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2022年12月27日

日本学生科学賞 内閣総理大臣賞受賞

日本学生科学賞で、中学2年生の寺地優太くんが、内閣総理大臣賞を受賞しました。

日本学生科学賞とは1957年にスタートした中高生を対象にした歴史と伝統のある日本最高峰の科学コンクールです。

寺地くんは、ウミホタルは血の匂いを感じて餌を見つける をテーマに研究し、プレゼンテーションを行いました。

審査の講評です。

ウミホタルの研究は、おもに発光に関する研究が昔から多く取り組まれてきました。過去の作品には摂餌誘引に関するものがありましたが、結論には至っていませんでした。この作品では、ウミホタルが血の匂いで餌を見つけるという新しい視点で研究を進めています。ウミホタルの採集では、一般的に魚の切り身、内臓などを使います。自らの採集体験の中で、どんな条件で餌をみつけ集まってきているのかという疑問に正対し、段階的に検証方法の検討を行い、課題解決に向けて研究に臨んでいる姿勢を高く評価します。

血液の匂いの原因物質は何か、という点に注目しながら、嗅覚、味覚の室内、野外採集実験をもとに研究を進め、興味深い結果を出しています。嗅覚においては、血液、鉄の匂い成分であるトランス-4.5ーエポキシデセナールの実験を大学の協力を得て行っており、研究に対する意欲を感じました。味覚においてはイノシン酸を用いた実験も新規の知覚に富む結果だと考えます。野外採集実験では、魚のアラと錆びた釘の組み合わせで採集効果が最大になっているのは、驚きの結果です。室内実験でも同じような結果となるのか、とても興味深い結果だと思います。野外調査において気になったのが、調査実験日の季節と気候、水温、潮位など、その他の条件を明確にしながら、調査地や調査回数を変えても同じ結果が出るものなのか疑問を持ちました。今後、野外調査において、ウミホタルについていろいろな要因を想定して調査方法を検討することが必要ではないかと考えます。

無脊椎動物に関する研究では、血液に反応して摂餌行動を起こす物質を明確にしたものはなく、新しい知見であると思います。今回の研究をさらに発展させてウミホタルの摂餌行動を明らかにしてほしいと思います。今後の活躍に期待しております。
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