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利用者:しみんかがく/sandbox2

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ドヤコンガ
805856 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2016 GO370[1]
小惑星番号 805856
見かけの等級 (mv) 22.4[2]
(2016年の発見時、rバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3] [4]
発見
初観測日 2013年 11月29日 [2] [3]
発見日 2016年 4月8日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 3.155 au [3]
近日点距離 (q) 2.983 au[3]
遠日点距離 (Q) 3.327 au[3]
離心率 (e) 0.0543[3]
公転周期 (P) 2047.308 日[3]
(5.605 )[3]
軌道傾斜角 (i) 13.038° [3]
近日点引数 (ω) 262.081°[3]
昇交点黄経 (Ω) 68.296°[3]
平均近点角 (M) 104.390°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.164[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 17.53[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(805856) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2016年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 3.155 au(約4億7331万 km)離れた、軌道離心率が約 0.05 の楕円軌道を約5.6年(約2,047日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約13.04度傾いており[3] 、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4] ため、地球には最小でも2.01 auまでしか接近しない[3] 絶対等級は約17.53等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 1100 m と推定される[注釈 2]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[7]

ドヤコンガは2016年 4月8日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。その後の精査により、2013年 11月29日レモン山天文台で行われているレモン山サーベイによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2016年4月8日までにはこの初観測の分も含めて6回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日の画像である同年4月15日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズや、アメリカアリゾナ州キットピーク国立天文台にあるBok望遠鏡が行ったものなど、44回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8] 。COIASによる解析で、2016年春に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、レモン山サーベイやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2024年 8月29日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2016 GO370 が付与された[9] 。仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2016年の観測が契機で連結されている。

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[10] チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECam2014年、2016年、2018年に撮影した画像に写っていたことが報告されたり[11] 、2024年秋以降に観測条件が良くなったため4夜にわたり撮影されたこともあり[2] 、軌道がさらに精査されたことで2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号805,856番が与えられた[12] 。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[13] 。これで、COIASが発見者として登録された5例目の確定番号小惑星となった[14]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[15]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m "(805856) = 2016 GO370". Minor Planet Center . International Astronomical Union. 2025年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w "JPL Small Body-Database Lookup: 805856 (2016 GO370)". JPL Small-Body Database Lookup . Jet Propulsion Laboratory (2024年12月04日 last obs. エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2025年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  4. ^ a b c "Asteroid Selection". Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2025年4月28日閲覧。(「Number」の欄に「805856」と入力)
  5. ^ 市民900人、未確認の天体381個発見...地球防衛に「誰でも参加できるように」アプリ開発」『読売新聞』2024年4月4日。オリジナルの2025年3月6日時点におけるアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年6月14日閲覧。
  7. ^ "COIASで小惑星を見つけよう!". COIAS開発チーム. 2025年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月21日閲覧。
  8. ^ "小惑星を発見するには?". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  9. ^ "MPS 2214081-2218526". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年8月29日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月14日閲覧。(「M.P.S. 2214270」にて仮符号の付与に係る観測記録が記載されている)
  10. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  11. ^ "MPS 2230791-2252400". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年10月11日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月14日閲覧。(「M.P.S. 2232929」にてDECamによる追加の観測記録が記載されている)
  12. ^ "MPC 183283-184784" (PDF). Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2025年5月22日). 2025年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  13. ^ "MPEC 2010-U20 : EDITORIAL NOTICE". Minor Planet Electronic Circular (MPEC). Minor Planet Center (2010年10月19日). 2025年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  14. ^ "確定番号天体の詳細". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。
  15. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2016年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:メインベルトの小惑星]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]





