DME自動車について

自動車用燃料としてのDMEの特徴

だいやまーくDMEは化学合成でつくられる
⇒石油代替。石炭、天然ガス、木質系バイオマスから製造可能。

だいやまーくセタン価が高い
⇒ディーゼルエンジンに適用可能。

だいやまーく含酸素燃料、炭素-炭素結合が無くスモークが排出されない
⇒DPF不要。低速トルクの向上が可能。

だいやまーく低潤滑性、低粘性、ゴム・樹脂に対する膨潤特性
⇒添加剤、シール構造、適切なシール材で対応可能。

だいやまーく硫黄含まない
⇒SOx発生無し

だいやまーく発熱量は軽油の約半分
⇒航続距離を軽油同等とするには2倍のタンク容量が必要。

だいやまーく20°Cで蒸気圧0.53MPaの液化ガス
⇒LPGタンク流用可能、液体で搭載できる。

だいやまーく適用法令
高圧ガス保安法(可燃性ガス)
労働安全衛生法(施行令別表第一:危険物,可燃性ガス)

DME自動車

・ディーゼルエンジンを基本とし、燃料系統の変更で使用できる。
・排気後処理が簡素化でき、DPFが及び尿素触媒が不要となる。
・光化学スモッグ影響の炭化水素の排出がない。
・LPG用燃料タンクの転用が可能である。
・軽油代替のディーゼル燃焼が実現可能なクリーンエネルギー車である。

歴代DME自動車

[画像:いすゞ エルガミオ]

いすゞ エルガミオ

2001年
(株)いすゞ中央研究所が開発
JEFスチール(株)内で構内バスとして走行

[画像:いすゞ エルフ]

いすゞ エルフ

2002年
JEFホールディングス(株)が独自に開発し、国土交通大臣認定車第1号

[画像:三菱ふそう キャンター]

三菱ふそう キャンター

2003年
(独)産業技術総合研究所、岩谷産業(株)などが開発
国土交通大臣認定車第2号

[画像:三菱ふそう ローザ]

三菱ふそう ローザ

2003年
(独)産業技術総合研究所、岩谷産業(株)などが開発
国土交通大臣認定車第3号

[画像:いすゞ フォワード]

いすゞ フォワード

2004年
DME自動車実用化研究開発グループが開発したGVW8トン中型タイプ
新潟-つくば-横浜間の長距離走行試験を実施
国土交通大臣認定車第4号 列型噴射 システム

[画像:いすゞ エルフ]

いすゞ エルフ

2005年
(株)いすゞ中央研究所が開発
コモンレール噴射システム搭載のクレーン付DME中型トラック
国土交通省の大臣認定を取得し、神奈川県DME普及促進モデル事業にてJFEスチールにて使用。
また、JFEスチール内に窒素加圧式充填ステーションを設置して、実用試験を行った。国土交通大臣認定車第6号

[画像:日産ディーゼル コンドル ]

日産ディーゼル コンドル

2004年
国土交通省/次世代低公害車開発促進プロジェクトで、(独)交通安全環境研究所と日産ディーゼル工業(株)(現;UDトラックス(株))が共同で開発したDMEトラック
GVW20トン 列型噴射システム
国土交通大臣認定車第5号

[画像:いすゞ エルフ]

いすゞ エルフ

2006年
(独)交通安全環境研究所がいすゞエルフをベースにボッシュ(株)の噴射系を使用し、DME改造。 2006年5月に大臣認証を取得した。国土交通大臣認定車第7号

[画像:いすゞ エルフ]

いすゞ エルフ

2006年
国土交通省/次世代低公害車開発促進プロジェクトにて(株)いすゞ中央研究所が開発。
国土交通省の大臣認定を取得し、100,000kmの走行試験を行った。
国土交通大臣認定車第8号

[画像:日産ディーゼル コンドル]

日産ディーゼル コンドル

2007年
国土交通省/次世代低公害車開発促進プロジェクトで、(独)交通安全環境研究所と日産ディーゼル工業(株)(現;UDトラックス(株))が共同で開発したDME散水車
国土交通大臣認定車第9号

[画像:いすゞ エルフ]

いすゞ エルフ

2009年
国土交通省/次世代低公害車開発促進プロジェクトにて(株)いすゞ中央研究所が開発
同一仕様にて2台製作。
国内で始めて運送事業者による実証走行を実施(緑ナンバーとして運用)
国土交通大臣認定車第10,11号

海外のDME自動車

[画像:中国で初のDME大型バスオ]

中国で初のDME大型バス(2005年4月)

[画像:スウェーデンVOLVO DMEトラック]

スウェーデンVOLVO DMEトラック(2005年2月)

[画像:スウェーデンVOLVO DMEトラック]

スウェーデンVOLVO DMEトラック(2010年9月)

DME充填ステーション(DMEスタンド)と充填装置

1.DME充填ステーション設置の歴史

DME自動車の走行試験を支える設備として、DME自動車にDME燃料を充填する各種充填ステーションが設置されました。

DME充填ステーションの種類

設備 設置
時期
設置場所 製造装置
種別
原理
方法
貯蔵
タンク
充填速度(L/min)
1 充填
ステーション
2003年
11月
つくば市 産業技術
総合研究所
第1種 ポンプ式 1.0 30
2 充填
ステーション
2004年
3月
横浜市 ニヤク
コーポレーション
第2種 加温・
加圧式
1.0 20〜30
3 調合&充填
ステーション
2004年
7月
新潟市 東邦アーステック 第1種 ポンプ式 3.9 30
4 充填
ステーション
2005年
1月
川崎市 THINK 第2種 窒素
加圧式
1.4 25
[画像:DME落下式DME充填ステーション]

1.落下式・ポンプ式DME充填ステーション

国内最初の落下式(高低差利用)実験用設備。
原理はきわめて簡単で、高所に設置した容器の液化DMEをパイプで落下させ、その勢いで車両の燃料タンクへ充填するシステム。実際の使用はポンプを使っての供給。
第1種製造製造設備のDME充填ステーション。

[画像:加温加圧式DMEステーション画像]

2.加温加圧式DME充填ステーション

電気熱気化器(蒸発気)利用による第2種製造設備の充填ステーション
ポンプを使用せず、DMEを電気加熱して作った高圧DME蒸気でDME液を加圧して自動車に充する方式。

[画像:DME自動車燃料調合設備と充填スタンド]

3.DME自動車燃料調合設備と充填スタンド

自動車用DME燃料調合設備と充填スタンド。
つくば-新潟-横浜間のDME自動車フリート走行試験実施にあたり、DME燃料の供給インフラのひとつとして設置。ポンプ加圧式。

[画像:窒素加圧方式DME充填スタンド]

4.窒素加圧式DME充填スタンド

加圧窒素ガスによる押し出しタイプの第2種製造設備充填ステーション
JFEスティール内で走行するクレーン付DMEトラックへ充填するために設置。
設置場所は、川崎市の研究開発地域であるテクノハブイノベーション川崎(通称THINK)。

2.DME急速充填装置

DME自動車は中・大型トラックを中心として普及を図る狙いであることから、軽油中・大型トラックにおける軽油給油スピード(80L/min)と同等のDME充填スピードの充填装置が必要となるため、DME急速充填装置を2011年にトキコテクノ(株)が開発しました。この装置は、LPガス自動車と同様な加圧充填方式ではなく均圧充填方式を採用しています。均圧充填方式はDMEスタンドのDME貯槽とDMEトラックの燃料容器の気相部を連結して充填する方式で、外気温やDMEトラック燃料容器内DME温度の影響を受けることなく急速充填が可能な充填方式です。均圧充填装置に適用する充填ノズルとして、液相ラインと気相ラインの2口を同時に着脱できる充填・均圧ライン一体型ノズルを(株)宮入バルブ製作所が開発しました。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /