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田瀬ダム機械遺産認定/ギャラリー

田瀬ダム建設当時の写真

田瀬ダムは現在の国土交通省で最初に着工された重力式コンクリートダムです。
昭和16年に着工された当初はクレストゲートのみがダム天端に計画され、高圧放流設備は計画されていませんでした。
昭和19年戦争による工事中断から、戦後間もない昭和22年にカスリン台風、昭和23年にアイオン台風が立て続けに襲い北上川沿線が甚大な被害を被ったことから計画が見直され、ダムの嵩上げとともに洪水調節のための利用水深を大きくするため、ダム堤体下部に高圧放流設備(高圧スライドゲートと高圧放流管)が計画されました。
昭和25年10月にダムの建設工事が再開され、昭和29年10月に竣工しました。

[画像:本体工事の状況]

本体工事の状況 昭和27年4月

[画像:本体工事の状況]

本体工事の状況 昭和27年9月

[画像:本体工事の状況]

本体工事の状況 昭和28年4月

[画像:本体工事の状況]

本体工事の状況 昭和29年1月

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国内初の高圧放流管

当時、国内において洪水調節用の高圧放流管の設置は田瀬ダムが初めてでした。水深30mを越えると放流管にキャビテーション(水が存在しない空洞の発生)による損傷の発生が知られていたため、設計水深が41.3mとなる田瀬ダムでは十分な検討が必要と考えられ、水理模型実験を当時の建設省土木研究所に依頼し設計を進めました。
ここで得られた設計基準値や設計式などの一連の研究成果は実物設計に活用され、その後、高圧放流管の設計手法の発展に大きく寄与しました。

[画像:高圧放流管]

高圧放流管仮置き

[画像:高圧放流管]

高圧放流管仮置き

[画像:高圧放流管]

高圧放流管組み立て

[画像:高圧放流管]

高圧放流管据え付け

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米国から輸入した高圧スライドゲート

高圧放流管内に設置される高圧ゲートは、放流管内の流速が30m/s以上で水理的に極めて厳しい条件下となり、当時国内には高水圧・高流速下でゲートを安全に開閉する技術がなかったため、ダム建設先進国であった米国より輸入することとなりました。
昭和27年12月に米国のフィリップス・アンド・デビス社と契約を結び、昭和28年12月に横浜港に入荷し宮守駅まで鉄路で陸送され、昭和29年4月に据え付けが完了しました。
また、電動油圧シリンダ式の開閉装置の採用も田瀬ダムが国内で初めてとなります。

[画像:高圧スライドゲート]

扉体(ゲート本体)仮置き

[画像:高圧スライドゲート]

扉体(ゲート本体)仮置き

[画像:高圧スライドゲート]

油圧シリンダ用ピストン

[画像:高圧スライドゲート]

開閉装置梱包状況

[画像:高圧スライドゲート]

油圧シリンダ搬入前

[画像:高圧スライドゲート]

ボンネット据え付け状況

[画像:高圧スライドゲート]

据え付け完了(ゲート操作室)

[画像:高圧スライドゲート]

試験放流の様子

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高圧放流設備のいま

開閉装置(油圧シリンダや油圧ユニット)は更新されましたが扉体(ゲート本体)や高圧放流管は建設当時のままで現在も常用放流設備として使用しています。

[画像:ゲート操作室]

現在のゲート操作室

[画像:現在の扉体(ゲート)]

現在の扉体(ゲート本体)

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