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北九州市障害福祉情報センター > ひこうせん未来 > 102号(最新号) >

団体紹介vol.1 muikku(ボランティア団体)

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団体紹介vol.1 muikku(ボランティア団体)

みなさんは写真を撮る時にどんな声かけをしますか?

今回ご紹介するボランティア団体『muikku(ムイック)』はフィンランド語で「はいチーズ」を意味し、日本語の「無垢」とも掛けられた言葉です。

障害ある人やお子さんの家族写真を撮影するボランティア団体です。
今年8月に活動5年目に入ったmuikkuは、有志で活動を始め、現在は代表でカメラマンの上原藍さんと撮影までの期間、細かな調整を行う入江亜矢子さんの2人での活動ですが、たくさんのサポーターに支えられている団体です。
子どもの通っていた福岡県立小倉聴覚特別支援学校で先生に「2人は気が合いそうよ」と紹介されたことが出会いのきっかけ。

短大で写真を先行し、写真店に勤めていたこともある上原さんが娘さんの運動会の写真のついでにとお友達も撮ってプレゼントしたところ、入江さんから七五三の写真を撮って欲しいと依頼されたことから、他にも需要があるよね...と思ったそうです。
同じ障害のある子どもを育てている親だから「痛みのすべては分からないかもしれないけど、理解したい」「辛かったね...」と声を掛けたくなることもあったと言います。

― muikkuならでは ―

『障害のある子どもの写真撮影』と思われがちですが『年齢に関係なく障害や病気によって、スタジオへ行くことが困難な人が対象』です。
上原さんは福祉の仕事、入江さんは医療従事者なので、撮影依頼者の障害特性なども考え、こだわりのあるお子さんには「何月何日にこの人たちが写真を撮りに来るよ〜」と写真を事前に見せて貰っておくなどしてスムーズに撮影に入ることができるように工夫しているそうです。
撮影の際には、みんなに呼ばれているいつもの呼び方で名前を呼び、きょうだい児についても〇〇くんのお兄ちゃん、お姉ちゃんではなく、愛称で呼ぶように意識していると言います。
また、一般的にカメラマンが撮影をためらうような、医療的なケアの様子も育児のひとつとして撮影します。

お母さんが子どもと向き合っている姿を客観的に撮るので「私こんな優しい顔してるの?」と驚かれることもあるそうです。


― つながり ―

撮影したお子さんや撮影をするはずだったお子さんが亡くなられた後も、家族で写真展に来ていただくこともあります。

「あの子にきょうだいが生まれます」と連絡をいただくこともあるそうで、亡くなった後もご縁が続いているのです。


― 活動を支援 ―

1回の撮影に5千円のご寄付をいただき、muikkuのオリジナル台紙に入れた写真1枚と三面開きの高価な台紙にプリントしたもの、撮影データをすべてお渡ししています。

三面開きの台紙はmuikkuの活動をテレビで知った写真や映像などを取り扱う会社の方から「同じ写真の仕事をする者として、なにか貢献したい」と申し出があり、スポンサーとしてプレゼントいただいているものです。
基本的に活動は賛助会費やご寄付に支えられている「障害や病気のある子どもに何かしたい」と思っている人からご寄付をいただくので、きちんと還元されていることをSNSや会報など
で報告しています。

会報は年に1回8月に発行「ちょっと遅れているので、頑張ります(笑)」と取材時に上原さん。

― 病院内での撮影会が夢 ―

「娘の長い入院生活の中、家に帰れないまま最後を迎える子どもたちも見てきた、病院の思い出が辛く苦しいものだけではなく、ホールで撮影会があったね?行ったね!楽しかった!」と

素敵な思い出になれば。

叶えたいことは声に出すようにしています!「市内、県内の病院にも会報など配布しているので、病院にぜひ呼んでください!」
今年10月にある「けいちくこどもフォーラム」の実行委員になっていて写真展示を行います。

障害のある子どもたちが当たり前に地域で生活していることを知って貰う場になって欲しい。

― 恩返しの県外写真展 ―

石川県在住の兄はこっそり活動を応援してくれていて、それに気付いた義理の姉がmuikkuの活動を広報してくれ、震災で大変だったのに、石川県から寄付が今も定期的に届いています。
「muikkuはありがたいことに、皆さんに可愛がられ、育てていただいている。
活動を続けられていることに感謝しかない。次は石川県を元気にする恩返しの写真展をしたいね〜」と入江さんと話しているそうです。

聞き手 船寄 靖子

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