ドヤコンガ
805997 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2016 LL106 , 2012 XP157[1]
小惑星番号 805997
見かけの等級 (mv) 22.5[2]
(2016年の発見時、iバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3] [4]
発見
初観測日 2007年 11月3日 [2] [3]
発見日 2016年 7月5日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 2.878 au [3]
近日点距離 (q) 2.817 au[3]
遠日点距離 (Q) 2.938 au[3]
離心率 (e) 0.0210[3]
公転周期 (P) 1782.559 日[3]
(4.880 )[3]
軌道傾斜角 (i) 5.572° [3]
近日点引数 (ω) 224.767°[3]
昇交点黄経 (Ω) 229.598°[3]
平均近点角 (M) 168.300°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.288[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 17.92[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(805997) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2016年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 2.878 au(約4億3170万 km)離れた、軌道離心率が約 0.02 の楕円軌道を約4.88年(約1,783日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約5.57度傾いており[3] 、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4] ため、地球には最小でも1.836 auまでしか接近しない[3] 絶対等級は約17.92等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 890 m と推定される[注釈 2]

観測と登録

[編集 ]

すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[7]

ドヤコンガは2016年 7月5日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。COIASからはその日のほかに、同年6月12日7月9日7月12日の画像からも検出され報告されている[2] 。その後の精査により、2007年 11月3日にアメリカアリゾナ州キットピーク国立天文台にあるスペースウォッチによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2016年7月5日までにはこの初観測の分も含めてCOIAS以外に26回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日の画像である同年7月12日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズが行ったものなど、19回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8] 。COIASによる解析で、2016年夏に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、スペースウォッチやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2024年 8月29日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2016 LL106 が付与された[9] [注釈 3] 。仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2016年の観測が契機で連結されている。この他、2012年 12月17日パンスターズが1夜だけの観測から発見報告を行い仮符号登録された小惑星2012 XP157とも同一の天体であることが分かっているが[10] 、1夜のみでの報告者は発見者とならず(後述)、2016 LL106の観測にひとまとめに統合されている。

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[11] 。仮符号登録後に、チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECam2014年、2016年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告された[12] ことで、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号805,997番が与えられた[13] 。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[14] 。これで、COIASが発見者として登録された6例目の確定番号小惑星となった[15]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[16]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。
  3. ^ 仮符号登録時は2016年6月12日の観測が最初の観測とされていたため、2016年6月前半に発見された天体を意味する"2016 L"から始まる仮符号が与えられている。なお、正式な発見日である7月5日が当初から初観測とされていれば、"2016 N"から始まる仮符号になっている。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m "(805997) = 2016 LL106 = 2012 XP157". Minor Planet Center . International Astronomical Union. 2025年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w "JPL Small Body-Database Lookup: 805997 (2016 LL106)". JPL Small-Body Database Lookup . Jet Propulsion Laboratory (2024年03月17日 last obs. エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2025年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月5日閲覧。
  4. ^ a b c "Asteroid Selection". Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2025年4月28日閲覧。(「Number」の欄に「805997」と入力)
  5. ^ 市民900人、未確認の天体381個発見...地球防衛に「誰でも参加できるように」アプリ開発」『読売新聞』2024年4月4日。オリジナルの2025年3月6日時点におけるアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年6月14日閲覧。
  7. ^ "COIASで小惑星を見つけよう!". COIAS開発チーム. 2025年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月21日閲覧。
  8. ^ "小惑星を発見するには?". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  9. ^ "MPS 2214081-2218526". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年8月29日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月14日閲覧。(「M.P.S. 2214271」にて仮符号の付与に係る観測記録が記載されている)
  10. ^ "MPC 83587- 84152". Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2013年6月23日). 2023年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月5日閲覧。(「M.P.C. 84405」にて記載されている)
  11. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  12. ^ "MPS 2230791-2252400". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年10月11日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月14日閲覧。(「M.P.S. 2232981」にてDECamによる追加の観測記録が記載されている)
  13. ^ "MPC 183283-184784" (PDF). Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2025年5月22日). 2025年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  14. ^ "MPEC 2010-U20 : EDITORIAL NOTICE". Minor Planet Electronic Circular (MPEC). Minor Planet Center (2010年10月19日). 2025年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  15. ^ "確定番号天体の詳細". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。
  16. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2016年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:メインベルトの小惑星]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]




ドヤコンガ
806866 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2016 YW40[1]
小惑星番号 806866
見かけの等級 (mv) 23.1[2]
(2016年の発見時、zバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3] [4]
発見
初観測日 2010年 10月1日 [2] [3]
発見日 2016年 12月23日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 3.182 au [3]
近日点距離 (q) 2.979 au[3]
遠日点距離 (Q) 3.387 au[3]
離心率 (e) 0.0640[3]
公転周期 (P) 2073.917 日[3]
(5.678 )[3]
軌道傾斜角 (i) 9.503° [3]
近日点引数 (ω) 271.235°[3]
昇交点黄経 (Ω) 157.382°[3]
平均近点角 (M) 152.441°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.174[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 17.6[2]
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(806866) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2016年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 3.182 au(約4億7666万 km)離れた、軌道離心率が約 0.06 の楕円軌道を約5.68年(約2,073日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約9.5度傾いており[3] 、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4] ため、地球には最小でも2.012 auまでしか接近しない[3] 絶対等級は約17.6等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 960 m と推定される[注釈 2]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[7]

ドヤコンガは2016年 12月23日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。その後の精査により、2010年 10月1日にアメリカアリゾナ州レモン山天文台で行われているレモン山サーベイによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2016年12月23日までにはCOIAS以外にこの初観測日を含めて26回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズが行ったものなど、17回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8] 。COIASによる解析で、2016年12月に撮影された画像からこの天体が検出・報告された結果、レモン山サーベイやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2024年 7月8日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2016 YW40 が付与された[9] 。仮符号付与時点で2016年以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡などの2016年の観測が契機で連結されている。また、2016年の観測はCOIASが1夜のみで、他にチリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECam が同年11月に2夜、アメリカ・アリゾナ州キットピーク国立天文台にあるボク望遠鏡が同じく11月に2夜観測していたが、COIASの方が報告が早かった[2]

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[10] 。仮符号登録後に、チリDECam2013年2018年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告されたり[11] 、2025年に入って4月末にパンスターズが再び観測したことで[12] 、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号806,866番が与えられた[13] 。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[14] 。これで、COIASが発見者として登録された8例目の確定番号小惑星となった[15]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[16]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m "(806866) = 2016 YW40". Minor Planet Center . International Astronomical Union. 2025年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w "JPL Small Body-Database Lookup: 806866 (2016 YW40)". JPL Small-Body Database Lookup . Jet Propulsion Laboratory (2025年04月28日 last obs. エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2025年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。
  4. ^ a b c "Asteroid Selection". Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2025年4月28日閲覧。(「Number」の欄に「806866」と入力)
  5. ^ 市民900人、未確認の天体381個発見...地球防衛に「誰でも参加できるように」アプリ開発」『読売新聞』2024年4月4日。オリジナルの2025年3月6日時点におけるアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年6月14日閲覧。
  7. ^ "COIASで小惑星を見つけよう!". COIAS開発チーム. 2025年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月21日閲覧。
  8. ^ "小惑星を発見するには?". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  9. ^ "MPS 2192403-2201158". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年7月8日). 2024年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。(「M.P.S. 2193200」にて仮符号の付与に係る観測記録が記載されている)
  10. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  11. ^ "MPS 2227579-2230790". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年10月11日). 2025年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月14日閲覧。(「M.P.S. 2228037」にてDECamによる追加の観測記録が記載されている)
  12. ^ "MPS 2370557-2377530". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年4月29日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。(「M.P.S. 2370860」にてパンスターズによる追加の観測記録が記載されている)
  13. ^ "MPC 183283-184784" (PDF). Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2025年5月22日). 2025年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  14. ^ "MPEC 2010-U20 : EDITORIAL NOTICE". Minor Planet Electronic Circular (MPEC). Minor Planet Center (2010年10月19日). 2025年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  15. ^ "確定番号天体の詳細". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。
  16. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2016年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:メインベルトの小惑星]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]



