佐賀県では、安全な食肉を提供するため、「佐賀県食肉衛生検査所」を設置し、次のような業務を行っています
と畜検査
と畜検査とは、食用に供する目的で搬入された獣畜(牛、馬、豚、めん羊、山羊)について食肉の安全性を確保するため、と畜場法(昭和28年法律第114号)に基づき、獣医師である"と畜検査員"が実施する検査です。
写真:豚の生体検査の様子
<生体検査>
と畜検査員がとさつ前の獣畜について視診、触診、聴診による検査を行います。
ここでは食用に適さないと判断した獣畜や病毒を伝染させるおそれがあると認めた場合に、とさつ解体を禁止します。 (写真は豚の生体検査の様子)
写真:牛の解体検査の様子
<解体後検査>
とさつ後の内臓や枝肉に対してリンパ節等の切開、視診や触診を中心に検査を行います。
限局した病変はその部分だけ、伝染病など全身性の疾病は全てを廃棄します。
また必要に応じ、血液や臓器等の検体を採取して精密な検査を行います。(写真は牛の解体検査の様子)
精密検査
上記の検査に補足して試験検査室で行う検査です。細菌を培養したり、顕微鏡で調べたり、いろいろな機械器具、薬品を使って検査します。
写真:液体クロマトグラフィーを使用した残留抗生物質検出試験の様子
(1)理化学検査
血液中の各種成分を検査し尿毒症や黄疸等の判定を行います。
また液体クロマトグラフィー等の機器を使用し、食肉中の残留抗生物質等の検出を行います。(写真は液体クロマトグラフィーを使用した残留抗生物質検出試験の様子)
写真:病理検査の様子
(2)病理検査
肉眼検査では、わからない病変について組織標本を作製し、病理検査を行います。
病変部をホルマリンで固定し、薄く切って色素で染めて顕微鏡で観察します。
いくつもの染色方法があり、見たい組織によって使い分けます。腫瘍が良性なのか悪性なのかなど、顕微鏡で見て初めて判ることがたくさんあります。たとえば腫瘍が全身性に及ぶ牛伝染性リンパ腫などは食用に供することはできません。
写真:細菌検査の様子
(3)細菌検査家畜伝染病や敗血症が疑われるものについて、枝肉や内臓の一部を採取して培養し、細菌がいるかどうかを調べる検査をしています。この検査では、肉眼的には解らない食肉の細菌汚染の状態などを知ることができす。
検印
上記の検査を経て、合格したものに検印を押し、食肉として流通していきます。
と畜検査結果情報提供サービス
佐賀県内のと畜場(佐賀県食肉センター又は太良食肉センター)に家畜(牛、豚)を搬入された方へ、後日、と畜検査結果をお知らせするサービスを行っています。
と畜検査結果を生産段階において、家畜の疾病予防等に役立てて頂くため、毎月搬入された家畜のと畜検査結果を集計し、疾病の発生状況をお知らせするものです。
詳しくは下記をご確認ください。
サービスの利用を希望する生産者の方は、
サービスの利用を希望する出荷団体の方は、
及び
サービスの利用を希望する臨床獣医師の方は、
を当検査所へご提出下さい。なお、記載方法などでご不明な点は下記お問い合わせ先にご相談下さい。
BSE(TSE)検査
1 平成29年4月1日から健康牛の検査を廃止します
平成28年8月の食品安全委員会のBSE国内対策の見直しに係る食品健康影響の再評価において、現行の48か月齢超の健康牛のBSE検査を継続した場合と廃止した場合のリスク差は非常に小さく、人への健康影響は無視できるとされ、健康牛についてはBSE検査は必要ないとされました。佐賀県では今後も、国が示すガイドラインに沿っての作業を行い、と畜場における特定危険部位(SRM)の除去を継続し、さらに生後24か月齢以上の牛のうち疾病鑑別の観点から検査が必要であると判断した場合にはBSE検査を実施することとしています。
2 過去のBSE検査実施状況
平成13年10月〜平成25年6月まで、佐賀県では県内でとさつされる牛、めん羊、山羊の全頭のBSE(TSE)検査を実施しており、現在まで、BSEが確認されたことはありません。過去のBSE検査実施状況については、「BSE(牛海綿状脳症)スクリーニング検査について」をご覧ください。
写真:検査員による鶏の内臓摘出後検査の様子
<食鳥検査>
佐賀県では、厚生労働大臣から指定検査機関として認定された、(公財)佐賀県食鳥肉衛生協会へ検査業務を委任しており、協会の検査員(獣医師)が食鳥の検査を行っています。当所では、主に処理施設の監視・指導や法に基づく許認可などの業務を行っています。(写真:検査員による鶏の内臓摘出後検査)
佐賀県の食鳥処理羽数は、九州において鹿児島県・宮崎県に次ぐブロイラーの生産県です。また、県内の処理羽数は年間約2千万羽であり、北海道に次ぐ第6位です。
事業概要(平成25年度以降)