝手だろうがよ』
カンダタ子分B『......うす』
勇者『......?』
カンダタ『......ガキ。これ、使え』
―――――――――
勇者「......何か、言いたくない理由がありそうだったよ」
遊び人「......」
カンダタ「前から思ってたけどお前ら結構反抗期よな?」
カンダタ子分D「え、デレ期っすよ。馬鹿じゃねえの?」
カンダタ「それデレなの?」
520: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:05:40.07:2vd8IxII0 (10/12)
勇者「でもまあとりあえず、今は逃げる事に専念するだけだ」
カンダタ子分A「今んところ追手は来てねえみてえだ!ルートは一番目を通ってきゃ恐らく追いつかれねえ!」
遊び人「ルート?」
勇者「ああ、逃げ道をいくつか作ってあるんだよ。状況に応じてね」
勇者「今の所、追手が来ていない一番見つかりにくい道を走ってる」
カンダタ子分A「このまま一番目を突っ走れりゃ何も問題は......」
カンダタ子分B「親分!!勇者!!」
勇者「え!?」
カンダタ「何だ!どうした」
カンダタ子分B「後ろのヤツらが!伝言をって!」
カンダタ子分A「なんなんだよどうしたんだ!!」
カンダタ子分B「追手が来やがった!!」
カンダタ子分B「追手の姿を一番後ろのヤツが見たらしい!!!」
カンダタ「......!」
カンダタ子分A「うっそだろオイ......!」
勇者「でもまあとりあえず、今は逃げる事に専念するだけだ」
カンダタ子分A「今んところ追手は来てねえみてえだ!ルートは一番目を通ってきゃ恐らく追いつかれねえ!」
遊び人「ルート?」
勇者「ああ、逃げ道をいくつか作ってあるんだよ。状況に応じてね」
勇者「今の所、追手が来ていない一番見つかりにくい道を走ってる」
カンダタ子分A「このまま一番目を突っ走れりゃ何も問題は......」
カンダタ子分B「親分!!勇者!!」
勇者「え!?」
カンダタ「何だ!どうした」
カンダタ子分B「後ろのヤツらが!伝言をって!」
カンダタ子分A「なんなんだよどうしたんだ!!」
カンダタ子分B「追手が来やがった!!」
カンダタ子分B「追手の姿を一番後ろのヤツが見たらしい!!!」
カンダタ「......!」
カンダタ子分A「うっそだろオイ......!」
521: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:06:09.41:2vd8IxII0 (11/12)
勇者「な、なんでこんな早く......!?」
カンダタ(一番目のルートはわざとしっちゃかめっちゃかな方向へ伸ばしてある)
カンダタ(蹄跡が残らねえ様に、砂煙もたたねえように落ち葉で埋もれた道を選んだ)
カンダタ(それなのに、もう追いつかれちまった......!)
勇者「追いつかれたって事は、僕らが迂遠な道を行ってるのがバレて、その最短距離を来られてるって事だよね......!?」
カンダタ子分A「しかしそれがどうやってバレるんだよッ!もしかして向こうに盗賊職のヤツでもいんのか!?」
カンダタ「いや、それだとしても早すぎるぜ」
勇者「じゃあなんでっ......!」
カンダタ「......空から俺らの動向を探られでもしねえと、こんなに速くは追いつかれねえ」
カンダタ子分A「馬鹿言ってる場合じゃねえって親分!どうする!ルート変えるか!?」
カンダタ「とりあえず、二番目のルートに移行だ!!」
カンダタ「てめえら!!ここが正念場だ!踏ん張ってくぜ!!!」
カンダタ子分達「「「おう!!!!」」」
カンダタ「ガキ!てめえも嬢ちゃんをぜってえ離すんじゃねえぞ!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「......っ」
カンダタ「......へっ」
カンダタ(............用意したルートは全部で5本)
カンダタ(全部使い切る事態にならねえ事を祈るぜ)
勇者「な、なんでこんな早く......!?」
カンダタ(一番目のルートはわざとしっちゃかめっちゃかな方向へ伸ばしてある)
カンダタ(蹄跡が残らねえ様に、砂煙もたたねえように落ち葉で埋もれた道を選んだ)
カンダタ(それなのに、もう追いつかれちまった......!)
勇者「追いつかれたって事は、僕らが迂遠な道を行ってるのがバレて、その最短距離を来られてるって事だよね......!?」
カンダタ子分A「しかしそれがどうやってバレるんだよッ!もしかして向こうに盗賊職のヤツでもいんのか!?」
カンダタ「いや、それだとしても早すぎるぜ」
勇者「じゃあなんでっ......!」
カンダタ「......空から俺らの動向を探られでもしねえと、こんなに速くは追いつかれねえ」
カンダタ子分A「馬鹿言ってる場合じゃねえって親分!どうする!ルート変えるか!?」
カンダタ「とりあえず、二番目のルートに移行だ!!」
カンダタ「てめえら!!ここが正念場だ!踏ん張ってくぜ!!!」
カンダタ子分達「「「おう!!!!」」」
カンダタ「ガキ!てめえも嬢ちゃんをぜってえ離すんじゃねえぞ!!」
勇者「ああ!!」
遊び人「......っ」
カンダタ「......へっ」
カンダタ(............用意したルートは全部で5本)
カンダタ(全部使い切る事態にならねえ事を祈るぜ)
522: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月04日(金) 00:08:50.32:2vd8IxII0 (12/12)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
523:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月04日(金) 00:15:28.85:+osSaQl9O (1/1)
おつ!
おつ!
524:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月04日(金) 01:05:31.26:ch9RCz1r0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
525:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月04日(金) 19:39:28.83:kgPdECgso (1/1)
乙
相変わらずおもしろい
乙
相変わらずおもしろい
526:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月05日(土) 00:21:21.81:ocAgvpxDO (1/1)
乙!!
乙!!
527: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月11日(金) 00:14:39.25:uok5ApLo0 (1/4)
――勇者達の後方――
ドドドッ ドドドッ
ポルトガ兵「エジンベア勇者様!前方より奴らの姿を捕捉したとの伝達が!」
エジンベア勇者「へえ、ホントかい?じゃあこのまま前の彼らに付いていけばいいって事だよね?」
ポルトガ兵「はい!そのようです!」
エジンベア勇者「良かった良かった。やすやす逃げられてしまっては僕も責められるからねぇ」
エジンベア勇者「......しかし」
ポルトガ兵「は、どうかされましたか?」
エジンベア勇者「............前の彼らは、どうやって奴らの行方を追っているんだろうねえ」
ポルトガ兵「......と、いいますと」
エジンベア勇者「ちょっと要領良すぎないかい?奴らが神殿付近を逃げ出してから僕らが追いかけるまで少し時間が空いた」
エジンベア勇者「その間に開いた距離も今じゃ殆ど無い。僕らの馬が特別速いわけでもないだろうし、不思議だ」
ポルトガ兵「た、確かに......ですが、やはり流石といったところではないでしょうか」
エジンベア勇者「ああ......流石」
ドドドッ ドドドッ
サマンオサ兵「......」
エジンベア勇者「流石、サマンオサ兵といったところだね」
ポルトガ兵「最前列の方々は騎士団長様の直属の兵との事です。並々ならぬ修羅場をくぐりぬけてきたのでしょう」
ポルトガ兵「でしたら盗賊の逃げ道を割り出す事は容易い事なのかもしれません」
エジンベア勇者「......かねえ」
エジンベア勇者(なーんか......気味悪いんだよねぇ......)
――――――――――
ダカダッ ダカダッ!
カンダタ子分E「親分!おやぶーん!!」
カンダタ「なんだぁ!」
カンダタ子分F「駄目だ!!この道でも撒けねえ!!アイツら追って来てやがる!!」
カンダタ「......ちッ!!」
カンダタ子分A「ちゃんと一番後ろの奴は罠をかましたんだろ!?それでも駄目だったのかよ!」
勇者「くそっ......!」
遊び人「罠って......?」
カンダタ子分A「昨日仕掛けた罠さ!この四番目には罠を幾つも仕掛けてたんだ!」
カンダタ子分A「木の上に人の目鼻も馬の目鼻も狂っちまう毒粉を大量に包んだ風呂敷を吊るしておいて」
カンダタ子分A「一番後ろの奴が自分が通る際にそれをぶち破って後ろに撒く、みてえな罠とか、他にも色々仕掛けてたんだよ!」
カンダタ「まあ......全部無駄になっちまったみてえだけどなあ!!」
――勇者達の後方――
ドドドッ ドドドッ
ポルトガ兵「エジンベア勇者様!前方より奴らの姿を捕捉したとの伝達が!」
エジンベア勇者「へえ、ホントかい?じゃあこのまま前の彼らに付いていけばいいって事だよね?」
ポルトガ兵「はい!そのようです!」
エジンベア勇者「良かった良かった。やすやす逃げられてしまっては僕も責められるからねぇ」
エジンベア勇者「......しかし」
ポルトガ兵「は、どうかされましたか?」
エジンベア勇者「............前の彼らは、どうやって奴らの行方を追っているんだろうねえ」
ポルトガ兵「......と、いいますと」
エジンベア勇者「ちょっと要領良すぎないかい?奴らが神殿付近を逃げ出してから僕らが追いかけるまで少し時間が空いた」
エジンベア勇者「その間に開いた距離も今じゃ殆ど無い。僕らの馬が特別速いわけでもないだろうし、不思議だ」
ポルトガ兵「た、確かに......ですが、やはり流石といったところではないでしょうか」
エジンベア勇者「ああ......流石」
ドドドッ ドドドッ
サマンオサ兵「......」
エジンベア勇者「流石、サマンオサ兵といったところだね」
ポルトガ兵「最前列の方々は騎士団長様の直属の兵との事です。並々ならぬ修羅場をくぐりぬけてきたのでしょう」
ポルトガ兵「でしたら盗賊の逃げ道を割り出す事は容易い事なのかもしれません」
エジンベア勇者「......かねえ」
エジンベア勇者(なーんか......気味悪いんだよねぇ......)
――――――――――
ダカダッ ダカダッ!
カンダタ子分E「親分!おやぶーん!!」
カンダタ「なんだぁ!」
カンダタ子分F「駄目だ!!この道でも撒けねえ!!アイツら追って来てやがる!!」
カンダタ「......ちッ!!」
カンダタ子分A「ちゃんと一番後ろの奴は罠をかましたんだろ!?それでも駄目だったのかよ!」
勇者「くそっ......!」
遊び人「罠って......?」
カンダタ子分A「昨日仕掛けた罠さ!この四番目には罠を幾つも仕掛けてたんだ!」
カンダタ子分A「木の上に人の目鼻も馬の目鼻も狂っちまう毒粉を大量に包んだ風呂敷を吊るしておいて」
カンダタ子分A「一番後ろの奴が自分が通る際にそれをぶち破って後ろに撒く、みてえな罠とか、他にも色々仕掛けてたんだよ!」
カンダタ「まあ......全部無駄になっちまったみてえだけどなあ!!」
528: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月11日(金) 00:16:16.16:uok5ApLo0 (2/4)
カンダタ「仕方ねえ!おいお前ら!!五番目の方法に移行だ!!」
カンダタ子分達「「「!!」」」
カンダタ子分B「でも親分!いいのかよ!」
カンダタ「仕方ねえっつっただろうが!!もう後はねぇ!!」
カンダタ子分A「っ......おい!!皆!"五番目"だ!布を被れ!!」
カンダタ「被ったら一回全員馬を止めろ!!一塊になれ!!」
遊び人「え!?」
勇者「遊び人!布を被るよ!!」ガバッ
遊び人「ちょっと待って勇者ちゃん!なんで止まっ」
勇者「いいから!!」
――――――――
ダカダッ ダカダッ
エジンベア勇者「......お?」
カンダタ一味「「「......」」」
エジンベア勇者「前方に見えてきたねぇ......!」
ポルトガ勇者「奴ら、止まっていますね......?ついに観念して」
エジンベア勇者「......おいおい」
ポルトガ勇者「え?」
?「今だ!!散れぇっ!!!」
「「「応ッッ!!!!」」」
ダッッ!!!!
エジンベア勇者「アレ、どれが賢者様だよぉ......!?」
ポルトガ兵「こ、小賢しい真似をっ!!!!」
カンダタ「仕方ねえ!おいお前ら!!五番目の方法に移行だ!!」
カンダタ子分達「「「!!」」」
カンダタ子分B「でも親分!いいのかよ!」
カンダタ「仕方ねえっつっただろうが!!もう後はねぇ!!」
カンダタ子分A「っ......おい!!皆!"五番目"だ!布を被れ!!」
カンダタ「被ったら一回全員馬を止めろ!!一塊になれ!!」
遊び人「え!?」
勇者「遊び人!布を被るよ!!」ガバッ
遊び人「ちょっと待って勇者ちゃん!なんで止まっ」
勇者「いいから!!」
――――――――
ダカダッ ダカダッ
エジンベア勇者「......お?」
カンダタ一味「「「......」」」
エジンベア勇者「前方に見えてきたねぇ......!」
ポルトガ勇者「奴ら、止まっていますね......?ついに観念して」
エジンベア勇者「......おいおい」
ポルトガ勇者「え?」
?「今だ!!散れぇっ!!!」
「「「応ッッ!!!!」」」
ダッッ!!!!
エジンベア勇者「アレ、どれが賢者様だよぉ......!?」
ポルトガ兵「こ、小賢しい真似をっ!!!!」
529: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月11日(金) 00:17:10.46:uok5ApLo0 (3/4)
ダカダッ ダカダッ!!
勇者「っ......!」
――――――――――
カンダタ『......最後の方法、"五番目"の逃げ道だが』
カンダタ『同じ色の布を被って、一回固まった後......五個の隊に分かれて逃げる』
カンダタ『このガキと賢者の嬢ちゃんとやらは俺とカンダタ子分Aが引き連れる』
カンダタ『残りの奴らはあらゆる方向に逃げ回れ』
カンダタ『いいか、ぜってぇ捕まんじゃねえぞ。逃げ切りやがれ』
カンダタ『逃げ切ったら......アッサラームで身を潜めてろ』
カンダタ『もし......もし一月経ってもアッサラームに姿を現さなかったら......』
『そんときゃ、いねえ奴は死んだもんだと思え』
――――――――――
勇者(絶対......!絶対に逃げ切るっ......!)
カンダタ子分A「......おい」
勇者「えっ?」
カンダタ子分A「嘘だろ、オイオイオイ」
遊び人「......蹄の音が、全然減らない」
勇者「......!?」
クルッ
勇者「............なんで」
ドドドッ ドドドッ
サマンオサ兵「「「......」」」
勇者(なんで、一人も迷わず僕達を......遊び人を追ってきてるんだよ......ッ!!!?)
カンダタ「......五番目も失敗みてえだなあ」
カンダタ子分A「親分......!」
カンダタ「......」
カンダタ(......――覚悟の決め時か)
ダカダッ ダカダッ!!
勇者「っ......!」
――――――――――
カンダタ『......最後の方法、"五番目"の逃げ道だが』
カンダタ『同じ色の布を被って、一回固まった後......五個の隊に分かれて逃げる』
カンダタ『このガキと賢者の嬢ちゃんとやらは俺とカンダタ子分Aが引き連れる』
カンダタ『残りの奴らはあらゆる方向に逃げ回れ』
カンダタ『いいか、ぜってぇ捕まんじゃねえぞ。逃げ切りやがれ』
カンダタ『逃げ切ったら......アッサラームで身を潜めてろ』
カンダタ『もし......もし一月経ってもアッサラームに姿を現さなかったら......』
『そんときゃ、いねえ奴は死んだもんだと思え』
――――――――――
勇者(絶対......!絶対に逃げ切るっ......!)
カンダタ子分A「......おい」
勇者「えっ?」
カンダタ子分A「嘘だろ、オイオイオイ」
遊び人「......蹄の音が、全然減らない」
勇者「......!?」
クルッ
勇者「............なんで」
ドドドッ ドドドッ
サマンオサ兵「「「......」」」
勇者(なんで、一人も迷わず僕達を......遊び人を追ってきてるんだよ......ッ!!!?)
カンダタ「......五番目も失敗みてえだなあ」
カンダタ子分A「親分......!」
カンダタ「......」
カンダタ(......――覚悟の決め時か)
530: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年09月11日(金) 00:17:40.72:uok5ApLo0 (4/4)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
531:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月11日(金) 00:22:05.73:XDdXBNEUo (1/1)
乙
乙
532:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年09月11日(金) 03:55:41.72:fEYjdJHf0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
533:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月03日(土) 06:46:12.61:hh/25pHAO (1/1)
まだかいね?
まだかいね?
534:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月04日(日) 18:32:21.94:TYLlsCEEo (1/1)
まだ一月も経過していない
まだだいじょうぶ・・・まだ・・・
まだ一月も経過していない
まだだいじょうぶ・・・まだ・・・
535: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:18:26.31:x9NpuQqD0 (1/16)
カンダタ「おい子分A」
カンダタ子分A「なんすか!」
カンダタ「最終分岐点まであとどんくらいだ」
カンダタ子分A「......」
カンダタ「......オイ、どんんくらいだって聞いてんだ」
カンダタ子分A「......っ、......もう少しで着く」
カンダタ「"あの"煙玉はちゃんと持ってるか」
カンダタ子分A「ああ......三つある」
カンダタ「大丈夫だな......昨日俺が言った事は覚えてるか」
カンダタ子分A「......ああ」
カンダタ「じゃあ、実行だ。しくじんなよ」
カンダタ子分A「............」
カンダタ「......オイ、返事が聞こえねえぞ」
カンダタ「昨日言った事、実行だ。わかったか」
カンダタ子分A「......はい」
カンダタ「へっ、それでいい」
勇者「二人共さっきから何話してるのさ!走るのに集中しないと――......」
カンダタ子分A「勇者」
勇者「えっ?何!?」
カンダタ子分A「ルート移行だ」
勇者「......え?」
カンダタ子分A「"六番目"だ。六番目のルートに移行するぜ」
勇者「ちょ、ちょっと待ってよ!昨日の話で五番目は決めたけど六番目なんて決めてなかっただろ!?」
カンダタ「おい、勇者」
勇者「だから何――......え」
勇者(カンダタに名前で呼ばれた......?)
カンダタ「お前、こないだ言ってたよなぁ」
勇者「......?何をさ!」
カンダタ「俺が『人を』殺せないって」
勇者「え?」
カンダタ「てめえ、言ってたよな」
勇者「......う、うん。言ったけど......でもあれは挑発として」
カンダタ「三人だ」
カンダタ「俺は、人生で三回、殺しをやった」
カンダタ「おい子分A」
カンダタ子分A「なんすか!」
カンダタ「最終分岐点まであとどんくらいだ」
カンダタ子分A「......」
カンダタ「......オイ、どんんくらいだって聞いてんだ」
カンダタ子分A「......っ、......もう少しで着く」
カンダタ「"あの"煙玉はちゃんと持ってるか」
カンダタ子分A「ああ......三つある」
カンダタ「大丈夫だな......昨日俺が言った事は覚えてるか」
カンダタ子分A「......ああ」
カンダタ「じゃあ、実行だ。しくじんなよ」
カンダタ子分A「............」
カンダタ「......オイ、返事が聞こえねえぞ」
カンダタ「昨日言った事、実行だ。わかったか」
カンダタ子分A「......はい」
カンダタ「へっ、それでいい」
勇者「二人共さっきから何話してるのさ!走るのに集中しないと――......」
カンダタ子分A「勇者」
勇者「えっ?何!?」
カンダタ子分A「ルート移行だ」
勇者「......え?」
カンダタ子分A「"六番目"だ。六番目のルートに移行するぜ」
勇者「ちょ、ちょっと待ってよ!昨日の話で五番目は決めたけど六番目なんて決めてなかっただろ!?」
カンダタ「おい、勇者」
勇者「だから何――......え」
勇者(カンダタに名前で呼ばれた......?)
カンダタ「お前、こないだ言ってたよなぁ」
勇者「......?何をさ!」
カンダタ「俺が『人を』殺せないって」
勇者「え?」
カンダタ「てめえ、言ってたよな」
勇者「......う、うん。言ったけど......でもあれは挑発として」
カンダタ「三人だ」
カンダタ「俺は、人生で三回、殺しをやった」
536: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:19:01.38:x9NpuQqD0 (2/16)
勇者「......は?」
カンダタ子分A「......」
カンダタ「......俺は悪党だ」
カンダタ「盗みもやった。騙しもやった。追剥した回数も数えきれねえ」
カンダタ「その悪事を働いた時の事なんざこれっぽっちも覚えてねえ......だがな」
カンダタ「殺しをやった時の、得物の柄の感触と奴らの最後の声は、今でも脳味噌全体にこびり付いてる」
カンダタ「その動機と一緒に、今でも俺の感覚に纏わりついて、離れやしねえ」
カンダタ「......動機は、お前にも分かって貰えるようなくだらねえ事さ」
勇者「......」
―――――――――――
ジャラッ
カンダタ『......これを奴らに見せれば、ちったあ有利になんじゃねえのか』
勇者『!?それっ、国連の勇者の勲章!?三つも!?』
カンダタ『......ガキ。これ、使え』
―――――――――――
勇者「......カンダタ、まさか、お前」
ジャキン!!
勇者・遊び人「「!!?」」
カンダタ「......いいか、勇者」
カンダタ「馬を止めたら殺す。追い戻して来たら殺す」
カンダタ「まっすぐ走りきらなけりゃ殺す」
カンダタ「嬢ちゃんを離したら殺す」
カンダタ「逃げ切らなけりゃ......呪い殺す」
勇者「......は?」
カンダタ子分A「......」
カンダタ「......俺は悪党だ」
カンダタ「盗みもやった。騙しもやった。追剥した回数も数えきれねえ」
カンダタ「その悪事を働いた時の事なんざこれっぽっちも覚えてねえ......だがな」
カンダタ「殺しをやった時の、得物の柄の感触と奴らの最後の声は、今でも脳味噌全体にこびり付いてる」
カンダタ「その動機と一緒に、今でも俺の感覚に纏わりついて、離れやしねえ」
カンダタ「......動機は、お前にも分かって貰えるようなくだらねえ事さ」
勇者「......」
―――――――――――
ジャラッ
カンダタ『......これを奴らに見せれば、ちったあ有利になんじゃねえのか』
勇者『!?それっ、国連の勇者の勲章!?三つも!?』
カンダタ『......ガキ。これ、使え』
―――――――――――
勇者「......カンダタ、まさか、お前」
ジャキン!!
勇者・遊び人「「!!?」」
カンダタ「......いいか、勇者」
カンダタ「馬を止めたら殺す。追い戻して来たら殺す」
カンダタ「まっすぐ走りきらなけりゃ殺す」
カンダタ「嬢ちゃんを離したら殺す」
カンダタ「逃げ切らなけりゃ......呪い殺す」
537: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:19:34.07:x9NpuQqD0 (3/16)
勇者「......待って、待ってよカンダタ」
勇者「お前さっきから何を言ってるんだよ......!早く一緒に――......」
カンダタ子分A「親分!目印が見えた!最後の分岐点だ!」
カンダタ「よっしゃあ、子分A!"あの"煙玉だ!」
カンダタ子分A「おう!!......っだらっしゃあ!!!」
ブンッ!!!!
ボォン!!!!
勇者「うわっ!?」
遊び人(煙玉を上空に!?)
カンダタ(今から通過する分岐点から先は木の葉が濃い。四方八方からの視界を防ぐ事ができらあ)
カンダタ(だが突入前に保険......"さっきから違和感を感じる上方"から姿を隠す為に、粒の軽い色粉末で作った、上に舞い上がりやすい煙幕を上にぶちまける!!)
カンダタ(そして――......!)
ザッ!!
遊び人「!?」
勇者「っ!?カンダタ!!?」
カンダタ(......俺はここで)
奴らを、国連の犬共を迎え撃つ!
勇者「......待って、待ってよカンダタ」
勇者「お前さっきから何を言ってるんだよ......!早く一緒に――......」
カンダタ子分A「親分!目印が見えた!最後の分岐点だ!」
カンダタ「よっしゃあ、子分A!"あの"煙玉だ!」
カンダタ子分A「おう!!......っだらっしゃあ!!!」
ブンッ!!!!
ボォン!!!!
勇者「うわっ!?」
遊び人(煙玉を上空に!?)
カンダタ(今から通過する分岐点から先は木の葉が濃い。四方八方からの視界を防ぐ事ができらあ)
カンダタ(だが突入前に保険......"さっきから違和感を感じる上方"から姿を隠す為に、粒の軽い色粉末で作った、上に舞い上がりやすい煙幕を上にぶちまける!!)
カンダタ(そして――......!)
ザッ!!
遊び人「!?」
勇者「っ!?カンダタ!!?」
カンダタ(......俺はここで)
奴らを、国連の犬共を迎え撃つ!
538: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:20:12.66:x9NpuQqD0 (4/16)
勇者「カンダタ!!カンッ......」
ジャキッ!!
勇者「!」
カンダタ子分A「......立ち止まんな!」
カンダタ子分A「さっき親分が言った事忘れたのか!手綱しっかり持ってやがれ!!」
勇者「でっ......でも!」
カンダタ「......」
勇者「......――!」
ゴソッ
勇者「......っ!カンダタ!!!!!」
ブンッ!
カンダタ「あん?......っとと」
パシッ!
カンダタ「............なんだこりゃあ」
勇者「報酬の"前金"だ!!!!」
勇者「あとは直接手で渡す!!!だからっ」
勇者「だから!!!絶対受け取りに来いよ!!!!!」
勇者「その時まで!ずっと、ずっと待ってるからな!!!」
ドドドッ ドドドッ...
ドド......
...
・
カンダタ「......」
カンダタ「......バカか」
カンダタ「バカか、アイツ」
勇者「カンダタ!!カンッ......」
ジャキッ!!
勇者「!」
カンダタ子分A「......立ち止まんな!」
カンダタ子分A「さっき親分が言った事忘れたのか!手綱しっかり持ってやがれ!!」
勇者「でっ......でも!」
カンダタ「......」
勇者「......――!」
ゴソッ
勇者「......っ!カンダタ!!!!!」
ブンッ!
カンダタ「あん?......っとと」
パシッ!
カンダタ「............なんだこりゃあ」
勇者「報酬の"前金"だ!!!!」
勇者「あとは直接手で渡す!!!だからっ」
勇者「だから!!!絶対受け取りに来いよ!!!!!」
勇者「その時まで!ずっと、ずっと待ってるからな!!!」
ドドドッ ドドドッ...
ドド......
...
・
カンダタ「......」
カンダタ「......バカか」
カンダタ「バカか、アイツ」
539: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:21:36.73:x9NpuQqD0 (5/16)
ダカダッ ダカダッ
「おい!こっちでいいのか!?」
「だって前のサマンオサの奴らが――......!!」
エジンベア勇者「どうしたんだい前の衆?」
ダーマ兵「どうやら煙幕を撒かれ、相手を見失ったようです!」
エジンベア勇者「......?ふうん?」
エジンベア勇者(煙幕?確かに上の方が煙っぽくはあるけど、別にさっき目潰しを撒かれた時と大差は無いように感じるけど......)
エジンベア勇者「......ちょっと前の方に行って来るよ。ふっ!」
バシン ヒヒィーン!!
ダカダッ ダカダッ!!
エジンベア勇者(なんか、妙なんだよねホント。サマンオサの人ら......ちょっと嫌なカンジ)
エジンベア勇者「あ、いたいた。ねえねえ君たちー!」
サマンオサ兵「......なんでしょう」
エジンベア勇者「ねえ、賢者様を見失ったってホントに......」
サマンオサ兵「......――!!居たっ!!!!」
エジンベア勇者「え?」
カンダタ「......」
エジンベア勇者「......一人?」
エジンベア勇者(賢者様はどうしたんだ?この先に逃げたのか?)
エジンベア勇者(なんでコイツは逃げない?なんで仁王立ちでこっちを伺って)
エジンベア勇者(あ、やばい、やな予感しかしない)
エジンベア勇者(これ、多分罠だ)
ダカダッ ダカダッ
「おい!こっちでいいのか!?」
「だって前のサマンオサの奴らが――......!!」
エジンベア勇者「どうしたんだい前の衆?」
ダーマ兵「どうやら煙幕を撒かれ、相手を見失ったようです!」
エジンベア勇者「......?ふうん?」
エジンベア勇者(煙幕?確かに上の方が煙っぽくはあるけど、別にさっき目潰しを撒かれた時と大差は無いように感じるけど......)
エジンベア勇者「......ちょっと前の方に行って来るよ。ふっ!」
バシン ヒヒィーン!!
ダカダッ ダカダッ!!
エジンベア勇者(なんか、妙なんだよねホント。サマンオサの人ら......ちょっと嫌なカンジ)
エジンベア勇者「あ、いたいた。ねえねえ君たちー!」
サマンオサ兵「......なんでしょう」
エジンベア勇者「ねえ、賢者様を見失ったってホントに......」
サマンオサ兵「......――!!居たっ!!!!」
エジンベア勇者「え?」
カンダタ「......」
エジンベア勇者「......一人?」
エジンベア勇者(賢者様はどうしたんだ?この先に逃げたのか?)
エジンベア勇者(なんでコイツは逃げない?なんで仁王立ちでこっちを伺って)
エジンベア勇者(あ、やばい、やな予感しかしない)
エジンベア勇者(これ、多分罠だ)
540: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:22:05.55:x9NpuQqD0 (6/16)
ガバァッ!!
エジンベア勇者「っ......!後方!直進するな!!最後方のヤツは止まるよう伝達しろ!!!」
エジンベア勇者「前方の奴ら!!!進路を至急――......」
カンダタ「おせえよ、カスタコが」
ズッ
サマンオサ兵「「「!!!?」」」
ポルトガ兵「うおぉっ!!?」
ダーマ兵「これはっ......!」
エジンベア勇者(落とし、穴っッ......!!!!!)
カンダタ「定員オーバーだ」
カンダタ「沈んでカスムシみてえにもがけ。ゲロクソ野郎共」
ズドドドドドドドオ!!!!!!
ガバァッ!!
エジンベア勇者「っ......!後方!直進するな!!最後方のヤツは止まるよう伝達しろ!!!」
エジンベア勇者「前方の奴ら!!!進路を至急――......」
カンダタ「おせえよ、カスタコが」
ズッ
サマンオサ兵「「「!!!?」」」
ポルトガ兵「うおぉっ!!?」
ダーマ兵「これはっ......!」
エジンベア勇者(落とし、穴っッ......!!!!!)
カンダタ「定員オーバーだ」
カンダタ「沈んでカスムシみてえにもがけ。ゲロクソ野郎共」
ズドドドドドドドオ!!!!!!
541: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:22:43.17:x9NpuQqD0 (7/16)
ドドドォッ ドポォ!!
「わあああああ!!!!」
「後方!!止まれ!!押すな!!おすっ うわああああっ!!!!」
「馬がっ!!馬が上にっ」
「な、なんだこれ、沼!!!?沈んでいくっ」
エジンベア勇者「ぶはぁっ!!たはっ」
エジンベア勇者「っ!!毒の、沼......!!?」
カンダタ「けはははは!!!いい眺めだなあ!?」
エジンベア勇者「っ、やってくれたねぇ......!?」
カンダタ「見事に大量にかかってくれたな。統率が取れ過ぎて纏まりすぎちまった隊列っつうのも困ったもんだろ?」
エジンベア勇者「このっ......」
ガシッ!!
エジンベア勇者「ふっ......!く、!」
カンダタ「這い上がろうとしてんのか?無駄無駄だボケ。その沼の毒で手足が痺れちまってるだろ。超即効性だぜその毒」
カンダタ「それに淵には時間が無かったから申し訳程度だが、蝋が塗ってある。ま、諦めな」
エジンベア勇者「ごのっ!くふっ......この、毒沼の落とし穴全部お前が作ったのかい......!?」
カンダタ「全部用意できるかバァーカ。ここにでけえ毒の沼があったから利用させて貰ったのよ」
カンダタ「落とし穴を作るのは俺の十八番だからなァ。使う枝の種類や配置、上の腐葉土や落ち葉の被せ方......全て熟知してる」
カンダタ「人を乗せた馬が大勢一度に乗れば広範囲の枝が耐えられなくなって沈むように全て即席で作るぐらいワケねえさ」
エジンベア勇者「......だいぶ、魔物らしくないねっ......!」
カンダタ「......魔物?」
ポルトガ兵「とぼけるな悪党め!!」
ダーマ兵「あの魔物の男に味方していただろう!!貴様も魔物なのでは」
カンダタ「 あ ? 」
ポルトガ兵・ダーマ兵「「っ......!?」」ゾッ...
カンダタ「あのガキが魔物?魔物だって言いてえのか?てめえら?」
エジンベア勇者「......違うとでも、言いたそうな顔だね?」
カンダタ「......」
カンダタ「くくっ......!ははっ、いや、傑作だね」
ドスン
カンダタ「よっこらせ......と。だが残念だが俺は魔族でもなんでもねえ。ただの人間の悪党さ」
エジンベア勇者「......?だったら何故お前はあの男に味方するんだい?」
カンダタ「......なあ、お前」
エジンベア勇者「え?僕かい?」
カンダタ「その勲章......国連の勇者だよな?」
エジンベア勇者「それがなんの――......」
カンダタ「お前、なんで国連の勇者になった?」
ドドドォッ ドポォ!!
「わあああああ!!!!」
「後方!!止まれ!!押すな!!おすっ うわああああっ!!!!」
「馬がっ!!馬が上にっ」
「な、なんだこれ、沼!!!?沈んでいくっ」
エジンベア勇者「ぶはぁっ!!たはっ」
エジンベア勇者「っ!!毒の、沼......!!?」
カンダタ「けはははは!!!いい眺めだなあ!?」
エジンベア勇者「っ、やってくれたねぇ......!?」
カンダタ「見事に大量にかかってくれたな。統率が取れ過ぎて纏まりすぎちまった隊列っつうのも困ったもんだろ?」
エジンベア勇者「このっ......」
ガシッ!!
エジンベア勇者「ふっ......!く、!」
カンダタ「這い上がろうとしてんのか?無駄無駄だボケ。その沼の毒で手足が痺れちまってるだろ。超即効性だぜその毒」
カンダタ「それに淵には時間が無かったから申し訳程度だが、蝋が塗ってある。ま、諦めな」
エジンベア勇者「ごのっ!くふっ......この、毒沼の落とし穴全部お前が作ったのかい......!?」
カンダタ「全部用意できるかバァーカ。ここにでけえ毒の沼があったから利用させて貰ったのよ」
カンダタ「落とし穴を作るのは俺の十八番だからなァ。使う枝の種類や配置、上の腐葉土や落ち葉の被せ方......全て熟知してる」
カンダタ「人を乗せた馬が大勢一度に乗れば広範囲の枝が耐えられなくなって沈むように全て即席で作るぐらいワケねえさ」
エジンベア勇者「......だいぶ、魔物らしくないねっ......!」
カンダタ「......魔物?」
ポルトガ兵「とぼけるな悪党め!!」
ダーマ兵「あの魔物の男に味方していただろう!!貴様も魔物なのでは」
カンダタ「 あ ? 」
ポルトガ兵・ダーマ兵「「っ......!?」」ゾッ...
カンダタ「あのガキが魔物?魔物だって言いてえのか?てめえら?」
エジンベア勇者「......違うとでも、言いたそうな顔だね?」
カンダタ「......」
カンダタ「くくっ......!ははっ、いや、傑作だね」
ドスン
カンダタ「よっこらせ......と。だが残念だが俺は魔族でもなんでもねえ。ただの人間の悪党さ」
エジンベア勇者「......?だったら何故お前はあの男に味方するんだい?」
カンダタ「......なあ、お前」
エジンベア勇者「え?僕かい?」
カンダタ「その勲章......国連の勇者だよな?」
エジンベア勇者「それがなんの――......」
カンダタ「お前、なんで国連の勇者になった?」
542: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:23:36.83:x9NpuQqD0 (8/16)
エジンベア勇者「......は?」
カンダタ「......」
エジンベア勇者「......覚えていないし、お前に言うつもりも無いさ」
エジンベア勇者「だから、それが何の関係が――......」
カンダタ「俺はよ」
エジンベア勇者「?」
カンダタ「こっから北の、ちいせえ集落で生まれ育った。ゴロツキや悪党が集まる、クソみてえな集落さ」
エジンベア勇者「お前の身の上話なんて聴きたくないんだよねえ......!!」
カンダタ「まあ聴けよ。どうせそっからは助けがこねえと抜け出せねえんだからよ」
カンダタ「......しかしまあ、そんなクソみてえな所でも、俺にとっちゃ故郷だった」
カンダタ「お袋と、妹や弟達と......中々に楽しくやってた」
カンダタ「だがある日、近所の王国が集落を掃除にやって来た」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......悪党が作った集落だ。邪魔だったんだろうよ」
カンダタ「村の男達は真っ先に殺されて、俺たち女子供は大きく掘られた穴の中に全員集められた」
カンダタ「だが俺は運良く山に遊びに行ってて無事だったんだ......俺だけ」
カンダタ「俺だけ、無事だった」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「俺はお袋や弟妹達が入れられた穴を遠くから見て、必死に他の誰かに助けを求めに行ったよ」
カンダタ「そこで......旅をしている奴らに会った」
―――――――――――
―集落近くの道―
『君!どうしたんだ!?』
『足の裏が血まみれじゃないか、満身創痍だし、一体』
カンダタ『はぁっ、はぁっ、に、兄ちゃん達』
カンダタ『助けてっ......!助けて!母さんが!妹達もっ、殺される!』
『何っ!?魔物か!?』
カンダタ『違う!とにかく、すぐそこなんだ!早く来てっ!』
エジンベア勇者「......は?」
カンダタ「......」
エジンベア勇者「......覚えていないし、お前に言うつもりも無いさ」
エジンベア勇者「だから、それが何の関係が――......」
カンダタ「俺はよ」
エジンベア勇者「?」
カンダタ「こっから北の、ちいせえ集落で生まれ育った。ゴロツキや悪党が集まる、クソみてえな集落さ」
エジンベア勇者「お前の身の上話なんて聴きたくないんだよねえ......!!」
カンダタ「まあ聴けよ。どうせそっからは助けがこねえと抜け出せねえんだからよ」
カンダタ「......しかしまあ、そんなクソみてえな所でも、俺にとっちゃ故郷だった」
カンダタ「お袋と、妹や弟達と......中々に楽しくやってた」
カンダタ「だがある日、近所の王国が集落を掃除にやって来た」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......悪党が作った集落だ。邪魔だったんだろうよ」
カンダタ「村の男達は真っ先に殺されて、俺たち女子供は大きく掘られた穴の中に全員集められた」
カンダタ「だが俺は運良く山に遊びに行ってて無事だったんだ......俺だけ」
カンダタ「俺だけ、無事だった」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「俺はお袋や弟妹達が入れられた穴を遠くから見て、必死に他の誰かに助けを求めに行ったよ」
カンダタ「そこで......旅をしている奴らに会った」
―――――――――――
―集落近くの道―
『君!どうしたんだ!?』
『足の裏が血まみれじゃないか、満身創痍だし、一体』
カンダタ『はぁっ、はぁっ、に、兄ちゃん達』
カンダタ『助けてっ......!助けて!母さんが!妹達もっ、殺される!』
『何っ!?魔物か!?』
カンダタ『違う!とにかく、すぐそこなんだ!早く来てっ!』
543: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:24:03.14:x9NpuQqD0 (9/16)
............
――集落――
タッタッタ
カンダタ『ここだよ!この中で』
某国の騎士『止まれ!』
カンダタ『!』
某国の騎士『貴様ら何者だ!』ジャキッ
『旅の者だ。ロマリア国から魔族を退治する命を受けて旅をしている』
『私はカザーブの認可を受けて旅をしている者です』
某国の騎士『......国認定の旅人の方々でしたか。これは失礼を』チャキッ
『一体、この中で何をされているんですか?』
某国の騎士『ああ、実は』
......
某国の騎士『......――という事です。つまり悪党共を粛清しているのです』
『......』
『......』
某国の騎士『見た所、御二方も戦いに心得があると御見受けしました』
某国の騎士『穴の中で、そして女子供だとはいえ、腕のたつ悪党も少々居りまして......少し手こずっておるのです』
某国の騎士『御二方も、"掃除"を手伝っていただけませんか?』
某国の騎士『御礼は致します。それに......些細なことでも、国同士が手を組んだという事実があれば国間の仲も円滑にいきやすくなるのでは?』
カンダタ『(些細な、こと?)』
カンダタ『ねえ......ねえ兄ちゃんたち!こんな奴いいから早く助けてよ!』
カンダタ『......』
カンダタ『兄ちゃん、たち......?』
――――――――
カンダタ「今でも思い出すぜ」
カンダタ「それまで二人の義憤に強張っていた顔が」
――――――――
『......』
『......』
――――――――
カンダタ「次第に複雑に歪みだす様を」
............
――集落――
タッタッタ
カンダタ『ここだよ!この中で』
某国の騎士『止まれ!』
カンダタ『!』
某国の騎士『貴様ら何者だ!』ジャキッ
『旅の者だ。ロマリア国から魔族を退治する命を受けて旅をしている』
『私はカザーブの認可を受けて旅をしている者です』
某国の騎士『......国認定の旅人の方々でしたか。これは失礼を』チャキッ
『一体、この中で何をされているんですか?』
某国の騎士『ああ、実は』
......
某国の騎士『......――という事です。つまり悪党共を粛清しているのです』
『......』
『......』
某国の騎士『見た所、御二方も戦いに心得があると御見受けしました』
某国の騎士『穴の中で、そして女子供だとはいえ、腕のたつ悪党も少々居りまして......少し手こずっておるのです』
某国の騎士『御二方も、"掃除"を手伝っていただけませんか?』
某国の騎士『御礼は致します。それに......些細なことでも、国同士が手を組んだという事実があれば国間の仲も円滑にいきやすくなるのでは?』
カンダタ『(些細な、こと?)』
カンダタ『ねえ......ねえ兄ちゃんたち!こんな奴いいから早く助けてよ!』
カンダタ『......』
カンダタ『兄ちゃん、たち......?』
――――――――
カンダタ「今でも思い出すぜ」
カンダタ「それまで二人の義憤に強張っていた顔が」
――――――――
『......』
『......』
――――――――
カンダタ「次第に複雑に歪みだす様を」
544: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:25:08.56:x9NpuQqD0 (10/16)
カンダタ「まだ国同士が戦争の名残でギクシャクしてた時だ」
カンダタ「何かきっかけを作っておきたかったんだろうよ......あれは半分、脅しだった」
―――――――――
カンダタ『......兄ちゃん達......?』
『......悪党の数は?』
カンダタ『!!?』
『御手伝いしましょう』
某国の騎士『おお!かたじけない!』
カンダタ『なんでっ、なんでっ』
『じゃあまずは――......』
ザシュン
カンダタ『......ぱフォっ』
『......この子から』
カンダタ『ぐぁああああああああ!!!!!』
痛い!痛い!痛い!痛い!
顔を斬られた!顔を斬られた!
カンダタ「まだ国同士が戦争の名残でギクシャクしてた時だ」
カンダタ「何かきっかけを作っておきたかったんだろうよ......あれは半分、脅しだった」
―――――――――
カンダタ『......兄ちゃん達......?』
『......悪党の数は?』
カンダタ『!!?』
『御手伝いしましょう』
某国の騎士『おお!かたじけない!』
カンダタ『なんでっ、なんでっ』
『じゃあまずは――......』
ザシュン
カンダタ『......ぱフォっ』
『......この子から』
カンダタ『ぐぁああああああああ!!!!!』
痛い!痛い!痛い!痛い!
顔を斬られた!顔を斬られた!
545: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:25:51.76:x9NpuQqD0 (11/16)
ガシッ
カンダタ『!?』
『......ごめんよ』
『仕方ないんだ、ごめんよ』
『ごめんよぉ』
カンダタ『っ』ゾゾゾッ
ダッ!!
『あっ!』
カンダタ『ひっ......ひぶっ......!』タッタタ
『逃げたぞっ!何してるんだ!』
某国の騎士『まあ、一匹くらい良いでしょう。さあ、こっちです』
――――――――
タッタッタ
カンダタ『はぁっ!はぁっ!』
斬られた 痛い
痛い、斬られた
カンダタ『はぁっ!はぁっ!』
でも、戻らなきゃ
戻って、皆を助けなきゃ
でも
僕一人で?
どうやって?
怖い
怖いよ
痛いのは、やだ
死ぬのは、やだよ
ガシッ
カンダタ『!?』
『......ごめんよ』
『仕方ないんだ、ごめんよ』
『ごめんよぉ』
カンダタ『っ』ゾゾゾッ
ダッ!!
『あっ!』
カンダタ『ひっ......ひぶっ......!』タッタタ
『逃げたぞっ!何してるんだ!』
某国の騎士『まあ、一匹くらい良いでしょう。さあ、こっちです』
――――――――
タッタッタ
カンダタ『はぁっ!はぁっ!』
斬られた 痛い
痛い、斬られた
カンダタ『はぁっ!はぁっ!』
でも、戻らなきゃ
戻って、皆を助けなきゃ
でも
僕一人で?
どうやって?
怖い
怖いよ
痛いのは、やだ
死ぬのは、やだよ
546: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:26:34.23:x9NpuQqD0 (12/16)
・
...
......
............
カンダタ「......次の日、集落の場所に行ったら、穴は埋められてた」
カンダタ「掘り返したら、地中深い所からグチャグチャの肉や焼け焦げた肉が出てくるだけだったよ」
カンダタ「お袋の、弟達の、妹の、肉と骨は全部一緒にごちゃ混ぜになってた」
エジンベア勇者「......!」
ダーマ兵「......っ」
ポルトガ勇者「......う」
バサッ...
カンダタ「ほら、この傷がその時カザーブの奴に付けられた傷だ」
カンダタ「この傷だけは、回復呪文なんて使わずに、そのままにしてんだ。忘れねえ為にな」
カンダタ「......この傷を付けた奴と、一緒に居た奴は......しばらく経った後、勇者になってたよ」
カンダタ「国連の勲章を、得意気にぶら下げてな」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......なあ、お前ならどうした?」
カンダタ「お前が騎士に手伝えって言われたら、どうした?」
カンダタ「殺したか?大義名分の下に、悪党どもを殺したか?」
カンダタ「もし、お前が」
カンダタ「もしお前が、俺だったら」
カンダタ「あの時、戻って、皆を助けるために、足掻いたか?」
カンダタ「......なあ」
カンダタ「お袋や、妹や、弟達は、何をしたんだ?」
カンダタ「なんで殺された?悪事を働いてないあいつらが、なんで」
カンダタ「......なあ」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......あいつは」
カンダタ「あのガキなら」
カンダタ「勇者なら、殺さねえ」
カンダタ「勇者なら、逃げねえ」
カンダタ「加護も無いくせに、ツレを守る為に後先考えねえ男だ」
カンダタ「あいつなら、国に逆らっても、殺さねえ」
カンダタ「あいつが俺だったなら、皆を助ける為に、諦めねえ」
・
...
......
............
カンダタ「......次の日、集落の場所に行ったら、穴は埋められてた」
カンダタ「掘り返したら、地中深い所からグチャグチャの肉や焼け焦げた肉が出てくるだけだったよ」
カンダタ「お袋の、弟達の、妹の、肉と骨は全部一緒にごちゃ混ぜになってた」
エジンベア勇者「......!」
ダーマ兵「......っ」
ポルトガ勇者「......う」
バサッ...
カンダタ「ほら、この傷がその時カザーブの奴に付けられた傷だ」
カンダタ「この傷だけは、回復呪文なんて使わずに、そのままにしてんだ。忘れねえ為にな」
カンダタ「......この傷を付けた奴と、一緒に居た奴は......しばらく経った後、勇者になってたよ」
カンダタ「国連の勲章を、得意気にぶら下げてな」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......なあ、お前ならどうした?」
カンダタ「お前が騎士に手伝えって言われたら、どうした?」
カンダタ「殺したか?大義名分の下に、悪党どもを殺したか?」
カンダタ「もし、お前が」
カンダタ「もしお前が、俺だったら」
カンダタ「あの時、戻って、皆を助けるために、足掻いたか?」
カンダタ「......なあ」
カンダタ「お袋や、妹や、弟達は、何をしたんだ?」
カンダタ「なんで殺された?悪事を働いてないあいつらが、なんで」
カンダタ「......なあ」
エジンベア勇者「......」
カンダタ「......あいつは」
カンダタ「あのガキなら」
カンダタ「勇者なら、殺さねえ」
カンダタ「勇者なら、逃げねえ」
カンダタ「加護も無いくせに、ツレを守る為に後先考えねえ男だ」
カンダタ「あいつなら、国に逆らっても、殺さねえ」
カンダタ「あいつが俺だったなら、皆を助ける為に、諦めねえ」
547: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:27:08.48:x9NpuQqD0 (13/16)
カンダタ「......あいつが、魔物?んなわけあるかよ」
カンダタ「お前ら、何やってんだ?」
カンダタ「魔王を倒すのがお前らの仕事じゃなかったのか?」
カンダタ「国に命令されてしっぽ振って、何も考えず"人間"一人追い回して」
ギリィッ!!
カンダタ「てめえらは犬だ!!!!!」
カンダタ「正義もクソもねえ!!!!勇ましくもなんともねえ!!!!!」
カンダタ「死から遠い所で、首輪付けられて尻尾振って肉棒おっ勃てて喜んでる」
カンダタ「犬畜生さ!!!!お前らはよ!!!!!!」
エジンベア勇者「っ......!!!!」
ギギィッ...!!!
エジンベア勇者「僕を、見下すな悪党ォ......!!!!!」
「犬以下が吼えよるじゃん」
ダーマ兵「!!」
ポルトガ兵「あっ!!」
エジンベア勇者「!?」
ヒュン!
カンダタ「!!!」
ガキィン!!!!
ズザァッ...
カンダタ「くっ......!」
カンダタ「......援軍のお出ましか」
ジパング勇者「全く、勇者っちに逃げられたかと思えば」
ジパング勇者「こんなムサい男の御相手とはちょっと滅入るよね」
カンダタ「......あいつが、魔物?んなわけあるかよ」
カンダタ「お前ら、何やってんだ?」
カンダタ「魔王を倒すのがお前らの仕事じゃなかったのか?」
カンダタ「国に命令されてしっぽ振って、何も考えず"人間"一人追い回して」
ギリィッ!!
カンダタ「てめえらは犬だ!!!!!」
カンダタ「正義もクソもねえ!!!!勇ましくもなんともねえ!!!!!」
カンダタ「死から遠い所で、首輪付けられて尻尾振って肉棒おっ勃てて喜んでる」
カンダタ「犬畜生さ!!!!お前らはよ!!!!!!」
エジンベア勇者「っ......!!!!」
ギギィッ...!!!
エジンベア勇者「僕を、見下すな悪党ォ......!!!!!」
「犬以下が吼えよるじゃん」
ダーマ兵「!!」
ポルトガ兵「あっ!!」
エジンベア勇者「!?」
ヒュン!
カンダタ「!!!」
ガキィン!!!!
ズザァッ...
カンダタ「くっ......!」
カンダタ「......援軍のお出ましか」
ジパング勇者「全く、勇者っちに逃げられたかと思えば」
ジパング勇者「こんなムサい男の御相手とはちょっと滅入るよね」
548: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:27:35.57:x9NpuQqD0 (14/16)
ワァッ!!
ダーマ兵「ジパング勇者様!!」
ポルトガ兵「お願いします!沼から抜け出せず......!」
ジパング勇者「なんで揃いも揃ってみんなお沼に嵌ってさあ大変状態なんじゃよ......」
ジパング勇者「まあまっとれまっとれ☆すぐに」
ガキィン!!!
カンダタ「......!!」
ジパング勇者「......この犬以下を片付けるからねっ☆」
ガキン!!
シュバッ ズザァッ!!
カンダタ「......」
ジパング勇者「お?彼我の実力差をもう弁えたようじゃね?」
カンダタ(あー......こりゃ、ダメだな)
ジパング勇者「犬以下の癖に少しはできるようじゃの」
カンダタ(......こいつ、強すぎる)
カンダタ(ま、でも)
――――――――――
ドドドッ ドドドッ
勇者「っ......!」
遊び人「......!」
――――――――――
カンダタ(時間は十分に稼げたな)
カンダタ(......ちゃんと守れよ、勇者)
ジパング勇者「さて、どうわらわに立ち向かうつもり?」
ジパング勇者「わらわには隙なんてないよ?」
ジパング勇者「さっきの話聞いた限り、もう落とし穴も、というか罠自体ないんじゃろ」
ジパング勇者「さっさと諦めてくりゃれよ。ムサい男を縊る性癖なんてわらわには――......」
ワァッ!!
ダーマ兵「ジパング勇者様!!」
ポルトガ兵「お願いします!沼から抜け出せず......!」
ジパング勇者「なんで揃いも揃ってみんなお沼に嵌ってさあ大変状態なんじゃよ......」
ジパング勇者「まあまっとれまっとれ☆すぐに」
ガキィン!!!
カンダタ「......!!」
ジパング勇者「......この犬以下を片付けるからねっ☆」
ガキン!!
シュバッ ズザァッ!!
カンダタ「......」
ジパング勇者「お?彼我の実力差をもう弁えたようじゃね?」
カンダタ(あー......こりゃ、ダメだな)
ジパング勇者「犬以下の癖に少しはできるようじゃの」
カンダタ(......こいつ、強すぎる)
カンダタ(ま、でも)
――――――――――
ドドドッ ドドドッ
勇者「っ......!」
遊び人「......!」
――――――――――
カンダタ(時間は十分に稼げたな)
カンダタ(......ちゃんと守れよ、勇者)
ジパング勇者「さて、どうわらわに立ち向かうつもり?」
ジパング勇者「わらわには隙なんてないよ?」
ジパング勇者「さっきの話聞いた限り、もう落とし穴も、というか罠自体ないんじゃろ」
ジパング勇者「さっさと諦めてくりゃれよ。ムサい男を縊る性癖なんてわらわには――......」
549: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:28:06.33:x9NpuQqD0 (15/16)
キンッ!!!!
ジパング勇者「!!!?」
バシッ!
ジパング勇者「っ......!これは」
ジパング勇者(1ゴールド金貨......!)
ヒュンッ!!!!
ジパング勇者「!!」
ガキィィン!!!!!
カンダタ「......っ!!!!」グググ...!
ジパング勇者「姑息な手を使いよるじゃん......!!」グググ...!
ヒュンッ!
ガキィン!!ガキィン!!
カンダタ「っ、っ!!」
ジパング勇者「今の、さっき勇者っちに貰った金貨じゃろうっ!?」
ジパング勇者「大切にしなくていいのかえ!?」
カンダタ「やっぱ、さっきの上からの気配、てめえだったか」
ジパング勇者「......」ピタッ
ズザァッ!!
ジパング勇者「......」
ジャキッ
ジパング勇者「お前、もう殺すわ」
ジパング勇者「あの金貨、本当に勿体無い事したのう?」
ジパング勇者「地獄の門番に渡すワイロにでもすればよかったじゃろうに」
カンダタ「地獄の沙汰を渡るのに、金も何も必要あるものかよ」
カンダタ「この身一つあればいい」
ジャキン!!!!
カンダタ「来いよ犬畜生!!!!俺は悪党だ!!!」
カンダタ「大盗賊、カンダタ様だ!!!!」
キンッ!!!!
ジパング勇者「!!!?」
バシッ!
ジパング勇者「っ......!これは」
ジパング勇者(1ゴールド金貨......!)
ヒュンッ!!!!
ジパング勇者「!!」
ガキィィン!!!!!
カンダタ「......っ!!!!」グググ...!
ジパング勇者「姑息な手を使いよるじゃん......!!」グググ...!
ヒュンッ!
ガキィン!!ガキィン!!
カンダタ「っ、っ!!」
ジパング勇者「今の、さっき勇者っちに貰った金貨じゃろうっ!?」
ジパング勇者「大切にしなくていいのかえ!?」
カンダタ「やっぱ、さっきの上からの気配、てめえだったか」
ジパング勇者「......」ピタッ
ズザァッ!!
ジパング勇者「......」
ジャキッ
ジパング勇者「お前、もう殺すわ」
ジパング勇者「あの金貨、本当に勿体無い事したのう?」
ジパング勇者「地獄の門番に渡すワイロにでもすればよかったじゃろうに」
カンダタ「地獄の沙汰を渡るのに、金も何も必要あるものかよ」
カンダタ「この身一つあればいい」
ジャキン!!!!
カンダタ「来いよ犬畜生!!!!俺は悪党だ!!!」
カンダタ「大盗賊、カンダタ様だ!!!!」
550: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月07日(水) 12:28:33.57:x9NpuQqD0 (16/16)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
551:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月07日(水) 18:50:46.18:Fcgs5RyWO (1/1)
おつ
おつ
552:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月07日(水) 19:50:22.68:kkvitn220 (1/1)
乙でございます
乙でございます
553:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月07日(水) 23:25:21.83:H8V/nqiFo (1/1)
乙
乙
554:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月08日(木) 00:47:39.46:SFErI1+DO (1/1)
乙!!
乙!!
555:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月08日(木) 08:26:27.68:c48SFI0EO (1/1)
乙です
熱いぜカンダタ
乙です
熱いぜカンダタ
556: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:37:24.83:5eTPmo210 (1/9)
・
...
......
............
パカラッ パカラッ
勇者「......」
遊び人「......」
カンダタ子分A「......!見ろ、森を抜けるぞ」
――ダーマ北・高台――
パカラッ パカラッ
ズザァッ......
勇者「......追っ手は」
カンダタ子分A「来てねえ......みてえだな」
勇者「......」
カンダタ子分A「おい、こっから先はお前らで行けるか?」
勇者「え?」
カンダタ子分A「依頼だと"逃がす"ってとこまでしか聞いてねえ」
カンダタ子分A「もうお前一人でも大丈夫だろ」
勇者「......子分Aさん、まさか」
カンダタ子分A「......じゃあ、気をつけて逃げろよ」
勇者「ま、待ってよ!!」
ガシッ!
勇者「まさかカンダタの所に......!?」
カンダタ子分A「......離せよ勇者、早く逃げろバカ」
・
...
......
............
パカラッ パカラッ
勇者「......」
遊び人「......」
カンダタ子分A「......!見ろ、森を抜けるぞ」
――ダーマ北・高台――
パカラッ パカラッ
ズザァッ......
勇者「......追っ手は」
カンダタ子分A「来てねえ......みてえだな」
勇者「......」
カンダタ子分A「おい、こっから先はお前らで行けるか?」
勇者「え?」
カンダタ子分A「依頼だと"逃がす"ってとこまでしか聞いてねえ」
カンダタ子分A「もうお前一人でも大丈夫だろ」
勇者「......子分Aさん、まさか」
カンダタ子分A「......じゃあ、気をつけて逃げろよ」
勇者「ま、待ってよ!!」
ガシッ!
勇者「まさかカンダタの所に......!?」
カンダタ子分A「......離せよ勇者、早く逃げろバカ」
557: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:37:56.48:5eTPmo210 (2/9)
勇者「だ、だったら!だったら僕も行く!!」
カンダタ子分A「......っ!!」
遊び人「勇者ちゃん、何言って......!」
勇者「依頼したのは僕だ!!遊び人は逃がせたんだ!だから――」
カンダタ子分A「ふざけた事言ってんじゃあねえぞカスがぁッ!!!!!!!」
バキィッ!!!!
勇者「ッッ!!!!」
ドシャアッ!!
遊び人「勇者ちゃんっ!!」
カンダタ子分A「親分があそこに止まったのはてめえを逃がすためだ!!てめえと嬢ちゃんを逃がすためだ!!」
カンダタ子分A「そんな事もわかんねえのか!!お前の仕事は嬢ちゃんを守りきる事だろうがよ!!!」
勇者「......っ!!で、も」
カンダタ子分A「親分が選んだんだ!!お前のちっせえクソみてえな八方美人な精神で泥塗んじゃねえ!!!てめえが来ても何にもならねえ!!」
勇者「......」
遊び人「......」
カンダタ子分A「......おい、嬢ちゃん」
遊び人「えっ......はい......?」
カンダタ子分A「勇者と一緒に早く逃げろ。そいつ、やる時はやるのにだいぶヘタレみてえだからよ」
カンダタ子分A「そいつがへこたれそうな時は、尻蹴り上げるなりで渇入れてやってくれや」
勇者「だ、だったら!だったら僕も行く!!」
カンダタ子分A「......っ!!」
遊び人「勇者ちゃん、何言って......!」
勇者「依頼したのは僕だ!!遊び人は逃がせたんだ!だから――」
カンダタ子分A「ふざけた事言ってんじゃあねえぞカスがぁッ!!!!!!!」
バキィッ!!!!
勇者「ッッ!!!!」
ドシャアッ!!
遊び人「勇者ちゃんっ!!」
カンダタ子分A「親分があそこに止まったのはてめえを逃がすためだ!!てめえと嬢ちゃんを逃がすためだ!!」
カンダタ子分A「そんな事もわかんねえのか!!お前の仕事は嬢ちゃんを守りきる事だろうがよ!!!」
勇者「......っ!!で、も」
カンダタ子分A「親分が選んだんだ!!お前のちっせえクソみてえな八方美人な精神で泥塗んじゃねえ!!!てめえが来ても何にもならねえ!!」
勇者「......」
遊び人「......」
カンダタ子分A「......おい、嬢ちゃん」
遊び人「えっ......はい......?」
カンダタ子分A「勇者と一緒に早く逃げろ。そいつ、やる時はやるのにだいぶヘタレみてえだからよ」
カンダタ子分A「そいつがへこたれそうな時は、尻蹴り上げるなりで渇入れてやってくれや」
558: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:38:24.90:5eTPmo210 (3/9)
遊び人「......はい」
カンダタ子分A「ん、いい女だ」
勇者「......子分Aさん」
カンダタ子分A「......じゃあな勇者」
遊び人「子分Aさん!」
カンダタ子分A「!」
遊び人「............ありがとう」
遊び人「カンダタにも、伝えておいて」
遊び人「......ありがとう」
カンダタ子分A「......へっ、本当に良い女だ」
ダッ
カンダタ子分A「あばよ!」
パカラッ パカラッ
カラッ ラッ......
...
・
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......ごめん、遊び人」
スクッ
勇者「逃げよう......とにかく、ここを」チラッ
ビュゥゥゥ......
勇者「......」
勇者「ここを......離れよう」
遊び人「......うん」
............
......
...
・
遊び人「......はい」
カンダタ子分A「ん、いい女だ」
勇者「......子分Aさん」
カンダタ子分A「......じゃあな勇者」
遊び人「子分Aさん!」
カンダタ子分A「!」
遊び人「............ありがとう」
遊び人「カンダタにも、伝えておいて」
遊び人「......ありがとう」
カンダタ子分A「......へっ、本当に良い女だ」
ダッ
カンダタ子分A「あばよ!」
パカラッ パカラッ
カラッ ラッ......
...
・
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......ごめん、遊び人」
スクッ
勇者「逃げよう......とにかく、ここを」チラッ
ビュゥゥゥ......
勇者「......」
勇者「ここを......離れよう」
遊び人「......うん」
............
......
...
・
559: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:38:56.13:5eTPmo210 (4/9)
・
...
......
............
パカラッ パカラッ
勇者「......」
遊び人「......」
ポツ ポツ
パラ パラ
勇者「......!雨だ」
遊び人「......見て、向こうから黒い雲が来てる」
勇者「早いうちに暗くなりそうだね......一旦、この当たりで休もう」
――ダーマ北・岩山の横穴――
ザッ ザッ
勇者「......ここなら、馬も入りそうだ」
馬「ブルル......」
勇者「ずっと走りっぱなしだったもんね......ありがとう」
ガシャッ
勇者「......遊び人、手枷、見せて」
遊び人「え?でも......」
勇者「それじゃ色々不便だろ?......なんとかしてみる」
ガリッ
勇者「......このっ、くそ、固いな」ガリッ ガツッ
遊び人「勇者ちゃん、私は別に大丈夫だよ!」
遊び人「そんな事より、勇者ちゃん傷だらけじゃない!そっちを先に」
勇者「後でいいよ」
遊び人「......」
勇者「......後でいいんだ」
遊び人「......」
遊び人「......よく、ないよ」
遊び人「ばか......」
勇者「............うん」
・
...
......
............
パカラッ パカラッ
勇者「......」
遊び人「......」
ポツ ポツ
パラ パラ
勇者「......!雨だ」
遊び人「......見て、向こうから黒い雲が来てる」
勇者「早いうちに暗くなりそうだね......一旦、この当たりで休もう」
――ダーマ北・岩山の横穴――
ザッ ザッ
勇者「......ここなら、馬も入りそうだ」
馬「ブルル......」
勇者「ずっと走りっぱなしだったもんね......ありがとう」
ガシャッ
勇者「......遊び人、手枷、見せて」
遊び人「え?でも......」
勇者「それじゃ色々不便だろ?......なんとかしてみる」
ガリッ
勇者「......このっ、くそ、固いな」ガリッ ガツッ
遊び人「勇者ちゃん、私は別に大丈夫だよ!」
遊び人「そんな事より、勇者ちゃん傷だらけじゃない!そっちを先に」
勇者「後でいいよ」
遊び人「......」
勇者「......後でいいんだ」
遊び人「......」
遊び人「......よく、ないよ」
遊び人「ばか......」
勇者「............うん」
560: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:39:26.03:5eTPmo210 (5/9)
バキィッ!
勇者「っはぁ!......やっと割れた......」
勇者「でも手首から完全に外すのは無理だね......銅の剣じゃ真ん中を割るくらいしか......」
遊び人「......」
勇者「もう時間もだいぶ費やしちゃったね......」
勇者「大丈夫?手、痛まない?」
遊び人「......ううん、大丈夫」
勇者「魔法は?どう?使えそう」
遊び人「......っ」
シーン
遊び人「......ダメ、みたい」
遊び人「この枷自体に魔力瓦解の呪文がかけられてるから、完全に外さないと......」
勇者「じゃあ、帰ったら戦士に頼んでみよっか」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「......」
勇者「遊び人?どうした?やっぱりどこか」
ギュッ......
勇者「って、遊び、人?」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......良かった」
遊び人「無事で、良かった」
勇者「......うん」
ギュッ ナデナデ
勇者「遊び人も。無事で良かった」
遊び人「......」
遊び人「......!?」
ガバッ
遊び人「勇者ちゃん、その手っ......!?」
勇者「え?何?」
遊び人「指の爪っ......!全部剥がれてるじゃん!」
勇者「ああ、これは、まあ平気平気。一枚残ってるし」
バキィッ!
勇者「っはぁ!......やっと割れた......」
勇者「でも手首から完全に外すのは無理だね......銅の剣じゃ真ん中を割るくらいしか......」
遊び人「......」
勇者「もう時間もだいぶ費やしちゃったね......」
勇者「大丈夫?手、痛まない?」
遊び人「......ううん、大丈夫」
勇者「魔法は?どう?使えそう」
遊び人「......っ」
シーン
遊び人「......ダメ、みたい」
遊び人「この枷自体に魔力瓦解の呪文がかけられてるから、完全に外さないと......」
勇者「じゃあ、帰ったら戦士に頼んでみよっか」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「......」
勇者「遊び人?どうした?やっぱりどこか」
ギュッ......
勇者「って、遊び、人?」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......良かった」
遊び人「無事で、良かった」
勇者「......うん」
ギュッ ナデナデ
勇者「遊び人も。無事で良かった」
遊び人「......」
遊び人「......!?」
ガバッ
遊び人「勇者ちゃん、その手っ......!?」
勇者「え?何?」
遊び人「指の爪っ......!全部剥がれてるじゃん!」
勇者「ああ、これは、まあ平気平気。一枚残ってるし」
561: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:39:54.82:5eTPmo210 (6/9)
遊び人「っ......!脱いでっ!!」
勇者「えぇっ!!?遊び人、うわっ!」
バッ!!
遊び人「......!!!!」
遊び人(凄い傷と痣......!!昔からあるヤツじゃなくて、新しい)
遊び人(しかも......)
スッ
ズキン!!
勇者「っ......く!」
遊び人「......五ヶ所」
遊び人「ううん、それ以上......折れてる......!」
勇者「あんまり、触られると痛いかな......」
遊び人「......」
遊び人「ボロボロ、じゃない」
勇者「なんとかなるもんだよ」
遊び人「......バカじゃないの」
勇者「あはは、ひっどいなぁ」
遊び人「......」
勇者「......?......遊び人」
遊び人「......」
遊び人「......っ」
ポロ
遊び人「バカじゃ、ないの」
遊び人「なんで、なんで勇者ちゃんは、そうなの」
遊び人「いっつも、ぼろぼろになって」
ポロポロ
勇者「......」
遊び人「いい、めいわくよ」
遊び人「ゆうしゃちゃんが、こんなふうになるならっ」
遊び人「こんなふうになるならっ......!!」
勇者「......」
――――――――――――
ムオル勇者『俺にしてみれば、それらはただの愚行だ。他人の事を考えたふりをした、極めて利己的な行動だ』
ムオル勇者『全て匹夫の勇だ。下策であり、餓鬼の空想。......それらが偶々上手くいったにすぎない』
――――――――――――
勇者「......」
勇者「......ごめん」
遊び人「っ......!脱いでっ!!」
勇者「えぇっ!!?遊び人、うわっ!」
バッ!!
遊び人「......!!!!」
遊び人(凄い傷と痣......!!昔からあるヤツじゃなくて、新しい)
遊び人(しかも......)
スッ
ズキン!!
勇者「っ......く!」
遊び人「......五ヶ所」
遊び人「ううん、それ以上......折れてる......!」
勇者「あんまり、触られると痛いかな......」
遊び人「......」
遊び人「ボロボロ、じゃない」
勇者「なんとかなるもんだよ」
遊び人「......バカじゃないの」
勇者「あはは、ひっどいなぁ」
遊び人「......」
勇者「......?......遊び人」
遊び人「......」
遊び人「......っ」
ポロ
遊び人「バカじゃ、ないの」
遊び人「なんで、なんで勇者ちゃんは、そうなの」
遊び人「いっつも、ぼろぼろになって」
ポロポロ
勇者「......」
遊び人「いい、めいわくよ」
遊び人「ゆうしゃちゃんが、こんなふうになるならっ」
遊び人「こんなふうになるならっ......!!」
勇者「......」
――――――――――――
ムオル勇者『俺にしてみれば、それらはただの愚行だ。他人の事を考えたふりをした、極めて利己的な行動だ』
ムオル勇者『全て匹夫の勇だ。下策であり、餓鬼の空想。......それらが偶々上手くいったにすぎない』
――――――――――――
勇者「......」
勇者「......ごめん」
562: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:41:57.90:5eTPmo210 (7/9)
遊び人「っ......!!!」
遊び人「なんでいちいち謝るのっ......!!」
遊び人「勇者ちゃんがそんなんじゃ!!!!わたし、どうすればいいのよっ!!!」
遊び人「私っ......!!わたしっ......!!」
遊び人「賢者の一族の、くせにっ......!!なんの力も無い......!!」
遊び人「迷惑かけて、ばかりでっ......!」
遊び人「なんにも......できないっ......!!」
勇者「......」
勇者「......」
勇者(それは、僕のセリフだ)
勇者(僕は、何ができた?)
勇者(確かに、遊び人を転職から遠ざける事ができた)
勇者(でも、その手助けを頼んだカンダタは......)
勇者(......)
勇者(そして、またこうやって悩む事しかできない)
勇者(結局、僕は)
勇者(自分のために、ウジウジと)
遊び人「っ......っ......!!」
勇者「......遊び人」
勇者「冷えてきた。火を熾そう」
勇者「とりあえず......今を凌ごう」
............
パチパチ......
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「さっきは......ごめん」
勇者「......ううん、僕こそ」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「っ......!!!」
遊び人「なんでいちいち謝るのっ......!!」
遊び人「勇者ちゃんがそんなんじゃ!!!!わたし、どうすればいいのよっ!!!」
遊び人「私っ......!!わたしっ......!!」
遊び人「賢者の一族の、くせにっ......!!なんの力も無い......!!」
遊び人「迷惑かけて、ばかりでっ......!」
遊び人「なんにも......できないっ......!!」
勇者「......」
勇者「......」
勇者(それは、僕のセリフだ)
勇者(僕は、何ができた?)
勇者(確かに、遊び人を転職から遠ざける事ができた)
勇者(でも、その手助けを頼んだカンダタは......)
勇者(......)
勇者(そして、またこうやって悩む事しかできない)
勇者(結局、僕は)
勇者(自分のために、ウジウジと)
遊び人「っ......っ......!!」
勇者「......遊び人」
勇者「冷えてきた。火を熾そう」
勇者「とりあえず......今を凌ごう」
............
パチパチ......
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「さっきは......ごめん」
勇者「......ううん、僕こそ」
遊び人「......」
勇者「......」
563: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:42:37.16:5eTPmo210 (8/9)
勇者「えっと......とりあえず、早朝明るくなる前にここを出ようか」
勇者「多分、その頃には雨も止むと思う」
遊び人「......ん。そだね」
遊び人「でもその後はどうするの......?この先って確か」
勇者「うん。海で行き止まり。だからあと一日経ってからダーマ方面へ戻って、アッサラームに一度落ち着こうと思う」
勇者「そうしたらポルトガに行こう」
遊び人「......一日置くのは、捜索が分散するから?」
勇者「だね。ダーマ付近に戻ってくるとは思わないだろうし、もしそれを読まれたとしても来賓の人達の警護やら誘導やらで人員は割かれてると思うから」
遊び人「......だったらあと一日ここに居れば良いんじゃないの?ここなら見つかる心配も」
勇者「なさそうだけど......ちょっと行っておきたい場所があるんだよ」
遊び人「行っておきたい場所......?」
遊び人「......!......まさか」
勇者「......うん」
勇者「遊び人と、賢者の昔の家」
勇者「"ガルナの塔"」
遊び人「......」
勇者「......駄目かな」
遊び人「......ううん。行きたい」
遊び人「連れて行ってくれる......?勇者ちゃん」
勇者「......うん。行こう」
勇者「そうと決まれば、今日はもう眠ろうか。雨も降ってるし食事は明日の朝に調達しよう」
勇者「寝床、準備するね」
勇者「えっと......とりあえず、早朝明るくなる前にここを出ようか」
勇者「多分、その頃には雨も止むと思う」
遊び人「......ん。そだね」
遊び人「でもその後はどうするの......?この先って確か」
勇者「うん。海で行き止まり。だからあと一日経ってからダーマ方面へ戻って、アッサラームに一度落ち着こうと思う」
勇者「そうしたらポルトガに行こう」
遊び人「......一日置くのは、捜索が分散するから?」
勇者「だね。ダーマ付近に戻ってくるとは思わないだろうし、もしそれを読まれたとしても来賓の人達の警護やら誘導やらで人員は割かれてると思うから」
遊び人「......だったらあと一日ここに居れば良いんじゃないの?ここなら見つかる心配も」
勇者「なさそうだけど......ちょっと行っておきたい場所があるんだよ」
遊び人「行っておきたい場所......?」
遊び人「......!......まさか」
勇者「......うん」
勇者「遊び人と、賢者の昔の家」
勇者「"ガルナの塔"」
遊び人「......」
勇者「......駄目かな」
遊び人「......ううん。行きたい」
遊び人「連れて行ってくれる......?勇者ちゃん」
勇者「......うん。行こう」
勇者「そうと決まれば、今日はもう眠ろうか。雨も降ってるし食事は明日の朝に調達しよう」
勇者「寝床、準備するね」
564: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年10月08日(木) 22:43:21.13:5eTPmo210 (9/9)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
565:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月08日(木) 23:35:20.59:eHe5lmjW0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
566:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月08日(木) 23:55:12.83:y3G6ZUGzo (1/1)
乙です。カンダタも子分もすごくかっこいい。
乙です。カンダタも子分もすごくかっこいい。
567:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月09日(金) 01:52:05.08:qMFQIPNDO (1/1)
おつおつ
おつおつ
568:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月11日(日) 03:00:14.20:TLKnn3nAO (1/1)
カンダダとAのしぶとさに期待
カンダダとAのしぶとさに期待
569:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年10月24日(土) 11:04:22.70:xcR93e6ao (1/1)
カンダタ親分、一生ついてきます。
カンダタ親分、一生ついてきます。
570:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月16日(月) 01:42:45.34:6p0sdn5AO (1/1)
ほ
ほ
571:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月21日(土) 17:46:39.70:nW+hkdUpO (1/1)
す
す
572:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月21日(土) 22:17:03.27:EZ+IalwA0 (1/1)
あげんな
あげんな
573:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年11月27日(金) 11:56:48.95:Q3UjhUKh0 (1/1)
4年もたって完結しないのかよ
もはやSSと呼べる長さじゃないね
4年もたって完結しないのかよ
もはやSSと呼べる長さじゃないね
574:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月01日(火) 22:39:44.49:0/b3B0sDO (1/1)
まだか
まだか
575:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月01日(火) 22:51:21.11:n9/zKQYOo (1/1)
そろそろ来てくれるさ
そろそろ来てくれるさ
576: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:15:13.98:AN+4eFQK0 (1/26)
・
...
......
ホーホー...
遊び人「......」
勇者「......」
ギュリッ...!
勇者「......っ......!くふっ......!」
勇者(眠れない......)
勇者(骨が痛む。体のあちこちが熱を持ってる)
勇者(内臓が焼けるみたいだ。妙な汗が止まらない)
勇者(一旦体を休めるとダメだな......痛みを完全に自覚しちゃう)
勇者(......くそ、くそくそっ)
勇者(こんなのワケないぞ)
勇者(こんなのワケないぞ、くそ)
勇者(ちくしょう)
ズキィィッ!
勇者「――――!!」
勇者(何かっ......!)
パシッ モグッ
ガリッ!!
勇者「ふ、ぐ」
勇者(石ころでいい、強く喰いしばる事ができれば)
勇者(とにかく、遊び人を連れて皆と合流するまでは......そして)
勇者(イシス戦士さんにお詫びして、カンダタに報酬を渡すまでは)
勇者(体......もってくれよ)
勇者「......つ、っ......!!」
遊び人「......」
遊び人(背中合わせでも分かる)
遊び人(勇者ちゃんが苦しんでるのも、後悔してるのも)
勇者「......ふぅっ......!」
遊び人(......)
・
...
......
ホーホー...
遊び人「......」
勇者「......」
ギュリッ...!
勇者「......っ......!くふっ......!」
勇者(眠れない......)
勇者(骨が痛む。体のあちこちが熱を持ってる)
勇者(内臓が焼けるみたいだ。妙な汗が止まらない)
勇者(一旦体を休めるとダメだな......痛みを完全に自覚しちゃう)
勇者(......くそ、くそくそっ)
勇者(こんなのワケないぞ)
勇者(こんなのワケないぞ、くそ)
勇者(ちくしょう)
ズキィィッ!
勇者「――――!!」
勇者(何かっ......!)
パシッ モグッ
ガリッ!!
勇者「ふ、ぐ」
勇者(石ころでいい、強く喰いしばる事ができれば)
勇者(とにかく、遊び人を連れて皆と合流するまでは......そして)
勇者(イシス戦士さんにお詫びして、カンダタに報酬を渡すまでは)
勇者(体......もってくれよ)
勇者「......つ、っ......!!」
遊び人「......」
遊び人(背中合わせでも分かる)
遊び人(勇者ちゃんが苦しんでるのも、後悔してるのも)
勇者「......ふぅっ......!」
遊び人(......)
577: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:15:39.90:AN+4eFQK0 (2/26)
............
遊び人「......」
モゾッ
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人(......やっと眠りについたみたい)
遊び人「......」
スッ
遊び人「......」
ナデ
勇者「......ん......」
遊び人「......傷、深い」ボソッ
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......」
遊び人(私には、僧侶みたいに勇者ちゃんの傷を治せない)
遊び人(それどころか、傷付けてばっかりだ。あの時、勇者ちゃんが帰って来た日も。今日も)
遊び人(ねえ、勇者ちゃん......私の事......恨んでる?)
勇者「......」
遊び人(......恨んで、くれないんだろうなあ)
遊び人(いっそ、私を憎んで、恨んでくれたらいいのに)
遊び人(きっと勇者ちゃんは、それも絶対許さないんだろうな)
勇者「......う......」
勇者「............すぅ......」
遊び人「......」
遊び人(ねえ、私は何ができる?)
遊び人(私はどうすればいいんだろう)
遊び人(貴方のために)
遊び人(どうすれば)
............
......
...
・
............
遊び人「......」
モゾッ
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人(......やっと眠りについたみたい)
遊び人「......」
スッ
遊び人「......」
ナデ
勇者「......ん......」
遊び人「......傷、深い」ボソッ
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......」
遊び人(私には、僧侶みたいに勇者ちゃんの傷を治せない)
遊び人(それどころか、傷付けてばっかりだ。あの時、勇者ちゃんが帰って来た日も。今日も)
遊び人(ねえ、勇者ちゃん......私の事......恨んでる?)
勇者「......」
遊び人(......恨んで、くれないんだろうなあ)
遊び人(いっそ、私を憎んで、恨んでくれたらいいのに)
遊び人(きっと勇者ちゃんは、それも絶対許さないんだろうな)
勇者「......う......」
勇者「............すぅ......」
遊び人「......」
遊び人(ねえ、私は何ができる?)
遊び人(私はどうすればいいんだろう)
遊び人(貴方のために)
遊び人(どうすれば)
............
......
...
・
578: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:17:15.07:AN+4eFQK0 (3/26)
チリリリリ......
勇者「......ん」
勇者(眠ってたのか......少し楽になってる)
遊び人「起きたの?勇者ちゃん」
勇者「え?あ、遊び人」ガバ
遊び人「私も今起きたの......まだ日は昇ってないね」
勇者「ああ、そだね。それじゃ出発しようか」
遊び人「うん」
......
パカラッ パカラッ
――ダーマ地方・北部――
勇者「すっかり雨もやんでるね。雨量が多くて降雨時間が短いとは聞いてたけど......」
遊び人「だから明るくなるのも少し遅いの。隠れて行動するにはいいかもね」
勇者「まあね......正直、昨日はああ言ったけどガルナの塔付近にも兵が捜索派遣されてないとは言えないからなあ」
勇者「だから一応保険の為に人が作った道を行くのはよそう。隠れながら進もう」
遊び人「うん」
・
...
......
パカラッ パカラッ
勇者「......あの塔かな?少し見えてきた」
遊び人「......!」
勇者「......どう?」
遊び人「うん......だんだん、道も思い出してきた」
遊び人「この景色も、あの塔も......私、昔見た事ある」
勇者「決まりだね。じゃあちょっと急ぐよ掴まってて」
遊び人「うん」
ギュッ...
遊び人「......」
オォォォォオォ...
遊び人(......なんか嫌な雰囲気)
遊び人(ガルナであるお姉ちゃんが死んだから、ルビス様の加護が薄くなってるんだ)
チリリリリ......
勇者「......ん」
勇者(眠ってたのか......少し楽になってる)
遊び人「起きたの?勇者ちゃん」
勇者「え?あ、遊び人」ガバ
遊び人「私も今起きたの......まだ日は昇ってないね」
勇者「ああ、そだね。それじゃ出発しようか」
遊び人「うん」
......
パカラッ パカラッ
――ダーマ地方・北部――
勇者「すっかり雨もやんでるね。雨量が多くて降雨時間が短いとは聞いてたけど......」
遊び人「だから明るくなるのも少し遅いの。隠れて行動するにはいいかもね」
勇者「まあね......正直、昨日はああ言ったけどガルナの塔付近にも兵が捜索派遣されてないとは言えないからなあ」
勇者「だから一応保険の為に人が作った道を行くのはよそう。隠れながら進もう」
遊び人「うん」
・
...
......
パカラッ パカラッ
勇者「......あの塔かな?少し見えてきた」
遊び人「......!」
勇者「......どう?」
遊び人「うん......だんだん、道も思い出してきた」
遊び人「この景色も、あの塔も......私、昔見た事ある」
勇者「決まりだね。じゃあちょっと急ぐよ掴まってて」
遊び人「うん」
ギュッ...
遊び人「......」
オォォォォオォ...
遊び人(......なんか嫌な雰囲気)
遊び人(ガルナであるお姉ちゃんが死んだから、ルビス様の加護が薄くなってるんだ)
579: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:17:41.34:AN+4eFQK0 (4/26)
パカラッ... ザッ
勇者「よいしょ......遊び人。手を」
遊び人「大丈夫だよ勇者ちゃん。降りられるよ」
ズザッ
勇者「......着いたね」
遊び人「......うん」
オォォォォォォ...
――ガルナの塔――
馬「ブルル...」
勇者「お前もありがとうね......しばらくこの陰で休んでてくれよ」
馬「ブル...」
遊び人「......」
勇者「......遊び人」
遊び人「......」
勇者「......入ろうか。また雨が降りそうだ」
遊び人「......うん」
――ガルナの塔・内部――
スタ......
勇者「......」キョロキョロ
シーン...
勇者「......ちょっと待ってね」ヒソヒソ
遊び人「?」
勇者「これでいいか......よっと」
ヒュッ
コーン
コーン...
ーン...
...
・
勇者「......」
遊び人(......誰の足音も、衣擦れの音もしない)
勇者「......音が届く範囲には誰も居ないみたいだね。進もう」
パカラッ... ザッ
勇者「よいしょ......遊び人。手を」
遊び人「大丈夫だよ勇者ちゃん。降りられるよ」
ズザッ
勇者「......着いたね」
遊び人「......うん」
オォォォォォォ...
――ガルナの塔――
馬「ブルル...」
勇者「お前もありがとうね......しばらくこの陰で休んでてくれよ」
馬「ブル...」
遊び人「......」
勇者「......遊び人」
遊び人「......」
勇者「......入ろうか。また雨が降りそうだ」
遊び人「......うん」
――ガルナの塔・内部――
スタ......
勇者「......」キョロキョロ
シーン...
勇者「......ちょっと待ってね」ヒソヒソ
遊び人「?」
勇者「これでいいか......よっと」
ヒュッ
コーン
コーン...
ーン...
...
・
勇者「......」
遊び人(......誰の足音も、衣擦れの音もしない)
勇者「......音が届く範囲には誰も居ないみたいだね。進もう」
580: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:18:16.67:AN+4eFQK0 (5/26)
・
...
......
............
スタスタ
勇者「......」
遊び人「......」
遊び人(......私が子供の頃と、全然雰囲気が違う)
遊び人(私達が住んでた部屋ってまだ残ってるのかな)
―――――――――
遊び人『おねーちゃんのばかー!』
賢者『何とでも言いなさい』
ガルナ『こらこら、仲良く。ね?』
―――――――――
遊び人「......お爺ちゃん」ボソッ
勇者「え?何?」
遊び人「ん?ごめん、なんでもない」
勇者「......昔を思い出す?」
遊び人「少し、ね」
スタスタ
勇者「......ごめんね」
遊び人「なんで謝るの」
勇者「勝手に行き先決めちゃったからさ」
遊び人「ううん......私も来たかったから」
遊び人(............あれ?)
ピタッ
勇者「ん?どうした?」
遊び人「......ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「なんで勇者ちゃんはここに来たかったの?」
・
...
......
............
スタスタ
勇者「......」
遊び人「......」
遊び人(......私が子供の頃と、全然雰囲気が違う)
遊び人(私達が住んでた部屋ってまだ残ってるのかな)
―――――――――
遊び人『おねーちゃんのばかー!』
賢者『何とでも言いなさい』
ガルナ『こらこら、仲良く。ね?』
―――――――――
遊び人「......お爺ちゃん」ボソッ
勇者「え?何?」
遊び人「ん?ごめん、なんでもない」
勇者「......昔を思い出す?」
遊び人「少し、ね」
スタスタ
勇者「......ごめんね」
遊び人「なんで謝るの」
勇者「勝手に行き先決めちゃったからさ」
遊び人「ううん......私も来たかったから」
遊び人(............あれ?)
ピタッ
勇者「ん?どうした?」
遊び人「......ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「なんで勇者ちゃんはここに来たかったの?」
581: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:18:49.97:AN+4eFQK0 (6/26)
勇者「......」
遊び人「なんで勇者ちゃん、さっきから......塔の順路から外れて、離れに向かってるの?」
遊び人「最初来た人って、大抵騙されるのに」
遊び人「私達の家が離れの階段から行けるの、知ってるみたい」
勇者「......」
遊び人「どうして」
遊び人「私達の家までの道のりを知ってるの?」
勇者「......えっとね......とりあえず進みながら話すよ」
遊び人「......?」
スタスタ
勇者「......実はね、あの時テドンを目指してアリアハンを発った時、賢者はテドンに直接来なかったんだ」
遊び人「え?」
勇者「先に僕をテドンに置いて、どっかに行っちゃったんだ。賢者がテドンに来たのは一週間後くらいだったんだよ」
勇者「その一週間の間に、賢者はここを訪れていたらしい」
遊び人「お姉ちゃんが......?でも、何をしにここに?」
勇者「......」
遊び人「......?」
勇者「............わからない」
勇者「でも、落日の前日にさ」
勇者「賢者に言われたんだ」
勇者「......」
遊び人「なんで勇者ちゃん、さっきから......塔の順路から外れて、離れに向かってるの?」
遊び人「最初来た人って、大抵騙されるのに」
遊び人「私達の家が離れの階段から行けるの、知ってるみたい」
勇者「......」
遊び人「どうして」
遊び人「私達の家までの道のりを知ってるの?」
勇者「......えっとね......とりあえず進みながら話すよ」
遊び人「......?」
スタスタ
勇者「......実はね、あの時テドンを目指してアリアハンを発った時、賢者はテドンに直接来なかったんだ」
遊び人「え?」
勇者「先に僕をテドンに置いて、どっかに行っちゃったんだ。賢者がテドンに来たのは一週間後くらいだったんだよ」
勇者「その一週間の間に、賢者はここを訪れていたらしい」
遊び人「お姉ちゃんが......?でも、何をしにここに?」
勇者「......」
遊び人「......?」
勇者「............わからない」
勇者「でも、落日の前日にさ」
勇者「賢者に言われたんだ」
582: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:19:17.44:AN+4eFQK0 (7/26)
―――――――――――
『この先、もし私に何かあったら』
『私達の昔の家に訪れて欲しいの』
『これからその経路を教えるわ』
『その場所に......あの子に託したいものがある』
――――――――――――
遊び人「託したいもの、って」
勇者「......」
遊び人「......」
ギュッ
遊び人「......昔の私達の家って言ったんだよね」
勇者「うん。賢者はそう言ってた」
遊び人「だったら、案内は任せて。近道も知ってる」
遊び人「ついてきて。勇者ちゃん」
............
......
...
・
―――――――――――
『この先、もし私に何かあったら』
『私達の昔の家に訪れて欲しいの』
『これからその経路を教えるわ』
『その場所に......あの子に託したいものがある』
――――――――――――
遊び人「託したいもの、って」
勇者「......」
遊び人「......」
ギュッ
遊び人「......昔の私達の家って言ったんだよね」
勇者「うん。賢者はそう言ってた」
遊び人「だったら、案内は任せて。近道も知ってる」
遊び人「ついてきて。勇者ちゃん」
............
......
...
・
583: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:19:53.80:AN+4eFQK0 (8/26)
――ダーマ・大聖堂――
「結局賢者様は連れ去られたと!?」
「魔族の男も捕らえられなかったとか......」
「なぁにをしているんだ国連の奴らめが!!」
ザワザワ
神官「ああ、本当に大変な事になっちゃったなぁ......」
命名官「騒々しいねえ。帰らせてはくれんかのう......眠いんじゃよね」
神官「ダメに決まってんでしょう!この一大事なんですよ!」
神官「っていうか命名官様、昨日ぐっすり寝てたじゃないですか!私達神官は一睡もできなかったんですよ!」
命名官「年寄りじゃもの。若いのと一緒にせんでおくれよ」
神官「あーもう、やだこの暖簾に腕押しババア」
命名官「あまりにひどいこの小娘」
スタスタ
ザワッ...
神官「!」
命名官「おや、来たようじゃね」
騎士団長「皆さん、静粛にお願いします」
ザッ
騎士団長「えー、神官の方々、ダーマの聖兵の方々ももうお聞きではあると思いますが」
騎士団長「賢者様を奪還する計画は叶いませんでした」
ザワッ
「どうされるおつもりか!!」
「救世主が魔族の手におちたのですよ!!事態は深刻だ!!」
「国連の精鋭達は何をされておられたのです!!」
騎士団長「......ええと、これからのお話なのですが」
――ダーマ・大聖堂――
「結局賢者様は連れ去られたと!?」
「魔族の男も捕らえられなかったとか......」
「なぁにをしているんだ国連の奴らめが!!」
ザワザワ
神官「ああ、本当に大変な事になっちゃったなぁ......」
命名官「騒々しいねえ。帰らせてはくれんかのう......眠いんじゃよね」
神官「ダメに決まってんでしょう!この一大事なんですよ!」
神官「っていうか命名官様、昨日ぐっすり寝てたじゃないですか!私達神官は一睡もできなかったんですよ!」
命名官「年寄りじゃもの。若いのと一緒にせんでおくれよ」
神官「あーもう、やだこの暖簾に腕押しババア」
命名官「あまりにひどいこの小娘」
スタスタ
ザワッ...
神官「!」
命名官「おや、来たようじゃね」
騎士団長「皆さん、静粛にお願いします」
ザッ
騎士団長「えー、神官の方々、ダーマの聖兵の方々ももうお聞きではあると思いますが」
騎士団長「賢者様を奪還する計画は叶いませんでした」
ザワッ
「どうされるおつもりか!!」
「救世主が魔族の手におちたのですよ!!事態は深刻だ!!」
「国連の精鋭達は何をされておられたのです!!」
騎士団長「......ええと、これからのお話なのですが」
584: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:20:24.43:AN+4eFQK0 (9/26)
「ごまかさないで頂きたい!」
「ダーマは国連へも援助金やその他の支援もしているのです」
「だというのに賢者様をこうも簡単に魔物に明け渡してしまうとは!」
「だからやはり若い先導者はあてにならんのだ!!」
「どう説明されるのですか!!」
騎士団長(......カスの役にもたたない糞袋共が五月蝿いですね)
騎士団長「えー、この度は真に――......」
「あっはっはっはっは!!」
騎士団長「?」
「誰だ?」
「こんな時に笑い?」
命名官「っくっく、あっはっはっ!」
神官「ちょちょちょ、ちょっと命名官様!?」
命名官「悪い悪い、ちょっとおかしくって......くふっ、あははははっ!」
「ああ、ホラ。命名官の婆さんだよ」
「どうしたんだろう、気でもおかしく......」
「笑っている場合ですか命名官様!!一大事なのですよ!!」
命名官「いやあ、悪いねえ。あまりに滑稽だったもんだから」
「は?」
命名官「ぬくぬくと聖堂の中でお祈りしていた坊や達が何を言い出すかと思ったら」
命名官「他力本願に泣き言をぬかすからさ、おかしくておかしくて」
「ごまかさないで頂きたい!」
「ダーマは国連へも援助金やその他の支援もしているのです」
「だというのに賢者様をこうも簡単に魔物に明け渡してしまうとは!」
「だからやはり若い先導者はあてにならんのだ!!」
「どう説明されるのですか!!」
騎士団長(......カスの役にもたたない糞袋共が五月蝿いですね)
騎士団長「えー、この度は真に――......」
「あっはっはっはっは!!」
騎士団長「?」
「誰だ?」
「こんな時に笑い?」
命名官「っくっく、あっはっはっ!」
神官「ちょちょちょ、ちょっと命名官様!?」
命名官「悪い悪い、ちょっとおかしくって......くふっ、あははははっ!」
「ああ、ホラ。命名官の婆さんだよ」
「どうしたんだろう、気でもおかしく......」
「笑っている場合ですか命名官様!!一大事なのですよ!!」
命名官「いやあ、悪いねえ。あまりに滑稽だったもんだから」
「は?」
命名官「ぬくぬくと聖堂の中でお祈りしていた坊や達が何を言い出すかと思ったら」
命名官「他力本願に泣き言をぬかすからさ、おかしくておかしくて」
585: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:20:58.51:AN+4eFQK0 (10/26)
「なっ......!」
「命名官様!何を仰います!」
神官「うっほぉぉぉぉいババァ様なに言ってんですか!!!!上級の神官の方々に向かって!!!!!」ヒソヒソ!!!
命名官「あんたちょっと黙ってな」
「あなたは事の重大さを理解しておられないのだ!!」
命名官「しとるさ、勿論ね」
「でしたら――......」
命名官「だがここでグダグダ言って責任をどうこう空論を捏ねくりまわしている奴らが」
命名官「現地で動く人間達にその問いを投げかけて足を鈍らせておるのが滑稽でね」
「......!」
「なにを、えらそうに」
命名官「そりゃ御互い様だろうよ、いいかい。ダーマの高位神官とあっても、私らは何者でもないんだ」
命名官「せいぜいルビス様と神様の御手伝いをして......お祈りするくらいしか脳は無い。私はマリナン様の手助けだけどね」
命名官「"祈れ、呪うな"......あんたらが急いて事態を悪化させる事のないようにね」
「しかし......このままじゃ賢者様が!」
「賢者様が、新たなる世界の主導者が攫われては我々は」
命名官「くっくっく、さっきあんたらも言ったじゃろうがよ。『若い先導者はあてにならない』ってね」
命名官「あの華奢な細腕にあんたらの世界を預けるのはお止めよ。情けない」
命名官「大賢者の血を引くと言えど、あの子はまだ15の少女だ」
「......」
「......それは」
神官「でっ、でも!!」
「「?」」
命名官「え?」
神官「でも、魔物に連れさられたんですよ!!」
神官「私、賢者様の傍に付いてましたけど......賢者様が命名官様とお会いした時の、あの顔」
神官「本当に、年相応の少女ってカンジで......!」
ギュッ
神官「だ、だったら、余計に救わないと!」
神官「賢者職への転職も叶わずに、魔物に連れ去られてるんでしょう!?15才の女の子が!」
神官「それはそれで問題じゃないですか!私なら怖くてトラウマものです!」
神官「そこは焦りましょうよ、早く助けてあげなきゃじゃないですか!!」
「なっ......!」
「命名官様!何を仰います!」
神官「うっほぉぉぉぉいババァ様なに言ってんですか!!!!上級の神官の方々に向かって!!!!!」ヒソヒソ!!!
命名官「あんたちょっと黙ってな」
「あなたは事の重大さを理解しておられないのだ!!」
命名官「しとるさ、勿論ね」
「でしたら――......」
命名官「だがここでグダグダ言って責任をどうこう空論を捏ねくりまわしている奴らが」
命名官「現地で動く人間達にその問いを投げかけて足を鈍らせておるのが滑稽でね」
「......!」
「なにを、えらそうに」
命名官「そりゃ御互い様だろうよ、いいかい。ダーマの高位神官とあっても、私らは何者でもないんだ」
命名官「せいぜいルビス様と神様の御手伝いをして......お祈りするくらいしか脳は無い。私はマリナン様の手助けだけどね」
命名官「"祈れ、呪うな"......あんたらが急いて事態を悪化させる事のないようにね」
「しかし......このままじゃ賢者様が!」
「賢者様が、新たなる世界の主導者が攫われては我々は」
命名官「くっくっく、さっきあんたらも言ったじゃろうがよ。『若い先導者はあてにならない』ってね」
命名官「あの華奢な細腕にあんたらの世界を預けるのはお止めよ。情けない」
命名官「大賢者の血を引くと言えど、あの子はまだ15の少女だ」
「......」
「......それは」
神官「でっ、でも!!」
「「?」」
命名官「え?」
神官「でも、魔物に連れさられたんですよ!!」
神官「私、賢者様の傍に付いてましたけど......賢者様が命名官様とお会いした時の、あの顔」
神官「本当に、年相応の少女ってカンジで......!」
ギュッ
神官「だ、だったら、余計に救わないと!」
神官「賢者職への転職も叶わずに、魔物に連れ去られてるんでしょう!?15才の女の子が!」
神官「それはそれで問題じゃないですか!私なら怖くてトラウマものです!」
神官「そこは焦りましょうよ、早く助けてあげなきゃじゃないですか!!」
586: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:21:27.19:AN+4eFQK0 (11/26)
騎士団長「......」
「「「......」」」ポカン
命名官「......」ポカン
神官「......え?えっと......」
神官「あの、私、すみません、なんか出過ぎた事」
命名官「......っぷ、ははっ」
命名官「いや、いいのさ。そうさね。まだ15の少女なんだ」
命名官「......ありがとうね」
神官「へ?へ?」
命名官「で!だ。さっきは何を言いかけてたんだい?騎士団長さん」
騎士団長「は、ああ。ありがとうございます」
騎士団長「賢者様の行方は今も捜索しております。が......一つだけ気がかりな所がありましてね」
「気がかりな所......?」
命名官「......――!」
騎士団長「そこに、予め手をうってあります」
騎士団長「何か報せがありましたら直ぐにこちらへも報告致します。皆さんはしばらくお待ちを」
ザワザワ......
命名官「......ふう、それじゃ私は部屋に戻るとするかね」
神官「あ、はい」
命名官「神官よ」
命名官「さっきはありがとよ、本当に」
神官「?......??」
スタスタ
騎士団長「......命名官様も、ありがとうございました」
命名官「......」
騎士団長「あの場を落ち着かせる為に、あのような事を......何とお礼を申し上げてよいか」
騎士団長「......」
「「「......」」」ポカン
命名官「......」ポカン
神官「......え?えっと......」
神官「あの、私、すみません、なんか出過ぎた事」
命名官「......っぷ、ははっ」
命名官「いや、いいのさ。そうさね。まだ15の少女なんだ」
命名官「......ありがとうね」
神官「へ?へ?」
命名官「で!だ。さっきは何を言いかけてたんだい?騎士団長さん」
騎士団長「は、ああ。ありがとうございます」
騎士団長「賢者様の行方は今も捜索しております。が......一つだけ気がかりな所がありましてね」
「気がかりな所......?」
命名官「......――!」
騎士団長「そこに、予め手をうってあります」
騎士団長「何か報せがありましたら直ぐにこちらへも報告致します。皆さんはしばらくお待ちを」
ザワザワ......
命名官「......ふう、それじゃ私は部屋に戻るとするかね」
神官「あ、はい」
命名官「神官よ」
命名官「さっきはありがとよ、本当に」
神官「?......??」
スタスタ
騎士団長「......命名官様も、ありがとうございました」
命名官「......」
騎士団長「あの場を落ち着かせる為に、あのような事を......何とお礼を申し上げてよいか」
587: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:21:59.12:AN+4eFQK0 (12/26)
命名官「私はちょっと苛ついただけさ。礼なんてやめてくれるかい」
命名官(寒気で反吐が出る)
騎士団長「いいえ、言わせて下さい誓わせて下さい」
騎士団長「"あなたの励ましには本当に心をうたれました"」
騎士団長「"それに応える為にあの魔族の男は必ず捕まえて然るべき処置を致しましょう"」
騎士団長「"この件に協力した仲間があの盗賊以外にも大勢いるでしょうから"」
騎士団長「"どんな手を使ってもその協力者を割り出して"」
騎士団長「"全員の首をルビス様の祭壇に捧げて見せましょう"」
命名官「......」
騎士団長「......」
命名官「......楽しみにしておくよ」
命名官(腐った目をしているね、クソガキが)
騎士団長「はい。任せておいて下さい」
騎士団長(まだとぼけた目をされますか、死に損ないが)
命名官「私はちょっと苛ついただけさ。礼なんてやめてくれるかい」
命名官(寒気で反吐が出る)
騎士団長「いいえ、言わせて下さい誓わせて下さい」
騎士団長「"あなたの励ましには本当に心をうたれました"」
騎士団長「"それに応える為にあの魔族の男は必ず捕まえて然るべき処置を致しましょう"」
騎士団長「"この件に協力した仲間があの盗賊以外にも大勢いるでしょうから"」
騎士団長「"どんな手を使ってもその協力者を割り出して"」
騎士団長「"全員の首をルビス様の祭壇に捧げて見せましょう"」
命名官「......」
騎士団長「......」
命名官「......楽しみにしておくよ」
命名官(腐った目をしているね、クソガキが)
騎士団長「はい。任せておいて下さい」
騎士団長(まだとぼけた目をされますか、死に損ないが)
588: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:22:32.99:AN+4eFQK0 (13/26)
騎士団長「それに先ほどおっしゃったように、現状......賢者様は職を持たない一人の少女にすぎません」
騎士団長「今のままでは無力に等しい......早急に事をすすめないと」
命名官「あーはいはい、頑張っておくれよ」
スタスタ
命名官「私は戻る。何か進展あったら呼んどくれ」
神官「命名官さま、待って下さいよもう!」
騎士団長「......ふぅ」
騎士団長(さて、私も――......)
ザッ
クルッ
命名官「ああ、そうそう騎士団長さんよ」
騎士団長「?何でしょうか」
命名官「......確かに、あの子は今、なんの力も無い小娘だ」
命名官「だけどね。覚えときな」
命名官「賢者じゃなくても、なんの力が無くても......女ってのは世界を変えちまう時がある」
騎士団長「......何が仰いたいのか」
命名官「存外、その無力な少女が世界を救っちまうかもしんないんじゃぜ」
命名官「乙女をなめんなよ」
スタスタ
命名官「そんだけじゃよ。んじゃ」
神官「本当に何言ってるか分かんないこのババアババア」
命名官「何で二回言ったの......?」
スタスタ......
