全項目表
ダム番号:1074
小渕防災溜池 [岐阜県](こぶちぼうさいためいけ)
ダム写真
(撮影:Dam master)
072775 Dam master
072756 Dam master
077018 艦長!
072798 Dam master
どんなダム
日本初のロックフィルダム
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昭和27年完成。堤高18.4mと小規模だが、竣工時期で見れば日本で最初のロックフィルダム。着工時期だと石淵ダムが日本で最初のようだ。
[写真](撮影:Dam master)
コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム
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ダムの上流面をコンクリート版にして遮水するコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム。このタイプは、日本では昭和20〜40年代に石淵ダム、皆瀬ダム、小渕防災溜池など数基の建設事例があるが、当時は堤体ロック材の締め固め工法が現在のように進んでいなかったなどのため不等沈下やクラックが発生しやすく、一時採用されなくなった。その後の技術進歩を反映し、最近再び建設の動きがあり、苫田鞍部ダムが建設されている。
[写真](撮影:池ちゃん)
ハイキングコースとしても人気
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ダム湖周辺は公園として整備されており、春は桜、秋は紅葉が美しく、ハイキングコースとしても人気。東海自然歩道が通っている。
河川
木曾川水系久々利川
目的/型式
F/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積
20.5m/53m/14千m3
流域面積/湛水面積
7.5km2
(
全て直接流域
)
/9ha
総貯水容量/有効貯水容量
552千m3/552千m3
ダム事業者
岐阜県
本体施工者
ダム事業者直営
着手/竣工
1948/1951
諸元等データの変遷
【05当初→05最終】堤高[20.5→18.4]
【06最終→07当初】河川名[久々利川→碁石ヶ峰川] 着手[→1948] 堤高[18.4→20.5]
【07当初→07最終】河川名[碁石ヶ峰川→久々利川]
【08最終→09当初】堤高[20.5→20]
【09当初→09最終】堤高[20→20.5]
【12最終→13当初】本体施工者[郷村直営→ダム事業者直営]
Let's visit a historical dam
file.09
小渕防災溜池 「ロックフィル暦、最長!」
日本初のロックフィルダムとして、
岩手県の石淵ダムと紹介されていることが多いのですが、
竣工したのは小渕ダムが先、昭和27年。
一番長く働いているのは小渕ダムとなります。
こちらは下流側。
夏場は草木が生い茂り、
全体が良く見えないのですが、
冬になると、このように綺麗さっぱりします。
写真中央の階段は柵があり、降りられませんが、
下流側からは容易に近づけます。
こちらが、ダム湖側。
コンクリートが施工され、溜めた水をブロックしています。
小渕ダムの洪水吐は自由越流式。天然の岩場を削って造られたようです。
若干湾曲させているのは放流量を増やしたいのだと思われます。
洪水吐きの水は山を回りこんで、この小川から出てきます。
普段は別の川の水が流れていました。
取水塔は改修されて新しいものになっていました。
取水された水は、ダム下流の用水路に流れていきます。
ダム下部には、小さな調整池(?)がありました。
ダムの水が直接入ることは無いこの池、用途が分かりません。
取水部分など、あちこち改修されていますので、以前はなんらかの用途に使われていたのかもしれませんね。
小渕ダムのダム湖には昔使われていた氷田の遺構がありました。
その他、公園や釣りなどレクリエーションもあり、訪れる人たちの憩いの場所にもなっています。
夏場は全容が分からないほどに
藪などで覆われてしまいますので、
もし見学されるのであれば、冬場が良いでしょう。
但し、昔氷田が有ったぐらいですから、
寒さ対策は必要です。
山奥にある、小渕ダム。
ロックフィルダムとして、一番早くから働いている。小さなダム。
越流が美しいとか、容姿が素晴らしいとか、そういったセールスポイントはありません。
しかし、長い間、大水から田畑を守り、人々の暮らしを守ってきた実績はあります。
(2010年2月作成)
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