6
発がん性
区分1B
危険
H350
P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501
【分類根拠】
発がん性に関して利用可能なヒトを対象とした報告はない。
(1)のIARCの分類結果及び(2)(3)の試験結果に基づき、区分1Bとした。
IARCの2014年分類見直し変更に伴い、旧分類を見直した結果、区分を変更した。
【根拠データ】
(1)IARCは実験動物において発がん性の十分な証拠があるとし、作用機序等を考慮して、グループ2Aに分類している(IARC 105(2014))。また日本産業衛生学会も第2群Aに分類している(産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
この他、NTPがRに分類している(NTP RoC(14th, 2014))。
(2)雌ラットに8週間(1回/週)経口投与した試験において、23週間後に乳腺がんが増加した(IARC 105(2014)、産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
(3)マウスの皮膚に10回に分けて塗布後にプロモーターとしてTPA(12-O-TetraDec.anoylphorbol 13-acetate)を塗布したイニシエーション-プロモーション試験で、扁平上皮乳頭腫が増加した(IARC 105(2014)、産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
【参考データ等】
(4)新生仔マウスに3回に分けて腹腔内投与した試験において、投与26週間後に肺腫瘍が増加した(IARC 105(2014)、産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
(5)新生仔マウスに3回に分けて腹腔内投与した試験において、投与1年後に肝臓の腺腫と腺がん、悪性リンパ腫が増加した(IARC 105(2014)、産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
(6)マウスに1回腹腔内投与した試験において、投与1年後に肝腫瘍、肺腫瘍、悪性リンパ腫が増加した(IARC 105(2014)、産衛学会発がん性分類の提案理由書(2016))。
(7)本物質はin vitroにおいて、ヒトの肝臓、肺、乳腺組織で代謝され、DNA損傷を起こす反応性代謝物を生じ、また、DNA付加体を形成するなど、本物質の発がん性を支持する強固な機序的な証拠がある(IARC 105(2014))。