富良野市博物館では、地域の自然・文化・考古などに関わる分野でご依頼に応じて講師をお引き受けしています。小学校などの教育機関からご依頼いただくことが多いのですが、一般の方からのご相談にも応じます。
今回ご依頼いただいたのは「ふらのみらいらぼ」さんが今年度実施している「森・ひと・アート 緑の縁プロジェクト」。これは森の中に分け入って、得られたひらめきや感動を形に残すというワークショップです。
森での発見のお手伝いのため、4月27日は文化会館で「富良野の森」をテーマに、富良野盆地の生い立ち(地史)や植生の変遷、近代の人々と森との関わりをお話しし、5月12日には鳥沼公園で湧き水や森の植物を観察して、自然の生き物たちが互いに関わりあって今の姿を見せていることをお伝えしました。
今後、5月28日には鳥沼公園(再度)、6月8日には太陽の里(山部・芦別岳のふもと)の森に分け入ります。太陽の里は鳥沼公園の低湿地の森とは様子が異なり、ミズナラやトドマツが優占する針広混交林です。 ※(注記)参考→ http://furano.sub.jp/modules/news/index.php?storytopic=19
季節も進むので、より鬱蒼とした森の中に分け入ることで新しい発見が生まれそうです。
このプロジェクトには当館だけでなく、写真家の石黒誠さんをはじめ、多くの方が様々な分野の講師として助力されており、進行役のスタッフの方々と共にひらめきや感動を形にするヒントをくれています。この後、参加者の皆さんがどんな作品を作り出していくのかがとても楽しみです。
生涯学習センターでは、今秋2組のインターン(職場体験実習)の受け入れを行いました。
【樹海中2年生・伊藤柊二さん 10月26日(水)〜27日(木)】
自然関係の活動の編集作業にも興味があるという伊藤さんには、鳥沼公園で行う自然観察会「冬鳥ウォッチング」のしおり作りをしてもらいました。一昨年作った写真主体のものに、最近集計された野鳥調査の結果を組み込んでいく作業です。
富良野消費者協会さんからお声かけいただき、「富良野のまちなみ」と題して、約1時間30分お話しをしてきました。
第1部は「懐かしい富良野のまちなみ−昭和20〜40年代」。富良野市街地で撮影された写真50枚をスライドでお見せして、当時の富良野を振り返りました。皆さんとても懐かしいのか、歓声があがっていました。
第2部はこうしたまちなみがどのように出来上がっていったのか、開拓期からさかのぼって富良野の歴史について簡単に解説しました。
休憩をはさんで(休憩中にきゅうりの漬物と自家製トマトジュースをいただきましたが、とても美味しかった!)第3部では、今まで見てきた富良野の歴史や文化がどのような形で富良野のまちなみの中に残されているのか、お話しさせていただきました。ここでは昨年末にまとめた『富良野の近代建築〜富良野市歴史的建造物調査報告書』をもとに、明治から昭和30年代の建物について解説しました。北海道新聞富良野版で「続・富良野の歴史的建物」と題した連載を掲載中なので、皆さん関心高く聞いていただけたようです(北海道新聞を購読の方は「どうしん電子版」を同社ホームページから登録すると、どこにお住まいでも無料でご覧いただけるようです)。
最後に、富良野の歴史・文化が刻まれた古い建物が活用されて、まちの記憶が後世に受け継がれていくよう、お願いして話を終わりました。
さて、今回の講演に関連した事業として、次回は8月31日に富良野市街地をブラブラ歩きながら建物めぐりをする「魅力再発見!レトロ建築めぐり」を開催します。ぜひご参加ください。
目的に応じた展示解説はもちろん、館外での学習活動の協力や外部専門家との連携のお手伝いもいたします。お気軽にご相談ください。(電話:0167-42-2407)
詳細はそれぞれのリンク先をご覧ください。
たとえばこんな方にオススメです。
・教育機関(学校・幼稚園など)の先生
・地域活動ほか様々な団体の方
・テーマを持って研究している方
これまで行った活動の紹介はコチラ
なお、森林学習プログラムの活動は以下のリンクをご覧ください。
目的に応じた展示解説はもちろん、館外での学習活動の協力や外部専門家との連携のお手伝いもいたします。お気軽にご相談ください。(電話:0167-42-2407)
詳細はそれぞれのリンク先をご覧ください。
1学芸員の解説つき展示見学
2自然史を対象とした活動(理科的な学習)
3歴史・文化を対象とした活動(社会科的な学習)
4研究活動の協力
10月18日、樹海西小学校の3・4年生と自然散策をしてきました。歩くと汗がにじむくらいの陽気で、しかも快晴!紅葉まっさかり森の中を木漏れ日を全身に浴びながら、みんなと木の学習をしたわけです。
ボランティアの宮田と倉橋さんから、カツラの葉が甘い香りを発していることや種(たね)の散布方法についてなどなど、いろいろなことを実際に見て感じて学びました。散策路の坂道もなんのその。とっても元気なこどもたちでした。
不思議とみんな落枝の杖をもつ。ちっちゃいじいちゃん、ばあちゃんだわ。
でも、ある小学3年生男児いわく。
「楽しかったなぁ。でも帰ったら、まーたお礼状書かなきゃいけないんだぁ...。いやだなぁ。」
学校に戻ってから、我々への礼状を先生に書かされるんだそうな。なんとも言えず絶句...。がんばれ、日本男児!
大きなミズナラ!どのくらいの太さか...
毎年、年3回シリーズで山部第一小学校の「総合的な学習の時間」のお手伝いをしています。
今回は、芦別岳に源を発する勇振川で「川のはたらきを学ぶ」が子どもたち(高学年)の課題。単に教科書通りに川のはたらきを学ぶだけでは、学習効果が小さいと思い、こちらは子どもたちの暮らす山部扇状地の形成に帰結させることと川の中でみられる岩石について学ぶことを目標に取り組みました。勇振川のやや上流部の観察からはじまり、コンクリート護岸された中流部、さらに空知川との合流部まで足を延ばして、合計3箇所で川の流れ、水温、川幅、岩石の種類・大きさ・形状、堆積状況などの特徴を観察し、それぞれの違いを学ぶことができたのではないでしょうか。
低学年は時期はずれですが、水の中の生き物を調べました(二度、雨天のため順延になってしまったので...)。学習はもちろんですが、子どもたちは川の中に入ったことが楽しかったようです。
これから、観察した事項をまとめるようなので、どんな作品に仕上がるか、楽しみにしています。