MMC-MIG ニュース 平成18年7月号

[フレーム]

[No.2006-07] 2006年7月13日発行


ニ ュ ー ス 目 次
ニ ュ ー ス 本 文



1 高集積・複合MEMS製造技術開発事業の委託・助成が決まる

NEDO技術開発機構はH18年度高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクトの委託事業先、助成事業先を決定しました。(http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/180703_6/180703_6.html)
このプロジェクトは小型・省電力・高性能・高信頼性の高集積・複合MEMSデバイスの製造技術を確立するもので2010年MEMS国内関連市場を1兆3600億円に拡大するための重要技術です。

取り組む研究開発項目は、大きく分けてMEMSとナノ機能の融合、半導体との一体化、MEMS間の結合およびこれらの知識データベースの整備の4つなりますが、特に前3者についてはそれぞれ複数の取り組み課題で構成されています。企業の取り組む助成事業としての7課題、大学・国研の取り組む委託事業としての7課題と知識データベースの整備の計15課題に対し22件の応募があり、外部有識者5者の審査の結果、最終的に助成8企業、委託8団体の提案が採択されました。

マイクロマシンセンターは高集積・複合MEMS知識データベースの整備に関し提案を行い採択されました。さらに、今回の多岐にわたる課題からなる本プロジェクトの推進管理支援についても行うこととなりました。本プロジェクトの成果は、今後のMEMS産業の発展に最も重要なインパクトを与えるものの一つであり、最大限の成果を得られるよう当センタとしても全力で取り組んでまいります。


2 第2回日韓中MEMS標準化ワークショップの開催

日本、韓国、中国の三国間にて相互の国際標準化活動の情報交換のみならずMEMSに関する共同研究開発や標準化提案の可能性についての議論を行う【日韓中MEMS標準化ワークショップ】が昨年から開催されています。今年度、第2回ワークショップは6月22日〜23日、韓国・慶州のコンコードホテルにて開催されました。当日は国立慶北大学Sekwang Park 教授が司会をつとめ、「"thin film test" of MEMS and NEMS」を特別テーマとし、薄膜材料評価技術の最新研究動向を中心に7件の講演がおこなわれました。

今回残念ながら中国からの参加者はありませんでしたが、日本から国際標準化工学研究所 大和田所長、熊本大学 高島教授、金沢工業大学 岩岡教授、京都大学 土屋助教授、ほかNEDO、MMCなど7名が参加、韓国からは国立慶北大学のSekwang Park教授をはじめ約20名が参加し、薄膜材料評価技術分野の研究成果を中心に講演が行われました。国立慶北大学のSekwang Park教授による開催挨拶のあと、韓国から4件、日本から3件の講演が行われました。

韓国からはKAITECHのNak-Kyu Lee博士から「Micro Material Property Measurement Technology of Micro Thin Film Materials」、Kumoh 国立工科大学 のChung -Seog Oh教授から「Some efforts in improving the mechanical properties measurement accuracy for thin films」、KRISSのYong-Hak Huh博士から「Measurement of micro-tensile properties for thin film materials using micro-ESPI technique」、TongMyong 大学のJun-Hyub Park教授から「Tensile and fatigue test of thin film by new test procedure」、とそれぞれ薄膜材料評価技術の最新の研究成果についての講演が行なわれました。続いて日本から岩岡教授(金沢工業大学)から「MEMS technology trends, and needs of MEMS standardization for industry」と題してMEMS全般の技術トレンドと、ICとMEMSの技術インフラ比較からMEMS分野での戦略的標準プログラムの必要性についての講演が行われました。つづいて高島教授(熊本大学)からは「Round-Robin Test on Fatigue of Thin Films for MEMS Applications in Japan」と題して2003〜2005年に行われた疲労試験ラウンドロビンテストの概要と疲労試験のIEC TC/WG4への提案原案についての講演が行われ、最後に土屋助教授(京都大学)から「Humidity effect on tensile strength and fatigue properties of single crystal silicon microstructures」と題して、湿度環境によるシリコン疲労特性についての最新研究成果について講演が行われました。日本からの講演を通じて、わが国MEMS材料評価に関連した標準化提案内容の優位性、先進性について主張できたことは大変有意義なものでした。一方で、韓国からの講演を通じてMEMS標準化、薄膜材料評価研究の両面での関心の高さが伺え、改めて韓国の標準化に対する熱心な取組み姿勢を確認することができました。なお講演後にはウエルカムパーティーが同ホテルで開催され、日韓研究者間の活発な意見交換、技術交流が行われました。
<ワ-クショップ会場>



<岩岡教授の講演>



<高島教授の講演>



<土屋助教授の講演>


3 APCOT2006報告

2006年6月25日〜28日、シンガポールマリーナ地区のマリーナマンダリンホテルで、Asia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology2006(APCOT2006)が開催されました。
この会議は、環太平洋地域を主体としたMEMS、ナノ技術関連の国際会議で、Transducersの開催されない年、隔年で開催され今回が3回目となる新しいカンファレンスです。初回は、2002年7月中国の厦門(アモイ)大学、前回は2004年7月札幌コンベンションセンターで開催されました。初回の採択件数は、215件、前回は227件ですが、今回は455件に上り、このカンファレンスが活発になってきたことを現しています。また、発表地域は、アジア地域が94パーセントにのぼり、文字通りオセアニアを含めたアジアパシフィック地域でのMEMS、ナノテクノロジー研究が急激に増えてきたことを表しているようです。特に中国の発表件数が多く、積極的な研究を実施していることの現われと思われますが、採択率が若干低く、内容的なレベルはきわめて高いとはいえないようです。特にアメリカでの研究を持ち帰って続けているものに優れたものがある印象を受けました。



しかしながら、発表者のほぼ全体が大学や国立研究所の研究者で、企業独自の発表は数
件にとどまっていました。先端研究の発表の場でまだまだ産業界が意識したカンファレンスの位置付けは弱い印象でした。発表内容にも、バイオやフルイディックが最も多く見られましたが、デバイス提案や材料の評価、ナノを含めた新しいプロセスの研究が多く見られます。RF-MEMSについては、日本のNTTドコモが招待講演を行っており、MEMSトレンドを反映した内容となっていました。





1 マイクロナノ2006の開催

今年から、毎年行っておりましたマイクロマシン展、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム、プロジェクト成果発表会を包含して、ビジネス交流の場としての総合イベント「マイクロナノ」として11月6日(月)〜9日(木)の期間に開催します。
今年は、MEMS協議会からの情報発信の場としての「MEMSフォーラム」、及び、MEMS分野の国際標準化への戦略的展開を意図して「MEMS国際標準化ワークショップ」を追加いたしました。
これらマイクロマシン、MEMS関係の総合イベントとすることで、国内外からのマイクロナノ関連団体・企業とのビジネス交流・連携が一層深められるものと期待しています。
「マイクロナノ2006」のイベント構成は次のとおりで準備中です。
詳細は、マイクロマシンセンターのホームページ「マイクロナノ2006」をご参照ください。
くろまるマイクロナノ2006の各イベント
イベント 開催日時 開催場所
1MEMS国際標準化ワークショップ
-マイクロナノ材料評価技術の最前線- 11月6日(月)
10:00〜17:00 丸の内三菱ビル
コンファレンススクェア
2第17回マイクロマシン展 11月7日(火)〜 11月9日(木)
10:00〜17:00 東京国際フォーラム
3MEMSフォーラム
-MEMS産業基盤強化の課題- 11月7日(火)
10:00〜16:35
4第12回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
-ナノ・集積化MEMSのイノベーション創出と
ビジネス最前線- 11月8日(水)
9:15〜17:55
5MEMS-ONE成果発表会
-MemsONE(MEMS用設計・解析支援システム)-
11月9日(木)
13:30〜16:00


2 第9回マイクロナノ先端技術交流会の開催

当センターでは、賛助会員企業の専門家を対象に、マイクロナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、「マイクロナノ先端技術交流会」を実施しています。
第9回のマイクロナノ先端技術交流会からは、本年4月に発足しましたMEMS協議会の産学連携事業の一環として、東北大学大学院 江刺正喜先生、慶應義塾大学 三木則尚先生をお招きし、下記のとおり開催します。
しろまる日時:平成18年7月18日(火) 13:00〜17:00 講演
17:10〜18:30 懇談会
しろまる場所:(財)マイクロマシンセンター 会議室
しろまる内容:
1東北大学大学院工学研究科 江刺正喜 教授
講演題目 「役に立つMEMS」
講演概要
ジャイロやデータストレージなど代表的なMEMSに絞り、応用分野ごとの産業展開について述べ、最後にMEMSの主流である「集積化MEMS」や、多品種少量のMEMSにいかに対応するかなど、産業化の問題点を議論する。
2慶應義塾大学理工学部機械工学科 三木則尚 専任講師
講演題目 「MEMSが可能にするこれからの技術(MEMS Enabling Technology)」
講演概要
MEMS技術は様々な分野において、性能の向上、コストの低減に貢献してきた。本講演では、これからMEMS技術の活躍が期待される分野を、特に現在主流のシリコンベースではないMEMSデバイスに注目し、紹介する。
開催案内及び参加申込み書は、賛助会員、MEMS協議会メンバーにお送りしますので、皆様のご参加をお願いいたします。




1 月例経済報告 (平成18年6月)

内閣府が発表した月例経済報告(平成18年6月)の総論部分は次の通りです。

(我が国経済の基調判断)
景気は、回復している。
・企業収益は改善し、設備投資は増加している。
・個人消費は、緩やかに増加している。
・雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善に広がりがみられる。
・輸出、生産は緩やかに増加している。
先行きについては、企業部門の好調さが家計部門へ波及しており、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる。一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。

(政策の基本的態度)
政府は、構造改革を加速・深化するため、成長力・競争力強化と財政健全化を車の両輪とする「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(仮称)を取りまとめる。
重点強化期間内におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、政府・日本銀行は一体となった取組を行う。
情報入手: http://www5.cao.go.jp/keizai3/2006/0516getsurei/main.html

2 「新経済成長戦略」について
経済産業省は、産業構造審議会新成長政策部会での審議等を踏まえ、財政諮問会議での議論、広く国民からのパブリックコメントの聴取等を経て、平成18年6月9日(金)「新経済成長戦略」をとりまとめ発表した。詳細については、以下の経済産業省ホームページ参照。
情報入手: http://www.meti.go.jp/press/20060609004/20060609004.html


3.総合科学技術会議にMEMS技術が話題に

2006年6月14日(火)に開催されました第56回総合科学技術会議において、最近技術動向-最先端のものづくり技術のキー技術として、MEMSが話題になりました。
情報入手: http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/giji/giji-si56.htm




1 NEDOの人事異動

しろまる平成18年6月 1日付
(氏 名) (新) (旧)
伊藤 俊樹 (株)デンソー 機械システム技術開発部主査
浅海 一志 機械システム技術開発部主査 (株)デンソー
しろまる平成18年6月30日付
(氏 名) (新) (旧)
山本 哲也 経済産業省 機械システム技術開発部長
小澤 純夫 機械システム技術開発部長 機械システム技術開発部統括研究員

2 センターの人事異動

しろまる平成18年7月 1日付
(氏 名) (新) (旧)
五島 滋雄 MEMSシステム開発センター (株)日立製作所
企画第2部長
水津 美晴 MEMSシステム開発センター MEMSシステム開発センター
企画第2部長の併任解除 企画第一部長(兼)企画第2部長

Copyright (c) Micromachine Center. All rights reserved.

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /