Ryumon
竜門ダムは、昭和39(1964)年度から建設省直轄の予備調査事業として開始された多目的ダムで、熊本県菊池市の迫間川に建設され、平成10
(1998)年度に試験湛水による満水を迎えました。
この35年間には、ボーリング調査をはじめとする様々な調査や設計・検討が実施されてきましたが、私は昭和48(1973)年から24年間にわたって竜
門ダムの地質調査・地質解析等の業務に携わり、ダムサイトおよびその周辺に施工された調査横坑・調査ボーリングのほぼ全てを観察し、ダムサイトの地質解析
を行ってきました。
竜門ダムサイトの基盤岩は、玉名花崗閃緑岩に対比される花崗岩類を主体としていますが、右岸の中部標高から上位には、風化してマサ状となった花崗岩の上
を覆って阿蘇火砕流堆積物が広く分布し、さらにマサと溶結凝灰岩との間には旧表土や非溶結の火山灰層などからなる境界層が分布していたために、左岸から河
床部の主部を重力式コンクリートダム、右岸上部をロックフィルダムとした複合ダム形式のダムが築造されることになりました。
竜門ダムの主要諸元を下の表に示しますが、コンクリートダム部の堤高が99.5m、コンクリート部とロックフィル部を合わせた堤頂長は618mという大
きなダムです。
ダム天端標高
EL.284.500 m
EL.286.400 m
非越流部標高
EL.284.500 m
EL.285.900 m
最低基礎標高
EL.185.000 m
EL.255.000 m
堤 体 積
844,000 m3
220,000 m3
竜門ダム建設前と完成後の写真を掲載しております。
各写真をクリックすると、拡大した写真を見ることができます。
竜門ダム建設前後の写真