ドヤコンガ
806964 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2017 BW229[1]
小惑星番号 806964
見かけの等級 (mv) 22.7[2]
(2017年の発見時、rバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 ヒルダ群 [3] [4]
発見
初観測日 2005年 9月30日 [2] [3]
発見日 2017年 1月23日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 3.986 au [3]
近日点距離 (q) 3.590 au[3]
遠日点距離 (Q) 4.383 au[3]
離心率 (e) 0.0995[3]
公転周期 (P) 2907.247 日[3]
(7.960 )[3]
軌道傾斜角 (i) 10.801° [3]
近日点引数 (ω) 127.423°[3]
昇交点黄経 (Ω) 184.024°[3]
平均近点角 (M) 208.437°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.016[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 16.57[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(806964) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、ヒルダ群に属する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2017年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 3.986 au(約5億9710万 km)離れた、軌道離心率が約 0.1 の楕円軌道を約7.96年(約2,907日)の公転周期公転している、小惑星帯の少し外側に位置する、ヒルダ群と呼ばれるグループに属する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約10.8度傾いており[3] 、小惑星帯よりも遠くを公転しているため、地球には最小でも2.591 auまでしか接近しない代わりに、木星と1.11 auまで接近する[3] 絶対等級は約16.57等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 1.7 km と推定される[注釈 2] 。ヒルダ群小惑星は、木星と2:3の軌道共鳴状態にある[7]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[8]

ドヤコンガは2017年 1月23日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。COIASからはその日のほかに、同年1月21日1月25日1月30日の画像からも検出され報告されている[2] 。その後の精査により、2005年 9月30日にアメリカアリゾナ州レモン山天文台で行われているレモン山サーベイによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2017年1月23日までにはCOIAS以外にこの初観測日を含めて19回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズや、アメリカ・アリゾナ州キットピーク国立天文台にあるボク望遠鏡が行ったものなど、14回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[9] 。COIASによる解析で、2017年冬に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、MPCが2024年 3月15日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2017 BW229 が付与された[10]

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[11] 。仮符号登録後、2005年や2013年のレモン山サーベイでの観測や、2014年2019年2021年のパンスターズの観測、2022年のキットピークから報告された天体が2017 BW229と同一であると2024年夏に判明した[12] 。 仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2017年の観測による2017 BW229の登録が契機で連結されている。 さらにその後チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECam が2013年、2018年、2019年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告され[13] 、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号806,964番が与えられた[14]

番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[15] 。これで、COIASが発見者として登録された9例目の確定番号小惑星となり、小惑星帯に属しない天体としては、同時に番号登録された木星のトロヤ群に属する(807039) 2017 DN158と共に、COIASから初めての番号登録となった[16]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[17]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m "(806964) = 2017 BW229". Minor Planet Center . International Astronomical Union. 2025年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w "JPL Small Body-Database Lookup: 806964 (2017 BW229)". JPL Small-Body Database Lookup . Jet Propulsion Laboratory (2022年11月26日 last obs. エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2025年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月11日閲覧。
  4. ^ a b "Asteroid Selection". Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2025年4月28日閲覧。(「Number」の欄に「806964」と入力)
  5. ^ 市民900人、未確認の天体381個発見...地球防衛に「誰でも参加できるように」アプリ開発」『読売新聞』2024年4月4日。オリジナルの2025年3月6日時点におけるアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年6月14日閲覧。
  7. ^ "天文学辞典 > 太陽系 > 小天体 > ヒルダ群小惑星". 日本天文学会 (2019年8月8日). 2025年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月11日閲覧。
  8. ^ "COIASで小惑星を見つけよう!". COIAS開発チーム. 2025年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月21日閲覧。
  9. ^ "小惑星を発見するには?". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  10. ^ "MPS 2145921-2152456". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年3月15日). 2025年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月11日閲覧。(「M.P.S. 2146358」にて仮符号の付与に係る観測記録が記載されている)
  11. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  12. ^ "MPS 2207435-2214080". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年8月15日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月11日閲覧。(「M.P.S. 2207801」にて過去の観測との連結による追加の記録が記載されている)
  13. ^ "MPS 2218527-2227578". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年9月10日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。(「M.P.S. 2223211」にてDECamによる追加の観測記録が記載されている)
  14. ^ "MPC 183283-184784" (PDF). Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2025年5月22日). 2025年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
  15. ^ "MPEC 2010-U20 : EDITORIAL NOTICE". Minor Planet Electronic Circular (MPEC). Minor Planet Center (2010年10月19日). 2025年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  16. ^ "確定番号天体の詳細". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。
  17. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2017年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:ヒルダ群]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]






