8⽉8⽇、富良野市複合庁舎で「夏休みアトリエ体験ワークショップ」を開催しました。今回のワークショップは、⼩野州⼀先⽣の作品を題材に、⼦どもたちが地域の⽂化に触れ、⾃分だけの感性で作品作づくりをする場となりました。
まずは⼩野先⽣について知り、作品を鑑賞。⾵景を「⾒たまま」に描くのではなく、「⼼の中」を⾊で表現する⾯⽩さに触れてもらいました。
Google Earthを使って、それぞれの思い出深い富良野の場所を探索。お気に⼊りの⾵景を⾒つけると、⼦どもたちはその場所から感じた気持ちを、画⽤紙に表現。
作品発表の時間には、完成した絵を前にそれぞれの作品を鑑賞し、アートの多様性と⾃由な表現の楽しさを分かち合いました。
(沖永:記)
富良野の自然に親しむ会との共催で、ヘイケボタル観察会を山部自然公園・太陽の里で行いました。毎年恒例ですが、今年は19日・20日の二夜連続開催しました。
出発前に、この地のヘイケボタルの生息状況について少しお話ししました。山部自然公園太陽の里の周辺では、元々ホタルが細々とはみられていました。地域からホタルを呼び戻したいという要望が生じ、一時期あったアスレチック広場も老朽化で撤去することにもなり、博物館で2009年からこの湿地環境を復元する事業に取り組むことになりました。
放流はせずにもともと生息しているホタルが数を増やすのをじっくりと待ち続け、初めの数年はごくわずかに(3頭、5頭など)見られる程度でしたが、2016年からは一度に10頭以上を観察できるほどに増えてきました。
元々アスレチック広場があった手前の池
ヘイケボタルは開拓以前に富良野盆地を覆っていた湿地林や昔ながらの水田のような、流れの少ない安定した水場を生息地とします。幼虫がよじ登り、さなぎになれるような土手や中洲があることが重要です。
林道沿いのシカ柵奥の池
夜の観察会といえばコウモリ!ということでバッドディテクターも登場。コウモリの発する超音波を感知することができます。飛び交うガもコウモリを警戒して急にはばたくのをやめたりします。
終わりがけには、ヘビトンボを観察できました。
2016年以前、ホタル観察会を行っていた鳥沼公園のハンノキ林はミズバショウが生い茂るような水場と、乾いた地面が組み合わさっていてヘイケボタルにとってすみよい環境でしたが、地下水位が低下し近年はほとんど見られなくなってしまいました。富良野市全体でも田んぼや農業用水路はかつてよい生息環境でしたが、コンクリート3面張りの水路や農薬の使用が広まった近年は観察できる場所は限られています。
現在一定の生息数を取り戻したこのホタルの里のヘイケボタルが、これからも衰退せずに維持されていけるよう、皆さんと一緒にこの自然環境を見守っていければうれしいです。
次回の富良野の自然に親しむ集いではペルセウス座流星群を見上げなら、ホタルの幼虫の光を探しにいきます。※(注記)集合場所が違うのでご注意ください。
※(注記)個人で観察する際は、落枝や足元の崩れ、ヒグマの気配など安全面に注意してください。
【山部小学校ホタル学習】
6年生が地域の魅力探しがテーマの授業でヘイケボタルをとり上げることになり、7月4日に学校でホタルの生態や山部地域での人との関わりの歴史を学んだあと、保護者やコミュニティ推進委員の方々を巻き込み23日に観察会を行いました。
23日もたくさんのホタルを観察することができ、歓声が上がっていました。2学期は昼間に現地を訪ねて、ホタルの暮らしている環境の様子を見てみたいと思います。
富良野の自然に親しむ会との共催で初夏の植物を観察、調査する講座を開催しました。講師は井口和信さんを中心に会員が受け持ちました。
今年の富良野の自然に親しむ集いは、e-水プロジェクトの助成を受けた「鳥沼湿地林・再生プロジェクト」の一環で行います。今回は植生調査、そして3月に手を付け、本格的には来年2月に行う樹木調査についても紹介しました
(初めの会)e-水プロジェクト事務局の内山さんも取材に来てくれました。
早春に行った樹木調査の様子を紹介。この取り組みは来年2月に講座として参加者の皆さんを交えて本格的に調査する予定です。
数年前に植樹したハンノキ
バイケイソウが開花していました。
ここからが本番、2つの班に分かれて植生調査しました。
皆さんのおかげで11か所のプロットを調査完了しました。植生調査は引き続き、7月、9月も行います。
この会の様子は、e-水プロジェクトが制作した動画でも紹介してくれていますので、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/4DzAdWw2aUY
富良野の自然に親しむ会との共催で昆虫を採集・観察する講座を開催しました。講師は虫とり名人の永盛俊行さん。当会の会長です。
今回は序盤、再生の森と名付けている奥の植樹地(旧キャンプ場付近)で虫網をふるいました。
ピットホールトラップ・・・要は落とし穴
落とし穴の中身をビーティングネットの上に広げたところ。地表性昆虫(シデムシやゴミムシ)がいっぱいでした。
今年からの新メンバー奥野雄太さん(写真中央)も忙しい農作業の合間をぬってかけつけてくれました。
名人の技。
鳥沼の林を特徴づけるハンノキ(ヤチハンノキ)を食草(幼虫のとき)とするミドリシジミ
昆虫ではないですが、ムラサキホコリ(変形菌)も見つかりました。
野外での採集が終わったあとは、スライドを使って昆虫の魅力や保全について永盛さんからお話しました。
終わったあと、時間のある方に番外編の種類しらべと標本づくり講座も行いました。
右は奥野雄太さん。大好きな昆虫(専門はハエ・アブの仲間)の魅力を参加者に伝えるのが楽しくてたまらない様子。
※(注記)「富良野市博物館報告第6号」に掲載された、帯広畜産大学に在学中に投稿した報文もぜひご覧ください。
https://furano.sub.jp/modules/xnshop/singlelink.php?lid=1146
なお、今回もe-水プロジェクトの助成を受けた「鳥沼湿地林・再生プロジェクト」の一環で行い、植生調査と地下水位計の設置の様子も観てもらいました。
植生調査の様子
地下水位計の設置
できた!埋め込みにてこずり、けっこう時間がかかりました。
【ミニ昆虫展】
この講座に関連して、7月12日まで、富良野市役所で蝶のイラストなどを展示した展示会も開催しました。
生育状況や天候をにらんで4月1日にようやく開催が決定し、その後も予想外の雨雪があってやきもきした講座ですが、開催してみたら大豊作でした。
こんなに輝くルリホコリが見られました。
雪がとけたばかりに湿地林に分け入ります。
わしゃわしゃさがしていると・・・
あった!
顕微鏡で見てみます。
こんな瑠璃色
冒頭の金色のルリホコリをみんなで見ているところです。
野外用の簡易顕微鏡でじっくり見る方も。
参加者の方もわずかな周知期間にも関わらず協力者の方含め15人も来てくれました。探すのにてこづることも多い変形菌観察会ですが、今回は見つけやすく、楽しんでもらえてとてもうれしいです。
番外・永盛先生のちょうちょ講座
クロヒカゲの2齢幼虫
脱皮殻と通った跡
ササを食べる蝶なので、好雪性変形菌を探しているとよく出会うようです。
今年度の冬の工作講座は東大演習林と共催で行いました。演習林で大きすぎたり小さすぎたりして植えることが難しい苗木を使わせてもらい、手作りのクリスマスツリーを作りました。
【10/26 鉢植えづくり】
まず、福岡技術職員(東大演習林)から、東大演習林の森づくりと樹木園での取り組みについて教えてもらいました。
苗を選んで鉢に入れます。
養生の仕方も教えてもらいました。
この日の最後は園内で飾り付けのための木の実拾い。
オオウバユリのたねパラパラ🎶
【12/21 ツリー飾りつけ】
まずは小林技術職員(東大演習林)から前回の振り返り。森づくりクイズも出してもらいました。
クイズに正解するとプレゼント(飾り付けグッズ)をもらえます。
その後、講師の小林さんから、作り方のイメージを教えてもらいました。
おばあちゃんと一緒に
お母さんと一緒に
ツリーと一緒に記念写真
来年度は何を作りましょうかね?
ヒグマとの付き合い方をテーマにした自然フォーラムを開催しました。
講師はもりねっと北海道代表で、ヒグマの生態に詳しい山本牧さんです。農林課の宮崎係長にも近年の富良野市のヒグマの出現・被害状況について報告いただきました。
まずは、近年の春グマ駆除の終了や栄養価が高く隠れ家にもなるデントコーン畑の増加、様々な個々の事象をきっかけにヒトとクマの距離が縮んでいる状況があるという話がありました。
さらに、雑食性・冬眠といったヒグマの色々な性質から、河畔林の草刈りで身を隠して市街地に近づける場所をなくす対策、不十分な電気柵で農作物に味をしめると翌年まともな電気柵も乗り越えてしまう事案などいくつかの事例を紹介し、何らかのきっかけにより人にとって有害なクマとなってしまうことから、有効な対策を立案するための基本的な考え方を学ぶことができました。
質疑応答は永盛氏がコーディネーターとなって当日参加者の方からいただいた 12 件の質問票を元に山本氏、宮崎係長に問いかけました。自然史的な興味から、また防災の観点からの生態に関わる質問が大部分で、永盛氏との掛け合いで山本氏が回答しました。富良野市での捕獲についての質問も数件あり、宮崎係長からは事例や富良野市職員としての対応方針を説明し、山本氏から法令について説明しました。
なお、この講座は富良野の自然に親しむ会・富良野市役所農林課に共催いただき、森林学習プログラムサポーター研修会としても位置付けて実施しました。共催、協力くださった皆様に感謝申し上げます。
恒例の気軽に美術に親しむ絵画講座。今回はシマエナガ、それもアニメや漫画のようにデフォルメした描き方にチャレンジしてみました。講師はイマイカツミさん。
正面から見るだけなく、横から、上から、斜めから描くときどうしたら上手く描けるだろう?
さあ、描いてみよう。絵葉書サイズの紙にみんなで向き合います。
描き終わったらみんなで作品を見合いっこ。太いペンでくっきり、そして濃い色をベタ塗りするのが今回の傾向になってますね。
どんな向き、構図で描いたのか作者のお話を聞くのも楽しいですね。一コマ漫画のようなストーリーも飛び出しました。イマイさんの「これは!いいですね〜」からはじまる講評は描くためのヒントとやる気をもらえます。
終了後、この日開催していたコレクションギャラリーや常設展を鑑賞してもらいました。