[フレーム]
このページの本文に移動
2025年10月17日

海洋プラスチック問題の解決策。マイボトルやマイバッグから始めるプラスチックとの賢い付き合い方!

あふれかえるプラスチック製品の山と困惑する若者のイラスト。

POINT

生活の中で発生したペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみが海に大量に流れ出し、生態系や私たちの生活に影響を及ぼしていることをご存じでしょうか。この「海洋プラスチック問題」は、世界的な課題です。また、プラスチック汚染は海だけでなく大気中など様々な環境に広がっています。これらを解決するために、私たち一人ひとりにできることがあります。この記事では、「プラスチック汚染問題とは何か」や「今すぐに私たちができる取組」などをご紹介します。

1プラスチックごみ問題とは?

世界的にプラスチックの生産量が増加しており、また廃棄される量も増えています。プラスチックの不適正な管理によって環境中に流出したプラスチックごみは、微生物に分解されにくく、地球上に残り続けます。そのため、生物や生態系、生活環境、観光、漁業等の様々な分野に悪影響を及ぼすことが懸念されており、世界的な課題となっています。

例えば、海に流出したプラスチックごみを海鳥や海の生物が誤食したり、漁業で使っていたプラスチック製の網やロープが海の生物に絡まったりといった生物への影響のほか、プラスチックごみが漁獲物に混入したり、スクリューに絡まったりすることによる漁業活動などへの影響があります。こういった問題を「海洋プラスチック問題」といいます。こうしたプラスチックごみ問題は、我が国を含む世界全体の課題として対処する必要があります。次章以降では、プラスチックごみの発生状況とメカニズム、さらに私たち一人ひとりが実践できる対策をご紹介します。

浜辺に流れ着いた大量のプラスチックごみの写真。
(写真提供:環境省)

2プラスチックごみはどこから来る?流出経路とマイクロプラスチック

身近な場所から海へ

プラスチックごみは、家庭や工場から適切に回収・処理されなかったり、街中や河川敷、海岸でポイ捨てされたりして、風や雨によって水路や川を通じ、最終的には海にまで流れ込みます。

[画像:街中でのポイ捨て、家庭から出るごみ、工場から出るごみ、河川敷でのポイ捨て、海岸でのポイ捨てなどで、ごみが川を流れて海に流出する経路を示すイラスト。大気中でのマイクロ粉塵化も。]

マイクロプラスチックの影響

プラスチックの中でも5mm未満のものは「マイクロプラスチック」と呼ばれています。マイクロプラスチックには、レジンペレット(プラスチック製品を作るための粒状の原料)等の最初から小さなものと、使用中に摩耗や波、風、紫外線などによってプラスチックが劣化し小さくなったものがあり、海中だけでなく大気中などの環境中にも広がります。マイクロプラスチックは、ペットボトルやビニール袋だけではなく、洗顔料や歯磨き粉などのスクラブ剤や、合成ゴムのタイヤの摩耗粉じん、合成繊維の衣服などからも発生しています。

また、マイクロプラスチックが環境中で吸着する有害な化学物質やプラスチック製品に添加されている化学物質は、人間などの生物に何らかの影響を及ぼすことが懸念されています。

[画像:ペットボトルやトレー、レジ袋などのプラスチック製品のイラスト。]

広がるプラスチック汚染の現状

経済協力開発機構(OECD)が令和4年(2022年)に報告した「Global Plastics Outlook」によると、令和元年(2019年)の世界のプラスチックごみの発生量は3億5,300万トン、うち2,200万トンが適切な処理をされずに環境中に流出したと推計されています。このまま抜本的な対策を行わなければ、令和42年(2060年)には約3倍となる10億1,400万トンにまで膨らむとも推計されています。

また、1950年代以降に海に流出したプラスチックごみの総量は、1億3,900万トンと推計され、これは東京ドーム112杯分に相当します。

[画像:海に漂うペットボトルなどのプラスチック製品が、海中で細かく破砕されていく様子と、プラスチックごみが絡まったウミガメのイラスト。「海に流出したプラスチックごみは、1950年代以降1億3,900万トンで、東京ドーム約112杯分」のテキスト。]

