【常勤職員の雇用】
問1 新たに雇用が義務付けられる「常勤の職員」について、どのような人を雇用すればよいのですか?
答 許可基準である「常勤の職員」の対象は、日本人、特別永住者及び法別表第二の在留資格をもって在留する外国人(「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」)に限られます。法別表第一の在留資格をもって在留する外国人は対象になりません。
問2 「常勤職員」に関して、改正に関するガイドラインの「1 常勤職員の雇用について」における記載では、「法別表第一の在留資格をもって在留する外国人は対象となりません。」と記載されているところ、「3 日本語能力について」の記載では、「(注1)ここで言う、「常勤職員」の対象には、法別表第一の在留資格をもって在留する外国人も含まれる」と記載されているため、結局どのような人を雇用すればよいのですか。
答 具体的な例は以下のとおりです。
【基準を満たす例】
・日本人又は特別永住者1名以上を常勤職員として雇用
・法別表第二の在留資格をもって在留する外国人1名(日本語能力立証あり)以上を常勤職員として雇用
・法別表第二の在留資格をもって在留する外国人1名(日本語能力立証なし)及び別表第一の在留資格をもって在留する外国人 (日本語能力立証あり)1名を常勤職員として雇用
【基準を満たさない例】
・別表第一の在留資格をもって在留する外国人(日本語能力立証あり)のみを雇用
・法別表第二の在留資格の常勤職員のみを雇用しているが日本語能力の立証がない場合
問3 「常勤の職員」とは、どのような職員ですか?
答 常勤職員か否かについては、以下の内容・観点から判断します。
〇一般的事項
勤務が、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の勤務計画の下に毎日所定の時間中、常時その勤務に従事しなければならないものであること。また、職務に応じた給与等が設定されていること。
〇待遇に関する事項
パートタイマーと対比し、以下の点に鑑み判断する。
(1)労働日数が5日以上、かつ、年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上の者。
(2)入社日を起算点として、6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した職員に対し10日以上の年次有給休暇を与えられること。
(3)雇用保険の被保険者であり、かつ、1週間の所定労働時間が30時間以上であること。
なお、そのほか、雇用形態からみて、「在籍出向」、「派遣」及び「請負」の形態で業務に従事している労働者は、業務に従事している事業所の常勤職員と見なすことはできません。
問4 常勤職員が複数名在籍している場合、全員分の関係書類について提出が必要ですか。
答 必ずしも全員分の提出は必要ありません。(少なくとも1名が基準を満たすことが確認できれば差支えありません。)
【資本金の額等】
問5 資本金等の事業の規模はどのように確認するのですか?
答 登記事項証明書等により、経営する事業の規模が3,000万円以上の事業の規模であるか確認します。
具体的には、事業主体が法人である場合は、株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の出資の総額を確認し、事業主体が個人である場合は、事業所の確保や雇用する職員の給与(1年間分)、設備投資経費など事業を営むために必要なものとして投下されている総額を確認します。
問6 認定申請の際の必要書類とされている貸借対照表について、最初の決算期が到来しておらず未作成の場合は、決算期未到来のため提出できないことを説明すればよいでしょうか。
答 決算期が到来していない場合においても、設立時又は設立後の任意の時点における貸借対照表を作成し提出してください。
問7 旧基準で「資本金又は出資の総額」とされていた基準が、新基準では、「事業の用に供される財産」とされていますが、資本準備金、資本剰余金、利益剰余金も、「事業の用に供される財産」に含まれるのでしょうか。
答 「事業の用に供される財産の総額」は、事業主体が法人である場合、株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の出資の総額をさしますので、資本準備金、資本剰余金、利益剰余金は、「事業の用に供される財産の総額」に含まれません。
問8 新基準の3,000万円について、法人の場合は、資本金の額に加えて、従業員の給与額や事務所の維持費なども合算して3,000万円を超えることができれば、新基準に適合するという理解でよいでしょうか。
答 法人の場合は、資本金の額又は出資の総額で判断することとなるため、従業員の給与額や事務所の維持費などの事業を営むために必要なものとして投下される額と合算することはできません。
問9 申請書の資本金に関する記載(所属機関等作成用1(7))について、記載項目が3箇所に分かれていますが、どのように記載すべきでしょうか。
答 所属機関等作成用1(7)については、1段目は「申請に係る事業の用に供される財産の総額」、2段目は払込済資本の額又は出資の総額(法人の場合のみ)、3段目は1段目に記載された額のうち申請人ご本人の出資額を記載願います。
問10 「資本金3,000万円以上」について、申請人が管理者として活動する場合でも、満たさなければならない要件なのでしょうか。
答 管理者として活動する場合でも資本金等の要件を満たす必要があります。
問11 複数の会社の経営・管理に従事する場合、それらの複数の会社の資本金を合算して「3,000万円以上」となる場合、要件を満たすことになるでしょうか。
答 複数の会社のうち、いずれか一つの会社の規模が資本金3,000万円以上である必要があります。
問12 個人事業主ですが、事業規模が3,000万円以上であることについて、どうやって証明したらよいですか。
答 事業所の確保や雇用する職員の給与(1年間分)、設備投資経費など事業を営むために必要なものとして投下されている総額を証明していただく必要があります。
具体的には直近年度の決算文書を提出していただくほか、必要に応じ、事業経費などに関する領収書などを提出願います。
【日本語能力】
問13 日本語能力は、どの程度の能力が必要ですか?また、どのように証明するのですか?
答 「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力が必要です。
具体的には、日本人又は特別永住者の方以外については、以下のいずれかを満たすことが求められます。
・ 公益財団法人日本国際教育支援協会及び国際交流基金が実施する日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
・ 公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上取得していること
・ 中長期在留者として20年以上我が国に在留していること
・ 我が国の大学等高等教育機関を卒業していること
・ 我が国の義務教育を修了し高等学校を卒業していること
試験により証明する場合は試験の合格証や成績証明書、その他の方法により証明する場合は日本語能力を有する者の身分及び経歴を証する資料(住民票、卒業証明書等)を提出して証明してください。
なお、申請書(所属機関作成用1)3(11)に日本語能力を有する者の有無及びその内容を記入いただきますが、「内容」欄には、「日本人を雇用している」、「経営者(申請人)が日本語能力N2以上の認定を受けている」など、具体的に記入してください。
問14 日本語能力について、義務教育を修了し高等学校を卒業していることを要件の1つとしているところ、中学校3年から編入して中学校を卒業し、その後高等学校を卒業した場合は該当しますか。
答 小学校及び中学校の義務教育を修了し、高等学校を卒業している必要がありますので、中学校から編入した場合は本要件に該当しません。
問15 日本語能力について大学等高等教育機関を卒業していることを要件の一つとしていますが、高等教育機関には専門学校も含まれますか。
答 本邦の高等専門学校又は専門学校を卒業した方(恒常的に外国語による授業を行っている課程又は通信により教育を行っている課程を卒業又は修了した場合を除く。)も含まれます。
【事業計画書の取扱い】
問16 事業計画を確認する専門家は、具体的にどのような人ですか?
答 企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する方を想定しており、施行日時点においては、中小企業診断士、公認会計士及び税理士が該当します。
なお、施行後に対象者が変更になる場合は、HPにおいてお知らせします。
問17 事業計画書を評価する専門家は、中小企業診断士、公認会計士及び税理士とされていますが、海外での同免許(例:米国における米国公認会計士等)を持つ者でも良いですか。
答 日本の中小企業診断士、公認会計士又は税理士の資格をお持ちの方が該当します。
【申請に関する取扱い】
問18 経営者としての活動実態が十分に認められない場合とは具体的にどのようなケースが想定されますか。
答 例えば、業務の大半を外部に委託し、日常的に申請人本人による経営活動を行っていない場合や具体的な事業内容や財務状況など経営者として本来把握すべき情報を把握していない場合などが想定されます。
問19 自宅を事業所と兼ねることは、認められますか。
答 改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する観点から、原則として認められません。
問20 事業所の広さは、どのくらい必要ですか。
答 一律にお答えすることは困難ですが、改正後の規模等に応じた経営活動を行うために必要かつ十分な広さの事業所を確保する必要があります。
問21 正当な理由なく長期間の出国を行っている場合に関して、具体的な目安はありますか。
答 個々の在留状況に応じて判断することになりますが、一般論としては、決定された在留期間のうち、累計でその過半を超える期間について、再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)をしている場合には、正当な理由があるときを除き、在留期間更新に係る審査において消極的な要素として評価されることになります。
問22 共同経営者がいる場合の要件について教えてほしい。
答 (1)事業の規模や業務量の状況を勘案して、それぞれの外国人が事業の経営又は管理を行うことについて合理的な理由が認められること、(2)事業の経営又は管理に係る業務について、それぞれの外国人ごとに従事することとなる業務の内容が明確になっていること、(3)それぞれの外国人が経営又は管理に係る業務の対価として報酬額の支払いを受けることとなっていること等を勘案し、これらの外国人の行う活動が経営又は管理に当たるものであるか否かを判断することとなります。
