2015年09月03日久米島応援プロジェクト 活動をまとめた書籍を発行!
久米島本 画像.jpg3年間のプロジェクトでは、さまざまな調査や地元の方々との取り組みがありました。
その内容はこのブログでも、紹介して いる通りですが、久米島という離島と底に残る素晴らしい自然や文化。そしてプロジェクトで行った分野ごとの取り組みのほかに、そこから得られた経験や発見 をまとめたレポートとともに、久米島に興味を持っていただくきっかけともなる書籍がまとまりました。
2015年8月10日に、全国の書店で販売が開始されましたので、ご案内します。
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1499-6.html
ぜひお近くの書店などでお手に取って、ご覧いただければ、幸いです。
このプロジェクトのホームページでも紹介しておりますプロジェクトメンバー全員の取り組みで行われたプロジェクト。
http://kumejima-support.seesaa.net/article/292011524.html
また、プロジェクトにご支援いただきました三井物産環境基金へお礼申し上げるとともに、本書制作にご協力いただいた方々、特に現地久米島の皆様に対して、心より感謝申し上げる次第です。
2013年03月01日「久米島の自然環境と暮らしに関するアンケート調査」報告会
このアンケートは、久米島応援プロジェクトの活動を久米島町民の皆様にどれくらい知っていただけたのか、その波及効果を知ること、さらに久米島の自然環境と暮らしに関して広くご意見を伺い今後の久米島町の自然環境の保全・管理を進めていく基礎資料とすることを目的として、2012年7月に実施したものです。
アンケートの配布は、久米島町区長会にご協力いただき、久米島町全世帯(3925世帯)に配布、約1か月後区長により訪問回収いただき、1324件(回収率33.7%)もの回答を得ることが出来ました。報告会当日は製糖期(さとうきびの収穫時期)でお忙しい時期でしたが、関心の高い方においでいただきました。
また3月1日(金)に具志川改善センターで開催された区長会でも、ご協力いただいた区長の皆様にアンケートの報告資料を配布し、結果をご報告させていただきました。
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なお、本調査は(独)国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの提案型研究の一環として実施されました。結果の一部はプライバシーに十分配慮した上で、研究成果として学術論文雑誌に紹介する予定です。
本調査実施に際し、久米島町の皆様への調査票の配布と回収には、区長・班長の皆様に多大なるご尽力を賜りました。また、久米島の海を守る会の日比野研一事務局長には、調査票の配布作業等ご尽力をいただきました。アンケートにご回答くださった久米島町民の皆様、アンケート配布・回収にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
国立環境研究所 浪崎直子
2013年02月25日プロジェクト終了後の継続活動:久米島小学校による赤土対策実践
[画像:P1020097rev.jpg]2013年2月21日、久米島小学校5年生の総合的な学習の時間授業「赤土探検隊」の一環で、儀間川流域の農地にグリーンベルトであるベチバーを植え付ける赤土流出防止対策を実施しました。
今回植え付けたベチバーは2012年5月17日に、久米島町役場産業振興課から株分けしてもらい小学校校内で観察・育てていたものです。
その様子はこちら↓
http://kumejima-support.seesaa.net/article/273669781.html
まずはプランターと花壇の両方で育てたベチバーを掘り出し・植え付ける準備を前日に行いました。プランターで育てたものは、根っこががっちりとプランターに張り付いてなかなか取り出せず、ベチバーの根っこがいかに頑丈なのかということが、この準備を通じても実感できたとか。
そして、大切に育てたベチバーを植え付けた圃場は、「どこの畑で対策をするのが効果的か」を、児童が探究するという体験授業を実施することからはじめました。儀間川流域の地図を見ながら、久米島ホタルの会や儀間老人会の方々と一緒に現場を散策して探求し、この中で「山田橋」という地元の方々大切にしている橋の周囲をきれいにするという目標が定まり、山田橋に流れる流域で対策をしたいと産業振興課の協力をあおいで、今回の対策圃場を手配いただきました。畑は3回目にベチバーの植え付けを実施させていただいたところのちょうど向かい側です。
