公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
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■しかく 第34期(2024年度・令和6年度)
第33回「全税共 人と地域の文化賞」
第33回「全税共 人と地域の文化賞」は伝統芸能分野から「新野雪祭り保存会」が受賞されました。同賞の贈呈式は令和7年2月21日帝国ホテルにて執り行われ、賞金100万円及び副賞100万円が贈呈されました。
伝統芸能分野
新野雪祭り保存会(長野県)
集合写真
〜新野の雪祭り〜
「新野の雪祭り」は、長野県下伊那郡阿南町新野に伝承される神事・芸能で、新野の住民で構成する新野雪祭り保存会及び諏訪神社・伊豆神社の氏子によって毎年小正月の1月に斎行される。全国民俗芸能の中でもとりわけ学術的(民俗学・日本芸能史)資料としての価値が高く評価され、1977年5月17日、国の重要無形民俗文化財に指定され、今日に至る。
この雪祭りは、1月13日に新野・栃洞の伊豆神社の宝蔵に納められている面形(おもてがた)と祭具を新野・大村の諏訪神社へ移す「お下り」の儀があり、同神社で面形化粧や試しの舞などが行われる。翌14日夕方、諏訪神社を発した「お上り」の行列が伊豆神社に到着し、神楽殿・拝殿の儀礼の舞のあと、巨大な松明に点火、その明かりのもと「庭の儀」の芸能が始まる。歳神としての幸法(さいほう)とその模倣である茂登喜(もどき)の登場、古風田楽のビンザサラ舞、競馬(きょうまん)・お牛・翁・神婆(かんば)・天狗(てんごう)などの神事と芸能が徹宵して行われ、明けて15日小正月の朝日を拝み「田遊び」の神事で祭りを納める。
また、新野の雪祭りの特徴・独創性として次の点も挙げられる。
1. 「熊谷家伝記」によると、1400年代半ばからの歴史をもち、日本における地域文化の形成と持続の理解に欠くことができない芸能であること。
2. 斎行の期日、内容などからは修正会(しゅしょうえ)の田楽系の神事・芸能の要素が濃厚に遣されていること。
3. 田楽芸のビンザサラ舞が行われ、平安時代より確認できるササラ舞が一定の様式(芸態)をもって現在に継承されていること。
4. 神社拝殿での舞や宜命、境内での「庭の儀」と呼ばれる芸能があり、後者に行われる「幸法」に対しての「茂登喜」など、日本の芸能理法に欠かせない「もどき芸」、猿楽の成立にかかわる「翁」関連芸、さらに「競馬・牛」などの田楽の芸能展開を示す芸など、日本の芸能史理解のうえで重要な内容を含んでいることなど、いくつもの民俗的な特徴と独自性が認められ、興趣の豊かさは出色である。