「理の塔、技の塔」〜私説・戦後日本ダム建設の理論と実践〜(6)アメリカに追いつけ、追い越せ!戦後のダム技術開発 3ページ - ダム便覧
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1970年代以降
昭和45年(1970)後半から最近まで、大規模な
ロックフィルダム
が競うように建設された。傾斜
コア
型に代わり堤体中央部に土質遮水壁を設けた中央遮水壁型のロックフィルダムが主流となった。堤体が150メートルを超える大ダムだけをみても、手取川ダム(堤体高153メートル、完成54年、旧建設省・電源開発)、高瀬ダム(堤体高176メートル、完成54年、東京電力、曽野綾子著『湖水誕生』の舞台である)、奈良俣ダム(堤体高158メートル、完成平成2年、旧水資源開発公団)が相次いで完成した。
総貯水容量
が6億立方メートルを超える徳山ダム(堤体高161メートル、(独)水資源機構)が建設中である。
傾斜コア型のダムとしては、岩屋ダム(堤体高127.5メートル、完成52年、旧水資源開発公団)が建設されて以降、大規模ダムは施工されていない。一連のダム建設を通じて、1980年代には堤体材料全体の80%を占めるロック材料のせん断強度を求めるための大型三軸圧縮試験などの材料試験法が確立された。ロック材の盛立方法は投石射水工法から、薄層でまき出し
振動ローラ
ーにより入念な締固めを行う方式に様変わりした。ダムの耐震設計は震度法により行われてきたが、ダムに設置された地震計によって得られた地震動の観測記録を整理解析し、
フィルダム
材料の強度特性や動的解析に関する検討が進められた。これは新しい耐震設計の手法「フィルダムの耐震設計指針」として公表された。(51年(1976)アメリカのティートン(Teton)ダムが崩壊した。大ニュースは日本のダム技術者にも一大衝撃を与えた。この大惨事については現地視察も含め別号で論じる)。
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