森林は、美しい景観やきれいな空気を提供したり、水源を守り、洪水などの災害を防いだり、海岸では潮害を防ぎ、飛砂の害から家や田畑を守ってくれるなど、いろいろな働きをしています。
そこで、国や都道府県ではとくに大切に保護しなければならない森林を「森林法」という法律に基づいて保安林に指定し、森林のいろいろな役割を十分に発揮できるよう伐採を禁止したり、制限したりして適切な管理を行っています。現在、鳥取県内には国有林約30千ha、民有林約108千ha、合計約138千haが保安林に指定されており、これは県内の森林総面積の約54%を占めています。保安林の実際の働きによって下記の17種類が定められています。
保安林制度は、森林法の中に規定されています。そのしくみについて紹介します。
保安林制度の体系
保安林内で立木伐採などの際、必要最小限の制限を受けます。
(1)立木の伐採
保安林で立木を伐採する場合には、あらかじめ知事の許可を受けなければなりません(間伐および人工林の択伐については届出が必要です)。なお、この場合、指定施業要件(※(注記))として定められている制限の範囲内の伐採であれば許可されることになっています。
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許可を要しない伐採〜あらかじめ届出が必要な場合があります〜
除伐は森林法第34条第1項第8号により許可を要しないこととなっています。また、法令に基づく測量のための伐採などは森林法施行規則第60条第1項により許可を要しない伐採とされています。ただし、これらのうち、第5号から第9号までに規定されている伐採を行う場合にはあらかじめ届出が必要です。
(2)土地の形質の変更など
保安林内で家畜の放牧や土石・樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為などを行う場合には、あらかじめ知事の許可を受けなければなりません。なお、これらの行為が保安林の働きに支障を及ぼす場合を除き、許可されることになっています。
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許可を要しない軽易な行為
森林法施行規則第62条に許可を要しない軽易な行為として以下の項目が規定されています。
- 造林又は保育のためにする地ごしらえ、下刈り、つる切り又は枝打ち
- 倒木又は枯死木の損傷
- こうぞ、みつまたその他農林水産大臣が定めるかん木の損傷
(3)植栽の義務
立木を伐採した後や土地の形質を変更する行為をした後には、その跡地への植栽を義務づける場合があります。(例)木を植えなければ元の森林状態に回復しない場合など。
(1)税金が免除されたり減額されたりします
固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税は課税されません。また、相続税、贈与税は伐採制限の内容に応じて相続税等の評価の際に3〜8割が控除されます。
(2)特別の融資が受けられます
一定の条件を満たしている場合には、長期で低利の資金を(株)日本政策金融公庫から借りることができます。
(3)伐採の制限に伴う損失についての補償が受けられます
禁伐または択伐の伐採制限が課せられる保安林については、立木資産の凍結による損失についての補償が受けられます。