ドヤコンガ
807039 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2017 DN158[1]
小惑星番号 807039
見かけの等級 (mv) 22.4[2]
(2017年の発見時、zバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 木星のトロヤ群 [3] [4]
発見
初観測日 2013年 11月13日 [2] [3]
発見日 2017年 2月21日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 5.180 au [3]
近日点距離 (q) 3.590 au[3]
遠日点距離 (Q) 5.593 au[3]
離心率 (e) 0.0798[3]
公転周期 (P) 4306.261 日[3]
(11.79 )[3]
軌道傾斜角 (i) 18.633° [3]
近日点引数 (ω) 206.963°[3]
昇交点黄経 (Ω) 178.990°[3]
平均近点角 (M) 7.440°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 2.889[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 15.48[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(807039) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、ヒルダ群に属する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2017年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 5.180 au(約5億9710万 km)離れた、軌道離心率が約 0.08 の楕円軌道を約11.8年(約4,306日)の公転周期公転している、小惑星帯より外側に位置する、木星のトロヤ群と呼ばれるグループに属する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約18.6度傾いており[3] 、小惑星帯よりも遠くを公転しているため、地球には最小でも3.778 auまでしか接近しない代わりに、木星と0.101 auまで接近する[3] 絶対等級は約15.48等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 2.8 km と推定される[注釈 2] 。木星のトロヤ群小惑星は、木星と軌道を共有する状態にあり、木星のラグランジュ点付近に位置している[7]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[8]

ドヤコンガは2017年 2月21日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。COIASからはその日のほかに、同年1月28日2月2日2月23日2018年 4月24日の画像からも検出され報告されている[2] 。その後の精査により、2013年 11月13日チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECamによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2017年2月21日までにはCOIAS以外にこの初観測日を含めて27回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズや、アメリカ・アリゾナ州キットピーク国立天文台にあるボク望遠鏡が行ったものなど、14回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[9] 。COIASによる解析で、2017年冬に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、MPCが2024年 2月29日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2017 DN158 が付与された[10]

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[11] 。仮符号登録時に、2015年のパンスターズの観測、2023年のキットピークから報告された天体が2017 DN158と同一であると判明しており、登録と同時に公開されている[2] 。 仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2017年の観測による2017 DN158の登録が契機で連結されている。 その後チリDECamが2013年2014年2016年、2018年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告されたほか[12] [13] 、2024年9月10日にはパンスターズによってふたたび撮影され[14] 、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号807,039番が与えられた[15]

番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[16] 。これで、COIASが発見者として登録された10例目の確定番号小惑星となり、小惑星帯に属しない天体としては、同時に番号登録されたヒルダ群に属する(806964) 2017 BW229と共に、COIASから初めての番号登録となった[17]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[18]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年6月14日閲覧。
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  8. ^ "COIASで小惑星を見つけよう!". COIAS開発チーム. 2025年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月21日閲覧。
  9. ^ "小惑星を発見するには?". COIAS開発チーム. 2025年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
  10. ^ "MPS 2115867-2145920". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2024年2月29日). 2025年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月14日閲覧。(「M.P.S. 2116875」にて仮符号の付与に係る観測記録が記載されている)
  11. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
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  18. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2017年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:木星のトロヤ群]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]




ドヤコンガ
807579 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2017 OV199[1]
小惑星番号 807579
見かけの等級 (mv) 22.8[2]
(2017年の発見時、rバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3] [4]
発見
初観測日 2011年 3月30日 [2] [3]
発見日 2017年 7月30日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 2.749 au [3]
近日点距離 (q) 2.375 au[3]
遠日点距離 (Q) 3.128 au[3]
離心率 (e) 0.136[3]
公転周期 (P) 1664.821 日[3]
(4.558 )[3]
軌道傾斜角 (i) 9.339° [3]
近日点引数 (ω) 253.245°[3]
昇交点黄経 (Ω) 341.303°[3]
平均近点角 (M) 348.111°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.314[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 18.10[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(807579) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2017年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 2.749 au(約4億1180万 km)離れた、軌道離心率が約 0.14 の楕円軌道を約4.56年(約1,665日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約9.33度傾いており[3] 、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4] ため、地球には最小でも1.386 auまでしか接近しない[3] 絶対等級は約18.10等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 820 m と推定される[注釈 2]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[7]

ドヤコンガは2017年 7月30日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。COIASからはその日のほかに、同年8月1日9月27日の画像からも検出され報告されている[2] 。その後の精査により、2011年 3月30日にアメリカアリゾナ州レモン山天文台で行われているレモン山サーベイによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2017年7月30日までにはCOIAS以外にこの初観測日を含め12回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズが行ったものなど、23回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8] 。COIASによる解析で、2017年夏に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、レモン山サーベイやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2024年 8月29日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2017 OV199 が付与された[9] 。仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2017年の観測が契機で連結されている。

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[10] 。仮符号登録後に、チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載された DECam2014年、2017年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告されたり[11] 、2025年に入って4月末にパンスターズが再び観測したことで[12] 、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号807,579番が与えられた[13] 。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[14] 。これで、COIASが発見者として登録された11例目の確定番号小惑星となった[15]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[16]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m "(807579) = 2017 OV199". Minor Planet Center . International Astronomical Union. 2025年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w "JPL Small Body-Database Lookup: 807579 (2017 OV199)". JPL Small-Body Database Lookup . Jet Propulsion Laboratory (2025年04月25日 last obs. エラー: 日付が正しく記入されていません。(説明)). 2025年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c "Asteroid Selection". Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2025年4月28日閲覧。(「Number」の欄に「807579」と入力)
  5. ^ 市民900人、未確認の天体381個発見...地球防衛に「誰でも参加できるように」アプリ開発」『読売新聞』2024年4月4日。オリジナルの2025年3月6日時点におけるアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
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  10. ^ "How Are Minor Planets Named?". 2024年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月23日閲覧。
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  12. ^ "MPS 2370557-2377530". Minor Planet Supplement (MPS). Minor Planet Center (2025年4月29日). 2025年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月14日閲覧。(「M.P.S. 2370879」にてパンスターズによる追加の観測記録が記載されている)
  13. ^ "MPC 183283-184784" (PDF). Minor Planet Circular. Minor Planet Center (2025年5月22日). 2025年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
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  16. ^ "COIAS で初の彗星発見!小惑星への命名も!!". 国立天文台 (2025年4月23日). 2025年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2017年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:メインベルトの小惑星]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]



ドヤコンガ
823373 Doyakonga
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像 (赤線が交差する中央の天体)
すばる望遠鏡によって観測された小惑星の画像
(赤線が交差する中央の天体)
仮符号・別名 2016 LK109[1]
小惑星番号 823773
見かけの等級 (mv) 24.8[2]
(2016年の発見時、rバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3] [4]
発見
初観測日 2014年 2月28日 [2] [3]
発見日 2016年 6月11日 [2] [3]
発見者 COIAS [2] [3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山 [2] [3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年 5月5.0日)[3]
軌道長半径 (a) 3.103 au [3]
近日点距離 (q) 2.601 au[3]
遠日点距離 (Q) 3.606 au[3]
離心率 (e) 0.162[3]
公転周期 (P) 1996.738 日[3]
(5.47 )[3]
軌道傾斜角 (i) 5.629° [3]
近日点引数 (ω) 306.351°[3]
昇交点黄経 (Ω) 235.687°[3]
平均近点角 (M) 359.941°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.194[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 17.81[2]
しかくTemplate (しかくノート しかく解説) しかくProject

(823773) ドヤコンガ(英語: Doyakonga)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3] [4] ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2016年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーション『COIAS[注釈 1] による市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年 月日に命名が発表された[1]

特徴

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太陽からの軌道長半径が約 3.103 au(約4億6482万 km)離れた、軌道離心率が約 0.16 の楕円軌道を約5.47年(約1,665日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2] [3] 。軌道は黄道面から約5.63度傾いており[3] 、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4] ため、地球には最小でも1.608 auまでしか接近せず[3] 木星には1.412 auまで接近する[3] 。太陽からの距離が、近日点と遠日点で1 au以上変化する。絶対等級は約17.81等級とされる[2] [3] 。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 940 m と推定される[注釈 2]

観測と登録

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すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトである『COIAS』による解析が行われている[7]

ドヤコンガは2016年 6月11日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2] [3] 。COIASからはその日のほかに、同年7月12日の画像からも検出され報告されている[2] 。その後の精査により、2014年 2月28日にハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2] 、正式な発見日として認められている2016年6月11日までにはCOIAS以外にこの初観測日を含め9回の観測記録がある[2] 。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、パンスターズや2025年になってから中国の青海省 海西モンゴル族チベット族自治州 茫崖市冷湖にある墨子スカイサーベイ望遠鏡 (英語版)(WFST)が行ったものなど、37回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8] 。COIASによる解析で、2016年初夏に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、WFSTやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2025年 4月10日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2016 LK109 が付与された[9] 。仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2016年の観測が契機で連結されている。

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[10] 。仮符号登録後に、チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載されたDECamが2014年、2015年、2016年、2017年2018年2019年、に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告されたことで[11] 、軌道がさらに精査された結果、2025年7月14日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 184785-185966」にて、小惑星番号823,773番が与えられた[12] 。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[13] 。これで、COIASが発見者として登録された12例目の確定番号小惑星となった[14]

命名

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発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[15]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年月日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1] 、と命名された。

脚注

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注釈

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  1. ^ 小惑星を探し命名することを目指す高校生を描いた、Quro原作の漫画・アニメ作品である恋する小惑星(koias)に由来している[5]
  2. ^ D = 1329 p 10 0.2 H {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}} {\displaystyle D={\frac {1329}{\sqrt {p}}}10^{-0.2H}}より計算[6] D {\displaystyle D} {\displaystyle D}は直径(km)、 p {\displaystyle p} {\displaystyle p}アルベド H {\displaystyle H} {\displaystyle H}は絶対等級を指す。

出典

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  1. ^ a b c "WGSBN Bulletins Volume 4, #12" (PDF). WG Small Body Nomenclature (WGSBN). Internaitonal Astronomical Union (2024年9月2日). 2025年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月15日閲覧。
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  6. ^ "Asteroid Size Estimator". Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). 2025年7月30日閲覧。
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関連項目

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外部リンク

[編集 ]

{{DEFAULTSORT:}} [[Category:2016年発見の天体]] [[Category:COIASが発見した天体]] [[Category:メインベルトの小惑星]] [[Category:天文学に関する記事]] [[Category:アマチュア]] [[Category:シチズン・サイエンス]]

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