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プレスリリース 2019年度
2019年11月8日
2018年11月9日9時34分、停止中の泊発電所3号機において、点検していた非常用ディーゼル発電機B号機(以下「3B-DG」)について、試運転のため中央制御室から起動操作を行ったところ、起動しない事象が発生しました。
原因調査の結果、非常用ディーゼル発電機制御盤(以下「制御盤」)内にあるリレー※(注記)1端子※(注記)2台(以下「端子台」)に接続される2本の端子のうち、1本の端子に接続不良が認められました。
その後、同日15時30分に接続不良の端子を正しく接続したうえで、同日16時50分から3B-DGの試運転を再度実施したところ、中央制御室からの起動操作により正常に起動することを確認しました。
端子の取付不良状態を模擬した試験モデルを作成し、地震発生を想定した試験※(注記)3を実施した結果、地震発生を考慮した場合でも当該端子の導通を確保できるとの評価は得られたものの、試験条件によっては導通可能な状態を保持する力が変わりうることが認められ、3B-DGが動作不能となる可能性を否定できないことから、以下の期間において保安規定第72条および第73条に定める運転上の制限※(注記)4を逸脱していたものと見なし、本日原子力規制委員会に報告を行いました。<運転上の制限を満足していない期間>
2009年2月16日16時52分※(注記)5〜2018年11月9日22時31分※(注記)6のうち、3B-DGに待機要求があった期間。
2018年12月19日、原子力規制委員会により、本事象が保安規定第72条および第73条に違反していると判断されました。
泊発電所3号機は、これまで2サイクルに亘り運転しております。この間※(注記)7、保安規定第72条ではディーゼル発電機2基が動作可能であることを求めていましたが、3B-DGで信号ケーブルの取付不良状態が続いており、3B-DGの安全機能の健全性を担保できない状態であったことから、保安規定第72条に違反していたと判断されたものです。
また、泊発電所3号機の運転停止中においても、保安規定第73条でディーゼル発電機2基が動作可能であること※(注記)8を求めていましたが、上記運転中同様に安全機能の健全性を担保できない状態であったことから、3B-DGが機能を要求される期間※(注記)9に保安規定第73条に違反していたと判断されたものです。
当社といたしましては、今回の原子力規制委員会の判断を真摯に受け止め、根本原因の分析※(注記)10を行い、その結果を踏まえた再発防止対策を2019年3月25日までに策定し、確実に実施してまいります。当社は、本事象の再発防止対策の策定に向け、2018年12月14日※(注記)11に専門チームを設置し、調達先の工場への調査や関係者へのインタビューに加え、外部の分析専門家のご意見も伺いながら根本原因の分析を行ってまいりました。
このたび、再発防止対策をより確実なものとするため、当社の品質保証体制、工場立ち会いなどの調達管理および保守管理に関して追加分析を行うこととし、当初2019年3月25日までとしていた再発防止対策の策定時期を、2〜3ヶ月程度延期することといたしました。
当社といたしましては、更なる調査、分析の深掘り等を行うことで、より確実な再発防止対策を策定し、着実に実施してまいります。これまで当社は、当該ディーゼル発電機の制御盤のほか、当該制御盤製作メーカー(以下「当該メーカー」)から泊発電所へ納入された安全上重要度の高い全ての制御盤について、1箇所の端子台に2本入線されている端子接続部の点検を実施し、健全であることを確認いたしました。
また、泊発電所員および当該メーカーの原子力設備を納入している工場社員を対象とした事例周知による教育を実施するとともに、当該メーカーの制御盤製作に関する手順書について、同様の端子の接続部に係る留意事項を記載いたしました。
更に、当社は再発防止対策の策定に向け、根本原因の分析を実施いたしました。根本原因分析にあたっては、社内に分析のための専門チームを設置し、当該メーカーの工場への調査や関係者へのインタビューに加え、外部の分析専門家のご意見も伺いながら進めるとともに、更に当該メーカーの製作状況に関わらず、ケーブルの取付不良状態を検出できなかった当社の設備設置時および保守管理時における調達管理上の問題について分析してきました。今回、これまでの分析を通じて、再発防止対策をより確実なものとするため、当社の調達管理上の背後にある組織上の要因に係る再分析など、更なる組織的要因の洗い出しと分析の深掘りなどが必要であると判断し、更に時間をかけて実施することといたしました。
根本原因分析に基づいた再発防止対策を策定次第、あらためてお知らせいたします。再発防止対策の策定に時間を要しており、大変ご心配をお掛けしておりますが、より万全な再発防止対策の策定に向けて、着実に取り組んでまいります。
当社は、本年7月以降、再発防止対策をより確実なものとするため、根本原因分析を行う専門チーム(以下「分析チーム」)にて、本事象の直接要因の背後にある組織上の要因に係る再分析として更なる組織的要因の洗い出しと分析の深掘りなどを行うとともに、6月に設置した具体的な対策を検討する専門チーム(以下「対策チーム」)により、対策の具体的な内容と実施スケジュールも検討してまいりました。
根本原因分析にあたっては、設計・調達から泊発電所の保守までを含めた約100冊、約20,000ページの関連図書を確認するとともに、泊発電所を含む国内の原子力発電所で発生した約6,800件のトラブル情報などから製造・製作に関する事例約1,460件の内容を確認し、「調達管理の不備」に起因する不具合事例138件の抽出などの作業を行ってまいりました。
こうした作業に基づき、根本原因分析に基づいた再発防止対策と実施スケジュールを策定しましたのでお知らせいたします。
本事象の直接要因として、「調達製品の製造を行うにあたり調達先が作成する要領書を当社が確認する際に、当社が行う端子取付け状態の健全性確認のための適切な検査項目が設定されているかなど、確認の観点が記載された社内規程がなかった」ことなどを抽出しました。その対策として社内規程を新たに制定するとともに、規程に基づく教育を行うこととします。
また、当社による調達先への監査の実施方法、納入後の目視による据付状態確認などの健全性確認を実施することも既存の社内規程に追記することとします。
直接要因の背後にある組織要因およびその対策は、以下のとおりです。
なお、本件については「泊発電所に関する通報連絡及び公表基準」に基づき北海道および岩宇4カ町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)に報告済みです。
当社といたしましては、このたび策定しました再発防止対策に着実に取り組み、継続した業務品質の向上、ひいては泊発電所の更なる安全性向上に努めてまいります。
<外力試験>(2018年11月14日〜2018年11月16日)
実機相当の試験モデルを用い、端子が端子台から引き離されるのに必要な外力(引き上げ力)を計測する試験。試験の結果、地震発生時を考慮した場合でも、導通が可能な状態を維持する押し付け力は、地震時に発生する引き離す力に比べて十分な裕度を有することを確認した。
<加振試験>(2018年11月16日〜2018年12月5日)
実機相当の試験モデルを用い、基準地震動相当の振動を加える試験。試験の結果、基準地震動相当の地震が発生した場合でも、当該端子の導通が維持されることを確認した。
<影響確認試験>(2018年12月5日〜2018年12月7日)
外力試験と同様の試験モデルを用い、端子に一旦導通が無くなる程度の様々な外力を与えた後、導通可能な状態を復旧させた状態で、外力試験と同様に端子が端子台から引き離されるのに必要な外力を計測する試験。試験の結果、いずれのケースにおいても、導通が可能な状態を維持する押し付け力は、地震発生時に発生する引き離す力に比べて大きいことを確認されたものの、外力試験の結果と比較し、押し付け力が低下するケースもあることが認められた。
【添付資料】