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[#142] 2012年12月15日(土)

格闘技業界お騒がせの震源地・オランダっていったいどうなってるの?
格闘記者生活二十年・硬派特派員・遠藤文康に聞けばわかるさ! ブンコウ・ボンバイエ2012

[画像:遠藤文康] 今年の格闘技界はオランダを軸にして様々な動きがあった。

人気選手バダ・ハリのキック引退・ボクシング転向に始まり、オランダ発の格闘技イベントIt's ShowTime日本大会の直前キャンセル、そして新興勢力GLORYスポーツによるShowTimeや日本の総合格闘技イベントDREAMの買収など、格闘技界の地図を大きく塗り替えるような動きが頻発したからだ。

そのひとつひとつには、通り一遍の記事には書かれていない複雑怪奇な人間関係がつきまとっており、理解するには単なるスポーツニュースの範疇を超えて、オランダ人の気性や流儀、具体的な人間関係にまで踏み込んだ「補助線」を引く必要がある。

だが、それができる記者は、実はただ一人しかいない。複雑極まりないオランダ格闘界の人脈をきちんと把握し、猫の目のように変わる勢力分布の行方を追い続けている、現地在住の格闘技ジャーナリスト・遠藤文康さんだけなのだ。

ヨーロッパにおけるキックの中心地オランダに根を張る事20年あまり、今はなき『格闘技通信』に毎月現地レポートを掲載、格闘技王国の現状を常に最前線で伝えてきた。選手を見る目はもちろん、指導者やプロモーター達との親密な交流を持つ遠藤さんの記事は、表面的な試合レポートにとどまらず、選手たちの人間性やオランダ格闘技界の複雑な人脈分析を織り込んだ、余人には追随不可能な第一級の記事であった。

かつて日本の格闘技プロモーター達も、旗揚げするとすぐオ ランダの遠藤さんを尋ねたものだ。K-1がオランダから優秀な選手を招聘できたのも、遠藤さんのネットワークと最新情報あればこそだったのだ。また、日本 から格闘技修行にオランダを訪れた若者達に、飯を食わせ、ジムに紹介して、宿を提供したりもする。小林聡、山本真弘、中村高明、ウィンディ智美等、皆遠藤さんの世話で格闘技漬けの日々を過ごした選手ばかりだ。

いずれもビジネス抜き。格闘技を愛するが故に、舞台裏にまで回って人と人を結びつけ、バックアップし、そして世に伝える。そんな格闘技一直線・昔気質の格闘記者である遠藤
さんが、久々に日本に帰国する。

折しも、大晦日の「DREAM.18 & GLORY 4 〜大晦日 SPECIAL 2012〜」開催直前。当然オランダ人スター選手が大挙参戦してくる。この大会を120%楽しむには、先にも書いた通り、複雑なオランダの格闘技業界事情の知識が必要となる。

今回は、遠藤さんに最新のオランダ格闘技事情と記事にも書けないその裏側ーー近年オランダの格闘技がなぜこんなに元気で、また、事件つづきなのか、二十年の取材生活を通したあの選手この選手の秘蔵エピソードなども交えつつ、きっちり解説してもらおう。

聞き手には格通時代、遠藤さんのバックアップで半年間オランダ取材を行った、格闘ライターの松井孝夫さん。そしてゲストに遠藤さんゆかりの格闘技選手の出演も交渉中。

格闘技コアファン必見のディープな一夜。
[日時] 2012年12月15日(土) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#141] 2012年12月14日(金)

北原尚彦&堺三保 「シャーロック症候群!」
〜『ヴィクトリアン・アンデッド/シャーロック・ホームズvs.ゾンビ』とホームズ・リブート・ムーブメントの魅力

[画像:61JcUBTYGXL] 今「シャーロック・ホームズ」がアツい。

そもそも「ホームズ」の映像化・パスティーシュ物は枚挙に暇がないが、近年の「ホームズ物」には、趣向といい人気ぶりといい、驚かされる事が多い。

特に2009年に制作されたロバート・ダウニーJr主演の映画「シャーロック・ホームズ」は、ひとつの大きなエポックメイキング的作品だった。作中に派手 なアクションシーンを導入、大胆な換骨奪胎ぶりが話題を呼んだ。原作の記述の間隙を突くのではなく、原作の記述を踏まえつつも、「解釈」によって“キャラ クター性”を拡大して、再構築(リブート)するという方向性を開拓した。(リブート=Reboot「再起動」の意味で、長く続いたアメコミのシリーズなど で、アレンジや世界観を一新して最初から描き直す手法。)

