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入江貝塚公園

本格的な農耕を行わず、狩猟採集を生活の基盤としながら1万年もの間続いた縄文文化。遺跡に立てば、噴火湾の豊かな恵みを受け自然と共生する縄文人の姿が浮かんできます。私たち日本人の原点がそこにあります。入江・高砂貝塚にはロマンが凝縮されています。
時空を超えて旅をしてみませんか?

変遷

1942年(昭和17年)頃
昭和17年、入江貝塚が発見された時に描かれたスケッチです。
崖の中央に貝塚が露出している様子がわかります。
1967年(昭和42年)頃
発見後、当時伊達高校郷土研究部の峰山巌や、札幌医科大学によって発掘調査が行われています。これらの調査によって、大規模な3箇所の貝塚が見つかり、貝塚の中からたくさんのお墓(15人分)も見つかりました。このように、貝塚の中からたくさんの人骨が見つかることから、貝塚がゴミ捨て場ではなく、神聖な場所だったことがわかります。
1967年(昭和42年)頃
中にはポリオにかかった人骨も見つかっています。
この縄文人の骨を調べてみると、幼少期にポリオに感染してから、手足を動かすことができず
周囲の介護を受けていたと考えられます。
1993年(平成5年)頃
その後も発掘調査は幾度と続き、貝塚の周りには竪穴住居跡もたくさんあることがわかりました。(約4,000年前(縄文後期前葉)の竪穴住居跡)
1993年(平成5年)頃
入江貝塚からは土器や石器もたくさん見つかっていますが、中でも骨で作られた道具(骨角器)がたくさん見つかっており、その一部は北海道の有形文化財に指定されています。
(入江式土器。縄文時代後期(約4,000年前)木の棒で渦巻や波型の文様をつける。昭和25年、発掘調査で見つかった土器の一部は、これまで発見されておりません。特徴を持っていたことから、遺跡の名をとって名づけられました。)

ものをすり潰すための石の道具(北海道式石冠)

縄文時代の食べ物は、エゾシカやイルカなどの動物のほか、貝や魚などがあり、貝塚から骨や貝殻が見つかっています。
その他にも、どんぐりや栗などの木の実や山菜、昆布なども食べていたと考えられます。写真の道具は、石皿とセットで木の実や魚などをすり潰して加工するために使われたと考えられています。

貝や動物の骨、牙で作られたアクセサリー(北海道指定有形文化財)

サメの椎骨や、トド・アシカ・オットセイなどの牙などがあります。いずれもキレイに穴が開けられていて、紐を通して首飾りや腕輪として身につけていました。中には、北海道には生息していない、イノシシの牙や南海産の貝で作られた製品も見つかっていますので、本州との交流があったことも分かります。

オットセイやイルカをとるための銛先(モリサキ)
【北海道指定有形文化財】

写真の銛先は、長い棒の先端に取り付けられて、獲物に刺すと銛先だけが体内に残る仕組みになっています。銛先には紐が巻かれていますので、獲物をたぐり寄せることができます。特に、北日本ではこうした銛先が縄文時代を通して使われたことが分かっています。

骨や角で作られた釣針(北海道指定有形文化財)

釣り針は、鹿の角で作られたものが多く硬くて丈夫です。小さいものから大きいものまであるので、魚の種類や大きさに合わせて使い分けられたことがわかります。貝塚からは、カレイ類・ヒラメ・タラ・ブリなどの魚の骨が見つかっています。
調査の結果入江貝塚は、貝塚・竪穴住居跡・墓跡などが見つかり、縄文時代前期末(約5,500年前)から後期(約4,000年)まで、拠点的な集落が営まれていて、縄文時代の暮らしを知る上で貴重な遺跡であることが明らかになりました。
入江貝塚は、昭和63年、道内4番目の貝塚遺跡として国の指定を受け、平成7年から整備を行い、平成10年に史跡入江貝塚公園としてオープンしました。(復元された竪穴住居 奥:完全復元 中央:遺構復元)
しろまる
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史跡入江貝塚公園には、発掘調査の成果に基づいて復元された縄文後期前葉(約4,000年前)の竪穴住居や、約20mの貝塚を剥ぎ取り展示した施設もあります。ぜひ一度足をお運びください。(貝塚の剥ぎ取り展示施設(通称:貝塚トンネル))

断面には、土器や石器、エゾシカやイルカの骨が土に刺さったように見え、抜群の迫力があります。この貝塚から、15人分のお墓が見つかりました。貝塚の大部分は発掘されずに保存されていることから、まだたくさんの人骨が埋まっているものと思われます。
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Information
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情報 -



・期間:平成28年4月〜11月末
・開館時間:9時〜17時
・料金:無料
・アクセス:高速道央自動車道「虻田・洞爺湖IC
より車で約5分
・問い合わせ:入江・高砂貝塚館(0142-76-5802)
社会教育課(0142-74-3010)

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