危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
爆発物
分類対象外
-
-
-
-
爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2
可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
3
エアゾール
分類対象外
-
-
-
-
エアゾール製品ではない。
4
支燃性/酸化性ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
5
高圧ガス
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
6
引火性液体
区分1
危険
H224
P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-37°C (closed cup)、沸点31.7°C (ICSC (J) (2015)) に基づいて区分1とした。なお、UNRTDG分類はUN 1221、クラス3、副次8、PGIである。
7
可燃性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
8
自己反応性化学品
分類対象外
-
-
-
-
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9
自然発火性液体
区分外
-
-
-
-
発火点は400°C (GESTIS (Access on September 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。
10
自然発火性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
11
自己発熱性化学品
分類できない
-
-
-
-
液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12
水反応可燃性化学品
分類対象外
-
-
-
-
金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13
酸化性液体
分類対象外
-
-
-
-
酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14
酸化性固体
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
15
有機過酸化物
分類対象外
-
-
-
-
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16
金属腐食性物質
分類できない
-
-
-
-
低沸点の液体に適した試験方法が確立していない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1
急性毒性(経口)
区分4
警告
H302
P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、122 mg/kg、552 mg/kg (SIDS (2016))、820 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との3件の報告があり、1件が区分3、2件が区分4に該当する。件数の多い区分を採用し、区分4とした。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。
1
急性毒性(経皮)
区分3
危険
H311
P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として、0.55 mL/kg (385 mg/kg) (PATTY (6th, 2012))、> 400 mg/kg (OECD TG 402準拠) (SIDS (2016)) との2件の報告がある。1件は区分3に該当する。1件は区分4又は区分外に該当するが区分を特定できない。有害性の高い区分を採用して、区分3とした。なお、旧分類が根拠としたPATTY (5th, 2001) に記載のラットのLD50値は、評価書を確認したところ、PATTY (6th, 2012)) と同じウサギのデータであった。
1
急性毒性(吸入:ガス)
分類対象外
-
-
-
-
GHSの定義における液体である。
1
急性毒性(吸入:蒸気)
区分4
警告
H332
P304+P340
P261
P271
P312
ラットの1時間吸入ばく露試験のLC50値として、11.5 mg/L (4,761 ppm) (4時間換算値: 5.75 mg/L (2,381 ppm))、4時間吸入ばく露試験のLC50値として、8.7 mg/L (3,602 ppm) との報告 (いずれもSIDS (2016)) があり、1件が区分3、1件が区分4に該当する。ガイダンスに従い4時間吸入ばく露試験のデータを採用して、区分4とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (764,957 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1
急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
2
皮膚腐食性/刺激性
区分1A
危険
H314
P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404と同等) において、本物質の3分間適用で24時間以内に壊死と続いて痂皮が生じたとの記載や、他のウサギを用いた2件の試験 (適用時間1、5、15分間又は24時間) でいずれも腐食性を示したとの記載 (いずれもSIDS (2016)) から、区分1Aとした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2, H315に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。今回の調査で入手した情報をもとに区分を変更した。
3
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
区分1
危険
H318
P305+P351+P338
P280
P310
本物質の皮膚腐食性/刺激性が区分1Aに分類されている。ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405と同等) で、本物質適用24時間後に結膜における強度の刺激性 (発赤、浮腫、分泌物、壊死) や角膜混濁、潰瘍が生じて腐食性を示したとの記載や、他のウサギを用いた2件の試験でいずれも腐食性を示したとの記載 (SIDS (2016)) がある。よって、区分1とした。 なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2, H319に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。
4
呼吸器感作性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
4
皮膚感作性
分類できない
-
-
-
-
モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG 406準拠) で感作性なしとの記載や、マウスを用いたLLNA試験で感作性なしとの記載 (いずれもSIDS (2016)) がある。ヒトでの情報は得られなかったため、分類できないとした。
5
生殖細胞変異原性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験で陰性である (SIDS (2016)、HSDB (Access on August 2017)、NTP DB (Access on September 2017))。
6
発がん性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。
7
生殖毒性
分類できない
-
-
-
-
ラットを用いた吸入ばく露による1世代試験では、雄親動物の2/20例に死亡がみられた最高濃度 (499 mg/m3) まで、雌雄親動物に生殖発生影響はみられなかった (SIDS (2016))。また、妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に吸入ばく露した発生毒性試験では、母動物毒性 (体重増加抑制、鼻汁分泌、ラ音、努力呼吸などの症状) が生じた最高濃度 (1,000 mg/m3) で、胎児に骨格異常 (第13肋骨の骨化減少、彎曲肋骨) がみられたが、統計的に有意な変化ではなかった (SIDS (2016))。
以上、吸入経路では生殖発生影響を示唆する所見は認められていないが、経口経路での毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとした。
8
特定標的臓器毒性(単回暴露)
区分1(中枢神経系、呼吸器)、区分3(麻酔作用)
危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトではボランティアによる試験で、本物質の10〜20 ppmの短時間の吸入ばく露で被験者が鼻と喉の刺激を訴えたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。実験動物では、ラットを用いた3件の単回経口投与試験において、区分1相当の118 mg/kgで活動性低下、鼻と口周囲の汚れ、努力呼吸が認められたとの報告、区分1相当の173 mg/kg付近で嗜眠、努力呼吸、立毛、虚脱が認められたとの報告、区分2相当の346 mg/kgで間欠呼吸、鼻周囲の血痂、粗毛が認められたとの報告がある (いずれもSIDS (2016))。経皮経路では、ラットの単回経皮ばく露試験で、区分1相当の400 mg/kgで呼吸困難、無関心、よろめき、痙攣性歩行、振戦、立毛、眼球突出、全身状態の悪化が認められたが、死亡例はなかったとの報告がある (SIDS (2016))。吸入経路では、ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、区分1相当の2.8〜6.5 mg/Lで努力呼吸、流涙、鼻汁、活動性低下、閉眼、湿性及び乾性のラッセル音が認められ、剖検の肉眼所見では生存例か死亡例かの記載はないが、肺の赤色化と腫大に加えて数例では肺気腫がみられたとの報告がある (SIDS (2016))。また、ラットの1時間単回吸入ばく露試験において、6.6 mg/L以上で、あえぎ、努力呼吸、ラッセル音がみられたとの報告があり、用量の4時間換算値である3.3 mg/Lは区分1に相当する。以上のヒトと実験動物での情報を総合して、区分1 (中枢神経系、呼吸器)、区分3 (麻酔作用) とした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
9
特定標的臓器毒性(反復暴露)
区分2(呼吸器)
警告
H373
P260
P314
P501
ヒトについては、急性の眼及び呼吸器に対する影響の報告があるが慢性影響に関する情報はない (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。
実験動物については、ラットを用いた1ヵ月間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週、20回ばく露) において、区分1のガイダンス値の範囲内 (蒸気) である0.5 mg/L (90日換算: 0.1 mg/L) 以上で体重減少、眼及び鼻の炎症性変化及び変性、区分2のガイダンス値の範囲内 (蒸気) である1.35 mg/L (90日換算: 0.3 mg/L) で眼及び鼻の刺激性を示す一般状態 (眼球混濁、鼻の痂皮等) の報告がある (HSDB (Access on August 2017))。また、ラットを用いた13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分2のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である499 mg/m3 (90日換算: 0.36 mg/L) の雌で鼻の炎症がみられたとの報告がある (SIDS (2016))。
以上、眼及び鼻に刺激性による影響の報告があるが、眼については眼刺激性の結果と考えられることから、本項目では取り扱わなかった。また、区分1のガイダンス値の範囲で影響がみられた試験の情報源はList 2の情報源である。
したがって、区分2 (呼吸器) とした。なお、旧分類で分類に用いたSITTIG (47th, 2002) は現在List 3の情報源であることから、用いず、また、刺激性に起因したと考えられる眼への影響を分類根拠としなかったことから、旧分類と分類結果が異なった。
10
吸引性呼吸器有害性
分類できない
-
-
-
-
データ不足のため分類できない。なお、旧分類ではList 3の情報源を用いて区分2に分類されたが、根拠はヒトでの事例等に基づいた報告ではなく、一般的注意事項である。また、旧分類後に制定された分類JIS (JIS Z7252:2014) では本項分類区分は区分1のみで、区分2はない。
危険有害性項目
分類結果
絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11
水生環境有害性(急性)
区分3
-
-
H402
P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)= 91.6 mg/L(EPA AQUIRE :2017, Chester,N.A. et al(1992))であることから、区分3とした。
11
水生環境有害性(長期間)
区分外
-
-
-
-
慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(BioWin)、蓄積性がない(LogPow:0.26 (SRC PhysProp Database:2017))ことから、区分外とした。
12
オゾン層への有害性
分類できない
-
-
-
-
データなし
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。