また一方で、BBC制作のTVシリーズ『SHERLOCK』も、日本でも放映され大いに話題になった。現代に舞台を移し替え、スマートフォンを駆使する社 会不適合者というホームズ像は、映画版よりもさらに大胆な「解釈」のアレンジでファンの度肝を抜いたが、原作の知的ゲーム性を現代のスピード感ある社会の 中でリアルに蘇らせた傑作として、多くのファンの支持を得た(この作品の特集を組んだ「ミステリマガジン」(早川書房)は店頭売切れが続出したとい う。)。

「ホームズ・リブート」ムーブメントの勢いは、ついにアメリカのテレビにも波及。この秋からCBS放映のテレビドラマ『エレメンタリー(Elementary)』は、舞台をNYに移した現代版で、なんとワトソン役に中国系の女性(ルーシー・リュー)が起用されている。



さて、今年、このタイミングに『ヴィクトリアン・アンデッド シャーロック・ホームズvs.ゾンビ』(イアン・エジントン作/ダヴィデ・ファッブリ画:小 学館集英社プロダクション)というアメコミが翻訳された。シャーロッキアンとしても名高い北原尚彦氏が翻訳を担当(関連リンク:「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の北原氏のエッセイ「シャーロックレイジー」)。

物語は、1854年ヴィクトリア期ロンドンにおける、彗星通過の影響によるゾンビ発生事件が起点となる。一度は英国情報部によって秘密裏に処理されたもの の、四十数年後に再びゾンビたちが復活してくる。その後ろでちらつくのは、ライバッハの滝で亡くなったはずのモリアーティ教授の影。迎え撃つホームズとワ トソンのコンビ。果たして事件の黒幕の目的は何なのか、またロンドンに蔓延するゾンビパニックを、如何にして解決するのか?(この作品には、ジキル/ハイ ドやドラキュラ伯爵との対決を描いた続編もあるそうなので、引き続きの日本紹介が待たれるところだ。)

また時期を同じくして、BBC版『SHERLOCK』を軸にした『別冊映画秘宝シャーロック・ホームズ映像読本』が発売されることもあり、まだまだ「シャーロック症候群」の熱は上がりそうな気配だ。

今回のLive Wireでは、映像版からシャーロック・ホームズに興味を持ったばかりのライトファンから、バリバリのシャーロッキアンまで楽しめるように、『ヴィクトリ アン・アンデッド』の訳者でホームズ研究家の北原氏と、ロサンゼルス在住、『エレメンタリー』はリアルタイムで鑑賞中のSF・ミステリ評論家堺三保氏の顔 合わせで、気になる「 SHERLOCK」第三シーズンをはじめリブート・ムーブメントの行方と、さまざまなホームズ派生作品の楽しみ方を教わりたいと思う。
[日時] 2012年12月14日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#140] 2012年12月13日(木)

『泡坂妻夫引退公演』(東京創元社)発刊記念トーク
「泡坂妻夫追善公演」
〜からくりの輪舞・ぼくらの愛したマジシャン〜

[画像:Blar]
『よき嘘恋すも粋こそうき世』(泡坂妻夫)

先日、単行本未収録の貴重な作品を網羅した、おそらく最後となるの作品集『泡坂妻夫引退公演』(東京創元社)が刊行され、改めてその偉業が見直されている泡坂妻夫。かつての本格推理衰退期、探偵小説専門誌『幻影城』を舞台に、亜愛一郎を主人公とする傑作短編を発表。『11枚のとらんぷ』『乱れからくり』 『喜劇非奇劇』など、奇想と逆説と趣向に淫した長編の数々は、多くの本格ファンの渇きを癒し、現代に連なる隆盛の基礎を作った。 今回のLiveWireでは、『引退公演』の編纂に当たった新保博久と、常々泡坂作品へのリスペクトを表明してきたミステリ作家・北村薫をゲストに迎えて、その作品世界の魅力を改めて探る。聞き手はミステリ評論家・福井健太。

1997年日本推理作家協会設立50周年を記念して行われた文士劇「ぼくらの愛した二十面相」の映像を上映する予定。赤川次郎、大沢 在昌、北方謙三、京極夏彦、馳周星、東野圭吾、船戸与一といった綺羅星の如きのラインナップのこの舞台で、泡坂さんは堂々「泡坂妻夫そして魔術師」役で登 場。お得意のマジックを披露して拍手喝采を浴びている。 権利関係上、USTREAM放送はできないので、このシークェンス鑑賞はご来場の方の記憶にのみ留めていただくことになりそうだ。(ちなみに北村氏もこ の劇に「春桜亭円紫」役で登場している。)映像関係では、さらに2008年に元・幻影城編集長(現在台湾在住)島崎博氏来日時のお宝映像も公開予定。 1999年に怪の会編纂で自費出版された、200部限定の 泡坂妻夫事典『エンサイクロペディア アワサカナ』(3500円)の在庫が若干数発掘されたそうなので、こちらも会場販売予定。 推理小説のみにとどまらず、奇術、紋章上絵師、とさまざまな顔を持った稀代のトリックアーティスト・泡坂妻夫を偲ぶ一夜。

[出演] 新保博久(「泡坂妻夫引退公演」編纂・ミステリー評論家)福井健太(ミステリー評論家) [スペシャルゲスト] 北村薫(作家)
[日時] 2012年12月13日(木) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#139] 2012年12月9日(日)

木俣冬のググってもわからないことを聞いちゃいます#1
「演劇か、映画か、それが問題だ! 俳優サバイバル術」
ゲスト:古舘寛治さん

[画像:古舘寛治]

ちょっと気になることは、ググればたいていわかる最近。
でも、案外、気になる人のウィキ情報が不確かでもどかし〜なんてことがありませんか。
中には、項目さえない人も。
ググってもわからないことは、実際にお会いして伺うしかない!
そんな企画をはじめたいと思います。

第一回目は、俳優・古舘寛治さん。
近年、演劇と映画を行き来する俳優やクリエーターが増加していますが、古舘寛治さんもそのひとり。青年団、ハイバイ、サンプルなどの舞台で活躍しながら、映画「キツツキと雨」「マイバックページ」「歓待」などでもインパクトを残しています。

最近では、モバゲーCMでガンダムが好きなのか興味ないのかわからないタクシー運転手に扮して、注目度もますます上昇中。そんな古舘さんですが、ウィキを観ても、事務所のプロフィールを見ても、その経歴の詳細は不明。もっと知りたーい!

というわけで、
どんなふうに俳優になったのか、どうやったら優れた演出家、監督の目に止まるのか、食べていけるのか、パルコ劇場「ヒッキー・ソトニデテミターノ」の話や映画「演劇1」「演劇2」の話のほか、おもしろい演劇、映画のこと、業界情報、などなど伺いたいと思います。


[日時] 2012年12月9日(日) 開場 19:00 開始 19:30
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#138] 2012年12月7日(金)

Friday松恋:ガイブン酒場#2
「杉江松恋が申しております。もっと海外文学について、くわしくなりたいな、と」Vol.2

[画像:杉江松恋] 世界には(自分の)まだ見ぬ強豪がたくさんいる、ような気がする。でも、今の自分にはそれらを受け止めるだけの力がまったくない……。

そんな思いに駆られるようになったのはここ数年のことです。まだ見ぬ強豪、すなわち世界の 優れた小説家たち。私、杉江松恋はミステリーという小説の一ジャンルに自身の活動範囲を限定してきたライターです。もちろんそれ以外の分野でも読書はして きましたが、胸を張って「本読みです」と言えるレベルではありません。

でも、それでいいんじゃないの?

自分対世界の小説の闘いで自分が負けるのって、当たり前のことなんじゃないの? だって、自分が「小説」を知っているなんておこがましい言い草なんだから。小説って圧倒的に大きくて、素晴らしくて、時には人を打ちのめしてしまうものなんじゃなかったっけ。

そう思ったとき、私は一つの決意をしました。

よし、一からやり直すつもりで最先端の外国文学を読もう。

このイベントは、そんな気持ちで前月から開始しました。手っ取り早く言えば、外国文学の最 新情報をお知らせするイベント。翌月以降に出る外国文学を他に先んじて読ませていただき、そのどこがおもしろかったのかをイベントに来られたお客さんに言 葉で伝えるというものです。もちろん杉江は外国文学という分野では門外漢もいいところですから、いろいろ間違ったことも言うでしょう。それを正すために、 各社の編集者の方などにお越しいただき、助言をしていただきます。ぜひ会場に来て、杉江と一緒に外国文学の楽しさを学んでいきませんか?

なお今回から河出書房新社、新潮社、白水社(今月はお休み)に加えて、早川書房もこのイベントに協力をしてくださることになりました。

採り上げる作品は河出書房新社よりデイヴィッド・ミッチェル『クラウド・アトラス』、早川書房よりジョナサン・フランゼン『フリーダム』の予定です(新潮社は未定)。

また開催日も火曜日から金曜日に移動します。より参加しやすくなったガインブン酒場、どうぞお楽しみに。(杉江松恋)
[日時] 2012年12月7日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[#137] 2012年11月30日(金)

山本弘のSF&トンデモNIGHT#16
あなたの怖がり方、正しいですか?」

[画像:山本弘] 危険なものを怖がるのは当たり前。でも、あなたの抱いているその危機感、本当に正しいですか? マスメディアやネットに氾濫するトンデモ情報に踊らされ ていませんか? 間違った常識に毒されていませんか? 本当に怖がらなくちゃいけないことに気がついてないんじゃないですか?

星雲賞受賞SF作家・山本弘が、ユニークな話題を熱く語るトークライヴ。今回のテーマは「リスク」です。大地震、原発事故、地球温暖化、スーパーフレア などの超特大の危機から、こんにゃく入りゼリー、食品添加物、ひのえうまの迷信、マンガの悪影響などの身近な話題まで、ありとあらゆるリスクを検証します。

データから明らかになる意外な事実の数々に、あなたの常識がひっくり返ること間違いなし!
[日時] 2012年11月30日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] 紅鶴(べにつる)

大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F

南海なんば駅より南海通り東へ180m

駐車場有
最初の1時間:200円(AM10:00〜AM0:00)
以降30分毎:200円
(注記)AM0:00〜AM10:00の間は1時間毎に100円となります。

[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#136] 2012年11月25日(日)

ミステリ酒場Special
『東西ミステリーベスト100』(2012年版)は、実は恐るべき革命の書なのだ!

[画像:東西ミステリベスト100] 毎年、年末になるとミステリー畑には「祭り」の空気が蔓延する。
いわゆるその年の「ベスト10」が出揃い、書店店頭がミステリー本に溢れかえる光景は、既に皆様お馴染みのものだろう。

しかし、年間ベストには大きな陥穽がある。
「今年一年」という期間の縛りだ。

同じ期間限定システムを取る新人賞や文学賞などの例を見ればわかることだが、一位に選出された作品を並べていくと、同じ「◯◯賞受賞作」の肩書きがついていても、かなり出来不出来があるなと感じることはないだろうか?
身も蓋もないことを言ってしまえば、不作の年のトップ作(文学賞で言えば受賞作)選出は、窮余の策でしかない。「今年は、他にないから仕方ないよね」で無 理くり選んだ「一番」を、豊作の年のトップ10と並べたら、圏外ということも十分あり得るのである。結局通年選出というシステムは、時々の状況に左右され る「相対評価」であって、「絶対評価」ではないのだ。
にも関わらず、「ベスト10」入りした作品は、それをフックに部数を伸ばし、ほぼ自動的に 「名作」の肩書きを得る。『週刊文春ミステリーベスト10』が35年、『このミス』が25年。その権威や信頼度は今や絶大だ。日本のミステリーにおける、 「名作鑑定機関」として揺るぎのない地位を築いている。

世界最初のミステリー小説と言われる、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺 人」が発表されたのが1841年。ミステリ170年の歴史の中で「その作品」はどこに位置するのか? なにより、読者にとって「心底面白い」オールタイ ム・ベストなのか? という問いがどうしても残ってしまう。

昨年、Live Wireでは「23年目の発売日に考える『このミステリーがすごい!』のどこがすごいか?」 (2011年12月10日)を開催し、そうしたベスト10システムの陥穽と問題点を考えてみた。ゲストの茶木則夫さん(「このミス」の企画者)が発した 「ベスト10なんかさぁ、最初はただの遊びだったんだから。もう止めちゃえばいいんだよぉ!」という渾身の絶叫が、未だに耳に残っているような気もする。

さて、その辺りの事情を踏まえていただいて、本題である。
昨年の「このミス」イベントの第二部「翻訳ミステリー担当編集者座談会」に参加していた、文藝春秋の永嶋俊一郎氏が、この「170年間ベスト問題」に対しこんな挑戦的な回答を出してきた。


東西ミステリーベスト100』――。
いまから27年前の1985年に「週刊文春」が大アンケートを敢行して発表された日本最大のオールタイム・ベスト・ミステリ選定企画。海外ミステリベスト 100、国内ミステリベスト100が、週刊文春で2号にわたって発表され、翌1986年に文春文庫として刊行されました。

瀬戸川猛資氏やデビュー前の北村薫氏、折原一氏などが執筆に参加、海外国内合計200の傑作ミステリが熱のこもった「あらすじ」と解説文で紹介された、こ れは名作ミステリのガイドブックの決定版と言えるものでした。現在の日本のミステリ・シーンを支えるひとたちの多くが、十代のときに『東西ミステリーベス ト100』を片手に書店をまわり、ページにチェックを入れながら、ミステリ通になっていたと告白しています。

しかし――。
あの頃はまだ「新本格ミステリ」は登場しておらず、「サイコ・サスペンス」も「リーガル・サスペンス」もなく、「日常の謎」も存在していなければ、「ノワール」もありませんでした。

27年を経た今、新たな『東西ミステリーベスト100』を編もう、という計画がスタ
ート。ふたたび大アンケートをおこない、21世紀版の『東西ミステリーベスト100』
が完成しました。
400ページ超の紙数を埋めるのは100%ミステリの紹介のみ。
第一線のミステリ評論家たちが覆面で執筆、持てる技量を注ぎ込んだ「あらすじ」と解題は、86年版に劣らぬ熱さとパワーをもってミステリ入門者の心を奪い、ミステリ通の記憶を起爆します。

この本に関わったひとびとはみな、かつて85-86年版によって、ミステリの昂奮を知
り、ミステリを深く愛するようになったのでした。その恩返しのために、という思いが、
ここに結実しています。

果たして新本格ミステリはどこまで上位に食い込むのか?
1位の定番『Yの悲劇』の牙城は崩せるのか?

ベスト1からベスト100まで、トータル202作。
駄作一切なしのブックガイドがここに完成しました。
これからミステリを読んでみたいという方も、ミステリなら大体読んだよという方も、全ページを舐めるように読んで、まだ見ぬ名作たちと出会っていただけると幸いです。

死ぬまで使えるブックガイド。さあ、チェック用の赤鉛筆のご準備を。

(永嶋俊一郎)


このむせ返るような熱気と確信を見よ、と言いたい。

『 東西ミステリーベスト100(2012年版)』こそ、「年間ベスト10」という業界権威に対して、骨の髄からのミステリ者達が放つ渾身のカウンターパンチ だという宣言である。発刊時期はもちろんのこと、「死ぬまで使えるブックガイド 」というさりげない表現には、年間ベストの刹那性に対する鋭い刃が秘められていると僕は読んだ。

まさに、確信犯的犯行としか言いようがない。
本来コンサバティブな存在であるはずの「ジャンル名作ガイド」というフォーマットを武器に、ミステリ読者の根源的な「初心」を駆動力にして、祝祭のパレードに向けて放つ一発の黒い凶弾なのだ。

確信犯編集者と、その共犯であるライター達が集う今回のライブ版トーク。
一見なんの変哲もない一冊のブックガイドを、強靭な革命の書に読み変える暗号キーが、この場で語られることになるだろう。
一斉蜂起の参加者を求む!
[日時] 2012年11月25日(日) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#135] 2012年11月12日(月)