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今回の赤土対策につながるまでの授業実践は、小学校5年生担任の玉城先生が久米島ホタルの会と産業振興課・儀間老人会の方々と相談を重ねながら具体化してくださったものです。そして玉城先生の協力依頼に、産業振興課、さらには久米島海を守る会も当日の作業等ご協力いただきました。こうして協力の輪が広がって、地域をあげて赤土対策の実践をする取り組みが今後も継続して行われることを願っています。
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国立環境研究所 浪崎直子
2012年10月01日久米島町仲里庁舎にて、久米島応援プロジェクト活報告会を開催しました
2012年9月26日午後1時30分より、久米島町仲里庁舎にて、久米島応援プロジェクト活動報告会を開催しました。
久米島応援プロジェクトは、その環境保全推進のため、久米島町と活動協定を結び、赤土流出対策について連携して取り組んできました。9月でプロジェクトの活動期間を終了するにあたって、久米島町役場会議室にて、関係者や環境問題に携わる職員の方々にご参加いただき、3年間の活動報告と各メンバーの担当した調査・分析や地域の方々との協働活動について発表を行いました。
今回の報告発表の最後には、会場に参加された方々から質問やプロジェクトの活動を振り返ってのご示唆・ご提案をいただくことができました。とくにそのなかでも、プロジェクトの地元の学校で行った環境教育への効果や、行政に対する要求・要請の更なる可能性など、終了期の報告会にもかかわらず、発表側としては大変勉強になる内容が盛りだくさんでした。また今後、この取り組んできたことについて、プロジェクトメンバーや役場の担当課として、どうかかわっていくつもりかといった、継続性についても質疑があり、プロジェクトとしては活動期間満了となるものの、プロジェクトを構成した各メンバーや所属する組織によっては、地域団体の側面支援や発展的調査研究を続けていく予定または検討中であること。また久米島町の産業振興課としては、赤土問題は最優先課題として、事業として継続してかかわっていくことなど課長からのご回答をいただきました。
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これに先立ち、今後の地域内活動の節目として、久米島町と久米島応援プロジェクトの活動協定に変わって、これまでプロジェクトとともに保全活動にかかわってきた地域団体のひとつ、一般社団法人久米島の海を守る会と久米島町との間で、活動の相互連携協定を締結し、地域で取り組みをすすめていくことが、予定されています。
さらに、久米島ホタルの会とともに開発と実践した久米島小学校での環境教育カリキュラム「久米島の自然博士になろう!〜赤土探検隊〜」は、教材を作成して小学校に寄贈し、今後も授業が継続されるよう教育委員会や産業振興課に協力を依頼しました。また、観光協会に運営の場を移した島の学校の体験プログラムも、新たな体制と内容の検討が始まっています。
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外部専門家・研究者らによる地域の保全活動支援プロジェクトは、いよいよ地域内での活動にステージが移ろうとしています。ヒト、モノ(&情報や技術)、カネ、が地域内で循環し、保全活動が展開するとともに、自然が持続的に利活用されていく、その地域モデルが今誕生しようとしています。
《発表プログラム》
3年間の活動概要の報告・・・WWFジャパン権田儀間地区のキビ圃場のモニタリング状況と予測・・・国立環境研究所山野
小学生に向けた環境教育の取り組み・・・国立環境研究所浪崎
保全目標に応じた赤土流出削減量の設定と達成への課題・・・衛生環境研究所金城
地域団体の活動と今後の予定・・・久米島の海を守る会 日比野氏、元 島の学校 祖根氏
(WWFジャパン 権田)
・プロジェクトリーダーの権田からの挨拶
19:00〜19:15 ・・権田雅之(WWFJ)
?@ 久米島応援プロジェクトの活動概要と地域の方々との連携
?A 久米島のサンゴ礁生態系の現状
?B 小学生と取り組んだ環境学習の取り組み
?C 儀間川河川流域調査と海の赤土堆積量モニタリング活動支援
?D 保全目標値の抽出と達成への課題
?E 優先保全エリアの分析と流出量観測機器によるモニタリングの試み
?F 久米島の自然環境の価値と将来への展望
質疑応答・意見交換
・前日までに全久米島に配られたチラシ。
・お集まり頂いた久米島の皆さん
・久米島は台風接近中で大波打ち付ける中でも爽やかな風が吹く秋晴れでした