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- 2020年度環境研究機関連絡会研究交流セミナー開催報告(2021年度 40巻1号)
2020年度環境研究機関連絡会研究交流セミナー 開催報告
企画部企画室
環境研究機関連絡会は、環境研究に関わる、主につくば所在の国立研究開発法人・大学で構成する組織です。2021年に発足し現在13機関が参加しています。これまで連絡会では一般向けの公開シンポジウムを開催していましたが、同様の一般向けイベントも数多く企画されている中で、研究機関間の実質的な連携促進につながるような取組として、2019年度からはテーマを設定した研究交流セミナーを開催しています。昨年12月25日には、国立環境研究所が幹事となり環境研究機関連絡会の2020年度研究交流セミナーを開催しました。ロジ面では企画部、サブ面は適応センターが中心となり、春頃からセミナーの開催方法や進行について検討を重ねてきました。今回は新型コロナウイルスの影響によりTeamsによるWeb開催となりましたが、「気候変動影響・適応に関する取組」の全体テーマのもと、口頭発表と総合討論の2部構成のプログラムに70名以上が参加しました。
第1部では、「今ホットな気候変動影響・適応関連研究」をテーマに11の機関が発表し、各機関の研究者が情報を共有しました。気候変動という幅広いテーマであったこともあり、森林や海浜地形など自然に関連した内容から、熱中症や住宅など私たちの暮らしに関する内容に至るまで、各機関の特色に富んだ発表となりました。国立環境研究所からは、気候変動適応センターの西廣室長が登壇し「生態系を活かした適応による多面的ベネフィット:印旛沼流域での検討」の題で、生態系を活用した気候変動適応(Ecosystem-based Adaptation:EbA)について紹介しました。
第2部の総合討論では、構成13機関全てからパネラーを選出いただき「科学的知見を適応施策にどのように活かすか〜社会との連携〜」をテーマに活発な意見交換が行われました。討論の中では研究成果の交流にとどまらず「科学と現場をつなぐ方法」や「住民との合意」など社会実装の視点からも議論が交わされ、適応施策における科学の重要性が再認識される時間となりました。
セミナー全体のまとめとして、データ共有の重要性、住民との合意・住民の中での合意の難しさ、社会科学的な知見を現場で応用するためには工夫が必要といったことが認識され、いろいろな視点が出てくる研究セミナーのような場が重要であるということが再確認されました。
午後の半日のセミナーでしたが、発表をきっかけに研究者間の新たな交流も生まれました。2021年度は、「防災・減災」をテーマに開催する予定です。
※(注記)環境研究機関連絡会ホームページ:
http://kankyorenrakukai.org/index.html
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