そのほか、世界経済フォーラム(WEF)が平成28年(2016年)に報告した「The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics」推計では、令和32年(2050年)には、海洋プラスチックごみの量が、海にいる魚の量を上回ると推計されており、早急な対策が必要です。

[画像:2050年には、海洋プラスチックごみの量が海にいる魚の量を上回ることを示すイラスト。]

資料:WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」及び世界経済フォーラム「The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics」から政府広報室作成

3環境省「プラスチック・スマート」キャンペーン

海洋プラスチック問題に対処するために、環境省は、平成30年(2018年)から、プラスチック汚染の実態を理解し、プラスチックと賢く付き合っていくための取組として、「プラスチック・スマート」キャンペーンを推進しています。

プラスチックの「3R」を実践しよう

プラスチックごみの問題解決には、私たち一人ひとりの行動が不可欠です。そこで取り組みたいのが、プラスチックの「3R」です。

  • Reduce(リデュース) ごみを減らすこと。
  • Reuse(リユース) 繰り返し使うこと。
  • Recycle(リサイクル) 再生利用すること。

[画像:3Rを示すイラスト。「Reduce」ごみを減らそう、「Reuse」繰り返し使おう、「Recycle」原材料として再生利用しよう。]

マイボトルやマイバッグを持ち歩いてプラスチック製品の使用を控えたり、シャンプーや洗剤などを詰め替えてボトルを再利用したりするほか、プラスチックごみを分別して再生利用するといった行動が、3Rの実践につながります。

また、海や山などのレジャーや、屋外で出たごみは家に持ち帰って処分したり、河川敷や海岸の清掃活動に参加したりすることや、ごみのポイ捨てや不法投棄をしないことも大切です。
このほかにも、海洋プラスチック問題についての知識や理解を深め、周囲の人たちに取組の重要性を伝えることも有益です。

[画像:マイボトルやマイバッグを持参している人のイラスト。]

コラム:海ごみゼロウィークとは?

環境省と日本財団は、海洋ごみの削減を目的とした「海ごみゼロウィーク」事業を平成31年(2019年)から共同で実施しています。「海ごみゼロ」を合い言葉に、青いアイテムを身に着けて、個人・企業・自治体などによるゴミ拾い活動が全国で行われています。例年、「ごみゼロの日(5月30日)」「環境の日(6月5日)」「世界海洋デー(6月8日)」を含む約10日間を海ごみゼロウィーク強化期間として設けています。なお、強化期間に限らず、ごみ拾い活動を行う団体からの希望に基づいて、海ごみゼロのオリジナルごみ袋を通年で提供しています(一定の条件があります)。詳しくは、環境省「海ごみゼロウィーク」をご確認ください。

[画像:海ごみゼロウィークに、青いアイテムを身に着けて海岸でごみ拾いをする人たちのイラスト。]

まとめ

世界的な環境問題となっているプラスチックごみの問題解決には、私たち一人ひとりの意識と行動が欠かせません。まずは、マイボトルやマイバッグを持ち歩いたり、使い捨てプラスチックの使用を減らしたり、ごみの分別を徹底したりするなど、身近なことから始めてみましょう。小さな一歩が、未来を守る大きな力になります。

(取材協力:環境省 文責:内閣府政府広報室)

関連リンク

このコンテンツは役に立ちましたか?
このコンテンツは分かりやすかったですか?
このコンテンツで取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?

ご意見・ご感想

送信中です

ランキング

関連サイト

外部のウェブサイトに移動しますが、よろしいですか。
よろしければ以下をクリックしてください。

Link
ご注意
  • リンク先のウェブサイトは、内閣府政府広報室のサイトではありません。
  • この告知で掲載しているウェブサイトのURLについては、2023年11月21日時点のものです。
  • ウェブサイトのURLについては廃止や変更されることがあります。最新のURLについては、ご自身でご確認ください。
Top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /