長崎県土地家屋調査士会 広報見聞録

2023年03月24日 Friday令和4年度第3回全体研修会報告

令和4年度第3回全体研修会報告

報告者 副会長兼研修部長 川崎 勝

日時:令和5年2月24日(金)13:00〜16:05

場所:アルカディア大村 コンベンションホール

研修内容

第1部 「隣地使用権に関する手引き」について

講師:長崎県土地家屋調査士会 業務部長 竹永智彦 様

―企画の趣旨―

日調連発第284号(令和4年12月20日付)で通知された「隣地使用権に関する手引き」につき、長崎会業務部による解説を行う。隣地へ立ち入る際の業務上の注意点を確認する。

本会の竹永智彦業務部長にご講義いただいた。手引きに基づき、土地家屋調査士はあくまでも土地所有者の代理人として立ち入ることになること、必ず会員証を携帯しておくことが注意点として説明された。作業においては土を掘る場合は原状回復できることを確認すること、草木を除去することやブロック塀の根本を掘削することは避けるべきなどが強調された。またフローに基づいて立ち入り前・後の通知について説明された。

第2部 「不当要求防止」について

講師:長崎県警察本部刑事部 組織犯罪対策課 行政・企業対象暴力対策係

米田哲郎 様

―企画の趣旨―

隣地使用に伴い不当要求などが発生した場合の対応及びその未然の防止、また業務委託契約の際の反社会的勢力の排除条項につき確認を行い、業務上のトラブルを回避する。

暴力団等の情勢について説明いただいた。近年、凶悪化不透明化しており、今まで通り注意

が必要で、対応要領としてパンフレットに基づいて毅然とした態度で臨むこと、また録音する

ことを伝えることが重要であることが説明された。とにかく早めに警察や暴追センターへ連絡

することが必要である。反社会的勢力排除条項につき、重ねて「表明・確約書」も活用するよ

うアドバイスがあった。パンフレットは全会員分ご準備いただいたため配布の対応を行う。

第3部 「改正民法の相隣関係」について

講師:塩飽志郎法律事務所 弁護士 塩飽昂志 様

―企画の趣旨―

改正民法第209条(隣地の使用請求)の具体的解説と立ち入りを拒否された場合の対応、第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)、相隣関係の問題点を解説いただく。

改正民法第209条について実務家の観点から説明いただいた。個々の文言について具体的な解釈・運用、相手方との利益調整の観点からも丁寧な説明があった。隣地につき所有者・使用者、建物の賃借人など場合分けいただいた。土地家屋調査士業務の場合、事前通知は約2週間前が妥当ではないか、償金につき樹木の損壊などが解説された。立ち入りを拒否された場合の対応について1事前通知で拒否された場合、2事前通知で応答がなかった場合、3事前通知が困難な場合など説明いただいた。混同しやすい越境した竹木について解説いただいた。また相続土地国庫帰属法が施行されるように土地所有者が所有権を放棄する道筋ができたが、近年の境界問題についても擁壁やブロック塀の管理が問題となってきており、境界線付近にある擁壁をどちらが管理すべきかについて原則所有者が管理すべきものである。また、通常高い位置にある土地所有者のためのものであるが、判例によっては低い位置の土地のためのものでもあるとの判断から低い土地の所有者にも一部負担金が発生する判断もあるとの紹介があった。

まとめ

午前中の長崎県土地家屋調査士政治連盟定期大会からの引き続きの開催とした。研修テーマを隣地使用に伴うものに特化して企画した。チャットによる質問・WEBからの質問にも対応できたので今後もWEB配信による研修会を企画していきたい。

以上

| chousasingsk3 | 研修会 | 09:31 | - | - |

2022年12月24日 Saturday令和4年度第2回全体研修会報告

令和4年度第2回全体研修会報告

報告者 副会長兼研修部長 川崎 勝

日 時:令和4年12月8日(木)11:00〜17:00

場 所:アルカディア大村コンベンションホール(長崎県大村市雄ケ原町1298番地29)

研修内容

第1部 「ネットワーク型RTK法による単点観測法に基づき行う登記多角点測量マニュアル」について

講師:日本土地家屋調査士会連合会 理事 松本忠寿 様

−企画の趣旨−

日調連発第67号(令和4年5月31日付)で通知された「ネットワーク型RTK法による単点観測法に基づき行う登記多角点測量マニュアル」の解説をいただき、従来の方法との違いを再確認しマニュアルに基づく世界測地系の地積測量図作成を目指す。

本会副会長でもある日調連の理事 松本忠寿様にご講義いただいた。単点観測マニュアル自体は5年前から検討されてきたこと、参考とされた「単点観測法による細部図根マニュアル」の11条から16条を確認しておくこと、マニュアルには整合性の点検が盛り込まれていることなどが説明された。また問題の根本となった「登記研究」701号のカウンター相談やSSP(スマートサーベイプロジェクト)、スタティック観測復活の可能性、PPP(精密単独測位)など単点観測以外の測量の方向性も示された。点検観測時には1セット目と2セット目に「初期化」の作業を行いFIXを解く必要がある旨説明があった。

第2部 「コロナ禍で学んだこと〜オリンピック選手からおもてなしの道へ〜」

講師:株式会社星野リゾート 山口美咲 様

−企画の趣旨−

株式会社星野リゾートの山口美咲様(諫早市出身)をお招きし、コロナ禍での星野リゾートの取り組みやご自身のオリンピック経験談を語っていただきその知見を今後の業務に生かす。

水泳日本代表として北京とリオの2回のオリンピックに出場された経験談をお話しになられた。選手としての輝かしい功績の裏にある苦悩された逸話など、道を極めるための体験を明るくご講義いただいた。また水泳から星野リゾートへの就職が決まったきっかけとなった自らの積極性などは大変参考になる話であった。星野リゾートの経営哲学や山口様が携われたホテルの準備から開業まで、またコロナ禍後のホテル旅行業界の動向を解説いただいた。

第3部「筆界確認書、官民境界管理および相続土地国庫帰属法」について

講師 京都産業大学法学部教授 草鹿晋一 様

−企画の趣旨−

筆界確認書、官民境界管理につき京都会との共同研究及び相続土地国庫帰属法の内容を確認し今後の土地家屋調査士業務に生かす。

草鹿教授は京都会や鹿児島会など土地家屋調査士と連携されており、その縁で講義をお願いした。相続土地国庫帰属法は令和5年4月27日から施行となるが、将来的に土地所有者が不明化し、管理不全化することを予防することを目的としている。手続きイメージは1承認申請 2法務大臣(法務局)による要件審査・承認 310年分の土地管理費相当額の負担金を納付、である。また却下要件として、建物の存する土地、通路や墓地境内地、境界が明らかでない土地等がある。これに対しては、今後土地家屋調査士業界はビジネスチャンスととらえるべきであり、人的準備をしておくこと、他業士(特に税理士)とのパイプを作っておくべきなどの提言があった。負担金については運用後の見直しで下がる可能性があるとのご意見であった。

境界確認書の越境物に関する覚書では弁護士法第72条との関係で、土地家屋調査士は慎重に取り扱うべきとの見解が示された。筆界確認書のみの報酬をもらい、覚書については和解契約となり報酬を受けとらないとしても、筆界確認書部分に含まれているのではとみなされる可能性がある。調査士会が参考資料として様式テンプレートを当事者に渡す方法が提案された。紛争が絡む場合はADR認定調査士は紛争の相談が受けられるので、弁護士と共同して相談を受けるべきである。

官民境界管理については、道路工事による境界杭の移動が行政苦情案件のトップ3であることが紹介された。公共工事に際しの境界管理を行っているかとのアンケートでは土地家屋調査士の認知度、利用の低さが説明された。これに対しては事前・事後の境界確認を土地家屋調査士が積極的に関与すべきであり、工事後に境界復元する場合も、単に杭を復元するだけでなく専門家の知見を活かし正しい筆界を探索し復元すべきである、また地籍調査の資料として活用していくべきとの提言がなされた。

