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15 March 2009

文化と変化と情報化

文化と変化と情報化

情報は社会を変える中核的要素である 情報の量や質が変わると社会が変わる

技術の進歩は情報の流通を加速させる より正確には技術の進歩とは情報流通の進歩とほぼ同義である

つまり技術の進歩が続く限り社会の変化は続く 技術の進歩が是であるか非であるかに拘わらず 頭蓋骨のサイズによって脳の進化が許容される限り 人は技術を進歩させ その結果として社会を変えてゆく

変化とはかつてあった価値を否定し 新たな価値を受け入れることである かつてあった価値とは文化のことである つまり変化とは文化の反意語である 文化に対するノスタルジーは変化への抵抗である 社会変化に追随できなくなったとき 人は文化を口にする

技術を進歩させ情報の流通を加速させる そこに新たな価値を創造する 更に技術を進歩させかつて創造した価値を否定する 文化を構築しそれを破壊する 創っては壊し創っては壊す 残念ながら それが人間の日々の営みなんだと思う

現行著作権法の問題はその非対称性にある

権利は常に義務と対である 誰かの権利は誰かの義務を生む

著作権や特許権は所有権と同様に私権である これらの権利は一市民の権利である 一市民の権利は公権すなわち国家の権利とは異なる 著作権は国家が国民に規範を求める性質のものではなく その権利に関わる特定の市民間における問題解決理論である

著作権法は一定の情報に権利を与え その流通のコントロール権を作者に留保する ディジタルおよびネットワーク技術は 情報の流通を飛躍的に向上させた その結果現行著作権法における権利者のコントロール権は巨大化した コントロール権の巨大化は同時並行的に市民に規範を求める 公権的な性質を帯びたものになる

著作者がそのことを意識できず むしろ情報技術がかつての権利を脅かされると感じるのは この変化に追随できないがためである 本来的に情報の流通性が向上すれば ユーザへの到達率が高まるので 情報技術は著作者にとってはポジティブである

著作者およびその関係者たちが このことに気付いたとき彼らの利益は膨大になる マーケットがグローバル化し それを利用するユーザが著作者予備軍であることに気付くなら 彼らの利益は膨大になる

だから既に公権化している著作権法を強化してはいけない その本来的な特定市民間における問題解決のツールとなるよう 縮体化させなければいけない そうでなければ明らかに著作権法は 権利と義務を非対称にするアンバランスな法律となる

著作権法

中山 信弘



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