本技術開発プロジェクトでは、使用済小型家電製品等からのリサイクル優先5鉱種のうち、タンタル及びコバルトについて、市中の使用済小型家電製品等から当該鉱種を回収するための技術開発を行いました。その結果、総合回収率はタンタルが95.6%、コバルトが78%となり、新たなリサイクル手法の要素技術を確立することが出来ました。
本技術開発プロジェクトでは、廃超硬工具のリサイクルコストを削減するための研究開発を行いました。その結果、従来法に比べてエネルギー消費量を約40%削減できるタングステンの回収プロセスを確立しました。本プロジェクトで使用した試験プラントを改良した商業プラントにより、年間240トンのタングステン(国内需要量の約5%に相当)がリサイクルされています。
本技術開発プロジェクトでは、使用済みセリウム系ガラス研磨材の再生処理技術、及び廃蛍光体からのイットリウム等のレアアース元素の分離抽出技術の研究開発を行いました。その結果、ガラス研磨剤の再生処理については、通常製品と同等の性能を持つ再生品を製造する技術を確立しました。また、本プロジェクトで開発したレアアース分離抽出技術を活用した蛍光灯のリサイクルが事業化されています。
本技術開発プロジェクトでは、我が国の非鉄金属製錬施設・技術を活用して、自動車シュレッダーダスト(ASR: Automobile Shredder Residue)の無害化など環境に与える負荷を軽減するとともに、使用済み自動車の廃二次電池やシュレッダーダストから有価金属(ベースメタル、ニッケル、コバルト、レアアースなど)の回収や回収工程で生ずるスラグの再利用について研究開発を行い、実用化の目処が立ちました。
チリ共和国では環境対策の一環として、事業所から排出されるSOxの規制が強化され、同国の銅製錬所においても溶鉱炉の脱硫処理能力の向上が図られました。しかし、この処理によりヒ素等の有害物質を含む「煙灰」が大量発生することになりました。このため、煙灰を無害化処理するとともに処理コスト軽減のために、湿式製錬技術を活用する事により、含有されている銅・亜鉛といった有価金属を回収する技術の開発をチリ共和国と共同で実施し、一定の成果が得られました。