騎士団長「......」
騎士団長(......老いぼれはこれだから嫌いです)
騎士団長「それに先ほどおっしゃったように、現状......賢者様は職を持たない一人の少女にすぎません」
騎士団長「今のままでは無力に等しい......早急に事をすすめないと」
命名官「あーはいはい、頑張っておくれよ」
スタスタ
命名官「私は戻る。何か進展あったら呼んどくれ」
神官「命名官さま、待って下さいよもう!」
騎士団長「......ふぅ」
騎士団長(さて、私も――......)
ザッ
クルッ
命名官「ああ、そうそう騎士団長さんよ」
騎士団長「?何でしょうか」
命名官「......確かに、あの子は今、なんの力も無い小娘だ」
命名官「だけどね。覚えときな」
命名官「賢者じゃなくても、なんの力が無くても......女ってのは世界を変えちまう時がある」
騎士団長「......何が仰いたいのか」
命名官「存外、その無力な少女が世界を救っちまうかもしんないんじゃぜ」
命名官「乙女をなめんなよ」
スタスタ
命名官「そんだけじゃよ。んじゃ」
神官「本当に何言ってるか分かんないこのババアババア」
命名官「何で二回言ったの......?」
スタスタ......
騎士団長「......」
騎士団長(......老いぼれはこれだから嫌いです)
589: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:23:09.72:AN+4eFQK0 (14/26)
・
...
......
............
スタスタ
ザッ
勇者「......移動魔法が侵入者を惑わす為に仕掛けられてるとは思わなかったよ」
遊び人「うん?」
勇者「まぁ、それはいいんだけどさ」
遊び人「うん」
勇者「これはどうだろう」
オォォォォオォ...
勇者(綱渡りって......!)
勇者「ちょっとこれ原始的すぎやしないか?」
遊び人「......悪かったね、考え方が原始的すぎて」
勇者「え?」
遊び人「ホラ、いこ。この綱渡らないと上の階段まで辿り着けないよ」
勇者「......まさかこれ考えたのって」
遊び人「原始的な人ですよ」
勇者「あ、遊び人さん......ごめんなさ、あ、おいてかないで......」
............
スタスタ
勇者「ふっ......く......」
遊び人「大丈夫?体中怪我だらけなんだから無理しちゃ......」
勇者「ん?ごめんごめん大丈夫。それより急がなくちゃ」
・
...
......
............
スタスタ
ザッ
勇者「......移動魔法が侵入者を惑わす為に仕掛けられてるとは思わなかったよ」
遊び人「うん?」
勇者「まぁ、それはいいんだけどさ」
遊び人「うん」
勇者「これはどうだろう」
オォォォォオォ...
勇者(綱渡りって......!)
勇者「ちょっとこれ原始的すぎやしないか?」
遊び人「......悪かったね、考え方が原始的すぎて」
勇者「え?」
遊び人「ホラ、いこ。この綱渡らないと上の階段まで辿り着けないよ」
勇者「......まさかこれ考えたのって」
遊び人「原始的な人ですよ」
勇者「あ、遊び人さん......ごめんなさ、あ、おいてかないで......」
............
スタスタ
勇者「ふっ......く......」
遊び人「大丈夫?体中怪我だらけなんだから無理しちゃ......」
勇者「ん?ごめんごめん大丈夫。それより急がなくちゃ」
590: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:24:00.91:AN+4eFQK0 (15/26)
遊び人「......辛かったら言ってね」
勇者「ありがとう」
遊び人(......なんか、おかしい)
遊び人(加護が薄まってるのに、魔物が棲みついてる気配が無い)
遊び人(しんと静まりかえってる......)
遊び人(なんか......やな予感がする)
勇者「しかし......ふは......高くて複雑だね。この塔の構造」
遊び人「え?あ、う、うん。そうなの。子供の頃は水汲みが憂鬱だったよ」
勇者「え、水は全部下から汲んで来てたの?」
遊び人「ううん。全部ではないよ」
遊び人「塔の一番上に雨桶を置いてて、簡単な濾過装置を下の階のそれぞれの位置まで伸ばしてたの」
遊び人「雨量も多かったからあまり水には困らなかったけど......たまに日照りの続く時もあったしね。その時は水を汲みに行ってたよ」
勇者「濾過装置?」
遊び人「そ。この辺りの雨の成分を魔力解析して、用途によって数本の装置でわけてたんだ」
勇者「さすが、二人のおじいさんだね。そんなもの作るなんて」
遊び人「んーん。考えたのはお姉ちゃん。作ったのはお爺ちゃんだけど」
勇者「......ここに住んでたのって随分前だよね?」
遊び人「そうだよ。お姉ちゃんも当然子供......本当、お姉ちゃんは昔からなんでもできたから」
遊び人「......いつになっても、適わないなぁ......」
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん、次ここ右ね」
勇者「あ、うん......」
スタスタ
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「お姉ちゃんが私に渡したかったものって......何かな」
遊び人「......辛かったら言ってね」
勇者「ありがとう」
遊び人(......なんか、おかしい)
遊び人(加護が薄まってるのに、魔物が棲みついてる気配が無い)
遊び人(しんと静まりかえってる......)
遊び人(なんか......やな予感がする)
勇者「しかし......ふは......高くて複雑だね。この塔の構造」
遊び人「え?あ、う、うん。そうなの。子供の頃は水汲みが憂鬱だったよ」
勇者「え、水は全部下から汲んで来てたの?」
遊び人「ううん。全部ではないよ」
遊び人「塔の一番上に雨桶を置いてて、簡単な濾過装置を下の階のそれぞれの位置まで伸ばしてたの」
遊び人「雨量も多かったからあまり水には困らなかったけど......たまに日照りの続く時もあったしね。その時は水を汲みに行ってたよ」
勇者「濾過装置?」
遊び人「そ。この辺りの雨の成分を魔力解析して、用途によって数本の装置でわけてたんだ」
勇者「さすが、二人のおじいさんだね。そんなもの作るなんて」
遊び人「んーん。考えたのはお姉ちゃん。作ったのはお爺ちゃんだけど」
勇者「......ここに住んでたのって随分前だよね?」
遊び人「そうだよ。お姉ちゃんも当然子供......本当、お姉ちゃんは昔からなんでもできたから」
遊び人「......いつになっても、適わないなぁ......」
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん、次ここ右ね」
勇者「あ、うん......」
スタスタ
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「......」
遊び人「......ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「お姉ちゃんが私に渡したかったものって......何かな」
591: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:24:30.92:AN+4eFQK0 (16/26)
勇者「......ごめん、僕もそこまでは聞いてなくて」
勇者「『直接渡したらダメなの?』って聞いてはみたんだけど、適当にあしらわれちゃった」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「......そっか、そうだね」
遊び人(あんな別れ方だったんだもん。私はきっと受けとらなかっただろうな)
遊び人(それにお姉ちゃんだって、私の事は)
勇者「遊び人」
遊び人「え?何?」
勇者「いや......なんか考え込んでるみたいだったから。大丈夫?」
遊び人「......うん。大丈夫だよ」
勇者「......」
遊び人「......大丈夫」
遊び人(......何を託されても、大丈夫)
遊び人(覚悟はできてる)
―――ガルナの塔・上階―――
スタスタ
ザッ
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「......ここ?」
遊び人「......」コクッ
勇者「............そっか」
――旧・ガルナの棲家――
勇者「......入るよ」
遊び人「うん」
ガチャッ
ギィィィ......
遊び人「......」
勇者「......」
勇者「......ごめん、僕もそこまでは聞いてなくて」
勇者「『直接渡したらダメなの?』って聞いてはみたんだけど、適当にあしらわれちゃった」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「......そっか、そうだね」
遊び人(あんな別れ方だったんだもん。私はきっと受けとらなかっただろうな)
遊び人(それにお姉ちゃんだって、私の事は)
勇者「遊び人」
遊び人「え?何?」
勇者「いや......なんか考え込んでるみたいだったから。大丈夫?」
遊び人「......うん。大丈夫だよ」
勇者「......」
遊び人「......大丈夫」
遊び人(......何を託されても、大丈夫)
遊び人(覚悟はできてる)
―――ガルナの塔・上階―――
スタスタ
ザッ
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「......ここ?」
遊び人「......」コクッ
勇者「............そっか」
――旧・ガルナの棲家――
勇者「......入るよ」
遊び人「うん」
ガチャッ
ギィィィ......
遊び人「......」
勇者「......」
592: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:25:12.40:AN+4eFQK0 (17/26)
スタスタ...
ジャリッ
遊び人「......」
スタスタ
遊び人「......埃っぽいね」
勇者「......」
遊び人「あんまり変わってないや......あはは」
遊び人「......本は、お姉ちゃんがアリアハンに持ってちゃってたし何も無いね」
遊び人(そうだね)
遊び人(ここには、もう何も)
遊び人「ねえ、勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「お姉ちゃんは何か言ってた?その、置いた場所とか」
勇者「それが、それすらも教えて貰ってないんだ。『行けば分かる』って」
遊び人「ええ?......お姉ちゃんの事だから、他人に盗られるような場所に置くとは思えないし......」
勇者「もしかして隠してるのかな」
遊び人「......ちょっと探してみる」
勇者「うん。僕も探してみるよ」
遊び人「ありがと」
ガサゴソ
勇者「と言っても......家具くらいしか無いから探すところはあんまり無いね」
遊び人「うーん......」
遊び人(『行けば分かる』?なんでそんな事......)
スタスタ...
ジャリッ
遊び人「......」
スタスタ
遊び人「......埃っぽいね」
勇者「......」
遊び人「あんまり変わってないや......あはは」
遊び人「......本は、お姉ちゃんがアリアハンに持ってちゃってたし何も無いね」
遊び人(そうだね)
遊び人(ここには、もう何も)
遊び人「ねえ、勇者ちゃん」
勇者「ん?」
遊び人「お姉ちゃんは何か言ってた?その、置いた場所とか」
勇者「それが、それすらも教えて貰ってないんだ。『行けば分かる』って」
遊び人「ええ?......お姉ちゃんの事だから、他人に盗られるような場所に置くとは思えないし......」
勇者「もしかして隠してるのかな」
遊び人「......ちょっと探してみる」
勇者「うん。僕も探してみるよ」
遊び人「ありがと」
ガサゴソ
勇者「と言っても......家具くらいしか無いから探すところはあんまり無いね」
遊び人「うーん......」
遊び人(『行けば分かる』?なんでそんな事......)
593: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:25:53.85:AN+4eFQK0 (18/26)
勇者「ねえ遊び人」
遊び人「え?どうしたの?」
勇者「そこの奥の扉って?」
遊び人「ああ、それ?それはね」
遊び人「......」
スクッ
勇者「遊び人?」
遊び人「......ついて来て」
勇者「?」
スタスタ
ガチャッ ズズ...
遊び人「......よかった。まだ開くみたい」
スタスタ
遊び人「階段になってるから気をつけてね」
勇者「......?」
.........
ズ
ズズ
ゴトン
遊び人「えほっ、えほ」
スタ
遊び人「......」
勇者「............ここって」
――ガルナの塔・空中菜園――
遊び人「......まだ、ちゃんと残ってたんだ」
勇者「ねえ遊び人」
遊び人「え?どうしたの?」
勇者「そこの奥の扉って?」
遊び人「ああ、それ?それはね」
遊び人「......」
スクッ
勇者「遊び人?」
遊び人「......ついて来て」
勇者「?」
スタスタ
ガチャッ ズズ...
遊び人「......よかった。まだ開くみたい」
スタスタ
遊び人「階段になってるから気をつけてね」
勇者「......?」
.........
ズ
ズズ
ゴトン
遊び人「えほっ、えほ」
スタ
遊び人「......」
勇者「............ここって」
――ガルナの塔・空中菜園――
遊び人「......まだ、ちゃんと残ってたんだ」
594: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:26:32.84:AN+4eFQK0 (19/26)
スタスタ
遊び人「前はここで野菜を作ってたの。ここなら日も差すから」
勇者「じゃあここに......あ」
遊び人「え?」
勇者「あれ......菜園一面に」
サァァァ......
遊び人「......」
勇者「花が咲いてる......」
遊び人「ああ、あれはこの当たりに咲く花だよ。多分種が飛ばされてここに......」
勇者「いや、その花のまんなか」
遊び人「え?」
勇者「あそこだけ、四角に花が咲いてない」
遊び人「......!」
スタスタ
ガサガサ
ザッ
遊び人「......あった」
遊び人は宝箱を見つけた
遊び人「......」チラッ
勇者「......」コクッ
遊び人「......」
ガチャッ
遊び人「......?」
勇者「何があった?」
遊び人「......なにこれ」
ヒョイッ
遊び人「本?」
スタスタ
遊び人「前はここで野菜を作ってたの。ここなら日も差すから」
勇者「じゃあここに......あ」
遊び人「え?」
勇者「あれ......菜園一面に」
サァァァ......
遊び人「......」
勇者「花が咲いてる......」
遊び人「ああ、あれはこの当たりに咲く花だよ。多分種が飛ばされてここに......」
勇者「いや、その花のまんなか」
遊び人「え?」
勇者「あそこだけ、四角に花が咲いてない」
遊び人「......!」
スタスタ
ガサガサ
ザッ
遊び人「......あった」
遊び人は宝箱を見つけた
遊び人「......」チラッ
勇者「......」コクッ
遊び人「......」
ガチャッ
遊び人「......?」
勇者「何があった?」
遊び人「......なにこれ」
ヒョイッ
遊び人「本?」
595: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:27:10.28:AN+4eFQK0 (20/26)
勇者「何の本かな?」
遊び人「......」
勇者「遊び人?」
遊び人「え、ああ、なんだろね」
遊び人(......託したいものって......本一冊?)
遊び人「......」
パラッ
遊び人「......」
パラッ
遊び人「............?」
遊び人「............!!!」
勇者「遊び人、それちょっと見せてもらっても」
バッ!
遊び人「......だめ」
勇者「え?」
遊び人「勇者ちゃんは見ちゃだめ......これ」
オォォオォォ......
遊び人「......"悟りの書"だ」
勇者「悟りの......書?」
勇者「何の本かな?」
遊び人「......」
勇者「遊び人?」
遊び人「え、ああ、なんだろね」
遊び人(......託したいものって......本一冊?)
遊び人「......」
パラッ
遊び人「......」
パラッ
遊び人「............?」
遊び人「............!!!」
勇者「遊び人、それちょっと見せてもらっても」
バッ!
遊び人「......だめ」
勇者「え?」
遊び人「勇者ちゃんは見ちゃだめ......これ」
オォォオォォ......
遊び人「......"悟りの書"だ」
勇者「悟りの......書?」
596: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:27:45.97:AN+4eFQK0 (21/26)
遊び人「......そっか、お爺ちゃんを看取る時に託されてたんだ......」
勇者「その、悟りの書っていうのは?」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「............お爺ちゃんに、そんな本があるって事は聴いてたの」
遊び人「......この世のあらゆる事象・その事象にまつわる全ての事象」
遊び人「その事象を取り巻く全ての事象、それらについて賢者が全魔力を注いで紡いだ文字列の集まり」
遊び人「読んだら脳に全てが流れ込んで来て......賢者として生きる事ができる」
遊び人「............所謂、"魔書"だよ」
勇者「......!」
遊び人「......信じらんない」
ギュッ...
遊び人「なんなのよ......お姉ちゃんまで」
遊び人「あんなに賢者になりたがってた私を叱ってたのに」
遊び人「賢者として生きようとした私をあんなに縛りつけたくせに......!」
遊び人「今度は、あんたが居なくなったからあんたの代わりをやれって言うの......!!!!?」
ブンッ
遊び人「こんなものっ――......!!!!」
ガシッ!!
遊び人「!」
勇者「......遊び人」
遊び人「勇者ちゃん......」
スッ
勇者「......賢者も、何か考えがあったのかもしれない」
勇者「とにかく、落ち着いて」
遊び人「......そっか、お爺ちゃんを看取る時に託されてたんだ......」
勇者「その、悟りの書っていうのは?」
遊び人「......」
勇者「......遊び人?」
遊び人「............お爺ちゃんに、そんな本があるって事は聴いてたの」
遊び人「......この世のあらゆる事象・その事象にまつわる全ての事象」
遊び人「その事象を取り巻く全ての事象、それらについて賢者が全魔力を注いで紡いだ文字列の集まり」
遊び人「読んだら脳に全てが流れ込んで来て......賢者として生きる事ができる」
遊び人「............所謂、"魔書"だよ」
勇者「......!」
遊び人「......信じらんない」
ギュッ...
遊び人「なんなのよ......お姉ちゃんまで」
遊び人「あんなに賢者になりたがってた私を叱ってたのに」
遊び人「賢者として生きようとした私をあんなに縛りつけたくせに......!」
遊び人「今度は、あんたが居なくなったからあんたの代わりをやれって言うの......!!!!?」
ブンッ
遊び人「こんなものっ――......!!!!」
ガシッ!!
遊び人「!」
勇者「......遊び人」
遊び人「勇者ちゃん......」
スッ
勇者「......賢者も、何か考えがあったのかもしれない」
勇者「とにかく、落ち着いて」
597: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:28:43.66:AN+4eFQK0 (22/26)
遊び人「......っ」
スッ
遊び人「............うん」
勇者「......立てる?」
遊び人「......うん」
勇者「行こう。遊び人」
勇者「アッサラームに移動して、少し休もう」
勇者「多分二人とも、色々ありすぎて混乱してる」
遊び人「......そう、だね」
勇者「......行こう」
遊び人「うん......うん」
遊び人「行くよ。行こう」
遊び人「立てる、立てるよ......だけど」
遊び人「......――少しだけ、待ってね......」
勇者「......」
・
...
......
............
スタスタ
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「他に見ておきたい場所とかは」
遊び人「ううん、大丈夫」
勇者「......そっか」
勇者(......すごく落ち込んでる)
勇者(賢者......本当に遊び人を賢者にするためだけにこれを託そうとしたの?)
勇者(そうだとしたら......いくらなんでも)
勇者(......いや)
勇者(僕には、何にも言う資格は無い)
遊び人「......っ」
スッ
遊び人「............うん」
勇者「......立てる?」
遊び人「......うん」
勇者「行こう。遊び人」
勇者「アッサラームに移動して、少し休もう」
勇者「多分二人とも、色々ありすぎて混乱してる」
遊び人「......そう、だね」
勇者「......行こう」
遊び人「うん......うん」
遊び人「行くよ。行こう」
遊び人「立てる、立てるよ......だけど」
遊び人「......――少しだけ、待ってね......」
勇者「......」
・
...
......
............
スタスタ
勇者「......」
遊び人「......」
勇者「他に見ておきたい場所とかは」
遊び人「ううん、大丈夫」
勇者「......そっか」
勇者(......すごく落ち込んでる)
勇者(賢者......本当に遊び人を賢者にするためだけにこれを託そうとしたの?)
勇者(そうだとしたら......いくらなんでも)
勇者(......いや)
勇者(僕には、何にも言う資格は無い)
598: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:29:47.96:AN+4eFQK0 (23/26)
スタスタ
遊び人(......お姉ちゃん)
遊び人(覚悟はできてるつもりだったけど......想像以上に辛いよ、こんなの)
―――――――――――
賢者『貴方は、本当に愚かね』
―――――――――――
遊び人(......結局私はお姉ちゃんの決めたものにしかなれないの?)
――ガルナの塔・高層――
スタスタ
ザッ
勇者「遊び人。ほら、また綱だよ。足元気をつけてね」
遊び人「......」
勇者「遊び人!」
遊び人「あっ、ごめんなさい。大丈夫だよ勇者ちゃん」
勇者「......僕が先に行くよ。本当に気をつけてね?」
グッ
勇者「よっ......と」
勇者(綱自体は太いから、慣れればなんて事無いな)
勇者(......まあ)チラッ
遊び人「......」
勇者(今の遊び人だとそれでもちょっと怖いけど)
スタスタ
遊び人(......お姉ちゃん)
遊び人(覚悟はできてるつもりだったけど......想像以上に辛いよ、こんなの)
―――――――――――
賢者『貴方は、本当に愚かね』
―――――――――――
遊び人(......結局私はお姉ちゃんの決めたものにしかなれないの?)
――ガルナの塔・高層――
スタスタ
ザッ
勇者「遊び人。ほら、また綱だよ。足元気をつけてね」
遊び人「......」
勇者「遊び人!」
遊び人「あっ、ごめんなさい。大丈夫だよ勇者ちゃん」
勇者「......僕が先に行くよ。本当に気をつけてね?」
グッ
勇者「よっ......と」
勇者(綱自体は太いから、慣れればなんて事無いな)
勇者(......まあ)チラッ
遊び人「......」
勇者(今の遊び人だとそれでもちょっと怖いけど)
599: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:30:41.00:AN+4eFQK0 (24/26)
オォォォォオ...
勇者(......落ちたら流石に死ぬな......あ、でも)
勇者(そういえば、ここも監視者の塔なんだよね。それなら遊び人なら転落しても傷は負わないのか。そこは安心だ)
勇者(......しかし、本当にルビス様の御加護残ってるのかなぁ)
勇者(嫌な雰囲気しかしないし、人っ子一人)
ピタ
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん?」
勇者「あ、ごめんごめん」
勇者(......人っ子一人、居ない)
勇者(魔物も、生き物も)
勇者(なんでだ?シャンパーニの塔もナジミの塔も両方とも魔物が棲みついてたのに)
勇者(なんで僕らはさっきから何にも遭遇しないんだ?)
勇者「......遊び人」
遊び人「なに?」
勇者「早く行こう、何か嫌な予感がしてき」
「はい、ストップ」
勇者・遊び人「「!!!!?」」
ザッ ザッ...
勇者「なっ、な」
勇者(誰だ......!?前方の綱の終着点の方から声が)
勇者(床の向こう側が影になってて見えない......!!くそっ!!)
勇者「遊び人!!後ろだ!!気をつけて後ろに戻って!!」
遊び人「う、うん!!!」
ザッ
オォォォォオ...
勇者(......落ちたら流石に死ぬな......あ、でも)
勇者(そういえば、ここも監視者の塔なんだよね。それなら遊び人なら転落しても傷は負わないのか。そこは安心だ)
勇者(......しかし、本当にルビス様の御加護残ってるのかなぁ)
勇者(嫌な雰囲気しかしないし、人っ子一人)
ピタ
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん?」
勇者「あ、ごめんごめん」
勇者(......人っ子一人、居ない)
勇者(魔物も、生き物も)
勇者(なんでだ?シャンパーニの塔もナジミの塔も両方とも魔物が棲みついてたのに)
勇者(なんで僕らはさっきから何にも遭遇しないんだ?)
勇者「......遊び人」
遊び人「なに?」
勇者「早く行こう、何か嫌な予感がしてき」
「はい、ストップ」
勇者・遊び人「「!!!!?」」
ザッ ザッ...
勇者「なっ、な」
勇者(誰だ......!?前方の綱の終着点の方から声が)
勇者(床の向こう側が影になってて見えない......!!くそっ!!)
勇者「遊び人!!後ろだ!!気をつけて後ろに戻って!!」
遊び人「う、うん!!!」
ザッ
600: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:31:46.27:AN+4eFQK0 (25/26)
「まあまあお待ちなさいな」
勇者「!?」
ブツブツ
勇者(何かを呟いて......これは、詠唱!?)
「ヒャド」
パリィィィン!!!!
勇者「!!!!」
遊び人「!!」
勇者(僕らが来た、縄の出発点に......氷の柱が......!!)
遊び人「勇者ちゃん!ダメ!逃げられない!」
「逃がすつもりは無いんですのよ」
勇者「......!」
勇者(縄の上で......対峙とか......どんだけ最悪な状況なんだよっ......!!)
遊び人「勇者ちゃん......!」
勇者「遊び人......掴まってて......!!」
スタ... スタ...
勇者(来る......!)
スタ...
ギッ......
遊び人「......!!!」
勇者「............あなたは」
ギシッ
ランシール勇者「今度こそ、ゆっくりとお話させて頂きたいですわね」
ランシール勇者「......教えて貰いますわよ。"真実"を」
「まあまあお待ちなさいな」
勇者「!?」
ブツブツ
勇者(何かを呟いて......これは、詠唱!?)
「ヒャド」
パリィィィン!!!!
勇者「!!!!」
遊び人「!!」
勇者(僕らが来た、縄の出発点に......氷の柱が......!!)
遊び人「勇者ちゃん!ダメ!逃げられない!」
「逃がすつもりは無いんですのよ」
勇者「......!」
勇者(縄の上で......対峙とか......どんだけ最悪な状況なんだよっ......!!)
遊び人「勇者ちゃん......!」
勇者「遊び人......掴まってて......!!」
スタ... スタ...
勇者(来る......!)
スタ...
ギッ......
遊び人「......!!!」
勇者「............あなたは」
ギシッ
ランシール勇者「今度こそ、ゆっくりとお話させて頂きたいですわね」
ランシール勇者「......教えて貰いますわよ。"真実"を」
601: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2015年12月06日(日) 20:32:36.46:AN+4eFQK0 (26/26)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
602:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月06日(日) 20:32:46.04:LRT+hbMSo (1/1)
乙です
乙です
603:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月06日(日) 23:40:11.85:cy6DH/xDO (1/1)
待ってた乙!!
待ってた乙!!
604:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月07日(月) 09:44:22.10:7nbWVw4DO (1/1)
乙
乙
605:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月08日(火) 00:39:11.63:pnG7ZGQ30 (1/1)
乙でございます
乙でございます
606:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月08日(火) 13:13:00.16:SSbXjNXqO (1/1)
いいとこでおわらせるなほんとに!!
いいとこでおわらせるなほんとに!!
607:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015年12月23日(水) 10:30:06.38:4fVdxNhzO (1/1)
ほす
ほす
608:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします:2016年01月06日(水) 03:43:46.34:YTlKOk5AO (1/1)
ドキドキ
ドキドキ
609:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月26日(火) 00:50:57.71:zd/MLreDO (1/1)
ほす
ほす
610: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:08:09.24:vH3OUshZ0 (1/13)
勇者「ランシールの......!」
ランシール勇者「あら、覚えて下さってたんですわね?」
ギシッ
ランシール勇者「ずっとこの機会を待っていたんですの」
勇者「......こ、こないで下さい!」
ランシール勇者「前に二人でお話した時にはちゃんと確信がありませんでしたしね」
ランシール勇者「......さ、お話しましょうか」ニコ...
遊び人「あんた、あんた達!私達を待ち伏せしてたの!?」
ランシール勇者「達?違いますわね」
遊び人「え?」
ランシール勇者「ここにわたくしが居るのは騎士団長をはじめ、国連の連中には伝えていませんわ」
勇者「じゃ、じゃあ......」
ランシール勇者「わたくしは貴方とお話がしたいだけですので......ねえ?勇者さん」
勇者・遊び人「「......!?」」
遊び人(私を連れ戻しに来たワケじゃ......ないの?)
勇者「......話なら、いくらでもしますよ」
勇者「だから、もうちょっと穏便に別の場所でやりませんかね」
ランシール勇者「......穏便ね。まあそれもよろしいんですが」
ジャキン
ランシール勇者「............内容次第じゃ貴方を殺さなくてはなりませんのよ」
勇者・遊び人「「っ......!」」ゾッ
勇者「ランシールの......!」
ランシール勇者「あら、覚えて下さってたんですわね?」
ギシッ
ランシール勇者「ずっとこの機会を待っていたんですの」
勇者「......こ、こないで下さい!」
ランシール勇者「前に二人でお話した時にはちゃんと確信がありませんでしたしね」
ランシール勇者「......さ、お話しましょうか」ニコ...
遊び人「あんた、あんた達!私達を待ち伏せしてたの!?」
ランシール勇者「達?違いますわね」
遊び人「え?」
ランシール勇者「ここにわたくしが居るのは騎士団長をはじめ、国連の連中には伝えていませんわ」
勇者「じゃ、じゃあ......」
ランシール勇者「わたくしは貴方とお話がしたいだけですので......ねえ?勇者さん」
勇者・遊び人「「......!?」」
遊び人(私を連れ戻しに来たワケじゃ......ないの?)
勇者「......話なら、いくらでもしますよ」
勇者「だから、もうちょっと穏便に別の場所でやりませんかね」
ランシール勇者「......穏便ね。まあそれもよろしいんですが」
ジャキン
ランシール勇者「............内容次第じゃ貴方を殺さなくてはなりませんのよ」
勇者・遊び人「「っ......!」」ゾッ
611: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:10:08.16:vH3OUshZ0 (2/13)
ジリッ
勇者「......遊び人」ボソッ
遊び人「!」
勇者「遊び人はここから飛び降りるんだ。ルビス様の加護があるから平気だと思う」ボソボソ
遊び人「でも!勇者ちゃんは」ボソ
勇者「僕もすぐに行く。でもまずは遊び人が逃げて」
遊び人「すぐ行くって......!勇者ちゃんは加護が――」
勇者「......ごめんっ!」
ドンッ
遊び人「!!!?」
ランシール勇者「!」
ランシール勇者(賢者様だけ突き落とした......!?)
ヒュウゥゥゥ...
ランシール勇者「......なんのマネですの」
勇者「......」
勇者(ごめん遊び人......!)
バッ!
ランシール勇者「!」
ランシール勇者(逃げるつもりなのね......!!)
勇者(加護がなくても、足から落ちればなんとか......!!)
勇者(僕もすぐに――!!)
ジリッ
勇者「......遊び人」ボソッ
遊び人「!」
勇者「遊び人はここから飛び降りるんだ。ルビス様の加護があるから平気だと思う」ボソボソ
遊び人「でも!勇者ちゃんは」ボソ
勇者「僕もすぐに行く。でもまずは遊び人が逃げて」
遊び人「すぐ行くって......!勇者ちゃんは加護が――」
勇者「......ごめんっ!」
ドンッ
遊び人「!!!?」
ランシール勇者「!」
ランシール勇者(賢者様だけ突き落とした......!?)
ヒュウゥゥゥ...
ランシール勇者「......なんのマネですの」
勇者「......」
勇者(ごめん遊び人......!)
バッ!
ランシール勇者「!」
ランシール勇者(逃げるつもりなのね......!!)
勇者(加護がなくても、足から落ちればなんとか......!!)
勇者(僕もすぐに――!!)
612: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:10:45.59:vH3OUshZ0 (3/13)
ランシール勇者「ヒャド!!!」
バキバキバキィ!!
ピシッ!!
勇者「っがあっ!!?」グンッ
ランシール勇者「ふふ、逃がしはしませんわ」
勇者「っく!」
勇者(氷で綱と腕を繋がれた......!)
ランシール勇者「......逃げるほどに、やましい事がおありですの?」スッ
ギュリィッ
勇者「!!!......がぁぁっ!!!」
ランシール勇者「ふふ、爪を剥がされた手を踏みつけられる心地はいかが?」
ランシール勇者「これで正直にお話する気にもなりませんか?」
パッ
勇者「く、ふっ......!」
勇者「......何を、聞きたいんですか」
ランシール勇者「落日の七日間の初日に起こった事です」
勇者「......」
ランシール勇者「......アレを手引きしたのは、貴方ですの?」
勇者「......違う」
ランシール勇者「......じゃあお聴きしますが」
ランシール勇者「なぜ貴方だけ無事だったのかしら?」
勇者「......」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者「............貴方」
ランシール勇者「本当に、人間なんですの?」
ランシール勇者「ヒャド!!!」
バキバキバキィ!!
ピシッ!!
勇者「っがあっ!!?」グンッ
ランシール勇者「ふふ、逃がしはしませんわ」
勇者「っく!」
勇者(氷で綱と腕を繋がれた......!)
ランシール勇者「......逃げるほどに、やましい事がおありですの?」スッ
ギュリィッ
勇者「!!!......がぁぁっ!!!」
ランシール勇者「ふふ、爪を剥がされた手を踏みつけられる心地はいかが?」
ランシール勇者「これで正直にお話する気にもなりませんか?」
パッ
勇者「く、ふっ......!」
勇者「......何を、聞きたいんですか」
ランシール勇者「落日の七日間の初日に起こった事です」
勇者「......」
ランシール勇者「......アレを手引きしたのは、貴方ですの?」
勇者「......違う」
ランシール勇者「......じゃあお聴きしますが」
ランシール勇者「なぜ貴方だけ無事だったのかしら?」
勇者「......」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者「............貴方」
ランシール勇者「本当に、人間なんですの?」
613: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:11:55.53:vH3OUshZ0 (4/13)
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......僕は」
勇者「僕は、僕がなんなのか、わからない」
ランシール勇者「......」
勇者「僕は」
勇者「僕が、人間なのか、魔物なのか」
勇者「自分でも分からないんだ」
勇者「でも、これは、これだけはなんとなく分かる」
勇者「落日の七日間の、原因は僕だ」
ランシール勇者「......」
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......僕は」
勇者「僕は、僕がなんなのか、わからない」
ランシール勇者「......」
勇者「僕は」
勇者「僕が、人間なのか、魔物なのか」
勇者「自分でも分からないんだ」
勇者「でも、これは、これだけはなんとなく分かる」
勇者「落日の七日間の、原因は僕だ」
ランシール勇者「......」
614: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:12:22.14:vH3OUshZ0 (5/13)
勇者「......」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(なんですのその目)
ランシール勇者(なんで、そんな哀しい目を、原因かもしれないの貴方が)
ランシール勇者「......」
勇者「......」
ランシール勇者「......じゃあ、次の質問。これだけは真実をお話して下さいな」
ジャキン
ランシール勇者「......あの場に居た賢者を」
ランシール勇者「貴方は知っていたんですの?」
ランシール勇者「ガルナ様以外の賢者様を」
勇者「......」
ランシール勇者「......?」
勇者「......」
ランシール勇者「......なぜ答えないんですの」
ランシール勇者「答えなさい」
勇者「......」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(なんですのその目)
ランシール勇者(なんで、そんな哀しい目を、原因かもしれないの貴方が)
ランシール勇者「......」
勇者「......」
ランシール勇者「......じゃあ、次の質問。これだけは真実をお話して下さいな」
ジャキン
ランシール勇者「......あの場に居た賢者を」
ランシール勇者「貴方は知っていたんですの?」
ランシール勇者「ガルナ様以外の賢者様を」
勇者「......」
ランシール勇者「......?」
勇者「......」
ランシール勇者「......なぜ答えないんですの」
ランシール勇者「答えなさい」
615: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:12:51.60:vH3OUshZ0 (6/13)
勇者「......もしかして」
ランシール勇者「............答えなさいと言って――......!!」
勇者「もしかして......おばさんの一番弟子?」
ランシール勇者「......え?」
勇者「......右耳にピアスをしてた、あのおばさん」
勇者「星座に詳しくて、天体とか、植物の種類とか、色々教えてくれて、子供が大好きで」
勇者「......頬に大きな傷がある......優しい、おばさん......」
勇者「あのおばさんが、言ってたんだ......」
勇者「『かわいい一番弟子が、口調を真似するから、困ってるんですの』って......」
ランシール勇者「......」
チャキ...
ランシール勇者「......お師匠様」
ランシール勇者「............アープ様」
勇者「......あのおばさんが......アープ様だったんだ」
勇者「......もしかして」
ランシール勇者「............答えなさいと言って――......!!」
勇者「もしかして......おばさんの一番弟子?」
ランシール勇者「......え?」
勇者「......右耳にピアスをしてた、あのおばさん」
勇者「星座に詳しくて、天体とか、植物の種類とか、色々教えてくれて、子供が大好きで」
勇者「......頬に大きな傷がある......優しい、おばさん......」
勇者「あのおばさんが、言ってたんだ......」
勇者「『かわいい一番弟子が、口調を真似するから、困ってるんですの』って......」
ランシール勇者「......」
チャキ...
