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「春の環境講座-地球のことでアタマをいっぱいにする1日。-」開催報告
【行事報告】
一般公開分科会事務局
4月21日に、科学技術週間に伴う一般公開「春の環境講座」を開催しました。今回は「地球のことでアタマをいっぱいにする1日。」というキャッチコピーのもと、展示や講演会、体験イベント等、19個の催事を企画しました。
今回の特色として、研究者から皆様へお伝えするだけではなく、皆様からも普段考えていることをお話頂き、研究者と一緒に環境問題について考えましょう、という対話をテーマとした2つの催事がありました。
その1つ、「対話企画 地球温暖化の疑問をなんでも語りましょう!」は、社会対話・協働推進オフィスの江守代表が進行役となり、その場で出た話題についてみんなで一緒に考えるというシナリオなしの企画でした。会場を埋めた約40名の参加者はつくば市などの近隣から来られた方のみならず、中には遠く静岡県、岐阜県から来られた方も。住む地域も、世代も異なる参加者の皆様からは「そもそも温暖化の原因は本当にCO2なのか?」「経済成長と温暖化対策は両立するのか?」「温暖化対策のタイムリミットはいつなのか?」など、率直な疑問や意見が会場内に次々と投げかけられました。
時間がたつにつれ対話の密度は少しずつ濃くなり、終了直前には「自分がどれくらいCO2を排出して社会に悪影響を与えているのかを可視化できるようにしなければいけない」という意見に対し「環境問題に意識の高い若い方たちが増えている中で、罪悪感で縛るような進め方はよくないのではないか」と、江守代表が仲介する間もなくすぐに別の参加者から反論が出る、という会場内の即時的なやりとりも見られました。最後はあえて結論めいたものを出そうとはせず、時間切れとなったところで企画は終了。あっという間の90分となりました。
このほか、「サトウキビ畑」「森林破壊」「生殖」などのキーワードをもとに少人数で語り合う「環境カフェ」の催事でも、「対話企画〜」と同様、研究者と語るだけでなく、参加者同士で議論し合うシーンも見られました。それだけではなく、研究者が気づかなかった視点からの意見が出るなど、研究者にとっても新たな気づきや発見が得られた時間となったようです。
環境問題は研究者がいくら優れた研究成果を発表したとしてもそれだけで解決に至るものではなく、地球に生きる私たちひとりひとりが認識を変え、ひいては社会全体が認識を変えてこそ解決に至るものではないでしょうか。今回のような企画を通して、友達や家族など身近な人同士でも、環境問題について語り合えるようなきっかけを作ることができたとしたら、嬉しく思います。国立環境研究所の研究成果があちこちで話題の種となるように、そして研究所自体も、一般の方々がもっと身近で親しみやすい存在となれるような一般公開をこれからも続けてまいります。
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