◆だいやまーく「クミ チュチブン ティンカラー チュターラ ナティ ミーユン」(米一粒も、天からは一俵になって見える)
食べ物の大切さを説くことわざで、たとえ一粒の米であっても天の神様からは一俵の大きさに見える。だから決して粗末にしてはならないという意味。
◆だいやまーく「デークニヌ ウンジレー、 イサグスイン ウウラン」(大根が出まわれば、医者薬も売れない。)
大根が収穫される季節になると医者の薬は必要ないという意味。島大根は旧十二月ごろから市場に出まわり、旧正までよく食され、消化をよくする働きがあって、肉料理の多い沖縄では油ものと大根を組合わせたり、餅を食べた後に取り入れるなど工夫されています。胃腸の調子を整えるほか風邪の予防にも効果があります。
◆だいやまーく「ハル チュクティ、 シチ マティ」(畑を作って、節を待て。)
作物にはそれぞれ、種や苗を植え付ける時期が決まっており、収穫を増やすには、時節に備え前もって畑を耕しておくことが必要になる。だから、畑をしっかり耕して、植え付けの時節がくるのを待てという意味。
◆だいやまーく「アマダイミジヤ ソーユージケー」(雨垂れ水は醤油使い。)
水は醤油のように大切に使わなければならない。日照りはいつくるか予想できないものだから、ふだんから節水を心がけよという意味。
◆だいやまーく「ウスヌ ピサ ミスズ」(牛の足跡に三粒。)
粟の栽培方法を示したもので、粟を栽培していた時代に、粟の種をまくときの目安になるもの。
◆だいやまーく「コクウ ガミ マタフサ ヲ トゥリ」(穀雨までに 二度草を取れ。)
田草取りの時期を示したもので、穀雨の時節までに、二回目の田草取りを済ませておきなさいという意味。穀雨とは、二十四節気のひとつで、時期は四月二十日ごろから五月五日ごろまでの期間。穀雨には全ての穀物をうるおし育てる春の雨という意味です。
◆だいやまーく「パリ ヌ パギ ティヤ ニャーン ヌス ヌ パギ ヌドゥ アイ」(畑にやせ地とはなく、主のなまけがある。)
もともと畑に、肥えた畑やせた畑の別があるのではなく、畑の主の手入れ次第で、肥えた畑にもなれば作物の育たないはげ地にもなる。要は主の心がけひとつだという意味。
◆だいやまーく「マキュヌ ガーイ ユイサ フサトゥイヌ ガーイユ ッスゥ」(蒔いた自慢より草取りの自慢をせよ。)
穀物の種を広く蒔いたからといって、その広さを自慢するな。作物の収量は畑の面積よりも、むしろ手入れの善し悪しによって決まるものであるから、自慢するなら草取りの回数で自慢せよという意味。
【参考文献】
書名 :「沖縄・宮古のことわざ」
著編者:佐渡山 政吉
出版社:ひるぎ社
出版年:1998.10
書名:「黄金言葉 ウチナーンチュが伝えることわざ200編」
著編者:仲村優子
出版社:琉球新報社
出版年:1997.4