―歌穂さんにとって常に良いタイミングでチャンスが回ってくるんですね。
確かに。振り返ってみると本当にいい出会いと チャンスに恵まれてきたなって思います。 ただ、強いて言えば、アイドルで売れなかった頃から 舞台を志してアルバイトをしながらレッスンをして オーディションを受けていた時期に 「この世界でやっていけるのかな...」と少し悩んだかな。
でもその頃、父がとある店でピアノを弾いていたのですが 「お前、ぶらぶらしていてもしょうがないから、 バイトしながらジャズでも勉強しろ」って声を掛けてくれたんです。 アルバイトをしながら父にジャズの手ほどきをしてもらって、 毎日、1曲ずつレパートリー増やしていって、 その上、毎日お客様の前で歌って練習させてもらえて。 その2年間は決して無駄ではなかったですね。 今、こうしてジャズを歌わせてもらえるのも、 19〜21歳までのあの時期があったからですし、 やっぱり全てに無駄がなかったなと。
何事もあきらめないって、大事ですよね。 やっぱり夢さえ持っていれば、 それに向かっての苦労は苦労にならないですよね。きっと。 後で考えれば幸せな苦労だったなと思います。
―現在は大学でも教えておられますが、ご自身の歩いてきた道と重ねていかがですか?
学生達は3回生の後半くらいから将来についてモンモンとし始めて どうしても大学卒業と共に結果を出さなくてはいけないと 焦るじゃないですか。 個人的に学生の相談を受けたりすることもあるけれど 私は「20代なんていくらでもやり直しがきくんだから、 とにかく何でもいいからぶつかって行くしかないでしょー!」って そんな言い方しかできないんですけれどね(笑)。
いくら大学にいる間に「現実は厳しいよー」って言っても 現実に直面した時にみんな相当ショックを受けますよね(笑) 叱咤激励をして送りだすしかないですよね。
―最後にこの舞台に向けての意気込みを。
春秋座に出演させていただくのはこれで3回目。 「ダウンタウンフォーリーズ」の時には お客様が温かくて、とっても忘れられない大切な思い出になりました。 そんな思い出ある舞台でデュオコンサートが行えるのは、 とっても嬉しいことです。 春秋座ならではの曲がご用意できたらなと思っておりますし、 私たちにも特別な一日になりそうです。 ぜひ、ご期待に添えるものにしたいと思います。 よろしくお願いします。