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【本城雅人コラム】日本人で2人しかいないBC勝利ジョッキーによる記憶に残る激しい競り合い ダブルハートボンドはまだまだ伸びていくように感じる

2025年12月8日 07時00分

最後の直線でウィルソンテソーロに競り勝ちチャンピオンズCを制した坂井瑠星騎手とダブルハートボンド(右)


◇中央競馬コラム「ぱかぱか日和」 第26回チャンピオンズC(G1・中京・ダート1800メートル)
最後はダブルハートボンドの坂井瑠星騎手、ウィルソンテソーロの川田将雅騎手。日本人でたった2人しかいないブリーダーズカップ(BC)を勝ったことのあるジョッキー同士の競り合いとなった。今年のBCクラシックでフォーエバーヤングを米国ナンバーワンに押し上げた坂井騎手、川田騎手がラヴズオンリーユーで制したBCは、フィリー&メアターフと芝だったが、川田騎手はウシュバテソーロでドバイワールドカップも勝っている。そしてこの2人にはもう一つ共通点が。川田騎手は祖父、父が佐賀競馬の調教師、坂井騎手は父が大井の元騎手で調教師なのだ。ダート競馬にファミリーツリーがあり、砂の戦いを見て育った2人のトップジョッキーが、JRAでは2つしかないダートG1で、記憶に残る激しい戦いを繰り広げた。
ダブルハートボンドは勢いだけでなく、まだまだ伸びていくように感じた。これで8戦7勝。デビュー戦から騎乗する坂井騎手には馬をリラックスして走らせる自信があるから、ペースを気にせず前に出していけるのだろう。前走のみやこSが初重賞勝利とは思えない安定感。名門大久保厩舎が馬の足元を見ながら、間隔を空けて大事に育ててきたのも4歳秋でのG1制覇につながっている。坂井騎手主戦のフォーエバーヤングと戦ってほしいと願うのは私だけではないはずだ。
川田騎手も馬を落ち着かせることに注力し、有力馬が外を回された中で内をつき、やれることはすべて出し切った。成績が示す通りに難しい馬だが、川田騎手だからこそ1度は先頭に立つ競馬ができた。
今回米国からやってきたジェルー騎手はフランス人。芝のイメージしかないフランス競馬だが、米国には世界騎手リーグに選ばれたプラ騎手、2009年に欧州出身騎手として初めてエクリプス賞・最優秀騎手を受賞し、ケンタッキーダービーでマスターフェンサーに騎乗したルパルー騎手など、フランス人騎手が活躍している。
日本競馬も海外から見れば芝のイメージだろう。そんな中で坂井瑠星、川田将雅と芝だけでなく、ダートも鬼のジョッキーが存在する。彼らが世界から声がかかる、そんな時代が到来するのではないか。 (作家)
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