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にじゅうまる1974年11月7日 全日本プロレス 静岡・沼津市体育館

☆P.W.F認定ヘビー級選手権試合 61分3本勝負

ジャイアント馬場(2−0)ブラックジャック・マリガン

1 馬場(10分2秒 体固め)

2 馬場(2分15秒 片エビ固め)

(注記)馬場が21度目の防衛。





連載第43回は馬場がたまに見せる非情な査定試合です。

本連載でも取り上げた1月のプロフェッサー田中戦に続いてアメリカマット界では一
流にランクされるマリガンに2ピンフォールの2−0のストレート勝ちを収めます。

馬場はアメリカマット界での格を大切にするプロモーターで全日にブッキングする際
にはその格を落とさないように気を配る事は有名です。

なのでタイトルマッチにおいて反則やリングアウトが絡まない2ピンフォールでのス
トレート勝ちはほとんど起きないのですが、この年の田中とこの試合のマリガン。そ
して翌年のオックス・ベーカーがこの珍しいケースに当てはまります。

ストレート負けした3選手に共通している事はアメリカマット界では一流ですが、全
日に来日したのは1度きりという事です。

大型ヘビー級でヒールとしてのキャラも確立されていますが、いかんせん動きが鈍い
のも特徴なので全日には合わないrと判断したんでしょうね。

今後ビジネスをしないのならば馬場の強さを際立たせる噛ませ犬にしてもいいかとい
う判断だったのでしょう。

そして現在のような情報化世界ではなくて遠い日本での結果がアメリカのファンに知
られる可能性はほとんどない時代だったのでマリガンにとってもそれほどのダメージ
はなかったのでしょう。



バリー・ウィンダムの父親としても有名なマリガンは国際・全日・新日に数度来日し
て一応シリーズのエース格の扱いを受けているのですが、最後までアメリカほどの活
躍を見せる事はありませんでした。

典型的に日本のプロレスに合わないタイプだったと思います。

ただし、ビル・ワットのような人種差別者ではなく日本のプロレススタイルを十分理
解していたので、新日に昭和52年に来日した際にはスタン・ハンセンに「スタン、
君は日本のプロレススタイルをよく理解しているね。アメリカで君が日本でやるよう
な試合をやったらプロモーターに嫌われるけど、日本では休まずアグレッシブに暴れ
まくる今のスタイルが正しい。」と先輩らしく的確なアドバイスをしています。

これも新日でトップになろうという野心がないので同じ大型ヒールのハンセンが台頭
しても危機感がなかった証拠かもしれません。

本連載時は新日と全日が熾烈な興行戦争を展開していた時期でアメリカ人レスラーの
中にも日本マットを第一に考えるレスラーと、たまの遠征と割り切るレスラーに分か
れていくわけですが、馬場と猪木もプロモーターとして厳しく査定していた事が伺え
ます。


カテゴリ:
野村聡史

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