危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
爆発物
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2
可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
3
エアゾール
分類対象外
-
-
-
-
エアゾール製品でない。
4
支燃性/酸化性ガス
分類対象外
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-
-
-
GHSの定義における液体である。
5
高圧ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
6
引火性液体
区分外
-
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-
-
引火点は169°C[方式不明](GESTIS(Accessed Nov. 2018))は測定法が不明である。開放式の結果であっても、所定の密閉式測定法でも93°C超えと判断できるため区分外とした。
7
可燃性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
8
自己反応性化学品
分類対象外
-
-
-
-
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9
自然発火性液体
区分外
-
-
-
-
発火点は423°C(GESTIS(Accessed Nov. 2018))であり常温で発火しないと考えられる。
10
自然発火性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
11
自己発熱性化学品
分類できない
-
-
-
-
液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12
水反応可燃性化学品
分類対象外
-
-
-
-
金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13
酸化性液体
分類対象外
-
-
-
-
フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14
酸化性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
15
有機過酸化物
分類対象外
-
-
-
-
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16
金属腐食性物質
分類できない
-
-
-
-
データがなく分類できない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
急性毒性(経口)
区分外
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-
-
-
【分類根拠】
(1)〜(3)より、区分外とした。
【根拠データ】
(1)ラットのLD50:約60,000 mg/kg(US Consumer Product Safety Commission(CPSC)(2011)、BUA 201(1997))
(2)ラットのLD50:16,000〜28,000 mg/kg(US CPSC(2011)、BUA 201(1997))
(3)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(PATTY(6th, 2012))
【参考データ等】
(4)マウスのLD50:約39,500 mg/kg(BUAにおいては、37,100 mg/kg(密度1.04より換算)と記載)(US CPSC(2011)、BUA 201(1997))
(5)マウスのLD50:> 12,800 mg/kg(US CPSC(2011)、BUA 201(1997))
1
急性毒性(経皮)
区分外
-
-
-
-
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分外とした。
【根拠データ】
(1)モルモットのLD50:10,400 mg/kg(US CPSC(2011))
(2)モルモットのLD50:> 10,000 mg/kg(PATTY(6th, 2012))
1
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
-
-
-
-
【分類根拠】
GHSの定義における液体である。
1
急性毒性(吸入:蒸気)
分類できない
-
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-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
分類できない
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-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2
皮膚腐食性/刺激性
区分外
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-
-
【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分外とした。
【根拠データ】
(1)In vitro試験(OECD TG431、GLP)において、本物質は腐食性を示さないとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、本物質原液を20時間閉鎖適用したところ、7日後において紅斑スコア:0.5、浮腫スコア:0を示したとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、n=3)において、本物質原液を4時間適用したところ刺激性を示さなかったとの報告がある(BUA 201(1997))。
(4)本物質は皮膚刺激性を示さないとの報告がある(Patty(6th, 2012))。
【参考データ等】
(5)本物質はウサギで皮膚刺激性なし、モルモットで軽度の皮膚刺激性を示すとの報告がある(CPSC(2011))。
3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分外
-
-
-
-
【分類根拠】
(1)〜(4)より、区分外とした。
【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、n=3)において、本物質原液を適用したところ刺激性は示さなかったとの報告がある(BUA 201(1997))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=2)において、本物質原液を適用したところ刺激性は示さなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(3)ウサギを用いた2件の眼刺激性試験では、いずれも刺激性を示さなかったとの報告がある(CPSC(2011))。
(4)本物質は眼刺激性を示さないとの報告がある(Patty(6th, 2012))。
4
呼吸器感作性
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4
皮膚感作性
分類できない
-
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-
