サガン連勝2年半ぶり 第14節・鳥栖 5-2 川崎
サッカー・J1サガン鳥栖はリーグ戦第14節の15日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムで川崎フロンターレと対戦。5―2で逆転勝利し、2021年11月以来、約2年半ぶりのリーグ戦連勝を飾った。通算成績は4勝2分け8敗(勝ち点14)で17位に浮上し降格圏を脱出。川崎は勝ち点16で13位。
第15節は18、19日にあり、鳥栖は18日午後7時から鳥栖市の駅前不動産スタジアムで名古屋グランパスと対戦する。
戦評
鳥栖が川崎から5点を奪い圧倒した。
1点を追う鳥栖は前半26分、右サイドからのクロスに反応した横山が蹴り込み同点に追いついた。37分に横山が2点目を挙げ逆転に成功。44分にはマルセロヒアンが2試合連続ゴールを決めた。1点差に迫られ迎えた後半は、立ち上がりにCKから原田が押し込み再び2点差とした。川崎の攻撃を耐える時間が続いたが、30分に途中出場の河田がだめ押しゴールを決めた。
<ヒーロー>横山、流れ呼ぶ2得点
期待の若武者、努力結実2試合連続先発
期待のホープが勝利を手繰り寄せた。2試合連続でスタメンに名を連ねた横山歩夢が、J1初ゴールを含む2得点。川井健太監督体制になって初めての連勝に大きく貢献した。
1点目は菊地泰智から、2点目はマルセロヒアンからと、いずれも右サイドのクロスに対応した。「練習から『ファーサイドに入ってこい』とスタッフから口酸っぱく言われていた。準備していた形」と日頃の努力が実を結んだ。
東京Vと湘南に連敗した後の練習で、横山は「(チームは)複数得点がなかなか取れない。前半から2、3点取っていきたい」と、真剣なまなざしで攻撃への意気込みを口にしていた。後ろを通りかかった福田晃斗に「点を決めてから言って」と笑顔で突っ込まれ、苦笑いで返すしかなかった21歳はこの日、厳しい言葉に込めた先輩の期待に結果で応えた。
前半18分にイエローカードをもらうなど、川井監督が「きょうはだめな日だと思った」と振り返るほど不安な立ち上がりだったが、立ち直ってみせた。「謙虚さを忘れず、自信になればいい」と指揮官。横山自身も「2点は取れたがミスもあった。もっと(細部に)こだわってプレーしたい」。反省を忘れず、さらなる飛躍を誓った。(中村健人)
原田一撃、川崎突き放す 「もっと貪欲に」
2試合ぶりに先発出場した原田亘が、後半立ち上がりに今季2点目を記録。前半終了間際に1点差に迫られた嫌な空気を払拭した。勝利と自らの得点を喜びながらも「もっと貪欲に点を取りたい」と力を込めた。
累積警告で欠場した前節の敵地磐田戦で、チームメートが4試合ぶりの勝利を持ち帰った。今節の先発に選ばれ、「自分が新しい風を吹き込めば、必ず連勝ができる」。言葉通り、攻守でチームの刺激となり勝ち点3をもたらした。
守備では要所で体を張った。一方「クロス上げられたり、簡単にパスを出される場面もあった」。修正点を把握し、さらに成長する。(中村健人)
サポーターの気持ち伝わった 河田篤秀
(後半途中出場で今季初ゴール)
簡単ではなかったが、ゴールまでの距離も近く、シュート以外の選択肢はなかった。スコア的にも大きな1点だったが、それ以上に「河田が取った」と喜んでくれるサポーターの気持ちが伝わり、温かくうれしかった。