日本の高市早苗首相は先ごろ、国会において「台湾有事」は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたり得ると公然と主張し、台湾海峡問題への武力介入の可能性を示唆した。中国の内政に粗暴に干渉し、第二次世界大戦後の国際秩序に公然と挑戦するこの誤った発言は、全世界を騒然とさせ、正義を重んじる人々の強い憤慨を招いた。しかし高市首相は反省しようとせず、誤った発言の撤回を拒んでいる。これによって、日本右翼勢力の抱く極めて誤った、極めて危険な歴史観・秩序観・戦略観が十分に露呈した。国際社会、とりわけアジア諸国は日本の戦略の行方に強く警戒しなければならない。(人民日報「鐘声」国際論評)
高市首相が台湾関連の誤った発言を行ったことは、軍国主義の亡霊を呼び戻そうとしたに等しい。「台湾有事は日本有事」という日本政界に存在する危険な論調は、中国の国家統一を日本の安全保障と結びつける企てだ。高市首相は就任から1ヶ月も経たないうちに、いわゆる「台湾有事は日本有事」を公然と鼓吹したうえ、これを集団的自衛権の行使と関連付けた初の現職首相となり、その内政・外交政策の危険な方向性を顕わにした。歴史上、日本軍国主義は「自衛権の行使」を理由に九一八事変を引き起こし、中国侵略戦争を仕掛け、中国を含むアジア、さらには世界の人々に甚大な災禍をもたらすなど、繰り返し「存亡の危機」を口実に対外侵略を発動してきた。高市首相がいわゆる「存立危機事態」を再び持ち出したことは、人々にとって、日本が軍国主義の過ちを繰り返す危険性への懸念を抱くに十分な理由となる。
高市首相の思い上がった発言は、歴史の正義への公然たる挑発である。日本は台湾問題において深く重い歴史的罪責を負っている。甲午戦争(日清戦争)後、日本は台湾を侵略・占領したうえ、半世紀の長きに及ぶ植民地支配を行い、筆舌に尽くしがたい罪行を犯した。1945年、日本は降伏文書に調印し、「カイロ宣言」「ポツダム宣言」など台湾の中国への返還を定めた国際的な法的文書を正式に受諾した。中国は台湾を取り戻し、台湾に対する主権の行使を再開し、歴史の正義はついに明白となった。今年は中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたり、台湾光復(日本の植民地支配からの解放)80周年にもあたる。だが、日本は反省するどころか、台湾問題で新たなもめ事を引き起こしている。中国の内政に干渉し、挑発し、一線を越えるこうした誤った言動は、中日関係の政治的な基礎を深刻に損ない、第二次世界大戦後の国際秩序に重大な挑戦を突きつけている。
台湾問題は中国の核心的利益の中の核心であり、触れてはならぬレッドラインであり、譲れぬ一線だ。いかなる方法で台湾問題を解決し、国家統一を実現するかは、中国人自らの事であり、いかなる外部勢力の干渉も許さない。80年前、勇敢な中国人民は日本の侵略者を打ち負かした。80年後の今日、国家主権と領土的一体性を守る中国人民の決意と意志は盤石だ。中国統一の大業に介入し妨害しようとするいかなる企ても、身の程知らずの蟷螂の斧だ。我々は日本に厳正に告げる。台湾問題を利用して騒ぎを起こせば、自らに災いを招くことになる。
日本軍国主義の歴史的罪責は深く重いものであり、中国人民を含む世界各国の人々はそれを忘れたことはないし、忘れることもない。日本の指導者が台湾問題において武力介入の野心を示したのも、中国に対して武力による威嚇を示唆したのも今回が初めてであり、その背景には、平和憲法の束縛を打ち破り、「軍事大国」の地位を求める日本右翼勢力の危険な企てがある。近年、日本は安保政策を大幅に変更し、防衛費を年々増額し、武器輸出規制を緩和し、攻撃兵器の開発を図り、軍備拡張という間違った道を猛進している。口先では自ら「平和国家」を標榜し、「核なき世界」の構築を唱えているが、高市政権は「非核三原則」に対して曖昧な発言をし、放棄の可能性を示唆している。日本の高官は、原潜の導入を排除しないとまで公言している。これらはいずれも、日本の政策の重大な負の転向を示している。日本の敗戦と降伏から80年後にあたる今日、高市首相が各国の神経を逆なでする危険な発言を行ったことは、戦略的な軽率さの表れであっただけでなく、それ以上に意図的な挑発であった。中国人民を含む世界各国の人々は備えを固め、平和と正義を断固として守らなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年11月17日