藤原宮跡の蓮
蓮の花は、泥水のような池から真っ直ぐ茎を伸ばし、大きく華麗な花を咲かせている。仏教画では、仏陀が蓮の花の上に座っている姿である蓮華座(れんげざ)が描かれており、蓮の花は清らかさの象徴、神聖な花である。
蓮の花は、日の出と共に花が開き、午前9時ぐらいまでが見頃で、午後には閉じているとのこと。朝寝坊の自分にはとても開花する姿を見るのは無理と思っていたが、今朝は家族が大阪空港発の始発便に乗るので、午前4時半に車で出て、近鉄大和八木駅の始発電車(午前5時発)を目指した。大和八木駅には午前4時47分に到着し、家族を下ろして直に、藤原京(ふじわらぐう)跡に向かう。
藤原宮跡には、10分ほどで到着して日の出を迎えることができた。散歩している人や田んぼの水路を確認している農家の人、カメラを構えた人と、朝早くから活動している人が結構いるものである。
藤原京は5.3km四方の25km2はあり、平城京(24km2)、平安京(23km2)よりも大きく、694年から710年まで持統(じとう)・文武(もんむ)・元明(げんめい)天皇三代にわたる都であった。その藤原京の中心に藤原宮はあり、900m四方の広さがあり、天皇の住まいである内裏(だいり)、政治や儀式を行う大極殿や朝堂院、役所などが建ち並んでいたところである。
藤原京は、大和三山(耳成山、畝傍山、香久山)がすっぽり入り、藤原宮は北の頂点の位置に耳成山、底辺の西端に畝傍山、東端に香久山とした二等辺三角形の中心に位置する。
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藤原京、藤原宮は都が平城京に遷ると、田畑となり、以来1300年の間、地中に埋もれていたが、昭和の時代になると遺跡の発掘が始まり、建物の遺構や木簡などが出土した。
出土品の中に蓮の種があり、1300年の眠りから目覚め、発芽して花を咲かせたものがあり、「古代蓮」と名付けられている。
古代のロマンを感じながら、種々の蓮の花を鑑賞する。見事な花も好ましいが、地下茎の「蓮根」も栄養満点で良いものである。