音声広報CD「明日への声」トラックナンバー3 vol.101(令和7年(2025年)1月発行)
〈イントロダクション:女性ナレーター〉
「こちらは電話リレーサービスです。」という電話を受けたことはありますか? 「電話リレーサービス」は、聴覚や発話に困難がある人(以降「きこえない人」といいます。)と、きこえる人との電話を、通訳オペレータがリアルタイムにつなぐサービスです。電話リレーサービスについて、ご理解とご協力をいただけるよう、このサービスの仕組みや、電話を受けたときに留意していただきたいことについてご紹介します。
(本文 Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:電話リレーサービスとは、どのようなサービスですか?
A1:電話リレーサービスは、きこえない人ときこえる人との電話を、通訳オペレータがリアルタイムにつなぐサービスです。「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」に基づき、2021年7月1日から公共インフラとして開始されました。現在、登録者は1万5千人を超えています。きこえない人はご自身で、24時間365日いつでも都合の良いタイミングで電話をかけたり受けたりできるようになりました。
きこえない人は手話又は文字で通訳オペレータに伝え、通訳オペレータは伝えられた内容を音声に通訳した情報を受け手側につなぎます。その後、通訳オペレータは受け手の発言を手話又は文字に通訳し、きこえない人に伝えます。
なお、通訳オペレータは、通話内容をそのまま通訳します。代わりに交渉をしたり、用件を済ませたりすることはできません。
Q2:どのようなときに電話リレーサービスが利用されていますか?
A2:利用シーンとしては、仕事相手とのやり取り、病院やレストランなどの予約、離れた家族や友人との会話のほか、警察、消防などの緊急通報などに利用されています。また、電話リレーサービスは法人登録もでき、職場で電話リレーサービスを利用しているきこえない人からは「職場の人に代理電話をお願いせずに自分でやりとりできるようになって心理的負担が軽減した。」といった感想が寄せられています。
Q3:電話リレーサービスの課題はありますか?
A3:まだ本サービスの認知度が低く、勧誘やいたずら電話などと誤認されたり、戸惑われたりして、時には相手に通話を切られてしまうケースがあることです。きこえない人の自立した日常生活と社会生活の確保を実現するため、本サービスについて皆さんの理解を深めていただくことが重要です。
Q4:電話リレーサービスを利用するには特別な手続きや対応はありますか。
A4:利用に当たっては、きこえない人は事前登録が必要となりますが、きこえる人は事前の利用登録や難しい作業などが発生することはありません。通常の電話と同じように着信があります。きこえない人に電話をかける場合も、通常の電話と同様です。電話リレーサービスに登録している人は、IP電話と呼ばれる050から始まる11桁の専用電話番号を保有しており、その番号に電話をかけると自動的に通訳オペレータにつながりますので、受けるときと同様に会話をしてください。
Q5:利用料金はかかりますか?
A5:電話を受ける側には金銭的な負担が発生することはありません。発信者側はIP電話へ発信する際と同じ通話料金が適用されます。また、相手側が応答しない場合でも、通訳オペレータとのやり取りの間は通話料金が発生します。
〈エンディング:女性ナレーター〉
「こちらは電話リレーサービスです。」という電話を受けたら、いつもどおりに通話を始めてください。電話リレーサービスはきこえない人の電話でのコミュニケーションや業務のやりとり、緊急時の速やかな連絡を担う重要なツールです。皆さんのご理解、ご協力をお願いいたします。詳しくは「政府広報 電話リレーサービス」で検索してみてください。