まとめ

開催日程が師走となり講師の皆様および会員には多忙の時期となったにもかかわらず無事開催できましたことに感謝申し上げます。一部音声が聞き取りにくいとのメッセージが入ったので対応を行った。配信会社の器材の設定から接続確認まではスムーズに行うことができた。

日本土地家屋調査士会連合会 理事 松本忠寿 様

株式会社星野リゾート 山口美咲 様

京都産業大学法学部 教授 草鹿晋一 様

以上

| chousasingsk3 | 研修会 | 09:43 | - | - |

2022年12月22日 Thursdayポリテクセンター長崎出前授業報告

広報部 渡部聖吾

事 業 名:ポリテクセンター長崎 出前授業

日 時:令和4年12月20日(火) 13時00分から15時40分

場 所:ポリテクセンター長崎敷地内

長崎県諌早市小船越町1113番地 長崎職業能力開発センター

受講対象者:住宅リフォーム技術科26名

講義テーマ:「不動産登記と土地家屋調査士業務の簡単説明」

参 加 者:本会4名(船津学、山口賢一、川崎勝、松本忠寿)

諫早支部6名(山粼一弘 山下丈雄 古賀和彦 前田明俊 渡部聖吾 本多史典)

このたび、ポリテクセンター長崎より依頼を賜り、初めて出前授業を実施させていただくことになりました。今回の出前授業は、第4時限目から第6時限目にて実施され、メニューとその様子は下記のとおりです。

〇 第4時限目(50分) ・・・ 座学13:00 13:50

・会長挨拶と全体の説明

・山口副会長「土地家屋調査士の仕事のはなし」

1 土地家屋調査士の一日 【日調連WEBサイトの動画2つを活用】

2 土地家屋調査士の登録者数【全国、長崎県下、支部ごと】

3 土地の登記、建物の登記

4 地図作りへの関与

〇 第5時限目(50分) ・・・ 外業(測量実習)13:55 14:55

・船津会長、松本副会長、諫早支部(6名)「測量機器の操作体験」

1 トータルステーションとミニプリズム(ミニ三脚)

2 ドローン、3Dスキャナ等の展示やドローン等を使った測量の方法の説明

【トータルステーション等の操作を体感(測角測距の表示確認・測設作業時の動き方)

〇 第6時限目(50分) ・・・ 座学14:50 15:40

・川崎副会長「不動産登記のはなし」

1法務局の概要 【業務内容、法務局の場所】

2登記簿の概要 【不動産の記録内容、法人の記録内容】

・ 質疑応答

今回受講された生徒の皆さんにとって私たちの出前授業が少しでもお役に立てたら幸いに思います。ポリテクセンター長崎の先生方ありがとうございました。講師の皆様と準備していただいたサポートの皆様、大変お疲れ様でした。出前授業が今後各地に広がっていくことを期待しています。

船津 学会長

山口賢一副会長

測量実習

測量実習

川崎勝副会長

| chousasingsk3 | 出前授業 | 11:30 | - | - |

2022年10月31日 Monday「長崎県と大規模災害等発生時における相談業務の支援に関する協定」締結式の報告書

報告者 広報部長 立野彰弘

日時:令和4年10月12日(水)午後5時00分〜5時30分

場所:長崎県庁行政棟3階、特別会議室

出席者:長崎専門職団体連絡協議会(構成団体:8団体)

長崎県弁護士会 会長 濱口 純吾

長崎県司法書士会 会長 前田 洋之

九州北部税理士会長崎県地区連絡協議会 副会長 弥永 努

長崎県社会保険労務士会 会長 中島 政博

長崎県行政書士会 会長 山脇 正隆

長崎県土地家屋調査士会 副会長 山口 賢一

公益社団法人長崎県不動産鑑定士協会 会長 荒川 千洋

一般社団法人長崎県中小企業診断士協会 副会長 須賀 清澄

長崎県副知事 平田 修三

長崎県危機管理監 多田 浩之

長崎県と長崎専門職団体連絡協議会との締結式に関し報告します。

この協定の主な内容は、大規模災害等が生じた場合、被災した住民や企業等からの様々な相談に対して市町や県の要請により、協議会が相談業務の支援として専門家の派遣を行うものです。

定刻となり長崎県からアナウンスがあり、出席者紹介、多田危機管理監から協定の概要が説明されました。

その後協定締結に移り、出席された各団体の代表者が協定書に署名しました。

長崎専門職団体連絡協議会から長崎県弁護士会濱口純吾会長が、代表者として挨拶されました。

この挨拶の中で、災害がおきて、いざ連携を取ろうとしても、上手くいかないケースが多々ある。日頃から長崎県と長崎専門職団体連絡協議会との関係が重要であり、この協定を機会に深いつながりを持つよう、お互いに協力しましょう。と呼びかけておりました。

この後、写真撮影に入り長崎県と長崎専門職団体連絡協議会の8団体が一列に並びました。

長崎県と長崎県土地家屋調査士会では、大規模災害等発生時の協定は締結されておりますが、今回、8士業で構成された長崎専門職団体連絡協議会の1団体としての締結になります。

2022年10月10日 Monday令和4年度新人対象有料研修会報告

令和4年度新人対象有料研修会報告

報告者 副会長兼研修部長 川崎 勝

日 時:令和4年9月22日(木)13:00〜23日(金)16:30

場 所:1日目 トランス・コスモススタジアム会議室、(懇親会 L&Lホテルセンリュウ)

2日目 L&Lホテルセンリュウ

出席者:船津学会長、山口賢一副会長、川崎勝副会長、松本忠寿副会長、峰昇平常任理事、

立野彰弘常任理事、竹永智彦常任理事、初柴穣常任理事、北川稔治境界鑑定委員

受講者:長崎会会員8名、福岡会会員1名

4年に1度開催している本会新人対象有料研修会を1泊2日の集合形式で開催しました。日調連主催の新人研修会の開催により、九州ブロック協議会主催の新人研修は行われていないことから今回は九州ブロックの各調査士会にも参加を呼びかけ、福岡会会員1名に参加いただきました。

≪1日目≫

船津会長による「土地家屋調査士の倫理と将来像」と題して、新人としての心得、業務の将来像など経験に基づいて様々な知見を講義いただきました。

長崎地方法務局 地図整備・筆界特定室 山口克久表示登記専門官から「筆界特定手続きについて」その申請及び特定の流れや実情を講義いただきました。

石川県土地家屋調査士会会長 石野芳治様に「土地家屋調査士と地図作成業務」として長崎県内でも行われている地籍調査や14条地図作成業務における注意点や作業方法などを講義いただきました。

懇親会も開催し、新型コロナ感染対策を施しながら、親睦を深めました。

≪2日目≫

竹永常任理事、立野常任理事による業務取扱要領の建物、土地について実務上のポイントや悩みどころを写真等で示しながら講義いただき、北川境界鑑定委員による活動報告は平成15年以降の裁判例や鑑定の中立性などの考え方をわかりやすく説明いただきました。初柴センター長には受付相談が会員全員で対応していることやADRの流れ、受付相談のチャート、自身の特別研修の受験体験談を説明いただきました。

最後に長崎会では大変お世話になっている日本ホスピタリティ・マナー研究所の代表松澤萬紀様に「土地家屋調査士としてのマナー」と題して、依頼者への対応、立会訪問、アポイントなどに特化したマナーを講義いただきました。

修了式を執り行い無事、研修会は終了となりました。

石川県土地家屋調査士会 会長 石野芳治 様

日本ホスピタリティ・マナー研究所 代表 松澤萬紀 様

以上

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