認定遺伝カウンセラー®

認定遺伝カウンセラー®とは

1)認定遺伝カウンセラー®は遺伝医療を必要としている患者や家族に適切な遺伝情報や社会の支援体勢等を含むさまざまな情報提供を行い、心理的、社会的サポ-トを通して当事者の自律的な意思決定を支援する保健医療・専門職である。
2)認定遺伝カウンセラー®は医療技術を提供したり、研究を行う立場とは一線を画し、独立した立場から患者を援助することが求められる。
3)認定遺伝カウンセラー®は、遺伝カウンセリングについて一定の実地修練を積んだ後に資格認定される専門職で、下記の要件を満たす必要がある。

・最新の遺伝医学の知識を持つ

・専門的なカウンセリング技術を身につけている

・倫理的・法的・社会的課題(Ethical-legal-social issues: ELSI)に対応できる

・主治医や他の診療部門との協力関係(チーム)を構成・維持できる

4)認定遺伝カウンセラーとなりうる基盤の職種としては看護師、保健師、助産師などのメディカルスタッフや、臨床心理士、社会福祉士、薬剤師、 栄養士、臨床検査技師などのコメディカル・スタッフ、また生物学・生化学などの遺伝医学研究者やその他の人文・社会福祉系などの専門職が考えられる。

(厚生労働科研報告書:認定遺伝カウンセラー制度研究の歩みより作成)

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認定遺伝カウンセラー到達目標

認定遺伝カウンセラー®の基盤となるコンピテンシーを「認定遺伝カウンセラー到達目標」にまとめました。2024年度の認定大学院遺伝カウンセラー養成課程の入学者から適用になります。
認定遺伝カウンセラーとして認定されるには、知識、技術、態度の全てにおけるコンピテンシーを修得する必要があります。なお、本到達目標に記載された「参考項目」はあくまでも学ぶべき項目の例であり、記載された内容を参考として研鑽してください。

ダウンロード:認定遺伝カウンセラー到達目標

認定遺伝カウンセラーの養成カリキュラム(旧版)

2025年度までの認定遺伝カウンセラー認定試験は、旧カリキュラムに準拠して実施されます。以下のファイルを参照ください。

ダウンロード:認定遺伝カウンセラーの養成カリキュラム-旧版

認定遺伝カウンセラー指導者名簿(2025年1月現在 15名)

岩手県 14 山本 佳世乃
宮城県 166 津幡 真理
千葉県 17 宇津野 恵美
東京都 20 和泉 美希子
東京都 24 金子 景香
東京都 111 甲畑 宏子
東京都 120 渡辺 基子
東京都 133 杉本 立夏
神奈川県 12 佐々木 元子
京都府 30 吉田 晶子
大阪府 90 佐藤 友紀
愛知県 98 大江 瑞恵
愛知県 156 武田 恵利
愛知県 204 高磯 伸枝
岡山県 6 山内 泰子

認定遺伝カウンセラー制度について

認定遺伝カウンセラー制度委員会の構成(2024年3月現在 五十音順)

委員長: 三宅 秀彦(お茶の水女子大学)
副委員長:甲畑 宏子(東京医科歯科大学)
     佐々木 元子(お茶の水女子大学)
委員:  秋山 奈々(東京大学)
     伊田 和史(国立循環器病研究センター)
     石川 亜貴(札幌医科大学)
     和泉 美希子(昭和大学)
     井本 逸勢(愛知県がんセンター)
     浦野 真理(東京女子医科大学)
     大場 大樹(埼玉県立小児医療センター)
     川目 裕(東京慈恵会医科大学)
     佐藤 智佳(関西医科大学)
     竹内 千仙(東京慈恵会医科大学)
     武田 恵利(名古屋市立大学)
     田辺 記子(国立がん研究センター中央病院)
     津幡 真理(東北大学病院)
     福島 明宗(岩手医科大学)
     福田 令(富山大学附属病院)
     村上 裕美(京都大学)
     矢部 一郎(北海道大学)
     山本 佳世乃(岩手医科大学)
     吉田 晶子(京都大学)

遺伝カウンセリング制度発足の歩み

日本での遺伝カウンセリングの始まり

わが国でアメリカの人類遺伝学会が提唱した遺伝カウンセリング(かつては遺伝相談と呼ばれました)の普及活動が始まったのは1970年代からでした。当時は、カウンセラーは医師が中心でした。
しかし、1980年代からゲノム医学が発達し、遺伝子診断が実用化されると、遺伝性疾患の概念が大きく変わりました。 従来の先天性の疾患やメンデル遺伝をする疾患(形質)だけでなくガンや生活習慣病までが遺伝カウンセリングの対象になったのです。
遺伝カウンセラーには単に遺伝医学情報の提供だけではなく、クライエントの立場から問題解決を援助したり、心理的な対応技術が必要とされます。また、遺伝カウンセリングが扱う内容には高度に倫理的な内容が含まれますので、医師とは独立した専門職の遺伝カウンセラーが必要になりました。

認定遺伝カウンセラー制度の発足

このような背景から、わが国の遺伝医療システムの構築をめざした研究班(厚生労働科研,主任研究者:古山順一)が結成され、7年間にわたり遺伝医療をささえるマンパワーの養成について研究がなされました。
研究成果の一つとして、2002年から臨床遺伝専門医の認定制度が発足しました。
しかし、遺伝カウンセラーについてはまったく新しい専門職であるため、養成カリキュラムの作成から着手し、このカリキュラムを採用した養成専門課程が、信州大学大学院と北里大学大学院(2003年)、お茶の水女子大学大学院(2004年)に開設されました。

現在の認定遺伝カウンセラー制度

現在、信州大学大学院、北里大学大学院、お茶の水女子大学大学院、京都大学大学院、千葉大学大学院、近畿大学大学院、川崎医療福祉大学大学院、東京女子医科大学大学院、長崎大学大学院、東北大学大学院、藤田医科大学大学院、札幌医科大学大学院、岩手医科大学大学院、新潟大学大学院、国際医療福祉大学大学院、大阪大学大学院、東京医科歯科大学大学院、金沢大学大学院、順天堂大学大学院、鳥取大学大学院、広島大学大学院、自治医科大学大学院、昭和大学大学院、熊本大学大学院、京都府立医科大学大学院、静岡社会健康医学大学院大学、東京慈恵会医科大学大学院、北海道大学大学院、九州大学大学院の、全29大学院に認定遺伝カウンセラー認定養成課程が開設されています。

これらの養成専門課程は、 日本遺伝カウンセリング学会日本人類遺伝学会が協力して制度化した「認定遺伝カウンセラー制度」の専門教育機関として認定され、修了者は認定試験に合格すると認定遺伝カウンセラー®を呼称することができます。

養成専門課程の開設についての必要な書類は、「 事務手続き」のページからダウンロードすることができます。
養成専門課程新設の審査には半年から1年がかかりますので、余裕を持ってご申請いただきますようお願い致します。
養成課程の修了者は「 資格取得を目指す方へ」のページで、認定試験について確認してください。

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