【分類根拠】
本物質の感作性の有無を判断する十分な情報が得られず、分類できないとした。なお、(1)は動物数データが不明であること、(2)、(3)は試験の詳細が不明であることから、分類判断には用いなかった。
【参考データ等】
(1)モルモットを用いた皮膚感作性試験(Kodak Drop-on法)において、本物質0.1M溶液(1:1:2 acetone:dioxane:corn oil)で感作及び誘導した結果、皮膚感作性を示さなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。
(2)モルモットを用いた皮膚感作性試験において感作性を示さなかったとの試験報告があるが、インハウスデータでありそれ以上の詳細を確認できなかったため本物質の感作性を判断するに足る十分な情報が得られなかったとしている(US CPSC(2011))。
(3)本物質は皮膚感作性物質ではないとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。
(4)本物質を含むフタル酸エステル類はヒトに対して皮膚感作を示さないとの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。
5
生殖細胞変異原性
分類できない
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-
-
【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】
(1)In vitroでは、細菌を用いた複数の復帰突然変異試験で陰性(PATTY(6th, 2012)、US CPSC(2011)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))、ヒト細胞を用いたコメットアッセイで陽性の結果がある(US CPSC (2011)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。
6
発がん性
分類できない
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【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7
生殖毒性
区分1B
危険
H360
P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)より明確な母動物毒性がない用量で、発生影響として吸収胚の増加、外表・内臓・骨格奇形の発生率増加がみられたこと、(2)より母動物毒性がない用量で、雄児動物に抗アンドロゲン作用を示唆する所見、性成熟遅延がみられ、成熟後の雄には精巣及び精子への傷害、生殖器官の発達障害、奇形の増加がみられたことから、本項は区分1Bとした。
【根拠データ】
(1)妊娠ラットの妊娠6〜20日に本物質250〜1,000 mg/kg/dayを強制経口投与した催奇形性試験の結果、母動物には500 mg/kg/day以上で体重増加量の減少がみられたが、妊娠子宮重量で補正した正味の体重増加量では有意差はなく、他には最高用量(1,000 mg/kg/day)まで明確な一般毒性影響はみられていない。750 mg/kg/day以上で吸収胚比率の増加、胎児に外表奇形(神経管閉鎖不全、無眼症)、内臓奇形(尿管及び血管の欠損)、骨格奇形(胸骨分節の癒合と脊椎骨の奇形)の発生率増加、1,000 mg/kg/dayで雄胎児に精巣下降不全の発生率増加が認められた(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))。
(2)妊娠ラットの妊娠12〜21日に本物質125〜625 mg/kg/dayを強制経口投与し、分娩後の出生児を最長で生後122日まで観察した発達毒性試験の結果、母動物には最高用量(625 mg/kg/day)まで異常は認められなかった。一方、児動物では125 mg/kg/day以上で成熟後の雄に精巣精細管の変性(中等度〜重度)、及び精巣上体における乏精子症ないし無精子症、250 mg/kg/day以上で生後1日齢の雄児にAGD(肛門生殖突起間距離)の減少、生後12〜14日齢の雄児に乳輪・乳頭の遺残、成熟後の雄に精巣・精巣上体の未発達ないし欠損、500 mg/kg/dayで包皮分離の遅延(最高用量群は尿道下裂のため観察不能)、500 mg/kg/day以上で成熟後の雄に奇形(尿道下裂、陰茎骨の露出、精巣のない陰嚢)の増加が認められた(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))。
【参考データ等】
(3)母親と男児のペアー85組を対象とした研究において、妊婦の尿中フタル酸モノイソブチル(MIBP:本物質の一次代謝物)レベルと男児のAGI(肛門生殖器インデックス)値とは逆相関すること、年齢に対するAGIが25パーセンタイル未満とAGIの小さい男児の亜集団では潜伏睾丸(停留精巣)の発生率が高かった。例数が85例と少ないこと、母親の尿中MIBP測定が1時点のみで妊娠期間の平均ばく露レベルを反映しているとは限らないなど制限はあるが、本結果は出生前の環境中フタル酸ばく露が男児の生殖器官発達に影響を及ぼすとの仮説を支持する報告とされている(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))。
(4)EU CLP分類ではRepr. 1Bに分類され、SVHC候補とされている(SVHC提案理由書(2009))。
8
特定標的臓器毒性(単回暴露)
分類できない
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-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、旧分類が根拠情報源としたRTECSはList 3で原典が確認できないため情報源とせず、区分を変更した。
9
特定標的臓器毒性(反復暴露)
分類できない
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【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、(1)より区分1範囲で雄の精巣影響が窺われるが、1例のみのデータのため分類に利用しなかった。
【参考データ等】
(1)イヌ(雌雄各1例)の2ヵ月間混餌投与試験では、雄では2.6 mg/kg/day(ガイダンス値換算:1.7 mg/kg/day)で精巣における成熟精子の著減がみられた(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))。
(2)ラットの4ヵ月間混餌投与試験では、極めて高用量の5%群(3,500 mg/kg/day相当)で血液影響、精巣重量減少、肝臓重量増加がみられた(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))。
(3)本物質又は本物質代謝物のフタル酸モノイソブチルを用いたラット又はマウスの主に精巣や肝臓影響を評価した反復投与試験の報告がいくつかある(SVHC提案理由書(2009)、US CPSC(2011))が、いずれも投与期間が2週間未満と短期の試験で、ガイダンスから本項分類基準を満たさない。
10
吸引性呼吸器有害性
分類できない
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【分類根拠】
データ不足のため分類できない。