問23 在留期間更新許可申請時に確認される「納付すべき税目」の内訳について教えてください。
答 事業所として納付すべき以下の国税・地方税に係る納付状況を確認します。
・ 法人の場合
国 税:源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税
地方税:法人住民税(都道府県民税・市区町村民税)、法人事業税
・ 個人事業主の場合
国 税:源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税
地方税:個人住民税(都道府県民税・市区町村民税)、個人事業税
問24 社会保険に加入義務がない個人事業主の場合は、各職員の国民健康保険への加入状況などをすべて提出する必要がありますか。
答 社会保険へ加入義務のない個人事業主の場合、各職員の国民健康保険への加入状況は不要ですが、社会保険の強制適用事業所に該当しないことの説明と、個人事業主の国民健康保険への加入状況を提出してください。
問25 HPの在留期間更新許可申請における必要書類項番12(2)、公租公課の履行状況を明らかにする資料について、「次のいずれかを提出」となっているが、どれか一つを提出すればよいか。
答 納付が義務づけられているものは全て提出が必要です。
問26 HPの在留期間更新許可申請における必要書類項番12の各種資料はどこで入手できますか。
答 労働保険については最寄りの労働基準監督署及びハローワーク、社会保険については最寄りの年金事務所、国民健康保険は最寄りの市区町村、源泉徴収税(復興特別所得税、法人税、消費税、地方消費税)については最寄りの税務署、法人住民税については都道府県の税金事務所及び市区町村に御確認ください。
問27 事業活動に必要な許認可が、「経営・管理」の在留許可を受けてからでないと取得できないときは、どうすれば良いですか?
答 あらかじめ取得できないことに正当な理由があると認められる場合には、次回の在留期間更新許可申請時に取得状況を確認することになるため、取得できない具体的理由を説明した文書(様式自由)を提出してください。
【施行に伴う留意点】
問28 在留期間の更新をするときに必要な書類を教えてください。
答 所属機関の登記事項証明書(所属機関が法人の場合)や所属機関における公租公課の支払い義務の履行状況を明らかにする資料等が必要になります。
詳しくは、
こちら(在留資格「経営・管理」案内ページ)を確認してください。
問29 上陸基準省令が改正される前に「経営・管理」の申請をしましたが、新基準が適用されてしまうのですか。
答 本改正省令の施行日の前日までに受付し、審査を継続している在留資格認定証明書交付申請や在留期間更新許可申請等については改正前の許可基準を適用します。
ただし、改正前の許可基準の適用により許可処分となった場合であっても、施行日から3年を経過した後は改正後の許可基準を満たす必要がありますので、十分に留意してください。
問30 「経営・管理」で在留していて、もうすぐ在留期間の更新が必要ですが、更新申請までに基準を満たせないときはどうすれば良いですか?
答 施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの間については、改正後の基準に適合していない場合であっても、経営状況や改正後の基準に適合する見込み等を踏まえ許否判断を行います。
問31 現在、外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)を利用して認定団体から確認証明書の交付を受け、「特定活動(44号)」で在留中です。「特定活動」から「経営・管理」に在留資格の変更をするときは、新基準が適用されてしまうのですか。
答 外国人起業活動促進事業に関する告示の一部を改正する告示(令和七年経済産業省告示第百二十四号)の施行日より前(2025年10月15日以前)に確認証明書の交付を受けて「特定活動(44号)」で在留している方からの在留資格変更許可申請については、改正前の許可基準を適用します。
また、上記の手続を経て「経営・管理」で在留する方からの在留期間更新許可申請については、既に「経営・管理」で在留している方と同様に、施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの間については、改正後の基準に適合していない場合であっても、経営状況や改正後の基準に適合する見込み等を踏まえ許否判断を行います。