ライター人生百人百様#4
雑誌「レポ」はこれからどこへ行くのか〜北尾トロ&下関マグロ爆裂トーク

[画像:北尾トロ&下関マグロ] おもしろノンフィクションは永遠に不滅です!
雑誌「レポ」はこれからどこへ行くのか〜北尾トロ&下関マグロ爆裂トーク


http://img05.shop-pro.jp/PA01016/495/product/50156921_o1.png?20121028094714

雑誌「レポ」は特殊な雑誌です。掲載されている記事は連載ものも含めてすべてノンフィクションのみ。それも「おもしろい」ほうに大きく舵をきったものば かりです。また、一部の例外を除いて一般書店では販売せず、通信販売のみ、というスタイルを貫いています。しかも基本は1号ごとのバラ売りをせず、1年単 位の定期購読だというのです。雑誌の創刊者であり、編集長である北尾トロ氏はこれを「北尾トロからのお手紙」と定義しました。定期的におもしろい原稿が満 載の手紙が家に届く、こんな素敵なことはないじゃないですか、と。

そんな風変わりなコンセプトで「レポ」丸が船出をしてから早くも2年が経ちました。出版業界、とりわけ雑誌部門が厳寒の冬を迎えたといわれるこの時代 に、善戦をしているといえるでしょう。しかし今後は? 今の雑誌が扱わなくなったノンフィクション記事を読者に届けるという「レポ」の方針は、この先どう なっていくのでしょうか。

Biri-Biri酒場は、そして杉江松恋は「レポ」を全面的に応援したいと思います。世の中に「おもしろノンフィクション」を広めていくために、雑誌文化の命脈をつないでいくために、そして優秀なライターをこの先も育てていくために。

イベントでは北尾編集長の他、下関マグロさんをお招きして、「レポ」の考える「おもしろノンフィクション」がどういうものなのか、楽しい雑誌とはどうあ るべきなのか、についてお聞きしていこうと思います。できればあれだな、おもしろノンフィクションを何冊か紹介してくれると嬉しいな。また1980年代の 雑誌文化を通り過ぎてきたお二人に、それがどのようなものだったかも話していただきます。もちろん雑誌「レポ」の販売もあり! どうぞお楽しみに。(杉江 松恋)

レポ公式サイト:http://www.repo-zine.com/
[日時] 2012年11月12日(月) 開場 19:00 開始 19:30
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#134] 2012年11月6日(火)

ミステリ酒場:非英語圏ミステリ世界一周#2
「翻訳家・柳沢由実子さんに北欧ミステリーの楽しみ方を教えてもらおう!」

[画像:ヘニング・マンケル] 最近は「ミステリマガジン」のような専門誌だけではなく「ダ・ヴィンチ」のような一般誌でも特集を組まれる機会が増え、ますます注目度が上がってきてい る北欧ミステリー。人口わずか32万という小国ながら知られざるミステリー大国であるアイスランドからはアーナルデュル・インドリダソン『湿地』(東京創 元社)という本年ベストテン級の傑作が紹介され、デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの警察小説〈特捜部Q〉が文庫化され、来年にはフィンラン ド・ミステリーの翻訳も予定されているといった具合に、作品紹介も非常に活発に行われています。

その中でもやはり中心になっているのはスウェーデン。マイ・シューヴァルー&ペール・ヴァールーの〈マルティン・ベック〉シリーズは北欧ミステリーの1 つの祖形になりました。その衣鉢を継ぐのがヘニング・マンケルの〈クルト・ヴァランダー〉シリーズで、今年も話題作『ファイアーウォール』(創元推理文 庫)が刊行されました。現在の世界で警察小説作家十傑を選ぶとしたら、ヘニング・マンケルは間違いなく上位に入る作家でしょう。

北欧、特にスウェーデンはいったい今、何が起きているのか。世界中のファンが注目する国のミステリー事情を柳沢由実子さんにお話いただきます。柳沢さん はヘニング・マンケルの自宅も訪問し、その素顔もよく知る翻訳者です。きっと、知られざるヘニング・マンケル像についてもお話いただけることでしょう。ど うぞお楽しみに。

なお、11月13日(火)には『靄の旋律』(集英社文庫)でデビューを飾った俊英アルネ・ダールが来日し、スウェーデン大使館で記念講演を行う予定です。そちらも併せてご参加ください。詳細はスウェーデン大使館公式ホームページで告知される予定です。(杉江松恋)


[出演者紹介]
柳沢由実子 上智大学文学部英文学科卒。ストックホルム大学スウェーデン語科卒。ヘニング・マンケル、カーリン・アルヴテーゲン、アーナルデュル・インドリダソンなどの翻訳で知られる。
[日時] 2012年11月6日(火) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#133] 2012年11月2日(金)

『東京12チャンネル運動部の情熱』(集英社)発売記念
実録!白石剛達(元・東京12チャンネル運動部部長)が語る昭和スポーツ裏面史

[画像:書影]


『東京12チャンネル運動部の情熱』(発売中)は、数多の伝説的スポーツ中継を生んだ東京12チャンネル(現・テレビ東京)のテレビマンたちの奮闘を描いたノンフィクションだ。
東京オリンピックに沸いた1964年、12チャンネルは開局するなり財政難と低視聴率にあえぎ “テレビ番外地”と揶揄されていた。
しかし、スポーツ中継に力を入れサッカーワールドカップ、モハメド・アリの世界戦、箱根駅伝などを日本で初めて放送したほか、女子プロレス、キックボクシング、ローラーゲームのブームを生み出した。
それらを手がけた12チャンネル伝説のプロデューサー白石剛達が、Live Wireに降臨!


[日時] 2012年11月2日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[料金] 250円(アーカイブ視聴料)
[#132] 2012年10月30日(火)

ガイブン酒場#1
「杉江松恋が申しております。もっと外国文学に詳しくなりたいな、と。」

[画像:杉江松恋] 世界には(自分の)まだ見ぬ強豪がたくさんいる、ような気がする。でも、今の自分にはそれらを受け止めるだけの力がまったくない……。

そんな思いに駆られるようになったのはここ数年のことです。まだ見ぬ強豪、すなわち世界の優れた小説家たち。私、杉江松恋はミステリーという小説の一 ジャンルに自身の活動範囲を限定してきたライターです。もちろんそれ以外の分野でも読書はしてきましたが、胸を張って「本読みです」と言えるレベルではあ りません。

でも、それでいいんじゃないの?

自分対世界の小説の闘いで自分が負けるのって、当たり前のことなんじゃないの? だって、自分が「小説」を知っているなんておこがましい言い草なんだから。小説って圧倒的に大きくて、素晴らしくて、時には人を打ちのめしてしまうものなんじゃなかったっけ。

そう思ったとき、私は一つの決意をしました。

よし、一からやり直すつもりで最先端の外国文学を読もう。

このイベントは、そんな気持ちで始めるものです。手っ取り早く言えば、外国文学の最新情報をお知らせするイベント。翌月以降に出る外国文学を他に先んじ て読ませていただき、そのどこがおもしろかったのかをイベントに来られたお客さんに言葉で伝えるというものです。もちろん杉江は外国文学という分野では門 外漢もいいところですから、いろいろ間違ったことも言うでしょう。それを正すために、各社の編集者の方などにお越しいただき、助言をしていただきます。ぜ ひ会場に来て、杉江と一緒に外国文学の楽しさを学んでいきませんか? 河出書房新社、新潮社、白水社の各社がこのイベントに協力をしてくださることになり ました。毎月最終火曜日に開催の予定です。どうぞお楽しみに。(杉江松恋)
[日時] 2012年10月30日(火) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] Live Wire「ビリビリ酒場」新宿
〒160-0022
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
[#131] 2012年10月26日(金)

山本弘のSF&トンデモNight #15
「語り尽くすぞ、ライトノベル」

[画像:山本弘] 今や年間1000冊近くも出版されているライトノベル。熱心なファンも多い反面、表紙だけを見て毛嫌いする人も多く、よく誤解を受けています。

ライトノベルを愛し、自らも多くのライトノベルを書いてきた山本弘が、今回はライトノベルの世界を熱く語 ります。ライトノベルの歴史。SFとライトノベルの密接な関係。ライトノベルの魅力と問題点。トンデモ・ライトノベルの世界。そして、おすすめの傑作ライ トノベルの数々……。
ライトノベル・マニアの方も初心者の方も、熱いトークを堪能していってください。

[日時] 2012年10月26日(金) 開場 19:00 開始 19:30
[会場] 紅鶴(べにつる)

大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F

南海なんば駅より南海通り東へ180m

駐車場有
最初の1時間:200円(AM10:00〜AM0:00)
以降30分毎:200円
(注記)AM0:00〜AM10:00の間は1時間毎に100円となります。

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