ランシール勇者「......お師匠様」
ランシール勇者「............アープ様」
勇者「......あのおばさんが......アープ様だったんだ」
616: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:13:26.91:vH3OUshZ0 (7/13)
勇者「......さっきの質問だけど......微妙な答えになっちゃう」
勇者「僕はついこの間まで、あの人達が四賢者の人達だって知らなかったんだ」
勇者「......偉い賢者だって事は、聞いてたんだけどね......ちょっと前までは四賢者自体知らなかったし」
ランシール勇者「......」
勇者「ちょっと前に、イシスの近くでシャンパーニ様のお弟子さんと会う事があって」
勇者「その時に、あそこに居たのが四賢者のうちの三人だったって知ったんだ」
勇者「......そして、そこで僕の中で全て合点がいったんだよ」
勇者「あそこには、あの時四賢者のうち三人が集まっていた」
勇者「だから、奴らが攻めてきたんだ......って」
ランシール勇者「......」
勇者「......そっか」
勇者「おばさんが、アープ様だったんだ......」
勇者「............名前を、知れて良かった」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......優しい目)
スッ
ランシール勇者「......手、掴まって下さいな」
勇者「え?......わわ」ギュッ
パリィン
勇者「......氷が粉々に」
ランシール勇者「この魔力操作も、アープ様に教えて貰ったんですの」
ランシール勇者「私の、全てのような先生でしたわ」
勇者「......」
勇者「......さっきの質問だけど......微妙な答えになっちゃう」
勇者「僕はついこの間まで、あの人達が四賢者の人達だって知らなかったんだ」
勇者「......偉い賢者だって事は、聞いてたんだけどね......ちょっと前までは四賢者自体知らなかったし」
ランシール勇者「......」
勇者「ちょっと前に、イシスの近くでシャンパーニ様のお弟子さんと会う事があって」
勇者「その時に、あそこに居たのが四賢者のうちの三人だったって知ったんだ」
勇者「......そして、そこで僕の中で全て合点がいったんだよ」
勇者「あそこには、あの時四賢者のうち三人が集まっていた」
勇者「だから、奴らが攻めてきたんだ......って」
ランシール勇者「......」
勇者「......そっか」
勇者「おばさんが、アープ様だったんだ......」
勇者「............名前を、知れて良かった」
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......優しい目)
スッ
ランシール勇者「......手、掴まって下さいな」
勇者「え?......わわ」ギュッ
パリィン
勇者「......氷が粉々に」
ランシール勇者「この魔力操作も、アープ様に教えて貰ったんですの」
ランシール勇者「私の、全てのような先生でしたわ」
勇者「......」
617: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:14:11.15:vH3OUshZ0 (8/13)
スタッ
ランシール勇者「ふう、立てますの?」スッ
勇者「え、あ、はい......」
ランシール勇者「......手荒いマネをして、申し訳ありませんでしたわ」
ジャキッ チャキン
ランシール勇者「......わたくしはガルナの塔ではガルナ様の末裔も、貴方も見ておりません」
ランシール勇者「そういう事にしておきます。これで勘弁してくださいな」
勇者「え!?」
ランシール勇者「なんです?不満がおありですの?」
勇者「いえ、あの......なんで」
ランシール勇者「............アープ様に色々教わったんでしょう?」
ランシール勇者「あの方は、認めた者にしか物事を教えませんの」
ランシール勇者「つまり、貴方は無害という事です。貴方が魔物に与する者なら、そうはいきませんもの」
ランシール勇者「......アープ様を殺したのは、貴方じゃ無い事は分かりました」
勇者「......ずっと、その魔物を探してたの?」
ランシール勇者「ええ。あの日からずーっとね」
ランシール勇者「でも、それは貴方も同じではないんですの?」
勇者「......」
スタッ
ランシール勇者「ふう、立てますの?」スッ
勇者「え、あ、はい......」
ランシール勇者「......手荒いマネをして、申し訳ありませんでしたわ」
ジャキッ チャキン
ランシール勇者「......わたくしはガルナの塔ではガルナ様の末裔も、貴方も見ておりません」
ランシール勇者「そういう事にしておきます。これで勘弁してくださいな」
勇者「え!?」
ランシール勇者「なんです?不満がおありですの?」
勇者「いえ、あの......なんで」
ランシール勇者「............アープ様に色々教わったんでしょう?」
ランシール勇者「あの方は、認めた者にしか物事を教えませんの」
ランシール勇者「つまり、貴方は無害という事です。貴方が魔物に与する者なら、そうはいきませんもの」
ランシール勇者「......アープ様を殺したのは、貴方じゃ無い事は分かりました」
勇者「......ずっと、その魔物を探してたの?」
ランシール勇者「ええ。あの日からずーっとね」
ランシール勇者「でも、それは貴方も同じではないんですの?」
勇者「......」
618: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:16:01.68:vH3OUshZ0 (9/13)
ランシール勇者「......まあ貴方がアープ様の仇ではないのは......なんとなく想像していましたしね」
勇者「......うん」
ランシール勇者「さ、早く行かないと下でガルナの末裔......いえ、遊び人さんが心配していますわね」
ランシール勇者「行ってあげて下さいな......と言いたいところですが」
ランシール勇者「最後の質問......これだけ聴かせていただけるかしら」
ランシール勇者「アープ様を殺したのは。どこのどいつですの」
勇者「......」
ランシール勇者「......」
勇者「......」
勇者「......話すよ」
勇者「............あれは」
ランシール勇者「......まあ貴方がアープ様の仇ではないのは......なんとなく想像していましたしね」
勇者「......うん」
ランシール勇者「さ、早く行かないと下でガルナの末裔......いえ、遊び人さんが心配していますわね」
ランシール勇者「行ってあげて下さいな......と言いたいところですが」
ランシール勇者「最後の質問......これだけ聴かせていただけるかしら」
ランシール勇者「アープ様を殺したのは。どこのどいつですの」
勇者「......」
ランシール勇者「......」
勇者「......」
勇者「......話すよ」
勇者「............あれは」
619: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:17:01.81:vH3OUshZ0 (10/13)
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
勇者・ランシール勇者「「!!?」」
スタスタ
「なーんかランシールのクソ餓鬼が怪しい動きをしておると思っておったんじゃよねー!!!」
「黙って聴いておればなーに勇者っちを見逃す流れにしよんのー????」
ランシール勇者「......っ!!!!」
勇者「なっ......!!」
ランシール勇者(嘘っ、なんでですの!?)
ランシール勇者(塔内には全く、他の誰かの気配なんて無かった筈!!!)
スタスタ
「魔物がなんじゃの?勇者っちが魔物じゃない証拠なんてあるのー?」
「だって勇者っち」
ヒュンッ!!!!
ガシッ!!!!
勇者「えっ」
勇者(え、なんだ)
勇者(この人、さっきまであの床の場所に)
勇者(なんで一瞬で綱の上にいる僕の)
勇者(頭を)
勇者(掴んで)
グイッ
勇者(落ちる)
「ルビス様の御加護無いンじゃろ?」
ランシール勇者「勇者さんっッ!!!!!!!!」
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
勇者・ランシール勇者「「!!?」」
スタスタ
「なーんかランシールのクソ餓鬼が怪しい動きをしておると思っておったんじゃよねー!!!」
「黙って聴いておればなーに勇者っちを見逃す流れにしよんのー????」
ランシール勇者「......っ!!!!」
勇者「なっ......!!」
ランシール勇者(嘘っ、なんでですの!?)
ランシール勇者(塔内には全く、他の誰かの気配なんて無かった筈!!!)
スタスタ
「魔物がなんじゃの?勇者っちが魔物じゃない証拠なんてあるのー?」
「だって勇者っち」
ヒュンッ!!!!
ガシッ!!!!
勇者「えっ」
勇者(え、なんだ)
勇者(この人、さっきまであの床の場所に)
勇者(なんで一瞬で綱の上にいる僕の)
勇者(頭を)
勇者(掴んで)
グイッ
勇者(落ちる)
「ルビス様の御加護無いンじゃろ?」
ランシール勇者「勇者さんっッ!!!!!!!!」
620: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:17:59.82:vH3OUshZ0 (11/13)
ドシャァッ!!!!!!!!!!!!
勇者「ッっっっtltttttttttt!!!!!!!!!!!!」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジパング勇者「頭が!!!!!割れておるよ!!!!!!あっはっはっはっはっはっは!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドシャァッ!!!!!!!!!!!!
勇者「ッっっっtltttttttttt!!!!!!!!!!!!」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジパング勇者「頭が!!!!!割れておるよ!!!!!!あっはっはっはっはっはっは!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「ルビス様の御加護が無いから!!!!!!!」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
621: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:18:41.70:vH3OUshZ0 (12/13)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
622: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年01月27日(水) 23:19:08.07:vH3OUshZ0 (13/13)
>>546
×ばつポルトガ勇者「......う」
○しろまるポルトガ兵「......う」
>>546
×ばつポルトガ勇者「......う」
○しろまるポルトガ兵「......う」
623:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月27日(水) 23:31:13.72:WVCkhhCJO (1/1)
乙
乙
624:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月27日(水) 23:36:17.12:gYayxttAO (1/1)
待ってた
待ってた
625:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月28日(木) 01:40:21.57:V4zD8WBb0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
626:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月28日(木) 18:26:28.49:jjVudsUDO (1/1)
おつ
おつ
627:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年01月30日(土) 14:12:05.41:hKcf2uBHO (1/1)
乙です
乙です
628: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:36:10.59:EWp8ie+S0 (1/10)
ランシール勇者「くっ......!!」タッ
ヒュゥゥゥ
スタァッ!!
ランシール勇者「勇者さん!!......!?」
ズラァッ
サマンオサ兵「「「「......」」」」
ランシール勇者「なっ......!!?」
ランシール勇者(なんですのこの兵の数は......!?)
ジパング勇者「お?降りてきたねランシールの小娘」
遊び人「んーっ!!!!ん――――!!!!」
ジパング勇者「ったく、うるさいんじゃよね。賢者様とやら。そのまま口塞いでおくんじゃよ」
サマンオサ兵「はっ」
ランシール勇者「遊び人さん!!......ジパング勇者さん!正気ですの!?」
ジパング勇者「んー?なにがー?」
ランシール勇者「遊び人さんは賢者様の末裔ですのよ!?こんな手荒な真似!!それに勇者さんも......勇者さんッ!!」
勇者「あ、かっ......あ」ガクガク
ジパング勇者「おー?こんな高所から叩き落してもまだ辛うじて生きておるね」
ジパング勇者「ルビス様の加護が無くてこれって、やっぱりこいつ魔物なんじゃないのー?あはは☆」
ランシール勇者「くっ......!!」タッ
ヒュゥゥゥ
スタァッ!!
ランシール勇者「勇者さん!!......!?」
ズラァッ
サマンオサ兵「「「「......」」」」
ランシール勇者「なっ......!!?」
ランシール勇者(なんですのこの兵の数は......!?)
ジパング勇者「お?降りてきたねランシールの小娘」
遊び人「んーっ!!!!ん――――!!!!」
ジパング勇者「ったく、うるさいんじゃよね。賢者様とやら。そのまま口塞いでおくんじゃよ」
サマンオサ兵「はっ」
ランシール勇者「遊び人さん!!......ジパング勇者さん!正気ですの!?」
ジパング勇者「んー?なにがー?」
ランシール勇者「遊び人さんは賢者様の末裔ですのよ!?こんな手荒な真似!!それに勇者さんも......勇者さんッ!!」
勇者「あ、かっ......あ」ガクガク
ジパング勇者「おー?こんな高所から叩き落してもまだ辛うじて生きておるね」
ジパング勇者「ルビス様の加護が無くてこれって、やっぱりこいつ魔物なんじゃないのー?あはは☆」
629: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:36:50.86:EWp8ie+S0 (2/10)
遊び人「んっ!!んーっ!!!」
バッ
遊び人「ぷはっ!!っ!!!勇者ちゃん!!!!勇者ちゃあん!!!!!」
ジパング勇者「あ、もー。ちゃんと抑えとれって」
遊び人「離して!!はなしっ......て!!!離せぇっ!!!」
遊び人「おねがいっ!!!!勇者ちゃっ、勇者ちゃんが死んじゃう!!!!!」
ジパング勇者「あははは!賢者様が魔物の心配?おっかしーなー?」
ガッ
勇者「っ」
ジパング勇者「わらわは当然の事......魔物退治をしよるだけなんじゃけどねー?ね?勇者っち」
グリグリ
遊び人「勇者ちゃんから足をどけてぇっっ!!!!!!」
ランシール勇者「ジパング勇者さんっ!!!!」
ジャキッ!!
ランシール勇者「!?」
サマンオサ兵「......動くな」
ランシール勇者「......なんのマネですの......!!わたくしは国連の勇者ですのよ!!それに向かって」
ジパング勇者「いや、もう多分おぬし国連の勇者じゃなくなるし」
ランシール勇者「......!!」
ジパング勇者「ねー?だって魔物である勇者っちを一度見逃そうとしとるんじゃもの」
ジパング勇者「騎士団長の命で今朝っぱらから潜んでおったけど、おぬしが入ってきた時はちょっと笑っちゃったよ☆」
ランシール勇者「......!!?という事は、ずっと気配を殺して......!?」
ランシール勇者(あり得ませんわ......!!これほどの兵士達をどこに......!!?)
ジパング勇者「この件は騎士団長に報告させてもらうかんねっ☆......しかし、おぬしまでこんな」
ギュリィッ
勇者「ぐ......ぁ」
ジパング勇者「こーんな雑魚助に惑わされよるなんてねえ」
遊び人「んっ!!んーっ!!!」
バッ
遊び人「ぷはっ!!っ!!!勇者ちゃん!!!!勇者ちゃあん!!!!!」
ジパング勇者「あ、もー。ちゃんと抑えとれって」
遊び人「離して!!はなしっ......て!!!離せぇっ!!!」
遊び人「おねがいっ!!!!勇者ちゃっ、勇者ちゃんが死んじゃう!!!!!」
ジパング勇者「あははは!賢者様が魔物の心配?おっかしーなー?」
ガッ
勇者「っ」
ジパング勇者「わらわは当然の事......魔物退治をしよるだけなんじゃけどねー?ね?勇者っち」
グリグリ
遊び人「勇者ちゃんから足をどけてぇっっ!!!!!!」
ランシール勇者「ジパング勇者さんっ!!!!」
ジャキッ!!
ランシール勇者「!?」
サマンオサ兵「......動くな」
ランシール勇者「......なんのマネですの......!!わたくしは国連の勇者ですのよ!!それに向かって」
ジパング勇者「いや、もう多分おぬし国連の勇者じゃなくなるし」
ランシール勇者「......!!」
ジパング勇者「ねー?だって魔物である勇者っちを一度見逃そうとしとるんじゃもの」
ジパング勇者「騎士団長の命で今朝っぱらから潜んでおったけど、おぬしが入ってきた時はちょっと笑っちゃったよ☆」
ランシール勇者「......!!?という事は、ずっと気配を殺して......!?」
ランシール勇者(あり得ませんわ......!!これほどの兵士達をどこに......!!?)
ジパング勇者「この件は騎士団長に報告させてもらうかんねっ☆......しかし、おぬしまでこんな」
ギュリィッ
勇者「ぐ......ぁ」
ジパング勇者「こーんな雑魚助に惑わされよるなんてねえ」
630: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:37:38.05:EWp8ie+S0 (3/10)
遊び人「やめてぇっ!!!!!!!」
サマンオサ兵「お静かに」
ジパング勇者「うるさいんじゃって。本当に勇者っち殺しちゃうよ?」
遊び人「はぁっ......!はぁっ......!」
遊び人「......お願い、お願いしますっ」
遊び人「なんでも、なんでもします、おねがいっ......!!」
ポロポロ
遊び人「勇者ちゃんは......勇者ちゃんは、ころさないでっ......!!」
ジパング勇者「はぁー......ホントわからないなぁ。なんでこんな情けないうんこに皆肩入れするんじゃよ」
ジパング勇者「心配せんでも落とす時に衝撃を調整したから大丈夫大丈夫。死にはせんと思うよ」
ジパング勇者「ま。額の皮がずるりと剥けておるし、これ多分後遺症残るんじゃないかなーとは思うけどね☆あははっ」
ザッザッザッ
ジパング勇者「お、ちゃんと突入の合図も見えたみたいじゃね」
遊び人「!?」
ランシール勇者「え......!?」
ザッザッザ!!
ズザァッ!!
ランシール勇者「まさか......」
ダーマ兵「「「「「......」」」」」
サマンオサ兵「「「「「......」」」」」
エジンベア兵「「「「「......」」」」」
ランシール勇者「外にも待機していたんですの......!?」
ランシール勇者(それに、エジンベア兵まで......という事は)
スタスタ
エジンベア勇者「......」
ランシール勇者「......エジンベア勇者......!!」
遊び人「やめてぇっ!!!!!!!」
サマンオサ兵「お静かに」
ジパング勇者「うるさいんじゃって。本当に勇者っち殺しちゃうよ?」
遊び人「はぁっ......!はぁっ......!」
遊び人「......お願い、お願いしますっ」
遊び人「なんでも、なんでもします、おねがいっ......!!」
ポロポロ
遊び人「勇者ちゃんは......勇者ちゃんは、ころさないでっ......!!」
ジパング勇者「はぁー......ホントわからないなぁ。なんでこんな情けないうんこに皆肩入れするんじゃよ」
ジパング勇者「心配せんでも落とす時に衝撃を調整したから大丈夫大丈夫。死にはせんと思うよ」
ジパング勇者「ま。額の皮がずるりと剥けておるし、これ多分後遺症残るんじゃないかなーとは思うけどね☆あははっ」
ザッザッザッ
ジパング勇者「お、ちゃんと突入の合図も見えたみたいじゃね」
遊び人「!?」
ランシール勇者「え......!?」
ザッザッザ!!
ズザァッ!!
ランシール勇者「まさか......」
ダーマ兵「「「「「......」」」」」
サマンオサ兵「「「「「......」」」」」
エジンベア兵「「「「「......」」」」」
ランシール勇者「外にも待機していたんですの......!?」
ランシール勇者(それに、エジンベア兵まで......という事は)
スタスタ
エジンベア勇者「......」
ランシール勇者「......エジンベア勇者......!!」
631: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:38:16.74:EWp8ie+S0 (4/10)
ジパング勇者「やーやー、来たねエジンベアの小僧!」
エジンベア勇者「全く......外でずっと待機させられるとは思わなかったよ......で?目的は?」
ジパング勇者「うん。達成したよ。ホレ、これ」
勇者「あっ、く」
エジンベア勇者「......」
ジパング勇者「くふふー。ほんとボロボロじゃよ。これ連れて帰る意味ある?」
エジンベア勇者「騎士団長が連れて帰って来いっていうんだからあるんでしょうよ......どうするんだい?これ、もう死にそうだよ?」
ジパング勇者「まー......すぐに連れて帰って手当てすれば死にゃしないじゃろうよ」
エジンベア勇者「......まあどうでもいいけどね。これはキミの手柄だし」
クルッ
エジンベア勇者「......ランシール勇者」
ランシール勇者「............」
エジンベア勇者「どこに行ったかと思ったら......全く、こんな所に一人で来ているなんてねぇ」
ジパング勇者「勇者っちに色々聴いて、見逃すつもりだったみたいじゃよ」
エジンベア勇者「......はあ......なんでまた、命令も無視してこんなくだらない事」
ランシール勇者「くだらない事?」
エジンベア勇者「うん?」
ランシール勇者「わたくしに言わせれば、あなた方こそくだらないんですわよ」
ランシール勇者「知る事をしようとしない......あなた方こそね......!」
エジンベア勇者「......まったく、どうしちゃったんだい?キミらしくもない。スー勇者も心配してたよ?」
エジンベア勇者「スー勇者を安心させる為にも早く引き上げ......の前に、ジパング勇者?」
ジパング勇者「ん?なになに」
エジンベア勇者「"もう一つの目的"は?」
ランシール勇者「......?」
ジパング勇者「あー、忘れておった」
ジパング勇者「やーやー、来たねエジンベアの小僧!」
エジンベア勇者「全く......外でずっと待機させられるとは思わなかったよ......で?目的は?」
ジパング勇者「うん。達成したよ。ホレ、これ」
勇者「あっ、く」
エジンベア勇者「......」
ジパング勇者「くふふー。ほんとボロボロじゃよ。これ連れて帰る意味ある?」
エジンベア勇者「騎士団長が連れて帰って来いっていうんだからあるんでしょうよ......どうするんだい?これ、もう死にそうだよ?」
ジパング勇者「まー......すぐに連れて帰って手当てすれば死にゃしないじゃろうよ」
エジンベア勇者「......まあどうでもいいけどね。これはキミの手柄だし」
クルッ
エジンベア勇者「......ランシール勇者」
ランシール勇者「............」
エジンベア勇者「どこに行ったかと思ったら......全く、こんな所に一人で来ているなんてねぇ」
ジパング勇者「勇者っちに色々聴いて、見逃すつもりだったみたいじゃよ」
エジンベア勇者「......はあ......なんでまた、命令も無視してこんなくだらない事」
ランシール勇者「くだらない事?」
エジンベア勇者「うん?」
ランシール勇者「わたくしに言わせれば、あなた方こそくだらないんですわよ」
ランシール勇者「知る事をしようとしない......あなた方こそね......!」
エジンベア勇者「......まったく、どうしちゃったんだい?キミらしくもない。スー勇者も心配してたよ?」
エジンベア勇者「スー勇者を安心させる為にも早く引き上げ......の前に、ジパング勇者?」
ジパング勇者「ん?なになに」
エジンベア勇者「"もう一つの目的"は?」
ランシール勇者「......?」
ジパング勇者「あー、忘れておった」
632: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:39:07.87:EWp8ie+S0 (5/10)
スタスタ
ジパング勇者「ねーねー姫君姫君ー」
遊び人「なにっ......なによっ......!!早く、早く勇者ちゃんを」ポロポロ
ジパング勇者「あー、それは分かっとるんじゃけどね?姫君さー」
ジパング勇者「なんか、手に入れたじゃろ?」
遊び人「............!!?」
ジパング勇者「......へへ☆」
スッ
ジパング勇者「それ?くれるじゃろ?ね?」
ニコォ
ジパング勇者「ちょうだいよ」
遊び人「......あ」
遊び人(私、バカだ)
遊び人(こうなる事くらい予測できたじゃない)
遊び人(多分、国連は"悟りの書"の存在をどこかで聞いてたんだ)
遊び人(その上で、私は泳がされてた)
遊び人(騎士団長は、多分、アリアハンの私とお姉ちゃんの部屋や、私達が掴まった後の荷物を調べた上で......)
遊び人(お姉ちゃんが私にそれを託した事を踏んでて......勇者ちゃんと私を泳がせたんだ)
ジパング勇者「ん?どうしたんじゃよ?」
遊び人(渡したら、どうなる)
遊び人(......新しい賢者が生まれる。賢者の血族でもない人間が賢者になれる)
遊び人(また落日の憂き目が)
スタスタ
ジパング勇者「ねーねー姫君姫君ー」
遊び人「なにっ......なによっ......!!早く、早く勇者ちゃんを」ポロポロ
ジパング勇者「あー、それは分かっとるんじゃけどね?姫君さー」
ジパング勇者「なんか、手に入れたじゃろ?」
遊び人「............!!?」
ジパング勇者「......へへ☆」
スッ
ジパング勇者「それ?くれるじゃろ?ね?」
ニコォ
ジパング勇者「ちょうだいよ」
遊び人「......あ」
遊び人(私、バカだ)
遊び人(こうなる事くらい予測できたじゃない)
遊び人(多分、国連は"悟りの書"の存在をどこかで聞いてたんだ)
遊び人(その上で、私は泳がされてた)
遊び人(騎士団長は、多分、アリアハンの私とお姉ちゃんの部屋や、私達が掴まった後の荷物を調べた上で......)
遊び人(お姉ちゃんが私にそれを託した事を踏んでて......勇者ちゃんと私を泳がせたんだ)
ジパング勇者「ん?どうしたんじゃよ?」
遊び人(渡したら、どうなる)
遊び人(......新しい賢者が生まれる。賢者の血族でもない人間が賢者になれる)
遊び人(また落日の憂き目が)
633: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:40:23.06:EWp8ie+S0 (6/10)
ジパング勇者「......ねぇねぇ、わらわってそんなに気が長くないんじゃよ?」
遊び人(......お姉ちゃん、お姉ちゃんは保険の為にこの悟りの書を私に託したのかもしれない)
遊び人(賢者の血を絶やさないようにって。私に才能がなければこれで誰かを賢者にするようにって)
遊び人(でも......それは間違いだったよ)
遊び人(お姉ちゃんの計算違いだよ)
ジパング勇者「......早く」
遊び人「......」
遊び人(だってお姉ちゃんは......お姉ちゃん達は)
遊び人(その賢者って職業に、その名前に、殺されたんだから)
ゴソッ
ジパング勇者「お?」
スッ
遊び人「......」
ジパング勇者「......ふふ、素直でいい子じゃよ☆」
遊び人「......」
遊び人(ごめん、お姉ちゃん)
遊び人(ごめん......勇者ちゃん)
ジパング勇者「......ねぇねぇ、わらわってそんなに気が長くないんじゃよ?」
遊び人(......お姉ちゃん、お姉ちゃんは保険の為にこの悟りの書を私に託したのかもしれない)
遊び人(賢者の血を絶やさないようにって。私に才能がなければこれで誰かを賢者にするようにって)
遊び人(でも......それは間違いだったよ)
遊び人(お姉ちゃんの計算違いだよ)
ジパング勇者「......早く」
遊び人「......」
遊び人(だってお姉ちゃんは......お姉ちゃん達は)
遊び人(その賢者って職業に、その名前に、殺されたんだから)
ゴソッ
ジパング勇者「お?」
スッ
遊び人「......」
ジパング勇者「......ふふ、素直でいい子じゃよ☆」
遊び人「......」
遊び人(ごめん、お姉ちゃん)
遊び人(ごめん......勇者ちゃん)
634: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:41:26.11:EWp8ie+S0 (7/10)
「や、め......ろ」
遊び人「!!」
ジパング勇者「......」ピタ
クルッ
ジパング勇者「......んー?」
勇者「や......め............ろ」
ランシール勇者「勇者さん!」
エジンベア勇者「......!」
遊び人「勇者ちゃんっ!喋っちゃだめ!!」
ジパング勇者「ほぉー!?ほうほうほう!?」
スタスタ
ジパング勇者「これは面白いねー。こんな状態でまだたてつくつもりなんじゃね!」
ジパング勇者「そんなに大事なモノなんじゃねー?アレ」
ジパング勇者「それとも......姫君の方が大事なんじゃろうかね?」
勇者「っ......う、く」
グ
ジパング勇者「!!」
ランシール勇者「!」
エジンベア勇者(......おいおいオイオイ)
遊び人「勇者ちゃん......!!だめ、やめて」
勇者「ぎっ!!!!...............がぁっ............!!!!!」
遊び人「立ち上がろうとしないで勇者ちゃん!!!」
「や、め......ろ」
遊び人「!!」
ジパング勇者「......」ピタ
クルッ
ジパング勇者「......んー?」
勇者「や......め............ろ」
ランシール勇者「勇者さん!」
エジンベア勇者「......!」
遊び人「勇者ちゃんっ!喋っちゃだめ!!」
ジパング勇者「ほぉー!?ほうほうほう!?」
スタスタ
ジパング勇者「これは面白いねー。こんな状態でまだたてつくつもりなんじゃね!」
ジパング勇者「そんなに大事なモノなんじゃねー?アレ」
ジパング勇者「それとも......姫君の方が大事なんじゃろうかね?」
勇者「っ......う、く」
グ
ジパング勇者「!!」
ランシール勇者「!」
エジンベア勇者(......おいおいオイオイ)
遊び人「勇者ちゃん......!!だめ、やめて」
勇者「ぎっ!!!!...............がぁっ............!!!!!」
遊び人「立ち上がろうとしないで勇者ちゃん!!!」
635: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:41:55.38:EWp8ie+S0 (8/10)
ジパング勇者「あっはっはっはっはっは!!」
ジパング勇者「そんな状態で立とうとするなんて、あはははははっ!!!!」
ダーマ兵「っ......!!正気じゃない......!」
エジンベア兵「見ろよ......額がパックリ割れちまってるぜ」
エジンベア勇者「イカレちまってるねぇ......」
ランシール勇者「......」
スタスタ
ジパング勇者「勇者っち、面白いねぇ!どっかの文献で読んだ亡霊みたいじゃ!」
ジパング勇者「もっとも、本当に落日の七日間からの亡霊みたいなもんなんじゃろうかね?」
ザッ
勇者「はぁっ......はぁっ......!!」
ジパング勇者「でも肘で体支えるくらいが限度みたいじゃねぇ」
ジパング勇者「しかしよぉく頑張りました!!そんな勇者っちにご褒美をあげましょー☆」
勇者「はぁっ......あ、く......」
チャリン
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっは!!」
ジパング勇者「そんな状態で立とうとするなんて、あはははははっ!!!!」
ダーマ兵「っ......!!正気じゃない......!」
エジンベア兵「見ろよ......額がパックリ割れちまってるぜ」
エジンベア勇者「イカレちまってるねぇ......」
ランシール勇者「......」
スタスタ
ジパング勇者「勇者っち、面白いねぇ!どっかの文献で読んだ亡霊みたいじゃ!」
ジパング勇者「もっとも、本当に落日の七日間からの亡霊みたいなもんなんじゃろうかね?」
ザッ
勇者「はぁっ......はぁっ......!!」
ジパング勇者「でも肘で体支えるくらいが限度みたいじゃねぇ」
ジパング勇者「しかしよぉく頑張りました!!そんな勇者っちにご褒美をあげましょー☆」
勇者「はぁっ......あ、く......」
チャリン
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......」
636: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:43:51.15:EWp8ie+S0 (9/10)
ジパング勇者「おやー?この真っ赤な金貨、なんじゃろうね?」
ジパング勇者「勇者っちわかるかなぁー?」
勇者「......」
ジパング勇者「うーん、難しすぎたじゃろうか?」
ジパング勇者「じゃあヒントもあげましょー☆」ポイッ
ボトッ
ボトッ
勇者「............」
ジパング勇者「......さーて、ヒントじゃよ」
勇者「..................」
ジパング勇者「この切り落とされた耳と鼻........................誰のじゃろね?」
ジパング勇者「おやー?この真っ赤な金貨、なんじゃろうね?」
ジパング勇者「勇者っちわかるかなぁー?」
勇者「......」
ジパング勇者「うーん、難しすぎたじゃろうか?」
ジパング勇者「じゃあヒントもあげましょー☆」ポイッ
ボトッ
ボトッ
勇者「............」
ジパング勇者「......さーて、ヒントじゃよ」
勇者「..................」
ジパング勇者「この切り落とされた耳と鼻........................誰のじゃろね?」
637: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 03:44:38.25:EWp8ie+S0 (10/10)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
638:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 11:40:55.61:QdJ+6Oo6O (1/1)
乙
乙
639:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 15:32:15.38:HBBosIeDO (1/2)
おつ
おつ
640:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 21:07:20.01:MdzhYgGVo (1/1)
おつ
おつ
641: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:16:10.27:sQX6AEWt0 (1/18)
遊び人「......まさか」
勇者「......」
勇者「............」
勇者「..................」
ジパング勇者「あれあれ、なんて言ったっけ?あの盗賊のムサい男」
ジパング勇者「アイツを痛めつけておったらさー。なんかまたいっぱい戻ってきおってさ」
ジパング勇者「邪魔じゃったから、殺しちゃった」
勇者「......」
ジパング勇者「全員の首、刎ねて、腹を開いて」
ジパング勇者「魔物じゃないか調べた後に、鼻と耳を削いで」
ジパング勇者「今頃ダーマのルビス様の祭壇に首と、それから皮を剥がされた胴体が並んでおるよ」
ジパング勇者「......この金貨、前金じゃったっけ?」
ジパング勇者「ぶはっ......!くふふふっ!!!......前金じゃなくなっちゃったね!」
ジパング勇者「あの雑魚ども、この金貨一枚の為に死んでいったよ!」
ジパング勇者「お前がこの金貨一枚で、奴らを死に追いやったんじゃよ!!」
ジパング勇者「あはははははっ、あはははははははははははははは!!!!!!!!!!!!」
遊び人「......まさか」
勇者「......」
勇者「............」
勇者「..................」
ジパング勇者「あれあれ、なんて言ったっけ?あの盗賊のムサい男」
ジパング勇者「アイツを痛めつけておったらさー。なんかまたいっぱい戻ってきおってさ」
ジパング勇者「邪魔じゃったから、殺しちゃった」
勇者「......」
ジパング勇者「全員の首、刎ねて、腹を開いて」
ジパング勇者「魔物じゃないか調べた後に、鼻と耳を削いで」
ジパング勇者「今頃ダーマのルビス様の祭壇に首と、それから皮を剥がされた胴体が並んでおるよ」
ジパング勇者「......この金貨、前金じゃったっけ?」
ジパング勇者「ぶはっ......!くふふふっ!!!......前金じゃなくなっちゃったね!」
ジパング勇者「あの雑魚ども、この金貨一枚の為に死んでいったよ!」
ジパング勇者「お前がこの金貨一枚で、奴らを死に追いやったんじゃよ!!」
ジパング勇者「あはははははっ、あはははははははははははははは!!!!!!!!!!!!」
642: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:16:38.78:sQX6AEWt0 (2/18)
遊び人「うあ」
ガクッ
遊び人「うあっ......!うあぁぁぁっ......!」ポロポロ
ランシール勇者「......!!ゲスがっ......!!」
エジンベア勇者「............悪趣味が過ぎるのが多いねぇ。国連ってのは」
勇者「......」
勇者「......あ」
勇者「............あー」
勇者「あー......っ......あー......」
勇者「あー......あ――――――――」
勇者「あ――――――、あ――――――――」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!」
勇者「あ―――――――――――――――――――――――――――っ」
遊び人「うあ」
ガクッ
遊び人「うあっ......!うあぁぁぁっ......!」ポロポロ
ランシール勇者「......!!ゲスがっ......!!」
エジンベア勇者「............悪趣味が過ぎるのが多いねぇ。国連ってのは」
勇者「......」
勇者「......あ」
勇者「............あー」
勇者「あー......っ......あー......」
勇者「あー......あ――――――――」
勇者「あ――――――、あ――――――――」
ジパング勇者「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!!!!」
勇者「あ―――――――――――――――――――――――――――っ」
643: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:17:10.72:sQX6AEWt0 (3/18)
―――アリアハン城・城門前―――
ワーワー
「早く勇者の件について説明しろ!!」
「だから早く勇者母さんか王を出せって――......」
ザワッ
「おい、誰か出てきたぞ」
「あれは――......!」
スタスタ
女勇者「......」
「女勇者様......!」
「女勇者様だ」
「今までどこに......!」
ザッ
女勇者「皆さん!静粛にお願いします!!」
「静粛にったってよぉ、女勇者様!」
「お前の義理の兄弟についてどう説明してくれるんだよ!」
「勇者母さんも貴方も、魔物の仲間だったんじゃないでしょうね......?」
「アリアハンに安心して住めなくなっちまうんだよ!!説明くらいしてくれ!!」
女勇者「......」
ギリッ...
