イベント・セミナー情報
専門講座
イエメンの紛争とアラビア半島
シリア内戦やヨーロッパへの難民流出問題の陰に隠れて、日本で報道されることは少ないですが、アラビア半島の南端にあるアラブの貧困国イエメンでは、2015年3月以来様々な勢力の群雄割拠状態による内戦が続いています。約2600万人の人口の八割以上がこの内戦やサウジアラビアなどの空爆による建物の破壊などにより、食糧、医療等の人道的援助を必要とする状態に陥っており、対岸のアフリカ大陸に難民として流出している人も少なくありません。
国連や周辺アラブ諸国(特にサウジアラビアを中心とするGCC(湾岸協力会議)諸国)は各勢力間の調停努力を行っていますが、全面解決には程遠い状況です。紛争の当事者としては、「アラブの春」による民主化運動で権力を放棄したサーレハ前大統領、サーレハ政権を継承したハーディー暫定大統領(国際的には正統な政権とみなされており、サウジアラビアも支援していますが必ずしも影響力は大きくありません)、サーレハ時代から反政府勢力として伸張して現在首都サナアを実質的に支配しているホーシー派と呼ばれる宗教勢力、南部イエメンの独立を目指すヒラーク運動などが主なアクターですが、それ以外に権力の空白をついて「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」さらには、イスラーム国系の勢力も国土の一部をコントロールしているといわれています。
アジア経済研究所では、『アジ研ワールド・トレンド6月号』でイエメン特集号を発刊するため、この機会を捉えて広くその成果を発信するために専門講座を開催します。イエメンは、なぜこのような事態に陥ったのか、この紛争が周辺のアラブ諸国、中東全域にどのようなインパクトを与えるのか、ひいては国際経済、日本のエネルギー政策にどのようなインパクトが及ぶのかについて、アラビア半島の専門家が様々な角度から分析を加えます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
開催日時
2016年5月31日 (火曜) 15時00分〜17時35分 (開場:14時30分)
会場
ジェトロ本部5階 ABCD会議室
(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル5階)
最寄り駅:東京メトロ 南北線六本木一丁目駅・銀座線溜池山王駅・日比谷線神谷町駅
プログラム
(予定)
「イエメン紛争の背景と今後の展望〜アジ研ワールド・トレンド6月号から〜」
佐藤 寛 (新領域研究センター上席主任調査研究員)
「イエメン紛争とサウジ内政」
辻上 奈美江氏(東京大学大学院総合文化研究科特任准教授)
<モデレーター>佐藤 寛
<パネリスト>福田安志(新領域研究センター上席主任調査研究員)、齋藤 純、石黒 大岳、辻上 奈美江氏
使用言語
日本語
主催
ジェトロ・アジア経済研究所
参加費
無料
※(注記) 取材のため会場内にメディアのカメラや撮影チームが入る可能性もありますのでご了承ください。
お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究支援部成果普及課
Tel:043-299-9536 Fax: 043-299-9722
E-mail:seminar E-mail
≪「アジ研ワールド・トレンド6月号」販売のご案内≫
5月15日刊行の「アジ研ワールド・トレンド6月号」(定価756円<税込>)を講演開始前(14:30〜15:00)と休憩時間(16:20〜16:35)に1割引(680円<税込>)にて販売いたします。本講座の副教材として、この機会に是非お求めください。