危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
爆発物
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2
可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
3
エアゾール
分類対象外
-
-
-
-
エアゾール製品でない。
4
支燃性/酸化性ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
5
高圧ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
6
引火性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
7
可燃性固体
分類できない
-
-
-
-
データがなく分類できない。なお、難燃性である(GESTIS(Accessed Sept. 2018))との記述がある。
8
自己反応性化学品
分類対象外
-
-
-
-
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9
自然発火性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
10
自然発火性固体
分類できない
-
-
-
-
データがなく分類できない。
11
自己発熱性化学品
分類できない
-
-
-
-
データがなく分類できない。
12
水反応可燃性化学品
分類対象外
-
-
-
-
金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。
13
酸化性液体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における固体である。
14
酸化性固体
分類対象外
-
-
-
-
フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であり、この塩素が炭素及び水素以外の元素(N)とイオン結合しているが、これは酸化性に寄与しない。
15
有機過酸化物
分類対象外
-
-
-
-
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16
金属腐食性物質
分類できない
-
-
-
-
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
急性毒性(経口)
区分4
警告
H302
P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分4とした。
【根拠データ】
(1)マウスのLD50:400〜600 mg/kgの間(400 mg/kg で3/10例、600 mg/kgで10/10例の死亡)(CERI有害性評価書(2009)、NICNAS IMAP(Accessed Sept. 2018))
(2)マウスのLD50:400〜500 mg/kg(GESTIS(Accessed Sept. 2018))
1
急性毒性(経皮)
区分外
-
-
-
-
【分類根拠】
(1)より、区分外(国連分類基準の区分5)とした。
【根拠データ】
(1)ウサギに本物質を4.3 mL/kg(約4,160 mg/kg(比重:0.968))経皮適用した試験で、6匹中3匹(雄2/3例、雌1/3例)が死亡し、LD50は約4,160 mg/kgと推定されるとの報告がある(CERI有害性評価書(2009))。
1
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
-
-
-
-
【分類根拠】
GHSの定義における固体である。
1
急性毒性(吸入:蒸気)
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
1
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
2
皮膚腐食性/刺激性
区分2
警告
H315
P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
【分類根拠】
(1)、(2)より、区分2とした。なお、(3)は適用時間が長いため分類判断に用いることができない。
【根拠データ】
(1)ヒトボランティア14人の皮膚に本物質25%溶液0.2 mLを4時間閉塞適用したパッチテストで5/14例に陽性反応が見られ、本物質は軽度の皮膚刺激性を有すると判定された(CERI有害性評価書(2009))。
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP準拠、n=3)で、本物質の24〜26%溶液を4時間半閉塞適用した結果、14日目で1匹で浮腫が見られたものの、24、48、72時間の平均紅斑スコア3.0、浮腫スコア1.9との報告がある(SCCS(2010))。
【参考データ等】
(3)雄ウサギの皮膚に本物質の0.1〜2.5%溶液を24時間適用した試験において、適用濃度に相関して軽度から重度の皮膚一次刺激性が見られたとの報告がある(CERI有害性評価書(2009)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分1
危険
H318
P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)〜(5)より、区分1とした。なお、新たな情報源の利用により区分を変更した。その他、(6)のデータもあるが刺激性の程度は不明であり分類判断には用いることができない。
【根拠データ】
(1)雄ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP準拠、n=3)で、本物質24〜26%溶液0.1 mLを適用した結果、角膜混濁、結膜の発赤、結膜の浮腫が21日間継続して観察されたとの報告がある。24、48、72時間における平均スコアはそれぞれ2.8、2.4、4.0であった(SCCS(2010))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、n=3)で、本物質28〜30%溶液0.1 mLを適用した結果、角膜混濁、結膜の浮腫が7,14,21日、虹彩炎が7日間継続して観察されたとの報告がある。24、48、72時間における平均スコアはそれぞれ1.9、3.7、2.3であった(SCCS(2010))。
(3)ウサギを用いたDraize法試験(n=6)において本物質の2.5%溶液、0.1 mLを点眼し、適用3時間後、翌日から35日間後まで眼の刺激性スコアを評価採点した結果、合計スコア110点満点に対し、適用3時間後に60.3点、1日〜35日後の平均スコア93.0点を示したことから重度の刺激性を有すると判定された(CERI有害性評価書(2009))。
(4)雄ウサギ(n=6/群)に本物質の0.1〜2.5%溶液を0.1 mL点眼した結果、適用濃度に相関して軽度から重度の眼刺激性を示したとの報告がある(CERI有害性評価書(2009))。
(5)動物試験結果とin vitro試験結果を合わせると本物質は強い眼刺激性を有すると判断されている(GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
【参考データ等】
(6)ヒトに対して本物質の蒸気及び液体は眼刺激性を示すとの記述がある(HSDB(2003))。
4
呼吸器感作性
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
4
皮膚感作性
区分外
-
-
-
-
【分類根拠】
疑陽性を示す(4)もあるが、(1)〜(3)は陰性を示しており、区分外とした。
【根拠データ】
(1)ヒトボランティア114人の皮膚に本物質0.25%溶液を24時間/回で3回/週、3週間適用し感作誘導を行い、17日後に0.25%溶液を再適用したところ、数人に陽性反応が見られたものの、皮膚感作性の証拠は示されなかったとの報告がある(CERI有害性評価書(2009)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
(2)モルモットを用いたMaximisation試験(OECD TG406、GLP準拠)で、本物質0.125%溶液を初日に適用し、さらに1週間後に3%溶液で48時間感作誘導を行い、21日目に0.5%溶液で誘発させたところ、陽性反応は示さなかったとの報告がある(SCCS(2010))。
(3)Buehlerモルモット試験(OECD TG406、GLP準拠)で、本物質4%溶液を6時間/回、1、8、15日の3回で適用し感作誘導を行い、29日目に1%溶液で再適用したところ、陽性反応は示さなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018)、SCCS(2010))。
【参考データ等】
(4)マウスを用いたLLNA試験で本物質溶液3.5、8.8、17.5%を1回/日、3日間適用したところ、刺激指数(SI)はそれぞれ3.0、3.0、1.1が得られたが、用量反応関係が見られないこと、低用量と中用量でカットオフ値(3.0)を示したことから、擬陽性と判定された(CERI有害性評価書(2009))。
5
生殖細胞変異原性
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】
(1)In vitroにおいて、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験の結果はすべて陰性であった(CERI有害性評価書(2009))。
6
発がん性
分類できない
-
-
-
-
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7
生殖毒性
分類できない
-
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-
【分類根拠】
(1)、(2)より、ウサギの経皮適用試験で発生影響はみられなかったとの報告がある。また、繁殖能に関する試験データがないことから、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】
(1)妊娠ウサギの器官形成期(妊娠7〜18日)に本物質の0.5〜2.0%溶液を2 mL/kg/dayで経皮適用した発生毒性試験において、対照群、1.0及び2.0%投与群で1〜2匹が死亡し、生存母動物には用量依存的に皮膚刺激性所見がみられたが全身影響はなく、胎児には影響はみられなかったとの報告がある(CERI有害性評価書(2009))。
(2)妊娠ウサギに経皮適用した発生毒性試験で、40 mg/kg/dayまでの適用量では胎児毒性、催奇形性ともに観察されなかったとの報告がある(GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
8
特定標的臓器毒性(単回暴露)
区分3(気道刺激性)
警告
H335
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分3(気道刺激性)とした。なお、(2)より、肺への影響がみられているが、区分2の範囲を超える用量での影響であるため、分類には用いていない。
【根拠データ】
(1)本物質蒸気はヒトの喉に刺激性を示すとの記述がある(HSDB(2003))。
【参考データ等】
(2)ウサギの皮膚に本物質4.3 mL(約4,160 mg/kg(比重:0.968))を24時間閉塞適用した試験で、24時間以降皮膚刺激症状が強くなり、適用後5日目から13日目にかけ、6例中3例が死亡した。死亡例の剖検で鼻と口周囲の褐色液体、胸壁と肺との癒着、肺の白色化がみられたとの記述がある(CERI有害性評価書(2009)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
(3)マウスに本物質4.8%溶液を単回経口投与した試験において、LD50付近の400〜500 mg/kgで死亡前に強い神経毒性症状(重度の運動失調、反射低下)がみられたとの記述があるが、死亡例の剖検の結果、消化管に重度の刺激性所見が認められ、死因は神経毒性によるものではなく、粘膜刺激性によるものと考察されている(CERI有害性評価書(2009)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
9
特定標的臓器毒性(反復暴露)
分類できない
-
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-
【分類根拠】
ヒトの反復暴露影響に関して、利用可能な情報はない。また(1)の他に反復投与毒性試験報告はなく、本項分類に利用可能な情報がないため、データ不足のため分類できないとした。
【参考データ等】
(1)実験動物ではウサギの有傷皮膚に本物質を10 mg/kg/dayの用量で4週間経皮適用した試験で、全例に皮膚刺激性症状がみられ、病理組織学的にも軽度から中等度の表皮肥厚、皮膚角化、滲出液、表皮及び毛包の壊死がみられたが、全身影響の徴候は認められていない(CERI有害性評価書(2009)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
10
吸引性呼吸器有害性
分類できない
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【分類根拠】
データ不足のため分類できない。