女勇者「......その件なんですが......今しがた国連から情報が入りました」
「何ッ!?」
「どんな!?」
―――アリアハン城・城門前―――
ワーワー
「早く勇者の件について説明しろ!!」
「だから早く勇者母さんか王を出せって――......」
ザワッ
「おい、誰か出てきたぞ」
「あれは――......!」
スタスタ
女勇者「......」
「女勇者様......!」
「女勇者様だ」
「今までどこに......!」
ザッ
女勇者「皆さん!静粛にお願いします!!」
「静粛にったってよぉ、女勇者様!」
「お前の義理の兄弟についてどう説明してくれるんだよ!」
「勇者母さんも貴方も、魔物の仲間だったんじゃないでしょうね......?」
「アリアハンに安心して住めなくなっちまうんだよ!!説明くらいしてくれ!!」
女勇者「......」
ギリッ...
女勇者「......その件なんですが......今しがた国連から情報が入りました」
「何ッ!?」
「どんな!?」
644: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:17:53.29:sQX6AEWt0 (4/18)
女勇者「......あの男が」
女勇者「勇者が......」
女勇者「............っ」
女勇者「......"あの男"が」
―――――――――――――
勇者『ねえ、女勇者』
勇者『僕、ときどきおもうんだよ』
勇者『まものだーって......いわれたとき』
勇者『ときどき......おもうんだよ』
―――――――――――――
女勇者「......」
女勇者「......私達を......アリアハンの国民を」
女勇者「"オルテガ一家"を」
女勇者「............騙していたと」
女勇者「............」
女勇者「自供したって」
―――――――――――――
勇者『ほんとうにまものだったら』
勇者『ぼくが本物のまものだったら』
勇者『どんなにいいかって』
―――――――――――――
女勇者「......報告が、ありました」
―――――――――――――
勇者『もし、ぼくがほんとうにまものだったら』
女勇者「......あの男が」
女勇者「勇者が......」
女勇者「............っ」
女勇者「......"あの男"が」
―――――――――――――
勇者『ねえ、女勇者』
勇者『僕、ときどきおもうんだよ』
勇者『まものだーって......いわれたとき』
勇者『ときどき......おもうんだよ』
―――――――――――――
女勇者「......」
女勇者「......私達を......アリアハンの国民を」
女勇者「"オルテガ一家"を」
女勇者「............騙していたと」
女勇者「............」
女勇者「自供したって」
―――――――――――――
勇者『ほんとうにまものだったら』
勇者『ぼくが本物のまものだったら』
勇者『どんなにいいかって』
―――――――――――――
女勇者「......報告が、ありました」
―――――――――――――
勇者『もし、ぼくがほんとうにまものだったら』
645: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:18:31.00:sQX6AEWt0 (5/18)
勇者「あ―――――っ」
勇者「あ――っ、あ――――っ」
勇者「あ―――――――――――――――――っ」
ジパング勇者「きっ......ひひひひひひひひひっ、くふっ、いぎひっひひひひひ!!!」
ジパング勇者「見てみりゃれよ!!!このザマを!!!!なあ!!!エジンベア勇者!ランシールの小娘!!」
ジパング勇者「姫君!!姫君もみてみりゃれって!!」
ジパング勇者「壊れてしまったよ!!!壊れてしまったよ!!!!!」
ジパング勇者「このおもちゃ、壊れたんじゃよ!!!!!あはっはっはははははははは!!!!!!!!」
遊び人「勇者......ちゃん」ポロポロ
ジパング勇者「立つ事もできず、寝たまんま奇声発しておる!!!!あははははははは!!!!!!!!」
ランシール勇者「このっ......!!」ギリッ
ジャキィッ!!
ランシール勇者「!!」ピタ!
サマンオサ兵「......」
エジンベア勇者「......ジパング勇者。そんなのどうでもいいからさぁ、早く戻らないかい?」
エジンベア勇者「あの騎士団長にまた小言言われるよぉ?」
ジパング勇者「はははふっ、ふぃーっ、ひー、おかしい」
ジパング勇者「そうじゃね。それじゃそろそろ行くかね」
ジパング勇者(の、前にトドメさしてやろ☆)
スッ
ボソッ
ジパング勇者「......もうさ、お主がこうやっていらん抵抗重ねおるからさ」
ジパング勇者「わらわたちも心中穏やかじゃないんじゃよね」
ジパング勇者「もう目的は......悟りの書は手に入れたからさ」
ジパング勇者「あの女どもも、そこの姫君も。首刎ねて、腹を暴いて、性器切り開いて。」
ジパング勇者「アリアハンの街に掲げる事にしよっか?」
勇者「あ―――――っ」
勇者「あ――っ、あ――――っ」
勇者「あ―――――――――――――――――っ」
ジパング勇者「きっ......ひひひひひひひひひっ、くふっ、いぎひっひひひひひ!!!」
ジパング勇者「見てみりゃれよ!!!このザマを!!!!なあ!!!エジンベア勇者!ランシールの小娘!!」
ジパング勇者「姫君!!姫君もみてみりゃれって!!」
ジパング勇者「壊れてしまったよ!!!壊れてしまったよ!!!!!」
ジパング勇者「このおもちゃ、壊れたんじゃよ!!!!!あはっはっはははははははは!!!!!!!!」
遊び人「勇者......ちゃん」ポロポロ
ジパング勇者「立つ事もできず、寝たまんま奇声発しておる!!!!あははははははは!!!!!!!!」
ランシール勇者「このっ......!!」ギリッ
ジャキィッ!!
ランシール勇者「!!」ピタ!
サマンオサ兵「......」
エジンベア勇者「......ジパング勇者。そんなのどうでもいいからさぁ、早く戻らないかい?」
エジンベア勇者「あの騎士団長にまた小言言われるよぉ?」
ジパング勇者「はははふっ、ふぃーっ、ひー、おかしい」
ジパング勇者「そうじゃね。それじゃそろそろ行くかね」
ジパング勇者(の、前にトドメさしてやろ☆)
スッ
ボソッ
ジパング勇者「......もうさ、お主がこうやっていらん抵抗重ねおるからさ」
ジパング勇者「わらわたちも心中穏やかじゃないんじゃよね」
ジパング勇者「もう目的は......悟りの書は手に入れたからさ」
ジパング勇者「あの女どもも、そこの姫君も。首刎ねて、腹を暴いて、性器切り開いて。」
ジパング勇者「アリアハンの街に掲げる事にしよっか?」
646: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:19:04.70:sQX6AEWt0 (6/18)
勇者「..................」
勇者「あっ」
勇者「あああああああ」
勇者「あああああああああ」
ジパング勇者「あはははっ!!!!あはははははははは!!!!!!!!」
ジパング勇者(まーた壊れた!!まーた壊れよったこの塵芥!!!!!)
勇者「ああああああああああああああ」
勇者「あああああああああああああああああああああ」
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
なんでだ?
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ぼくがなにをした?
ぼくがいったいなにをした?
どんなわるいことをした?
なんでぼくに
なんで
なんで
勇者「..................」
勇者「あっ」
勇者「あああああああ」
勇者「あああああああああ」
ジパング勇者「あはははっ!!!!あはははははははは!!!!!!!!」
ジパング勇者(まーた壊れた!!まーた壊れよったこの塵芥!!!!!)
勇者「ああああああああああああああ」
勇者「あああああああああああああああああああああ」
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
なんでだ?
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ぼくがなにをした?
ぼくがいったいなにをした?
どんなわるいことをした?
なんでぼくに
なんで
なんで
647: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:19:43.19:sQX6AEWt0 (7/18)
ジパング勇者「それじゃ!!みんな撤収じゃよ!!」
遊び人「はなしてっ!!はなしてぇっ」ギリィ!
遊び人「勇者ちゃん!!!勇者ちゃぁぁん!!!」
サマンオサ兵「大人しくなさって下さい」
エジンベア兵「すぐにダーマまでお連れ致しますので!」
なんで、ぼくは、ただ
ただ、とうさんみたいに
とうさんみたいに......みんなを
みんなをまもりたいと、おもってるだけなのに
ランシール勇者「くっ!!」
エジンベア勇者「......悪いが、ちょっと手荒に連行させてもらうよ、ランシール勇者」
みんなを、みんなをまもりたいのに
なんで、じゃまを
みんなみんな
みんな
みんなまもりたい
のに
なんで
なんで
ジパング勇者「まずダーマ兵が先に!続いてわらわたちがこやつらや姫君を連行するからその後に――......」
なんで
ジパング勇者「それじゃ!!みんな撤収じゃよ!!」
遊び人「はなしてっ!!はなしてぇっ」ギリィ!
遊び人「勇者ちゃん!!!勇者ちゃぁぁん!!!」
サマンオサ兵「大人しくなさって下さい」
エジンベア兵「すぐにダーマまでお連れ致しますので!」
なんで、ぼくは、ただ
ただ、とうさんみたいに
とうさんみたいに......みんなを
みんなをまもりたいと、おもってるだけなのに
ランシール勇者「くっ!!」
エジンベア勇者「......悪いが、ちょっと手荒に連行させてもらうよ、ランシール勇者」
みんなを、みんなをまもりたいのに
なんで、じゃまを
みんなみんな
みんな
みんなまもりたい
のに
なんで
なんで
ジパング勇者「まずダーマ兵が先に!続いてわらわたちがこやつらや姫君を連行するからその後に――......」
なんで
648: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:20:38.82:sQX6AEWt0 (8/18)
なんで
こんなやつらまで
まもらなきゃならないんだ?
めんどくさいな
なんで
こんなやつらまで
まもらなきゃならないんだ?
めんどくさいな
649: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:22:23.10:sQX6AEWt0 (9/18)
ころしてやりたい
ころしてやりたい
650: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:23:01.42:sQX6AEWt0 (10/18)
ごりゅ
ごりゅ
651: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:23:53.28:sQX6AEWt0 (11/18)
ジパング勇者「じゃからまずは......ん?」
クルッ
ジパング勇者(なんじゃ今の音)
ジパング勇者「......」
勇者「......おふ」
勇者「おえ」
勇者「おえええっ」
カラン
ジパング勇者「......」
ランシール勇者「......え?」
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(今、アイツなにかを吐き出さなかったか)
ジパング勇者「なにそれ」
勇者「......」
遊び人「............勇者ちゃん?」
ジパング勇者「......おぬし」
勇者「......」
ごりゅ
ジパング勇者「............?」
ジパング勇者「じゃからまずは......ん?」
クルッ
ジパング勇者(なんじゃ今の音)
ジパング勇者「......」
勇者「......おふ」
勇者「おえ」
勇者「おえええっ」
カラン
ジパング勇者「......」
ランシール勇者「......え?」
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(今、アイツなにかを吐き出さなかったか)
ジパング勇者「なにそれ」
勇者「......」
遊び人「............勇者ちゃん?」
ジパング勇者「......おぬし」
勇者「......」
ごりゅ
ジパング勇者「............?」
652: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:25:51.88:sQX6AEWt0 (12/18)
女勇者「あの男は、私に、オルテガに!母さんに!嘘を吐いていたんだ」
女勇者「私達を騙して、人間のふりして!!」
女勇者「あの男はっ......!!いや、あいつはっ」
―――――――――――――――
勇者『もし、ぼくがほんとうにまものだったらさ』
勇者『たぶん......いまよりは、つよいと、おもうんだ』
勇者『すこしでも、なにかのやくには、たてるとおもうんだ』
―――――――――――――――
女勇者「............ッッ!!!!」
ギリィィィィッ!!!!
女勇者「......――――――――あいつは!!!!」
女勇者「"魔物"だったんだ!!!!!!!!!!!」
女勇者「あの男は、私に、オルテガに!母さんに!嘘を吐いていたんだ」
女勇者「私達を騙して、人間のふりして!!」
女勇者「あの男はっ......!!いや、あいつはっ」
―――――――――――――――
勇者『もし、ぼくがほんとうにまものだったらさ』
勇者『たぶん......いまよりは、つよいと、おもうんだ』
勇者『すこしでも、なにかのやくには、たてるとおもうんだ』
―――――――――――――――
女勇者「............ッッ!!!!」
ギリィィィィッ!!!!
女勇者「......――――――――あいつは!!!!」
女勇者「"魔物"だったんだ!!!!!!!!!!!」
653: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:26:47.37:sQX6AEWt0 (13/18)
ごりゅ
ごりゅごりゅ
ぐちゃり
遊び人「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(あれ?なんだ?)
エジンベア勇者(何が起こった?今)
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」ガタガタ
エジンベア兵「じ、ジパ、ジパング勇者さま」
パラパラ......
ジパング勇者「......」
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(なんでジパング勇者が、壁に突っ込んで動かなくなっているんだ??)
エジンベア勇者「......」
ごりゅっ
ごりゅっ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(......なんだ、これは)
ごりゅ
ごりゅごりゅ
ぐちゃり
遊び人「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(あれ?なんだ?)
エジンベア勇者(何が起こった?今)
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」ガタガタ
エジンベア兵「じ、ジパ、ジパング勇者さま」
パラパラ......
ジパング勇者「......」
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(なんでジパング勇者が、壁に突っ込んで動かなくなっているんだ??)
エジンベア勇者「......」
ごりゅっ
ごりゅっ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(......なんだ、これは)
654: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:33:58.94:sQX6AEWt0 (14/18)
ごりゅり
ぎちゃり
ぎちゃり
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(なんだ、こいつ)
エジンベア勇者(え、ジパング勇者って、あれって、こいつがやったのか?)
エジンベア勇者(さっきまで、死に掛けてたこいつが)
エジンベア勇者(こいつが)
エジンベア勇者(え?こいつ、誰だ)
エジンベア勇者(いや)
こいつ、"何"だ?
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(なんでしょう、これ)
ランシール勇者(今、私の目の前で何が起こってるんですの?)
ランシール勇者(彼の、体の色が、肉が、おかしくなって)
ランシール勇者(頭が、うまく)
ランシール勇者(まわらなくて、体が)
ランシール勇者(体が、震えて)
ごりゅり
ぎちゃり
ぎちゃり
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(なんだ、こいつ)
エジンベア勇者(え、ジパング勇者って、あれって、こいつがやったのか?)
エジンベア勇者(さっきまで、死に掛けてたこいつが)
エジンベア勇者(こいつが)
エジンベア勇者(え?こいつ、誰だ)
エジンベア勇者(いや)
こいつ、"何"だ?
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(なんでしょう、これ)
ランシール勇者(今、私の目の前で何が起こってるんですの?)
ランシール勇者(彼の、体の色が、肉が、おかしくなって)
ランシール勇者(頭が、うまく)
ランシール勇者(まわらなくて、体が)
ランシール勇者(体が、震えて)
655: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:35:28.66:sQX6AEWt0 (15/18)
この時
サマンオサ兵「う......あ」ジリ
その場の殆どの者がまともに思考を働かせる事ができなかった
ダーマ兵「ひ......あ......」
しかし、誰もが一瞬
エジンベア兵「ぅぁ......」
この言葉を脳裏によぎらせた
遊び人「........................」
遊び人「........................勇者、ちゃん」
――――"魔王"
この時
サマンオサ兵「う......あ」ジリ
その場の殆どの者がまともに思考を働かせる事ができなかった
ダーマ兵「ひ......あ......」
しかし、誰もが一瞬
エジンベア兵「ぅぁ......」
この言葉を脳裏によぎらせた
遊び人「........................」
遊び人「........................勇者、ちゃん」
――――"魔王"
656: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:38:10.22:sQX6AEWt0 (16/18)
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
勇者「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
657: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:39:31.20:sQX6AEWt0 (17/18)
『泣くな、泣くな』
『いい子だから、泣くのはおよしよ』
『この世界が怖かろう、捨てられたかわいそうな子、かわいそうな子』
『ひとりでいきぬくのは辛かろう、そうであろう』
『お前に一つ、お守りをあげる』
『つよくなれる、おまじないをあげる』
『お前はよわいから、おまじないをあげる』
『この世界が怖かろう、憎かろう』
『その憎さを、たーんとおたべ』
『それだけお前さんはつよーくなれる』
『このおまじないで、つよーくなれる』
『つよくなって』
『おおきくなれる』
『憎みなさい』
『憎みなさい』
『憎みなさい』
『泣くな、泣くな』
『いい子だから、泣くのはおよしよ』
『この世界が怖かろう、捨てられたかわいそうな子、かわいそうな子』
『ひとりでいきぬくのは辛かろう、そうであろう』
『お前に一つ、お守りをあげる』
『つよくなれる、おまじないをあげる』
『お前はよわいから、おまじないをあげる』
『この世界が怖かろう、憎かろう』
『その憎さを、たーんとおたべ』
『それだけお前さんはつよーくなれる』
『このおまじないで、つよーくなれる』
『つよくなって』
『おおきくなれる』
『憎みなさい』
『憎みなさい』
『憎みなさい』
658: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月02日(火) 22:40:16.50:sQX6AEWt0 (18/18)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
659:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 22:42:01.94:3UhuynR3o (1/1)
乙
乙
660:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 22:51:08.62:8qXI+wpAO (1/1)
おうっと...まさかの展開
おうっと...まさかの展開
661:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 23:28:41.49:VpQwDYpP0 (1/1)
乙
どうなるんだ...
乙
どうなるんだ...
662:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 23:34:21.18:JMR05pHzo (1/1)
ゾッとしたよ...乙でした
ゾッとしたよ...乙でした
663:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月02日(火) 23:45:28.30:HBBosIeDO (2/2)
ここに来てこの展開とは...
ここに来てこの展開とは...
664:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 00:16:07.14:YF+1Vy2so (1/1)
もう、いっそのこと魔王に下ろうよとレスしようと思ったら、魔王になったでござる
やったね!続きが楽しみだ
乙
もう、いっそのこと魔王に下ろうよとレスしようと思ったら、魔王になったでござる
やったね!続きが楽しみだ
乙
665:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 02:32:48.50:XB50xXSU0 (1/1)
オ、オラ...見てはならねえものを見てしまっただ...ッ!?(ガクブル乙
オ、オラ...見てはならねえものを見てしまっただ...ッ!?(ガクブル乙
666:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 11:49:59.87:o99Ks6h1O (1/1)
まじかよ......まじかよぉ......
まじかよ......まじかよぉ......
667:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 16:51:28.19:Nu6KC1jTO (1/1)
おぉうこの展開は...おぉう乙
続きが気になりすぎる
おぉうこの展開は...おぉう乙
続きが気になりすぎる
668:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 20:09:42.90:4i/s7E1no (1/1)
おつ
おつ
669: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:09:59.17:/agnp1zn0 (1/13)
遊び人「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(なん、だ。これ)
エジンベア勇者(今の叫び声、なんだ)
ぎちゃり
ぎちゃり
ぎちゃり
勇者『............』
エジンベア勇者(今、僕の目の前に居るのは、何だ)
エジンベア勇者(この音、なんだ。その、肌の色、さっきまでとは、お前)
エジンベア勇者(は?は?)
エジンベア勇者(おい、誰か)
ランシール勇者「......」
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
エジンベア勇者(誰か、動けよ)
エジンベア勇者(誰か何か、言えよ)
遊び人「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(なん、だ。これ)
エジンベア勇者(今の叫び声、なんだ)
ぎちゃり
ぎちゃり
ぎちゃり
勇者『............』
エジンベア勇者(今、僕の目の前に居るのは、何だ)
エジンベア勇者(この音、なんだ。その、肌の色、さっきまでとは、お前)
エジンベア勇者(は?は?)
エジンベア勇者(おい、誰か)
ランシール勇者「......」
サマンオサ兵「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
エジンベア勇者(誰か、動けよ)
エジンベア勇者(誰か何か、言えよ)
670: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:10:26.99:/agnp1zn0 (2/13)
ランシール勇者(......え)
ランシール勇者(勇者さんは、あの優男はどうしましたの)
ランシール勇者(誰ですの、これは)
ランシール勇者(動けも、声を出せもしない)
ランシール勇者(幾多の魔物とは、対峙してきた筈でしょうに)
ランシール勇者(なんで)
ランシール勇者(体が、動かないんですの)
勇者『......』
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『......』
遊び人「勇者ちゃん、勇者ちゃん」
遊び人「何か、言ってよ」
遊び人「勇者ちゃん」
勇者『......』
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(眼を瞑っている......?)
ランシール勇者(まるで、眠ったみたいに)
ごりゅ
エジンベア勇者・ランシール勇者「「!!!?」」
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
エジンベア勇者(なんだ!?さっきまで傷だらけだった体が)
ランシール勇者(急に治癒を......!!!!)
ランシール勇者(......え)
ランシール勇者(勇者さんは、あの優男はどうしましたの)
ランシール勇者(誰ですの、これは)
ランシール勇者(動けも、声を出せもしない)
ランシール勇者(幾多の魔物とは、対峙してきた筈でしょうに)
ランシール勇者(なんで)
ランシール勇者(体が、動かないんですの)
勇者『......』
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『......』
遊び人「勇者ちゃん、勇者ちゃん」
遊び人「何か、言ってよ」
遊び人「勇者ちゃん」
勇者『......』
エジンベア勇者「......?」
エジンベア勇者(眼を瞑っている......?)
ランシール勇者(まるで、眠ったみたいに)
ごりゅ
エジンベア勇者・ランシール勇者「「!!!?」」
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
エジンベア勇者(なんだ!?さっきまで傷だらけだった体が)
ランシール勇者(急に治癒を......!!!!)
671: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:11:20.26:/agnp1zn0 (3/13)
ザワッ!!!
サマンオサ兵「き、傷が治っていく!?」
エジンベア兵「どうなっているんだ!!!呪文も無しに!!!」
ダーマ兵「っ、あ」
ダッ!!
エジンベア勇者「!!オイ!!」
タッタッタッタ!!!
ダーマ兵「うぁぁぁあっ、うあああああ!!!!」
ダーマ兵(か、回復する前に殺さないと、まずい気がするっ!!!)
ダーマ兵(ルビス様!俺に御加護を)
勇者『............』
ぼうっ
ダーマ兵「えっ?」
ダーマ兵(なんだ?この光)
ザワッ!!!
サマンオサ兵「き、傷が治っていく!?」
エジンベア兵「どうなっているんだ!!!呪文も無しに!!!」
ダーマ兵「っ、あ」
ダッ!!
エジンベア勇者「!!オイ!!」
タッタッタッタ!!!
ダーマ兵「うぁぁぁあっ、うあああああ!!!!」
ダーマ兵(か、回復する前に殺さないと、まずい気がするっ!!!)
ダーマ兵(ルビス様!俺に御加護を)
勇者『............』
ぼうっ
ダーマ兵「えっ?」
ダーマ兵(なんだ?この光)
672: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:12:14.90:/agnp1zn0 (4/13)
ドチャッ
ダーマ兵(あれ)
ダーマ兵(地面が、近い)
ダーマ兵「ごびゅっ」
ダーマ兵(え、どうして俺が、血を吐いているんだよ)
ダーマ兵(え)
「「「「ぐあぁああああぁぁぁぁぁあああっ!!!!!!!!!!!」」」」
ダーマ兵(あれ)
ランシール勇者「ひっ、ひっ」ギリッ
エジンベア勇者「が、はっ」ビチャァ!
「うあぁぁっ、うぁあ」
「助け、たす、た」
「なに、が!おこっ......おええぇっ」
ダーマ兵(どうして皆ま)
ダーマ兵(で)
ダーマ兵「......」
ダーマ兵は気絶した!
ドチャッ
ダーマ兵(あれ)
ダーマ兵(地面が、近い)
ダーマ兵「ごびゅっ」
ダーマ兵(え、どうして俺が、血を吐いているんだよ)
ダーマ兵(え)
「「「「ぐあぁああああぁぁぁぁぁあああっ!!!!!!!!!!!」」」」
ダーマ兵(あれ)
ランシール勇者「ひっ、ひっ」ギリッ
エジンベア勇者「が、はっ」ビチャァ!
「うあぁぁっ、うぁあ」
「助け、たす、た」
「なに、が!おこっ......おええぇっ」
ダーマ兵(どうして皆ま)
ダーマ兵(で)
ダーマ兵「......」
ダーマ兵は気絶した!
673: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:13:05.72:/agnp1zn0 (5/13)
エジンベア勇者「なぐっ、はっ」
エジンベア勇者「なんぁっ、今の光はっ!!!」
ランシール勇者「ひくっ、はぁっ」
ランシール勇者「今、勇者さんの体からっ......!!」
遊び人「え、え?」
「うああぁぁっ」
「く、そぉっ」
「早く、逃げっ」
遊び人(皆、どうしちゃったの?)
遊び人(今何が起こったの?なんで皆苦しんで)
サマンオサ兵「っ......!!っ騎士団!!!かかれッ!!!」
ダッ!!
サマンオサ騎士団「「「「うおあああああああ!!!!!!!!」」」」
勇者『............』
遊び人「っ!!だめぇっ!!!!!!!」
エジンベア勇者「なぐっ、はっ」
エジンベア勇者「なんぁっ、今の光はっ!!!」
ランシール勇者「ひくっ、はぁっ」
ランシール勇者「今、勇者さんの体からっ......!!」
遊び人「え、え?」
「うああぁぁっ」
「く、そぉっ」
「早く、逃げっ」
遊び人(皆、どうしちゃったの?)
遊び人(今何が起こったの?なんで皆苦しんで)
サマンオサ兵「っ......!!っ騎士団!!!かかれッ!!!」
ダッ!!
サマンオサ騎士団「「「「うおあああああああ!!!!!!!!」」」」
勇者『............』
遊び人「っ!!だめぇっ!!!!!!!」
674: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:13:42.88:/agnp1zn0 (6/13)
ガガガガガガァッ!!!!!
サマンオサ騎士団「「「......!!!?」」」
勇者『............』
エジンベア兵(騎士団の剣が)
エジンベア勇者(まるで効いてない......!!!?)
ダーマ兵「っ!!聖騎士団!!援護だ!!!!」
ザッ
ダーマ聖騎士団「「「「......せよ......は......の」」」」
ダーマ聖騎士団員(は、早く詠唱終わってくれ!!!)
ダーマ聖騎士団員(さっきの、さっきの光をまた食らったら生きていられるか......!!)
ダーマ聖騎士団員「......の炎となれ!!!!」
ランシール勇者「サマンオサ騎士団!!散りなさい!!!援護魔法が行きますわよ!!!!」
ダーマ聖騎士団「「「「ベギラマ!!!!!!!」」」」
ゴオォォォオオォォッ!!!!!!!!!!!
ォオオォォォォ
オオォォオォ
オ
ダーマ聖騎士団員「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......嘘だろ」
勇者『............』
エジンベア勇者(無傷だ)
ガガガガガガァッ!!!!!
サマンオサ騎士団「「「......!!!?」」」
勇者『............』
エジンベア兵(騎士団の剣が)
エジンベア勇者(まるで効いてない......!!!?)
ダーマ兵「っ!!聖騎士団!!援護だ!!!!」
ザッ
ダーマ聖騎士団「「「「......せよ......は......の」」」」
ダーマ聖騎士団員(は、早く詠唱終わってくれ!!!)
ダーマ聖騎士団員(さっきの、さっきの光をまた食らったら生きていられるか......!!)
ダーマ聖騎士団員「......の炎となれ!!!!」
ランシール勇者「サマンオサ騎士団!!散りなさい!!!援護魔法が行きますわよ!!!!」
ダーマ聖騎士団「「「「ベギラマ!!!!!!!」」」」
ゴオォォォオオォォッ!!!!!!!!!!!
ォオオォォォォ
オオォォオォ
オ
ダーマ聖騎士団員「......」
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......嘘だろ」
勇者『............』
エジンベア勇者(無傷だ)
675: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:14:47.09:/agnp1zn0 (7/13)
勇者『............』
ぐちゃりっ
「「「「!!!!!!!!」」」」
ランシール勇者(立ちあがった)
勇者『............』
スッ
ぱし
エジンベア勇者(え)
エジンベア勇者(剣をとった)
エジンベア勇者(落ちてた、ジパング勇者の落とした剣を拾った)
ギュラッ
エジンベア勇者(剣をぬいた)
エジンベア勇者(剣を、もう片方の手で)
エジンベア勇者(剣、)
エジンベア勇者("剣"を。ああ)
エジンベア勇者(攻撃、する気だ?)
ぞわぁっ
ランシール勇者「ひ、ひぁっ、あ」
エジンベア勇者「いった、一旦、退散をっ」
ダーマ兵「......っ、......っ」
エジンベア兵「あ、あ。あ、あっ」
サマンオサ兵「............あ、う」
勇者『............』
ぐちゃりっ
「「「「!!!!!!!!」」」」
ランシール勇者(立ちあがった)
勇者『............』
スッ
ぱし
エジンベア勇者(え)
エジンベア勇者(剣をとった)
エジンベア勇者(落ちてた、ジパング勇者の落とした剣を拾った)
ギュラッ
エジンベア勇者(剣をぬいた)
エジンベア勇者(剣を、もう片方の手で)
エジンベア勇者(剣、)
エジンベア勇者("剣"を。ああ)
エジンベア勇者(攻撃、する気だ?)
ぞわぁっ
ランシール勇者「ひ、ひぁっ、あ」
エジンベア勇者「いった、一旦、退散をっ」
ダーマ兵「......っ、......っ」
エジンベア兵「あ、あ。あ、あっ」
サマンオサ兵「............あ、う」
676: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:15:33.87:/agnp1zn0 (8/13)
サマンオサ騎士団員「くっ、そが」
サマンオサ騎士団員「クソがクソが」
サマンオサ騎士団員「クソがクソがクソがァ!!!クソァ!!!クソァ!!!!」
勇者『......』
サマンオサ騎士団員「クソがァ!!!!クソァァ!!!!」
エジンベア勇者「おいっぃ、おまっ、おまえ、はやくにげろぉっ」
エジンベア勇者(サマンオサの、騎士団の、あいつ)
エジンベア勇者(恐怖で、おかしくなっちまいやがった)
エジンベア勇者(そんな、近くにいたら、お前、殺され)
勇者『......』
ずちゃり
エジンベア騎士団員(あ)
ずちゃり
ずちゃり
エジンベア騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
勇者『......』
エジンベア勇者(あ、だめだ)
エジンベア勇者(あいつ、もうだめだ)
エジンベア勇者(たぶん、もうあれ)
エジンベア勇者(あっ)
サマンオサ騎士団員「クソがぁ、クソァ、k、た、」
サマンオサ騎士団員「くっ、そが」
サマンオサ騎士団員「クソがクソが」
サマンオサ騎士団員「クソがクソがクソがァ!!!クソァ!!!クソァ!!!!」
勇者『......』
サマンオサ騎士団員「クソがァ!!!!クソァァ!!!!」
エジンベア勇者「おいっぃ、おまっ、おまえ、はやくにげろぉっ」
エジンベア勇者(サマンオサの、騎士団の、あいつ)
エジンベア勇者(恐怖で、おかしくなっちまいやがった)
エジンベア勇者(そんな、近くにいたら、お前、殺され)
勇者『......』
ずちゃり
エジンベア騎士団員(あ)
ずちゃり
ずちゃり
エジンベア騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
勇者『......』
エジンベア勇者(あ、だめだ)
エジンベア勇者(あいつ、もうだめだ)
エジンベア勇者(たぶん、もうあれ)
エジンベア勇者(あっ)
サマンオサ騎士団員「クソがぁ、クソァ、k、た、」
677: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:17:33.00:/agnp1zn0 (9/13)
サマンオサ騎士団員「たすけ」
ヒパッ
ぐちゃ
ブチャァン
ぶぱっ
ビチャァッ
ぱちゃん
ぴちゃぁっ
ぱちゃっ
ぱちゃっ
サマンオサ騎士団員「たすけ」
ヒパッ
ぐちゃ
ブチャァン
ぶぱっ
ビチャァッ
ぱちゃん
ぴちゃぁっ
ぱちゃっ
ぱちゃっ
678: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:19:44.47:/agnp1zn0 (10/13)
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
サマンオサ兵「......」
遊び人「......」
たった、一振りだったと思う
サマンオサの騎士団員は
まっぷたつになったかと思えば、凄い勢いで
内臓と、糞尿と、骨と、肉片を盛大に空中に撒き散らして
みんなの頭上に、たくさん落ちてきた
その暖かさで、皆、分かった
勇者ちゃんが、今の騎士団員を殺した事
勇者ちゃんが
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
ダーマ兵「......」
エジンベア兵「......」
サマンオサ兵「......」
遊び人「......」
たった、一振りだったと思う
サマンオサの騎士団員は
まっぷたつになったかと思えば、凄い勢いで
内臓と、糞尿と、骨と、肉片を盛大に空中に撒き散らして
みんなの頭上に、たくさん落ちてきた
その暖かさで、皆、分かった
勇者ちゃんが、今の騎士団員を殺した事
勇者ちゃんが
679: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:20:33.40:/agnp1zn0 (11/13)
とてつもなくおそろしいもの
だと
いうことに
とてつもなくおそろしいもの
だと
いうことに
680: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:21:26.74:/agnp1zn0 (12/13)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
681: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月03日(水) 20:23:04.96:/agnp1zn0 (13/13)
>>676
×ばつエジンベア騎士団員(あ)
○しろまるエジンベア勇者(あ)
×ばつエジンベア騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
○しろまるサマンオサ騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
>>676
×ばつエジンベア騎士団員(あ)
○しろまるエジンベア勇者(あ)
×ばつエジンベア騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
○しろまるサマンオサ騎士団員「クソァ!!!!クソァァァン!!!!クソァァァ!!!!!!」
682:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 20:23:42.27:b76Ne/MtO (1/1)
この展開を待っていたんだ...!
この展開を待っていたんだ...!
683:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 20:33:46.32:4JJ7FoqBO (1/1)
おつ
おつ
684:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 20:43:39.02:1+no25LAO (1/1)
おつ、救いはあるのだろうか...
おつ、救いはあるのだろうか...
685:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月03日(水) 21:08:23.38:M8oBq1ako (1/1)
遊び人、お前が勇者を助けてやる番なんやで!!
遊び人、お前が勇者を助けてやる番なんやで!!
686:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月04日(木) 00:38:18.40:UeehC8KR0 (1/1)
おおぅ...乙でございます
おおぅ...乙でございます
687:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月04日(木) 19:37:32.42:lW6wNeAho (1/1)
ゾクゾクするよ・・・・・!
おつんつん!
ゾクゾクするよ・・・・・!
おつんつん!
688:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月04日(木) 21:12:33.52:N++5fsaeo (1/1)
元に戻れるにしても、まだ元に戻るには早い。
ゴミを掃除してからだ
元に戻れるにしても、まだ元に戻るには早い。
ゴミを掃除してからだ
689: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:03:11.08:grLdBtpc0 (1/18)
勇者『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ランシール勇者・エジンベア勇者「「 総 員 撤 退 !!!!!!!!!!!!!!!!」」
「「「「「「うああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
うわあーっ!!!ぎゃああー!!!
バタバタバタ!!!
遊び人「勇者ちゃん!!!勇者ちゃん!!!!!正気に戻ってよ!!!!!」
グイッ!
遊び人「!?」
ランシール勇者「遊び人さん!!!貴女もはやくっ!!!!」
遊び人「はなしてっ!!!!勇者ちゃんが」
ランシール勇者「何を言っているんですの!!!!」
ランシール勇者「"あれ"はもう別の何かですわ!!!!殺されますわよ!!!」
勇者『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ランシール勇者・エジンベア勇者「「 総 員 撤 退 !!!!!!!!!!!!!!!!」」
「「「「「「うああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
うわあーっ!!!ぎゃああー!!!
バタバタバタ!!!
遊び人「勇者ちゃん!!!勇者ちゃん!!!!!正気に戻ってよ!!!!!」
グイッ!
遊び人「!?」
ランシール勇者「遊び人さん!!!貴女もはやくっ!!!!」
遊び人「はなしてっ!!!!勇者ちゃんが」
ランシール勇者「何を言っているんですの!!!!」
ランシール勇者「"あれ"はもう別の何かですわ!!!!殺されますわよ!!!」
690: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:04:08.49:grLdBtpc0 (2/18)
タッタッタ
サマンオサ兵「ひっ!!ひぃっ!!」
サマンオサ兵B「だ、第一小隊!!隊列乱すな!!組んだまま撤退を」
勇者『......』
ヒュン
サマンオサ兵B「しぎひ」
ぼぎゃぼぎゃぼぎゃ
サマンオサ兵C「あ」
サマンオサ兵D「っ、っご」
サマンオサ兵E「ぎゅっ」
サマンオサ兵F「ぶじゅっ」
ぐちゃぁぁぁああん
ばしゃっ
ばしゃぁっ
べちょっ
ダーマ兵「うああああああああああああ!!!!!!!!!!」
エジンベア兵「どけええええっ!!!どいてくれええええっ!!!」
サマンオサ兵「第一小隊が!!!!ひ、一振りでぜんめ、ぜんめ、つ!!!!」
タッタッタ
サマンオサ兵「ひっ!!ひぃっ!!」
サマンオサ兵B「だ、第一小隊!!隊列乱すな!!組んだまま撤退を」
勇者『......』
ヒュン
サマンオサ兵B「しぎひ」
ぼぎゃぼぎゃぼぎゃ
サマンオサ兵C「あ」
サマンオサ兵D「っ、っご」
サマンオサ兵E「ぎゅっ」
サマンオサ兵F「ぶじゅっ」
ぐちゃぁぁぁああん
ばしゃっ
ばしゃぁっ
べちょっ
ダーマ兵「うああああああああああああ!!!!!!!!!!」
エジンベア兵「どけええええっ!!!どいてくれええええっ!!!」
サマンオサ兵「第一小隊が!!!!ひ、一振りでぜんめ、ぜんめ、つ!!!!」
691: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:04:44.27:grLdBtpc0 (3/18)
バタバタバタバタ!!!!
ダーマ兵「ひぃっ!!!ひぃう」
ダーマ兵(階段!!!降りれば、ここを)
ガッ!!
ダーマ兵「!?」
サマンオサ兵「どけぇっ!!!!」
サマンオサ兵B「俺達が先にぃっ」
ダーマ兵「なっ、うぁっ」
サマンオサ兵C「クソがぁっ!!俺らが先だ!!!」
ジャキィッ!!
ダーマ兵「!?」
サマンオサ兵C「邪魔だぁぁっ!!!!!!」
ヒュンッ!!
ダーマ兵「う、うああああああ!!!!」
ヒュンッ!!!!
ゾンッ!!!!!!
サマンオサ兵C「えっ?」
ダーマ兵「え?」
バタバタバタバタ!!!!
ダーマ兵「ひぃっ!!!ひぃう」
ダーマ兵(階段!!!降りれば、ここを)
ガッ!!
ダーマ兵「!?」
サマンオサ兵「どけぇっ!!!!」
サマンオサ兵B「俺達が先にぃっ」
ダーマ兵「なっ、うぁっ」
サマンオサ兵C「クソがぁっ!!俺らが先だ!!!」
ジャキィッ!!
ダーマ兵「!?」
サマンオサ兵C「邪魔だぁぁっ!!!!!!」
ヒュンッ!!
ダーマ兵「う、うああああああ!!!!」
ヒュンッ!!!!
ゾンッ!!!!!!
サマンオサ兵C「えっ?」
ダーマ兵「え?」
692: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:06:09.47:grLdBtpc0 (4/18)
ズガアアアアアアアアアアン!!!!!
「どうした!!?」
「駄目だぁっ!!!階段の出入り口を壊されたっ!!!!!逃げ場があぁっ!!!!!」
ダーマ兵B「おい!!大丈夫かお前!!」
ダーマ兵「ひっ、だ、だけど、前に居た、サマンオサの奴らが、つぶ、潰れッ」
エジンベア勇者「は!?はぁっ!!?」
エジンベア勇者(退路を絶たれた????ふざけるなよぉっ、ふざけるなよ)
エジンベア勇者(しかも)
パラパラ...
エジンベア勇者(剣を、投げただけで、あんなっ......衝撃、が)
サマンオサ兵「あ、あ」
ダーマ兵「ひぁ、あう」
エジンベア兵「え、エジンベア勇者さまっ、おたす、おたすけねがいま」
勇者『......』
グルン
勇者『......』
「「「!!!!」」」
ダーマ兵「こ、こっちに来たぁああっ、あうあああ」
エジンベア兵「そっち!!!!はやくどけぇっ!!!はやくどけぇっ!!!!」
ズガアアアアアアアアアアン!!!!!
「どうした!!?」
「駄目だぁっ!!!階段の出入り口を壊されたっ!!!!!逃げ場があぁっ!!!!!」
ダーマ兵B「おい!!大丈夫かお前!!」
ダーマ兵「ひっ、だ、だけど、前に居た、サマンオサの奴らが、つぶ、潰れッ」
エジンベア勇者「は!?はぁっ!!?」
エジンベア勇者(退路を絶たれた????ふざけるなよぉっ、ふざけるなよ)
エジンベア勇者(しかも)
パラパラ...
エジンベア勇者(剣を、投げただけで、あんなっ......衝撃、が)
サマンオサ兵「あ、あ」
ダーマ兵「ひぁ、あう」
エジンベア兵「え、エジンベア勇者さまっ、おたす、おたすけねがいま」
勇者『......』
グルン
勇者『......』
「「「!!!!」」」
ダーマ兵「こ、こっちに来たぁああっ、あうあああ」
エジンベア兵「そっち!!!!はやくどけぇっ!!!はやくどけぇっ!!!!」
693: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:08:03.74:grLdBtpc0 (5/18)
ずちゃり
ずちゃり
ずちゃり
がしぃっ
サマンオサ兵「あっ、あっあ」
ダーマ兵「サマンオサの兵が捕まった!!!」
エジンベア兵(今の隙に腕をっ!!)ジャキッ
ヒュッ
勇者『......』
エジンベア兵「......ひ」ピタッ
ダーマ兵「あ......あ......」
勇者『............』
サマンオサ兵「やめろぉ、だめ、やめ」
ぽぎゅ
サマンオサ兵「いやだ」
バキ
ゴキ
ゴリュッ
ブチャリ
ッドチャァ
肉団子「」ピクッ ピクゥ
勇者『......ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!』
ずちゃり
ずちゃり
ずちゃり
がしぃっ
サマンオサ兵「あっ、あっあ」
ダーマ兵「サマンオサの兵が捕まった!!!」
エジンベア兵(今の隙に腕をっ!!)ジャキッ
ヒュッ
勇者『......』
エジンベア兵「......ひ」ピタッ
ダーマ兵「あ......あ......」
勇者『............』
サマンオサ兵「やめろぉ、だめ、やめ」
ぽぎゅ
サマンオサ兵「いやだ」
バキ
ゴキ
ゴリュッ
ブチャリ
ッドチャァ
肉団子「」ピクッ ピクゥ
勇者『......ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!』
694: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:09:22.48:grLdBtpc0 (6/18)
サマンオサ騎士団「「「「うあああああああ!!!!!!!!!」」」」
ダァッ!!!!
エジンベア勇者「!!......くっ!!!」ダッ
エジンベア兵「エジンベア勇者様!!?何をっ」
エジンベア勇者「サマンオサの騎士団が捨て身の総攻撃を仕掛ける気だ!!!僕も加勢にいく!!!!!」
タッタッタ
エジンベア勇者(どうする......!?誰か一人が攻撃してひき付けたあとに僕が急所に一発......それしかないか!?)
サマンオサ騎士団員「うあああああ!!!!!!!!!!」
ヒュンッ!!!
ガッ!!!
勇者『............』
サマンオサ騎士団員「うあああああ!!!!うあああああっ、うあっ、あう」
勇者『............』
スッ
サマンオサ騎士団員「ああああああ、ああ、うああああああああ」
エジンベア勇者(今だッ!!!!)
ヒュンッ!!!
勇者『......』
エジンベア勇者(貰っ――)
サマンオサ騎士団「「「「うあああああああ!!!!!!!!!」」」」
ダァッ!!!!
エジンベア勇者「!!......くっ!!!」ダッ
エジンベア兵「エジンベア勇者様!!?何をっ」
エジンベア勇者「サマンオサの騎士団が捨て身の総攻撃を仕掛ける気だ!!!僕も加勢にいく!!!!!」
タッタッタ
エジンベア勇者(どうする......!?誰か一人が攻撃してひき付けたあとに僕が急所に一発......それしかないか!?)
サマンオサ騎士団員「うあああああ!!!!!!!!!!」
ヒュンッ!!!
ガッ!!!
勇者『............』
サマンオサ騎士団員「うあああああ!!!!うあああああっ、うあっ、あう」
勇者『............』
スッ
サマンオサ騎士団員「ああああああ、ああ、うああああああああ」
エジンベア勇者(今だッ!!!!)
ヒュンッ!!!
勇者『......』
エジンベア勇者(貰っ――)
695: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:11:05.61:grLdBtpc0 (7/18)
ガシッ
エジンベア勇者「!!!??」
ブンッ
エジンベア勇者「うあああああっっ!!!!?」
ドサァッ
エジンベア兵「エジンベア勇者様!!!」
エジンベア兵B「ご無事ですかっ!!!?」
エジンベア勇者「いづっ......!!!ああ、なんとか――......?」
エジンベア勇者(あれ、僕の剣は)
ぎゅばっ
エジンベア勇者「えっ?」
ぶしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員A「あ、か」ぶしゃああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員B「っ、っ、っ」ぶしゃああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員C「ぜひゅー、ぜひゅー」ぶしゃああああああああああああ
サマンオサ騎士団員D「あ、あっ、」ぶしゃあああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員E「............」ぶしゃああああああああああああああああああああ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(あの、勇者ってやつの周りの奴ら、サマンオサの騎士団の奴ら、跪いてると思ったら)
エジンベア勇者(全員喉からざっくりやられて、皮で繋がって、ベロンって、首だけ後ろでぶらぶらしてる)
エジンベア勇者(あー、そっか。さっき剣投げて一本になったから)
エジンベア勇者(僕の剣を奪って、それであれをやったんだ)
エジンベア勇者(......あ)
エジンベア勇者(やけに冷静になってると思ったら、僕、腰抜かしちゃってるよ)
エジンベア勇者(あと一歩、間違ってたら)
エジンベア勇者(あの中に、僕が)
ガシッ
エジンベア勇者「!!!??」
ブンッ
エジンベア勇者「うあああああっっ!!!!?」
ドサァッ
エジンベア兵「エジンベア勇者様!!!」
エジンベア兵B「ご無事ですかっ!!!?」
エジンベア勇者「いづっ......!!!ああ、なんとか――......?」
エジンベア勇者(あれ、僕の剣は)
ぎゅばっ
エジンベア勇者「えっ?」
ぶしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員A「あ、か」ぶしゃああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員B「っ、っ、っ」ぶしゃああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員C「ぜひゅー、ぜひゅー」ぶしゃああああああああああああ
サマンオサ騎士団員D「あ、あっ、」ぶしゃあああああああああああああああああああ
サマンオサ騎士団員E「............」ぶしゃああああああああああああああああああああ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(あの、勇者ってやつの周りの奴ら、サマンオサの騎士団の奴ら、跪いてると思ったら)
エジンベア勇者(全員喉からざっくりやられて、皮で繋がって、ベロンって、首だけ後ろでぶらぶらしてる)
エジンベア勇者(あー、そっか。さっき剣投げて一本になったから)
エジンベア勇者(僕の剣を奪って、それであれをやったんだ)
エジンベア勇者(......あ)
エジンベア勇者(やけに冷静になってると思ったら、僕、腰抜かしちゃってるよ)
エジンベア勇者(あと一歩、間違ってたら)
エジンベア勇者(あの中に、僕が)
696: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:12:27.12:grLdBtpc0 (8/18)
勇者『ッッッッあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ゴシャアアアアアン!!!!!!!!!!!
ブチャアッ!!!!
グチャァッ!!!!!
ビチャビチャビチャ!!!!!!!!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ジャギンッ!!!ジャギンッ!!!ガギンッ!!!!
グチャンッ!!!!
ブチャッ!!!!
ぐちゃあっ!!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ダンッ!!!ダンッ!!!!!ダンッ!!!!!!!!!!
グチャァアッ!!!!
ぐちゃぁぁぁぁっ
にちゃあぁあぁっ
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ぐちゃっ!!!!ぐちゃっ!!!!ぐちゃっ!!!!!!!!!
ぶちゃああああっ
ぎちゃぁぁぁぁっ
にちゃぁぁぁああっ
勇者『ッッッッあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ゴシャアアアアアン!!!!!!!!!!!
ブチャアッ!!!!
グチャァッ!!!!!
ビチャビチャビチャ!!!!!!!!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ジャギンッ!!!ジャギンッ!!!ガギンッ!!!!
グチャンッ!!!!
ブチャッ!!!!
ぐちゃあっ!!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ダンッ!!!ダンッ!!!!!ダンッ!!!!!!!!!!
グチャァアッ!!!!
ぐちゃぁぁぁぁっ
にちゃあぁあぁっ
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ぐちゃっ!!!!ぐちゃっ!!!!ぐちゃっ!!!!!!!!!
ぶちゃああああっ
ぎちゃぁぁぁぁっ
にちゃぁぁぁああっ
697: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:14:26.97:grLdBtpc0 (9/18)
遊び人「勇者ちゃあああん!!!!!やめてええええ!!!!!!」
ランシール勇者「っ......!!!そこのダーマの貴方!!」
ダーマ兵「えっ!?僕ですか!!?」
ランシール勇者「ええ!貴方、賢者様をわたくしの代わりにお守りなさい!!」
遊び人「!?」
ダーマ兵「ですが、ランシール勇者様は」
ダッ
遊び人・ダーマ兵「「!?」」
勇者『ああああああああああああああっ、あああああああああああああああああああああああ』
ばしゃっ びちゃ
エジンベア勇者(あはは、サマンオサの騎士団の奴ら、ミンチになっちゃった)
エジンベア勇者(あー、はは、あー)
エジンベア勇者(だめだ、こりゃ)
エジンベア勇者(全員死んだよ、これ)
エジンベア勇者(でたらめだ、こんなの)
エジンベア勇者(両手で、二本の剣で、圧倒的な力持ってる魔物なんて、聞いた事ねえよ)
ガシィッ!!!
エジンベア勇者「!!?」ビクゥゥッ!!
ランシール勇者「腰を抜かしてる場合ですの!!!エジンベア勇者!!」
エジンベア勇者「ラ、ランシール勇者!!!?」
ランシール勇者「怪我も負っていないのでしょう!?だったら存命の兵達をお守りなさいな!!!!」
エジンベア勇者「でもっ」
ダッ
エジンベア勇者「!?おいっ!!!」
タッタッタ!!
ランシール勇者「くっ......!!!」
エジンベア勇者「ランシール勇者!!!!!無茶だ!!!!!!!!」
ランシール勇者(ああは言いましたが、わたくしも恐怖で震えが止まりませんわ)
ランシール勇者(でも、やるしかありませんわ)
ランシール勇者(勇者の称号を背負う者ですもの......!!!)
遊び人「勇者ちゃあああん!!!!!やめてええええ!!!!!!」
ランシール勇者「っ......!!!そこのダーマの貴方!!」
ダーマ兵「えっ!?僕ですか!!?」
ランシール勇者「ええ!貴方、賢者様をわたくしの代わりにお守りなさい!!」
遊び人「!?」
ダーマ兵「ですが、ランシール勇者様は」
ダッ
遊び人・ダーマ兵「「!?」」
勇者『ああああああああああああああっ、あああああああああああああああああああああああ』
ばしゃっ びちゃ
エジンベア勇者(あはは、サマンオサの騎士団の奴ら、ミンチになっちゃった)
エジンベア勇者(あー、はは、あー)
エジンベア勇者(だめだ、こりゃ)
エジンベア勇者(全員死んだよ、これ)
エジンベア勇者(でたらめだ、こんなの)
エジンベア勇者(両手で、二本の剣で、圧倒的な力持ってる魔物なんて、聞いた事ねえよ)
ガシィッ!!!
エジンベア勇者「!!?」ビクゥゥッ!!
ランシール勇者「腰を抜かしてる場合ですの!!!エジンベア勇者!!」
エジンベア勇者「ラ、ランシール勇者!!!?」
ランシール勇者「怪我も負っていないのでしょう!?だったら存命の兵達をお守りなさいな!!!!」
エジンベア勇者「でもっ」
ダッ
エジンベア勇者「!?おいっ!!!」
タッタッタ!!
ランシール勇者「くっ......!!!」
エジンベア勇者「ランシール勇者!!!!!無茶だ!!!!!!!!」
ランシール勇者(ああは言いましたが、わたくしも恐怖で震えが止まりませんわ)
ランシール勇者(でも、やるしかありませんわ)
ランシール勇者(勇者の称号を背負う者ですもの......!!!)
698: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:15:42.92:grLdBtpc0 (10/18)
ザッ!!!
サマンオサ兵「あっ......あ」ガクガク
エジンベア兵「ひあ、にげ、にげっ」ガクガク
勇者『あああああああああああああああああああああ』
ずしゃり
ずしゃり
サマンオサ兵「こっちに、こっちに来るなああああああ」ガクガク
エジンベア兵「うああああああっ、うああああああああ」ガクガク
「フバーハ!!!!」
ポウッ......
サマンオサ兵・エジンベア兵「「!!!」」
ランシール勇者「そこの御二方!立てますの!?」
エジンベア兵「ランシール勇者様!!!」
ランシール勇者「あなた方に保護呪文をかけましたわ!!今助けます!!」
勇者『......』
ギョロリ
勇者『............』
ランシール勇者「......っ――――ひ......!!!!!」ゾクゾクゾクゾク
ランシール勇者(見られただけでこんな悪寒がっ......!!でも、怯んでなんかいられませんわ!!)
ザッ!!
ランシール勇者「......の......氷を......せよ」ブツブツ
バキッ パキパキパキ!!!
ランシール勇者「ヒャダルコ!!!!!!」
バリィィイン!!!
ザッ!!!
サマンオサ兵「あっ......あ」ガクガク
エジンベア兵「ひあ、にげ、にげっ」ガクガク
勇者『あああああああああああああああああああああ』
ずしゃり
ずしゃり
サマンオサ兵「こっちに、こっちに来るなああああああ」ガクガク
エジンベア兵「うああああああっ、うああああああああ」ガクガク
「フバーハ!!!!」
ポウッ......
サマンオサ兵・エジンベア兵「「!!!」」
ランシール勇者「そこの御二方!立てますの!?」
エジンベア兵「ランシール勇者様!!!」
ランシール勇者「あなた方に保護呪文をかけましたわ!!今助けます!!」
勇者『......』
ギョロリ
勇者『............』
ランシール勇者「......っ――――ひ......!!!!!」ゾクゾクゾクゾク
ランシール勇者(見られただけでこんな悪寒がっ......!!でも、怯んでなんかいられませんわ!!)
ザッ!!
ランシール勇者「......の......氷を......せよ」ブツブツ
バキッ パキパキパキ!!!
ランシール勇者「ヒャダルコ!!!!!!」
バリィィイン!!!
699: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:16:48.52:grLdBtpc0 (11/18)
勇者『............』
エジンベア兵(氷の柱で、両手を封じた......!!)
ランシール勇者「よし!!」
ランシール勇者(なんとか一手目は成功しましたわ!!次は)
ランシール勇者「......の力、......は鋼となりて......福せよ!!」
ランシール勇者「バイキルト!!!」
ポワッ
ランシール勇者の攻撃力があがった!
ダッ
ランシール勇者「覚悟!!!!!!」
エジンベア兵「ら、ランシール勇者様!!」
エジンベア勇者(さすがランシール勇者、凄まじい魔制速度だ!!これならあの二人も助か――......)
オォオオッ!!!!!!!
ランシール勇者「......え?」
エジンベア勇者「は?」
エジンベア兵「えっ」
ガキィン!!
ランシール勇者のこうげき!
しかしダメージをあたえられなかった!
バッ
ズザァッ!
ランシール勇者「はぁっ、はぁっ」
ランシール勇者(なんですの、今の異様な寒気は)
ランシール勇者(......え?)
ランシール勇者(............解けてる)
ランシール勇者(私の呪文、保護呪文、全て解けて......)
勇者『............』
エジンベア兵(氷の柱で、両手を封じた......!!)
ランシール勇者「よし!!」
ランシール勇者(なんとか一手目は成功しましたわ!!次は)
ランシール勇者「......の力、......は鋼となりて......福せよ!!」
ランシール勇者「バイキルト!!!」
ポワッ
ランシール勇者の攻撃力があがった!
ダッ
ランシール勇者「覚悟!!!!!!」
エジンベア兵「ら、ランシール勇者様!!」
エジンベア勇者(さすがランシール勇者、凄まじい魔制速度だ!!これならあの二人も助か――......)
オォオオッ!!!!!!!
ランシール勇者「......え?」
エジンベア勇者「は?」
エジンベア兵「えっ」
ガキィン!!
ランシール勇者のこうげき!
しかしダメージをあたえられなかった!
バッ
ズザァッ!
ランシール勇者「はぁっ、はぁっ」
ランシール勇者(なんですの、今の異様な寒気は)
ランシール勇者(......え?)
ランシール勇者(............解けてる)
ランシール勇者(私の呪文、保護呪文、全て解けて......)
700: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:19:59.34:grLdBtpc0 (12/18)
バリィン
勇者『......』
ランシール勇者「っ......あ......!!!!」
ランシール勇者(わたくしの、ヒャダルコの氷柱も、軽々と、壊した......)
エジンベア勇者「ランシール勇者!!!!そこの二人!!!!何してる逃げろぉっ!!!!!」
ランシール勇者「っ!!!」
エジンベア兵「う、うああああああっ!!!!」ダァッ!!
サマンオサ兵「うああっ、うあ」ダッ...
がしっ
サマンオサ兵「あっ」
勇者『............』
サマンオサ兵「やめ、やめろっ、やめろやめろやめろ」
ランシール勇者「!!!!」
ダッ!!
ランシール勇者「っっこのぉっ!!!!」ヒュンッ!!
ガキィン!!
ガキィン!!!
ランシール勇者「その手をッ!!!離しなさいなッ!!!!!」ガッ!ガッ!!
サマンオサ兵「やめてくれえええええっ、おねがっ、やめてええええ、やめてくれええええええええええ」
勇者『......』
かぱ
勇者『あ』
サマンオサ兵「やめ、て」
エジンベア勇者(あのサマンオサ兵、頭を両手で掴まれて)
エジンベア勇者(何するつもりだ、口をあけたぞ、頭掴んだまま)
エジンベア勇者(食べるつもりか?ああ、でもどうでも、いいか)
エジンベア勇者(おなじことだ)
エジンベア勇者(あのサマンオサ兵は、たぶんもう死)
バリィン
勇者『......』
ランシール勇者「っ......あ......!!!!」
ランシール勇者(わたくしの、ヒャダルコの氷柱も、軽々と、壊した......)
エジンベア勇者「ランシール勇者!!!!そこの二人!!!!何してる逃げろぉっ!!!!!」
ランシール勇者「っ!!!」
エジンベア兵「う、うああああああっ!!!!」ダァッ!!
サマンオサ兵「うああっ、うあ」ダッ...
がしっ
サマンオサ兵「あっ」
勇者『............』
サマンオサ兵「やめ、やめろっ、やめろやめろやめろ」
ランシール勇者「!!!!」
ダッ!!
ランシール勇者「っっこのぉっ!!!!」ヒュンッ!!
ガキィン!!
ガキィン!!!
ランシール勇者「その手をッ!!!離しなさいなッ!!!!!」ガッ!ガッ!!
サマンオサ兵「やめてくれえええええっ、おねがっ、やめてええええ、やめてくれええええええええええ」
勇者『......』
かぱ
勇者『あ』
サマンオサ兵「やめ、て」
エジンベア勇者(あのサマンオサ兵、頭を両手で掴まれて)
エジンベア勇者(何するつもりだ、口をあけたぞ、頭掴んだまま)
エジンベア勇者(食べるつもりか?ああ、でもどうでも、いいか)
エジンベア勇者(おなじことだ)
エジンベア勇者(あのサマンオサ兵は、たぶんもう死)
701: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:21:10.66:grLdBtpc0 (13/18)
ランシール勇者「おやめなさっ――......!!!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ランシール勇者「......」
パキパキパキパキ
サマンオサ兵「イ――――――――――――――――――――――――――――............」バキバキバキバキ
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(勇者さんの口から、魔法が、氷が)
ランシール勇者(なんて綺麗で、残酷な氷)
ランシール勇者(こんなの、アープ様でさえ作れやしませんわ)
ランシール勇者(ああ、サマンオサの兵が、ああ)
ランシール勇者(凍っていく)
ランシール勇者(死んでいく)
ランシール勇者(それなのに、なんで私は棒立ちしているんですの)
ランシール勇者「おやめなさっ――......!!!!!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ランシール勇者「......」
パキパキパキパキ
サマンオサ兵「イ――――――――――――――――――――――――――――............」バキバキバキバキ
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(勇者さんの口から、魔法が、氷が)
ランシール勇者(なんて綺麗で、残酷な氷)
ランシール勇者(こんなの、アープ様でさえ作れやしませんわ)
ランシール勇者(ああ、サマンオサの兵が、ああ)
ランシール勇者(凍っていく)
ランシール勇者(死んでいく)
ランシール勇者(それなのに、なんで私は棒立ちしているんですの)
702: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:22:02.74:grLdBtpc0 (14/18)
ランシール勇者(......ああ、なんて)
オオォォオォオオオォォォォ......
オオォ......
...
サマンオサ兵「......」
勇者『............』
ギュッ
ばりぃいいん
サラサラ...
サマンオサ兵は粉々に砕け散った!
ランシール勇者(なんて)
ペタンッ...
ランシール勇者「っ......!!!......!!!!」ガクガクガクガク
ランシール勇者(なんて、圧倒的な、力っ............!!!!!!)
ランシール勇者(......ああ、なんて)
オオォォオォオオオォォォォ......
オオォ......
...
サマンオサ兵「......」
勇者『............』
ギュッ
ばりぃいいん
サラサラ...
サマンオサ兵は粉々に砕け散った!
ランシール勇者(なんて)
ペタンッ...
ランシール勇者「っ......!!!......!!!!」ガクガクガクガク
ランシール勇者(なんて、圧倒的な、力っ............!!!!!!)
703: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:22:32.22:grLdBtpc0 (15/18)
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ギュバァッ!!!!!!!
ゴバアアアッ!!!!!
グチャアアッ!!!!
「あああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
「いやだああああああああああ、いやだあああああああああああああ」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ブォン!!!!!
ドチャァアアッ!!!!
ぼちょぼちょぼちょぼちょ!!!!
ドバァァッ!!!!!
「誰か!!!!誰かここから出してくれえええ!!!!!!!!!!!!」
「助けてええええっ!!!!!!!!助けてくれえええええええええええ!!!!!!!!!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュバアァッ!!!!ヒュバアアアッ!!!!
グチャアァッ!!!!
ばしゃばしゃっ!!!!
ぶしゃああああああああああああ
「もうやめてくれ......!!もうやめてくれ......!!!!」
「やめてくださいっ、おねがいします、やめてくれえええっ!!!!!!!」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ギュバァッ!!!!!!!
ゴバアアアッ!!!!!
グチャアアッ!!!!
「あああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
「いやだああああああああああ、いやだあああああああああああああ」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ブォン!!!!!
ドチャァアアッ!!!!
ぼちょぼちょぼちょぼちょ!!!!
ドバァァッ!!!!!
「誰か!!!!誰かここから出してくれえええ!!!!!!!!!!!!」
「助けてええええっ!!!!!!!!助けてくれえええええええええええ!!!!!!!!!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュバアァッ!!!!ヒュバアアアッ!!!!
グチャアァッ!!!!
ばしゃばしゃっ!!!!
ぶしゃああああああああああああ
「もうやめてくれ......!!もうやめてくれ......!!!!」
「やめてくださいっ、おねがいします、やめてくれえええっ!!!!!!!」
704: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:23:05.05:grLdBtpc0 (16/18)
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ぎチャアァッ!!!!!!!
ぎちゃああっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ぎチャアァッ!!!!!!!
ぎちゃああっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
705: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:23:42.72:grLdBtpc0 (17/18)
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
ぐちゃあっ!!!!!!!!!
706: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月04日(木) 22:24:18.02:grLdBtpc0 (18/18)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
707:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月04日(木) 22:25:19.05:pMLkL7oMo (1/1)
おつ
おつ
708:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月04日(木) 22:41:34.32:Ie1IuV3AO (1/1)
どうなるんだこれ?
どうなるんだこれ?
709:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月05日(金) 00:08:06.13:SR+rcz7so (1/1)
乙です
肉団子...肉団子か...
乙です
肉団子...肉団子か...
710:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月05日(金) 00:26:14.75:2QoV6ILJ0 (1/1)
乙でございます
乙でございます
711:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月05日(金) 01:15:11.31:7+QMk4zc0 (1/1)
乙、これ勇者正気に戻ったとしても...
乙、これ勇者正気に戻ったとしても...
712:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月05日(金) 10:22:25.07:CBlJ4/bFo (1/1)
惨殺ショーだぁ......もうだめたァ......
惨殺ショーだぁ......もうだめたァ......
713:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016年02月06日(土) 07:44:52.40:2l6O0ZkDO (1/1)
正気になってももう戻れないか...
正気になってももう戻れないか...
714: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:31:24.73:c3gZKGwo0 (1/36)
ぎゃあああああああ
うああああああああ
ダーマ兵「ひ......あっ......」ガタガタ
遊び人「............」
遊び人(何が起こってるの)
遊び人(なんで勇者ちゃんが、人を)
遊び人(なんで、勇者ちゃんがあんな姿に)
遊び人(どうして)
遊び人(どうして、私は、見ている事しかできないの)
遊び人(勇者ちゃんは)
遊び人(私は)
遊び人(............勇者ちゃん)
勇者ちゃん
魔物、だったの?
勇者ちゃん
私達を、騙していたの?
勇者ちゃん
ねえ
勇者ちゃん
ぎゃあああああああ
うああああああああ
ダーマ兵「ひ......あっ......」ガタガタ
遊び人「............」
遊び人(何が起こってるの)
遊び人(なんで勇者ちゃんが、人を)
遊び人(なんで、勇者ちゃんがあんな姿に)
遊び人(どうして)
遊び人(どうして、私は、見ている事しかできないの)
遊び人(勇者ちゃんは)
遊び人(私は)
遊び人(............勇者ちゃん)
勇者ちゃん
魔物、だったの?
勇者ちゃん
私達を、騙していたの?
勇者ちゃん
ねえ
勇者ちゃん
715: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:31:56.92:c3gZKGwo0 (2/36)
―――――――――――――
――アリアハン城・城門――
「やっぱり......!」
「じゃあ勇者母さん達は何も知らないで」
「くそっ、あの野郎、よくも......!!」
男A「お、おい!女勇者嘘だろ!?」
男B「いい加減な事言うなって!!本当にあいつそんな事言ったのかよ!!証拠はあんのかよ!!!!」
男C「お前、お前が......勇者にむかってそんな事言うのかよ!!!なあ!!」
男C「お前が一番、あいつがどんなヤツか知ってるだろ!!!なあ!!なんとか言えよ!!」
女勇者「......全部本当の事だよ」
女勇者「ここで生活していた間がどうであっても......ポルトガで、奴は自白したんだ」
女勇者「魔物だったんだよ!あの男は!!」
女勇者「もう私の義兄でも、オルテガの息子でもなんでもないんだ!!!!!」
男A「っ......お前......」
男B「......――!!」
女勇者「......」
ギリッ......!!
男B(手を握り締めすぎて、血が出てる)
男C「......女勇者」
―――――――――――――
――アリアハン城・城門――
「やっぱり......!」
「じゃあ勇者母さん達は何も知らないで」
「くそっ、あの野郎、よくも......!!」
男A「お、おい!女勇者嘘だろ!?」
男B「いい加減な事言うなって!!本当にあいつそんな事言ったのかよ!!証拠はあんのかよ!!!!」
男C「お前、お前が......勇者にむかってそんな事言うのかよ!!!なあ!!」
男C「お前が一番、あいつがどんなヤツか知ってるだろ!!!なあ!!なんとか言えよ!!」
女勇者「......全部本当の事だよ」
女勇者「ここで生活していた間がどうであっても......ポルトガで、奴は自白したんだ」
女勇者「魔物だったんだよ!あの男は!!」
女勇者「もう私の義兄でも、オルテガの息子でもなんでもないんだ!!!!!」
男A「っ......お前......」
男B「......――!!」
女勇者「......」
ギリッ......!!
男B(手を握り締めすぎて、血が出てる)
男C「......女勇者」
716: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:32:38.91:c3gZKGwo0 (3/36)
「お前らうるせえぞ!!女勇者様や国連がそうだって言ってるって事は?なワケねえだろう!!」
「クソ、ずっと怪しいと思ってたんだよ」
「恐ろしいわ......ウチの子とたまに話をしてたんだけど......なんともなくて良かった......」
「勇者母さんも気の毒に......騙されて、魔物の世話なんて」
「やっぱりあの落日の後に殺しておけばよかったんだ!!!」
ワーワー
女勇者「......」
女勇者(やっぱり国連の名を出すと説得力が増すみたいだ)
女勇者(......ごめん、お義兄ちゃん)
女勇者(母さんはなんとか大丈夫みたいだ)
女勇者(............ごめん)
女勇者(父さん、お義兄ちゃん)
女勇者(私には......これくらいしか......できない)
ギリィィッ......
女勇者(本当に..................ごめん)
「お前らうるせえぞ!!女勇者様や国連がそうだって言ってるって事は?なワケねえだろう!!」
「クソ、ずっと怪しいと思ってたんだよ」
「恐ろしいわ......ウチの子とたまに話をしてたんだけど......なんともなくて良かった......」
「勇者母さんも気の毒に......騙されて、魔物の世話なんて」
「やっぱりあの落日の後に殺しておけばよかったんだ!!!」
ワーワー
女勇者「......」
女勇者(やっぱり国連の名を出すと説得力が増すみたいだ)
女勇者(......ごめん、お義兄ちゃん)
女勇者(母さんはなんとか大丈夫みたいだ)
女勇者(............ごめん)
女勇者(父さん、お義兄ちゃん)
女勇者(私には......これくらいしか......できない)
ギリィィッ......
