4得点で新潟下し敵地で連勝 サガン鳥栖 4-3 アルビレックス新潟
サッカー・J1サガン鳥栖はリーグ戦第22節第2日の6日、新潟県のデンカビッグスワンスタジアムでアルビレックス新潟と対戦。4―3で接戦を制し、今季2度目の連勝となった。通算成績は7勝2分け13敗(勝ち点23)で17位。新潟は勝ち点25で14位。
第23節は13、14日にあり、鳥栖は14日午後7時から、鳥栖市の駅前不動産スタジアムでガンバ大阪と対戦。次戦は第104回天皇杯全日本選手権3回戦の10日午後6時半から、神奈川県のニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦する。
戦評
鳥栖は新潟の猛追をなんとか振り切り連勝を飾った。
1点ずつを取り合って迎えた前半32分、横山が左サイドから中央に切り込んでシュートを決め、勝ち越しに成功した。前半13分には、CKを山﨑が押し込み先制。後半立ち上がりには、長沼と横山が立て続けにゴールを挙げ、リードを広げた。その後は徐々に新潟にペースを握られ、1点差まで迫られたが、逃げ切った。
横山歩夢が2試合連続ゴール 攻撃陣けん引、敵地で2連勝呼ぶ
持ち味を存分に生かした2試合連続ゴールだった。横山歩夢が勝ち越し点を含む2得点。今季2度目の1試合複数得点で攻撃陣を引っ張った。敵地でのリーグ2連戦を連勝で終え「間違いなく次につながる」と喜びをかみしめた。
前半32分に木村誠二がプレスをかけて奪ったボールを拾うと、ドリブルを開始。左サイドから中央に切り込み、相手DFの股を抜くシュートを蹴り込んだ。後半8分にはクロスのこぼれ球を、鮮やかに巻いてゴール右上に決めた。
カップ戦を含め、前の試合までに挙げた得点は、全てクロスに反応したもの。横山が「自分の形」と表現するドリブルで持ち込んでからは今季初めてだった。「さまざまな攻撃の形を見せれば相手も困惑する」。ゴール前での選択肢が増え、何が最適かを冷静に判断ができている。
川井健太監督も得点力の向上を評価する。アタッカーとしての素質が開花し始めていることは誰もが認める。これで今季5点目。開幕前に掲げた「5得点5アシスト」の目標の一つを達成した。鳥栖の得点源はマルセロヒアンだけとは、もう言わせない。(中村健人)
長沼洋一、豪快ミドルで今季4点目 「イメージ通り」右足振り抜く
長沼洋一が4試合ぶりとなる今季4点目を、豪快なミドルシュートで決めた。
長沼自身が「後半の入りはよかった」と振り返った通り、前半リードした流れを維持して迎えた6分のCK。普段ならゴール前に入るところを、小川佳純コーチの指示でペナルティーエリアの外からこぼれ球を待った。
小川コーチの読みが当たり、クリアボールが長沼の元へ。「イメージ通りの角度で打てた」と豪快に右足を振り抜き、ネットに突き刺した。
横浜M戦は急きょ前半途中から出場し、新潟戦はフル出場。中2日の連戦を戦い抜いたが「体は問題ない」と頼もしかった。(中村健人)
山﨑浩介、J1初ゴール「頭で決めたかった」
山崎浩介がJ1初得点を記録した。前半早い時間帯での貴重な先制点に、「練習から得点を意識していた。やっと結果が出て、自信につながる」と胸を張った。
前半13分のCK。「狙っていた場所に入れ、いいボールが来た」と山崎。「本当は頭で決めたかった」と苦笑したが、体で押し込んだボールは相手GKのミスを誘った。前半終了間際にVARで取り消しとなった得点も、体に当ててゴールにねじ込んだ。山崎の得点への執念が光った試合だった。
守備では、3点リードするまでは新潟の攻撃を抑えたが、終盤は連戦の疲れからか足が止まった。1点差に迫られながらも逃げ切り、「厳しい中でも勝利をつかんだことは収穫」と前向きにとらえた。(中村健人)