大法寺の文化財
観音堂内におかれた厨子です。
なかに本尊の十一面観音像を安置していて、造られた年代はあきらかではないが、室町時代に入ってからの製作とみられています。
かなり大型の厨子で正面側面ともに一間で正面を扉とし組物は禅宗様の三手先で詰組といって、柱の間にも柱の上と同じような組物がおいてあります。軒は真(しん)反(ぞり)と云って中央から両端に反って居る垂木は二重の扇(おうぎ)重垂木(しげたるき)で礎盤円柱ちまきつきで、屋根は入母屋造り、瓦形にした板でふき、大棟両端に鯱をあげています。
厨子をおく須弥檀も禅宗様のもので、いく段にも繰り形を重ねていて壇上には禅宗様式の通し高欄をそなえています。この須弥檀も重要文化財の指定をうけています。
一本造り(木を寄せないで一本の木でつくってある)桂材で、彫眼で(顔面に彫り込んだ目)像高は171センチでタマゴ型の顔に、ふっくらしたほほ、古風で優雅な像です。やさしい表情に衣文を刻んだ刀法をみれば、藤原中期ころの作とみられます。
頭上には仏面10体 があり頭頂に仏面、頭上の正面側に菩薩面3面(慈悲を施される)、左側に瞋怒(しんぬ)面3面(悪い行いをしたときに怒られている面)、右側に狗(く)牙上(げじょう)出(しゅつ)面2面(善い行いに牙を出して笑い喜ばれている面)、拝観者から見えない背面に大笑い面1面(嘲り笑う顔を慎むべきとして後ろに造られた面)を表わしています。
*拝観には、別料金・予約が必要です。
一本造り、彫眼で像の高さは107センチです。本尊の十一面観音像と同じようにカツラの木に彫ってあり、おそらく同じときに造られたようです。頭の高い髻(もとどり)(頭髪を束ねたもの)が目立ちます。
普賢菩薩とは、菩薩のなかでもっとも賢い仏とされ、仏の理・定・行を司る菩薩といわれています。
この像は、左手は下に伸ばして手のひらは内側に向け、右手は臂(ひじ)をまげていますがその先は欠けています。面相の彫りや衣紋線のおとなしさなどから、十一面観音像と同時に像造されたと考えられています。
*拝観には、別料金・予約が必要です。
お問い合わせ(大宝寺) 電話0268(49)2256
青木村観光協会
〒386-1601 長野県小県郡青木村大字田沢111番地
TEL 0268-49-0111 FAX 0268-49-3670
E-mail: akanko@vill.aoki.nagano.jp