女勇者(本当に..................ごめん)
717: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:33:07.71:c3gZKGwo0 (4/36)
「いい加減な事を言わないで頂戴な」
女勇者「!!?」
「は?」
「おい、あれ」
「勇者母さん!」
スタ...スタ...
勇者母「......」
女勇者「母さん!!!?」
ダッ
女勇者「なんで起きて......!ああ、もう!フラフラじゃないか!!」
女勇者「寝ていてよ!!無理しちゃダメだってば!!」
勇者母「......無理しちゃダメ?」
勇者母「それはあなたもでしょ?......女勇者」
女勇者「......え」
勇者母「......」
ナデナデ......
女勇者「............母......さん?」
勇者母「ありがとう......私は大丈夫」
ニコッ
勇者母「あなたたちの、お母さんですもの」
「いい加減な事を言わないで頂戴な」
女勇者「!!?」
「は?」
「おい、あれ」
「勇者母さん!」
スタ...スタ...
勇者母「......」
女勇者「母さん!!!?」
ダッ
女勇者「なんで起きて......!ああ、もう!フラフラじゃないか!!」
女勇者「寝ていてよ!!無理しちゃダメだってば!!」
勇者母「......無理しちゃダメ?」
勇者母「それはあなたもでしょ?......女勇者」
女勇者「......え」
勇者母「......」
ナデナデ......
女勇者「............母......さん?」
勇者母「ありがとう......私は大丈夫」
ニコッ
勇者母「あなたたちの、お母さんですもの」
718: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:34:06.57:c3gZKGwo0 (5/36)
遊び人( あ )
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......そっか)
遊び人(やっぱり、だ)
遊び人( あ )
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......そっか)
遊び人(やっぱり、だ)
719: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:34:48.41:c3gZKGwo0 (6/36)
スッ
ダーマ兵「!!?賢者様!?何を」
遊び人「......ちょっと、行ってきます」
ダーマ兵「何を仰っているのですか!!危険です!!」
遊び人「大丈夫です」
ダーマ兵「しか、しかしっ、ランシール勇者様に託されたのです!」
ダーマ兵「賢者様は何があっても」
ダーマ兵「お守......」
ニコッ
遊び人「......大丈夫」
ダーマ兵「............」
遊び人「手を離して下さい」
遊び人「安心して」
ダーマ兵「......」
パッ
ザッ
ダーマ兵「......お気をつけて」
遊び人「ありがとう」
スタスタ
ダーマ兵(......今、どうして離してしまったんだ)
スッ
ダーマ兵「!!?賢者様!?何を」
遊び人「......ちょっと、行ってきます」
ダーマ兵「何を仰っているのですか!!危険です!!」
遊び人「大丈夫です」
ダーマ兵「しか、しかしっ、ランシール勇者様に託されたのです!」
ダーマ兵「賢者様は何があっても」
ダーマ兵「お守......」
ニコッ
遊び人「......大丈夫」
ダーマ兵「............」
遊び人「手を離して下さい」
遊び人「安心して」
ダーマ兵「......」
パッ
ザッ
ダーマ兵「......お気をつけて」
遊び人「ありがとう」
スタスタ
ダーマ兵(......今、どうして離してしまったんだ)
720: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:35:17.83:c3gZKGwo0 (7/36)
わああああああああああああ
ぎゃあああああああああああ
エジンベア勇者(ダメだ。足が。ってか体が動かない)
エジンベア勇者(恐怖か、これ)
エジンベア勇者(息まで止まりそうだ。心臓まで止まってしまいそうな)
ランシール勇者(どうして動かないんですの。私の足)
ランシール勇者(立ち上がらないと、兵達の命が)
ランシール勇者(......アープ様に誓ったのに)
ランシール勇者(勇ましく、戦うと......誓いましたのに)
ランシール勇者(勇者さん)
ランシール勇者(やっぱり貴方が......アープ様の仇だったんじゃ)
スタスタ
ランシール勇者「......え?」
遊び人「......大丈夫?」
ランシール勇者「なっ......!!貴女!!」
遊び人「怪我は?」
ランシール勇者「わたくしは何も――......でも、危険です!!!離れて下さい!!」
遊び人「......大丈夫」
ランシール勇者「はい?」
遊び人「行かなきゃ」
スッ
ランシール勇者「......!!お待ちなさいな!!!」ガシッ!!
遊び人「......」
ランシール勇者「今の状況!!わからないんですの!!?死ぬ気なんですの!!!?」
わああああああああああああ
ぎゃあああああああああああ
エジンベア勇者(ダメだ。足が。ってか体が動かない)
エジンベア勇者(恐怖か、これ)
エジンベア勇者(息まで止まりそうだ。心臓まで止まってしまいそうな)
ランシール勇者(どうして動かないんですの。私の足)
ランシール勇者(立ち上がらないと、兵達の命が)
ランシール勇者(......アープ様に誓ったのに)
ランシール勇者(勇ましく、戦うと......誓いましたのに)
ランシール勇者(勇者さん)
ランシール勇者(やっぱり貴方が......アープ様の仇だったんじゃ)
スタスタ
ランシール勇者「......え?」
遊び人「......大丈夫?」
ランシール勇者「なっ......!!貴女!!」
遊び人「怪我は?」
ランシール勇者「わたくしは何も――......でも、危険です!!!離れて下さい!!」
遊び人「......大丈夫」
ランシール勇者「はい?」
遊び人「行かなきゃ」
スッ
ランシール勇者「......!!お待ちなさいな!!!」ガシッ!!
遊び人「......」
ランシール勇者「今の状況!!わからないんですの!!?死ぬ気なんですの!!!?」
721: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:35:55.46:c3gZKGwo0 (8/36)
ランシール勇者「貴女がどれほど膨大な魔力を持とうが、その腕枷で全て封じられているんですのよ!!」
ランシール勇者「それに......!!さきほども言いましたが」
ランシール勇者「あれはもう勇者さんではありません!!!別の、おぞましい何かです!!」
遊び人「ううん」
ランシール勇者「......」
遊び人「あれは、勇者ちゃんよ」
遊び人「......いつもの優しい、勇者ちゃんだよ」
遊び人「私、分かるの」
ランシール勇者「......」
遊び人「............ただ」
遊び人「悪いものにつき纏われてる」
遊び人「私が、言ってあげなきゃ」
スタスタ
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......なぜでしょう)
ランシール勇者(最後、止められなかった)
ランシール勇者(恐怖で臆病になっているから?............だったらなぜ私は)
スタスタ
遊び人「......」
ランシール勇者(......――今、こんなにも安心しているんですの?)
ランシール勇者「貴女がどれほど膨大な魔力を持とうが、その腕枷で全て封じられているんですのよ!!」
ランシール勇者「それに......!!さきほども言いましたが」
ランシール勇者「あれはもう勇者さんではありません!!!別の、おぞましい何かです!!」
遊び人「ううん」
ランシール勇者「......」
遊び人「あれは、勇者ちゃんよ」
遊び人「......いつもの優しい、勇者ちゃんだよ」
遊び人「私、分かるの」
ランシール勇者「......」
遊び人「............ただ」
遊び人「悪いものにつき纏われてる」
遊び人「私が、言ってあげなきゃ」
スタスタ
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......なぜでしょう)
ランシール勇者(最後、止められなかった)
ランシール勇者(恐怖で臆病になっているから?............だったらなぜ私は)
スタスタ
遊び人「......」
ランシール勇者(......――今、こんなにも安心しているんですの?)
722: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:36:25.13:c3gZKGwo0 (9/36)
サマンオサ兵「いやだあああああ!!!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュンッ!!!!!
ぐちゃあっ
どちゃっ
ごろっ
ごろっ
ぐしゃぁっ
ダーマ兵「うあああっ!!!うあああ!」
エジンベア兵「どけえぇっ!!どいてくれええ!!!」
エジンベア兵B「サマンオサの兵が!!全滅した!!騎士団の奴ら含めて!!」
ダーマ兵B「殺されるっ!!誰か!!」
ダーマ兵C「ルビス様......!!ルビス様ぁ......!!」
勇者『ああああああああああああああああああああああああ』
ザッ
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......勇者ちゃん」
サマンオサ兵「いやだあああああ!!!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュンッ!!!!!
ぐちゃあっ
どちゃっ
ごろっ
ごろっ
ぐしゃぁっ
ダーマ兵「うあああっ!!!うあああ!」
エジンベア兵「どけえぇっ!!どいてくれええ!!!」
エジンベア兵B「サマンオサの兵が!!全滅した!!騎士団の奴ら含めて!!」
ダーマ兵B「殺されるっ!!誰か!!」
ダーマ兵C「ルビス様......!!ルビス様ぁ......!!」
勇者『ああああああああああああああああああああああああ』
ザッ
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......勇者ちゃん」
723: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:37:16.38:c3gZKGwo0 (10/36)
「賢者様!!」
「危険です!!!離れてくださいっ!!!」
「賢者様があああ!!!賢者様ああっ!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......きこえる?勇者ちゃん」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
ずしゃり
ずしゃり
バッ
遊び人「......だめ」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......どこに行くつもり?」
遊び人「ダメだよ」
遊び人「どこにも行かせないから」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......どかないよ」
勇者『ああああああああああああああああああああああ』
遊び人「............どうするの」
遊び人「私を殺して、ここを退かせる?」
「賢者様!!」
「危険です!!!離れてくださいっ!!!」
「賢者様があああ!!!賢者様ああっ!!!」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......きこえる?勇者ちゃん」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
ずしゃり
ずしゃり
バッ
遊び人「......だめ」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......どこに行くつもり?」
遊び人「ダメだよ」
遊び人「どこにも行かせないから」
勇者『あああああああああああああああああああああ』
遊び人「......どかないよ」
勇者『ああああああああああああああああああああああ』
遊び人「............どうするの」
遊び人「私を殺して、ここを退かせる?」
724: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:37:44.06:c3gZKGwo0 (11/36)
勇者『ああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュンッ
バシィイッ!!!!
遊び人「っ!!!!!」
「「「「「「「賢者様!!!!!!!」」」」」」」
ランシール勇者「遊び人さんッっっ!!!!!!!!!!!!」
ドシャッ
ズザァッ...
遊び人「......っ」
スクッ
遊び人「............ほら」
スタスタ
遊び人「なんで殺さないの?......生きてるよ?」
エジンベア勇者「......!!?」
エジンベア勇者(払いのけた、だけ......?)
勇者『ああああああああああああああああああああああああああ』
ヒュンッ
バシィイッ!!!!
遊び人「っ!!!!!」
「「「「「「「賢者様!!!!!!!」」」」」」」
ランシール勇者「遊び人さんッっっ!!!!!!!!!!!!」
ドシャッ
ズザァッ...
遊び人「......っ」
スクッ
遊び人「............ほら」
スタスタ
遊び人「なんで殺さないの?......生きてるよ?」
エジンベア勇者「......!!?」
エジンベア勇者(払いのけた、だけ......?)
725: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:38:22.15:c3gZKGwo0 (12/36)
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああ』
バシィッ
ズザァッ
遊び人「......っ」
スクッ
遊び人「っ、えほっ、えほっ」
スタスタ
遊び人「............ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「そういえば、勇者ちゃんに手をあげられるの......はじめてだね」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
スタスタ
遊び人「私の事、妹みたいとか言っておきながら」
遊び人「どんなに私が悪口言っても。勇者ちゃんに、迷惑かけても」
遊び人「ぜったい、私を叩いたり、責めたりしなかった」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
バシィッ
ズザァッ
遊び人「......っ」
スクッ...
遊び人「............私は」
遊び人「私はずっと、勇者ちゃんの事、責め続けてきたのに」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああ』
バシィッ
ズザァッ
遊び人「......っ」
スクッ
遊び人「っ、えほっ、えほっ」
スタスタ
遊び人「............ねえ、勇者ちゃん」
遊び人「そういえば、勇者ちゃんに手をあげられるの......はじめてだね」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
スタスタ
遊び人「私の事、妹みたいとか言っておきながら」
遊び人「どんなに私が悪口言っても。勇者ちゃんに、迷惑かけても」
遊び人「ぜったい、私を叩いたり、責めたりしなかった」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああ』
バシィッ
ズザァッ
遊び人「......っ」
スクッ...
遊び人「............私は」
遊び人「私はずっと、勇者ちゃんの事、責め続けてきたのに」
726: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:39:07.38:c3gZKGwo0 (13/36)
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ジャキッ!!!!
「「「!!!!?」」」
エジンベア勇者(剣を構えた!!!)
ランシール勇者「遊び人さん!!危ないっ!!!!」
スタスタ
遊び人「いいよ」
遊び人「いいよ。勇者ちゃん」
遊び人「あなたに殺されるなら」
ヒュン
ランシール勇者「遊び人さんッッ!!!!!!!!!!!」
遊び人「私は、それでもいい」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ジャキッ!!!!
「「「!!!!?」」」
エジンベア勇者(剣を構えた!!!)
ランシール勇者「遊び人さん!!危ないっ!!!!」
スタスタ
遊び人「いいよ」
遊び人「いいよ。勇者ちゃん」
遊び人「あなたに殺されるなら」
ヒュン
ランシール勇者「遊び人さんッッ!!!!!!!!!!!」
遊び人「私は、それでもいい」
727: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:39:45.92:c3gZKGwo0 (14/36)
ズガアアッ!!!!!
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
「「「......」」」
パラパラ...
勇者『......』
遊び人「......ほら」
遊び人「勇者ちゃんは、やっぱり」
遊び人「私を。私達の事、傷つけない」
勇者『......あ』
勇者『あああっ、あああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああ、あああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ズガァンッ!!!
ズガアアン!!!!
ズガアアアアアン!!!!
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ズガアアッ!!!!!
ランシール勇者「......」
エジンベア勇者「......」
「「「......」」」
パラパラ...
勇者『......』
遊び人「......ほら」
遊び人「勇者ちゃんは、やっぱり」
遊び人「私を。私達の事、傷つけない」
勇者『......あ』
勇者『あああっ、あああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああ、あああああああああああああああああああ』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ズガァンッ!!!
ズガアアン!!!!
ズガアアアアアン!!!!
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
728: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:40:26.78:c3gZKGwo0 (15/36)
勇者母「あの子が魔物?」
勇者母「オルテガの......私の子じゃない?」
勇者母「ねえ、皆さん」
勇者母「私が熱を出したときに、心配して、眼を泣き腫らして、次の日自分が風邪を引いてしまうような子が」
勇者母「友達と喧嘩した時に、後悔して、ご飯ものどを通らなかったような子が」
勇者母「家族のプレゼントのために、いろんなお店で下働きをするような子が」
勇者母「父が......オルテガの訃報が届いた際に、泣きながら、一晩中私の手を握っているような子が」
勇者母「............あの落日の七日間から、魔物だって疑いがかけられて」
勇者母「そのような目から私達を遠ざけるために、私達から距離をとった子が」
勇者母「魔物だから、私の子じゃないって」
勇者母「そう、思うんですか」
勇者母「......私は、あの子を知っています」
勇者母「確かにルビス様の加護は無く、出生も分からない」
勇者母「............でも、これだけは分かります」
勇者母「自信を持って、これだけは言えます」
勇者母「あの子が魔物?」
勇者母「オルテガの......私の子じゃない?」
勇者母「ねえ、皆さん」
勇者母「私が熱を出したときに、心配して、眼を泣き腫らして、次の日自分が風邪を引いてしまうような子が」
勇者母「友達と喧嘩した時に、後悔して、ご飯ものどを通らなかったような子が」
勇者母「家族のプレゼントのために、いろんなお店で下働きをするような子が」
勇者母「父が......オルテガの訃報が届いた際に、泣きながら、一晩中私の手を握っているような子が」
勇者母「............あの落日の七日間から、魔物だって疑いがかけられて」
勇者母「そのような目から私達を遠ざけるために、私達から距離をとった子が」
勇者母「魔物だから、私の子じゃないって」
勇者母「そう、思うんですか」
勇者母「......私は、あの子を知っています」
勇者母「確かにルビス様の加護は無く、出生も分からない」
勇者母「............でも、これだけは分かります」
勇者母「自信を持って、これだけは言えます」
729: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:41:13.80:c3gZKGwo0 (16/36)
ズガアン!!!ズガアン!!!!
勇者『ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』
エジンベア勇者「......」
ランシール勇者(全ての攻撃が、遊び人さんを避けるように......)
遊び人「......勇者ちゃん」
遊び人「私ね、恨まれても仕方ないって、そう思ってた」
遊び人「あの日、あんな酷い事言って」
遊び人「お姉ちゃんの死を、勇者ちゃんにおしつけた私だから」
ズガアアン!!!ズガアン!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
遊び人「......あの日から、ずっと、後悔してた」
遊び人「私を許してくれたばっかりじゃなくて、私の事、守ろうとさえしてくれた」
遊び人「それなのに、私は何もできなくて」
遊び人「............何も、できなかった」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
遊び人「......ありがとう、ごめんね。勇者ちゃん」
遊び人「でも、私も。」
遊び人「あなたの助けになりたいの」
ズガアン!!!ズガアン!!!!
勇者『ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』
エジンベア勇者「......」
ランシール勇者(全ての攻撃が、遊び人さんを避けるように......)
遊び人「......勇者ちゃん」
遊び人「私ね、恨まれても仕方ないって、そう思ってた」
遊び人「あの日、あんな酷い事言って」
遊び人「お姉ちゃんの死を、勇者ちゃんにおしつけた私だから」
ズガアアン!!!ズガアン!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
遊び人「......あの日から、ずっと、後悔してた」
遊び人「私を許してくれたばっかりじゃなくて、私の事、守ろうとさえしてくれた」
遊び人「それなのに、私は何もできなくて」
遊び人「............何も、できなかった」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
遊び人「......ありがとう、ごめんね。勇者ちゃん」
遊び人「でも、私も。」
遊び人「あなたの助けになりたいの」
730: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:42:04.98:c3gZKGwo0 (17/36)
勇者母「あの子は、私の息子です」
勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
勇者母「あの子は、私の息子です」
勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
731: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:42:41.39:c3gZKGwo0 (18/36)
ギュッ
勇者『..................』
遊び人「......勇者ちゃん。」
遊び人「"それ"は、勇者ちゃんじゃない」
遊び人「"それ"に......負けちゃだめ」
遊び人「聞こえてる?勇者ちゃん」
遊び人「わたしの知ってるあなたは、もっと強い」
遊び人「わたしの大好きな勇者ちゃんは」
遊び人「そんなのに、絶対負けない」
勇者母「あの子は、私の息子です」
勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
ギュッ
勇者『..................』
遊び人「......勇者ちゃん。」
遊び人「"それ"は、勇者ちゃんじゃない」
遊び人「"それ"に......負けちゃだめ」
遊び人「聞こえてる?勇者ちゃん」
遊び人「わたしの知ってるあなたは、もっと強い」
遊び人「わたしの大好きな勇者ちゃんは」
遊び人「そんなのに、絶対負けない」
勇者母「あの子は、私の息子です」
勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
732: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:43:45.66:c3gZKGwo0 (19/36)
勇者『......』
勇者『......』
勇者『......あ』
遊び人「......」
勇者『遊び、人』
「「「!!!!?」」」
エジンベア勇者「......マジ、かよ......!!!」
エジンベア勇者(姿は変わったまんまだけど、正気に......?)
ランシール勇者「......遊び人さん......」
ランシール勇者(貴女、転職なんてせずとも――......)
遊び人「......勇者ちゃん」
――もう、既に......
ド ク ン
勇者『......』
勇者『......』
勇者『......あ』
遊び人「......」
勇者『遊び、人』
「「「!!!!?」」」
エジンベア勇者「......マジ、かよ......!!!」
エジンベア勇者(姿は変わったまんまだけど、正気に......?)
ランシール勇者「......遊び人さん......」
ランシール勇者(貴女、転職なんてせずとも――......)
遊び人「......勇者ちゃん」
――もう、既に......
ド ク ン
733: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:44:19.69:c3gZKGwo0 (20/36)
勇者『っがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』
「「「!!?」」」
遊び人「だ、ダメ!!」
勇者『ああああああ、ああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
エジンベア勇者「ど、どうしたんだ!!!?」
ランシール勇者「さあ......ただ」
ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ
ランシール勇者「先ほどと、比べ物にならない悪寒が......!!」
遊び人「勇者ちゃん!!!」
遊び人「"それ"はあなたじゃない!!!」
遊び人「だめだよ!!!!"それ"に耳を貸さないで!!!!」
勇者『がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!』
ヒュンッ!!
バシィッ!!!!!
遊び人「きゃあっ!!!」
ズザァーッ!!
「賢者様!!」
「賢者様がっ!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!』
勇者『っがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』
「「「!!?」」」
遊び人「だ、ダメ!!」
勇者『ああああああ、ああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
エジンベア勇者「ど、どうしたんだ!!!?」
ランシール勇者「さあ......ただ」
ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ
ランシール勇者「先ほどと、比べ物にならない悪寒が......!!」
遊び人「勇者ちゃん!!!」
遊び人「"それ"はあなたじゃない!!!」
遊び人「だめだよ!!!!"それ"に耳を貸さないで!!!!」
勇者『がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!』
ヒュンッ!!
バシィッ!!!!!
遊び人「きゃあっ!!!」
ズザァーッ!!
「賢者様!!」
「賢者様がっ!!」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!』
734: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:44:58.23:c3gZKGwo0 (21/36)
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごきい
ぐちゃあっ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(これ、今度こそ終わりかもしれない)
エジンベア勇者(姿が、完全に変わってる)
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(青い肌、巨大な体躯)
ランシール勇者(......――額に、もう一つの目)
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!』
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごりゅ
ごきい
ぐちゃあっ
エジンベア勇者「......」
エジンベア勇者(これ、今度こそ終わりかもしれない)
エジンベア勇者(姿が、完全に変わってる)
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(青い肌、巨大な体躯)
ランシール勇者(......――額に、もう一つの目)
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!』
735: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:45:33.24:c3gZKGwo0 (22/36)
遊び人「......っつ......!!」
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人(ダメ、だめ)
遊び人(勇者ちゃんが、連れてかれちゃう)
遊び人(全部、勇者ちゃんの全部......持ってかれちゃう)
遊び人(やっぱり......やっぱり、私は)
遊び人(私は何もできないの?)
遊び人(私は、どうすれば)
遊び人(......おじいちゃん)
遊び人(......勇者ちゃん)
遊び人(......)
遊び人(.....................―――――――お姉ちゃん)
遊び人「......っつ......!!」
遊び人「......」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人(ダメ、だめ)
遊び人(勇者ちゃんが、連れてかれちゃう)
遊び人(全部、勇者ちゃんの全部......持ってかれちゃう)
遊び人(やっぱり......やっぱり、私は)
遊び人(私は何もできないの?)
遊び人(私は、どうすれば)
遊び人(......おじいちゃん)
遊び人(......勇者ちゃん)
遊び人(......)
遊び人(.....................―――――――お姉ちゃん)
736: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:46:54.53:c3gZKGwo0 (23/36)
.................................――あれ
遊び人「......」
本が、落ちてる
私の懐に入れてた悟りの書が
今の衝撃で、放り出されて......
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
スッ...
遊び人「......」
なに、この......紙
遊び人(しおり......?)
押し花が付いた、しおり......何か
何か、書いて
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
.................................――あれ
遊び人「......」
本が、落ちてる
私の懐に入れてた悟りの書が
今の衝撃で、放り出されて......
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
スッ...
遊び人「......」
なに、この......紙
遊び人(しおり......?)
押し花が付いた、しおり......何か
何か、書いて
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
737: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:47:25.06:c3gZKGwo0 (24/36)
遊び人へ
この花は、もうじゅうぶん私を救ってくれました。
次は、この花であのお間抜けさんを救ってあげて。
貴女なら、できるから。
遊び人へ
この花は、もうじゅうぶん私を救ってくれました。
次は、この花であのお間抜けさんを救ってあげて。
貴女なら、できるから。
738: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:48:10.74:c3gZKGwo0 (25/36)
遊び人「......」
遊び人(星屑......花)
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......あ)
―――――――――――――――
遊び人『これっ......あげる』
賢者『......』
ス...
賢者『......星屑花』
遊び人『それ、このへんにしかさかないんでしょ......』
遊び人『......おねーちゃん』
遊び人『おねーちゃん、さびしそうなかお、してたから』
賢者『......!』
遊び人『おねーちゃんのこと、だいきらいだけどっ』
遊び人『でも......さびしいのは、わかるから』
遊び人『......――それ、あげる』
―――――――――――――――
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......ああ)
遊び人(お姉ちゃん)
遊び人(お姉ちゃん)
―――――――お姉ちゃん
遊び人「......」
遊び人(星屑......花)
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......あ)
―――――――――――――――
遊び人『これっ......あげる』
賢者『......』
ス...
賢者『......星屑花』
遊び人『それ、このへんにしかさかないんでしょ......』
遊び人『......おねーちゃん』
遊び人『おねーちゃん、さびしそうなかお、してたから』
賢者『......!』
遊び人『おねーちゃんのこと、だいきらいだけどっ』
遊び人『でも......さびしいのは、わかるから』
遊び人『......――それ、あげる』
―――――――――――――――
遊び人「......」
遊び人「......」
遊び人(......ああ)
遊び人(お姉ちゃん)
遊び人(お姉ちゃん)
―――――――お姉ちゃん
739: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:48:51.95:c3gZKGwo0 (26/36)
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ごりゅ
ごりゅっ
ばきぃっ
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
スタスタ
遊び人「......」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......苦しそう」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人「待ってね」
スタスタ
遊び人「わたしが、すぐに――......」
勇者『ごあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
ヒュンッ!!!!
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああ』
ごりゅ
ごりゅっ
ばきぃっ
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
スタスタ
遊び人「......」
勇者『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......苦しそう」
勇者『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
遊び人「......」
遊び人「待ってね」
スタスタ
遊び人「わたしが、すぐに――......」
勇者『ごあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
ヒュンッ!!!!
740: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:49:30.80:c3gZKGwo0 (27/36)
遊び人「 鎮まりなさい!!!!!!!!!! 」
勇者『!!!!』
ズガァァン!!!!
パラパラ...
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃんの体で、勇者ちゃんの力で」
遊び人「好き勝手しないで!!!」
スタスタ
ザッ
遊び人「......」
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃん」
スッ...
遊び人「口、開けて」
遊び人「この花、食べて」
遊び人「お姉ちゃんが、魔力を込めた、この花」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃん、お願い」
グッ...
遊び人「飲み込んで......勇者ちゃん」
遊び人「 鎮まりなさい!!!!!!!!!! 」
勇者『!!!!』
ズガァァン!!!!
パラパラ...
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃんの体で、勇者ちゃんの力で」
遊び人「好き勝手しないで!!!」
スタスタ
ザッ
遊び人「......」
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃん」
スッ...
遊び人「口、開けて」
遊び人「この花、食べて」
遊び人「お姉ちゃんが、魔力を込めた、この花」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者『......』
遊び人「......勇者ちゃん、お願い」
グッ...
遊び人「飲み込んで......勇者ちゃん」
741: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:50:44.84:c3gZKGwo0 (28/36)
勇者『......』
遊び人「......」
グッ......
遊び人「......」
遊び人「少しだけ、待ってて」
パクッ
モグ...
遊び人「......」モグ...モグ
勇者『......』
遊び人「......」
遊び人「......ん......」
勇者『......』
遊び人「......」
グッ......
遊び人「......」
遊び人「少しだけ、待ってて」
パクッ
モグ...
遊び人「......」モグ...モグ
勇者『......』
遊び人「......」
遊び人「......ん......」
742: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:51:11.56:c3gZKGwo0 (29/36)
――――――――――――――――
勇者「......」
......
勇者「......あれ?」
勇者「僕、何をしてたんだっけ?」
何をしていた?
勇者「確か、えっと」
勇者「......思い出せないや」
そう、思い出せない
ただ
何かを憎んでいた
勇者「ああ、そんな気がする」
勇者「何かがすごく憎かったんだ」
勇者「それこそ」
勇者「殺したいくらいに」
そう
殺したいくらいに
憎かった
だから殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
勇者「......」
お前は、殺したいと感じた
殺せ
――――――――――――――――
勇者「......」
......
勇者「......あれ?」
勇者「僕、何をしてたんだっけ?」
何をしていた?
勇者「確か、えっと」
勇者「......思い出せないや」
そう、思い出せない
ただ
何かを憎んでいた
勇者「ああ、そんな気がする」
勇者「何かがすごく憎かったんだ」
勇者「それこそ」
勇者「殺したいくらいに」
そう
殺したいくらいに
憎かった
だから殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
殺せ
勇者「......」
お前は、殺したいと感じた
殺せ
743: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:51:49.09:c3gZKGwo0 (30/36)
勇者「......そっか」
勇者「僕は、殺したかったんだ」
勇者「なら殺さないといけないんだ」
勇者「僕は殺さなきゃ」
勇者「殺さなきゃ」
勇者「殺さなきゃ」
勇者「......一体、何を?」
『あなたは、本当に愚かね』
勇者「え?」
クルッ
勇者「......」
『貴方、今何をしていたの?』
『その拙い言葉のやり取りは、誰とのもの?』
『"それ"は、貴方にとって取るに足らないものでしょう?』
『現に、今......貴方。向こう側で"それ"に完全に負けていなかったじゃない』
『本当に愚かね』
勇者「......」
勇者「そうか」
勇者「これ、夢か」
『......そう、夢ね』
『夢よ。貴方が作り出した、夢』
『それってつまり』
『その貴方が作り出した夢に出てくる私の言葉』
『これは貴方の作り出した言葉......そういう事になるわね?』
『......それじゃあ言わせてもらうわ』
『勇者は、魔物でもなんでもない』
『勇者は勇者よ』
『貴方は、闇になんて負けない』
『貴方は強い』
『貴方は強いの、勇者』
『私の妹を泣かせたら、そして......あの子達を泣かせたら』
『絶対承知しないんだから』
勇者「......そっか」
勇者「僕は、殺したかったんだ」
勇者「なら殺さないといけないんだ」
勇者「僕は殺さなきゃ」
勇者「殺さなきゃ」
勇者「殺さなきゃ」
勇者「......一体、何を?」
『あなたは、本当に愚かね』
勇者「え?」
クルッ
勇者「......」
『貴方、今何をしていたの?』
『その拙い言葉のやり取りは、誰とのもの?』
『"それ"は、貴方にとって取るに足らないものでしょう?』
『現に、今......貴方。向こう側で"それ"に完全に負けていなかったじゃない』
『本当に愚かね』
勇者「......」
勇者「そうか」
勇者「これ、夢か」
『......そう、夢ね』
『夢よ。貴方が作り出した、夢』
『それってつまり』
『その貴方が作り出した夢に出てくる私の言葉』
『これは貴方の作り出した言葉......そういう事になるわね?』
『......それじゃあ言わせてもらうわ』
『勇者は、魔物でもなんでもない』
『勇者は勇者よ』
『貴方は、闇になんて負けない』
『貴方は強い』
『貴方は強いの、勇者』
『私の妹を泣かせたら、そして......あの子達を泣かせたら』
『絶対承知しないんだから』
744: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:52:18.72:c3gZKGwo0 (31/36)
「勇者ちゃん」
「勇者ちゃん」
745: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:52:56.18:c3gZKGwo0 (32/36)
勇者「......」
『......ほら』
勇者「......」
『貴方を迎えに来たみたい』
『私の自慢の妹よ』
勇者「......」
『行きなさい』
『もうその下らない闇に囚われないでね』
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......ありがとう」
『......それは、私に言う言葉かしら?』
勇者「......いや」
『......――ふふ』
『本当に、愚かね』
勇者「......」
『......ほら』
勇者「......」
『貴方を迎えに来たみたい』
『私の自慢の妹よ』
勇者「......」
『行きなさい』
『もうその下らない闇に囚われないでね』
勇者「......」
勇者「......」
勇者「......ありがとう」
『......それは、私に言う言葉かしら?』
勇者「......いや」
『......――ふふ』
『本当に、愚かね』
746: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:54:02.45:c3gZKGwo0 (33/36)
勇者『..................』
勇者『............』
勇者『......』
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「......遊び、人......」
勇者「......」
勇者「......」
勇者「............ありがとう............」
遊び人「............」
ニコ...
遊び人「おかえりなさい......勇者ちゃん」
勇者『..................』
勇者『............』
勇者『......』
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん」
勇者「......遊び、人......」
勇者「......」
勇者「......」
勇者「............ありがとう............」
遊び人「............」
ニコ...
遊び人「おかえりなさい......勇者ちゃん」
747: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:55:54.10:c3gZKGwo0 (34/36)
ザワッ......!!!
「なんという......!!」
「本当に、本当にあの魔物を鎮めた!!!」
「賢者様......賢者様!!」
「賢者様が救って下さった!!」
エジンベア勇者「......!!!」
エジンベア勇者(悪寒が一気に消え去った......!!ヤツの見た目も元通りに)
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......お見事ですわ、遊び人さん)
ランシール勇者(............ですが)
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん......勇者ちゃん?」
勇者「......」
遊び人(......気を失ったみたい)
ザッ!!!
遊び人「!」
ダーマ兵「賢者様、御見事です!!」
ダーマ兵B「早く、その魔物にトドメを!」
エジンベア兵「こちらにそいつをお渡し下さい!!」
エジンベア兵B「元に戻った今がチャンスなのです!」
ザワザワ
ランシール勇者(......やはり)
ランシール勇者(その男はあれだけの兵を虐殺したんですもの)
ランシール勇者(こうなるのは必然ですわね)
「賢者様!!!」
「その魔物をこちらに!!!!」
「「「さあ!!!」」」
勇者「......」
遊び人「......!!」ギュッ...
ザワッ......!!!
「なんという......!!」
「本当に、本当にあの魔物を鎮めた!!!」
「賢者様......賢者様!!」
「賢者様が救って下さった!!」
エジンベア勇者「......!!!」
エジンベア勇者(悪寒が一気に消え去った......!!ヤツの見た目も元通りに)
ランシール勇者「......」
ランシール勇者(......お見事ですわ、遊び人さん)
ランシール勇者(............ですが)
勇者「......」
遊び人「......勇者ちゃん......勇者ちゃん?」
勇者「......」
遊び人(......気を失ったみたい)
ザッ!!!
遊び人「!」
ダーマ兵「賢者様、御見事です!!」
ダーマ兵B「早く、その魔物にトドメを!」
エジンベア兵「こちらにそいつをお渡し下さい!!」
エジンベア兵B「元に戻った今がチャンスなのです!」
ザワザワ
ランシール勇者(......やはり)
ランシール勇者(その男はあれだけの兵を虐殺したんですもの)
ランシール勇者(こうなるのは必然ですわね)
「賢者様!!!」
「その魔物をこちらに!!!!」
「「「さあ!!!」」」
勇者「......」
遊び人「......!!」ギュッ...
748: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:56:25.25:c3gZKGwo0 (35/36)
今日はおしまいです
今日はおしまいです
749: ◆だいやまーく3VOBH3KJAk:2016年02月07日(日) 01:58:54.01:c3gZKGwo0 (36/36)
>>731
×ばつ勇者母「あの子は、私の息子です」
×ばつ勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
前レスを消す前に書き込み押しちゃいました
>>731
×ばつ勇者母「あの子は、私の息子です」
×ばつ勇者母「私とオルテガの......自慢の息子です」
前レスを消す前に書き込み押しちゃいました
コメント 0