<< 2011年12月 | TOP | 2012年02月 >>
- 1 2 >>

2012年01月21日

ギターの話

自分の音楽史?を振り返ると、ギターというものは無くてはならない存在だ。ギターが自分の音楽観に与えた影響は計り知れない。
とはいえ、最近はまったく弾いていないが。最近は他の楽器をやることが多い。

よく言われることだが、ギターは鍵盤などと比べて非常に風変わりな楽器である。

まず、弾いているからといって何の音を自分が出しているのか分かるわけではないという点。
Gのコードを押さえられるギタリストは多いだろうが、そいつらが皆、押さえている音を1弦から順番にポンポン言えるわけではないだろう。
その点、鍵盤は見た瞬間に何の音を自分が弾いているか非常にわかりやすい。

そして、同じ音程を違う弦で弾ける。つまり、1弦と2弦で同時に同じ音を出したりできるわけだ。同時に出しながら片方を揺らしたりもできる。

中学の吹奏楽でオーボエという管楽器で「ちゃんとした音を出すのにも一苦労、の憂鬱」を存分に味わった自分は、ギターを始めた頃、ギターの「とりあえず押さえて弾けば必ず音が鳴る」という簡便さに非常に惹かれた記憶がある。とはいえ、ギターとオーボエどちらが先だったかもさだかではないが。

ギターは鍵盤と違って、何の音を弾いているかわからなくても演奏を続けられる。これはとんでもないことである。つまり、テキトウに押さえてテキトウに音を出しても、音が鳴ってしまうのだ。このランダムにはとても惹かれた。

中学だったか高校だったか、ノイズだかパンクだかよくわからないめちゃくちゃなバンドをやっていた頃、ギターソロだと抜かしてはテキトウに押さえ弾き始め(何の音が「出てしまう」か偶然性を楽しんでいた)、そしてバッキングのベースなどが弾いている調性と同じ調性入ったり出たり、出たり入ったり、そういうことをやっていた。

今となっていえばそれはアウトしたりスケールを弾いたりということなのだが、その感覚に非常にスムーズに入っていけたのもギターのおかげである。
ただ調性や和声に本格的に惹かれたのは、オーケストラでオーボエを吹き始めてからの方が大きいかもしれないが。

そして「和音」も、ギターは面白い。
ナンバーガール(昔とても好きだった。)の向井秀徳が自分なりの独自のコードフォーム、つまりギターの指板の押さえ方を「俺押さえ」という言い方をしているのを見て、中学生だった自分は、「あ、どんな押さえ方をしてもよかったのか。」という非常に短絡的な結論に達した。まあ間違ってはいないが。

そして、日夜、部屋でいろんな押さえ方をしてはこうするとジャズっぽい、ボサノバっぽい、パンクっぽい、グランジっぽい、UKっぽい、JPOPっぽい、など自分で試行錯誤してみた。そして自分なりの「俺押さえ」「俺押さえの連なりによる心地よい和声の流れ」をたくさん作った(つもりだった)。

その頃、自分はこれまでのギタリストがどういう押さえ方をしてきたかを、極力学ばないようにしていた。自分なりの語法を作りたかった。教則本など買っても、コードフォームの詳しいところなど絶対に読まないようにしていた・・・あの異常なこだわりはどこから来ていたのか。あまりにもひねくれている。後述するアートリンゼイの影響は大きいと思うのだが。

もちろん後に、さすがに各ジャンルのギタリストがどういう風に弾いているのか確認したくなり、譜面など読み漁ったのだが、だいたい自分のしていたのと似ていて愕然とした。実は全然「俺押さえ」じゃなかったのである。情けない話だ。

ギターの作る和声の流れと言うのは本当に独特なものがある。テンションをどこにいれるか、どの弦・どのオクターブで弾くか、ボーカルやベースの音とどのようにぶつけるか、ぶつけないか。あるいはどのような倍音が出るように鳴らすか。それだけでも本当に探求しがいがある。

「自分が何の音を出しているかが分かりにくい」という特徴が重要な点であるのは間違いないと思う。盲目的にわからないまま押さえかたを変えられるうえに、もちろん少し考えれば弾いている音がわかる。つまり情報の取捨選択ができる。そこに偶然性を取り入れる余地があるのである。

まあもちろん、弾いているうちにだんだんどこを押さえると何の音がなるかわかるようになってしまうのであるが・・・。(中高時代、ギターをチューニングしないギタリストであるアートリンゼイなどにも傾倒していた私は、自分の弾いている音を「わかりたくない」、「わかってしまった」、という感情もあった。)

そして音色。ギターは多彩なエフェクターと言うものがある。もちろん鍵盤や管楽器もエフェクターなどかけられるが、エフェクターやアンプのフィードバック、ハウリングなどがもたらす「不確実性」「振り幅」はギターを語る上で欠かせない。

P.S. bloodthirsty butchersの吉村秀樹さんは、「不確実性」「偶然性」「凶暴性」「繊細さ」「無調らしさ」「音色、エフェクター」などギターの魅力を存分に教えてくれた(もちろんCDやライブを通して)ギタリストの一人で、本当に尊敬している。凄まじい詩情を持つ音。
興味がある方はぜひbloodthirsty butchersの「未完成」というアルバムを聴いてみてください。

もちろん好きなギタリストは、挙げ始めれば他にもきりがないのですが。

長くなったのでとりあえず今回は終わり。ギターについてたくさん書いたら、今横にあるしばらく弾いてないストラトキャスター(ギター)がとても愛おしくなった。

2012年01月11日

【イベント告知】JAZU4

ライブの告知です!

ノイズ/ヒップホップ/クラシック/ジャズなど!

様々な形の、純度の高い音が集まります!

ぜひ来てください!

2012年3月25日(日)

@駒込La Grotte

入江陽presents「JAZU 4」

open17:30/start18:00
charge 1500円(ブックレット付)
飲食持ち込み自由

・出演
小川直人(noise/avan-garde)/MCビル風(hiphop)/山田直敬アンサンブル(classical)/本間志功(jazz/classical)/入江陽(jazz/avan-garde)

・ブックレット「音楽と社会」
寄稿:副島正紀、酒井絵美、荒牧康治、野島翔平、永倉暁人

・以下出演者紹介!(文責:入江)

「小川直人」

アヴァンギャルド/ノイズ。バンド「Surfins」を主宰し、札幌で活動。2009年より東京に移住しソロ活動開始。未来の産声のような、異次元に巻き込まれる音楽!

「MCビル風」

ラッパー。埼玉県春日部市出身。バンド「toxic
memorials」ではベースを担当。ユーモアと切実。日常に潜む戦いが浮かび上がってくる。ポップに突き刺さる言葉!

「山田直敬」

ヴィオラ奏者。今回はヒンデミットのヴィオラ・ソロ曲をはじめ、ヴァイオリン、チェロ、オーボエのゲストを迎えブリテンやヘンデルなどの曲を演奏していただきます!

「本間志功」

ピアニスト。オーケストラではビオラも弾く。ジャズ/クラシックをはじめ、ロックバンドへの参加など多彩な活動を行う。イノセンスを感じさせるタッチと、即興演奏の際は交響曲的な響きが魅力的!

「入江陽」

作曲者/演奏者。ジャズ、ノイズ、パンク、管弦楽団などに取り組んできました。今回はピアノなどを弾く予定です。

2012年01月10日

「野良犬」スタジオテイク

song 入江陽&さがやままこと(carpool)
vocal piano 入江陽
vocal guitar さがやままこと


再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら


「野良犬」

それぞれの場所でそれぞれ戦う
どいつもこいつもいい顔で笑う

本当はとても迷っているし とてももがいている

満足はしない 満足できない
なにもかもつまらねえ、と吐き捨てて笑う

ひどいことを言ったりするけど 混乱の中にいる

満月の日には吠える あの日に帰りたい
なんて言わずにそう 寝床探す
また明日

悲しいこともたくさん起きる
ただ忘れんな いつでもそのユーモア

太陽を背にし歩く しらじらしいと笑ってばかり
帰る場所を 探しに行く

また明日 また明日
- 1 2 >>

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


posted by Seesaa ブログ
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /