ディシプリン(学問領域)に
とらわれない思考を身につけたい
第6回 03月20日 渡邉 正男
日本における文書の廃棄と再利用
2014年3月20日 - 3/21
古紙・再生紙に代表されるように、紙は廃棄物リサイクルの典型と言ってよいだろう。日本の前近代においても、紙に書かれた文書は、機能を終えて廃棄された後、あるものは、現在と同じように、漉き返されて新たな文書の料紙とされ、あるものは、翻して裏側の余白が記録や典籍・聖教などの書写に用いられた。前者の特徴的な例が「宿紙」であり、後者がいわゆる「紙背文書」等である。
講義では、朝廷や幕府などにおいて、どのような基準によって、どのような文書が廃棄されたのか、廃棄された文書はどのように再利用されたのか、文書の作成・保管・廃棄・再利用の一連の過程について解説する。さらに、排泄物の分析から健康状態や食生活が分かるように、廃棄され、再利用されることによって伝えられた「紙背文書」等からどのようなことが分かるのか、いくつかの事例に則して検討してみたい。
- 講師紹介
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- 渡邉 正男
- 東京大学史料編纂所准教授。 専門は日本法制史。法・制度および権利の関係のあり方が歴史的にどのように変化していったかを、史料に基づいて、具体的に明らかにしたいと考えている。現在は、14世紀の社会秩序の構造変化において、在野の法知識・法技能を有する者達が果たした役割に関心がある。
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